JP2019167640A - 複合材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基材の材質および厚みに関わらず、安定した電界紡糸を可能とする。【解決手段】繊維の原料を含む原料液と、第1の面および第2の面を備える基材と、を準備する準備工程と、前記原料液を吐出する吐出部と、前記吐出部に対向して配置されるコレクタ電極との間に、前記基材を前記第1の面を前記吐出部に向けて配置する配置工程と、前記吐出部と前記コレクタ電極との間に電圧を印加しながら前記吐出部から前記原料液を吐出して、前記基材の前記第1の面に前記繊維を堆積させる電界紡糸工程と、を備え、前記配置工程において、前記基材は保持部材により支持された状態で配置され、前記基材の前記第1の面は、前記繊維を堆積させる堆積予定領域と、前記堆積予定領域を取り囲む非堆積領域と、を有し、前記保持部材は、前記非堆積領域、および、前記第2の面の前記非堆積領域に対応する領域の少なくとも一部を保持する、複合材の製造方法。【選択図】図4
Description
本発明は、基材と基材上に堆積する繊維集合体との複合材を製造する方法に関する。
電界紡糸法では、通常、繊維の原料を溶解させた溶液(原料液)を吐出する吐出部と、ターゲットを載置するコレクタ電極との間に電圧を印加して、原料液およびターゲットをそれぞれ異なる極性に帯電させる。ターゲットに向かって吐出部から原料液を吐出すると、静電爆発して、原料液から繊維の原料が分離する。分離した原料は静電延伸されて、ターゲット上に繊維として堆積する。
特許文献1は、コンベアベルト等の長尺の捕集体上にターゲットを載せて、ターゲット上に繊維を堆積させることを教示している。
電界紡糸法によれば、ナノレベルの細い繊維(ナノファイバー)が生成し得る。ナノファイバーの用途拡大に伴い、ナノファイバーとターゲット(基材)との複合材としての使用も増加している。そのため、基材の材質および厚みも多様化しつつある。例えば、基材として自己支持性がない程度に薄い(例えば厚み10μm以下)フィルムを用いることが検討されている。
特許文献1では、吐出部とコレクタ電極との間に、基材およびコンベアベルトを介在させている。この場合、繊維を基材上に精度良く堆積させるには、吐出部とコレクタ電極との間に印加される電圧を高くする必要がある。上記のような薄い基材は、高電圧によって強く帯電する。強く帯電した基材は、周辺部材に意図せずに吸着したり、あるいは周辺部材を意図せずに引き寄せる場合がある。そのため、基材は、部分的に浮き上がったり、シワが生じたり、位置ずれが生じたりする。さらには、基材が周辺部材に吸着していると、コンベアベルト等で搬送する際に裂けるなどして損傷する場合がある。つまり、自己支持性を有さない基材に、電圧が印加される電界紡糸法により繊維を堆積させるのは困難である。
本発明の一局面は、繊維の原料を含む原料液と、第1の面および前記第1の面とは反対側の第2の面を備える基材と、を準備する準備工程と、前記原料液を吐出する吐出部と、前記吐出部に対向して配置されるコレクタ電極との間に、前記基材を前記第1の面を前記吐出部に向けて配置する配置工程と、前記吐出部と前記コレクタ電極との間に電圧を印加しながら前記吐出部から前記原料液を吐出して、前記基材の前記第1の面に前記繊維を堆積させる電界紡糸工程と、を備え、前記配置工程において、前記基材は保持部材により支持された状態で配置され、前記基材の前記第1の面は、前記繊維を堆積させる堆積予定領域と、前記堆積予定領域を取り囲む非堆積領域と、を有し、前記保持部材は、前記非堆積領域、および、前記第2の面の前記非堆積領域に対応する領域の少なくとも一部を保持する、複合材の製造方法に関する。
本発明によれば、様々な基材を、電界紡糸のターゲットとして制限なく使用することができる。
本実施形態では、電界紡糸のターゲットである基材を保持部材により保持する。基材の繊維を堆積させる面(第1の面)は、繊維を堆積させる堆積予定領域と、堆積予定領域を取り囲む非堆積領域と、を有する。保持部材は、上記堆積予定領域を取り囲む非堆積領域、および、第2の面の非堆積領域に対応する領域の少なくとも一部を保持する。これにより、シワのない基材に対して繊維を堆積させることができる。さらに、繊維が堆積することによる、基材の収縮あるいは変形が抑制される。
繊維の堆積が進行すると、基材は繊維(原料液)と同じ電荷を帯びてきて、コレクタ電極に引き付けられるように変形し易い。この場合にも、基材は保持部材で保持されているため、堆積予定領域の変形が抑制されるとともに、基材が周辺部材に吸着することが抑制される。また、堆積予定領域とコレクタ電極との距離を制御し易い。つまり、本実施形態によれば、基材の材質および厚みに関わらず、安定した電界紡糸が可能となって、高品質の複合材が得られる。
保持部材は、第1の面の非堆積領域、および、第2の面の当該非堆積領域に対応する領域の少なくとも一部を保持する。保持部材の形状は、堆積予定領域を弛みなく保持できる限り、特に限定されない。保持部材の形状は、非堆積領域に沿って堆積予定領域の周囲を取り囲む枠状であってもよいし、堆積予定領域の周囲を部分的に保持してもよい。保持部材は、第1の面で基材を保持してもよいし、第1の面とは反対側の第2の面で基材を保持してもよいし、第1の面および第2の面の両面で基材を保持してもよい。
