JP7339850B2 - 繊維捕集用部材、及びそれを用いる繊維堆積物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電界紡糸法によって紡糸された繊維を捕集するために用いられる繊維捕集用部材に関する。また本発明は、この繊維捕集用部材を用いる繊維堆積物の製造方法に関する。
電界紡糸法によって形成された繊維からなる被膜を製造する技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、金属等の導電性物質を含む捕集基材を用いて、静電紡糸法により繊維構造体を製造する方法が開示されている。また特許文献2には、繊維を堆積する堆積領域と堆積しない非堆積領域が混在する捕集シートを用いて、ナノファイバ膜を製造する方法が開示されている。
特開2007-92210号公報 特開2011-84843号公報
電界紡糸法によって形成される繊維堆積物はさまざまな分野で用いられており、繊維堆積物の形状を自在に且つ容易に制御することが望まれている。特許文献1に記載の方法によれば、繊維堆積物の生産効率を高めることは可能である。しかし同文献に記載の方法は、繊維堆積物の形状を自在に制御することを想定しておらず、同方法では形状を制御することはできない。
特許文献2に記載の方法は、非堆積領域に載置した導電体に対して、電圧を印加することによって、堆積領域に繊維堆積物を形成している。したがって同文献に記載の方法においては、繊維堆積物の製造装置が複雑になってしまう。
したがって本発明の課題は、電界紡糸法によって形成される繊維堆積物の形状を自在に且つ容易に制御することにある。
本発明は、電界紡糸法によって紡糸された繊維を捕集するための捕集面及び該捕集面と反対側に位置する裏面を有し且つ携帯可能になっている繊維捕集用部材であって、
前記捕集面は、捕集された前記繊維の堆積物が形成される捕集部と、該捕集部よりも導電性が低く且つ該堆積物が形成されない非捕集部とを有しており、
前記捕集部を構成する部材は、その少なくとも一部が、前記捕集面から前記裏面にまで亘り延在している、繊維捕集用部材を提供するものである。
また本発明は、電界紡糸法によって紡糸された繊維を、携帯可能な繊維捕集用部材によって捕集して、該繊維の堆積物を製造する方法であって、
前記繊維捕集用部材として、前記繊維を捕集するための捕集面及び該捕集面と反対側に位置する裏面を有するものを用い、
前記捕集面は、捕集された前記繊維の堆積物が形成される捕集部と、該捕集部よりも導電性が低く且つ該堆積物が形成されない非捕集部とを有しており、
前記捕集部を構成する部材は、その少なくとも一部が、前記捕集面から前記裏面にまで亘り延在している、繊維堆積物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、電界紡糸法によって形成される繊維堆積物の形状を自在に且つ容易に制御できる。
図1は、本発明の繊維捕集用部材の一実施形態を示す斜視図である。 図2は、図1に示すII-II線断面を模式的に示す図である。 図3は、図1に示す繊維捕集用部材を用いて電界紡糸法によって紡糸された繊維を捕集している実施形態を示す模式図である。 図4は、図1に示す繊維捕集用部材を用いて電界紡糸法によって紡糸された繊維を捕集している別の実施形態を示す模式図である。 図5は、本発明の繊維捕集用部材の別実施形態における断面を模式的に示す図である。 図6は、図5に示す繊維捕集用部材を用いて電界紡糸法によって紡糸された繊維を捕集している実施形態を示す模式図である。
以下、本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の一実施形態である繊維捕集用部材1が模式的に示されている。繊維捕集用部材1は、電界紡糸法によって紡糸された繊維を捕集するために用いられるものである。電界紡糸法は、繊維の原料となる樹脂を含む原料液に正又は負の高電圧を印加して原料液を帯電させ、帯電した原料液を対象物に向けて噴霧する方法である。噴霧された原料液はクーロン反発力によって微細化を繰り返しながら空間に広がり、対象物の表面に繊維径の細い繊維が堆積した繊維堆積物を形成するようになる。
