本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態及び実施例の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
本明細書において、特に断りがない場合、オン電流とは、トランジスタがオン状態にあるときのドレイン電流をいう。オン状態とは、特に断りがない場合、nチャネル型トランジスタでは、ゲートとソースの間の電圧(VGS)がしきい値電圧(Vth)以上の状態、pチャネル型トランジスタでは、VGSがVth以下の状態をいう。例えば、nチャネル型のトランジスタのオン電流とは、VGSがVth以上のときのドレイン電流を言う場合がある。また、トランジスタのオン電流は、ドレインとソースの間の電圧(VDS)に依存する場合がある。
本明細書において、特に断りがない場合、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態にあるときのドレイン電流をいう。オフ状態とは、特に断りがない場合、nチャネル型トランジスタでは、VGSがVthよりも低い状態、pチャネル型トランジスタでは、VGSがVthよりも高い状態をいう。例えば、nチャネル型のトランジスタのオフ電流とは、VGSがVthよりも低いときのドレイン電流を言う場合がある。トランジスタのオフ電流は、VGSに依存する場合がある。従って、トランジスタのオフ電流が10−21A未満である、とは、トランジスタのオフ電流が10−21A未満となるVGSの値が存在することを言う場合がある。
また、トランジスタのオフ電流は、VDSに依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、VDSの絶対値が0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V、2.5V、3V、3.3V、10V、12V、16V、または20Vにおけるオフ電流を表す場合がある。または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等において使用されるVDSにおけるオフ電流、を表す場合がある。
本明細書等において、トランジスタの接続関係を説明する際、ソースとドレインとの一方を、「ソース又はドレインの一方」(又は第1電極、又は第1端子)と表記し、ソースとドレインとの他方を「ソース又はドレインの他方」(又は第2電極、又は第2端子)と表記している。これは、トランジスタのソースとドレインは、トランジスタの構造又は動作条件等によって変わるためである。なおトランジスタのソースとドレインの呼称については、ソース(ドレイン)端子や、ソース(ドレイン)電極等、状況に応じて適切に言い換えることができる。
なお、本明細書中において、高電源電位をHレベル(又はVDD)、低電源電位をLレベル(又はGND)と呼ぶ場合がある。
また、本明細書は、以下の実施の形態及び実施例を適宜組み合わせることが可能である。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、互い構成例を適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である半導体装置の回路構成について説明を行う。
〈〈回路10〉〉
図1に示す回路10は、トランジスタM0の第2ゲートを駆動するための半導体装置である。回路10は、電圧生成回路12と、電圧保持回路11とを有する。
トランジスタM0は、記憶回路、演算回路、画素回路など、様々な回路に用いられるトランジスタを表している。図1は、3つのトランジスタM0が図示されているが、これに限定されず回路10はさらに多くのトランジスタM0と接続されていてもよい。なお、以降の説明において、トランジスタM0はnチャネル型トランジスタとして説明を行う。
それぞれのトランジスタM0は第1ゲート及び第2ゲートを有する。これら第2ゲートは、それぞれが接続されたトランジスタM0のVthを制御する機能を有する。容量素子C0は、上記第2ゲートに付加された配線容量を表している。トランジスタM0において、第1ゲート及び第2ゲートは半導体層を間に介して互いに重なる領域を有することが好ましい。
回路10は、トランジスタM0の第2ゲートに電位を書き込み、さらにそれを保持する機能を有する。
例えば、回路10がトランジスタM0の第2ゲートに負電位を書き込んだ場合、トランジスタM0は第2ゲートの負電位が保持されている間、Vthを高く保つことができる。トランジスタM0はVthを高く保つことで、ノーマリ・オンを防ぐことができ、トランジスタM0を含む半導体装置全体の消費電力を下げることができる。例えば、トランジスタM0をメモリセルの選択トランジスタに用いた場合、ストレージとして機能する容量素子の電荷を長期間保持することができる。
電圧保持回路11は、電圧生成回路12が生成した電位VBGを、それぞれのトランジスタM0が有する第2ゲートに印加し、保持する機能を有する。
電圧生成回路12は、GNDまたはVDDからVBGを生成する機能を有する。電圧生成回路12は、VDD、信号CLK、信号WAKEが入力される。信号CLKはクロック信号であり、電圧生成回路12を動作させるのに用いられる。信号WAKEは、信号CLKの電圧生成回路12への入力を制御する機能を有する。例えば、信号WAKEにHレベルの信号が与えられると、信号CLKが電圧生成回路12へ入力され、電圧生成回路12はVBGを生成する。
次に、電圧保持回路11の具体的な構成例について、図2乃至図5を用いて説明を行う。
〈電圧保持回路11a〉
図2(A)に示す電圧保持回路11aは、トランジスタM11及び容量素子C11を有する。トランジスタM11の第1端子は、トランジスタM11のゲート、容量素子C11の第1端子及びトランジスタM0の第2ゲートに電気的に接続されている。トランジスタM11の第2端子は電圧生成回路12に電気的に接続されVBGを与えられる。なお、以降の説明において、トランジスタM11はnチャネル型トランジスタとして説明を行う。
図2(A)は、トランジスタM0の第2ゲートに、ダイオードとして機能するトランジスタM11、及び容量素子C11が接続されている。トランジスタM11は、トランジスタM0の第2ゲートに電位を書き込み、保持する機能を有する。図2(A)は、一例として、トランジスタM0の第2ゲートに負電位(−3V)が書き込まれた例を示している。トランジスタM0の第2ゲートに書き込まれた負電位はトランジスタM0のVthをプラスにシフトさせる。トランジスタM11はその第1端子をGNDにすることで、書き込まれた負電位を保持し、トランジスタM0はノーマリ・オフを維持することができる。
トランジスタM11は第1ゲート及び第2ゲートを有していてもよい。その場合の回路図を図2(B)に示す。トランジスタM11の第2ゲートは、トランジスタM11の第1ゲート及びトランジスタM11の第1端子に電気的に接続されている。トランジスタM11において、第1ゲート及び第2ゲートは半導体層を間に介して互いに重なる領域を有することが好ましい。
図2(A)、(B)において、トランジスタM11はVGSが0Vとなる。VGS=0Vにおけるドレイン電流(以降、カットオフ電流と呼ぶ)が十分に小さければ、トランジスタM11は電荷の流れを遮断し、電圧保持回路11aは上記負電位を長期間保持することができる(図2(C)におけるポイントa)。
しかし、トランジスタM11のVthが小さい場合、トランジスタM11のカットオフ電流は増大し、電圧保持回路11aは上記負電位を長期間保持することができない(図2(C)におけるポイントb)。
すなわち、電圧保持回路11aが正しく機能するためには、トランジスタM11のカットオフ電流を下げる必要がある。
また、トランジスタM11のソースとドレイン間の耐圧(以下、ソース・ドレイン耐圧)は高いことが好ましい。トランジスタM11のソース・ドレイン耐圧が高いと、高電圧を生成する電圧生成回路12と、トランジスタM0との接続を容易にすることができる。
トランジスタM11のチャネル長は、トランジスタM0のチャネル長よりも長いことが好ましい。例えば、トランジスタM0のチャネル長を1μm未満とした場合、トランジスタM11のチャネル長は1μm以上、さらに好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。
トランジスタM11のチャネル長を長くすることで、トランジスタM11は短チャネル効果の影響を受けず、カットオフ電流を低く抑えることができる。また、トランジスタM11はソース・ドレイン耐圧を高くすることができる。
例えば、メモリセルのように高い集積度が要求される回路にトランジスタM0が用いられる場合、トランジスタM0のチャネル長は短い方が好ましい。一方で、トランジスタM11はメモリセルの外に作製できるため、チャネル長は長くても問題にならない。また、トランジスタのチャネル長を長くすると、トランジスタのオン電流が低下するが、トランジスタM11は、主にオフ状態で使用されることが多いため、高いオン電流は要求されない。
トランジスタM11には、OSトランジスタやチャネル形成領域にワイドバンドギャップ半導体を用いたトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタやワイドバンドギャップ半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が小さく、ソース・ドレイン耐圧が高い。なお、本明細書においてワイドバンドギャップ半導体とは、バンドギャップが2.2eV以上の半導体である。例えば、炭化ケイ素、窒化ガリウム、ダイヤモンドなどが挙げられる。
また、OSトランジスタやワイドバンドギャップ半導体トランジスタは、高温環境においてもカットオフ電流が小さいままなので、これらトランジスタをトランジスタM11に用いることで、回路10を高温環境下で動作させることができる。
トランジスタM11は、電子親和力の小さい半導体をチャネル形成領域に用いることが好ましい。電子親和力の小さい半導体を用いることで、トランジスタM11はVthをプラスにシフトさせ、カットオフ電流を小さくすることができる。
トランジスタM11はトランジスタM0よりも小さいカットオフ電流と、高いソース・ドレイン耐圧が要求される。一方で、トランジスタM0はトランジスタM11よりも大きなオン電流が要求される。このように、要求される性質が異なるトランジスタを同一基板上に作る場合、異なる半導体を用いてそれぞれのトランジスタを形成すればよい。トランジスタM11はトランジスタM0よりも、バンドギャップの大きい半導体をチャネル形成領域に用いることが好ましい。また、トランジスタM11はトランジスタM0よりも、電子親和力の小さい半導体をチャネル形成領域に用いることが好ましい。また、トランジスタM0はトランジスタM11よりも、電子移動度の高い半導体をチャネル形成領域に用いることが好ましい。
ここで、インジウム(In)及び元素Mを含む酸化物半導体(In−M酸化物半導体)とインジウム(In)、亜鉛(Zn)及び元素Mを含む酸化物半導体(In−M−Zn酸化物半導体)について考える。元素Mは、酸素との結合エネルギーがInよりも高い元素である。元素Mとして、例えば、ガリウム(Ga)が好ましい。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、シリコン(Si)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、イットリウム(Y)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、スカンジウム(Sc)などが挙げられる。上述のIn−M酸化物半導体及びIn−M−Zn酸化物半導体は、Inの原子数[In]に対するMの原子数[M]の比率([M]/[In])が増えるほど、バンドギャップが大きくなることが我々の調査から確認されている。
例えば、元素MとしてGaを選んだ場合、In−Ga酸化物半導体の電子親和力(χ)と、バンドギャップ(EG)を表1に、In−Ga−Zn酸化物半導体の電子親和力と、バンドギャップを表2に示す。表1及び表2の値は、UPS(紫外線光電子分光法)とPL(フォトルミネッセンス法)によって測定された。
表1において、IGO(α:β)は、In:Ga=α:βの組成から成るIn−Ga酸化物ターゲットを用いてスパッタリング法で成膜されたIn−Ga酸化物半導体を表す。同様に、表2において、IGZO(α:β:γ)は、In:Ga:Zn=α:β:γの組成から成るIn−Ga―Zn酸化物ターゲットを用いてスパッタリング法で成膜されたIn−Ga−Zn酸化物半導体を表す。
表1より、In−Ga酸化物半導体はInの原子数に対するGaの原子数の比率が増えるほど、電子親和力が小さくなり、バンドギャップが広くなることが確認された。同様に、表2より、In−Ga−Zn酸化物半導体はInの原子数に対するGaの原子数の比率が増えるほど、電子親和力が小さくなり、バンドギャップが広くなることが確認された。
上述の説明より、トランジスタM11及びトランジスタM0のチャネル形成領域としてIn−M酸化物半導体を用いる場合、トランジスタM11のチャネル形成領域におけるInの原子数に対するMの原子数の比率は、トランジスタM0のチャネル形成領域におけるInの原子数に対するMの原子数の比率よりも、大きいことが好ましい。
同様に、トランジスタM11及びトランジスタM0のチャネル形成領域としてIn−M−Zn酸化物半導体を用いる場合、トランジスタM11のチャネル形成領域におけるInの原子数に対するMの原子数の比率は、トランジスタM0のチャネル形成領域におけるInの原子数に対するMの原子数の比率よりも、大きいことが好ましい。
以上、トランジスタM11を上記構成にすることで、電圧保持回路11aは長期間電位を保持することが可能になる。
〈電圧保持回路11b〉
図3(A)に示す電圧保持回路11bは、トランジスタM12、トランジスタM13及び容量素子C12を有する。なお、以降の説明において、トランジスタM12及びトランジスタM13はnチャネル型トランジスタとして説明を行う。
トランジスタM13のゲートは、容量素子C12の第1端子、トランジスタM12のゲートに電気的に接続されている。トランジスタM12の第1端子は、トランジスタM0の第2ゲートに電気的に接続され、トランジスタM12の第2端子は、電圧生成回路12から電位VBGが与えられる。
トランジスタM12のゲート、容量素子C12の第1端子及びトランジスタM13のゲートは、電気的に浮遊状態にある。これら電気的に浮遊状態にある配線を、ノードN11と呼称する。
なお、トランジスタM12は第1ゲート及び第2ゲートを有していてもよい。その場合の回路図を図3(B)に示す。トランジスタM12において、第1ゲート及び第2ゲートは、半導体層を間に介して互いに重なる領域を有することが好ましい。トランジスタM12の第2ゲートは、トランジスタM12の第1ゲート、トランジスタM13のゲート及び容量素子C12の第1端子に電気的に接続されている。
次に、電圧保持回路11bの動作について、図4を用いて説明を行う。
まず、容量素子C12の第2端子に正電位(VC1)を印加し、トランジスタM13のゲート絶縁膜にトンネル電流を流し、ノードN11に負電荷を注入する。図4(A)では、一例として、VC1に10Vより高く20V以下の電位を与えている。
このとき、トランジスタM13のソースとドレイン間に電位差を与えて、トランジスタM13にドレイン電流を流すことが好ましい。トランジスタM13にドレイン電流を流すことで、ホット・エレクトロン注入を利用してノードN11に電荷を注入することができる。なお、ホット・エレクトロン注入は短時間で電荷を注入できるが、デバイスの劣化を引き起こしやすい。その場合は、トランジスタM13のソースとドレイン間に電位差を与えず、ファウラーノルドハイム・トンネル方式で電荷を注入してもよい。
ノードN11に負電荷を注入することで、トランジスタM12のVthを高くする(プラスにシフトさせる)ことができる。トランジスタM12のVthが高くなることで、トランジスタM12のカットオフ電流を小さくすることができる。
次に、VBGに電位を与えて、トランジスタM0の第2ゲートに電位を書き込む。図4(B)では、一例として−3VがトランジスタM0の第2ゲートに書き込まれている。
このとき、VC1はトランジスタM13にトンネル電流を流さず、且つ、トランジスタM12をオン状態にする程度の電位を与えることが好ましい。図4(B)では、一例として、VC1に0Vより高く10V以下の電位を与えている。
次に、VBG及びVC1にGNDを与え、トランジスタM0の第2ゲートの電位を保持する(図4(C))。
このときにトランジスタM12のVGSが0V以下になるように、図4(A)の時点でノードN11に負電荷を予め注入しておくことが好ましい。トランジスタM12のVthはカットオフ電流が小さくなるように調整されていることから、トランジスタM12を流れるリーク電流は小さい。そのため、電圧保持回路11bは、トランジスタM0の第2ゲートに書き込まれた電位を長期間保持することが可能になる。
トランジスタM12はカットオフ電流を下げるために、電圧保持回路11aのトランジスタM11と同じ特徴を有していてもよい。
トランジスタM12のチャネル長は、トランジスタM0のチャネル長よりも長いことが好ましい。例えば、トランジスタM0のチャネル長を1μm未満とした場合、トランジスタM12のチャネル長は1μm以上、さらに好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。
トランジスタM12には、OSトランジスタやチャネル形成領域にワイドバンドギャップ半導体を用いたトランジスタを用いることが好ましい。
トランジスタM12はトランジスタM0よりも、バンドギャップの大きい半導体をチャネル形成領域に用いることが好ましい。また、トランジスタM0はトランジスタM12よりも、電子移動度の高い半導体をチャネル形成領域に用いることが好ましい。
トランジスタM12及びトランジスタM0のチャネル形成領域としてIn−M酸化物半導体を用いる場合、トランジスタM12のチャネル形成領域におけるInの原子数に対するMの原子数の比率は、トランジスタM0のチャネル形成領域におけるInの原子数に対するMの原子数の比率よりも、大きいことが好ましい。
トランジスタM12及びトランジスタM0のチャネル形成領域としてIn−M−Zn酸化物半導体を用いる場合、トランジスタM12のチャネル形成領域におけるInの原子数に対するMの原子数の比率は、トランジスタM0のチャネル形成領域におけるInの原子数に対するMの原子数の比率よりも、大きいことが好ましい。
以上、トランジスタM12を上記構成にすることで、電圧保持回路11bは長期間電位を保持することが可能になる。
〈電圧保持回路11c〉
図5(A)に示す電圧保持回路11cは、トランジスタM14及び容量素子C13を有する。トランジスタM14の第1端子は、トランジスタM14の第1ゲート、容量素子C13の第1端子及びトランジスタM0の第2ゲートに電気的に接続されている。トランジスタM14の第2端子は電圧生成回路12に電気的に接続され、電位VBGが与えられる。
トランジスタM14は第1ゲート及び第2ゲートを有する。トランジスタM14において、第1ゲート及び第2ゲートは、半導体層を間に介して互いに重なる領域を有することが好ましい。トランジスタM14は、第1ゲートと半導体層の間に第1ゲート絶縁膜を有し、第2ゲートと半導体層の間に第2ゲート絶縁膜を有する。なお、以降の説明において、トランジスタM14はnチャネル型トランジスタとして説明を行う。
トランジスタM14は、上記第2ゲート絶縁膜に電荷蓄積層を有している。なお、図5は、トランジスタ記号の中に描かれた点線で電荷蓄積層を表している。
トランジスタM14は、第2ゲートに電位VCが与えられることで、電荷蓄積層に電荷を注入することができる。例えば、電位VCに正電位を与えることで、電荷蓄積層に負電荷を注入することができる。
電荷蓄積層に負電荷が注入されることで、トランジスタM14はVthをプラスに動かすことができる。その結果、トランジスタM14は、カットオフ電流を下げることができ、トランジスタM14は、トランジスタM0の第2ゲートに与えられた電位を長期間保持することが可能になる。