基材の外周が画定されている場合、保持部材3は、図1A〜図1Cに示すように、基材20の外周全体を取り囲む枠体であってもよい。図1A〜図1Cでは、堆積予定領域20aと非堆積領域20bとの境界を破線で示している。
枠体である保持部材3の形状は特に限定されず、基材20の外周を保持できるように適宜設定すればよい。ハンドリング性および収納性の観点から、保持部材3は、図1Aおよび図1Bに示すように、矩形の環状体であってもよい。保持部材3は、図1Bに示すように、矩形の基材20の角を保持するL字型の部材を複数備えていてもよい。隣り合うL字型の部材同士は連結されていてもよい。
電界紡糸工程において電界の分布が一様になり易く、安定した電界紡糸が行われ易い点から、保持部材3は、図1Cに示すように、円形の環状体であってもよい。保持部材3は、全体が同一平面上にない立体構造であってもよい。また、基材20に接触しない位置にハンドル3aを備えていてもよいし、基材20に対向しない非対向部3bを備えていてもよい(図1C参照)。
図示例では、基材20の外周が矩形または円形に画定されている場合を示しているが、基材20の形状はこれに限定されない。基材20の形状は任意であり、円形であってもよいし、不定形であってもよい。また、保持部材3は、第1の面20Xで基材20を保持しているが、これに限定されない。
保持部材3は、図2Aに示すように、基材20の非堆積領域20bに対向する対向部3cと、基材20の厚み方向に立ち上がる立上り部3dとを備えてもよい。また、保持部材3は、図2Bに示すように、対向部3cと、立上り部3dと、非対向部3bと、を備えてもよい。この場合、対向部3cおよび非対向部3bと立上り部3dとは分離可能であってもよい。対向部3cおよび非対向部3bは、後述する基材20と同様の形態であってもよい。保持部材3は、対向部3cおよび非対向部3bのみにより構成されていてもよい。
保持部材3の材質は特に限定されず、電界紡糸工程に用いられること、電界紡糸工程で印加される電圧に対する耐性、原料液に含まれる溶媒に対する耐性、機械的強度、帯電性等を考慮して適宜選択すればよい。特に、電界紡糸工程に用いられることを考慮すると、保持部材3は、絶縁体であることが好ましい。
保持部材3が絶縁体である場合、保持部材3の吐出部に対向する面に導体を配置してもよい。これにより、保持部材3の過度な帯電が抑制されて、電界紡糸の安定性が向上し易い。導体は、例えば、保持部材3の吐出部に対向する面の少なくとも一部に、導電性のコーティング材料を塗布したり、導電性の部材を貼り付けたりすることにより配置される。導電性のコーティング材料は、例えば、後述する無極性樹脂あるいは極性樹脂と、導電性フィラーと、を含む。導電性の部材としては、例えば、金属(アルミニウム等)の板、テープ等が挙げられる。
なかでも、基材20の損傷抑制の観点から、保持部材3の材質は、絶縁性の樹脂であることが好ましい。樹脂の種類は特に限定されない。ただし、電界紡糸に用いられるため、樹脂の極性を考慮する必要がある。保持部材3の材料は、目的および用途に応じてその極性を考慮し、適宜選択すればよい。図2Bに示すように、保持部材3が対向部3cおよび非対向部3bを備える場合、特にこれらの材質を考慮する。
例えば、保持部材3が主成分(全体の50質量%より多い割合を占める成分)として無極性樹脂を含む場合、電界紡糸工程において、保持部材3の吐出部側の表面は、原料液と同じ極性を帯びる。そのため、吐出部から吐出される原料液(あるいは生成した繊維)と保持部材3とは反発し、繊維は、保持部材3およびその近傍以外の基材上に堆積され易くなる。つまり、繊維を効率よく基材の堆積予定領域20a内に堆積させることができる。
一方、保持部材3が主成分として極性樹脂を含む場合、電界紡糸工程において、保持部材3の吐出部側の表面は、原料液とは反対の極性を帯びる。そのため、吐出部から吐出される原料液(あるいは生成した繊維)は保持部材3に引き寄せられる。保持部材3は、基材20の周囲に配置されているため、静電爆発により、原料液は保持部材3に向かって堆積予定領域20aを覆うように広がる。そして、生成した繊維は、そのまま保持部材3の近傍を含む堆積予定領域20aに堆積する。つまり、繊維を堆積予定領域20a全体に均一に堆積させることができる。繊維は、保持部材3上(非堆積領域20b)にも堆積し得る。
無極性樹脂は、分子内で電子的な分極が発生し難い樹脂である。無極性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、ポリイソプレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン(PS)等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
