JP6828071B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、回転自在にクランク軸のジャーナルを支持する壁体を有し、壁体の内側にピストンの線形往復運動を案内するシリンダースリーブの進入を受け入れるクランクケースと、壁体の外側に配置されて支軸回りで回転する回転体を含み、カム軸にクランク軸の回転を伝達する動力伝達機構とを備える内燃機関に関する。
特許文献1は内燃機関を開示する。内燃機関は、カム軸にクランク軸の動力を伝達する動力伝達機構を備える。動力伝達機構は、クランク軸に相対回転不能に固定される駆動歯車と、駆動歯車に噛み合って、クランクケースの壁体の外側に配置されて支軸回りで回転する被動歯車(回転体)とを含む。駆動歯車および被動歯車を含む歯車の組み合わせに基づきクランク軸の動力はカム軸まで伝達される。
特開2014−70639号公報
特許文献1に記載の内燃機関では、壁体の外壁面から回転体が張り出すことから、どうしてもクランク軸の軸方向に内燃機関は大型化してしまう。特に、特許文献1では、支軸の固定にあたって、外側から支軸を貫通して壁体にねじ込まれる軸体が用いられることから、雌ねじのねじ山を刻む雌ねじ穴の形成にあたって厚みのある壁体が要求される。したがって、支軸を保持する壁体では肉厚が増大し、クランク軸の軸方向に内燃機関はさらに大型化してしまう。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、小型化に寄与する動力伝達機構を備える内燃機関を提供することを目的とする。
本発明の第1側面によれば、回転自在にクランク軸のジャーナルを支持する壁体を有し、前記壁体の内側にピストンの線形往復運動を案内するシリンダースリーブの進入を受け入れるクランクケースと、前記壁体の外側に配置されて支軸回りで回転する回転体を含み、カム軸に前記クランク軸の回転を伝達する動力伝達機構とを備える内燃機関において、前記壁体には、外壁面から凹んで、前記支軸の軸方向に前記壁体の内側に向かって前記回転体を偏位させる凹部が形成され、前記壁体には、前記凹部の裏側で内壁面から突出して、前記支軸を受け入れる貫通孔を有し、前記シリンダースリーブに同軸であって前記シリンダースリーブに外接する仮想円筒面に交差する突出部が形成され、前記壁体は、前記突出部の周囲で前記凹部の底面を区画する薄壁を有し、少なくとも前記薄壁の一部は前記仮想円筒面に交差し、前記シリンダースリーブの下端には、シリンダー軸線および前記クランク軸の回転軸線を含む仮想平面に交差する位置で上端に向かって窪む切り欠きが形成され、前記凹部の少なくとも一部は、前記シリンダー軸線に直交し前記シリンダースリーブの下端に接する仮想平面よりも上方に位置する。
第2側面によれば、回転自在にクランク軸のジャーナルを支持する壁体を有し、前記壁体の内側にピストンの線形往復運動を案内するシリンダースリーブの進入を受け入れるクランクケースと、前記壁体の外側に配置されて支軸回りで回転する回転体を含み、カム軸に前記クランク軸の回転を伝達する動力伝達機構と、前記クランクケースに結合されて、外側から前記回転体を覆うカバー部材とを備える内燃機関において、前記壁体には、外壁面から凹んで、前記支軸の軸方向に前記壁体の内側に向かって前記回転体を偏位させる凹部が形成され、前記カバー部材には、内面から前記支軸に向かって突出し、前記支軸に結合されるボスが形成される。
第3側面によれば、第2側面の構成に加えて、前記壁体の内側から差し込まれて外側に向かって抜け止めされ、前記支軸を貫通する軸体と、前記軸体の先端の雄ねじに結合されて、前記壁体に前記支軸を固定する雌ねじ部材とを備え、前記支軸は、前記支軸の軸心回りで前記雌ねじ部材を囲み、前記ボスの嵌め込みを受け入れる拡径端を有する。
側面によれば、第1〜第側面のいずれか1の構成に加えて、前記回転体は、前記クランク軸に相対回転不能に固定される駆動歯車に噛み合う被動歯車と、前記被動歯車に同軸に結合されて前記被動歯車に同期して回転する駆動スプロケットとを有し、前記駆動スプロケットには、前記カム軸に向かって回転力を伝達するカムチェーンが巻き掛けられる。
側面によれば、第側面の構成に加えて、前記回転体では前記被動歯車は前記壁体と前記駆動スプロケットとの間に配置される。
第1側面によれば、回転体は、壁体の外壁面から凹んだ凹部の働きで、壁体の内側に向かって偏位するので、クランク軸の軸方向に壁体の外側に向かって回転体の張り出しは抑制されることができる。その結果、張り出しの抑制は内燃機関の小型化に寄与することができる。
