JP6798315B2 - 積層フィルム - Google Patents
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Description
(1) ポリウレタン系樹脂とポリエステル系樹脂を含む積層フィルムであって、片面が水と接触するように5cm角の大きさの積層フィルムを配置した際に、以下の特徴1および2を示す頂点を頂点αとしたときに、頂点αが少なくとも1つ存在し、5cm角に切り取った積層フィルム全体を25℃の条件下で30分間水に浸した際の水に対する膨潤率が互いに異なる2つ以上の層を有し、前記水に対する膨潤率の最も高い層をA層、前記水に対する膨潤率の最も低い層をB層、前記A層の前記水に対する膨潤率をXa%、前記B層の前記水に対する膨潤率をXb%としたときに、前記A層が少なくとも一方の最外層に位置し、Xa/Xb≧5であり、前記A層が吸放湿剤を含み、かつ前記吸放湿剤が空孔率10%以上50%以下の多孔質炭酸カルシウムを含むことを特徴とする、積層フィルム。
(2) ポリウレタン系樹脂とポリエステル系樹脂を含む積層フィルムであって、5cm角に切り取った積層フィルム全体を25℃の条件下で30分間水に浸した際の水に対する膨潤率が互いに異なる2つ以上の層を有し、前記水に対する膨潤率の最も高い層をA層、前記水に対する膨潤率の最も低い層をB層、前記A層の前記水に対する膨潤率をXa%、前記B層の前記水に対する膨潤率をXb%としたときに、前記A層が少なくとも一方の最外層に位置し、Xa/Xb≧5であり、前記A層が吸放湿剤を含み、前記吸放湿剤が空孔率10%以上50%以下の多孔質炭酸カルシウムを含み、かつ前記A層と前記A層と接している前記A層以外の層の剥離強度が、50gf/15mm以上であることを特徴とする、積層フィルム。
(3) 前記A層と、前記A層と接している前記A層以外の層の剥離強度が、50gf/15mm以上であることを特徴とする、(1)に記載の積層フィルム。
(4) 融点以上の温度で熱プレスして大きさ5cm角、厚み50μmの樹脂シートを成型し、前記樹脂シートを23℃の環境下で水に1時間浸漬させた際の、前記樹脂シートの厚み方向以外の4つの辺の長さの変化率のうち最も大きな値を樹脂の水に対する膨潤率とし、前記樹脂の水に対する膨潤率が5%以上の熱可塑性樹脂を樹脂Aとし、前記樹脂の水に対する膨潤率が1.0%未満の熱可塑性樹脂を樹脂Bとしたときに、前記A層が前記樹脂Aを含有し、前記B層が前記樹脂Bを主成分とすることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の積層フィルム。
(5) 前記樹脂Aが、ポリウレタン系樹脂であることを特徴とする、(4)に記載の積層フィルム。
(6) 前記樹脂Bが、ポリエステル系樹脂であることを特徴とする、(4)または(5)に記載の積層フィルム。
(7) 前記吸放湿剤が、空孔率10%以上50%以下の多孔質炭酸カルシウムであることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載の積層フィルム。
(8) 透湿度が、1,000g/(m2・day)以上であることを特徴とする、(1)〜(7)のいずれかに記載の積層フィルム。
特徴1:サイズが210mm×297mmであり、目付が98g/m 2 である綿製のさらしに10mlの水を均一に散布して含浸させ、23℃65%RHの環境下で5cm角の積層フィルムをさらし上に水平に置いた時点から積層フィルム面と水平な方向および垂直な方向から動画撮影を行うことにより、10秒ごとに三次元空間内での頂点の位置変化量の絶対値を求め、これを15分間にわたって継続して得られた値の総和を求めた後、前記総和を時間で除して得られる値を、積層フィルムを配置した時点から15分間の平均移動速度としたときに、前記積層フィルムを配置した時点から15分間の平均移動速度が、5mm/分以上である。
特徴2:サイズが210mm×297mmであり、目付が98g/m 2 である綿製のさらしに10mlの水を均一に散布して含浸させ、23℃65%RHの環境下で5cm角の積層フィルムをさらし上に水平に置いて10分が経過した時点から、積層フィルム面と水平な方向および垂直な方向から動画撮影を行うことにより、10秒ごとに三次元空間内での頂点の位置変化量の絶対値を求め、これを5分間にわたって継続して得られた値の総和を求めた後、前記総和を時間で除して得られる値を、積層フィルムを配置して10分後の時点から5分間の平均移動速度としたときに、前記積層フィルムを配置して10分後の時点から5分間の平均移動速度が、5mm/分以上である。