電荷蓄積層の具体的な例は、後述する実施の形態3で説明を行う。
トランジスタM14はカットオフ電流を下げるために、電圧保持回路11aのトランジスタM11と同じ特徴を有していてもよい。
トランジスタM14のチャネル長は、トランジスタM0のチャネル長よりも長いことが好ましい。例えば、トランジスタM0のチャネル長を1μm未満とした場合、トランジスタM14のチャネル長は1μm以上、さらに好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上である。
トランジスタM14には、OSトランジスタやチャネル形成領域にワイドバンドギャップ半導体を用いたトランジスタを用いることが好ましい。
トランジスタM14はトランジスタM0よりも、バンドギャップの大きい半導体をチャネル形成領域に用いることが好ましい。また、トランジスタM0はトランジスタM14よりも、電子移動度の高い半導体をチャネル形成領域に用いることが好ましい。
トランジスタM14及びトランジスタM0のチャネル形成領域としてIn−M酸化物半導体を用いる場合、トランジスタM14のチャネル形成領域におけるInの原子数に対するMの原子数の比率は、トランジスタM0のチャネル形成領域におけるInの原子数に対するMの原子数の比率よりも、大きいことが好ましい。
トランジスタM14及びトランジスタM0のチャネル形成領域としてIn−M−Zn酸化物半導体を用いる場合、トランジスタM14のチャネル形成領域におけるInの原子数に対するMの原子数の比率は、トランジスタM0のチャネル形成領域におけるInの原子数に対するMの原子数の比率よりも、大きいことが好ましい。
以上、トランジスタM14を上記構成にすることで、電圧保持回路11cは長期間電位を保持することが可能になり、回路10は長期間電位を保持することが可能になる。
なお、上述した電荷蓄積層はトランジスタM0に設けてもよい。その場合の回路図を図5(B)に示す。このようにすることで、トランジスタM0のカットオフ電流をさらに下げることが可能になり、トランジスタM0を含む半導体装置の消費電力を低減することができる。
次に電圧生成回路12の詳細について、図6及び図7を用いて説明を行う。
図6は電圧生成回路12の例として電圧生成回路12aを示し、図7は電圧生成回路12の例として電圧生成回路12b、電圧生成回路12c及び電圧生成回路12dを示している。これらの回路は降圧型のチャージポンプであり、入力端子INにGNDが入力され、出力端子OUTから負電位であるVBGが出力される。ここでは、一例として、チャージポンプの基本回路の段数は4段としているが、これに限定されず任意の段数でチャージポンプを構成してもよい。
〈電圧生成回路12a〉
図6に示すように、電圧生成回路12aは、トランジスタM21乃至M24、および容量素子C21乃至C24を有する。以降、トランジスタM21乃至M24はnチャネル型トランジスタとして説明を行う。
トランジスタM21乃至M24は、入力端子INと出力端子OUT間に直列に接続されており、それぞれのゲートと第1端子がダイオードとして機能するように接続されている。トランジスタM21乃至M24のゲートは、それぞれ、容量素子C21乃至C24が接続されている。
奇数段の容量素子C21、C23の第1端子には、信号CLKが入力され、偶数段の容量素子C22、C24の第1端子には、信号CLKBが入力される。信号CLKBは、信号CLKの位相を反転した反転クロック信号である。
電圧生成回路12aは、入力端子INに入力されたGNDを降圧し、VBGを生成する機能を有する。電圧生成回路12aは、信号CLK、CLKBの供給のみで、負電位を生成することができる。
電圧生成回路12は、第1ゲート及び第2ゲートを有するトランジスタで構成しても良い。その場合の回路図を図7(A)乃至(C)に示す。
〈電圧生成回路12b〉
図7(A)に示すように、電圧生成回路12bは、トランジスタM25乃至M28、および容量素子C25乃至C28を有する。以降、トランジスタM25乃至M28はnチャネル型トランジスタとして説明を行う。
トランジスタM25乃至M28は、それぞれ第1ゲート及び第2ゲートを有する。それぞれのトランジスタにおいて、第1ゲート及び第2ゲートは半導体層を間に介して互いに重なる領域を有することが好ましい。
トランジスタM25乃至M28は、入力端子INと出力端子OUT間に直列に接続されており、それぞれ第1ゲートと第1端子がダイオードとして機能するように接続されている。トランジスタM25乃至M28の第1ゲートは、それぞれ、容量素子C25乃至C28が接続されている。
奇数段の容量素子C25、C27の第1端子には、信号CLKが入力され、偶数段の容量素子C26、C28の第1端子には、信号CLKBが入力される。信号CLKBは、信号CLKの位相を反転した反転クロック信号である。
電圧生成回路12bは、入力端子INに入力されたGNDを降圧し、VBGを生成する機能を有する。電圧生成回路12bは、信号CLK、CLKBの供給のみで、負電位を生成することができる。
電圧生成回路12bは、トランジスタM25乃至M28に第2ゲートを設けて、そこに電圧を印加することで、トランジスタM25乃至M28のVthをそれぞれ制御している。電圧生成回路12bでは、トランジスタM25乃至M28の第2ゲートは入力端子INに接続されている。
トランジスタM25乃至M28の第2ゲートは、電圧生成回路12bの電圧が最も高くなる入力端子INに接続されている。つまり、トランジスタM25乃至M28の第2ゲートには、ソースよりも高い電圧が印加される。よって、第2ゲートに電圧を印加していない場合よりも、トランジスタM25乃至M28のVthを下げることができるため、トランジスタM25乃至M28の電流駆動特性が向上される。その結果、電圧生成回路12bは、少ない段数で電圧を降圧することが可能になり、段数を削減することができる。電圧生成回路12bのサイズを小さくすることができ、消費電力を削減することができる。
〈電圧生成回路12c〉
図7(B)の電圧生成回路12cにおいて、トランジスタM25乃至M28の第2ゲートは、それぞれのトランジスタの第1ゲートに接続されている。それ以外の構成は、電圧生成回路12bと同じである。
電圧生成回路12cにおいて、トランジスタM25乃至M28は、第1ゲートと第2ゲートに同じ電圧が印加されるため、第2ゲートに電圧を印加していない場合よりもオン電流が向上する。その結果、電圧生成回路12cは、少ない段数で電圧を降圧することが可能になり、段数を削減することができる。電圧生成回路12cのサイズを小さくすることができる。
〈電圧生成回路12d〉
図7(C)の電圧生成回路12dにおいて、トランジスタM25乃至M28の第2ゲートは、それぞれ出力端子OUTに接続されている。それ以外の構成は、電圧生成回路12bと同じである。
電圧生成回路12dは、電圧生成回路12b、12cよりもトランジスタM25乃至M28のリーク電流の低減を重視した構成となっている。トランジスタM25乃至M28の第2ゲートは、電圧生成回路12dの電圧が最も低くなる出力端子OUTに接続されている。トランジスタM25乃至M28の第2ゲートには、ソースよりも低い電圧が印加されるので、電圧生成回路12b、12cよりも、トランジスタM25乃至M28のVthをより高くすることができる。そのため、ダイオード接続されたトランジスタM25乃至M28の逆方向電流が低減でき、容量素子C25乃至C28からの電荷のリークが抑制される。これにより、容量素子C25乃至C28の容量値を下げることができるので、電圧生成回路12dのサイズを小さくすることができる。
以上、回路10を上記構成にすることで、長期間においてデータの保持が可能な半導体装置を提供することができる。また、消費電力を抑えることができる半導体装置を提供することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1に示した回路10の適用例について、図8乃至図11を用いて説明を行う。
〈不揮発性メモリ〉
図8(A)は、記憶素子としての機能を有するメモリセル110の回路構成を示している。
図8(A)のメモリセル110は、第1ゲート及び第2ゲートを有するトランジスタM0と、トランジスタ112と、容量素子114と、ノードFNと、配線BLと、配線SLと、配線WLと、配線RLと、配線BGLとを有する。
図8(A)のメモリセル110において、トランジスタM0の第1ゲートは配線WLに電気的に接続され、トランジスタM0の第2ゲートは配線BGLに電気的に接続され、トランジスタM0のソースまたはドレインの一方は配線BLに電気的に接続され、トランジスタM0のソースまたはドレインの他方はノードFNに電気的に接続される。
図8(A)のメモリセル110において、トランジスタ112のゲートはノードFNに電気的に接続され、トランジスタ112のソースまたはドレインの一方は配線BLに電気的に接続され、トランジスタ112のソースまたはドレインの他方は配線SLに電気的に接続される。
図8(A)のメモリセル110において、容量素子114の第1の端子は配線RLに電気的に接続され、容量素子114の第2の端子はノードFNに電気的に接続される。
トランジスタM0は、オフ電流が小さいトランジスタであることが好適である。例えば、トランジスタM0のオフ電流は、好ましくは10−18A/μm以下、さらに好ましくは10−21A/μm以下、さらに好ましくは10−24A/μm以下である。オフ電流が小さいトランジスタとして、OSトランジスタが挙げられる。
トランジスタ112は、閾値電圧のばらつきの小さいトランジスタが用いられることが好ましい。ここで、閾値電圧のばらつきが小さいトランジスタとは、トランジスタが同一プロセスで作製される際に、許容される閾値電圧の差が100mV以内で形成されうるトランジスタのことをいう。具体的には、チャネルが単結晶シリコンで形成されているトランジスタが挙げられる。
メモリセル110は、ノードFNの電荷が保持可能という特徴を活かすことで、次のように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
情報の書き込みおよび保持について説明する。まず、トランジスタM0がオン状態になるように、配線WLに電位を与える。これにより、配線BLの電位が、ノードFNに与えられる。すなわち、ノードFNには、所定の電荷が与えられる(書き込み)。ここでは、異なる二つの電位レベルを与える電荷(以下Lレベル、Hレベルという)のいずれかが与えられるものとする。その後、トランジスタM0をオフ状態とすることにより、ノードFNに与えられた電荷が保持される(保持)。
トランジスタM0のオフ電流は極めて小さいため、トランジスタM0のゲートの電荷は長時間にわたって保持される。
次に情報の読み出しについて説明する。配線SLに所定の電位(定電位)を与えた状態で、配線RLに適切な電位(読み出し電位)を与えると、トランジスタ112のゲートに保持された電荷量に応じて、配線BLの電位は変動する。一般に、トランジスタ112をpチャネル型とすると、ノードFNにHレベルが与えられている場合の見かけのしきい値電圧Vth_Hは、ノードFNにLレベルが与えられている場合の見かけのしきい値電圧Vth_Lより低くなる。ここで、見かけのしきい値電圧とは、トランジスタ112を「オン状態」とするために必要な配線RLの電位をいう。したがって、配線RLの電位をVth_HとVth_Lの間の電位V0とすることにより、トランジスタ112のゲートに与えられた電荷を判別できる。例えば、書き込みにおいて、Lレベルが与えられていた場合には、配線RLの電位がV0(<Vth_L)となれば、トランジスタ112は「オン状態」となる。Hレベルが与えられた場合は、配線RLの電位がV0(>Vth_H)となっても、トランジスタ112は「オフ状態」のままである。このため、配線BLの電位を判別することで、保持されている情報を読み出すことができる。
なお、上記の説明は、トランジスタ112をpチャネル型トランジスタとして扱ったが、これに限定されず、トランジスタ112がnチャネル型トランジスタの場合もあり得る。
図8(B)は、マトリックス状に配置されたメモリセル110と、実施の形態1に示す回路10を有する記憶装置120の回路構成を示している。記憶装置120は不揮発性メモリとしての機能を有する。
記憶装置120は、m行n列のマトリクス状に配置されたメモリセル110を有する。ここで、m及びnは2以上の自然数を表す。また、m行目に配置されたメモリセル110は、配線WL[m]及び配線RL[m]に電気的に接続され、n列目に配置されたメモリセル110は、配線BL[n]及び配線SLに電気的に接続される。
それぞれのメモリセル110に含まれるトランジスタM0の第2ゲートは、配線BGLを介して、回路10に電気的に接続されている。すなわち、回路10は、全てのメモリセルに含まれるトランジスタM0の第2ゲートを制御する機能を有する。
回路10が、トランジスタM0の第2ゲートを制御することで、トランジスタM0は適切なVthをとることが可能になり、ノーマリ・オンを防ぐことができる。その結果、トランジスタM0はオフ電流を小さくすることができ、ノードFNに書き込まれた電荷を保持することが可能になる。
記憶装置120を上記構成にすることで、電源をオフにしても、長時間に渡ってデータの保持が可能な記憶装置を提供することができる。
〈DRAM〉
図9(A)は、記憶素子としての機能を有するメモリセル130の回路構成を示している。
図9(A)のメモリセル130は、第1ゲート及び第2ゲートを有するトランジスタM0と、容量素子131と、配線BLと、配線WLと、配線CLと、配線BGLと、を有する。
図9(A)のメモリセル130において、トランジスタM0の第1ゲートは配線WLに電気的に接続され、トランジスタM0の第2ゲートは配線BGLに電気的に接続され、トランジスタM0のソースまたはドレインの一方は配線BLに電気的に接続され、トランジスタM0のソースまたはドレインの他方は容量素子131の第1の端子に電気的に接続される。また、容量素子131の第2の端子は配線CLに電気的に接続される。
トランジスタM0は、オフ電流が小さいトランジスタであることが好適である。例えば、トランジスタM0のオフ電流は、好ましくは10−18A/μm以下、さらに好ましくは10−21A/μm以下、さらに好ましくは10−24A/μm以下である。オフ電流が小さいトランジスタとして、OSトランジスタが挙げられる。
配線WLは、トランジスタM0のオン・オフを制御する信号を供給する機能を有し、配線BLは、トランジスタM0を介して、容量素子131に電荷を書き込む機能を有する。容量素子131に電荷を書き込んだ後に、トランジスタM0をオフにすることで、容量素子131に書き込まれた電荷を保持することができる。
容量素子131に書き込まれた電荷は、トランジスタM0を介して、外部に流れ出るため、定期的に容量素子131に書き込まれた電荷を再書き込みする(リフレッシュする)動作が必要であるが、トランジスタM0はオフ電流が極めて低く、容量素子131から流れ出る電荷は少ないため、リフレッシュの頻度も少ない。
図9(B)は、マトリックス状に配置されたメモリセル130と、実施の形態1に示す回路10を有する記憶装置140の回路構成を示している。記憶装置140はDRAMとしての機能を有する。
記憶装置140は、m行n列のマトリクス状に配置されたメモリセル130を有する。また、m行目に配置されたメモリセル130は、配線WL[m]に電気的に接続され、n列目に配置されたメモリセル130は、配線BL[n]に電気的に接続される。また、配線CLは一定の低電位を与える端子VCMに電気的に接続されている。
それぞれのメモリセル130に含まれるトランジスタM0の第2ゲートは、配線BGLを介して、回路10に電気的に接続されている。すなわち、回路10は、全てのメモリセルに含まれるトランジスタM0の第2ゲートを制御する機能を有する。
回路10が、トランジスタM0の第2ゲートを制御することで、トランジスタM0は適切なVthをとることが可能になり、ノーマリ・オンを防ぐことができる。その結果、トランジスタM0はオフ電流を小さくすることができ、容量素子131に書き込まれた電荷を保持することが可能になる。
記憶装置140を上記構成にすることで、リフレッシュ頻度の少ない、低消費電力で動作可能な記憶装置を提供することができる。
〈レジスタ〉
図10に、1ビットのレジスタ回路150の構成例を示す。
レジスタ回路150は、第1ゲート及び第2ゲートを有するトランジスタM0と、容量素子154と、ノードN5と、フリップフロップ回路153を有する。
フリップフロップ回路153は、インバータ151及びインバータ152を有する。インバータ151は、インバータ152と並列且つ逆向きに接続され、インバータ151の出力側が接続されるノードが出力端子OUTに相当する。
トランジスタM0の第2ゲートは、回路10に電気的に接続され、トランジスタM0の第1ゲートは、入力端子Sig1に電気的に接続され、トランジスタM0のソースまたはドレインの一方は、入力端子Sig2に電気的に接続され、トランジスタM0のソースまたはドレインの他方は、ノードN5に電気的に接続される。
容量素子154の第1の端子は、ノードN5に電気的に接続され、容量素子154の第2の端子は、一定の低電位が与えられる。この低電位として、接地電位を与えてもよい。また、ノードN5は、フリップフロップ回路153に電気的に接続されている。
トランジスタM0は、オフ電流が小さいトランジスタであることが好適である。例えば、トランジスタM0のオフ電流は、好ましくは10−18A/μm以下、さらに好ましくは10−21A/μm以下、さらに好ましくは10−24A/μm以下である。オフ電流が小さいトランジスタとして、OSトランジスタが挙げられる。
レジスタ回路150は、入力端子Sig1及び入力端子Sig2からの入力信号により、データの格納、並びに出力を行う。例えば、ハイレベルの電圧が入力端子Sig1及び入力端子Sig2に供給されると、トランジスタM0がオン状態となりノードN5にハイレベル電圧が入力される。その結果、レジスタ回路150の出力端子OUTからはインバータ151によって反転されたローレベル電圧が出力されると同時に、フリップフロップ回路153にはローレベル電圧のデータが格納される。一方、入力端子Sig2からローレベル電圧が入力されると、同様にして出力端子OUTからはハイレベル電圧が出力されるとともにハイレベル電圧のデータがフリップフロップ回路153に格納される。
容量素子154は、ノードN5の電圧を保持する機能を有する。
レジスタ回路150は、入力端子Sig2からノードN5へ電位を書き込んだ後、トランジスタM0をオフにすることで、電源電圧の供給を停止しても、ノードN5の電位を保持することができる。なぜなら、トランジスタM0のオフ電流は極めて小さいからである。すなわち、レジスタ回路150を用いることで、電源電圧の供給を停止してもデータの保持が可能な記憶装置を提供することができる。
また、回路10は、トランジスタM0の第2ゲートを制御する信号を供給する機能を有する。回路10が、トランジスタM0の第2ゲートを制御することで、トランジスタM0は適切なVthをとることが可能になり、ノーマリ・オンを防ぐことができる。その結果、トランジスタM0はオフ電流を小さくすることができ、ノードN5に書き込まれた電荷を保持することが可能になる。
なお、本実施の形態では、フリップフロップ回路153の例として、2つのインバータ回路を用いた簡易な構成を示したが、これに限定されること無く、クロック動作の可能なクロックドインバータを用いる構成や、NAND回路とインバータを組み合わせた構成を適宜用いることができる。例えば、RS型、JK型、D型、T型等、公知のフリップフロップ回路を適宜用いることができる。
〈表示装置〉
図11(A)、(B)では、実施の形態1で例示した回路10を表示装置に適用した一例について説明する。
図11(A)に、表示装置に適用可能な画素170の構成例を示す。画素170は、第1ゲート及び第2ゲートを有するトランジスタM0と、容量素子171と、表示素子172と、ノードN7と、配線GLと、配線SLと、配線BGLと、を有する。
