JP6809744B1 - 食品用包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】食品用包装袋内の食品を電子レンジで加熱する際に破裂が生じにくく、さらに加熱後における食品の保温効果に優れた食品用包装袋を提供する。【解決手段】内部空間が密閉された食品用包装袋10は、食品用包装袋10における一端からの所定範囲を巻いた状態にした巻回部16と、巻回部16を巻かれた状態に保持する保持部18とを備え、保持部18による巻回部16の保持は、食品用包装袋10において巻回部16の他端側に形成される収容部14内の食品5を電子レンジで加熱する際に、収容部14の膨張及び内圧上昇に伴って解除され、又は、食品5を電子レンジで加熱する前に人により解除され、保持部18による保持が解除された巻回部16は、食品5を電子レンジで加熱する際、一端側に伸びた状態で、収容部14とともに膨張するように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、パンなどの食品の包装に用いられる食品用包装袋等に関する。
コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどでは、食品用包装袋内に密閉された状態で、パンなどの食品が販売されている。食品用包装袋内の食品をそのまま電子レンジで加熱すると、空気や水蒸気の膨張により食品用包装袋が膨らむ。しかし、食品用包装袋が膨らみすぎると破裂する虞があるため、ハサミで食品用包装袋に切り込みを入れる等の対策がなされる。
特許文献1には、食品用包装袋の破裂を防ぐための技術に関し、容器内蒸気圧が一定に達すると自動的に開口するV字型シール面が設けられた電子レンジ用袋体が記載されている。V字型シール面では、袋体が膨張した際、V字の頂点に引っ張り力が集中する。そのため、V字型シール面は、V字の頂点から剥離が生じて開口する。
特公平4−40005号公報
ところで、本願発明者は、食品用包装袋に切り込みを入れずに食品用包装袋内の食品を電子レンジで加熱する場合、食品用包装袋が膨らんだ状態に維持されることで、優れた食品の保温効果が得られることに着目した。他方、食品用包装袋に切り込みを入れた場合、食品用包装袋の破裂は確実に阻止できるが、食品の温度低下は早い。加えて、密封状態を解除することになるため、衛生上の問題も生じる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、食品用包装袋内の食品を電子レンジで加熱する際に破裂が生じにくく、さらに加熱後における食品の保温効果に優れた食品用包装袋を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するべく、第1の発明は、内部空間が密閉された食品用包装袋であって、食品用包装袋における一端からの所定範囲を巻いた状態にした巻回部と、巻回部を巻かれた状態に保持する保持部とを備え、保持部による巻回部の保持は、食品用包装袋において巻回部の他端側に形成される収容部内の食品を電子レンジで加熱する際に、収容部の膨張及び内圧上昇に伴って解除され、又は、食品を電子レンジで加熱する前に人により解除され、保持部による保持が解除された巻回部は、食品を電子レンジで加熱する際、一端側に伸びた状態で、収容部とともに膨張するように構成された食品用包装袋である。
第2の発明は、第1の発明において、巻回部が膨張する際に食品用包装袋の内圧がさらに上昇すると、内部空間を外部に連通させる圧力逃がし部をさらに備えている。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、圧力逃がし部は、巻回部における一端のシール部に設けられている。
本発明では、収容部内の食品を電子レンジで加熱すると、収容部の膨張及び内圧上昇に伴って、保持部による巻回部の保持が解除される。又は、保持部による巻回部の保持は、食品を電子レンジで加熱する前に人により解除される。いずれの場合も、巻回部内は電子レンジで加熱する際のバッファ空間となる。そのため、食品用包装袋に切り込みを入れなくても、食品用包装袋は破裂しにくい。従って、電子レンジによる加熱時間が適正である場合、食品用包装袋に切り込みを入れることなく、食品用包装袋内の食品を電子レンジで安全に加熱することができる。また、この場合、加熱後に食品用包装袋は膨張した状態に維持されるため、食品用包装袋内の食品は効果的に保温される。本発明によれば、食品用包装袋内の食品を電子レンジで加熱する際に破裂が生じにくく、さらに加熱後における食品の保温効果に優れた食品用包装袋を提供することができる。