また、突出部では壁体の壁厚が増加するので、支軸を受け入れる貫通孔の軸方向長さが増大し、回転体の回転時に支軸のぶれは抑制されることができる。壁体は内側に突出するので、内燃機関の大型化は回避されることができる。
また、凹部の形成にあたって壁体はピストンの軌道の下方に位置する空間に入り込むので、回転体の張り出しはさらに効果的に抑制されることができる。張り出しの抑制は内燃機関の小型化に貢献することができる。
また更に、凹部の形成にあたって凹部はできる限りカム軸に近い位置に配置されることから、内燃機関はクランク軸の軸方向に小型化されることができるだけでなくシリンダー軸線の軸方向にも小型化されることができる。
側面によれば、支軸は機関本体の壁体とカバー部材とで両持ち支持されるので、支軸の倒れは防止されることができる。その結果、回転体の回転時に摩擦抵抗および騒音は低減されることができる。
側面によれば、支軸とボスとの結合にあたって雌ねじ部材は支軸の拡径端に収容されることから、外側に向かって雌ねじ部材の張り出しは抑制されることができる。張り出しの抑制は内燃機関の小型化に寄与することができる。
側面によれば、クランク軸の回転は駆動歯車から被動歯車に伝達される。被動歯車はクランク軸よりもカム軸に近づくことから、カムチェーンは短縮されることができる。したがって、カムチェーンの共振音は低減されることができる。
側面によれば、被動歯車および駆動スプロケットは壁体の外側に配置されるものの、被動歯車は凹部に進入することから、カムチェーンの軌道は壁体の外壁面に近づくことができる。カムチェーンの軌道の外側に被動歯車の張り出しは回避されることができる。こうして内燃機関の小型化は実現されることができる
一実施形態に係る自動二輪車の全体構成を概略的に示す側面図である。 車体カバーが外された状態で自動二輪車の全体構成を概略的に示す側面図である。 内燃機関の拡大右側面図である。 クランク軸の回転軸線およびシリンダー軸線を含む切断面で切られた内燃機関の断面図である。 動弁機構の構造を概略的に示す内燃機関の拡大断面図である。 外壁で破断された機関本体の壁体の外面を概略的に示す内燃機関の拡大右側面図である。 図6の7−7線に沿って、支軸の軸心およびクランク軸の回転軸線を含む平面で切断された拡大断面図である。 ケースカバーの拡大斜視図である。 壁体の外壁面に形成される凹部を概略的に示す斜視図である。 凹部の裏側で壁体の内壁面から突出する突出部を概略的に示す斜視図である。 シリンダースリーブの構造を概略的に示す斜視図である。
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。ここで、車体の上下前後左右は自動二輪車に乗車した乗員の目線に基づき規定されるものとする。
図1は本発明の一実施形態に係る鞍乗り型車両である自動二輪車の全体像を概略的に示す。自動二輪車11は、車体フレーム12と、車体フレーム12に装着された車体カバー13とを備える。車体カバー13は、前方から車体フレーム12を覆うフロントカウル14と、燃料タンク15の外面から前方に連続し、燃料タンク15の後方の乗員シート16に接続されるタンクカバー17とを有する。燃料タンク15に燃料は貯留される。自動二輪車11の運転にあたって乗員は乗員シート16を跨ぐ。
車体フレーム12は、ヘッドパイプ18と、ヘッドパイプ18から後ろ下がりに延びて、後下端にピボットフレーム19を有する左右1対のメインフレーム21と、メインフレーム21の下方の位置でヘッドパイプ18から下方に延び、メインフレーム21に一体化されるダウンフレーム22と、メインフレーム21の湾曲域21aから後上がりに延びトラス構造を構成する左右のシートフレーム23とを有する。シートフレーム23に乗員シート16は支持される。
ヘッドパイプ18には操向自在にフロントフォーク24が支持される。フロントフォーク24には車軸25回りで回転自在に前輪WFが支持される。フロントフォーク24の上端には操向ハンドル26が結合される。運転者は自動二輪車11の運転にあたって操向ハンドル26の左右端のグリップを握る。
車両の後方で車体フレーム12にはピボット27回りで上下に揺動自在にスイングアーム28が連結される。スイングアーム28の後端に車軸29回りで回転自在に後輪WRが支持される。前輪WFと後輪WRとの間で車体フレーム12には後輪WRに伝達される駆動力を生成する内燃機関31が搭載される。内燃機関31はダウンフレーム22およびメインフレーム21に連結されて支持される。内燃機関31の動力は伝動装置を経て後輪WRに伝達される。