極性樹脂は、極性基を有し、分子内で電子的な分極が発生し易い樹脂である。極性樹脂としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリ乳酸、ポリオキシメチレン、ポリスルフォン、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、セルロースを原料とする樹脂等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
保持部材3と基材20とは、例えば粘着剤を介して接着される。ただし、粘着剤の使用量は少量であるため、粘着剤の極性は考慮しなくても問題ない。両面に粘着剤層を備えるテープを用いる場合も同様に、テープの極性は考慮しなくても問題ない。
保持部材3の厚みは特に限定されないが、自己支持性を有する程度の厚みを備えることが好ましい。樹脂製の保持部材3の厚みは、例えば、0.5mm〜4mmである。
基材20の大きさ、形状、形態および材質は特に限定されず、用途に応じて適宜選択すればよい。
基材20は、保持部材3により保持される。そのため、基材20は無端ではなく、外周が画定されていることが好ましい。一方、基材20の大きさおよび形状は限定されない。基材は、例えば、一辺が3cm〜50cmの矩形であってもよいし、直径3cm〜50cmの円形であってもよい。
基材20は、保持部材3により保持される。そのため、基材20は無端ではなく、外周が画定されていることが好ましい。一方、基材20の大きさおよび形状は限定されない。基材は、例えば、一辺が3cm〜50cmの矩形であってもよいし、直径3cm〜50cmの円形であってもよい。
基材20の形態としては、例えば、繊維構造体(織物、編物および不織布等)、フィルム、シート状の多孔質体(スポンジ等)等が例示できる。
繊維構造体である基材(繊維基材)の材質としては、例えば、ガラス繊維、セルロース、アクリル樹脂、PP、PE、ポリエステル、PA、不溶化ポリビニルアルコール、ポリ乳酸、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。
繊維基材の厚みは、例えば、10μm以上、500μm以下であってよく、150μm以上、400μm以下であってもよい。
フィルムである基材(フィルム基材)またはシート状の多孔質体の材質としては、例えば、生体適合性を有するポリマーが挙げられる。生体適合性を有するフィルム基材は、皮膚に接触して使用する用途に適している。フィルム基材は、生体適合性に加えて、ガス透過性、生分解性を有していてもよい。生体適合性を有するフィルム基材上に、タンパク質(コラーゲン、コラーゲンペプチド、ゼラチン、ケラチンおよびシルクプロテイン等)を含む繊維を堆積させて得られるシートは、医療用、美容用の皮膚貼付用シートとして適している。この場合、皮膚の患部または損傷部、あるいは、目元や口元に対応するフィルム基材の部分に、繊維を選択的に堆積させてもよい。
生体適合性を有するポリマーとしては、例えば、タンパク質、多糖類(プルラン、セルロース、セロファン、デンプン、キチン、キトサン、アルギン酸、コーンスターチまたはこれらの塩等)、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、PE、ポリエチレンサクシネート、PET、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグルタミン酸またはこれらの塩、ポリビニルアルコール(PVA)、PU、ポリ酸無水物、あるいはこれらの混合物等が挙げられる。また、これらポリマーを構成するモノマーを複数種用いた共重合体であってもよい。
フィルム基材またはシート状の多孔質体の厚みは、ハンドリング性の観点から、50nm以上であってよく、100nm以上であってもよい。一方、皮膚への密着性を考慮すると、フィルム基材またはシート状の多孔質体の厚みは、500μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。特に、ガス透過性を考慮すると、フィルム基材の厚みは、10μm以下であることが好ましく、1000nm以下であることがより好ましい。
厚み10μm以下のフィルム基材は、通常、自己支持性を有さない。さらに、上記のような生体適合性を有するポリマーからなるフィルム基材は絶縁性であり、準備工程の段階で帯電していることがある。そのため、フィルム基材をこのまま配置工程に供すると、フィルム基材は、シワの入った状態で周辺の部材(例えば、コレクタ電極)に張り付き易い。基材の周囲を支持する保持部材を使用する本実施形態は、このような薄い絶縁性のフィルムを基材として用いる場合に好適である。
また、絶縁性のフィルム基材は、繊維が堆積することによっても帯電するため、電界紡糸工程中に周辺の部材への張り付きが生じる場合もある。さらに、堆積する繊維の影響により、フィルム基材は収縮あるいは変形する場合がある。本実施形態によれば、電界紡糸工程中のこのような基材の不具合を抑制することもできる。