前記原料液は、繊維の原料となる樹脂を含む溶液又は溶融液であり、電界紡糸法が行われる環境下において液体のものである。この溶液としては、繊維形成可能な高分子化合物を溶媒に溶解又は分散させたものを用いることができる。溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、グリコール等が挙げられる。これらの溶媒は単独で又は複数混合して用いることができる。一方溶融液としては、繊維形成可能な高分子化合物を加熱溶融させたものを用いることができる。前記原料液には前記高分子化合物以外に、無機物粒子、有機物粒子、植物エキス、界面活性剤、油剤、イオン濃度を調整するための電解質等を適宜配合することができる。
製造された繊維堆積物は、例えば目元、口元、鼻及び腕等の皮膚に貼付され、繊維堆積物によって、例えば肌のシミや皺を効果的に隠蔽することができる。
繊維捕集用部材は、ヒトが携帯可能な寸法である。図1に示すとおり、繊維捕集用部材1は、繊維を捕集するための捕集面1aと、その反対側に位置する裏面1bとを有する。捕集面1aを形成する部分は、板状である。
捕集面1aは、紡糸された繊維が捕集できる限り、平面視での形状に特に制限はない。形状としては、例えば、三角形、四角形、円形、楕円形等が挙げられる。図1には、長方形である捕集面1aが示されている。長方形の捕集面1aは、最も長い位置での寸法が30mm以上500mm以下であることが好ましく、最も短い位置での寸法が、30mm以上500mm以下であることが好ましい。捕集面1aと裏面1bとの間隔である厚みは、紡糸された繊維を捕集するときに捕集がし易くなる観点から、1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることが好ましく、そして100mm以下であることが好ましい。
捕集面1aは、極端な凹凸等のうねりなどがない実質的に平坦または、曲率半径R20以上の曲面からなる。捕集面1aは、繊維堆積物が形成される捕集部2と、繊維堆積物が形成されない非捕集部3とを有している。捕集面1aの平面視において、捕集部2及び非捕集部3は、捕集部2が非捕集部3によって囲繞されるように捕集面1a上に配置されている。これに代えて、非捕集部3が捕集部2によって囲繞されるように捕集部2及び非捕集部3が配置されていてもよい。
捕集部の形状、数、及び配置位置は、目的とする繊維堆積物の形状、数、及び配置位置に応じて変更でき、特に制限はない。捕集部を平面視したときの形状としては、例えば三角形、四角形、六角形等の多角形状や、矢印形、星形等が挙げられる。さらに半円形、扇形等のような曲線部分及び直線部分を輪郭に含む形状や、三日月形等のような曲線部分を輪郭に含む形状等が挙げられる。
得られる繊維堆積物における形状の安定性の観点から、捕集部の数としては、1個以上10個以下であることが好ましく、1個以上4個以下であることが更に好ましい。図1に示す実施形態では、三日月形の1個の捕集部2が、捕集面1aの中央に配されている。図1に示すように、捕集部2が非捕集部3によって囲繞されるように配置されている場合には、捕集部2と非捕集部3との境界から捕集面1aの外縁までの最短距離が、5mm以上であることが好ましく、7mm以上であることが更に好ましい。このような最短距離を有していると、繊維が捕集部2に堆積し難く繊維堆積物が得られ難くなることが防止できる。
得られる繊維堆積物における形状の安定性の観点から、捕集面1aの面積に占める捕集部2の面積の割合は、7%以上97%以下であることが好ましく、8%以上96%以下であることが更に好ましい。同様の観点から、捕集面1aの面積は、700mm以上250000mm以下であることが好ましく、900mm以上197000mm以下であることが更に好ましい。捕集部2の面積は、捕集部2が複数存在する場合には、それらの合計面積である。同様の観点から、捕集部2の面積は、50mm以上240100mm以下であることが好ましく、70mm以上189000mm以下であることが更に好ましい。