トランジスタM0の第1ゲートは配線GLに電気的に接続され、トランジスタM0の第2ゲートは配線BGLに電気的に接続され、トランジスタM0のソースまたはドレインの一方は配線SLに電気的に接続され、トランジスタM0のソースまたはドレインの他方はノードN7に電気的に接続される。
容量素子171の第1の端子はノードN7に電気的に接続され、容量素子171の第2の端子は、一定の低電位が与えられている。
容量素子171は、必要に応じて設ければよく、電極や配線などに付随する寄生容量で、画素170の駆動に必要な容量が得られる場合は、容量素子171を省略してもよい。
トランジスタM0は、オフ電流が小さいトランジスタであることが好適である。例えば、トランジスタM0のオフ電流は、好ましくは10−18A/μm以下、さらに好ましくは10−21A/μm以下、さらに好ましくは10−24A/μm以下である。オフ電流が小さいトランジスタとして、OSトランジスタが挙げられる。
表示素子172の第1の端子はノードN7に電気的に接続され、表示素子172の第2の端子は、一定の低電位が与えられている。当該低電位として接地電位を与えてもよい。表示素子172は、その両端の電極に電圧が印加されることにより、光学特性が変化する、誘電性の素子を用いることができる。例えば、液晶素子や、電子ペーパーなどに用いられる電気泳動素子、ツイストボール素子などを適用することができる。
配線GLは、トランジスタM0のオン・オフを制御する信号を供給する機能を有し、配線SLは、トランジスタM0を介して、表示素子172に印加する電圧を供給する機能を有する。
トランジスタM0のオフ電流は極めて小さいため、トランジスタM0をオフにすると、ノードN7は、直前に印加された電圧を保持することができる。ノードN7の電圧が保持されている間、表示素子172は表示状態を保持しておくことができる。
画素170はノードN7の電圧を長時間保持しておくことが出来るため、電源電圧の供給を止めても表示素子172の光学特性を保持し続けることが可能となる。例えば、TN(Twisted Nematic)型液晶のようなメモリ性を有さない液晶素子を用いた場合であっても、当該素子には常に電圧が印加された状態を保持することが出来るため、書き換え動作を無くす、またはその頻度を極めて少なくすることが可能となる。
図11(B)は、マトリックス状に配置された画素170と、実施の形態1に示す回路10を有する表示装置180の回路構成を示している。
表示装置180は、m行n列のマトリクス状に配置された画素170を有する。また、m行目に配置された画素170は、配線GL[m]に電気的に接続され、n列目に配置された画素170は、配線SL[n]に電気的に接続される。
それぞれの画素170に含まれるトランジスタM0の第2ゲートは、配線BGLを介して、回路10に電気的に接続されている。すなわち、回路10は、全ての画素に含まれるトランジスタM0の第2ゲートを制御する機能を有する。
回路10が、トランジスタM0の第2ゲートを制御することで、トランジスタM0は適切なVthをとることが可能になり、ノーマリ・オンを防ぐことができる。その結果、トランジスタM0はオフ電流を小さくすることができ、ノードN7に書き込まれた電荷を保持することが可能になる。
また、回路10は、これに接続される画素170内のトランジスタM0のVthを最適な値に制御、保持し、且つ一時的にVthを変化させ、ノーマリ・オン型のトランジスタとすることが出来る。回路10に接続されたm×n個のトランジスタを同時にノーマリ・オン型に一時的に変化させることにより、それぞれの画素に格納される電圧(すなわち表示画像)を一つの信号で同時にリフレッシュすることができる。
表示装置180を上記構成にすることで、書き換え頻度が少なく、低消費電力で動作できる表示装置を提供することができる。また、容易にリフレッシュ動作が可能な画素を複数有する表示装置とすることが出来る。また、電源の供給を止めても表示が可能な表示装置を実現できる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態で用いたOSトランジスタの構造について説明を行う。
<酸化物半導体>
まず、OSトランジスタに用いることが可能な酸化物半導体について説明を行う。
酸化物半導体は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。ここで、酸化物半導体が、インジウム、元素M及び亜鉛を有する場合を考える。
まず、図12(A)、図12(B)、および図12(C)を用いて、本発明に係る酸化物半導体が有するインジウム、元素M及び亜鉛の原子数比の好ましい範囲について説明する。なお、図12には、酸素の原子数比については記載しない。また、酸化物半導体が有するインジウム、元素M、及び亜鉛の原子数比のそれぞれの項を[In]、[M]、および[Zn]とする。
図12(A)、図12(B)、および図12(C)において、破線は、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):1の原子数比(αは−1以上1以下)となるライン、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):2の原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):3の原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):4の原子数比となるライン、および[In]:[M]:[Zn]=(1+α):(1−α):5の原子数比となるラインを表す。
また、一点鎖線は、[In]:[M]:[Zn]=1:1:βの原子数比(β≧0)となるライン、[In]:[M]:[Zn]=1:2:βの原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=1:3:βの原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=1:4:βの原子数比となるライン、[In]:[M]:[Zn]=2:1:βの原子数比となるライン、及び[In]:[M]:[Zn]=5:1:βの原子数比となるラインを表す。
また、二点鎖線は、[In]:[M]:[Zn]=(1+γ):2:(1−γ)の原子数比(γは−1以上1以下)となるラインを表す。また、図12に示す、[In]:[M]:[Zn]=0:2:1の原子数比またはその近傍値の酸化物半導体は、スピネル型の結晶構造をとりやすい。
図12(A)および図12(B)では、本発明の一態様の酸化物半導体が有する、インジウム、元素M、及び亜鉛の原子数比の好ましい範囲の一例について示している。
一例として、図13に、[In]:[M]:[Zn]=1:1:1である、InMZnO4の結晶構造を示す。また、図13は、b軸に平行な方向から観察した場合のInMZnO4の結晶構造である。なお、図13に示すM、Zn、酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)における金属元素は、元素Mまたは亜鉛を表している。この場合、元素Mと亜鉛の割合が等しいものとする。元素Mと亜鉛とは、置換が可能であり、配列は不規則である。
InMZnO4は、層状の結晶構造(層状構造ともいう)をとり、図13に示すように、インジウム、および酸素を有する層(以下、In層)が1に対し、元素M、亜鉛、および酸素を有する(M,Zn)層が2となる。
また、インジウムと元素Mは、互いに置換可能である。そのため、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換し、(In,M,Zn)層と表すこともできる。その場合、In層が1に対し、(In,M,Zn)層が2である層状構造をとる。
[In]:[M]:[Zn]=1:1:2となる原子数比の酸化物半導体は、In層が1に対し、(M,Zn)層が3である層状構造をとる。つまり、[In]および[M]に対し[Zn]が大きくなると、酸化物半導体が結晶化した場合、In層に対する(M,Zn)層の割合が増加する。
ただし、酸化物半導体中において、In層が1層に対し、(M,Zn)層の層数が非整数である場合、In層が1層に対し、(M,Zn)層の層数が整数である層状構造を複数種有する場合がある。例えば、[In]:[M]:[Zn]=1:1:1.5である場合、In層が1層に対し、(M,Zn)層が2層である層状構造と、(M,Zn)層が3層である層状構造とが混在する層状構造となる場合がある。
例えば、酸化物半導体をスパッタリング装置にて成膜する場合、ターゲットの原子数比からずれた原子数比の膜が形成される。特に、成膜時の基板温度によっては、ターゲットの[Zn]よりも、膜の[Zn]が小さくなる場合がある。
また、酸化物半導体中に複数の相が共存する場合がある(二相共存、三相共存など)。例えば、[In]:[M]:[Zn]=0:2:1の原子数比の近傍値である原子数比では、スピネル型の結晶構造と層状の結晶構造との二相が共存しやすい。また、[In]:[M]:[Zn]=1:0:0を示す原子数比の近傍値である原子数比では、ビックスバイト型の結晶構造と層状の結晶構造との二相が共存しやすい。酸化物半導体中に複数の相が共存する場合、異なる結晶構造の間において、粒界(グレインバウンダリーともいう)が形成される場合がある。
また、インジウムの含有率を高くすることで、酸化物半導体のキャリア移動度(電子移動度)を高くすることができる。これは、インジウム、元素M及び亜鉛を有する酸化物半導体では、主として重金属のs軌道がキャリア伝導に寄与しており、インジウムの含有率を高くすることにより、s軌道が重なる領域がより大きくなるため、インジウムの含有率が高い酸化物半導体はインジウムの含有率が低い酸化物半導体と比較してキャリア移動度が高くなるためである。
一方、酸化物半導体中のインジウムおよび亜鉛の含有率が低くなると、キャリア移動度が低くなる。従って、[In]:[M]:[Zn]=0:1:0を示す原子数比、およびその近傍値である原子数比(例えば図12(C)に示す領域C)では、絶縁性が高くなる。
従って、本発明の一態様の酸化物半導体は、キャリア移動度が高く、かつ、粒界が少ない層状構造となりやすい、図12(A)の領域Aで示される原子数比を有することが好ましい。
また、図12(B)に示す領域Bは、[In]:[M]:[Zn]=4:2:3から4.1、およびその近傍値を示している。近傍値には、例えば、原子数比が[In]:[M]:[Zn]=5:3:4が含まれる。領域Bで示される原子数比を有する酸化物半導体は、特に、結晶性が高く、キャリア移動度も高い優れた酸化物半導体である。
なお、酸化物半導体が、層状構造を形成する条件は、原子数比によって一義的に定まらない。原子数比により、層状構造を形成するための難易の差はある。一方、同じ原子数比であっても、形成条件により、層状構造になる場合も層状構造にならない場合もある。従って、図12で図示する領域は、酸化物半導体が層状構造を有する原子数比を示す領域であり、領域A乃至領域Cの境界は厳密ではない。
<トランジスタ構造1>
図14(A)、図14(B)、および図14(C)は、トランジスタ200の上面図および断面図である。図14(A)は上面図であり、図14(B)は、図14(A)に示す一点鎖線X1−X2、図14(C)は、一点鎖線Y1−Y2に対応する断面図である。なお、図14(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
トランジスタ200は、ゲート電極として機能する導電体205(導電体205a、および導電体205b)、および導電体260と、ゲート絶縁層として機能する絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224、および絶縁体250と、酸化物半導体230(酸化物半導体230a、酸化物半導体230b、および酸化物半導体230c)と、ソースまたはドレインの一方として機能する導電体240aと、ソースまたはドレインの他方として機能する導電体240bと、過剰酸素を有する絶縁体280と、を有する。
また、酸化物半導体230は、酸化物半導体230aと、酸化物半導体230a上の酸化物半導体230bと、酸化物半導体230b上の酸化物半導体230cと、を有する。なお、トランジスタ200をオンさせると、主として酸化物半導体230bに電流が流れることから、酸化物半導体230bはチャネル形成領域としての機能を有する。一方、酸化物半導体230aおよび酸化物半導体230cは、酸化物半導体230bとの界面近傍(混合領域となっている場合もある)は電流が流れる場合があるものの、そのほかの領域は絶縁体として機能する場合がある。
導電体205は、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素を含む金属膜、または上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等である。又は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。
例えば、導電体205aとして、水素に対するバリア性を有する導電体として、窒化タンタル等を用い、導電体205bとして、導電性が高いタングステンを積層するとよい。当該組み合わせを用いることで、配線としての導電性を保持したまま、酸化物半導体230への水素の拡散を抑制することができる。なお、図14では、導電体205a、および導電体205bの2層構造を示したが、当該構成に限定されず、単層でも3層以上の積層構造でもよい。
絶縁体220、および絶縁体224は、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などの、酸素を含む絶縁体であることが好ましい。特に、絶縁体224として過剰酸素を含む(化学量論的組成よりも過剰に酸素を含む)絶縁体を用いることが好ましい。このような過剰酸素を含む絶縁体を、トランジスタ200を構成する酸化物半導体に接して設けることにより、酸化物半導体中の酸素欠損を補償することができる。なお、絶縁体220と絶縁体224とは、必ずしも同じ材料を用いて形成しなくともよい。
絶縁体222は、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)または(Ba,Sr)TiO3(BST)などを含む絶縁体を単層または積層で用いることが好ましい。またはこれらの絶縁体に例えば酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。またはこれらの絶縁体を窒化処理しても良い。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化シリコンを積層して用いてもよい。
なお、絶縁体222が、2層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。
絶縁体220及び絶縁体224の間に、high−k材料を含む絶縁体222を有することで、絶縁体222を負に帯電させることが可能である。すなわち、絶縁体222を実施の形態1の電圧保持回路11cで述べた電荷蓄積層として機能させることができる。
例えば、絶縁体220、および絶縁体224に、酸化シリコンを用い、絶縁体222に、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタルのような電子捕獲準位の多い材料を用いた場合、半導体装置の使用温度、あるいは保管温度よりも高い温度(例えば、125℃以上450℃以下、代表的には150℃以上300℃以下)の下で、導電体205の電位をソース電極やドレイン電極の電位より高い状態を、10ミリ秒以上、代表的には1分以上維持することで、トランジスタ200を構成する酸化物半導体から導電体205に向かって、電子が移動する。この時、移動する電子の一部が、絶縁体222の電子捕獲準位に捕獲される。
絶縁体222の電子捕獲準位に必要な量の電子を捕獲させたトランジスタは、Vthがプラス側にシフトする。なお、導電体205の電圧の制御によって電子の捕獲する量を制御することができ、それに伴ってVthを制御することができる。
また、電子を捕獲する処理は、トランジスタの作製過程におこなえばよい。例えば、トランジスタのソース導電体あるいはドレイン導電体に接続する導電体の形成後、あるいは、前工程(ウェハー処理)の終了後、あるいは、ウェハーダイシング工程後、パッケージ後等、工場出荷前のいずれかの段階で行うとよい。
また、絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224の膜厚を適宜調整することで、Vthを制御することができる。または、非導通時のリーク電流の小さいトランジスタを提供することができる。絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224の膜厚をそれぞれ薄くすることで、導電体205によるVth制御が容易になり好ましい。例えば、絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224の膜厚はそれぞれ50nm以下、さらに好ましくはそれぞれ30nm以下、さらに好ましくはそれぞれ10nm以下、さらに好ましくはそれぞれ5nm以下にすればよい。
酸化物半導体230a、酸化物半導体230b、および酸化物半導体230cは、In−M−Zn酸化物等の金属酸化物で形成される。また、酸化物半導体230として、In−Ga酸化物、In−Zn酸化物を用いてもよい。
酸化物半導体230a、酸化物半導体230cは、酸化物半導体230bよりも伝導帯下端のエネルギー準位が真空準位に近く、代表的には、酸化物半導体230bの伝導帯下端のエネルギー準位と、酸化物半導体230a、酸化物半導体230cの伝導帯下端のエネルギー準位との差が、0.15eV以上、または0.5eV以上、かつ2eV以下、または1eV以下であることが好ましい。すなわち、酸化物半導体230a、酸化物半導体230cの電子親和力と、酸化物半導体230bの電子親和力との差が、0.15eV以上、または0.5eV以上、かつ2eV以下、または1eV以下であることが好ましい。
酸化物半導体230bにおいて、エネルギーギャップは2eV以上が好ましく、2.5eV以上3.0eV以下がより好ましい。また、酸化物半導体230aおよび酸化物半導体230cにおいて、エネルギーギャップは2eV以上が好ましく、2.5eV以上がより好ましく、2.7eV以上3.5eV以下がさらに好ましい。また、酸化物半導体230aおよび酸化物半導体230cのエネルギーギャップは、酸化物半導体230bのエネルギーギャップよりも大きいことが好ましい。例えば、酸化物半導体230aのエネルギーギャップは、酸化物半導体230bのエネルギーギャップと比べて、0.15eV以上または0.5eV以上、かつ2eV以下または1eV以下であることが好ましい。同様に、酸化物半導体230cのエネルギーギャップは、酸化物半導体230bのエネルギーギャップと比べて、0.15eV以上または0.5eV以上、かつ2eV以下または1eV以下であることが好ましい。
また、酸化物半導体230a、酸化物半導体230bおよび酸化物半導体230cのそれぞれの厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下、さらに好ましくは3nm以上60nm以下である。
酸化物半導体はキャリア密度を低くすることで、トランジスタのしきい値電圧のマイナスシフトを抑制することができる。またはトランジスタのオフ電流を低くすることができる。不純物濃度が低く、かつ、欠陥準位密度が低いことを高純度真性または実質的に高純度真性と言う。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。
酸化物半導体230aおよび酸化物半導体230cとして、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体を用いることが好ましい。例えば、酸化物半導体230aおよび酸化物半導体230cのキャリア密度は、8×1011/cm3未満、好ましくは1×1011/cm3未満、さらに好ましくは1×1010/cm3未満であり、1×10−9/cm3以上とすればよい。
