JP6803534B2 - 培養用足場の製造方法、および、培養用足場の製造装置 - Google Patents
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Description
本実施形態に係る培地(培養用足場)100の製造方法は、繊維21の原料液をノズルから吐出して、電界紡糸法により、繊維21を生成させる繊維生成工程と、繊維21を、巻取回転体10の周面に周回するように堆積させて、繊維集合体20を形成する堆積工程と、巻取回転体10を回転させながら、繊維集合体20を基材に転写する転写工程と、を具備する。
繊維生成工程に先立って、帯状絶縁部10Iに、繊維21と同じ極性の電荷を付与する電荷付与工程を行うことが好ましい。これにより、繊維21が堆積し始めた段階(1周目)から、繊維21は帯状絶縁部10Iを避けるようにして堆積する。よって、繊維21の配列性がさらに向上するとともに、堆積密度がより高まる。
本工程では、電界紡糸法により、原料液22から繊維21を生成させるとともに、繊維21を巻取回転体10の周面を1周以上、周回させながら堆積させる。これにより、巻取回転体10の周面には、繊維集合体20が形成される。
電界紡糸法で利用する原料液22は、繊維21の原料と溶媒とを含む。繊維21の原料としては、生物組織や微生物の培地として用いることができる限り特に限定されない。なかでも、生物組織や微生物に対する親和性が高く、培養する際、生物組織や微生物にストレスを与え難い点で、繊維21の原料は、ポリスチレンブロックおよびポリブタジエンブロックを含むブロックポリマーと、当該ブロックポリマーとは異なるスチレン樹脂と、を含むことが好ましい。
上記原料液22から生成される繊維21は、上記ブロックポリマーおよびスチレン樹脂、さらには、必要に応じて添加剤を含む。繊維21の平均繊維径は、例えば、0.5μm〜10が好ましく、1〜5μmがより好ましく、1.5〜4μmが特に好ましい。
繊維集合体20は、複数の繊維21の集合体である。繊維集合体20において、複数の繊維21は一方向に配列している。複数の繊維21が一方向に配列しているとは、繊維集合体20において、繊維21同士が交差していないか、繊維21同士が交わる平均的な角度が、0°を超え60°以下であることをいう。このように、複数の繊維21が配列した状態である場合、繊維21は配列方向に沿って伸び易いため、生物組織や微生物へのストレスも低減できる。よって、繊維21の配列方向に沿って生物組織や微生物が成長し易くなる。
基材30は特に限定されず、従来の培地(足場も含む)に利用されるものを用いることができる。基材30としては、培養する生物組織や微生物の種類などに応じて、樹脂フィルム、カンテン層、ゼラチン層、不織布などの多孔質基材、あるいは、これらの組み合わせが挙げられる。
巻取回転体10(回転基体11)の構成は、回転可能である限り特に限定されず、ドラム状であってもよいし、複数のロールで張架されたベルトであってもよい。後者の場合、少なくとも1本のロールを回転駆動させて、ベルトを回転させる。巻取回転体10の材質としては、例えば、金属材料、各種樹脂、各種ゴム、セラミックスおよびこれらの組み合わせが挙げられる。巻取回転体10がベルトである場合、ベルトは、金属ベルトであってもよいし、導電性の樹脂ベルトであってもよい。さらに、樹脂ベルトのノズル51に対向する部分の裏側に、導電性の部材(例えば金属部材)を配置することが好ましい。巻取回転体10の外形は、例えば、円柱または角柱であってもよい。
繊維生成工程の後、堆積工程の前に、図6に示すように、繊維21を巻取回転体10以外の予備堆積部材60に堆積させる予備堆積工程を備えることが好ましい。予備堆積工程と堆積工程とは、原料液22をノズル51から継続的に吐出させながら、連続して行われる。すなわち、予備堆積部材60に繊維21を堆積させて、紡糸を安定させ、その後、巻取回転体10に堆積させることにより、巻取回転体10には均質な繊維21が堆積する。このとき、予備堆積部材60を、図6のようにグランドさせるか、あるいは、原料液とは逆の極性に帯電させる。そして、ノズル51を、予備堆積部材60の近傍から巻取回転体10の近傍にまで、原料液22を吐出しながら移動させると、生成する繊維21は、堆積目標を予備堆積部材60から巻取回転体10へと変えて、巻取回転体10の周面に堆積していく。
後述する転写工程の前に、繊維集合体20および基材30の少なくとも一方に、接着剤を付与する接着剤付与工程を備えることが好ましい。繊維集合体20と基材30との接着性が高まり、剥離が抑制されるためである。接着剤付与工程は、堆積工程の後、転写工程の前に行われる。接着剤の種類は特に限定されず、例えば、シリコーン樹脂、ホットメルト樹脂または紫外線硬化樹脂等が挙げられる。
転写工程の前に、接着剤付与工程に替えて、あるいは、接着剤付与工程に加えて、繊維集合体20および基材30の少なくとも一方を加熱する加熱工程を備えていてもよい。転写工程の前に繊維集合体20を加熱することにより、繊維集合体20が軟化した状態で基材30に転写される。これにより、繊維集合体20と基材30との接着性が向上する。また、転写工程の前に基材30を加熱することにより、転写後、繊維集合体20に熱が伝わって軟化する。これにより、繊維集合体20と基材30との接着性が向上する。なかでも、基材30を加熱する方法は、繊維21の劣化が抑制できる点で好ましい。