特徴1:サイズが210mm×297mmであり、目付が98g/m 2 である綿製のさらしに10mlの水を均一に散布して含浸させ、23℃65%RHの環境下で5cm角の積層フィルムをさらし上に水平に置いた時点から積層フィルム面と水平な方向および垂直な方向から動画撮影を行うことにより、10秒ごとに三次元空間内での頂点の位置変化量の絶対値を求め、これを15分間にわたって継続して得られた値の総和を求めた後、前記総和を時間で除して得られる値を、積層フィルムを配置した時点から15分間の平均移動速度としたときに、前記積層フィルムを配置した時点から15分間の平均移動速度が、5mm/分以上である。
特徴2:サイズが210mm×297mmであり、目付が98g/m 2 である綿製のさらしに10mlの水を均一に散布して含浸させ、23℃65%RHの環境下で5cm角の積層フィルムをさらし上に水平に置いて10分が経過した時点から、積層フィルム面と水平な方向および垂直な方向から動画撮影を行うことにより、10秒ごとに三次元空間内での頂点の位置変化量の絶対値を求め、これを5分間にわたって継続して得られた値の総和を求めた後、前記総和を時間で除して得られる値を、積層フィルムを配置して10分後の時点から5分間の平均移動速度としたときに、前記積層フィルムを配置して10分後の時点から5分間の平均移動速度が、5mm/分以上である。
図1に、本発明の一実施態様に係る積層フィルム、積層フィルムが駆動するメカニズム、および頂点αを表す概略側面図を示す。本発明の積層フィルム1としては、図1に示すような、B層2とB層2よりも水に対する膨潤率の高いA層3とが積層されたものがある。
本発明の積層フィルムは、ハンドリング性、賦形性、コスト、入手の容易性の観点から、熱可塑性樹脂を含むことが重要である。ここで熱可塑性樹脂とは加熱により軟化して可塑性を持ち、冷却すると固化する特徴を有する樹脂を指す。
本発明の第1の積層フィルムは、積層フィルムが水との接触による持続的な駆動性を有する観点から、片面が水と接触するように5cm角の大きさの積層フィルムを配置した際に、以下の特徴1および2を示す頂点(頂点α)が少なくとも1つ存在することが重要である。
特徴1:積層フィルムを配置した時点から15分間の平均移動速度が、5mm/分以上である。
特徴2:積層フィルムを配置して10分後の時点から5分間の平均移動速度が、5mm/分以上である。
本発明の第2の積層フィルムは、積層フィルムに駆動性を付与する観点から、水に対する膨潤率の異なる2つ以上の層を有することすることが重要である。積層フィルムが水に対する膨潤率の異なる2つ以上の層を有することで、前述のとおり、積層フィルムは「(積層フィルムの駆動性)」の箇所で述べたような駆動性を有するものとなる。
式(1):
Xa(%)=(水浸漬後のA層厚み×水浸漬後の面積−水浸漬前のA層厚み×水浸漬前の面積)×100/(水浸漬前のA層厚み×水浸漬前の面積)
式(2):
Xb(%)=(水浸漬後のB層厚み×水浸漬後の面積−水浸漬前のB層厚み×水浸漬前の面積)×100/(水浸漬前のB層厚み×水浸漬前の面積)
ここで、Xa/Xb≧5であるとは、5cm角の大きさの積層フィルム全体を水に浸した際に、Xa/Xb≧5であることをいう。
本発明の第2の積層フィルムは、層間剥離に伴う駆動性の低下や外観の悪化を軽減する観点から、A層とA層と接しているA層以外の層の剥離強度が、50gf/15mm以上であることが重要である。A層とA層と接しているA層以外の層の剥離強度が50gf/15mm未満であると、吸湿により駆動を開始したとしても、駆動中に層間剥離が進行してしまうため、持続して高い駆動性を確保できないことや、外観が悪化することがある。それに対し、A層とA層と接しているA層以外の層の剥離強度が50g/15mm以上であると、駆動中の層間剥離が抑制されるため、持続して高い駆動性を確保できるようになる。A層とA層と接しているA層以外の層の剥離強度は、100gf/15mm以上であることがより好ましく、150gf/15mm以上であることがさらに好ましく、200gf/15mm以上であることが特に好ましい。
