JP2009024291A - エレクトロデポジション装置、構造体の製造方法及びそれから製造される構造体。 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エレクトロデポジション法において、高分子ウェブ等の構造体を製造するに際し、当該構造体の一構成要素(例えば繊維)を任意の模様や形状に配向させることが可能であると共に、電極範囲内でも当該一構成要素を配向させることが可能な手段の提供。
【解決手段】 原料液供給部と飛翔原料受取部との間に電圧を印加してこれら両部間の空間に電界を形成し、前記原料液供給部から前記飛翔原料受取部に向けて前記原料液を供給することにより、前記飛翔原料受取部上で、前記飛翔原料を少なくとも一部として含む構造体を形成させるエレクトロデポジション装置において、前記飛翔原料受取部が、導電領域及び絶縁領域からなるパターンが施されている回転電極であることを特徴とするエレクトロデポジション装置。
【選択図】 図1
【解決手段】 原料液供給部と飛翔原料受取部との間に電圧を印加してこれら両部間の空間に電界を形成し、前記原料液供給部から前記飛翔原料受取部に向けて前記原料液を供給することにより、前記飛翔原料受取部上で、前記飛翔原料を少なくとも一部として含む構造体を形成させるエレクトロデポジション装置において、前記飛翔原料受取部が、導電領域及び絶縁領域からなるパターンが施されている回転電極であることを特徴とするエレクトロデポジション装置。
【選択図】 図1
Description
本発明は、エレクトロデポジション法(エレクトロスピニング法)による構造体(例えば平面構造体)の製造方法、前記製造方法により得られる構造体、前記製造方法が実施可能であるエレクトロデポジション装置であって、特に、コレクタ電極に導電領域及び絶縁領域からなるパターンを施すことにより、所望の形状や配向性を有する構造体を製造する方法、前記製造方法により得られる構造体、前記製造方法が実施可能であるエレクトロデポジション装置に関するものである。
単繊維の直径がナノオーダーの繊維からなる高分子ウェブを作製するのに使用されている一般的な方法として、エレクトロスピニング法が知られている。この方法では、ポリマー溶液を調製した後、ポリマー溶液に高電圧を印加して口金から押し出し、極細な繊維を形成する。当該方法により、一般的には数百nmレベルの繊維径の高分子ウェブを製造することができる。
また、エレクトロスピニング法による高分子ウェブの製造方法については、マルチノズル式の連続製造方法も知られている。これは高分子溶液タンクからマルチノズルにポンプで溶液を供給し、ノズル−適用対象物間に電圧を印加し、適用対象物に高分子ウェブを適用する方法である(特許文献1)。
また、コレクタ電極に、連続した直線、連続した曲線、連続した直線と曲線との組合せのうちのいずれかからなる任意の紋様又は形状に電界を強く発生するものを使用してナノ繊維に配向性を付与したことを特徴とする、ナノ繊維ウェブの製造方法が開示されている(特許文献2)。この方法によれば、電界場中で延伸されて形成されたナノ繊維が、クーロン力により直線、曲線、直線と曲線との組合せのうちのいずれかからなる任意の紋様又は形状に配向してコレクタ電極等の上に堆積する。また、ナノ繊維は、クーロン力により電界が強く発生している部分に多く堆積し、電界の弱い部分には、あまり多く堆積しない。
特開2002−201559号公報
特開2006−283241号公報
しかしながら、特許文献2記載の技術によると、電極上に優先的に堆積するので、電極に沿って配向するが、電極範囲内では繊維は配向しないという問題がある。そこで、本発明は、高分子ウェブ等の構造体を製造するに際し、当該構造体の一構成要素(例えば繊維)を任意の模様や形状に配向させることが可能であると共に、電極範囲内でも当該一構成要素を配向させることが可能な手段を提供することを目的とする。
本発明(1)は、原料液供給部(吐出部100)と飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)との間に電圧を印加してこれら両部間の空間に電界を形成し、前記原料液供給部(吐出部100)から前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)に向けて前記原料液を供給することにより、前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)上で、前記飛翔原料を少なくとも一部として含む構造体を形成させるエレクトロデポジション装置(エレクトロデポジション装置A)において、