得られる繊維堆積物における形状の安定性の観点から、捕集面1aの面積に占める非捕集部3の面積の割合は、3%以上93%以下であることが好ましく、4%以上92%以下であることが更に好ましい。同様の観点から、非捕集部3の面積は、390mm以上249930mm以下であることが好ましく、400mm以上197000mm以下であることが更に好ましい。非捕集部3の面積は、非捕集部3が複数存在する場合には、それらの合計面積である。
図2に示すように、捕集部2を構成する部材は、その一部が、捕集面1aから裏面1bに亘り延在している。同図に示す捕集部2は、繊維の堆積物が形成される本体部21と、裏面1bから突出する把持部22とを備えている。捕集部2は、非捕集部3よりも導電性が高い材料で形成されており、本体部21及び把持部22が何れも例えば金属製の材料で形成されていることが好ましい。本体部21は板状をしており、捕集面1aが平坦になっている。把持部22は、ヒトが片手で把持可能な寸法を有している。把持部22の形状は、片手で把持し易い形状であれば特に制限はない。把持部22の形状としては、例えば、棒状、球状、リング状等が挙げられる。図2には、本体部21の裏面側から外方に延びる棒状の把持部22が示されている。
繊維捕集用部材1の携帯性が向上する観点から、本体部21は把持部22から取り外し可能となっていることが好ましい。例えば、本体部21における把持部22との接続部分に凹部を設け、該凹部内に雌ねじを形成し、把持部22の先端部分に雄ねじを形成する。このように構成すれば、ねじ嵌めすることにより本体部21と把持部22とを一体化でき、ねじを緩めることにより把持部22から本体部21を取り外すことができる。
また、本体部21は把持部22から分離・取り外し、交換可能となっていることが好ましい。例えば、本体部21を磁性素材にすることで、同じく磁性素材とした把持部22から簡単に分離・取り外し可能にする。このように構成すれば、形状やサイズの異なる本体部21に交換することが可能であり、1つの把持部22で、様々な形状の本体部21に対応することができる。
図1に示すように、非捕集部3は、平面視して、その輪郭が捕集面1aの輪郭と一致している。非捕集部3を構成する部材は、捕集部2の本体部21と同様に、極端な凹凸等のうねりなどがない実質的に平坦または、曲率半径R20以上のなだらなか曲面からなる形状をしている。非捕集部3は、捕集部2よりも導電性が低い材料で形成されており、プラスチック、ガラス又は木材等からなる絶縁体で形成されていることが好ましい。非捕集部3を構成する部材は、図2に示すように、本体部21に対応する位置に裏面1bに向かって凹状に窪んだ凹陥部31を有している。凹陥部31は、平面視して、その輪郭が本体部21の輪郭と一致している。凹陥部31には、把持部22に対応する位置に貫通口32が形成されている。
繊維捕集用部材1は、図1に示すように、非捕集部3の凹陥部31内に本体部21を配置し、貫通口32を通して本体部21に把持部22を取り付けて形成されている。その結果、図2に示すとおり、把持部22のみが裏面1bから突出する。
図3には繊維捕集用部材1を用いて、電界紡糸法で紡糸された繊維を捕集して繊維堆積物10を製造している状態が示されている。同図においては、電界紡糸法を、ヒトが手で把持可能な寸法を有する電界紡糸装置5を用いて行っている。装置5を動作させるときには、繊維堆積物10の製造者が、該装置5を一方の手で持ち、且つ繊維捕集用部材1の把持部22を他方の手で把持して、該装置5のノズル(図示せず)を、繊維捕集用部材1の捕集面1aに向ける。このように捕集部2を構成する把持部22に製造者の皮膚が接した状態で、装置5の電源を入れて電界紡糸を行う。電界紡糸装置5の電源を入れることで、ノズルと繊維捕集用部材1との間に製造者の人体を介した導電パスが形成され、ノズルと繊維捕集用部材1との間に電界が生じる。例えばノズルに正の高電圧を印加し、繊維捕集用部材1をグラウンドとすることができる。ノズルと繊維捕集用部材1との間に電界が生じると、ノズル先端部の電界紡糸用組成物の原料液は、静電誘導によって分極してその先端部分がコーン状になり、コーン先端から帯電した原料液の液滴が電界に沿って、繊維捕集用部材1に向かって空中に吐出される。吐出された原料液は、電気的引力と、溶融液自身が有する電荷による自己反発力とによる延伸を繰り返して極細繊維化され、捕集面1aに到達する。捕集面1aにおいては、捕集部2の導電性が非捕集部3の導電性よりも高いので、帯電した組成物は、電流の流れ易い捕集部2上に堆積し易い。これによって、繊維堆積物10が捕集面1aにおける捕集部2上に形成される。繊維捕集用部材1によれば、捕集部2の形状、数、捕集部2の配置位置を変更することによって、目的とする繊維堆積物10の形状を自在に且つ容易に制御することができる。それに加えて電界紡糸装置によって印加する電圧を細かく調整する必要がないので、安全に繊維堆積物10を製造することができる。