本発明の積層フィルムにおけるA層は、積層フィルムに駆動性を付与する観点から、水に対する膨潤率が5%以上の熱可塑性樹脂(樹脂A)を含有することが好ましい。水に対する膨潤率とは、5cm角(厚み50μm)の樹脂シートを、23℃の環境下で水に1時間浸漬させた後、各辺の長さの変化率を算出して得られる値のうち最も大きな値をいう。A層が樹脂Aを含有することにより、A層と後述するB層との間に水に対する膨潤率の差が生じ、積層フィルムに高い駆動性を付与することができる。
本発明の積層フィルムにおけるB層は、積層フィルムに駆動性を付与する観点から、水に対する膨潤率が1.0%未満の熱可塑性樹脂(樹脂B)を主成分とすることが好ましい。B層が樹脂Bを主成分とすることにより、前述したA層とB層との間に水に対する膨潤率の差が生じ、積層フィルムに高い駆動性を付与することができる。また、樹脂Bを主成分とするとは、層における樹脂成分の合計を100質量%としたときに、層中における樹脂Bの含有量が50質量%を超えることをいう。
本発明の積層フィルムは、水との接触による膨潤と脱膨潤の繰り返しにより駆動する。そのため、A層が、吸放湿剤を含むことが重要である。吸放湿剤により本発明の積層フィルムが水と接している状況では、水の吸収とそれに伴う膨潤が促進され、積層フィルムが膨潤により水から離脱した後は外気への水の放出が促進される。そのため、より積層フィルムの駆動性を向上させることが可能となる。また、A層が、吸放湿剤を含むことにより、積層フィルムの透湿性も向上する。
本発明の積層フィルムは、衣料や衛生材等の布のような風合いや透湿性を要求される分野に適用する場合には、透湿度が1,000g/(m2・day)以上であることが好ましく、1,500g/(m2・day)以上であることがより好ましく、1,900g/(m2・day)以上であることがさらに好ましい。なお、積層フィルムの透湿度は大きいほど好ましく上限は特にないが、上記用途に適用する観点からすると、上限は5,000g/(m2・day)程度あれば十分である。
透湿性を要する用途に本発明の積層フィルムを用いる場合、取り扱い性と透湿性を両立させる観点から、積層フィルムの厚みは、3μm以上200μm以下であることが好ましく、7μm以上150μm以下であることがより好ましく、10μm以上100μm以下であることがさらに好ましく、12μm以上50μmであることが特に好ましい。積層フィルムの厚みを3μm以上とすることで、フィルムとした際のコシが強くなり、取り扱い性に優れ、また、ロール巻姿や巻出し性が良好となる。積層フィルムの厚みを200μm以下とすることで、積層フィルムは実用的な透湿度を備えるものとなる。
本発明の積層フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲で前述した成分以外の成分を含有してもよい。例えば、非多孔質性の炭酸カルシウム等の充填剤、酸化防止剤、紫外線安定化剤、二酸化チタンなどの着色剤、着色防止剤、艶消し剤、抗菌剤、消臭剤、耐候剤、抗酸化剤、イオン交換剤、粘着性付与剤、着色顔料、染料などを含んでもよい。
次に、本発明の積層フィルムを製造する方法について具体的に説明するが、本発明の積層フィルムの製造方法はこれに限定されるものではない。
実施例中に示す測定や評価は次に示す方法および条件で行った。
積層フィルムの幅方向中央部からサンプル片を切り出した。エポキシ樹脂を用いた樹脂包埋法により、ウルトラミクロトームを用いて、サンプル片を長手方向と平行であり、かつ、厚み方向とも平行な面ができるように切断したときの、その切断面を観察面とするように−100℃で超薄切片を採取した。この超薄切片を走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ社製 S−3400N)にセットした後、倍率1,000倍(倍率は適宜調整可能)で積層フィルム断面写真を撮影し、その測長機能でA層、B層、および積層フィルムの厚みを測定した。測定は観察箇所を変えて10回行い、A層、B層、および積層フィルムそれぞれについて得られた値の平均値をA層、B層、および積層フィルムの厚み(μm)とした。また、得られたA層およびB層の厚みから、積層比率を算出した。