前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)が、導電領域(導電領域111α)及び絶縁領域(絶縁領域111β)からなるパターンが施されている回転電極であることを特徴とするエレクトロデポジション装置(エレクトロデポジション装置A)である。
前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)が、導電領域(導電領域111α)及び絶縁領域(絶縁領域111β)からなるパターンが施されている回転電極であることを特徴とするエレクトロデポジション装置(エレクトロデポジション装置A)である。
本発明(2)は、原料液供給部(吐出部100)と飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)との間に電圧を印加してこれら両部間の空間に電界を形成し、前記原料液供給部(吐出部100)から前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)に向けて前記原料液を供給することにより、前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)上で、前記飛翔原料を少なくとも一部として含む構造体を形成させる工程を含む構造体の製造方法において、
前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)として、導電領域(導電領域111α)及び絶縁領域(絶縁領域111β)からなるパターンが施されている回転電極を使用すると共に、当該回転電極を所定の表面線速度で回転させることを特徴とする方法である。
前記飛翔原料受取部(コレクタ電極部110)として、導電領域(導電領域111α)及び絶縁領域(絶縁領域111β)からなるパターンが施されている回転電極を使用すると共に、当該回転電極を所定の表面線速度で回転させることを特徴とする方法である。
本発明(3)は、前記回転電極の表面線速度が1m/s以上である、前記発明(2)の方法である。
本発明(4)は、前記発明(2)又は(3)の方法により製造された構造体である。
本発明(5)は、高分子ウェブ又は粒子分散体である、前記発明(4)の構造体である。
ここで、本特許請求の範囲及び本明細書中の各用語の定義を記載する。まず、「原料液」とは、高分子溶液、高分子分散液、高分子溶融液、粒子分散液等のエレクトロデポジションにおいて原料として使用されうる液体を意味する。「飛翔原料」とは、原料液供給部から供給された原料液に由来した飛翔体である限り特に限定されず、液状であっても、或いは、飛翔中に溶媒が揮発する等の理由で原料が乾燥形態になったもののいずれをも包含する。「構造体」とは、二次元的な構造体及び三次元的な構造体のいずれをも包含し(例えば繊維構造体、粒子分散体)、また、原料液のみに由来した構造体に限定されず、他の材料(例えば、繊維、フィルム等)と原料液由来成分との複合体をも包含する。
本発明によれば、高分子ウェブ等の構造体を製造するに際し、当該構造体の一構成要素(例えば繊維)を任意の模様や形状に配向させることが可能であると共に、電極範囲内でも当該一構成要素を配向させることが可能であるという効果を奏する。
以下、図面を参照しながら、本発明の最良形態を説明する。尚、本発明の技術的範囲は本最良形態に限定されるものではない。具体的には、以下の最良形態では、原料液として高分子溶液を例に採る等、用語を限定的に使用しているが、本発明の技術的範囲は当該限定的用語に限定されるものではない。
装置構成
図1は、本最良形態に係るエレクトロデポジション装置を示した図である。ここで、エレクトロデポジション装置Aは、高分子溶液を後述するコレクタ電極111に向けて吐出するための吐出部100と、当該吐出部100と対向した位置に配されたコレクタ電極部110と、当該吐出部100とコレクタ電極部110との間(正確には当該吐出部100のノズル電極101とコレクタ電極部110のコレクタ電極111との間)に電圧を印加する電源部120を有する。以下、各構成要素を詳述する。