以下、本実施形態に係る製造方法を工程ごとに、適宜図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係る製造方法は、繊維の原料を含む原料液と、第1の面および第1の面とは反対側の第2の面を備える基材と、を準備する準備工程と、原料液を吐出する吐出部と、吐出部に対向して配置されるコレクタ電極との間に、基材を第1の面を吐出部に向けて配置する配置工程と、吐出部とコレクタ電極との間に電圧を印加しながら吐出部から原料液を吐出して、基材の第1の面に繊維を堆積させる電界紡糸工程と、を備える。配置工程において、基材は保持部材により支持された状態で配置される。保持部材は、第1の面の非堆積領域、および、第2の面の当該非堆積領域に対応する領域の少なくとも一部を保持する。
本実施形態に係る製造方法は、繊維の原料を含む原料液と、第1の面および第1の面とは反対側の第2の面を備える基材と、を準備する準備工程と、原料液を吐出する吐出部と、吐出部に対向して配置されるコレクタ電極との間に、基材を第1の面を吐出部に向けて配置する配置工程と、吐出部とコレクタ電極との間に電圧を印加しながら吐出部から原料液を吐出して、基材の第1の面に繊維を堆積させる電界紡糸工程と、を備える。配置工程において、基材は保持部材により支持された状態で配置される。保持部材は、第1の面の非堆積領域、および、第2の面の当該非堆積領域に対応する領域の少なくとも一部を保持する。
(準備工程)
繊維の原料を含む原料液および上記基材を準備する。
原料液は、繊維の原料と、これを溶解させる溶媒と、を含む。
繊維の原料を含む原料液および上記基材を準備する。
原料液は、繊維の原料と、これを溶解させる溶媒と、を含む。
繊維の原料は特に限定されず、用途に応じて適宜選択すればよい。繊維の原料としては、例えば、タンパク質、多糖類、PA、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアセタール(POM)、PC、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアリレート(PAR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、PVA、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、PP、PET、PU、PS等のポリマーが挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらポリマーを構成するモノマーを複数種用いた共重合体であってもよい。
溶媒も特に限定されず、繊維の原料に応じ適宜選択すればよい。溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール、ヘキサフルオロイソプロパノール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジベンジルアルコール等のアルコール、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、メチル−n−プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、アセトン、ヘキサフルオロアセトン、フェノール、ギ酸、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、塩化メチル、塩化エチル、塩化メチレン、クロロホルム、o−クロロトルエン、p−クロロトルエン、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、ジクロロプロパン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、酢酸、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、o−キシレン、p−キシレン、m−キシレン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
原料液における溶媒と原料との混合比率は、選定される溶媒の種類と原料の種類により異なる。原料液における溶媒の割合は、例えば、60質量%から98質量%であってもよい。
原料液の粘度は、電界における原料液の吐出に適するように適宜設定すればよい。なかでも、25℃の条件下、せん断速度1(1/s)で回転粘度計によって測定される原料液の粘度は、例えば、0.1〜30Pa・sであり、0.5〜30Pa・sであってもよい。原料液の粘度がこの範囲であると、安定した吐出が可能になる。
図3に示すように、基材20の周囲には保持部材(第1保持部材3)が接着される。基材20は、弛みなく、好ましくはテンションをかけられた状態で、第1保持部材3に保持される。第1保持部材3と基材20とは、例えば粘着剤を介して接着される。両面に粘着剤層を備えるテープを用いてもよい。粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が用いられる。
(配置工程)