一方で、酸化物半導体のキャリア密度を高くすることで、トランジスタの電界効果移動度を高めることができる場合がある。酸化物半導体のキャリア密度を高めるには、酸化物半導体の不純物濃度をわずかに高める、または酸化物半導体の欠陥準位密度を高めればよい。例えば、トランジスタのVGS−IDS特性のオン/オフ比が取れる範囲において、不純物濃度をわずかに高める、または欠陥準位密度が高められた酸化物半導体を、実質的に真性と言ってもよい。
酸化物半導体230bのキャリア密度は、酸化物半導体230aおよび酸化物半導体230cと比較して高いことが好ましい。酸化物半導体230bのキャリア密度は、1×105cm−3以上1×1018cm−3未満が好ましく、1×107cm−3以上1×1017cm−3以下がより好ましく、1×109cm−3以上5×1016cm−3以下がさらに好ましく、1×1010cm−3以上1×1016cm−3以下がさらに好ましく、1×1011cm−3以上1×1015cm−3以下がさらに好ましい。
酸化物半導体230aと酸化物半導体230bとの界面、または酸化物半導体230bと酸化物半導体230cとの界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くすることが好ましい。
具体的には、酸化物半導体230aと酸化物半導体230b、酸化物半導体230bと酸化物半導体230cが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物半導体230bがIn−Ga−Zn酸化物半導体の場合、酸化物半導体230a、酸化物半導体230cとして、In−Ga−Zn酸化物半導体、Ga−Zn酸化物半導体、酸化ガリウムなどを用いるとよい。
このとき、キャリアの主たる経路は酸化物半導体230bとなる。酸化物半導体230aと酸化物半導体230bとの界面、および酸化物半導体230bと酸化物半導体230cとの界面における欠陥準位密度を低くすることができるため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さく、高いオン電流が得られる。
トラップ準位に電子が捕獲されることで、捕獲された電子は固定電荷のように振る舞うため、トランジスタのVthはプラス方向にシフトしてしまう。酸化物半導体230a、酸化物半導体230cを設けることにより、トラップ準位を酸化物半導体230bより遠ざけることができる。当該構成とすることで、トランジスタのVthがプラス方向にシフトすることを防止することができる。
酸化物半導体230a、酸化物半導体230cは、酸化物半導体230bと比較して、導電率が十分に低い材料を用いる。このとき、酸化物半導体230b、酸化物半導体230bと酸化物半導体230aとの界面、および酸化物半導体230bと酸化物半導体230cとの界面が、主にチャネル領域として機能する。例えば、酸化物半導体230a、酸化物半導体230cには、図12(C)において、絶縁性が高くなる領域Cで示す原子数比の酸化物半導体を用いればよい。なお、図12(C)に示す領域Cは、[In]:[M]:[Zn]=0:1:0、またはその近傍値である原子数比を示している。
特に、酸化物半導体230bに図12(A)に示す領域Aで示される原子数比の酸化物半導体を用いる場合、酸化物半導体230aおよび酸化物半導体230cには、[M]/[In]が1以上、好ましくは2以上である酸化物半導体を用いることが好ましい。また、酸化物半導体230cとして、十分に高い絶縁性を得ることができる[M]/([Zn]+[In])が1以上である酸化物半導体を用いることが好適である。
ここで図14等に示すトランジスタ200において、導電体260をトップゲート、導電体205をボトムゲートと呼ぶ場合がある。あるいは、導電体260をフロントゲート、導電体205をバックゲートと呼ぶ場合がある。
酸化物半導体230cは、酸化物半導体230bよりも結晶性が低い場合がある。また、酸化物半導体230bは、後述するCAAC―OSを有することが好ましい。酸化物半導体230cの結晶性を低くすることにより、酸化物半導体230cの酸素透過性が高くなり、酸化物半導体230cよりも上に位置する絶縁体から酸化物半導体230bへ酸素を供給しやすくなる場合がある。ここで、酸化物半導体230cは非晶質または後述するa−like OS(amorphous−like oxide semiconductor)であってもよい。
酸化物半導体230aは、CAAC−OSを有してもよい。また、酸化物半導体230aは酸化物半導体230cよりも結晶性が高いことが好ましい。
絶縁体250は、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)または(Ba,Sr)TiO3(BST)などを含む絶縁体を単層または積層で用いることができる。またはこれらの絶縁体に例えば酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。またはこれらの絶縁体を窒化処理しても良い。上記の絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化シリコンを積層して用いてもよい。
また、絶縁体250として、絶縁体224と同様に、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物絶縁体を用いることが好ましい。このような過剰酸素を含む絶縁体を酸化物半導体230に接して設けることにより、酸化物半導体230中の酸素欠損を低減することができる。
また、絶縁体250は、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、窒化シリコンなどの、酸素や水素に対してバリア性のある絶縁膜を用いることができる。このような材料を用いて形成した場合、酸化物半導体230からの酸素の放出や、外部からの水素等の不純物の混入を防ぐ層として機能する。
なお、絶縁体250は、絶縁体220、絶縁体222、および絶縁体224と同様の積層構造を有していてもよい。絶縁体250が、電子捕獲準位に必要な量の電子を捕獲させた絶縁体を有することで、トランジスタ200は、Vthをプラス側にシフトすることができる。当該構成を有することで、トランジスタ200は、ゲート電圧が0Vであっても非導通状態(オフ状態ともいう)であるノーマリ・オフ型のトランジスタとなる。
また、図14に示す半導体装置において、酸化物半導体230と導電体260の間に、絶縁体250の他にバリア膜を設けてもよい。もしくは、酸化物半導体230cにバリア性があるものを用いてもよい。
例えば、過剰酸素を含む絶縁膜を酸化物半導体230に接して設け、さらにバリア膜で包み込むことで、酸化物半導体を化学量論比組成とほぼ一致するような状態、または化学量論的組成より酸素が多い過飽和の状態とすることができる。また、酸化物半導体230への水素等の不純物の侵入を防ぐことができる。
導電体240aと、および導電体240bは、一方がソース電極として機能し、他方がドレイン電極として機能する。
導電体240aと、導電体240bとは、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、またはタングステンなどの金属、またはこれを主成分とする合金を用いることができる。また、図では単層構造を示したが、2層以上の積層構造としてもよい。
例えば、チタン膜とアルミニウム膜を積層するとよい。また、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅−マグネシウム−アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造としてもよい。
また、チタン膜または窒化チタン膜と、そのチタン膜または窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜または窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜または窒化モリブデン膜と、そのモリブデン膜または窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜または窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫または酸化亜鉛を含む透明導電材料を用いてもよい。
また、ゲート電極として機能を有する導電体260は、例えばアルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンから選ばれた金属、または上述した金属を成分とする合金か、上述した金属を組み合わせた合金等を用いて形成することができる。また、マンガン、ジルコニウムのいずれか一または複数から選択された金属を用いてもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体、ニッケルシリサイド等のシリサイドを用いてもよい。
例えば、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造とするとよい。また、窒化チタン膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造としてもよい。
また、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造等がある。また、アルミニウムに、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた一または複数の金属を組み合わせた合金膜、もしくは窒化膜を用いてもよい。
また、導電体260は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物等の透光性を有する導電性材料を適用することもできる。また、上記透光性を有する導電性材料と、上記金属の積層構造とすることもできる。
導電体260として、仕事関数の高い導電性材料を用いることで、トランジスタ200のVthを大きくし、カットオフ電流を下げることができる。導電体260の仕事関数は好ましくは、4.8eV以上、さらに好ましくは5.0eV以上、さらに好ましくは5.2eV以上、さらに好ましくは5.4eV以上、さらに好ましくは5.6eV以上の導電性材料を用いればよい。仕事関数の大きな導電性材料として、例えば、モリブデン、酸化モリブデン、Pt、Ptシリサイド、Niシリサイド、インジウム錫酸化物、窒素添加されたIn−Ga−Zn酸化物などが挙げられる。
トランジスタ200の上方には、絶縁体280を設ける。絶縁体280には、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁体を用いることが好ましい。つまり、絶縁体280には、化学量論的組成よりも酸素が過剰に存在する領域(以下、過剰酸素領域ともいう)が形成されていることが好ましい。特に、トランジスタ200に酸化物半導体を用いる場合、トランジスタ200近傍の層間膜などとして、過剰酸素領域を有する絶縁体を設けることで、トランジスタ200の酸素欠損を低減することで、信頼性を向上させることができる。
過剰酸素領域を有する絶縁体として、具体的には、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を用いることが好ましい。加熱により酸素を脱離する酸化物材料とは、TDS分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm3以上、好ましくは3.0×1020atoms/cm3以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、または100℃以上500℃以下の範囲が好ましい。
例えばこのような材料として、酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを含む材料を用いることが好ましい。または、金属酸化物を用いることもできる。なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
また、トランジスタ200を覆う絶縁体280は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
<トランジスタ構造2>
図15には、トランジスタ200に適応できる構造の一例を示す。図15(A)はトランジスタ200の上面を示す。なお、図の明瞭化のため、図15(A)において一部の膜は省略されている。また、図15(B)は、図15(A)に示す一点鎖線X1−X2に対応する断面図であり、図15(C)はY1−Y2に対応する断面図である。
なお、図15に示すトランジスタ200において、図14に示したトランジスタ200を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記する。
図15に示す構造は、ゲート電極として機能する導電体260が、導電体260a、導電体260b、導電体260cを有する。
導電体260aは、熱CVD法、MOCVD法またはALD(ALD:Atomic Layer Deposition)法を用いて形成する。特に、ALD法を用いて形成することが好ましい。ALD法等により形成することで、絶縁体250に対するプラズマによるダメージを減らすことができる。また、被覆性を向上させることができるため、導電体260aをALD法等により形成することが好ましい。従って、信頼性が高いトランジスタ200を提供することができる。
また、導電体260bは、タンタル、タングステン、銅、アルミニウムなどの導電性が高い材料を用いて形成する。さらに、導電体260b上に形成する導電体260cは、窒化タングステンなどの酸化しづらい導電体を用いて形成することが好ましい。絶縁体280に酸素が脱離する酸化物材料を用いる場合、導電体260が、脱離した酸素により酸化することを防止することができる。
従って、導電体260の酸化を抑制し、絶縁体280から、脱離した酸素を効率的に酸化物半導体230へと供給することができる。
過剰酸素領域を有する絶縁体280と接する面積が大きい導電体260cに酸化しにくい導電体を用いることで、絶縁体280の過剰酸素が導電体260に吸収されることを抑制することができる。また、導電体260bに導電性が高い導電体を用いることで、消費電力が小さいトランジスタ200を提供することができる。
<トランジスタ構造3>
図16には、トランジスタ200に適応できる構造の一例を示す。図16(A)はトランジスタ200の上面を示す。なお、図の明瞭化のため、図16(A)において一部の膜は省略されている。また、図16(B)は、図16(A)に示す一点鎖線X1−X2に対応する断面図であり、図16(C)はY1−Y2に対応する断面図である。
なお、図16に示すトランジスタ200において、図14に示したトランジスタ200を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記する。
図16に示す構造は、ゲート電極として機能する導電体260が、導電体260a、および導電体260bを有する積層構造である。また、ゲート電極として機能する導電体260上に絶縁体270を有する。
導電体260aは、熱CVD法、MOCVD法またはALD法を用いて形成する。特に、ALD法を用いて形成することが好ましい。ALD法等により形成することで、絶縁体250に対するプラズマによるダメージを減らすことができる。また、被覆性を向上させることができるため、導電体260aをALD法等により形成することが好ましい。従って、信頼性が高いトランジスタ200を提供することができる。
また、導電体260bは、タンタル、タングステン、銅、アルミニウムなどの導電性が高い材料を用いて形成する。
また、導電体260を覆うように、絶縁体270を設ける。絶縁体280に酸素が脱離する酸化物材料を用いる場合、導電体260が、脱離した酸素により酸化することを防止するため、絶縁体270は、酸素に対してバリア性を有する物質を用いる。
例えば、絶縁体270には、酸化アルミニウムなどの金属酸化物を用いることができる。また絶縁体270は、導電体260の酸化を防止する程度に設けられていればよい。例えば、絶縁体270の膜厚は、1nm以上10nm以下、好ましくは3nm以上7nm以下として設ける。
従って、導電体260の酸化を抑制し、絶縁体280から、脱離した酸素を効率的に酸化物半導体230へと供給することができる。
<トランジスタ構造4>
図17には、トランジスタ200に適応できる構造の一例を示す。図17(A)はトランジスタ200の上面を示す。なお、図の明瞭化のため、図17(A)において一部の膜は省略されている。また、図17(B)は、図17(A)に示す一点鎖線X1−X2に対応する断面図であり、図17(C)はY1−Y2に対応する断面図である。
なお、図17に示すトランジスタ200において、図14に示したトランジスタ200を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記する。
図17に示す構造は、ソースまたはドレインとして機能する導電体が積層構造を有する。導電体240a、および導電体240bは、酸化物半導体230bと密着性が高い導電体を用い、導電体241a、導電体241bは、導電性が高い材料を用いることが好ましい。また、導電体240a、および導電体240bは、ALD法を用いて形成することが好ましい。ALD法等により形成することで、被覆性を向上させることができる。
例えば、酸化物半導体230bに、インジウムを有する金属酸化物を用いる場合、導電体240a、および導電体240bには、窒化チタンなどを用いればよい。また、導電体241a、および導電体241bに、タンタル、タングステン、銅、アルミニウムなどの導電性が高い材料を用いることで、信頼性が高く、消費電力が小さいトランジスタ200を提供することができる。
また、図17(C)に示すように、トランジスタ200のチャネル幅方向において、酸化物半導体230bが導電体260に覆われている。また、絶縁体224が凸部を有することによって、酸化物半導体230bの側面も導電体260で覆うことができる。例えば、絶縁体224の凸部の形状を調整することで、酸化物半導体230bの側面において、導電体260の底面が、酸化物半導体230bの底面よりも、基板側となる構造となることが好ましい。つまり、トランジスタ200は、導電体205および導電体260の電界によって、酸化物半導体230bを電気的に取り囲むことができる構造を有する。このように、導電体の電界によって、酸化物半導体230bを電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(s−channel)構造とよぶ。s−channel構造のトランジスタ200は、酸化物半導体230b全体(バルク)にチャネルを形成することもできる。s−channel構造では、トランジスタのドレイン電流を大きくすることができ、さらに大きいオン電流(トランジスタがオン状態のときにソースとドレインの間に流れる電流)を得ることができる。また、導電体205および導電体260の電界によって、酸化物半導体230bに形成されるチャネル形成領域の全領域を空乏化することができる。したがって、s−channel構造では、トランジスタのオフ電流をさらに小さくすることができる。なお、チャネル幅を小さくすることで、s−channel構造によるオン電流の増大効果、オフ電流の低減効果などを高めることができる。
<トランジスタ構造5>
図18には、トランジスタ200に適応できる構造の一例を示す。図18(A)はトランジスタ200の上面を示す。なお、図の明瞭化のため、図18(A)において一部の膜は省略されている。また、図18(B)は、図18(A)に示す一点鎖線X1−X2に対応する断面図であり、図18(C)はY1−Y2に対応する断面図である。
なお、図18に示すトランジスタ200において、図14に示したトランジスタ200を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記する。