図1は、本最良形態に係るエレクトロデポジション装置を示した図である。ここで、エレクトロデポジション装置Aは、高分子溶液を後述するコレクタ電極111に向けて吐出するための吐出部100と、当該吐出部100と対向した位置に配されたコレクタ電極部110と、当該吐出部100とコレクタ電極部110との間(正確には当該吐出部100のノズル電極101とコレクタ電極部110のコレクタ電極111との間)に電圧を印加する電源部120を有する。以下、各構成要素を詳述する。
まず、エレクトロデポジション装置Aの一部を構成する吐出部100は、高分子溶液を吐出可能に開口したノズル電極101と、当該ノズル電極101と液体導通関係にあり、当該高分子溶液をノズル電極101に供給するための、高分子溶液を保持するための液体コンテナ102と、液体コンテナ102内の高分子溶液を押し出してノズル電極101の開口部から外部に向けて吐出させる押圧装置(液体吐出装置、シリンジポンプ)103とを有する。ここで、押圧装置103を吐出方向に駆動制御した場合、高分子溶液が液体コンテナ102からノズル電極101へと移動し、一定量噴出されるように構成されている。高分子溶液の噴出量を一定に保つことにより、一定時間あたりに一定の高分子ウェブを構築することができる。以下、吐出部100を構成する各要素を詳述する。
まず、ノズル電極101は、前述したように開口部を有しており、コレクタ電極111に向けて高分子溶液を吐出する機能を有すると共に、それ自体が導電性であり、かつ、電源120と電気的に接続しているために電極としての機能も有している。尚、図1に示した実施態様においては、ノズル電極は一つであるが、必ずしも一つのノズルである必要は無く、複数のノズルが設けられていてもよい。また、図1においては、ノズル電極101は電極の役割を担うものであるが、ノズルと電極が一体である必要は無く、ノズルの近傍に更に電極を設けて使用する形態であってもよい。
次に、エレクトロデポジション装置Aの一部を構成するコレクタ電極部110は、円筒状の形状を有しており軸回りに回転可能なコレクタ電極111と、当該コレクタ電極111を回転させるための回転モータ112と、当該回転モータ112の回転制御を司る回転制御装置113とを有している。ここで、図2に示すように、コレクタ電極111は、長軸方向を貫く回転軸116をその中心で固定的に保持すると共に、当該回転軸116は、その両端において支持体115の軸受部で回転可能に支持されている。更に、コレクタ電極111の回転軸116と回転モータ112の回転軸は、例えば樹脂性カップリング等の絶縁性ジョイント部材114で接続されている。
ここで、本発明の一特徴は、コレクタ電極111の表面に、導電領域と絶縁領域のパターンが構築されている点である。図3は、当該パターンの一例である、コレクタ電極111の断面図である。コレクタ電極111は、導電領域111α及び絶縁領域111βを有しており、これらが回転方向に沿ってストライプ状に配置されている。このような構成を採ることにより、導電領域111αに高分子ウェブが選択的に構築されるように構成されている。ここで、図3に示した導電領域111αの巾は、ナノメータレベルの巾で設定することができ、10nm以上で好適であり、50nm以上でより好適であり、100nm以上で更に好適である。上限は特に限定されない。また、絶縁領域の巾についても、ナノメータレベルの巾で設定することができ、10nm以上で好適であり、100nm以上でより好適であり、1000nm以上で更に好適である。上限は特に限定されない。尚、図1及び図3に図示したコレクタ電極111は、等間隔に導電領域と絶縁領域を配置した構造を有しているが、この構成に限定される必要は無く、得ようとする高分子ウェブの形状に合わせて、適切な形状とすることができる。
ここで、「導電体」は、電気抵抗が103Ω・cm以下のものが好適であり、「絶縁体」は、電気抵抗が106Ω・cm以上のものが好適である。
次に、エレクトロデポジション装置Aの一部を構成する電源部120は、ノズル電極101とコレクタ電極111と電気的に接続しており、両電極間に電圧を印加可能な電源である。ここで、電源部120に使用しうる電源は、特に限定されないが、例えば、直流電源、パルス電源、交流電源等が挙げられる。直流電源を用いた場合、例えば、図1に示した本最良形態に係るエレクトロデポジション装置により、ストライプ状の高分子ウェブが製造される。また、パルス電源を用いた場合には、スポット状の高分子ウェブが構築される。