周囲を第1保持部材3により保持された基材20は、図4に示すように、原料液を吐出する吐出部1と、吐出部1に対向して配置されるコレクタ電極2との間に、第1の面20Xを吐出部1に向けて配置される。図示例では、基材20の第2の面20Yに第1保持部材3が接着されている。
周囲を第1保持部材3により保持された基材20は、図4に示すように、原料液を吐出する吐出部1と、吐出部1に対向して配置されるコレクタ電極2との間に、第1の面20Xを吐出部1に向けて配置される。図示例では、基材20の第2の面20Yに第1保持部材3が接着されている。
吐出部1は、導体で構成されており、その内部は中空になっている。中空部には原料液が収容される。吐出部1の基材20と対向する側には、原料液の吐出口(図示せず)が1以上設けられている。吐出部1の吐出口と基材20との距離は、電界紡糸装置の規模、生成させる繊維の繊維径にもよるが、例えば、100〜600mmであればよい。原料液は、吐出部1の中空部と連通するポンプ(図示せず)の圧力により、中空部に供給された後、吐出口から基材20に向かって吐出される。ただし、吐出部1の構成は上記に限定されない。
吐出部1の形状は特に限定されない。吐出部1の長手方向に垂直な断面の形状は、例えば、上方から下方に向かって次第に小さくなる形状(V型ノズル)であってもよい。吐出部1は、1以上のニードル形状のノズルを備えていてもよい。吐出部1は複数あってもよい。この場合、必要に応じて、吐出させる吐出部を切り替える。
コレクタ電極2の形状も特に限定されない。コレクタ電極2は、図4に示すように、基材20の堆積予定領域20a全体に対向するような平板電極であってもよいし、堆積予定領域20aの一部に対向する平板電極あるいは柱状の電極であってもよい。コレクタ電極2が、堆積予定領域20aの一部にのみ対向する形状である場合、コレクタ電極2および基材20の少なくとも一方は、第1の面20Xの面方向に移動可能であることが好ましい。
(電界紡糸工程)
吐出部1とコレクタ電極2との間に電圧を印加しながら吐出部1から原料液を吐出して、基材20の第1の面20Xに繊維を堆積させる。コレクタ電極2は接地(グランド)されていてもよいし、吐出部1とは反対の電圧が印加されてもよい。
吐出部1とコレクタ電極2との間に電圧を印加しながら吐出部1から原料液を吐出して、基材20の第1の面20Xに繊維を堆積させる。コレクタ電極2は接地(グランド)されていてもよいし、吐出部1とは反対の電圧が印加されてもよい。
吐出部1とコレクタ電極2との間に電圧を印加することにより、原料液および基材20はそれぞれ異なる極性に帯電する。基材20に向かって吐出部1から原料液を吐出すると、原料液は、吐出部1と基材20との間の空間(生成空間)で静電爆発して、原料液から繊維の原料が分離する。分離した原料は静電延伸されて、第1の面20X上に繊維として堆積する。
基材20は第1保持部材3で保持されるため、電界紡糸中の基材20とコレクタ電極2との距離(距離A)を制御することが容易である。例えば、電界紡糸工程において、距離Aを必要に応じて変えることができる。距離Aは、繊維の堆積量および堆積領域に影響するため、距離Aを変えることにより、所望の位置に所望の量の繊維を堆積させることができる。距離Aは、厳密には第2の面20Yとコレクタ電極2との最短距離であり、例えば、0mm〜3mmである。
堆積する複数の繊維(以下、繊維集合体と称する場合がある。)の平均繊維径は特に限定されず、用途に応じて適宜設定すればよい。平均繊維径は、例えば、50nm以上、3μm以下であってもよい。なかでも、皮膚貼付用シートとして用いられる場合、平均繊維径は、600nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、100nm以下であることが特に好ましい。皮膚貼付用シートの皮膚への密着性が高まるためである。繊維の堆積量、平均繊維径は、原料液の吐出圧力、印加電圧、原料液における原料の組成、濃度、生成空間の環境(組成、温度、湿度、圧力等)を調整することにより、制御される。
平均繊維径とは、繊維の直径の平均値である。繊維の直径とは、繊維の長さ方向に対して垂直な断面の直径である。そのような断面が円形でない場合には、最大径を直径と見なしてよい。また、基材20の第1の面20Xの法線方向から見たときの、繊維の長さ方向に対して垂直な方向の幅を、繊維の直径と見なしてもよい。平均繊維径は、例えば、繊維集合体に含まれる任意の10本の繊維の任意の箇所の直径の平均値である。
電界紡糸工程において、第2の面20Yとコレクタ電極2との間に保護材が配置されてもよい。特に、フィルム基材は、力学的強度が弱く損傷し易いため、保護材で覆われることが好ましい。ただし、電界紡糸の精度および安定性から保護材は薄いことが望ましく、その厚みは、例えば0.01mm以上、0.2mm以下である。保護材の形態は特に限定されず、基材の形態として例示したようなフィルム、繊維構造物等が挙げられる。その材質も特に限定されず、基材の材質として例示したのと同じ材料を例示することができる。
保護材30は、図5Aに示すように、第2の面20Yと第1保持部材3との間に介在していてもよい。この場合、基材20の第2の面20Yに保護材30を配置した後、第1保持部材3で支持し、その後、配置工程を行う。