25℃、90%RHに設定した恒温恒湿装置にて、JIS Z0208(1976)に規定された方法に従って測定した。測定は3回行い、得られた値の平均値を積層フィルムの透湿度(g/(m2・day))とした。
5cm角に切り取った積層フィルムを、25℃の条件下で、その全体が水と接するように水に浸し、30分後に水から取り出した。その後直ちに積層フィルムの厚み方向と平行な辺以外の全ての辺の長さを測定してこれらの辺で囲まれる面を1つ任意に選択し、その面積を求めた。続いて前記積層フィルムの厚みの測定方法と同様の方法で、厚み方向以外の全ての辺の長さの測定後から10分以内に、A層およびB層の厚みを測定した。得られた結果を用いて、以下の式(1)および式(2)に従いA層の水に対する膨潤率(Xa)およびB層の水に対する膨潤率(Xb)を算出した。
式(1):
Xa(%)=(水浸漬後のA層厚み×水浸漬後の面積−水浸漬前のA層厚み×水浸漬前の面積)×100/(水浸漬前のA層厚み×水浸漬前の面積)
式(2):
Xb(%)=(水浸漬後のB層厚み×水浸漬後の面積−水浸漬前のB層厚み×水浸漬前の面積)×100/(水浸漬前のB層厚み×水浸漬前の面積)
(4)樹脂Aおよび樹脂Bの水に対する膨潤率
樹脂Aまたは樹脂Bを融点以上に加熱し、熱プレスで大きさ5cm角、厚み50μmのシート形状とした。23℃の環境下で水に1時間浸漬させた後に厚み方向以外の全ての辺の長さを測定して、式(3)に従い浸漬前後での各辺の長さの変化率を求めた。各辺について得られた辺の長さの変化率のうち、最も大きい値をその樹脂の水に対する膨潤率とした。なお、測定対象の樹脂が融点の存在しない非晶性樹脂である場合は、軟化点以上に加熱した。
式(3):
辺の長さの変化率(%)=(水浸漬後の辺の長さ[cm]−5[cm])×100/5[cm]
(5)積層フィルムの駆動性、60分後の層間剥離
98g/m2の綿製のさらし(日本製 商品名:白椿晒)を210mm×297mmにカットし、底面が水平になるように配置したステンレスバットの底面上に敷いた。続いて、水10mlをさらしの上から均一に散布し、さらし全体に含浸させた。23℃65%RHの環境下で、5cm角の積層フィルムサンプルをさらし上に水平に置き、フィルム面と水平な方向および垂直な方向からビデオで動画撮影を行い、各頂点の動きを記録した。
式(4):
平均移動速度1(mm/分)=(|ΔX1|から|ΔX90|までの総和[mm])/15(分)
式(5):
平均移動速度2(mm/分)=(|ΔX61|から|ΔX90|までの総和[mm])/5(分)
A:平均移動速度1が15mm/分以上であって、平均移動速度2が5mm/分以上である頂点が少なくとも1つ存在する。
B:平均移動速度1が10mm/分以上15mm/分未満であって、平均移動速度2が5mm/分以上である頂点が少なくとも1つ存在し、かつAに該当しない。
C:平均移動速度1が5mm/分以上10mm/分未満であって、平均移動速度2が5mm/分以上である頂点が少なくとも1つ存在し、かつAおよびBに該当しない。
D:A、BおよびCのいずれにも該当しない。
駆動性はAが最も優れており、C以上である場合を実用的な駆動性を有するものとする。
上記にて積層フィルムサンプルをさらし上に置いた時点から、60分後に積層フィルムサンプルの外観を目視にて調べ、層間剥離状態を以下の基準により評価した。
A:層間剥離が全く起こっていない。
B:部分的に層間剥離が起こっているものの、実用上問題がない。
C:層間剥離がひどく、剥離部分でしわが発生している。
60分後の層間剥離はAが最も優れており、B以上であれば実用上問題なく使用できるものとする。
恒温槽を備えたオリエンテック社製“TENSILON”(登録商標) UCT−100を用いて、温度23℃におけるA層とA層と接しているA層以外の層の剥離強度(gf/15mm)を測定した。
炭酸カルシウムの粒子表面を走査型電子顕微鏡(S−3400 (株)日立製作所製)で5,000倍に拡大して撮像し、得られた表面写真を画像解析ソフトImageJ(1.47V)(アメリカ国立衛星研究所)により解析し、炭酸カルシウムの空孔率を求めた。
積層フィルムサンプルの一方の幅方向端部から他方の幅方向端部まで、幅方向と平行に10cm間隔でポイントを取り、各ポイントにおける厚み値を測定した。厚み値の測定は、JIS B7503(最新改定:2011年3月22日)に従いダイヤルゲージにより行った。全てのポイントにおける厚み値の平均値を算出し、これを積層フィルムの厚み(μm)とした。