電界紡糸装置5としては、各種公知のものを用いることができ、例えば、特開2017-078062号公報に記載の静電スプレー装置、特開2018-100301号公報に記載の静電スプレー装置、特開2019-38856号公報に記載の静電スプレー装置等を用いることもできる。
捕集部2上に繊維堆積物10が形成され易くなる観点から、図2に示すように、繊維捕集用部材1を厚み方向Zに断面視して、捕集面1aにおける本体部21の位置と捕集面1aにおける非捕集部3の位置とが一致していることが好ましい。捕集面1aにおける本体部21の位置と非捕集部3の位置とが一致しないときには、その段差は段差5mm以下であることが好ましく、4mm以下であることがさらに好ましい。
図3においては、繊維捕集用部材1上に繊維堆積物10を直接形成しているが、それに代えて、図4に示すようにして繊維堆積物10を形成してもよい。同図においては、繊維捕集用部材1の捕集面1a上に、繊維捕集用部材1とは別体の捕集基材8を配した状態で、捕集面1aに向けて紡糸を行っている。このように紡糸を行うことによって、捕集基材8における捕集部2に対応する位置上に繊維堆積物10が形成される。このように捕集基材8上に繊維堆積物10が形成されると、繊維捕集用部材1が汚れ難く、しかも繊維捕集用部材1から繊維堆積物10を剥離し易い。捕集基材8は捕集面1aを覆う大きさであることが好ましい。
捕集基材8は、捕集部2に対応する位置上に繊維堆積物10が形成され易くなる観点から、捕集部2よりも表面電気抵抗率の高いもの、つまり捕集部2よりも導電性の低いものであることが好ましい。表面電気抵抗率は、室温23℃、相対湿度50%の温湿度環境下において、ADVANTEST社製の電気抵抗計R8340AとR12704を用いて測定する。それに加えて捕集基材8は、ある程度の通気性を有していることが好ましい。通気性を有すると、捕集面1aと捕集基材8との間に空気が存在し、捕集基材8から繊維堆積物10を剥離させ易くなる。捕集基材8の通気性は、JIS P8117(2009年改正版)によって測定される値であり、0.05秒以上であることが好ましく、0.01秒以上であることが更に好ましく、そして30秒以下であることが好ましく、20秒以下であることが更に好ましい。
通気性を有する捕集基材8としては、繊維シート、スポンジを用いることができる。繊維シートとしては、例えば各種の不織布、織布、編み地、紙、メッシュシート及びそれらの積層体などが挙げられる。スポンジとしては、合成樹脂又は天然樹脂を発泡させた多孔性材料、例えば発泡樹脂からなるものが挙げられる。経済性及び取り扱い性の観点から、捕集基材8は不織布であることが好ましい。
捕集基材8は、捕集部2よりも導電性が低いことを条件に、ある程度の導電性を有する不織布を用いることが好ましい。導電性を有すると、繊維堆積物10の電荷が捕集基材8に溜まり難く、捕集部2に対応する位置上に繊維堆積物10が形成され易くなる。導電性の不織布としては、レーヨン繊維にカーボンを練り込んで不織布にしたもの、例えばシンワ株式会社製の不織布(71502-B)、又はポリエステル繊維に銅及びニッケルをコーティングして不織布にしたもの、例えばKBセーレン株式会社製の導電性不織布(Sui-80-75ES)等を用いることができる。
次に、本発明の別実施形態の繊維捕集用部材1Aについて、図5を参照しながら説明する。繊維捕集用部材1Aについては、上述した実施形態に係る繊維捕集用部材1と異なる点について説明する。特に説明しない点については、上述した繊維捕集用部材1と同様であり、該繊維捕集用部材1の説明が適宜適用される。