図1(a)は、実施形態に係る食品用包装袋について、内部のパンを電子レンジで加熱する前の側面図であり、図1(b)は、図1(a)と同じ状態の上面図である。 図2(a)は、実施形態に係る食品用包装袋について、内部のパンを電子レンジで加熱した際に巻回部が伸びて膨らんだ状態の側面図であり、図2(b)は、図2(a)と同じ状態の上面図である。 図3(a)は、実施形態に係る食品用包装袋について、内部のパンを電子レンジで加熱した際に圧力逃がし部が開口した状態の側面図であり、図3(b)は、図3(a)と同じ状態の上面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一例であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
本実施形態は、パン5の包装に用いられる食品用包装袋10である。食品用包装袋10は、内部空間が密閉された袋体であり、図1に示すように、例えば横長に形成されている(具体的に、上面視で略長方形状に形成されている)。食品用包装袋10の材料には、例えば、樹脂製フィルムが用いられる。食品用包装袋10は、筒状のフィルムの両端部を熱溶着により圧着することにより形成されている。以下では、食品用包装袋10における一端側(図1において右側)のシール部(圧着部)を第1シール部11、他端側(図1において左側)のシール部を第2シール部12と言う。
食品用包装袋10は、図1に示すように、パン5を収容する収容部14と、食品用包装袋10における一端からの所定範囲を巻いた状態にした巻回部16と、巻回部16を巻かれた状態に保持する保持部18とを備えている。収容部14は、食品用包装袋10において巻回部16の他端側に形成される部分であり、食品用包装袋10における他端から巻回部16までの部分と言うこともできる。なお、図1(b)では保持部18の記載を省略している。
巻回部16は、図1(a)に示すように、食品用包装袋10の長辺を側方から見た場合に渦巻き状に巻かれた部分である。巻回部16は、食品用包装袋10における一端からの所定範囲を複数回折り曲げることにより形成されている。図1(a)では、巻回部16に、2箇所の折り曲げ部が設けられ、巻回部16の巻き数は1回である。なお、巻回部16の巻き数は、1回半以上(つまり折り曲げ箇げ部が3箇所以上)であってもよい。
保持部18は、例えば、接着強度が比較的弱い接着剤又は粘着剤により構成されている。保持部18は、図1(a)に示すように、収容部14と巻回部16の境界部に設けられ、収容部14の端部と巻回部16の折り曲げ部とを互いに接着している。なお、保持部18は、上述の境界部以外の場所に設けてもよく、例えば、図1(a)における保持部18の設置箇所の右側の隙間(第1シール部11の下側の隙間)に設けることができる。この場合、保持部18は、巻回部16において互いに対面する箇所を互いに接着する。
また、食品用包装袋10は、巻回部16が伸びた後に膨張する際に(図2(a)参照)、食品用包装袋10の内圧がさらに上昇すると、食品用包装袋10の内部空間を外部に連通させる圧力逃がし部15をさらに備えている。圧力逃がし部15は、図2(b)に示すように、第1シール部11に設けられている。なお、圧力逃がし部15は、第2シール部12など他の箇所に設けてもよい。
圧力逃がし部15は、第1シール部11の中で相対的に剥離が生じやすいように構成されている。圧力逃がし部15は、第1シール部11の中で相対的に圧着部分の幅が狭いシール部15aと、シール部15aの他端側に形成された気体導入部15bとを備えている。気体導入部15bは、食品用包装袋10の内部空間に向かって広がるテーパー穴であり、巻回部16が膨張する際にシール部15a側に気体(空気や水蒸気)を導入する。
[実施形態の効果等]