転写工程の前に、接着剤付与工程および加熱工程に替えて、あるいは、接着剤付与工程および/または加熱工程に加えて、繊維集合体20にプラズマ照射するプラズマ処理工程を備えていてもよい。繊維集合体20の少なくとも基材30に当接する領域にプラズマを照射することにより、繊維集合体20と基材30との接着性が向上する。なお、繊維集合体20を基材30に転写した後、繊維集合体20の基材30とは反対側の領域に、さらにプラズマ照射してもよい。培地100で培養される生物組織や微生物の電位の変化を測定するために、繊維集合体20と電極(例えば、白金電極)とを接続する場合、プラズマ照射によって電極と繊維集合体20との密着性も向上する。
転写工程に先立って、繊維集合体20は、巻取回転体10に捲回された状態で基材30の形状に応じて切断される。このとき、繊維集合体20は、例えば、回転軸Aに沿う方向に切断される。この切断部をきっかけにして、繊維集合体20は基材30に転写される。切断装置としては特に限定されず、例えば、長尺カッター等が挙げられる。
転写工程の前に、図7に示すように、巻取回転体10の周面を除電装置61を用いて除電することが好ましい。これにより、繊維集合体20が巻取回転体10から剥離し易くなるため、繊維21の配列が維持され易くなる。除電工程では、巻取回転体10の周面の帯電性がわずかでも低下すればよい。
本工程では、巻取回転体10を回転させながら、繊維集合体20を基材30に転写する。これにより、繊維集合体20および基材30を備える培地100が得られる。
培地100は、繊維集合体20と基材30とを備える。基材30は、主に、繊維集合体20を支持するために用いられる。繊維集合体20は、単独でも培地として用いられ得る。
10I:帯状絶縁部
10P:凸部
11:回転基体
13:部分絶縁シート
131:支持シート
132:絶縁部材
20:繊維集合体
21:繊維
22:原料液
30:基材
51:ノズル
52:XZステージ
53:架台
59A:接触型の帯電装置
59B:イオン流発生装置
60:予備堆積部材
61:除電装置
100:培地
Claims (10)
- 帯状絶縁部に、繊維と同じ極性の電荷を付与する電荷付与工程と、
前記繊維の原料液をノズルから吐出して、前記繊維を生成させる繊維生成工程と、
前記繊維を、巻取回転体の周面に周回するように堆積させて、繊維集合体を形成する堆積工程と、
前記巻取回転体を回転させながら、前記繊維集合体を基材に転写する転写工程と、を備え、
前記繊維が、電界紡糸法により生成され、
前記帯状絶縁部は、前記巻取回転体の前記周面に前記巻取回転体の回転軸と交差する方向に延伸するように複数配置されている、培養用足場の製造方法。 - 前記帯状絶縁部が、前記巻取回転体の前記周面に配置された絶縁部材により形成されており、前記巻取回転体の前記周面から突出している、請求項1に記載の培養用足場の製造方法。
- 前記巻取回転体が、回転基体と、前記回転基体の周囲に捲回された導電性の支持シートと、を備え、
前記帯状絶縁部が、前記支持シートに配置された絶縁部材により形成されている、請求項1に記載の培養用足場の製造方法。 - 前記電荷が、接触帯電により前記帯状絶縁部に付与される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の培養用足場の製造方法。
- 前記電荷が、イオン流帯電により前記帯状絶縁部に付与される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の培養用足場の製造方法。
- 前記堆積工程の前に、前記繊維を前記巻取回転体以外の予備堆積部材に堆積させる予備堆積工程を備え、
前記予備堆積工程と前記堆積工程とが、前記原料液を、前記ノズルから継続的に吐出させながら、連続して行われる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の培養用足場の製造方法。 - 前記転写工程の前に、前記巻取回転体の前記周面を除電する除電工程を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の培養用足場の製造方法。
- 前記巻取回転体の前記周面が、さらに、複数のスポット形状の凸部を備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の培養用足場の製造方法。
- 前記凸部の少なくとも前記繊維集合体との接触部に、シリコーンゴム層を備える、請求項8に記載の培養用足場の製造方法。
- 巻取回転体と、
前記巻取回転体の周面で前記巻取回転体の回転軸と交差する方向に延伸する複数の帯状絶縁部と、
前記帯状絶縁部に、繊維と同じ極性の電荷を付与する電荷付与部と、
前記繊維の原料液をノズルから吐出して、前記繊維を生成させる繊維生成部と、
前記繊維を、前記巻取回転体の周面に周回するように堆積させて、繊維集合体を形成する堆積部と、
前記巻取回転体を回転させながら、前記繊維集合体を基材に転写する転写部と、を備え、
前記繊維が、電界紡糸法により生成される、培養用足場の製造装置。
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