保護材30は、図5Bに示すように、第1保持部材3で保持された基材20の第2の面20Yを部分的に覆ってもよい。この場合、基材20を第1保持部材3で保持した後、第2の面20Y側に保護材30を配置し、その後、配置工程を行う。保護材30と第2の面20Yとは、接触していることが好ましい。保護材30は、基材20同様に、例えば枠状の保持部材(第2保持部材4)によりその周囲が保持されていてもよい。第2保持部材4は、保持部材3として例示したのと同様の形状、材質であってよい。
保護材30が配置される場合、第1保持部材3は、図6に示すように、基材20の第1の面20Xに接着されてもよい。これにより、基材20と保護材30との剥離が抑制され易くなる。
必要に応じて、吐出部1および/または原料液の種類を変えながら、電界紡糸工程を複数回繰り返してもよい。電界紡糸工程の後、風乾、減圧、繊維集合体にダメージを与えない条件での加熱、あるいは溶媒抽出法等により、繊維に含まれる溶媒の除去を行ってもよい。この場合も、基材20は第1保持部材3で保持されているため、収縮および変形が防止される。
基材20への繊維の堆積が進行すると、基材20は繊維(原料液)と同じ電荷を帯びてくる。そのため、電界紡糸工程は、基材を除電しながら行われてもよい。除電方法は特に限定されず、除電ブラシを用いてもよいし、コロナ放電等によって発生したイオン風を基材20に照射してもよいし、電離放射線(紫外線等)を基材20に照射してもよい。なかでも、基材および繊維集合体の損傷が抑制され易い点で、除電は、イオン風を照射することにより行われることが好ましい。
(印刷工程)
準備工程の後、基材20の第2の面20Yに印刷を施してもよい。印刷工程は、電界紡糸工程の前に行われてもよいし、後に行われてもよい。印刷工程を電界紡糸工程の前に行うと、基材20に堆積した繊維集合体および電界紡糸によって帯電した基材20の影響を受けずに印刷できるため、印刷の精度が向上し易い。一方、印刷工程を電界紡糸工程の後に行うと、基材20に付着するインクの影響がないため、安定した電界紡糸が行われ易い。
準備工程の後、基材20の第2の面20Yに印刷を施してもよい。印刷工程は、電界紡糸工程の前に行われてもよいし、後に行われてもよい。印刷工程を電界紡糸工程の前に行うと、基材20に堆積した繊維集合体および電界紡糸によって帯電した基材20の影響を受けずに印刷できるため、印刷の精度が向上し易い。一方、印刷工程を電界紡糸工程の後に行うと、基材20に付着するインクの影響がないため、安定した電界紡糸が行われ易い。
皮膚貼付用シートとして用いる場合、第2の面20Yには、例えば、貼付される皮膚の色味に対応する印刷が施されてもよい。印刷方法は特に限定されず、例えば、インクジェット印刷、スプレー印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、静電気を利用した静電印刷等が挙げられる。
印刷に用いられるインクの成分も特に限定されず、無機顔料、有機顔料、染料等を用いることができる。なかでも、無機顔料が好ましい。無機顔料としては、例えば、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄等の無機赤色顔料;γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料;黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料;黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料;酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の白色顔料;マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料;水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料;紺青(フェロシアン化第二鉄)、群青等の無機青色系顔料;レーキ化された各種タール系色素;レーキ化された各種天然色素;酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等のパール顔料;これら顔料の粉体と合成樹脂とを複合化した合成樹脂粉体等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。インクには、香料、紫外線反射材等が添加されてもよい。
印刷工程に替えて、基材20の第2の面20Yに他の加工を施してもよい。他の加工は、例えば、電界紡糸であってもよい。つまり、基材20の両面に電界紡糸を行ってもよい。この場合、1回目および2回目の電界紡糸工程は、いずれも第1保持部材3で保持された基材20に対して行うことが好ましい。他の加工としては、電界紡糸の他、例えばコーティング、蒸着、着香、エンボス加工、他の部材の貼り付け、切断、打ち抜き等が挙げられる。