本実施形態では、食品用包装袋10に切り込みを入れることなく、密閉状態の収容部14内のパン5を電子レンジで加熱すると、収容部14内の気体が膨張し、収容部14がパンパンに張った状態となる。そして、収容部14の内圧が上昇してゆき、内圧が第1所定値を超えると、保持部18による巻回部16の保持が解除される。つまり、保持部18を構成する接着剤又は粘着剤が剥がれる。そして、保持部18による保持が解除された巻回部16は、一端側に伸びて、収容部14とともに膨張する(図2参照)。そのため、食品用包装袋10に切り込みを入れなくても、巻回部16があることで、食品用包装袋10は破裂しにくい。従って、電子レンジによる加熱時間が適正である場合、食品用包装袋10に切り込みを入れることなく、食品用包装袋10内のパン5を電子レンジで安全に加熱することができる。また、この場合、加熱後に食品用包装袋10は膨張した状態(図2の状態)に維持されるため、食品用包装袋10内のパン5は効果的に保温される。
また、本実施形態では、電子レンジによる加熱時間を誤って長めに設定した場合であっても、食品用包装袋10が破裂する前に、圧力逃がし部15により、食品用包装袋10内の圧力が逃がされる。具体的に、巻回部16が伸びきった後に食品用包装袋10が巻回部16を含めて膨張する際、食品用包装袋10の内圧が徐々に上昇していく。そして、食品用包装袋10の内圧が第2所定値(第1所定値より大きな値)を超えると、圧力逃がし部15のシール部15aで剥離が生じる。その結果、シール部15aにおける剥離箇所を通じて食品用包装袋10の内部空間が外部に連通し、その剥離箇所から食品用包装袋10内の気体が排出される(図3参照)。従って、電子レンジによる加熱時間を誤って長めに設定した場合であっても、食品用包装袋10内のパン5を電子レンジで安全に加熱することができる。
[その他の実施形態]
上述の実施形態では、食品用包装袋10の形状が上面視で長方形状であったが、食品用包装袋10の形状は他の形状であってもよい。
上述の実施形態では、食品用包装袋10がパン5を収容したが、パン以外の食品を収容するように構成されてもよい。
上述の実施形態では、保持部18を接着剤又は粘着剤により構成したが、保持部18は、粘着テープ(又は接着テープ)により構成してもよい。この場合、粘着テープは、収容部14内の食品5を電子レンジで加熱する前に人が剥がしてもよいし、食品5を電子レンジで加熱する際に収容部14の膨張及び内圧上昇に伴って剥がれるようにしてもよい。
本発明は、パンなどの食品の包装に用いられる食品用包装袋等に適用可能である。
10 食品用包装袋
11 第1シール部
12 第2シール部
14 収容部
15 圧力逃がし部
16 巻回部
18 保持部

Claims (4)

  1. 内部空間が密閉された食品用包装袋であって、
    前記食品用包装袋における一端からの所定範囲を巻いた状態にした巻回部と、
    前記巻回部を巻かれた状態に保持する保持部とを備え、
    前記保持部による巻回部の保持は、前記食品用包装袋において前記巻回部の他端側に形成される収容部内の食品を電子レンジで加熱する際に、前記収容部の膨張及び内圧上昇に伴って解除され、又は、前記食品を電子レンジで加熱する前に人により解除され、
    前記保持部による保持が解除された前記巻回部は、前記食品を電子レンジで加熱する際、一端側に伸びて巻かれた状態ではなくなり、前記収容部とともに膨張するように構成されると共に、
    当該食品用包装袋の内部空間が外部と連通する場合には、該連通が生じる前に、前記巻回部は、一端側に伸びて巻かれた状態ではなくなるように構成された、食品用包装袋。
  2. 前記巻回部が膨張する際に前記食品用包装袋の内圧がさらに上昇すると、前記内部空間を外部に連通させる圧力逃がし部をさらに備えている、請求項1に記載の食品用包装袋。
  3. 前記圧力逃がし部は、前記巻回部における前記一端のシール部に設けられている、請求項2に記載の食品用包装袋。
  4. 前記圧力逃がし部は、剥離が生じることで前記内部空間を外部に連通させるシール部と、前記シール部の前記内部空間側に形成された気体導入部とを備え、
    前記気体導入部は、前記内部空間に向かって広がるテーパー穴である、請求項2又は3に記載の食品用包装袋。
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