製造方法(製造に関しての各種条件)
次に、本最良形態に係るエレクトロデポジション装置Aを用いて、エレクトロデポジション法により構造体を製造する方法について詳述する。
次に、本最良形態に係るエレクトロデポジション装置Aを用いて、エレクトロデポジション法により構造体を製造する方法について詳述する。
まず、本方法の実施に先立ち、液体コンテナ102内に、原料液、例えば、高分子溶液又は高分子溶融液を充填する。ここで、本最良形態に係る装置において使用できる原料液は、特に限定されないが、例えば、高分子溶液、高分子分散液、高分子溶融液、粒子分散液が挙げられる。高分子溶液、高分子分散液、高分子溶融液に使用する高分子は、特に限定されないが、ビニル系ポリマー、アクリル系ポリマー、ウレタン、ナイロン等の汎用高分子、導電性高分子、タンパク質等の天然高分子等を用いることができ、例えば、ポリビニルアルコール、ナイロン66、ポリアクリルニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、セルロース、ポリエーテルウレタン、ポリ乳酸、ポリカプロラクタン、フィブロイン、コラーゲンが挙げられる。また、使用される高分子は、単一成分に限定されるものではなく、上述の高分子等を二種以上混合して使用してもよい。また更に、高分子溶液は高分子だけに限られず、例えば金属、セラミックス等の無機物を主成分としたゾル,ゲルを用いてもよい。これらゾル、ゲル、分散液、又は、これらゾル、ゲルを高分子溶液中に分散した液を高分子溶液として使用することにより、配向性を有する無機系材料からなるウェブを製造することが可能である。更に、このウェブを焼結することで無機系焼結繊維からなるウェブを製造することが可能である。その他、原料液として使用する粒子分散液は、特に限定されないが、金、チタニア等のナノ粒子が挙げられる。
ここで原料液に溶媒を使用する場合、溶媒としては、特に限定されないが、例えば、水、アセトン、クロロホルム、エタノール、メタノール、トルエン、キシロール、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。使用する溶媒は、単一成分に限定されるものではなく、上述の溶剤等を二種以上混合して使用してもよい。更に、高分子溶液の電気特性を改善するために、水に対して、水酸化ナトリウム、塩化リチウム等の電解質を添加してもよい。
次に、ノズル電極101とコレクタ電極111との間に直流高電圧を印加した状態で、押圧装置(シリンジポンプ)103を作動させてノズル電極101より高分子溶液等を放出する。放出された高分子溶液等は、ノズル電極101からノズル電極101とコレクタ電極111との間に生じている電界場中に放出される。原料液として、高分子溶液を用いた場合、電界場に放出された高分子は、電気力線にそって飛翔し高分子ウェブを形成する。ここで、本最良形態に係る装置においては、コレクタ電極111に導電領域111aと絶縁領域111bを有するため、ノズル電極101とコレクタ電極111の間の電気力線は、導電領域に集中しており、これに伴い、高分子ウェブも、導電領域に集中的に堆積される。その結果、所望の形状を有する高分子ウェブを製造することができる。
ここで、所望の形態(形状、径等)の高分子ウェブを得るに際しては、前述したコレクタ電極111上に形成された導電領域と絶縁領域とのパターン形状に加え、ノズル径、ノズル電極からの液の供給速度(吐出速度)、コレクタ電極の回転速度(線速度)、電極間距離、電極間電圧、液性等に依存する。例えば、コレクタ電極111の回転速度(線速度)を高分子溶液の供給速度より速くすることにより、構築される高分子ウェブにテンションをかけた状態で、配向性を有する高分子ウェブが製造可能である。尚、回転速度は、通常、表面線速度が0.1m/分〜100m/sとなる範囲内である。ここで、より高強度(高い破断強度)を有する高分子ウェブを得る観点からは、コレクタ電極を高速回転させることが好適である。
製造される構造体とその用途