図2に示されるように、内燃機関31の機関本体は、後壁の上端および下端にメインフレーム21に連結されるエンジンハンガー32a、32bを有し、回転軸線Rx回りでクランク軸を回転させ動力を出力するクランクケース33と、クランクケース33の前部に上方から結合されて、回転軸線Rxに直交する鉛直面内に位置して水平面に対して起立するシリンダー軸線Cを有するシリンダーブロック34と、シリンダーブロック34の上端に結合されて、前壁にダウンフレーム22に連結されるエンジンハンガー32cを有し、動弁機構を支持するシリンダーヘッド35と、シリンダーヘッド35の上端に結合されて、シリンダーヘッド35上の動弁機構を覆うヘッドカバー36とを備える。
シリンダーヘッド35には、エアクリーナー37で浄化される空気に燃料を噴霧して混合気を生成し、シリンダーヘッド35で覆われる燃焼室に混合気を供給する吸気装置38と、燃焼室から排出される燃焼後の排ガスを触媒39で浄化し、排ガスの温度を降下させながら車体後方に排出する排気装置41とが接続される。排気装置41は、クランクケース33の下方をくぐって後輪WRの側方に沿って延び、クランクケース33の下方で触媒39を支持する排気管42を備える。
図3に示されるように、クランクケース33は、ケース本体33aと、回転軸線Rxに交差しながらケース本体33aに結合されるケースカバー33bとを備える。ケースカバー33bには外周に沿って複数の締結用ボス45が形成される。個々の締結用ボス45には、回転軸線Rxに平行な軸心を有するボルト46が差し込まれる。ボルト46はケースカバー33bを貫通してケース本体33aにねじ込まれる。
ケースカバー33bには回転軸線Rxに交差する開口47が区画される。開口47は外側から蓋部材48で閉鎖される。蓋部材48の輪郭は回転軸線Rxに同軸に円形に形成される。蓋部材48の外面には回転軸線Rxに同軸に正六角柱の穴49が形成される。穴49には六角レンチが受け入れられる。蓋部材48は例えば開口47に着脱自在にねじ込まれる。ねじ込みにあたって六角レンチは用いられることができる。
図4に示されるように、シリンダーブロック34にはシリンダー軸線Cに沿ってピストン51の線形往復運動を案内するシリンダースリーブ52が鋳込まれる。シリンダースリーブ52は内面でピストン51ごとにシリンダーを区画する。ここでは、シリンダーブロック34には回転軸線Rxに沿って4つのシリンダーが並び、内燃機関31はいわゆる直列4気筒に構成される。
図5に示されるように、ピストン51とシリンダーヘッド35との間に燃焼室53が区画される。燃焼室53には、シリンダーヘッド35に形成されて、吸気装置38の気路に接続される吸気路54と、シリンダーヘッド35に形成されて、排気管42に接続される排気路55とが開口する。シリンダヘッド35には、カム軸56の回転に応じて吸気路54を開閉する吸気弁57と、カム軸58の回転に応じて排気路55を開閉する排気弁59とが支持される。カム軸56、58は、それぞれ、回転軸線Rxに平行な軸心回りで回転する。
吸気弁57は、燃焼室53に臨んで吸気路54の開口を開閉するバルブヘッド57aと、下端でバルブヘッド57aに結合されて、上端でロッカーアーム61に連結されるバルブステム57bとを備える。バルブステム57bは軸方向に変位自在にシリンダーヘッド35に支持される。バルブステム57bの上端にはコッターの働きでリテーナー62が取り付けられる。シリンダーヘッド35とリテーナー62との間には圧縮状態で弦巻ばね63が挟まれる。弦巻ばね63は閉じ位置にバルブヘッド57aを保持する弾性力を発揮する。
ロッカーアーム61の先端にはカム軸56のカム56aを受け止めるスリッパー61aが形成される。カム軸56の回転時、カム56aはスリッパー61a上をスライドする。カム56aはバルブステム57bの上端にロッカーアーム61の先端を押し付ける。カム軸56の回転に応じてロッカーアーム61はロッカーアームシャフト64の軸心回りで揺動する。ロッカーアーム61はカム軸56の回転に応じて吸気弁57の開閉動作を引き起こす。
排気弁59は、燃焼室53に臨んで排気路55の開口を開閉するバルブヘッド59aと、下端でバルブヘッド59aに結合されて、上端でロッカーアーム65に連結されるバルブステム59bとを備える。バルブステム59bは軸方向に変位自在にシリンダーヘッド35に支持される。バルブステム59bの上端にはコッターの働きでリテーナー66が取り付けられる。シリンダーヘッド35とリテーナー66との間には圧縮状態で弦巻ばね67が挟まれる。弦巻ばね67は閉じ位置にバルブヘッド59aを保持する弾性力を発揮する。