図5に示す繊維捕集用部材1Aにおいては、捕集部2は、把持部22を有しておらず、本体部21のみで構成されている。非捕集部3を構成する部材は、本体部21に対応する位置に該部材を貫通する貫通口32を有している。貫通口32は、平面視して、その輪郭が本体部21の輪郭と一致している。繊維捕集用部材1Aは、非捕集部3を構成する部材の貫通口32内に本体部21を配置して形成されている。その結果、捕集面1aに捕集部2及び非捕集部3が形成される。そして捕集面1aから裏面1bにまで亘る捕集部2が形成される。
繊維捕集用部材1Aを用いても、図3に示すようにして、電界紡糸法で紡糸された繊維を捕集することができる。同図においては、繊維堆積物10の製造者が、一方の手で電界紡糸装置5を持ち、且つ他方の手で繊維捕集用部材1を直接持って電界紡糸法を行っているが、それに代えて、図6に示すようにして電界紡糸法を行ってもよい。同図においては、金属製等の導電性部材6上に繊維捕集用部材1Aを載置し、製造者が一方の手で装置5を持ち、且つ他方の手で導電性部材6を持って電界紡糸法を行っている。このような状態で電界紡糸を行うと、繊維捕集用部材1Aが導電性部材6に接した状態で載置されているので、ノズルと繊維捕集用部材1Aとの間に製造者の人体及び導電性部材6を介した導電パスが形成される。その結果、図3に示す実施形態と同様に、繊維堆積物10が捕集面1aにおける捕集部2上に形成される。また図5に示す実施形態においては、繊維捕集用部材1Aの貫通口32は、平面視して、その輪郭が本体部21の輪郭と一致していたが、導電性部材6と繊維捕集用部材1Aが接した状態で載置されていれば、貫通口32の輪郭が本体部21の輪郭と一致していなくても良い。
導電性部材6は、板状のものであることが好ましく、繊維捕集用部材1Aを載置できる限り、平面視での形状に特に制限はない。形状としては、例えば、三角形、四角形、円形、楕円形等が挙げられる。図6には、長方形である板状の導電性部材6が示されている。導電性部材6は、ヒトが携帯可能な寸法であることが好ましい。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。また上述した実施形態を組み合わせてもよい。
例えば、図3及び図6に示す各実施形態においては、電界紡糸装置5は、ヒトが携帯可能な寸法のものであったが、これに代えて電界紡糸装置を大型の据置タイプのものとしてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
非捕集部を構成する部材としてMCナイロン(登録商標)製の板を用意した。部材は、長手方向の長さが120mm、幅方向の長さが120mm、厚みが10mmのものであった。部材における捕集部に対応する位置に貫通口を形成した。貫通口の輪郭は捕集部の輪郭に一致させた。捕集部としてステンレス製の板を用意した。貫通口内に捕集部を配置して、図5に示す繊維捕集用部材を得た。また捕集面上に捕集基材を配置した。捕集基材として、シンワ株式会社製の不織布(71502-B)を用意した。該不織布の坪量は50g/mであり、長手方向の長さが120mm、幅方向の長さが120mmのものであった。
〔実施例2〕
非捕集部を構成する部材としてABS樹脂製の板を用意した。部材における捕集部の本体部に対応する位置に凹陥部を形成した。凹陥部の輪郭は捕集部の輪郭に一致させた。更に凹陥部における捕集部の把持部に対応する位置に貫通口を形成した。本体部としてステンレス製の板を用意し、捕集部としてステンレス製の棒を用意した。凹陥部内に本体部を配置し、貫通口を通して本体部に把持部を取り付けた。これら以外は実施例1と同様であり、捕集面上に捕集基材を配置して、図1に示す繊維捕集用部材を得た。
〔実施例3〕
実施例1で作製した繊維捕集用部材を、そのまま実施例3の繊維捕集用部材とした。本実施例の繊維捕集用部材は、その捕集面上に捕集基材が配置されていないものである。
〔比較例1〕
捕集部としてアルミニウム箔を用意した。非捕集部を構成する部材における捕集部に対応する部分にアルミ箔を貼り付けた。これ以外は実施例1と同様であり、捕集面上に捕集基材を配置して、繊維捕集用部材を得た。
〔比較例2〕
実施例1で用意した基材を、そのまま本比較例の繊維捕集用部材とした。これ以外は実施例1と同様であり、捕集面上に捕集基材を配置し、繊維捕集用部材を得た。
〔評価〕