絶縁体280に形成された開口部に、酸化物半導体230c、絶縁体250、導電体260が形成されている。
図18に示すトランジスタ200は、導電体240a及び導電体240bと、導電体260と、がほとんど重ならない構造を有するため、導電体260にかかる寄生容量を小さくすることができる。即ち、動作周波数が高いトランジスタ200を提供することができる。
<トランジスタ構造6>
図19には、トランジスタ200に適応できる構造の一例を示す。図19(A)はトランジスタ200の上面を示す。なお、図の明瞭化のため、図19(A)において一部の膜は省略されている。また、図19(B)は、図19(A)に示す一点鎖線X1−X2に対応する断面図であり、図19(C)はY1−Y2に対応する断面図である。
なお、図19に示すトランジスタ200において、図14に示したトランジスタ200を構成する構造と同機能を有する構造には、同符号を付記する。
図19に示すトランジスタ200は、絶縁体280に形成された開口部に、酸化物半導体230c、絶縁体250、導電体260が形成されている。
図19に示すトランジスタ200は、導電体240a及び導電体240bと、導電体260と、がほとんど重ならない構造を有するため、導電体260にかかる寄生容量を小さくすることができる。即ち、動作周波数が高いトランジスタ200を提供することができる。
また、酸化物半導体230dは、酸化物半導体230bと過剰酸素領域を有する絶縁体280との間に設けられている。そのため、図18のように酸化物半導体230bが絶縁体280と直接接する場合よりも、酸化物半導体230bに形成されるチャネル近傍に、浅い準位が生じることが抑制され、信頼性が高い半導体装置を提供することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、半導体装置の一形態を、図20乃至図23を用いて説明する。
本発明の一態様である半導体装置の一例を図20乃至図23に示す。図22は、図20、および図21に示す半導体装置が形成される領域の端部を示す。
<半導体装置の構造>
本発明の一態様の半導体装置は、図20に示すようにトランジスタ300、トランジスタ200、容量素子400を有する。トランジスタ200はトランジスタ300の上方に設けられ、容量素子400はトランジスタ300、およびトランジスタ200の上方に設けられている。
トランジスタ300は、基板301に設けられ、導電体306、絶縁体304、基板301の一部からなる半導体領域302、およびソース領域またはドレイン領域として機能する低抵抗領域308a、および低抵抗領域308bを有する。
トランジスタ300は、pチャネル型、あるいはnチャネル型のいずれでもよい。
半導体領域302のチャネルが形成される領域、その近傍の領域、ソース領域、またはドレイン領域となる低抵抗領域308a、および低抵抗領域308bなどにおいて、シリコンを含むことが好ましく、単結晶シリコンを含むことが好ましい。または、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、GaAlAs(ガリウムアルミニウムヒ素)などを有する材料で形成してもよい。結晶格子に応力を与え、格子間隔を変化させることで有効質量を制御したシリコンを用いた構成としてもよい。またはGaAsとGaAlAs等を用いることで、トランジスタ300をHEMT(High Electron Mobility Transistor)としてもよい。
低抵抗領域308a、および低抵抗領域308bは、半導体領域302に適用される半導体材料に加え、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、またはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含む。
ゲート電極として機能する導電体306は、ヒ素、リンなどのn型の導電性を付与する元素、もしくはホウ素などのp型の導電性を付与する元素を含むシリコンなどの半導体材料、金属材料、合金材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。
なお、導電体の材料により、仕事関数を定めることで、しきい値電圧を調整することができる。具体的には、導電体に窒化チタンや窒化タンタルなどの材料を用いることが好ましい。さらに導電性と埋め込み性を両立するために導電体にタングステンやアルミニウムなどの金属材料を積層として用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが耐熱性の点で好ましい。
なお、図20に示すトランジスタ300は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
トランジスタ300を覆って、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、および絶縁体326が順に積層して設けられている。
絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、および絶縁体326として、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよい。
絶縁体322は、その下方に設けられるトランジスタ300などによって生じる段差を平坦化する平坦化膜として機能する。絶縁体322の上面は、平坦性を高めるために化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)法等を用いた平坦化処理により平坦化されていてもよい。
絶縁体324には、例えば、基板301、またはトランジスタ300などから、トランジスタ200が設けられる領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。
例えば、水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ200等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、該半導体素子の特性が低下する場合がある。従って、トランジスタ200と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
水素の脱離量は、例えば、昇温脱離ガス分析法(TDS(Thermal Desorption Spectroscopy))などを用いて分析することができる。例えば、絶縁体324の水素の脱離量は、TDS分析において、50℃から500℃の範囲において、水素原子に換算した脱離量が、絶縁体324の面積当たりに換算して、10×1015atoms/cm2以下、好ましくは5×1015atoms/cm2以下であればよい。
なお、絶縁体326は、絶縁体324よりも誘電率が低いことが好ましい。例えば、絶縁体326の比誘電率は4未満が好ましく、3未満がより好ましい。また例えば、絶縁体324の比誘電率は、絶縁体326の比誘電率の0.7倍以下が好ましく、0.6倍以下がより好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
また、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、および絶縁体326には容量素子400、またはトランジスタ200と電気的に接続する導電体328、および導電体330等が埋め込まれている。なお、導電体328、および導電体330はプラグ、または配線として機能を有する。なお、後述するが、プラグまたは配線としての機能を有する導電体は、複数の構造をまとめて同一の符号を付与する場合がある。また、本明細書等において、配線と、配線と電気的に接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、および導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
各プラグ、および配線(導電体328、および導電体330等)の材料としては、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を、単層または積層して用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、タングステンを用いることが好ましい。または、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
また、導電体328、および導電体330は、水素に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体324が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ200とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ200への水素の拡散を抑制することができる。
なお、水素に対するバリア性を有する導電体としては、例えば、窒化タンタル等を用いるとよい。また、窒化タンタルと導電性が高いタングステンを積層することで、配線としての導電性を保持したまま、トランジスタ300からの水素の拡散を抑制することができる。この場合、水素に対するバリア性を有する窒化タンタル層が、水素に対するバリア性を有する絶縁体324と接する構造であることが好ましい。
また、絶縁体326、および導電体330上に、配線層を設けてもよい。例えば、図20において、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354が順に積層して設けられている。また、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354には、導電体356が形成されている。導電体356は、プラグ、または配線として機能を有する。なお導電体356は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
また、導電体356は、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。なお、導電体356に銅を用いる場合、銅の拡散を抑制する導電体と積層して設けることが好ましい。銅の拡散を抑制する導電体として、例えばタンタル、窒化タンタル等のタンタルを含む合金、ルテニウム、およびルテニウムを含む合金等を用いるとよい。
また、例えば、絶縁体350は、銅の拡散を抑制する、または、酸素、および水素に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。例えば、銅の拡散を抑制する膜の一例として、窒化シリコンを用いることができる。従って、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
特に、銅の拡散を抑制する絶縁体350が有する開口部に銅の拡散を抑制する導電体を設け、銅の拡散を抑制する導電体上に銅を積層して設けることが好ましい。当該構成により、配線の周辺に銅が拡散することを抑制することができる。
絶縁体354上には、絶縁体358、絶縁体210、絶縁体212、および絶縁体214が、順に積層して設けられている。絶縁体358、絶縁体210、絶縁体212、および絶縁体214のいずれかまたは全部を、銅の拡散を抑制する、または酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。
絶縁体358、および絶縁体212には、例えば、基板301、またはトランジスタ300を設ける領域などから、トランジスタ200を設ける領域に、銅の拡散を抑制する、または、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。従って、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
また、絶縁体210は、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。例えば、絶縁体210として、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、例えば、絶縁体214には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、およびトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中および作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ200への混入を防止することができる。また、トランジスタ200を構成する酸化物半導体からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ200に対する保護膜として用いることに適している。
絶縁体214上には、絶縁体216を設ける。絶縁体216は、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。例えば、絶縁体216として、酸化シリコン膜や酸化窒化シリコン膜などを用いることができる。
また、絶縁体358、絶縁体210、絶縁体212、絶縁体214、及び絶縁体216には、導電体218等が埋め込まれている。なお、導電体218は、容量素子400、またはトランジスタ300と電気的に接続するプラグ、または配線としての機能を有する。導電体218は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
特に、絶縁体358、絶縁体212、および絶縁体214と接する領域の導電体218は、銅の拡散を抑制する、または、酸素、水素、および水に対するバリア性を有する導電体であることが好ましい。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ200とは、銅の拡散を抑制する、または、酸素、水素、および水に対するバリア性を有する層で、完全により分離することができる。つまり、導電体356からの銅の拡散、または、トランジスタ300からトランジスタ200への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体214の上方には、トランジスタ200、および絶縁体280が設けられている。また、図20に示すトランジスタ200は一例であり、その構造に限定されず、回路構成や駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
絶縁体280上には、絶縁体282、絶縁体284、および絶縁体410が順に積層して設けられている。また、絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224、絶縁体280、絶縁体282、絶縁体284、および絶縁体410には、導電体244等が埋め込まれている。なお、導電体244は、容量素子400、トランジスタ200、またはトランジスタ300と電気的に接続するプラグ、または配線として機能を有する。導電体244は、導電体328、および導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、絶縁体282、および絶縁体284のいずれか、または両方に、酸素や水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。従って、絶縁体282には、絶縁体214と同様の材料を用いることができる。また、絶縁体284には、絶縁体212と同様の材料を用いることができる。また、絶縁体410には、絶縁体210と同様の絶縁体を用いることができる。
例えば、絶縁体282には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどの金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、およびトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中および作製後において、水素、水分などの不純物のトランジスタ200への混入を防止することができる。また、トランジスタ200を構成する酸化物半導体からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ200に対する保護膜として用いることに適している。
絶縁体284には、容量素子400を設ける領域から、トランジスタ200が設ける領域に、水素や不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。従って、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
例えば、水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ200等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、該半導体素子の特性が低下する場合がある。従って、トランジスタ200と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
従って、トランジスタ200、および過剰酸素領域を含む絶縁体280を、絶縁体210、絶縁体212、および絶縁体214の積層構造と、絶縁体282、絶縁体284、および絶縁体410の積層構造により挟む構成とすることができる。また、絶縁体212、絶縁体214、絶縁体282および絶縁体284は、酸素、または、水素、および水などの不純物の拡散を抑制するバリア性を有する。
絶縁体280、およびトランジスタ200から放出された酸素が、容量素子400、またはトランジスタ300が形成されている層へ拡散することを抑制することができる。または、絶縁体282よりも上方の層、および絶縁体214よりも下方の層から、水素、および水等の不純物が、トランジスタ200へ、拡散することを抑制することができる。
つまり、絶縁体280の過剰酸素領域から酸素を、効率的にトランジスタ200における酸化物半導体に供給でき、酸素欠損を低減することができる。また、トランジスタ200における酸化物半導体が不純物により、酸素欠損が形成されることを防止することができる。よって、トランジスタ200における酸化物半導体を、欠陥準位密度が低い、安定な特性を有する酸化物半導体とすることができる。つまり、トランジスタ200の電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。
ここで、図22にスクライブライン近傍の断面図を示す。
例えば、図22(A)に示すように、トランジスタ200を有するメモリセルの外縁に設けられるスクライブライン(図中1点鎖線で示す)と重なる領域近傍において、絶縁体212、絶縁体214、絶縁体216、絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224、及び絶縁体280に開口部を設ける。また、絶縁体212、絶縁体214、絶縁体216、絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224、及び絶縁体280の側面を覆うように、絶縁体282、および絶縁体284を設ける。従って、該開口部において、絶縁体212、および絶縁体214と、絶縁体282とが接する。このとき、絶縁体214と絶縁体282とを同材料及び同方法を用いて形成することで、密着性を高くすることができる。
当該構造により、絶縁体212、絶縁体214、絶縁体282、および絶縁体284で、トランジスタ200、および絶縁体280を包み込むことができる。絶縁体212、絶縁体214、絶縁体282、および絶縁体284は、酸素、水素、及び水の拡散を抑制する機能を有しているため、本実施の形態に示す半導体装置をスクライブしても、トランジスタ200、および絶縁体280の側面から、水素又は水が浸入して、トランジスタ200に拡散することを防ぐことができる。
