JP6795632B2 - エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、ケース本体に結合されるケースカバーでクランクシャフトの軸端を覆って、回転自在にクランクシャフトを収容するクランク室を区画するクランクケースと、クランクシャフト内に形成されて、軸端で開口する導入口からケース本体内の空間に向かってオイルを案内する油路と、ケースカバーに形成され、油路の導入口に接続され、ケース本体内のオイルギャラリーから導入口にオイルを導くカバー内油路とを備えるエンジンに関する。
特許文献1は、回転自在にクランクシャフトを収容するクランク室を区画するクランクケースを備えるエンジンを開示する。クランクケースではケース本体にケースカバーが結合される。ケースカバーはクランクシャフトの軸端を覆う。クランクシャフト内には、軸端で開口する導入口からケース本体内の空間に向かってオイルを案内する油路が形成される。ケースカバーには、クランクシャフト内油路の導入口に接続されて、ケース本体内のオイルギャラリーからクランクシャフト内油路の導入口にオイルを導くカバー内油路が形成される。
特開2011−208741号公報
カバー内油路は、線形に延びてケースカバーの外側で開口する線形油路を有する。線形油路の開口端はシールボルト(閉塞部材)で閉塞される。シールボルトはケースカバーの外側で外部空間に曝されることから、飛び石などの外乱の影響を考慮した構造が求められている。また、意匠面であるケースカバーの外面にシールボルトは現れることから、エンジンの意匠性の低下が回避されることが望まれる。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、飛び石などの外乱から閉塞部材を保護しながら、向上された意匠性を有することができるエンジンを提供することを目的とする。
本発明の第1側面によれば、ケース本体に結合されるケースカバーでクランクシャフトの軸端を覆って、回転自在に前記クランクシャフトを収容するクランク室を区画するクランクケースと、前記クランクシャフト内に形成されて、前記軸端で開口する導入口から前記ケース本体内の空間に向かってオイルを案内する油路と、前記ケースカバーに形成され、前記油路の前記導入口に接続され、前記ケース本体内のオイルギャラリーから前記導入口にオイルを導くカバー内油路とを備えるエンジンにおいて、前記カバー内油路は、線形に延びて前記ケースカバーの内側開口端を持つ線形油路を含み、前記線形油路の前記開口端は閉塞部材で閉塞され、前記開口端側から前記線形油路の延長として区画される空間は前記ケースカバーに干渉しない
第2側面によれば、ケース本体に結合されるケースカバーでクランクシャフトの軸端を覆って、回転自在に前記クランクシャフトを収容するクランク室を区画するクランクケースと、前記クランクシャフト内に形成されて、前記軸端で開口する導入口から前記ケース本体内の空間に向かってオイルを案内する油路と、前記ケースカバーに形成され、前記油路の前記導入口に接続され、前記ケース本体内のオイルギャラリーから前記導入口にオイルを導くカバー内油路とを備えるエンジンにおいて、前記カバー内油路は、線形に延びて前記ケースカバーの内側に開口端を持つ線形油路を含み、前記線形油路の前記開口端は閉塞部材で閉塞され、前記ケースカバーは、前記ケース本体に合わせ面で重ねられる囲み壁と、囲み壁から連続して前記囲み壁で囲まれる空間を塞ぐ外壁と、前記外壁の内面から内方に膨らんで、内部に前記線形油路を有する膨出部とを有し、前記開口端側から前記線形油路の延長として区画される空間は前記囲み壁に干渉しない。
第3側面によれば、第2側面の構成に加えて、前記ケースカバーは、前記外壁の内面に、前記クランクシャフトの軸端を液密に受け入れて前記カバー内油路に接続される給油室を区画する環状壁を有し、前記環状壁の壁面に前記膨出部は連続し、前記環状壁には前記線形油路に前記給油室を接続する接続油路が形成される。
第4側面によれば、第3側面の構成に加えて、前記ケースカバーは、前記外壁の外面で前記給油室を開放する開口を有し、前記開口は外側から蓋部材で閉鎖される。