インフレーション法によりブロー比2.0、フィルム厚み20μmの条件で製膜を行い、3時間のうちに起こった製膜破れの回数をカウントし、回数に応じて、下記の4段階で評価した。製膜安定性はSが最も優れている。なお、積層フィルム(実施例1〜24、比較例3、4、7、8)は、表に記載の積層厚み比となるように製膜した。
S:製膜破れの回数 0回
A:製膜破れの回数 1回
B:製膜破れの回数 2回
C:製膜破れの回数 3回以上
また、製膜破れが起こった時点から、フィルムのつなぎ合わせを行って製膜を再開するまでの時間は、3時間の評価時間から除外した。
(A1)
高透湿ポリウレタン系樹脂(商品名:“エラストラン”(登録商標)OP85A10MHグレード、BASF(株)社製) 水に対する膨潤率12%
(A2)
中透湿ポリウレタン系樹脂(商品名:“エラストラン”(登録商標)ET885FGグレード、BASF(株)社製) 水に対する膨潤率0.2%
(A3)
中透湿ポリエステル系樹脂(商品名:“ハイトレル”(登録商標) G3548LN 、東レデュポン製) 水に対する膨潤率0.3%
(A4)
エチレン樹脂(商品名:NUC8506、日本ユニカー(株)製)水に対する膨潤率0.1%
(A5)
高透湿ポリエステル系樹脂(商品名:“ハイトレル”(登録商標)8206、東レデュポン製)水に対する膨潤率8.2%
(A6)
ポリアミド系エラストマー(商品名:“PEBAX”(登録商標)MV1074,アルケマ(株)製) 水に対する膨潤率61%
[吸放湿剤]
(B1)
卵殻パウダー(商品名:卵殻カルシウム Ca−35、グリーンテクノ21(株)製)
(B2)
セピオライト(商品名:ミルコンLS、林化成(株)製)
[充填剤]
(C1)
炭酸カルシウム(三共精粉社製、商品名“トップフロー”(登録商標)H200、平均粒子径1.7μm)
[フィルムの作製]
(実施例1)
表1に記載の熱可塑性樹脂および充填剤を、A層用およびB層用として、表記載の種類および質量%割合でシリンダー温度200℃のスクリュー径44mmの真空ベント付き二軸押出機に供給し、真空ベント部を脱気しながら溶融混練し均質化した後にチップ化し、A層用およびB層用の組成物を得た。これらの組成物を、回転式ドラム型真空乾燥機を用いて、温度80℃で5時間真空乾燥した後、組成物をシリンダー温度200℃、スクリュー径60mmの、それぞれ独立した別々の単軸押出機に供給し、直径250mm、リップクリアランス1.0mm、温度190℃のスパイラル型環状ダイスより、A層/B層/A層の2種3層構成となるように、ブロー比:2.0にてバブル状に上向きに押出し、冷却リングにより空冷し、ダイス上方のニップロールで折りたたみながら20m/分にて引き取り、両端部をエッジカッターにて切断して2枚に切り開き、無延伸の積層フィルムをワインダーにて巻き取った。得られた積層フィルムの物性を表1に示す。
表1〜3に記載の組成、条件で実施例1と同様に製膜を実施し、単層または積層フィルムを得た。得られた単層または積層フィルムの物性を表1〜3に示す。なお、比較例1、2、5、および6においては、スパイラル型環状ダイスよりA層のみを押し出した。また実施例11、および比較例7〜8においてはB層/A層/B層の構成となるようにスパイラル型環状ダイスより押し出した。一方、実施例21においては、2種2層構成のスパイラル型環状ダイスに切りかえて、押出しを行った。
表1に記載の組成、条件で実施例1と同様に製膜を実施し、インフレーション法により無配向積層フィルムを得た。続いて得られた無配向積層フィルムを用いロール式延伸機にて長手方向に、温度70℃で3倍の縦延伸を行った。この一軸配向積層フィルムをいったん冷却ロール上で冷却した後、温度110℃で5秒間熱処理後、厚さ15μmの積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの物性を表1に示す。
2 B層
3 A層
4 水
5 水を含むスポンジ
6 頂点α
Claims (8)