また、当該構造により、絶縁体280の過剰酸素が絶縁体282、および絶縁体214の外部に拡散することを防ぐことができる。従って、絶縁体280の過剰酸素は、効率的にトランジスタ200における酸化物半導体に供給される。当該酸素により、トランジスタ200における酸化物半導体の酸素欠損を低減することができる。これにより、トランジスタ200における酸化物半導体を欠陥準位密度が低い、安定な特性を有する酸化物半導体とすることができる。つまり、トランジスタ200の電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。
また、例えば、図22(B)に示すように、スクライブライン(図中1点鎖線で示す)を挟むように、絶縁体212、絶縁体214、絶縁体216、絶縁体220、絶縁体222、絶縁体224、および絶縁体280に開口部を設けてもよい。また、開口部を複数設けることで、トランジスタ200を厳重に密封することができる。従って、トランジスタ200における酸化物半導体を欠陥準位密度が低い、安定な特性を有する酸化物半導体とすることができる。つまり、トランジスタ200の電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。
再び図20に戻る。絶縁体410の上方には、容量素子400、および導電体424が設けられている。容量素子400は、絶縁体410上に設けられ、導電体412と、絶縁体430、絶縁体432、および絶縁体434と、導電体416とを有する。なお、導電体424は、容量素子400、トランジスタ200、またはトランジスタ300と電気的に接続するプラグ、または配線として機能を有する。
導電体412は、金属材料、合金材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが好ましい。また、導電体などの他の構造と同時に形成する場合は、低抵抗金属材料である銅やアルミニウム等を用いればよい。
なお、導電体424は、容量素子の電極として機能する導電体412と同様の材料を用いて設けることができる。
導電体424、および導電体412上に、絶縁体430、絶縁体432、および絶縁体434を設ける。絶縁体430、絶縁体432、および絶縁体434には例えば酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、窒化酸化ハフニウム、窒化ハフニウムなどを用いればよい。なお、図では3層構造としたが、単層、2層、または4層以上の積層構造としてもよい。
例えば、絶縁体430および絶縁体434には、酸化窒化シリコンなどの絶縁耐力が大きい材料を用いることが好ましい。また、絶縁体432には、酸化アルミニウムなどの高誘電率(high−k)材料を用いることが好ましい。当該構成により、容量素子400は、高誘電率(high−k)の絶縁体を有することで、十分な容量を確保でき、絶縁耐力が大きい絶縁体を有することで、絶縁耐力が向上し、容量素子400の静電破壊を抑制することができる。
導電体412上に、絶縁体430、絶縁体432、および絶縁体434を介して、導電体416を設ける。なお、導電体416は、金属材料、合金材料、または金属酸化物材料などの導電性材料を用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが好ましい。また、導電体などの他の構造と同時に形成する場合は、低抵抗金属材料である銅やアルミニウム等を用いればよい。
例えば、図20に示すように、絶縁体430、絶縁体432、および絶縁体434を、導電体412の上面および側面を覆うように設ける。さらに、導電体416を、絶縁体430、絶縁体432、および絶縁体434を介して、導電体412の上面および側面を覆うように設ける。
つまり、導電体412の側面においても、容量として機能するため、容量素子の投影面積当たりの容量を増加させることができる。従って、半導体装置の小面積化、高集積化、微細化が可能となる。
導電体416、および絶縁体434上には、絶縁体450が設けられている。絶縁体450は、絶縁体320と同様の材料を用いて設けることができる。また、容量素子400を覆う絶縁体450は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。
以上が構成例についての説明である。本構成を用いることで、OSトランジスタを用いた半導体装置において、電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。または、オン電流が大きいOSトランジスタを提供することができる。または、オフ電流が小さいOSトランジスタを提供することができる。または、消費電力が低減された半導体装置を提供することができる。
<変形例1>
また、本実施の形態の変形例の一例を、図21に示す。図21は、図20と、トランジスタ300、およびトランジスタ200の構成が異なる。
図21に示すトランジスタ300はチャネルが形成される半導体領域302(基板301の一部)が凸形状を有する。また、半導体領域302の側面および上面を、絶縁体304を介して、導電体306が覆うように設けられている(図23(B)参照)。なお、導電体306は仕事関数を調整する材料を用いてもよい。このようなトランジスタ300は半導体基板の凸部を利用していることからFIN型トランジスタとも呼ばれる。なお、凸部の上部に接して、凸部を形成するためのマスクとして機能する絶縁体を有していてもよい。また、ここでは半導体基板の一部を加工して凸部を形成する場合を示したが、SOI基板を加工して凸形状を有する半導体膜を形成してもよい。
図21に示すトランジスタ200の構造は、図18で説明した構造である。絶縁体280に形成された開口部に、図18に示す酸化物半導体230c、絶縁体250、導電体260が形成されている。図21に示すトランジスタ200は、導電体240a及び導電体240bと、導電体260と、がほとんど重ならない構造を有するため、導電体260にかかる寄生容量を小さくすることができる。即ち、動作周波数が高いトランジスタ200を提供することができる。
<変形例2>
図23(A)、(B)は、本発明の一態様の半導体装置の断面図を示している。図23(A)はトランジスタ200及びトランジスタ300のチャネル長方向の断面図を示し、図23(B)はトランジスタ200及びトランジスタ300のチャネル幅方向の断面図を示している。
図23(A)、(B)に示す半導体装置は、トランジスタ200を囲むように絶縁体280に溝が設けられている。この溝を設けることで、絶縁体284及び絶縁体282がトランジスタ200の周囲を取り囲むようになる。トランジスタ200は、絶縁体212、絶縁体214、絶縁体282および絶縁体284からなる絶縁体に、上下前後左右を囲まれた形になる。このようにすることで、トランジスタ200は、あらゆる方向からの水素と酸素の拡散を遮断することができる。その結果、図23に示す半導体装置は高い信頼性を有することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の酸化物半導体の構造について説明する。
<酸化物半導体の構造>
酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、CAAC−OS(c−axis−aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc−OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a−like OS:amorphous−like oxide semiconductor)および非晶質酸化物半導体などがある。
また別の観点では、酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体と、それ以外の結晶性酸化物半導体と、に分けられる。結晶性酸化物半導体としては、単結晶酸化物半導体、CAAC−OS、多結晶酸化物半導体およびnc−OSなどがある。
非晶質構造は、一般に、等方的であって不均質構造を持たない、準安定状態で原子の配置が固定化していない、結合角度が柔軟である、短距離秩序は有するが長距離秩序を有さない、などといわれている。
即ち、安定な酸化物半導体を完全な非晶質(completely amorphous)酸化物半導体とは呼べない。また、等方的でない(例えば、微小な領域において周期構造を有する)酸化物半導体を、完全な非晶質酸化物半導体とは呼べない。一方、a−like OSは、等方的でないが、鬆(ボイドともいう。)を有する不安定な構造である。不安定であるという点では、a−like OSは、物性的に非晶質酸化物半導体に近い。
<CAAC−OS>
まずは、CAAC−OSについて説明する。
CAAC−OSは、c軸配向した複数の結晶部(ペレットともいう。)を有する酸化物半導体の一種である。
CAAC−OSをX線回折(XRD:X−Ray Diffraction)によって解析した場合について説明する。例えば、空間群R−3mに分類されるInGaZnO4の結晶を有するCAAC−OSに対し、out−of−plane法による構造解析を行うと、図24(A)に示すように回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる。このピークは、InGaZnO4の結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OSでは、結晶がc軸配向性を有し、c軸がCAAC−OSの膜を形成する面(被形成面ともいう。)、または上面に略垂直な方向を向いていることが確認できる。なお、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、空間群Fd−3mに分類される結晶構造に起因する。そのため、CAAC−OSは、該ピークを示さないことが好ましい。
一方、CAAC−OSに対し、被形成面に平行な方向からX線を入射させるin−plane法による構造解析を行うと、2θが56°近傍にピークが現れる。このピークは、InGaZnO4の結晶の(110)面に帰属される。そして、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行っても、図24(B)に示すように明瞭なピークは現れない。一方、単結晶InGaZnO4に対し、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合、図24(C)に示すように(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。したがって、XRDを用いた構造解析から、CAAC−OSは、a軸およびb軸の配向が不規則であることが確認できる。
次に、電子回折によって解析したCAAC−OSについて説明する。例えば、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OSに対し、CAAC−OSの被形成面に平行にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、図24(D)に示すような回折パターン(制限視野電子回折パターンともいう。)が現れる場合がある。この回折パターンには、InGaZnO4の結晶の(009)面に起因するスポットが含まれる。したがって、電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるペレットがc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることがわかる。一方、同じ試料に対し、試料面に垂直にプローブ径が300nmの電子線を入射させたときの回折パターンを図24(E)に示す。図24(E)より、リング状の回折パターンが確認される。したがって、プローブ径が300nmの電子線を用いた電子回折によっても、CAAC−OSに含まれるペレットのa軸およびb軸は配向性を有さないことがわかる。なお、図24(E)における第1リングは、InGaZnO4の結晶の(010)面および(100)面などに起因すると考えられる。また、図24(E)における第2リングは(110)面などに起因すると考えられる。
また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって、CAAC−OSの明視野像と回折パターンとの複合解析像(高分解能TEM像ともいう。)を観察すると、複数のペレットを確認することができる。一方、高分解能TEM像であってもペレット同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を明確に確認することができない場合がある。そのため、CAAC−OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
図25(A)に、試料面と略平行な方向から観察したCAAC−OSの断面の高分解能TEM像を示す。高分解能TEM像の観察には、球面収差補正(Spherical Aberration Corrector)機能を用いた。球面収差補正機能を用いた高分解能TEM像を、特にCs補正高分解能TEM像と呼ぶ。Cs補正高分解能TEM像は、例えば、日本電子株式会社製原子分解能分析電子顕微鏡JEM−ARM200Fなどによって観察することができる。
図25(A)より、金属原子が層状に配列している領域であるペレットを確認することができる。ペレット一つの大きさは1nm以上のものや、3nm以上のものがあることがわかる。したがって、ペレットを、ナノ結晶(nc:nanocrystal)と呼ぶこともできる。また、CAAC−OSを、CANC(C−Axis Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。ペレットは、CAAC−OSの被形成面または上面の凹凸を反映しており、CAAC−OSの被形成面または上面と平行となる。
また、図25(B)および図25(C)に、試料面と略垂直な方向から観察したCAAC−OSの平面のCs補正高分解能TEM像を示す。図25(D)および図25(E)は、それぞれ図25(B)および図25(C)を画像処理した像である。以下では、画像処理の方法について説明する。まず、図25(B)を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理することでFFT像を取得する。次に、取得したFFT像において原点を基準に、2.8nm−1から5.0nm−1の間の範囲を残すマスク処理する。次に、マスク処理したFFT像を、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理することで画像処理した像を取得する。こうして取得した像をFFTフィルタリング像と呼ぶ。FFTフィルタリング像は、Cs補正高分解能TEM像から周期成分を抜き出した像であり、格子配列を示している。
図25(D)では、格子配列の乱れた箇所を破線で示している。破線で囲まれた領域が、一つのペレットである。そして、破線で示した箇所がペレットとペレットとの連結部である。破線は、六角形状であるため、ペレットが六角形状であることがわかる。なお、ペレットの形状は、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合が多い。
図25(E)では、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を点線で示し、格子配列の向きの変化を破線で示している。点線近傍においても、明確な結晶粒界を確認することはできない。点線近傍の格子点を中心に周囲の格子点を繋ぐと、歪んだ六角形や、五角形または/および七角形などが形成できる。即ち、格子配列を歪ませることによって結晶粒界の形成を抑制していることがわかる。これは、CAAC−OSが、a−b面方向において原子配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化することなどによって、歪みを許容することができるためと考えられる。
以上に示すように、CAAC−OSは、c軸配向性を有し、かつa−b面方向において複数のペレット(ナノ結晶)が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。よって、CAAC−OSを、CAA crystal(c−axis−aligned a−b−plane−anchored crystal)を有する酸化物半導体と称することもできる。
CAAC−OSは結晶性の高い酸化物半導体である。酸化物半導体の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成などによって低下する場合があるため、CAAC−OSは不純物や欠陥(酸素欠損など)の少ない酸化物半導体ともいえる。
なお、不純物は、酸化物半導体の主成分以外の元素で、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などがある。例えば、シリコンなどの、酸化物半導体を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体から酸素を奪うことで酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。
酸化物半導体が不純物や欠陥を有する場合、光や熱などによって特性が変動する場合がある。例えば、酸化物半導体に含まれる不純物は、キャリアトラップとなる場合や、キャリア発生源となる場合がある。例えば、酸化物半導体中の酸素欠損は、キャリアトラップとなる場合や、水素を捕獲することによってキャリア発生源となる場合がある。
<nc−OS>
次に、nc−OSについて説明する。
nc−OSをXRDによって解析した場合について説明する。例えば、nc−OSに対し、out−of−plane法による構造解析を行うと、配向性を示すピークが現れない。即ち、nc−OSの結晶は配向性を有さない。
また、例えば、InGaZnO4の結晶を有するnc−OSを薄片化し、厚さが34nmの領域に対し、被形成面に平行にプローブ径が50nmの電子線を入射させると、図26(A)に示すようなリング状の回折パターン(ナノビーム電子回折パターン)が観測される。また、同じ試料にプローブ径が1nmの電子線を入射させたときの回折パターン(ナノビーム電子回折パターン)を図26(B)に示す。図26(B)より、リング状の領域内に複数のスポットが観測される。したがって、nc−OSは、プローブ径が50nmの電子線を入射させることでは秩序性が確認されないが、プローブ径が1nmの電子線を入射させることでは秩序性が確認される。
また、厚さが10nm未満の領域に対し、プローブ径が1nmの電子線を入射させると、図26(C)に示すように、スポットが略正六角状に配置された電子回折パターンを観測される場合がある。したがって、厚さが10nm未満の範囲において、nc−OSが秩序性の高い領域、即ち結晶を有することがわかる。なお、結晶が様々な方向を向いているため、規則的な電子回折パターンが観測されない領域もある。
図26(D)に、被形成面と略平行な方向から観察したnc−OSの断面のCs補正高分解能TEM像を示す。nc−OSは、高分解能TEM像において、補助線で示す箇所などのように結晶部を確認することのできる領域と、明確な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。nc−OSに含まれる結晶部は、1nm以上10nm以下の大きさであり、特に1nm以上3nm以下の大きさであることが多い。なお、結晶部の大きさが10nmより大きく100nm以下である酸化物半導体を微結晶酸化物半導体(microcrystalline oxide semiconductor)と呼ぶことがある。nc−OSは、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。なお、ナノ結晶は、CAAC−OSにおけるペレットと起源を同じくする可能性がある。そのため、以下ではnc−OSの結晶部をペレットと呼ぶ場合がある。