本最良形態に係る装置により得られた高分子ウェブは、コレクタ電極の導電領域に即した形状を有する。これにより、部分的に摩擦の大きい高分子を適用することにより、不織布等が製造されるため、感圧スイッチとして利用することもできる。また、本最良形態に係る装置により、フィルム上に高分子ウェブを構築する場合、例えば、所望の形状を有する高分子ウェブをフィルム上に製造し、これを適用対象物に貼り付けることができる。即ち、このような使用態様により、導電性高分子により高分子ウェブを製造して、当該高分子ウェブを半導体の配線に使用することができる。更に、本最良形態に係る装置により得られた高分子ウェブは、繊維が配向しており、吸湿・吸着性の優れた高分子ウェブ、特定の光をカットする光学フィルムとして用いることができる。また、本最良形態に係る装置により、得られる粒子分散体は、光学、医療分野等への応用が可能である。
本最良形態に係る装置により得られた高分子ウェブは、コレクタ電極の導電領域に即した形状を有する。これにより、部分的に摩擦の大きい高分子を適用することにより、不織布等が製造されるため、感圧スイッチとして利用することもできる。また、本最良形態に係る装置により、フィルム上に高分子ウェブを構築する場合、例えば、所望の形状を有する高分子ウェブをフィルム上に製造し、これを適用対象物に貼り付けることができる。即ち、このような使用態様により、導電性高分子により高分子ウェブを製造して、当該高分子ウェブを半導体の配線に使用することができる。更に、本最良形態に係る装置により得られた高分子ウェブは、繊維が配向しており、吸湿・吸着性の優れた高分子ウェブ、特定の光をカットする光学フィルムとして用いることができる。また、本最良形態に係る装置により、得られる粒子分散体は、光学、医療分野等への応用が可能である。
実施例1
図1に示したエレクトロデポジション装置Aを構築し、実際にエレクトロデポジションを行った。
吐出部100(容量1mlのガラス製シリンジに、内径0.5mmのルアーロック付金属製ノズルを装着したシリンジポンプ)にポリビニルアルコール(MW200,000)の5%水溶液0.5mlをいれ、毎分75μl吐出するように調整した。
図1に示した構造をもつコレクタ電極(シリンダ型回転電極)111を回転モータ112を介してシリンダ表面線速度が14.13m/sとなるよう回転させた。
吐出部100のノズル電極101と回転電極間距離を180mmに調節し、ノズル電極101を正として15kVの電圧を印加した。このとき概略40乃至50μAの電流が観察された。
押圧装置103を駆動することにより、ノズル電極101とコレクタ電極111間にポリビニルアルコールの微細繊維が発生し、コレクタ電極111にその繊維が付着、堆積した。
10分間押圧装置103を駆動した後、電圧印加と押圧装置103の駆動とを停止し、コレクタ電極111の回転をとめた。コレクタ電極111の表面には微細な繊維が堆積していた。繊維の付着状況を観察したところ、コレクタ電極111の導電性領域に優先的に繊維が付着しており、全体的にはコレクタ電極111の回転方向に縞状に付着しており、また、繊維も回転方向に一致する方向で綺麗に配向していた。
コレクタ電極111上の堆積物をはがして顕微鏡で観察したところ、微細な繊維がコレクタ電極111の回転方向に配向して堆積していることが観察された。また、顕微鏡視野内の繊維200本を任意に選び、その平均繊維径を測定したところ150nmであった。
図1に示したエレクトロデポジション装置Aを構築し、実際にエレクトロデポジションを行った。
吐出部100(容量1mlのガラス製シリンジに、内径0.5mmのルアーロック付金属製ノズルを装着したシリンジポンプ)にポリビニルアルコール(MW200,000)の5%水溶液0.5mlをいれ、毎分75μl吐出するように調整した。
図1に示した構造をもつコレクタ電極(シリンダ型回転電極)111を回転モータ112を介してシリンダ表面線速度が14.13m/sとなるよう回転させた。
吐出部100のノズル電極101と回転電極間距離を180mmに調節し、ノズル電極101を正として15kVの電圧を印加した。このとき概略40乃至50μAの電流が観察された。
押圧装置103を駆動することにより、ノズル電極101とコレクタ電極111間にポリビニルアルコールの微細繊維が発生し、コレクタ電極111にその繊維が付着、堆積した。
10分間押圧装置103を駆動した後、電圧印加と押圧装置103の駆動とを停止し、コレクタ電極111の回転をとめた。コレクタ電極111の表面には微細な繊維が堆積していた。繊維の付着状況を観察したところ、コレクタ電極111の導電性領域に優先的に繊維が付着しており、全体的にはコレクタ電極111の回転方向に縞状に付着しており、また、繊維も回転方向に一致する方向で綺麗に配向していた。