第5側面によれば、第4面の構成に加えて、前記接続油路は、前記線形油路から線形に延びて前記給油室に開口する。
第6側面によれば、第5側面の構成に加えて、前記開口を囲む周壁には、前記接続油路の延長として区画される空間に重なる切り欠きが形成される。
第7側面によれば、第6側面の構成に加えて、前記クランクシャフトの前記軸端には、クランキングにあたって前記軸端にねじ込まれるボルトの雄ねじにねじ結合する雌ねじが刻まれる。
第1側面によれば、オイルはケース本体内のオイルギャラリーから線形油路を経てクランクシャフト内油路の導入口に流入する。線形油路は例えばドリルといった工具でケースカバーに形成される。一般に、ドリル加工の開放端は閉塞部材で閉塞されなければならない。このとき、閉塞部材はケースカバーの内側に配置されることから、閉塞部材に対して飛び石などの外乱による影響を回避することができる。加えて、意匠面であるケースカバーの外面に閉塞部材は現れないので、エンジンの意匠性は向上する。線形油路の延長として区画される空間はケースカバーに干渉しないので、該空間を線形油路形成用工具の経路として利用できる。
第2側面によれば、線形油路の延長として区画される空間は線形油路の形成にあたって用いられる工具の経路として利用されることができる。工具と囲み壁との干渉は回避されることができる。膨出部は外壁から内方に膨らむので、エンジンの意匠性は良好に維持されることができる。
第3側面によれば、環状壁および膨出部は壁肉を共有するので、線形油路および給油室を相互に接続する接続油路は可及的に短縮されることができる。
第4側面によれば、給油室にはクランクシャフトの軸端が受け入れられることから、蓋部材を外すことでケース本体からケースカバーを取り外すことなく、給油室を通じてクランクシャフトの軸端にアクセスすることができる。
第5側面によれば、接続油路は給油室に開口することから、接続油路の開放端は閉塞部材で塞がれる必要はなく、部品点数は削減され、エンジンの組み立て工程は短縮されることができる。
側面によれば、接続油路の延長として区画される空間は接続油路の形成にあたって用いられる工具の経路として利用されることができる。切り欠きの働きで工具と周壁との干渉は回避されることができる。
第7側面によれば、蓋部材が外された際に給油室の開口から露出するクランクシャフトの軸端にボルトはねじ込まれることができる。ボルトはクランキングに用いられることができる。こうしてメンテナンス作業は実現されることができる。
一実施形態に係る自動二輪車の全体構成を概略的に示す側面図である。 車体カバーが外された状態で自動二輪車の全体構成を概略的に示す側面図である。 エンジンの拡大右側面図である。 クランクシャフトの回転軸線およびシリンダー軸線を含む切断面で切られたエンジンの断面図である。 ケースカバーの拡大斜視図である。 図5の6−6線に沿った断面図である。 クランクシャフトの回転軸線に直交する切断面で切られたケースカバーの拡大断面図である。 図5の8−8線に沿った断面図である。 ケースカバーの拡大斜視図である。 オイルポンプの配置を示すエンジン全体の断面図である。 オイルフィルターに接続される油路を概略的に示すエンジン全体の断面図である。 オイルギャラリーの構造を概略的に示すエンジンの断面図である。 図4の一部拡大断面図に相当し、クランクシャフトの軸端に結合されるボルトを概略的に示す図である。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。ここで、車体の上下前後左右は自動二輪車に乗車した乗員の目線に基づき規定されるものとする。
図1は本発明の一実施形態に係る鞍乗り型車両である自動二輪車の全体像を概略的に示す。自動二輪車11は、車体フレーム12と、車体フレーム12に装着された車体カバー13とを備える。車体カバー13は、前方から車体フレーム12を覆うフロントカウル14と、燃料タンク15の外面から前方に連続し、燃料タンク15の後方の乗員シート16に接続されるタンクカバー17とを有する。燃料タンク15に燃料は貯留される。自動二輪車11の運転にあたって乗員は乗員シート16を跨ぐ。