このように、nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OSは、分析方法によっては、a−like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
なお、ペレット(ナノ結晶)間で結晶方位が規則性を有さないことから、nc−OSを、RANC(Random Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体、またはNANC(Non−Aligned nanocrystals)を有する酸化物半導体と呼ぶこともできる。
nc−OSは、非晶質酸化物半導体よりも規則性の高い酸化物半導体である。そのため、nc−OSは、a−like OSや非晶質酸化物半導体よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OSは、異なるペレット間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OSは、CAAC−OSと比べて欠陥準位密度が高くなる。
<a−like OS>
a−like OSは、nc−OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。
図27に、a−like OSの高分解能断面TEM像を示す。ここで、図27(A)は電子照射開始時におけるa−like OSの高分解能断面TEM像である。図27(B)は4.3×108e−/nm2の電子(e−)照射後におけるa−like OSの高分解能断面TEM像である。図27(A)および図27(B)より、a−like OSは電子照射開始時から、縦方向に延伸する縞状の明領域が観察されることがわかる。また、明領域は、電子照射後に形状が変化することがわかる。なお、明領域は、鬆または低密度領域と推測される。
鬆を有するため、a−like OSは、不安定な構造である。以下では、a−like OSが、CAAC−OSおよびnc−OSと比べて不安定な構造であることを示すため、電子照射による構造の変化を示す。
試料として、a−like OS、nc−OSおよびCAAC−OSを準備する。いずれの試料もIn−Ga−Zn酸化物である。
まず、各試料の高分解能断面TEM像を取得する。高分解能断面TEM像により、各試料は、いずれも結晶部を有する。
なお、InGaZnO4の結晶の単位格子は、In−O層を3層有し、またGa−Zn−O層を6層有する、計9層がc軸方向に層状に重なった構造を有することが知られている。これらの近接する層同士の間隔は、(009)面の格子面間隔(d値ともいう。)と同程度であり、結晶構造解析からその値は0.29nmと求められている。したがって、以下では、格子縞の間隔が0.28nm以上0.30nm以下である箇所を、InGaZnO4の結晶部と見なした。なお、格子縞は、InGaZnO4の結晶のa−b面に対応する。
図28は、各試料の結晶部(22箇所から30箇所)の平均の大きさを調査した例である。なお、上述した格子縞の長さを結晶部の大きさとしている。図28より、a−like OSは、TEM像の取得などに係る電子の累積照射量に応じて結晶部が大きくなっていくことがわかる。図28より、TEMによる観察初期においては1.2nm程度の大きさだった結晶部(初期核ともいう。)が、電子(e−)の累積照射量が4.2×108e−/nm2においては1.9nm程度の大きさまで成長していることがわかる。一方、nc−OSおよびCAAC−OSは、電子照射開始時から電子の累積照射量が4.2×108e−/nm2までの範囲で、結晶部の大きさに変化が見られないことがわかる。図28より、電子の累積照射量によらず、nc−OSおよびCAAC−OSの結晶部の大きさは、それぞれ1.3nm程度および1.8nm程度であることがわかる。なお、電子線照射およびTEMの観察は、日立透過電子顕微鏡H−9000NARを用いた。電子線照射条件は、加速電圧を300kV、電流密度を6.7×105e−/(nm2・s)、照射領域の直径を230nmとした。
このように、a−like OSは、電子照射によって結晶部の成長が見られる場合がある。一方、nc−OSおよびCAAC−OSは、電子照射による結晶部の成長がほとんど見られない。即ち、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて、不安定な構造であることがわかる。
また、鬆を有するため、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて密度の低い構造である。具体的には、a−like OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の78.6%以上92.3%未満である。また、nc−OSの密度およびCAAC−OSの密度は、同じ組成の単結晶の密度の92.3%以上100%未満である。単結晶の密度の78%未満である酸化物半導体は、成膜すること自体が困難である。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、菱面体晶構造を有する単結晶InGaZnO4の密度は6.357g/cm3である。よって、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、a−like OSの密度は5.0g/cm3以上5.9g/cm3未満である。また、例えば、In:Ga:Zn=1:1:1[原子数比]を満たす酸化物半導体において、nc−OSの密度およびCAAC−OSの密度は5.9g/cm3以上6.3g/cm3未満である。
なお、同じ組成の単結晶が存在しない場合、任意の割合で組成の異なる単結晶を組み合わせることにより、所望の組成における単結晶に相当する密度を見積もることができる。所望の組成の単結晶に相当する密度は、組成の異なる単結晶を組み合わせる割合に対して、加重平均を用いて見積もればよい。ただし、密度は、可能な限り少ない種類の単結晶を組み合わせて見積もることが好ましい。
以上のように、酸化物半導体は、様々な構造をとり、それぞれが様々な特性を有する。なお、酸化物半導体は、例えば、非晶質酸化物半導体、a−like OS、nc−OS、CAAC−OSのうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態に示す半導体装置または記憶装置を用いることが可能なCPUについて説明する。
図29は、CPUの一例の構成を示すブロック図である。図29に示すCPUは、基板1190上に、ALU1191(ALU:Arithmetic logic unit、演算回路)、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントローラ1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース1198(Bus I/F)、書き換え可能なROM1199、およびROMインターフェース1189(ROM I/F)を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる。ROM1199およびROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよい。もちろん、図29に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。例えば、図29に示すCPUまたは演算回路を含む構成を一つのコアとし、当該コアを複数含み、それぞれのコアが並列で動作するような構成としてもよい。また、CPUが内部演算回路やデータバスで扱えるビット数は、例えば8ビット、16ビット、32ビット、64ビットなどとすることができる。
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクションデコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195に入力される。
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行なう。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御するための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出しや書き込みを行なう。
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、およびレジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミングコントローラ1195は、基準クロック信号を元に、内部クロック信号を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号を上記各種回路に供給する。
図29に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。レジスタ1196のメモリセルとして、上記実施の形態に示した半導体装置または記憶装置を用いることができる。
図29に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191からの指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。すなわち、レジスタ1196が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、容量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。フリップフロップによるデータの保持が選択されている場合、レジスタ1196内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行われる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが行われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができる。その結果、CPUの消費電力を低減することができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、上記実施の形態に示す記憶装置または半導体装置を用いることが可能なプログラマブルロジックデバイス(PLD:Programmable Logic Device)について説明する。
PLDは、適当な規模の論理回路(論理ブロック、プログラマブルロジックエレメント)どうしが配線リソースにより電気的に接続された構成を有しており、各論理ブロックの機能や、論理ブロック間の接続構造を、製造後において変更できることを特徴とする。各論理ブロックの機能と、配線リソースにより構成される論理ブロック間の接続構造とは、コンフィギュレーションデータにより定義され、上記コンフィギュレーションデータは、各論理ブロックが有するレジスタ、または配線リソースが有するレジスタに格納される。以下、コンフィギュレーションデータを格納するためのレジスタを、コンフィギュレーションメモリと呼ぶ。
図30(A)にPLD750の構造の一部を、一例として模式的に示す。図30(A)に示すPLD750は、複数の論理ブロック(LB)740と、複数の論理ブロック740のいずれかに接続された配線群751と、配線群751を構成する配線どうしの接続を制御するスイッチ回路752とを有する。配線群751とスイッチ回路752とが、配線リソース753に相当する。
図30(B)に、スイッチ回路752の構成例を示す。図30(B)に示すスイッチ回路752は、配線群751に含まれる配線755と配線756の接続構造を制御する機能を有する。具体的に、スイッチ回路752は、トランジスタ757乃至トランジスタ762を有する。
トランジスタ757は、配線755におけるPointAと、配線756におけるPointCの電気的な接続を制御する機能を有する。トランジスタ758は、配線755におけるPointBと、配線756におけるPointCの電気的な接続を制御する機能を有する。トランジスタ759は、配線755におけるPointAと、配線756におけるPointDの電気的な接続を制御する機能を有する。トランジスタ760は、配線755におけるPointBと、配線756におけるPointDの電気的な接続を制御する機能を有する。トランジスタ761は、配線755におけるPointAとPointBの電気的な接続を制御する機能を有する。トランジスタ762は、配線756におけるPointCとPointDの電気的な接続を制御する機能を有する。
また、スイッチ回路752は、配線群751と、PLD750の端子754の、電気的な接続を制御する機能を有する。
図31(A)に、論理ブロック740の一形態を例示する。図31(A)に示す論理ブロック740は、LUT(ルックアップテーブル)741と、フリップフロップ742と、記憶回路743と、を有する。LUT741は、記憶回路743が有するコンフィギュレーションデータに従って、行われる論理演算が定義される。具体的にLUT741は、入力端子744に与えられた複数の入力信号の入力値に対する、一の出力値が定まる。そして、LUT741からは、上記出力値を含む信号が出力される。フリップフロップ742は、LUT741から出力される信号を保持し、信号CLKに同期して当該信号に対応した出力信号を、第1出力端子745及び第2出力端子746から出力する。
なお、論理ブロック740がさらにマルチプレクサ回路を有し、当該マルチプレクサ回路によって、LUT741からの出力信号がフリップフロップ742を経由するか否かを選択できるようにしても良い。
また、コンフィギュレーションデータによって、フリップフロップ742の種類を定義できる構成にしても良い。具体的には、コンフィギュレーションデータによって、フリップフロップ742がD型フリップフロップ、T型フリップフロップ、JK型フリップフロップ、またはRS型フリップフロップのいずれかの機能を有するようにしても良い。
また、図31(B)に、論理ブロック740の別の一形態を例示する。図31(B)に示す論理ブロック740は、図31(A)に示した論理ブロック740に、AND回路747が追加された構成を有している。AND回路747には、フリップフロップ742からの信号が、正論理の入力として与えられ、信号INIT2が、負論理の入力として与えられている。上記構成により、論理ブロック740からの出力信号が供給される配線の電位を初期化することができる。よって、論理ブロック740間で大量の電流が流れることを未然に防ぎ、PLDの破損が引き起こされるのを防ぐことができる。
また、図31(C)に、論理ブロック740の別の一形態を例示する。図31(C)に示す論理ブロック740は、図31(A)に示した論理ブロック740に、マルチプレクサ748が追加された構成を有している。また、図31(C)に示す論理ブロック740は、記憶回路743a及び記憶回路743bで示される二つの記憶回路743を有する。LUT741は、記憶回路743aが有するコンフィギュレーションデータに従って、行われる論理演算が定義される。また、マルチプレクサ748は、LUT741からの出力信号と、フリップフロップ742からの出力信号とが入力されている。そして、マルチプレクサ748は、記憶回路743bに格納されているコンフィギュレーションデータに従って、上記2つの出力信号のいずれか一方を選択し、出力する機能を有する。マルチプレクサ748からの出力信号は、第1出力端子745及び第2出力端子746から出力される。
図32に、PLD750全体の構成を一例として示す。図32では、PLD750に、I/Oエレメント770、PLL(phase lock loop)771、RAM772、乗算器773が設けられている。I/Oエレメント770は、PLD750の外部回路からの信号の入力、または外部回路への信号の出力を制御する、インターフェースとしての機能を有する。PLL771は、信号CLKを生成する機能を有する。RAM772は、論理演算に用いられるデータを格納する機能を有する。乗算器773は、乗算専用の論理回路に相当する。PLD750に乗算を行う機能が含まれていれば、乗算器773は必ずしも設ける必要はない。
論理ブロック740が有する記憶回路またはフリップフロップは、上記実施の形態に示す半導体装置または記憶装置を用いて構成することができる。上記実施の形態に示す半導体装置または記憶装置を用いることで、論理ブロック740は電源オフの状態でもデータを保持することが可能になり、消費電力を低減することができる。
(実施の形態8)
本発明の一態様に係る半導体装置は、自動車、自動二輪車、自転車などの車両、航空機、船舶などに用いることができる。また、本発明の一態様に係る半導体装置は、携帯電話、腕時計、携帯型ゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)などの電子機器に用いることができる。これらの具体例を図33に示す。
図33(A)は腕時計型端末であり、筐体801、リュウズ802、表示部803、ベルト804、検知部805等を有する。表示部803にはタッチパネルを設けてもよい。使用者は、タッチパネルに触れた指をポインタに用いて情報を入力することができる。
検知部805は、周囲の状態を検知して情報を取得する機能を備える。例えば、カメラ、加速度センサ、方位センサ、圧力センサ、温度センサ、湿度センサ、照度センサまたはGPS(Global positioning System)信号受信回路等を、検知部805に用いることができる。
例えば、検知部805の照度センサが検知した周囲の明るさを筐体801内部の演算装置が、所定の照度と比較して十分に明るいと判断した場合、反射型の液晶素子を表示部803の表示素子として使用する。または、薄暗いと判断した場合、有機EL素子を表示部803の表示素子として使用する。これにより、例えば、外光の強い環境において反射型の表示素子を用い、薄暗い環境において自発光型の表示素子を用いて画像情報を表示することができる。その結果、消費電力が低減された電子機器を提供することができる。
図33(B)は、携帯電話機であり、筐体811、表示部816、操作ボタン814、外部接続ポート813、スピーカ817、マイク812などを備えている。図33(B)に示す携帯電話機は、指などで表示部816に触れることで、情報を入力することができる。また、電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指などで表示部816に触れることにより行うことができる。また、操作ボタン814の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部816に表示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
図33(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体821、表示部822、キーボード823、ポインティングデバイス824等を有する。
図33(D)は電気冷凍冷蔵庫であり、筐体831、冷蔵室用扉832、冷凍室用扉833等を有する。
図33(E)はビデオカメラであり、第1筐体841、第2筐体842、表示部843、操作キー844、レンズ845、接続部846等を有する。操作キー844およびレンズ845は第1筐体841に設けられており、表示部843は第2筐体842に設けられている。そして、第1筐体841と第2筐体842とは、接続部846により接続されており、第1筐体841と第2筐体842の間の角度は、接続部846により変更が可能である。表示部843における映像を、接続部846における第1筐体841と第2筐体842との間の角度に従って切り替える構成としても良い。
図33(F)は自動車であり、車体851、車輪852、ダッシュボード853、ライト854等を有する。