コレクタ電極111上の堆積物をはがして顕微鏡で観察したところ、微細な繊維がコレクタ電極111の回転方向に配向して堆積していることが観察された。また、顕微鏡視野内の繊維200本を任意に選び、その平均繊維径を測定したところ150nmであった。
本発明に係る装置により、所望の形状を有する高分子ウェブ製造することができ、当該高分子ウェブを感圧スイッチ(部分的に摩擦を大きくすることができる。)、半導体分野におけるナノ配線へと応用することができる。
100:吐出部
101:ノズル電極
102:液体コンテナ
103:液体吐出装置
110:コレクタ電極部
111:コレクタ電極
111α:導電領域
111β:絶縁領域
112:回転モータ
113:回転制御装置
114:絶縁性ジョイント部材
120:電源部
101:ノズル電極
102:液体コンテナ
103:液体吐出装置
110:コレクタ電極部
111:コレクタ電極
111α:導電領域
111β:絶縁領域
112:回転モータ
113:回転制御装置
114:絶縁性ジョイント部材
120:電源部
Claims (5)
- 原料液供給部と飛翔原料受取部との間に電圧を印加してこれら両部間の空間に電界を形成し、前記原料液供給部から前記飛翔原料受取部に向けて前記原料液を供給することにより、前記飛翔原料受取部上で、前記飛翔原料を少なくとも一部として含む構造体を形成させるエレクトロデポジション装置において、
前記飛翔原料受取部が、導電領域及び絶縁領域からなるパターンが施されている回転電極であることを特徴とするエレクトロデポジション装置。 - 原料液供給部と飛翔原料受取部との間に電圧を印加してこれら両部間の空間に電界を形成し、前記原料液供給部から前記飛翔原料受取部に向けて前記原料液を供給することにより、前記飛翔原料受取部上で、前記飛翔原料を少なくとも一部として含む構造体を形成させる工程を含む構造体の製造方法において、
前記飛翔原料受取部として、導電領域及び絶縁領域からなるパターンが施されている回転電極を使用すると共に、当該回転電極を所定の表面線速度で回転させることを特徴とする方法。 - 前記回転電極の表面線速度が1m/s以上である、請求項2記載の方法。
- 請求項2又は3記載の方法により製造された構造体。
- 高分子ウェブ又は粒子分散体である、請求項4記載の構造体。
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JP2007190229A JP2009024291A (ja) | 2007-07-20 | 2007-07-20 | エレクトロデポジション装置、構造体の製造方法及びそれから製造される構造体。 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011070761A1 (ja) * | 2009-12-10 | 2011-06-16 | パナソニック株式会社 | ナノファイバ製造装置、および、ナノファイバ製造方法 |
JP2018007608A (ja) * | 2016-07-13 | 2018-01-18 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 培地および繊維集合体の製造方法、ならびに培地の製造装置 |
-
2007
- 2007-07-20 JP JP2007190229A patent/JP2009024291A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011070761A1 (ja) * | 2009-12-10 | 2011-06-16 | パナソニック株式会社 | ナノファイバ製造装置、および、ナノファイバ製造方法 |
JP2018007608A (ja) * | 2016-07-13 | 2018-01-18 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 培地および繊維集合体の製造方法、ならびに培地の製造装置 |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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