車体フレーム12は、ヘッドパイプ18と、ヘッドパイプ18から後ろ下がりに延びて、後下端にピボットフレーム19を有する左右1対のメインフレーム21と、メインフレーム21の下方の位置でヘッドパイプ18から下方に延び、メインフレーム21に一体化されるダウンフレーム22と、メインフレーム21の湾曲域21aから後上がりに延びトラス構造を構成する左右のシートフレーム23とを有する。シートフレーム23に乗員シート16は支持される。
ヘッドパイプ18には操向自在にフロントフォーク24が支持される。フロントフォーク24には車軸25回りで回転自在に前輪WFが支持される。フロントフォーク24の上端には操向ハンドル26が結合される。運転者は自動二輪車11の運転にあたって操向ハンドル26の左右端のグリップを握る。
車両の後方で車体フレーム12にはピボット27回りで上下に揺動自在にスイングアーム28が連結される。スイングアーム28の後端に車軸29回りで回転自在に後輪WRが支持される。前輪WFと後輪WRとの間で車体フレーム12には後輪WRに伝達される駆動力を生成するエンジン31が搭載される。エンジン31はダウンフレーム22およびメインフレーム21に連結されて支持される。エンジン31の動力は伝動装置を経て後輪WRに伝達される。
図2に示されるように、エンジン31のエンジン本体は、後壁の上端および下端にメインフレーム21に連結されるエンジンハンガー32a、32bを有し、回転軸線Rx回りでクランクシャフトを回転させ動力を出力するクランクケース33と、クランクケース33の前部に上方から結合されて、回転軸線Rxに直交する鉛直面内に位置して水平面に対して起立するシリンダー軸線Cを有するシリンダーブロック34と、シリンダーブロック34の上端に結合されて、前壁にダウンフレーム22に連結されるエンジンハンガー32cを有し、動弁機構を支持するシリンダーヘッド35と、シリンダーヘッド35の上端に結合されて、シリンダーヘッド35上の動弁機構を覆うヘッドカバー36とを備える。
シリンダーヘッド35には、エアクリーナー37で浄化される空気に燃料を噴霧して混合気を生成し、シリンダーヘッド35で覆われる燃焼室に混合気を供給する吸気装置38と、燃焼室から排出される燃焼後の排ガスを触媒39で浄化し、排ガスの温度を降下させながら車体後方に排出する排気装置41とが接続される。排気装置41は、クランクケース33の下方をくぐって後輪WRの側方に沿って延び、クランクケース33の下方で触媒39を支持する排気管42を備える。
図3に示されるように、クランクケース33は、ケース本体33aと、回転軸線Rxに交差しながらケース本体33aに結合されるケースカバー33bとを備える。ケースカバー33bには外周に沿って複数の締結用ボス45が形成される。個々の締結用ボス45には、回転軸線Rxに平行な軸心を有するボルト46が差し込まれる。ボルト46はケースカバー33bを貫通してケース本体33aにねじ込まれる。
ケースカバー33bには回転軸線Rxに交差する開口47が区画される。開口47は外側から蓋部材48で閉鎖される。蓋部材48の輪郭は回転軸線Rxに同軸に円形に形成される。蓋部材48の外面には回転軸線Rxに同軸に正六角柱の穴49が形成される。穴49には六角レンチが受け入れられる。蓋部材48は例えば開口47に着脱自在にねじ込まれる。ねじ込みにあたって六角レンチは用いられることができる。
図4に示されるように、シリンダーブロック34にはシリンダー軸線Cに沿ってピストン51の線形往復運動を案内するシリンダー52が形成される。ここでは、シリンダーブロック34には回転軸線Rxに沿って4つのシリンダー52が並び、エンジン31はいわゆる直列4気筒に構成される。ピストン51とシリンダーヘッド35との間に燃焼室53が区画される。カムシャフトの回転に応じて開閉する吸気弁および排気弁の働きで燃焼室53に混合気が導入され燃焼後の排ガスは燃焼室53から排気される。