実施例及び比較例の繊維捕集用部材を用い、図3に示すように、製造者が、一方の手で電界紡糸装置を持ち、且つ実施例及び比較例の繊維捕集用部材を他方の手で持って電界紡糸法を行い、繊維堆積物を製造した。電界紡糸法の条件は、以下のとおりである。そして繊維捕集用部材の捕集性について、捕集面上に形成された繊維堆積物の状態を目視観察し、以下の基準で評価した。その結果を表1に示す。
〔電界紡糸法の条件〕
電界紡糸装置としては、特開2017-078062号公報に記載の静電スプレー装置を準備した。電界紡糸用組成物としては、99.5%エタノール(水0.5%)を88%、ポリビニルブチラールを12%含む組成物を準備した。ポリビニルブチラールとしては、積水化学工業株式会社のS-LEC B BM-1(商品名)を用いた。
静電スプレー装置のノズルからの組成物の吐出量を0.12g/minに設定し、印加する電圧を14.5kVに設定した。この条件下で繊維捕集用部材の捕集面に向けて紡糸した。ノズルの先端と捕集面との距離は100mmに設定した。電界紡糸法を実施するときの周囲環境は25℃、45%RHとした。
〔繊維捕集用部材の捕集性の評価基準〕
A:繊維堆積物の形状が目視で確認できる。
B:繊維堆積物の形状の一部が目視で確認できる。
C:繊維堆積物の形状が目視で確認できない。
Figure 0007339850000001
表1に示す結果から明らかなとおり、各実施例の繊維捕集用部材を用いて得られた繊維堆積物はその形状が目視で確認できるものであることが判る。これに対して比較例の繊維捕集用部材を用いて得られた繊維堆積物は、形状が目視で確認できないものであることが判る。
1,1A 繊維捕集用部材
1a 捕集面
2 捕集部
3 非捕集部
5 電界紡糸装置
6 導電性部材
8 捕集基材
10 繊維堆積物

Claims (8)

  1. 電界紡糸法によって紡糸された繊維を捕集するための捕集面及び該捕集面と反対側に位置する裏面を有し且つ携帯可能になっている繊維捕集用部材であって、
    前記捕集面は、捕集された前記繊維の堆積物が形成される捕集部と、該捕集部よりも導電性が低く且つ該堆積物が形成されない非捕集部とを有しており、
    前記捕集部を構成する部材は、その少なくとも一部が、前記捕集面から前記裏面にまで亘り延在している、繊維捕集用部材。
  2. 前記捕集面を平面視したときに、前記捕集部が前記非捕集部によって囲繞されるように、該捕集部及び該非捕集部が該捕集面上に配置されており、
    前記捕集部と前記非捕集部との境界から、前記捕集面の外縁までの最短距離が5mm以上である、請求項1に記載の繊維捕集用部材。
  3. 前記繊維捕集用部材の厚みが1mm以上である、請求項1又は2に記載の繊維捕集用部材。
  4. 前記捕集部は、前記繊維捕集用部材の前記裏面から突出し且つヒトが片手で把持可能な寸法の把持部を有している、請求項1~3の何れか1項に記載の繊維捕集用部材。
  5. 前記捕集部は、前記把持部と、前記繊維の堆積物が形成される本体部とを備え、前記本体部は前記把持部から取り外し可能となっている、請求項4に記載の繊維捕集用部材。
  6. 電界紡糸法によって紡糸された繊維を、携帯可能な繊維捕集用部材によって捕集して、該繊維の堆積物を製造する方法であって、
    前記繊維捕集用部材として、前記繊維を捕集するための捕集面及び該捕集面と反対側に位置する裏面を有するものを用い、
    前記捕集面は、捕集された前記繊維の堆積物が形成される捕集部と、該捕集部よりも導電性が低く且つ該堆積物が形成されない非捕集部とを有しており、
    前記捕集部を構成する部材は、その少なくとも一部が、前記捕集面から前記裏面にまで亘り延在している、繊維堆積物の製造方法。
  7. 前記捕集面上に、前記捕集部よりも導電性の低い捕集基材を配した状態で、該捕集面に向けて紡糸して、該捕集基材上に前記繊維の堆積物を形成する、請求項6に記載の繊維堆積物の製造方法。
  8. 前記捕集部のうち、前記裏面側において露出している部位に、前記繊維堆積物の製造者の皮膚が接した状態で、前記捕集面に向けて紡糸する、請求項6又は7に記載の繊維堆積物の製造方法。
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