(実施の形態9)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置を備えることができるRFタグの使用例について図34を用いながら説明する。RFタグの用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図34(A)参照)、記録媒体(DVDやビデオテープ等、図34(B)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図34(C)参照)、乗り物類(自転車等、図34(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、植物類、動物類、人体、衣類、生活用品類、薬品や薬剤を含む医療品、または電子機器(液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置、または携帯電話)等の物品、若しくは各物品に取り付ける荷札(図34(E)、図34(F)参照)等に設けて使用することができる。
本発明の一態様に係るRFタグ4000は、表面に貼る、または埋め込むことにより、物品に固定される。例えば、本であれば紙に埋め込み、有機樹脂からなるパッケージであれば当該有機樹脂の内部に埋め込み、各物品に固定される。本発明の一態様に係るRFタグ4000は、小型、薄型、軽量を実現するため、物品に固定した後もその物品自体のデザイン性を損なうことがない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、または証書類等に本発明の一態様に係るRFタグ4000を設けることにより、認証機能を設けることができ、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、または電子機器等に本発明の一態様に係るRFタグを取り付けることにより、検品システム等のシステムの効率化を図ることができる。また、乗り物類であっても、本発明の一態様に係るRFタグを取り付けることにより、盗難などに対するセキュリティ性を高めることができる。
以上のように、本発明の一態様に係わるRFタグを本実施の形態に挙げた各用途に用いることにより、情報の書込みや読み出しを含む動作電力を低減できるため、最大通信距離を長くとることが可能となる。また、電力が遮断された状態であっても情報を極めて長い期間保持可能であるため、書き込みや読み出しの頻度が低い用途にも好適に用いることができる。
本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものである。従って、構成要素の数を限定するものではない。また、構成要素の順序を限定するものではない。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素が、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において「第2」に言及された構成要素とすることもありうる。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素を、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において省略することもありうる。
本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
また、本明細書等において、電圧と電位は、適宜言い換えることができる。電圧は、基準となる電位からの電位差のことであり、例えば基準となる電位をグラウンド電位(接地電位)とすると、電圧を電位に言い換えることができる。グラウンド電位は必ずしも0Vを意味するとは限らない。なお電位は相対的なものであり、基準となる電位によっては、配線等に与える電位を変化させる場合がある。
なお本明細書等において、「膜」、「層」などの語句は、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
本明細書等において、スイッチとは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有するものをいう。または、スイッチとは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有するものをいう。一例としては、電気的スイッチ又は機械的なスイッチなどを用いることができる。つまり、スイッチは、電流を制御できるものであればよく、特定のものに限定されない。
電気的なスイッチの一例としては、トランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ、MOSトランジスタなど)、ダイオード(例えば、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator Metal)ダイオード、MIS(Metal Insulator Semiconductor)ダイオード、ダイオード接続のトランジスタなど)、又はこれらを組み合わせた論理回路などがある。
なお、スイッチとしてトランジスタを用いる場合、トランジスタの「導通状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に短絡されているとみなせる状態をいう。また、トランジスタの「非導通状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に遮断されているとみなせる状態をいう。なおトランジスタを単なるスイッチとして動作させる場合には、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。
機械的なスイッチの一例としては、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)のように、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)技術を用いたスイッチがある。そのスイッチは、機械的に動かすことが可能な電極を有し、その電極が動くことによって、導通と非導通とを制御して動作する。
例えば、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも、図または文章に記載されているものとする。
ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
XとYとが直接的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に接続されていない場合であり、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)を介さずに、XとYとが、接続されている場合である。
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示素子、発光素子、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(DA変換回路、AD変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅または電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。なお、XとYとが機能的に接続されている場合は、XとYとが直接的に接続されている場合と、XとYとが電気的に接続されている場合とを含むものとする。
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが機能的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の回路を挟んで機能的に接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子又は別の回路を挟まずに接続されている場合)とが、本明細書等に開示されているものとする。つまり、電気的に接続されている、と明示的に記載されている場合は、単に、接続されている、とのみ明示的に記載されている場合と同様な内容が、本明細書等に開示されているものとする。
なお、例えば、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1を介して(又は介さず)、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2を介して(又は介さず)、Yと電気的に接続されている場合や、トランジスタのソース(又は第1の端子など)が、Z1の一部と直接的に接続され、Z1の別の一部がXと直接的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)が、Z2の一部と直接的に接続され、Z2の別の一部がYと直接的に接続されている場合では、以下のように表現することが出来る。
例えば、「XとYとトランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yの順序で電気的に接続されている。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)はYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この順序で電気的に接続されている」と表現することができる。または、「Xは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とドレイン(又は第2の端子など)とを介して、Yと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(又は第1の端子など)、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。
または、別の表現方法として、例えば、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の接続経路を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、前記第2の接続経路は、トランジスタを介した、トランジスタのソース(又は第1の端子など)とトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)との間の経路であり、前記第1の接続経路は、Z1を介した経路であり、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第2の接続経路を有しておらず、前記第3の接続経路は、Z2を介した経路である。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の接続経路によって、Z1を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の接続経路は、第2の接続経路を有しておらず、前記第2の接続経路は、トランジスタを介した接続経路を有し、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の接続経路によって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の接続経路は、前記第2の接続経路を有していない。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(又は第1の端子など)は、少なくとも第1の電気的パスによって、Z1を介して、Xと電気的に接続され、前記第1の電気的パスは、第2の電気的パスを有しておらず、前記第2の電気的パスは、トランジスタのソース(又は第1の端子など)からトランジスタのドレイン(又は第2の端子など)への電気的パスであり、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)は、少なくとも第3の電気的パスによって、Z2を介して、Yと電気的に接続され、前記第3の電気的パスは、第4の電気的パスを有しておらず、前記第4の電気的パスは、トランジスタのドレイン(又は第2の端子など)からトランジスタのソース(又は第1の端子など)への電気的パスである。」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続経路について規定することにより、トランジスタのソース(又は第1の端子など)と、ドレイン(又は第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。
なお、これらの表現方法は、一例であり、これらの表現方法に限定されない。ここで、X、Y、Z1、Z2は、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
なお、回路図上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されている場合であっても、1つの構成要素が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。例えば配線の一部が電極としても機能する場合は、一の導電膜が、配線の機能、及び電極の機能の両方の構成要素の機能を併せ持っている。したがって、本明細書における電気的に接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
本実施例では、図14に示すトランジスタ200を試作してトランジスタ特性を測定した。チャネル長が10μmと180nmのトランジスタをそれぞれ試作した場合、チャネル長が10μmのトランジスタのカットオフ電流が小さいことを確認した。
Siウェハ上にトランジスタ200を試作した。
絶縁体216は厚さ120nmの酸化シリコン膜で成る。酸化シリコン膜はPECVD法で成膜した。
導電体205aは厚さ5nmの窒化チタン膜で成る。窒化チタン膜はCVD法で成膜した。
導電体205bはタングステン膜で成る。タングステン膜はCVD法で成膜を行った。タングステン膜を成膜した後に、CMPによって導電体205a及び導電体205bの表面を平坦化した。
絶縁体220は厚さ10nmの酸化窒化シリコン膜で成る。酸化窒化シリコン膜はPECVD法で成膜した。
絶縁体222は厚さ20nmの酸化ハフニウム膜で成る。酸化ハフニウム膜はALD法で成膜した。
絶縁体224は厚さ30nmの酸化窒化シリコン膜で成る。酸化窒化シリコン膜はPECVD法で成膜した。
絶縁体224を成膜した後に、550℃の熱処理を、酸素雰囲気で1時間行った。
酸化物半導体230aは、厚さ40nmのIn‐Ga‐Zn酸化物膜で成る。酸化物半導体230aの成膜は、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:4のIn−Ga―Zn酸化物のターゲットを用いて、DCスパッタリング法で行った。スパッタリング法は、基板温度を200℃とし、Arと酸素の混合ガスで行った。
酸化物半導体230bは、厚さ20nmのIn‐Ga‐Zn酸化物膜で成る。酸化物半導体230bの成膜は、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1のIn−Ga―Zn酸化物のターゲットを用いて、DCスパッタリング法で行った。スパッタリング法は、基板温度を300℃とし、Arと酸素の混合ガスで行った。また、酸化物半導体230bは上記実施の形態で説明したCAAC−OS膜で形成した。
酸化物半導体230bを成膜した後に、550℃の熱処理を、窒素雰囲気と酸素雰囲気で、それぞれ1時間ずつ行った。
導電体240a及び導電体240bは厚さ50nmのタングステン膜で成る。タングステン膜はスパッタリング法で成膜した。
酸化物半導体230cは、厚さが5nmのIn‐Ga‐Zn酸化物膜で成る。酸化物半導体230cの成膜は、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:2のIn−Ga―Zn酸化物のターゲットを用いて、DCスパッタリング法で行った。スパッタリング法は、基板温度を200℃とし、Arと酸素の混合ガスで行った。
絶縁体250は、厚さ13nmの酸化窒化シリコン膜で成る。酸化窒化シリコン膜はPECVD法で成膜した。
導電体260は、厚さ30nmの窒化チタン膜と厚さ135nmのタングステン膜の積層で成る。窒化チタン膜及びタングステン膜はスパッタリング法で成膜した。
絶縁体280は厚さ40nmの酸化アルミニウム膜と厚さ800nmの酸化シリコン膜の積層で成る。厚さ40nmの酸化アルミニウム膜は、30nmをスパッタリング法で成膜し、残りの10nmをALD法で成膜した。なお、酸化アルミニウム膜を成膜した後に、400℃の熱処理を酸素雰囲気で1時間行った。酸化シリコン膜はPECVD法で成膜した。酸化シリコン膜を成膜した後にCMP法で平坦化を行った。
試作したトランジスタのVGS−IDS特性を図35に示す。チャネル長がL=180nmと10μmの2つのトランジスタについて測定を行った。測定温度は150℃、125℃、85℃、25℃、VDS=3.3Vとして測定を行った。
図35の結果より、L=10μmの方がL=180nmよりも、Vthが高い(VGS−IDSグラフがプラスにシフトしている)ことがわかる。
図36は、図35から算出したカットオフ電流を示している。横軸は測定温度を示し、縦軸はカットオフ電流(ICUT)を示している。なお、L=10μmのカットオフ電流は、図35のグラフを外挿することで算出した。
図36の結果より、チャネル長が長い方が、カットオフ電流は小さいことが確認された。
以上の結果より、実施の形態1の電圧保持回路に用いられるトランジスタM11、M12、M14のチャネル長は長い方が好ましく、特に10μm以上が好ましいことが確認された。
本実施例では、チャネル形成領域にIn−Ga−Zn酸化物半導体を有するトランジスタは、Inの原子数に対するGaの原子数の比率が多い方が、カットオフ電流を小さく抑えられることをデバイスシミュレーションで示した。
デバイスシミュレーションで仮定したトランジスタ構造を図37に示す。図37において、電極BGEはバックゲート電極を表す。絶縁体P1、絶縁体P2及び絶縁体P3はバックゲート絶縁体を表す。半導体SEMはチャネル形成領域を表す。電極SEはソース電極を表す。電極DEはドレイン電極を表す。絶縁体GIはゲート絶縁体を表す。電極GEはゲート電極を表す。
シルバコ社製デバイスシミュレーションソフトAtlasを用いてシミュレーションを行った。デバイスシミュレーションで仮定した各パラメータの値を表3に示す。半導体SEMとして、In−Ga−Zn酸化物半導体を仮定した。
本実施例では、半導体SEMの物性値が異なる3種類のトランジスタ(IGZO(111)、IGZO(134)、IGZO(164))を仮定した。
IGZO(111)は、In:Ga:Zn=1:1:1の組成から成るIn−Ga−Zn酸化物半導体ターゲットを用いてスパッタリング法で成膜した半導体層を想定している。バンドギャップは3.2eVを仮定した。
IGZO(134)は、In:Ga:Zn=1:3:4の組成から成るIn−Ga−Zn酸化物半導体ターゲットを用いてスパッタリング法で成膜した半導体層を想定している。バンドギャップは3.4eVを仮定した。
IGZO(164)は、In:Ga:Zn=1:6:4の組成から成るIn−Ga−Zn酸化物半導体ターゲットを用いてスパッタリング法で成膜した半導体層を想定している。バンドギャップは3.8eVを仮定した。
計算結果を図38に示す。図38はそれぞれのトランジスタのVDS=3.3VにおけるVGS−IDS特性を示している。デバイスの温度は150℃を仮定した。また、図中にはVGS−IDS特性から算出したカットオフ電流(ICUT)を示している。
図38の計算結果より、半導体SEMのバンドギャップが大きく、電子親和力が小さいほど、カットオフ電流が小さいことが確認された。すなわち、In−Ga−Zn酸化物半導体において、Inの原子数に対するGaの原子数の比率を大きくするほど、カットオフ電流が小さくなることが確認された。