クランクケース33には回転軸線Rx回りで回転自在にクランクシャフト54が支持される。クランクシャフト54は、回転軸線Rxに同軸に形成されるジャーナル55と、隣接するジャーナル55の間に配置されて、回転軸線Rxに平行に延びクランクウエブを相互に結合するクランクピン56を有するクランク57とを備える。クランクケース33には、個々のシリンダー52に対応して滑り軸受で回転自在にジャーナル55を個別に支持する隔壁58が形成される。クランクピン56には、ピストン51から延びるコネクティングロッド59の大端部が回転自在に連結される。コネクティングロッド59はピストン51の線形往復運動をクランクシャフト54の回転運動に変換する。
クランクシャフト54の一端(左側の軸端)はクランクケース33の左側面から外側に突出する。クランクシャフト54の一端にはACG(交流発電機)61が接続される。ケース本体33aの左側面にはケース本体33aとの間にACG61を収容するACGカバー62が結合される。
クランクシャフト54の他端(右側の軸端)はクランクケース33の右側面から外側に突出する。クランクシャフト54の他端にはカムシャフトに動力を伝達する動弁機構63が連結される。ケースカバー33bは、ケース本体33aに結合されてクランクシャフト54の軸端を覆い、回転自在にクランクシャフト54を収容するクランク室64を区画する。ケース本体33aとケースカバー33bとの間には部分的に動弁機構63を収容するカムチェーン室が区画される。
クランクシャフト54内には、右側の軸端で開口する導入口66からケース本体33a内のクランク室64に向かってオイルを案内する油路67が形成される。油路67から、個々の隔壁58の滑り軸受やクランクピン56およびコネクティングロッド59の接触面にオイルは供給される。また、左側の軸端からも同様にクランクシャフト54内の油路67にオイルが案内される。
クランクシャフト54の軸端には導入口66から油路67に沿って回転軸線Rxに同軸の雌ねじ68が刻まれる。後述されるように、油路67の導入口66にはクランキングにあたってボルトがねじ込まれることができる。ボルトの雄ねじは導入口66の雌ねじ68にねじ結合されることができる。
図5に示されるように、ケースカバー33bは、ケース本体33aに合わせ面69aで重ねられる囲み壁69と、囲み壁69から連続して囲み壁69で囲まれる空間を塞ぐ外壁71とを備える。外壁71の内面には、図4に示されるように、クランクシャフト54の軸端を液密に受け入れる給油室72を区画する環状壁73が形成される。環状壁73は給油室72を囲む。給油室72は開口47から連続する円筒空間に形成される。開口47は外壁71の外面で給油室72を開放する。クランクシャフト54の軸端と環状壁73との間にはオイルシール74が配置される。蓋部材48と開口47との間には例えばOリングといったシール部材75が挟まれる。
図5に示されるように、外壁71の内面には、環状壁73の壁面に連続し、外壁71の内面から内方に膨らみながら線形に延びる膨出部76が形成される。図6に示されるように、膨出部76の内部には線形油路77が形成される。線形油路77の一端は、合わせ面69aで開口する流入口から回転軸線Rxに平行に延びる導入路78に交差する。図7に示されるように、導入路78は、右側面視で、クランクシャフト54の回転軸線Rxを含む鉛直面VPよりも後方に位置する。線形油路77は、導入路78から斜め前下方に延び、鉛直面VPよりも前方で環状壁73に接続される。
図6に示されるように、線形油路77の他端にはケースカバー33bの内側で開口する開口端77aが形成される。線形油路77は、開口端77aから進入するドリルによって形成される円柱空間で形成される。線形油路77は、合わせ面69aを含む仮想平面に所定の傾斜角で傾斜しながら、その仮想平面に交差して延びる。開口端77a側から線形油路77の延長として区画される空間79はケースカバー33bの囲み壁69に干渉しない。図7に示されるように、線形油路77の開口端77aは環状壁73の前方に位置する。
線形油路77の開口端77aは閉塞部材81で閉塞される。閉塞部材81は例えば線形油路77の開口端77aにねじ込まれる。閉塞部材81の外周には例えば雄ねじのねじ溝が刻まれる。閉塞部材81の外端には線形油路77の中心軸に同軸に正六角形の穴81aが形成される。穴81aには六角レンチが受け入れられる。閉塞部材81のねじ込みにあたって六角レンチは用いられることができる。