- ポリウレタン系樹脂とポリエステル系樹脂を含む積層フィルムであって、片面が水と接触するように5cm角の大きさの積層フィルムを配置した際に、以下の特徴1および2を示す頂点を頂点αとしたときに、頂点αが少なくとも1つ存在し、5cm角に切り取った積層フィルム全体を25℃の条件下で30分間水に浸した際の水に対する膨潤率が互いに異なる2つ以上の層を有し、前記水に対する膨潤率の最も高い層をA層、前記水に対する膨潤率の最も低い層をB層、前記A層の前記水に対する膨潤率をXa%、前記B層の前記水に対する膨潤率をXb%としたときに、前記A層が少なくとも一方の最外層に位置し、Xa/Xb≧5であり、前記A層が吸放湿剤を含み、かつ前記吸放湿剤が空孔率10%以上50%以下の多孔質炭酸カルシウムを含むことを特徴とする、積層フィルム。
特徴1:サイズが210mm×297mmであり、目付が98g/m 2 である綿製のさらしに10mlの水を均一に散布して含浸させ、23℃65%RHの環境下で5cm角の積層フィルムをさらし上に水平に置いた時点から積層フィルム面と水平な方向および垂直な方向から動画撮影を行うことにより、10秒ごとに三次元空間内での頂点の位置変化量の絶対値を求め、これを15分間にわたって継続して得られた値の総和を求めた後、前記総和を時間で除して得られる値を、積層フィルムを配置した時点から15分間の平均移動速度としたときに、前記積層フィルムを配置した時点から15分間の平均移動速度が、5mm/分以上である。
特徴2:サイズが210mm×297mmであり、目付が98g/m 2 である綿製のさらしに10mlの水を均一に散布して含浸させ、23℃65%RHの環境下で5cm角の積層フィルムをさらし上に水平に置いて10分が経過した時点から、積層フィルム面と水平な方向および垂直な方向から動画撮影を行うことにより、10秒ごとに三次元空間内での頂点の位置変化量の絶対値を求め、これを5分間にわたって継続して得られた値の総和を求めた後、前記総和を時間で除して得られる値を、積層フィルムを配置して10分後の時点から5分間の平均移動速度としたときに、前記積層フィルムを配置して10分後の時点から5分間の平均移動速度が、5mm/分以上である。 - ポリウレタン系樹脂とポリエステル系樹脂を含む積層フィルムであって、5cm角に切り取った積層フィルム全体を25℃の条件下で30分間水に浸した際の水に対する膨潤率が互いに異なる2つ以上の層を有し、前記水に対する膨潤率の最も高い層をA層、前記水に対する膨潤率の最も低い層をB層、前記A層の前記水に対する膨潤率をXa%、前記B層の前記水に対する膨潤率をXb%としたときに、前記A層が少なくとも一方の最外層に位置し、Xa/Xb≧5であり、前記A層が吸放湿剤を含み、前記吸放湿剤が空孔率10%以上50%以下の多孔質炭酸カルシウムを含み、かつ前記A層と前記A層と接している前記A層以外の層の剥離強度が、50gf/15mm以上であることを特徴とする、積層フィルム。
- 前記A層と、前記A層と接している前記A層以外の層の剥離強度が、50gf/15mm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の積層フィルム。
- 融点以上の温度で熱プレスして大きさ5cm角、厚み50μmの樹脂シートを成型し、前記樹脂シートを23℃の環境下で水に1時間浸漬させた際の、前記樹脂シートの厚み方向以外の4つの辺の長さの変化率のうち最も大きな値を樹脂の水に対する膨潤率とし、前記樹脂の水に対する膨潤率が5%以上の熱可塑性樹脂を樹脂Aとし、前記樹脂の水に対する膨潤率が1.0%未満の熱可塑性樹脂を樹脂Bとしたときに、前記A層が前記樹脂Aを含有し、前記B層が前記樹脂Bを主成分とすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
- 前記樹脂Aが、ポリウレタン系樹脂であることを特徴とする、請求項4に記載の積層フィルム。
- 前記樹脂Bが、ポリエステル系樹脂であることを特徴とする、請求項4または5に記載の積層フィルム。
- 前記吸放湿剤が、空孔率10%以上50%以下の多孔質炭酸カルシウムであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルム。
- 透湿度が、1,000g/(m2・day)以上であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の積層フィルム。
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