JP6799907B2 - 杭頭構造 - Google Patents
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杭頭部と杭主筋との接合方法に関する技術には、例えば特許文献1がある。
また、平板の開口部に杭頭部が挿入されているので、杭頭部を平板の上方から直接見ることが出来、平板の上側の作業性が良い位置で、杭頭部と平板の溶接作業をすることができる。
また、フーチングの構築においては、平板は、平面視が矩形に形成されているので、側面視において、平板の各辺に沿って、杭主筋を等間隔又は適宜な間隔に配置することができる。この結果、杭主筋と、横方向に配筋される梁主筋との錯綜を低減させることができる。
第2態様に係る杭頭構造は、第1態様に係る杭頭構造において、前記開口部の前記杭頭部への挿通後に前記杭頭部の外周面における前記平板より上部に接合され、前記平板を前記杭頭部に保持する突起部を有している。
また、平板は、第1態様と同様に平面視が矩形に形成されているので、第1態様に記載の作用、効果を得ることができる。
本発明の第1実施形態に係る杭頭構造について、図1〜図5を用いて説明する。
ここで、図1は、杭頭構造の溶接接合前の分解斜視図を示し、図2(A)は、杭頭構造の正面図を示し、(B)はその平面図を示している。図3(A)は、杭頭構造に鉛直下向きの圧縮力が作用した状態の正面図を示し、(B)は、杭頭構造に横方向のせん断力が作用した状態の正面図を示し、(C)は、杭頭構造に曲げモーメントが作用した状態の正面図を示し、(D)は、杭頭構造に引張上向きの引張力が作用した状態の正面図を示している。図4(A)、(B)はいずれも、平板と杭主筋との接合例を示す部分断面図であり、図5は、杭頭構造の展開例を示す正面図である。
ヨーカン16は、杭10の地盤30への埋設時に、杭10の吊下げ用部材として利用されるのみでなく、後述するように、埋設後において、平板12のズレ止めガイドとして利用される。更に、ヨーカン16は、構造物からフーチング32に加えられた、鉛直方向下向きの圧縮力P1や曲げモーメントM1を、平板12を介して杭10へ伝達する(図3(A)、(C)参照)。
平板12は、厚さTの鋼板で、一辺がW1、他辺がW2の矩形状に形成されている。平板12の中央部には円形の開口部14が設けられ、開口部14には、上側が広い勾配で面取りがされ、面取り部には傾斜面が形成されている。これにより、溶接の際、所定ののど厚が確保される。
このため、平板12の形状は、基本的には、平板12の上に配筋される、フーチング用の補強筋の配列形状で決定される。しかし、一般的には、フーチング32の平面形状に対応させればよい。例えば、フーチング32の水平断面の形状が正方形の場合には、両辺の長さが等しい(W1=W2)正方形とすればよい。
なおヨーカン16は、後述するように、鉛直下向きの圧縮力P1を杭10に伝達させる伝達部材としても利用される。
このとき、平板12は、平面視が矩形に形成されているので、平板12の側面に沿って杭主筋34を立ち上げることで、側面視において、杭主筋34を、等間隔又は適宜な間隔で取り付けることができる。この結果、フーチング32の位置における、横方向に配筋される梁主筋36と、杭主筋34との錯綜を低減させることができ、作業性が向上する。
また、図3(D)に示すように、構造物からフーチング32に加えられた、鉛直方向上向きの引抜き力P3は、平板12と杭頭部10Hとの溶接部18によって、杭10に直接伝達される。
更に、杭頭部10Hに形成されたヨーカン16を、杭10の外周部と一緒に平板12に溶接接合しても良い。これにより、杭10に作用する力の伝達性能が一層向上する。
例えば、図4(A)に示すように、機械式定着部材38を用いて、平板12の上面から、杭主筋34を立ち上げることもできる。
これにより、機械式定着部材38を介して、フーチング32の下面の二点鎖線52で示す範囲内のコンクリートに、引抜力の一部を負担させることができる。
但し、この場合には、フーチング32の下面のコンクリートに、引抜力の一部P4を負担させることができないため、平板12の厚みを図4(A)より厚くする必要がある。