図8に示されるように、環状壁73には線形油路77に給油室72を接続する接続油路82が形成される。接続油路82は、線形油路77から線形に延びて給油室72に開口する。図9に示されるように、開口47を囲む周壁83には、接続油路77の延長として区画される空間84に重なる切り欠き85が形成される。したがって、接続油路77の延長として区画される空間84は周壁83に干渉しない。導入路78、線形油路77および接続油路82は、ケースカバー33bに形成されて、給油室72に接続されるカバー内油路を構成する。
図10に示されるように、クランクケース33のケース本体33aにはオイルポンプ87が取り付けられる。オイルポンプ87は、クランクシャフト54の回転に連動して作動するトロコイドポンプに構成される。すなわち、オイルポンプ87は、軸線回りで回転自在に軸線に同軸の円筒空間に収容されるアウターローター87aと、アウターローター87aの内側に配置されて、アウターローター87aの軸線に平行な軸心を有する駆動軸88に固定されるインナーローター87bとを備える。インナーローター87bは、アウターローター87aの内歯に噛み合う外歯を有する。駆動軸88がクランクシャフト54の回転に連動して回転すると、アウターローター87aとインナーローター87bとの偏心に基づき、アウターローター87aの内歯とインナーローター87bの外歯との間で容積は変化する。オイルポンプ87は、容積の変化に応じて、クランクケース33下方のオイルパン89からエンジンオイルを吸い上げ、吐出口に接続されるオイル管91に向かってエンジンオイルを吐出する。
クランクケース33のケース本体33aにはオイルフィルター92が装着される。オイルフィルター92には、クランクケース33に形成されて、オイル管91から前方に向かって水平方向に延びる水平油路93が接続される。オイルポンプ87からオイルフィルター92にエンジンオイルは流入する。オイルフィルター92はエンジンオイルを濾過する。
図11に示されるように、クランクケース33のケース本体33aには、オイルフィルター92から後方に線形に延びて、クランクシャフト54に向かってエンジンオイルを導く前後油路94と、前後油路94から上向きに線形の組み合わせで延びる上方油路95と、上方油路95の上端に接続されて、クランクシャフト54の回転軸線Rxに平行に延びるオイルギャラリー96とが形成される。オイルフィルター92から前後油路94および上方油路95を経てエンジンオイルはオイルギャラリー96に流入する。オイルギャラリー96でエンジンオイルは車幅方向に導かれる。
図12に示されるように、オイルギャラリー96は、ケースカバー33bの合わせ面69aで導入路78に同軸に接続される。オイルギャラリー96および導入路78には、それぞれに内接する共通のスリーブ97が差し込まれる。スリーブ97の外周にはオイルギャラリー96および導入路78の内壁面にそれぞれ密着するOリングといったシール部材98が装着される。こうしてケース本体33a内のオイルギャラリー96から導入路78、線形油路77および接続油路82を経て給油室72にエンジンオイルは流入する。
次に本実施形態に係るエンジン31で隔壁58の滑り軸受およびクランクピン56の潤滑動作を説明する。エンジン31の作動中、クランクシャフト54の回転に応じてオイルポンプ87は動作する。駆動軸88の回転に応じてインナーローター87bおよびアウターローター87aは回転する。オイルポンプ87は、クランクケース33のオイルパン89からエンジンオイルを吸い上げオイル管91に向かってエンジンオイルを吐出する。
エンジンオイルは、オイルポンプ87から、オイル管91および水平油路93を経てオイルフィルター92に流入する。オイルフィルター92でエンジンオイルは濾過される。濾過されたエンジンオイルは、オイルフィルター92から、クランクケース33内の前後油路94および上方油路95、オイルギャラリー96を経てケースカバー33bに供給される。