以下、厚み10μm以下の矩形のフィルム基材を用い、電界紡糸工程の前に印刷工程を行う場合を例に挙げて、本実施形態に係る製造方法の一実施形態を、適宜図面を参照しながら説明する。本実施形態では、電界紡糸工程中、第2の面が保護材(第1保護材)で被覆されている。図7Bでは、便宜的に、印刷工程により付与されたインク層にハッチングを付している。
(1)準備工程
繊維の原料を含む原料液およびフィルム基材を準備する。
フィルム基材は、例えば、以下のようにして作製される。まず、水または有機溶媒(以下、溶媒と総称する)に対して溶解する可溶層を備える剥離シートを準備する。剥離シートの可溶層側に、フィルムの原料を含む溶液をキャストし、乾燥させて、フィルム層と剥離シートとの積層体を作製する。積層体を溶媒に浸漬して可溶層を溶解させて、積層体からフィルムを分離し、第2保護材上に乗せて、溶媒から引き上げる。最後に、第2保護材とともにフィルムを乾燥させることにより、第2保護材とフィルム基材とが積層された積層シートが得られる。第2保護材は、基材20として例示したのと同様の形態、材質であってよい。
繊維の原料を含む原料液およびフィルム基材を準備する。
フィルム基材は、例えば、以下のようにして作製される。まず、水または有機溶媒(以下、溶媒と総称する)に対して溶解する可溶層を備える剥離シートを準備する。剥離シートの可溶層側に、フィルムの原料を含む溶液をキャストし、乾燥させて、フィルム層と剥離シートとの積層体を作製する。積層体を溶媒に浸漬して可溶層を溶解させて、積層体からフィルムを分離し、第2保護材上に乗せて、溶媒から引き上げる。最後に、第2保護材とともにフィルムを乾燥させることにより、第2保護材とフィルム基材とが積層された積層シートが得られる。第2保護材は、基材20として例示したのと同様の形態、材質であってよい。
ハンドリング性の観点から、図7Aに示すように、印刷工程の前に、フィルム基材20Aの第2保護材40とは反対側の面(第2の面20Y)の周囲を、第1保持部材3で保持する。第1保持部材3は、電界紡糸工程でも引き続き基材を保持する。第1保持部材3の配置は、印刷工程の後に行ってもよい。
(2)印刷工程
フィルム基材20Aの第2の面20Yに印刷を施す(図7B参照)。印刷は、例えば、インクジェット装置5を用いて行われる。これにより、第2の面20Yの全部または一部には、インク層60が形成される。フィルム基材20Aを保護するため、印刷は第1の面20Xを第2保護材40で被覆したままで行う。
フィルム基材20Aの第2の面20Yに印刷を施す(図7B参照)。印刷は、例えば、インクジェット装置5を用いて行われる。これにより、第2の面20Yの全部または一部には、インク層60が形成される。フィルム基材20Aを保護するため、印刷は第1の面20Xを第2保護材40で被覆したままで行う。
(3)配置工程
まず、第1の面20Xから第2保護材40を剥離する(図7C参照)。フィルム基材20Aの作製に用いられた第2保護材40とフィルム基材20Aとは、分子間力および/または静電気力により密着している場合がある。しかし、フィルム基材20Aの周囲を第1保持部材3により保持しているため、フィルム基材20Aの損傷を抑制しながら、第2保護材40を容易に剥離することができる。この点から、第1保持部材3の配置は、第2保護材40を剥離する前に行うことが好ましい。
まず、第1の面20Xから第2保護材40を剥離する(図7C参照)。フィルム基材20Aの作製に用いられた第2保護材40とフィルム基材20Aとは、分子間力および/または静電気力により密着している場合がある。しかし、フィルム基材20Aの周囲を第1保持部材3により保持しているため、フィルム基材20Aの損傷を抑制しながら、第2保護材40を容易に剥離することができる。この点から、第1保持部材3の配置は、第2保護材40を剥離する前に行うことが好ましい。
第2保護材40を剥離する方法は特に限定されず、例えば、第2保護材40の端部を掴み、端部から徐々に物理的に剥離してもよい。なかでも、第2保護材40に水分を付与して、第2保護材40とフィルム基材20Aとの間の分子間力および/または静電気力を低減させた後、第2保護材40の端部から剥離することが好ましい。この場合、フィルム基材20Aの損傷は、さらに抑制され易い。
第2保護材40を剥離する一方、フィルム基材20Aの第2の面20Yを第1保護材30で覆う。第2の面20Yの一部はすでに第1保持部材3で保持されているため、例えば、図5Bに示す方法により、第2の面20Yの残部の少なくとも一部を第1保護材30で覆う。すなわち、第2保持部材4で保持された第1保護材30により、第2の面20Yを部分的に覆う。
第2保護材40が剥離され、第2の面20Yが第1保護材30で覆われたフィルム基材20Aを、吐出部1とコレクタ電極2との間に、第1の面20Xを吐出部1に向けて配置する(図7D参照)。
(4)電界紡糸工程
吐出部1とコレクタ電極2との間に電圧を印加しながら吐出部1から原料液を吐出して、第1の面20Xに繊維を堆積させる。これにより、フィルム基材20Aと繊維集合体とを備える複合材が得られる。