更に、杭主筋34と平板12の固定は、杭主筋34と貫通孔39との間にエポキシ樹脂等の接着用の樹脂を注入し、固定する構成でも良い。
杭頭部10Hと平板12は、溶接部18で一体化されており、杭頭部10Hの先端が、平板12の上面から突出している場合と同様の作用、効果を発揮することができる。
本発明の第2実施形態に係る杭頭構造について、図6(A)〜図7を用いて説明する。
ここで、図6(A)〜図6(C)は、杭頭構造の構築手順を示す正面図であり、図7は、構築後の正面図である。
第2実施形態に係る杭頭構造は、平板22の下面に筒体26が設けられた杭頭ユニット64を、杭頭部20Hに取付ける点において第1実施形態と相違する。相違点を中心に説明する。
図6(B)に示すように、杭頭ユニット64の上面が、杭20の上端部から距離H3だけ押し込まれた位置で、杭20に接合される。
先ず、位置ズレを生じないように、筒体26の下面の位置に、受けリング62を取付ける。受けリング62は、内径を杭20の外径D1と等しくした円環状のリングを二分割した構成である。受けリング62を、矢印NSで示す方向へ移動させ、杭20の外側から杭20の外表面20Fに押し当てた状態で、杭20と接合させる。
受けリング62により、杭頭ユニット64の落下が防止されると共に、鉛直方向下向きの圧縮力P1が、受けリング62を介して杭20に伝達される。
ヨーカン28は、杭頭ユニット64の平板22の上面と、杭頭部20Hの外表面20Fとで形成される角部に溶接接合で固定される。
また、ヨーカン28により、杭頭ユニット64の引抜きが防止される。
この結果、図7に示すように、杭20と杭頭ユニット64を直接溶接接合せずに、杭20に杭頭ユニット64を取付けることができる。
他の構成は、第1実施形態と同じであり説明は省略する。
本発明の第3実施形態に係る杭頭構造について、図8〜図9(B)を用いて説明する。
ここで、図8は、杭頭構造の分解斜視図である。図9(A)は、杭頭構造の構築後の斜視図であり、図9(B)は、その正面図である。
第3実施形態に係る杭頭構造は、平板42の開口部44に切欠部50が形成された杭頭ユニット66を、杭40の杭頭部40Hに取付ける点において、第2実施形態と相違する。相違点を中心に説明する。
筒体46の高さH5は、平板42の上に構築された、図示しないフーチングに加えられた曲げモーメントを杭40に伝達できる高さに形成されている。
その後、平板42を回転させることで、ヨーカン48を、平板42の抜け防止部材、及び平板42と杭頭部40Hとの、鉛直方向の接合部材として利用することができる。
先ず、杭頭ユニット66を、杭頭部40Hへ押し込む工程を実行する。このとき、杭頭ユニット66の筒体46の底面には、予め受けリング54を接合しておく。
即ち、受けリング54、筒体46、及び杭頭部40Hで囲まれた空間に、例えば切欠部50を利用して、グラウト(充填材)56を充填する。これにより、杭頭ユニット66を杭頭部40Hに固定することができる。
他の構成は、第2実施形態と同じであり説明は省略する。
10H、20H、40H 杭頭部
12、22、42 平板
14、24、44 開口部
16、28、48 ヨーカン(突起部)
18 溶接部
26、46 筒体
30 地盤
32 フーチング
34 杭主筋
36 梁主筋
50 切欠部
56 グラウト(充填材)
Claims (2)
- 地盤に埋設された杭の杭頭部へ挿通される開口部を備え、前記杭頭部に取付けられる矩形の平板と、
前記平板の下面において前記開口部の周縁に沿って設けられ、前記杭頭部の外周面を取り囲む筒体と、
前記平板に形成された複数の貫通孔と、
前記貫通孔に挿入される杭主筋と、
前記杭主筋の下端部に設けられ、前記平板の下面との間に隙間をあけて配置された機械式定着部材と、
前記平板及び前記機械式定着部材を埋込んで構築されるフーチングと、
を有する杭頭構造。 - 前記開口部の前記杭頭部への挿通後に前記杭頭部の外周面における前記平板より上部に接合され、前記平板を前記杭頭部に保持する突起部を有する請求項1に記載の杭頭構造。
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