ケースカバー33bでは、オイルギャラリー96から導入路78にエンジンオイルは流入する。エンジンオイルは、導入路78から、線形油路77および接続油路82を経て給油室72に流入する。エンジンオイルは給油室72からクランクシャフト54内の油路67に導入される。油路67から、個々の隔壁58の滑り軸受やクランクピン56およびコネクティングロッド59の接触面にエンジンオイルは供給される。
本実施形態に係るケースカバー33bでは、導入路78は線形油路77および接続油路82で給油室72に接続される。線形油路77は例えばドリルといった工具でケースカバー33bに形成される。ドリル加工の開放端(開口端77a)は閉塞部材81で閉塞される。閉塞部材81はケースカバー33bの内側に配置されることから、閉塞部材81に対して飛び石などの外乱による影響は回避される。加えて、意匠面であるケースカバー33bの外面に閉塞部材81は現れないので、エンジン31の意匠性は向上する。
ケースカバー33bでは、開口端77a側から線形油路77の延長として区画される空間79は囲み壁69に干渉しない。空間79と囲み壁69の干渉は回避される。空間79は線形油路77の形成にあたって用いられる工具(ドリル)の経路として利用される。したがって、工具と囲み壁69との干渉は回避される。膨出部76は外壁71から内方に膨らむので、エンジン31の意匠性は良好に維持される。
本実施形態に係るエンジン31では、クランクシャフト54の軸端は給油室72に開口する。給油室72は環状壁73で区画される。環状壁73の壁面に膨出部76は連続する。そして、環状壁73には膨出部76内の線形油路77に給油室72を接続する接続油路82が形成される。環状壁73および膨出部76は壁肉を共有するので、線形油路77および給油室72を相互に接続する接続油路82は可及的に短縮されることができる。
ケースカバー33bでは、給油室72は開口47に連続する。開口47は外側から蓋部材48で閉鎖される。給油室72にはクランクシャフト54の軸端が受け入れられることから、蓋部材48を外すことでケース本体33aからケースカバー33bを取り外すことなく、給油室72を通じてクランクシャフト54の軸端にアクセスすることができる。
接続油路82は、線形油路77から線形に延びて給油室72に開口する。接続油路82は給油室72に接続されることから、接続油路82の開放端は閉塞部材で塞がれる必要はなく、部品点数は削減され、エンジン31の組み立て工程は短縮される。
開口47を囲む周壁83には、接続油路82の延長として区画される空間84に重なる切り欠き85が形成されることから、空間84は周壁83に干渉しない。空間84と周壁83との干渉は回避される。空間84は接続油路82の形成にあたって用いられる工具(ドリル)の経路として利用される。切り欠き85の働きで工具と周壁83との干渉は回避される。
線形油路77は、クランクシャフト54の回転軸線Rxを含む鉛直面VPよりも後方に位置するオイルギャラリー96に同軸の導入路78に接続される。線形油路77は環状壁73の前方の開口端77aに至る。したがって、クランクシャフト54の後方側に位置するオイルギャラリー96から可及的に短いカバー内油路でエンジンオイルは給油室72まで導かれる。
図13に示されるように、ケースカバー33bから蓋部材48が外されると、給油室72の開口47から露出するクランクシャフト54の軸端にボルト99はねじ込まれることができる。ボルト99はクランキングに用いられることができる。ボルト99にはクランキング用の工具101が噛み合うことができる。こうしてメンテナンス作業は実現されることができる。
31…エンジン、33…クランクケース、33a…ケース本体、33b…ケースカバー、47…開口、48…蓋部材、54…クランクシャフト、64…クランク室、66…導入口、67…油路、68…雌ねじ、69…囲み壁、69a…合わせ面、71…外壁、72…給油室、73…環状壁、76…膨出部、77…カバー内油路としての線形油路、77a…開口端、78…カバー内油路としての導入路、79…(線形油路の延長の)空間、81…閉塞部材、82…カバー内油路としての接続油路、83…(開口を囲む)周壁、84…(接続油路の延長の)空間、85…切り欠き、96…オイルギャラリー、99…ボルト。

Claims (7)