吐出部1とコレクタ電極2との間に電圧を印加しながら吐出部1から原料液を吐出して、第1の面20Xに繊維を堆積させる。これにより、フィルム基材20Aと繊維集合体とを備える複合材が得られる。
繊維を堆積させる領域は特に限定されず、用途に応じて適宜設定すればよい。例えば、複合材を皮膚貼付用シートとして使用する場合、インク層60を第2の面20Yの目元や口元に対応する部分に形成し、繊維を第1の面20Xのインク層60に対応する領域に堆積させてもよい。
電界紡糸の際に印加される電圧および/または静電気力によって、第1保護材30は、第2の面20Y(いずれも図7Dでは不図示)に吸着される。よって、電界紡糸工程が終了した後も、第1保護材30はフィルム基材20Aから容易には剥離せず、後の加工や出荷作業においても、フィルム基材20Aの保護材として利用することができる。
本実施形態によれば、保持部材を用いることにより、自己支持性を有さないフィルム基材であっても搬送が容易となる。そのため、例えば印刷工程および電界紡糸工程等の複数の工程を連続的に実行することができる。よって、高品質の複合材を、生産性良く製造することができる。
図7Eに示すように、得られた複合材100を、第1保護材30を保持する第2保持部材4の内側で切断して、複合材100から第1保持部材3および第2保持部材4を切り離してもよい。切断の際、フィルム基材20Aに堆積する繊維集合体70を保護するため、第1の面20Xを第3保護材50で覆ってもよい。第3保護材50は、基材20として例示したのと同様の形態、材質であってよい。
ハンドリング性の観点から、電界紡糸工程の後、第1保持部材3および第2保持部材4を配置したままの複合材100を、搬送、配送等してもよい。これにより、他の加工を行う際の位置合わせも容易となる。また、第1保持部材3および/または第2保持部材4に、品番や製造工程に関する情報をパターン化したコードを記載したり、当該情報が記載されたICチップ等を取り付けてもよい。これにより、基材20の工程間の受け渡しがスムーズになるとともに、製造条件のミス等が防止される。
本発明の製造方法によれば、様々な基材を、電界紡糸法のターゲットとして制限なく使用することができるため、得られる複合材は種々の用途に使用できる。
1:吐出部
2:コレクタ電極
3:保持部材(第1保持部材)
3a:ハンドル
3b:非対向部
3c:対向部
3d:立上り部
4:第2保持部材
5:インクジェット装置
100:複合材
20:基材
20X:第1の面
20a:堆積予定領域
20b:非堆積領域
20Y:第2の面
20A:フィルム基材
30:保護材(第1保護材)
40:第2保護材
50:第3保護材
60:インク層
70:繊維集合体
2:コレクタ電極
3:保持部材(第1保持部材)
3a:ハンドル
3b:非対向部
3c:対向部
3d:立上り部
4:第2保持部材
5:インクジェット装置
100:複合材
20:基材
20X:第1の面
20a:堆積予定領域
20b:非堆積領域
20Y:第2の面
20A:フィルム基材
30:保護材(第1保護材)
40:第2保護材
50:第3保護材
60:インク層
70:繊維集合体
Claims (7)
- 繊維の原料を含む原料液と、第1の面および前記第1の面とは反対側の第2の面を備える基材と、を準備する準備工程と、
前記原料液を吐出する吐出部と、前記吐出部に対向して配置されるコレクタ電極との間に、前記基材を前記第1の面を前記吐出部に向けて配置する配置工程と、
前記吐出部と前記コレクタ電極との間に電圧を印加しながら前記吐出部から前記原料液を吐出して、前記基材の前記第1の面に前記繊維を堆積させる電界紡糸工程と、を備え、
前記配置工程において、前記基材は保持部材により支持された状態で配置され、
前記基材の前記第1の面は、前記繊維を堆積させる堆積予定領域と、前記堆積予定領域を取り囲む非堆積領域と、を有し、
前記保持部材は、前記非堆積領域、および、前記第2の面の前記非堆積領域に対応する領域の少なくとも一部を保持する、複合材の製造方法。 - 前記保持部材は、主成分として無極性樹脂を含む、請求項1に記載の複合材の製造方法。
- 前記保持部材は、主成分として極性樹脂を含む、請求項1に記載の複合材の製造方法。
- 前記保持部材は、前記吐出部に対向する面の少なくとも一部に導体を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合材の製造方法。
- 前記基材は絶縁性のフィルムであり、
前記フィルムの厚みは10μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合材の製造方法。 - 前記電界紡糸工程において、前記第2の面と前記コレクタ電極との間に保護材が配置されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合材の製造方法。
- 前記準備工程の後、前記第2の面に印刷を施す印刷工程を備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の複合材の製造方法。
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