  1. ケース本体(33a)に結合されるケースカバー(33b)でクランクシャフト(54)の軸端を覆って、回転自在に前記クランクシャフト(54)を収容するクランク室(64)を区画するクランクケース(33)と、
    前記クランクシャフト(54)内に形成されて、前記軸端で開口する導入口(66)から前記ケース本体(33a)内の空間に向かってオイルを案内する油路(67)と、
    前記ケースカバー(33b)に形成され、前記油路(67)の前記導入口(66)に接続され、前記ケース本体(33a)内のオイルギャラリー(96)から前記導入口(66)にオイルを導くカバー内油路(78、77、82)と
    を備えるエンジン(31)において、
    前記カバー内油路(78、77、82)は、線形に延びて前記ケースカバー(33b)の内側開口端(77a)を持つ線形油路(77)を含み、前記線形油路(77)の前記開口端(77a)は閉塞部材(81)で閉塞され、前記開口端(77a)側から前記線形油路(77)の延長として区画される空間(79)は前記ケースカバー(33b)に干渉しないことを特徴とするエンジン。
  2. ケース本体(33a)に結合されるケースカバー(33b)でクランクシャフト(54)の軸端を覆って、回転自在に前記クランクシャフト(54)を収容するクランク室(64)を区画するクランクケース(33)と、
    前記クランクシャフト(54)内に形成されて、前記軸端で開口する導入口(66)から前記ケース本体(33a)内の空間に向かってオイルを案内する油路(67)と、
    前記ケースカバー(33b)に形成され、前記油路(67)の前記導入口(66)に接続され、前記ケース本体(33a)内のオイルギャラリー(96)から前記導入口(66)にオイルを導くカバー内油路(78、77、82)と
    を備えるエンジン(31)において、
    前記カバー内油路(78、77、82)は、線形に延びて前記ケースカバー(33b)の内側に開口端(77a)を持つ線形油路(77)を含み、前記線形油路(77)の前記開口端(77a)は閉塞部材(81)で閉塞され、
    前記ケースカバー(33b)は、前記ケース本体(33a)に合わせ面(69a)で重ねられる囲み壁(69)と、前記囲み壁(69)から連続して前記囲み壁(69)で囲まれる空間を塞ぐ外壁(71)と、前記外壁(71)の内面から内方に膨らんで、内部に前記線形油路(77)を有する膨出部(76)とを有し、
    前記開口端(77a)側から前記線形油路(77)の延長として区画される空間(79)は前記囲み壁(69)に干渉しないことを特徴とするエンジン。
  3. 請求項2に記載のエンジンにおいて、
    前記ケースカバー(33b)は、前記外壁(71)の内面に、前記クランクシャフト(54)の軸端を液密に受け入れて前記カバー内油路(78、77、82)に接続される給油室(72)を区画する環状壁(73)を有し、
    前記環状壁(73)の壁面に前記膨出部(76)は連続し、前記環状壁(73)には前記線形油路(77)に前記給油室(72)を接続する接続油路(82)が形成される
    ことを特徴とするエンジン。
  4. 請求項3に記載のエンジンにおいて、前記ケースカバー(33b)は、前記外壁(71)の外面で前記給油室(72)を開放する開口(47)を有し、前記開口(47)は外側から蓋部材(48)で閉鎖されることを特徴とするエンジン。
  5. 請求項4に記載のエンジンにおいて、前記接続油路(82)は、前記線形油路(77)から線形に延びて前記給油室(72)に開口することを特徴とするエンジン。
  6. 請求項5に記載のエンジンにおいて、前記開口(47)を囲む周壁(83)には、前記接続油路(82)の延長として区画される空間(84)に重なる切り欠き(85)が形成されることを特徴とするエンジン。
  7. 請求項6に記載のエンジンにおいて、前記クランクシャフト(54)の前記軸端には、クランキングにあたって前記軸端にねじ込まれるボルト(99)の雄ねじにねじ結合する雌ねじ(68)が刻まれることを特徴とするエンジン。
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