ロッカーアーム65の先端にはカム軸58のカム58aを受け止めるスリッパー65aが形成される。カム軸58の回転時、カム58aはスリッパー65a上をスライドする。カム58aはバルブステム59bの上端にロッカーアーム65の先端を押し付ける。カム軸58の回転に応じてロッカーアーム65はロッカーアームシャフト68の軸心回りで揺動する。ロッカーアーム65はカム軸58の回転に応じて排気弁59の開閉動作を引き起こす。カム軸56、58の回転に応じて開閉する吸気弁57および排気弁59の働きで燃焼室53に混合気が導入され燃焼後の排ガスは燃焼室53から排気される。
図4に示されるように、クランクケース33には回転軸線Rx回りで回転自在にクランク軸71が支持される。クランク軸71は、回転軸線Rxに同軸に形成されるジャーナル72と、隣接するジャーナル72の間に配置されて、回転軸線Rxに平行に延びクランクウエブを相互に結合するクランクピン73を有するクランク74とを備える。クランクケース33には滑り軸受75aで個別に回転自在にジャーナル72を支持する壁体75が形成される。クランクピン73には、ピストン51から延びるコネクティングロッド76の大端部が回転自在に連結される。コネクティングロッド76はピストン51の線形往復運動をクランク軸71の回転運動に変換する。
クランク軸71の一端(左側の軸端)はクランクケース33の左側面から外側に突出する。クランク軸71の一端にはACG(交流発電機)77が接続される。クランクケース33の左側面にはクランクケース33との間にACG77を収容するACGカバー78が結合される。
クランク軸71の他端(右側の軸端)は最も右側に位置する壁体79(75)から外側に突出する。クランク軸71の他端には、カム軸56、58にクランク軸71の回転を伝達する動力伝達機構81が連結される。動力伝達機構81の詳細は後述される。クランクケース33は壁体79の内側にピストン51を収容する。壁体79の外側には、動力伝達機構81を収容する動力伝達室82が区画される。ケースカバー33bは、ケース本体33aに結合されてクランク軸71の軸端を覆い、外気から動力伝達室82を隔離する。
図6に示されるように、動力伝達機構81は、クランク軸71に相対回転不能に固定される駆動歯車84と、壁体79の外側に配置されて支軸85回りで回転し、駆動歯車84に噛み合う被動歯車86と、被動歯車86に同軸に結合されて、被動歯車86に同期して回転する駆動スプロケット87と、個々のカム軸56、58に個別に同軸に相対回転不能に固定される被動スプロケット88、89と、駆動スプロケット87および被動スプロケット88、89に巻き掛けられるカムチェーン91とを備える。クランク軸71の回転は駆動歯車84から被動歯車86に伝達される。被動歯車86の回転は駆動スプロケット87の回転を引き起こす。駆動スプロケット87の回転に応じてカムチェーン91は軌道に沿って循環しカム軸56、58を回転駆動する。カムチェーン91には、カムチェーン91の張力を維持するテンショナー機構92が作用する。駆動スプロケット87は駆動歯車84に比べてカム軸56、58に近い位置に配置される。
図7に示されるように、被動歯車86および駆動スプロケット87は1つの回転体を構成する。回転体の支持にあたって、動力伝達機構81は、壁体79の内側から差し込まれて外側に向かって抜け止めされ、支軸85を貫通する軸体93と、軸体93の先端の雄ねじ94に結合されて、壁体79に支軸85を固定する雌ねじ部材95とを備える。雌ねじ部材95には例えばナットが用いられる。
支軸85は、軸体93を受け入れる均一径の円柱体形状の軸方向通孔96を区画する中空体に形成される。支軸85には、軸方向通孔96に同軸であって、壁体79に形成される差し込み口97に差し込まれる第1円筒体85aと、軸方向通孔96に同軸であって、段差98で第1円筒体85aの後端に接続され、第1円筒体85aよりも大きい径の第2円筒体85bと、第2円筒体85bの後端から径方向外側に広がるフランジ85cとを有する。第2円筒体85bの段差98と壁体79の外壁面との間には第2円筒体85bよりも大径のワッシャー99が挟まれる。ワッシャー99とフランジ85cとの間で第2円筒体85bには転がり軸受101が装着される。転がり軸受101によって被動歯車86および駆動スプロケット87は支軸85に回転自在に結合される。
第2円筒体85bの後端には、軸方向通孔96の中心軸に直交する平面であって雌ねじ部材95を受け止める受け面102が形成される。第2円筒体85bの後端は、軸体93の軸心回りで雌ねじ部材95を囲む円筒体の拡径端103に形成される。拡径端103には、ケースカバー33bに形成されるボス104が結合される。
図8に示されるように、ケースカバー33bは、ケース本体33aに合わせ面105aで重ねられる囲み壁105と、囲み壁105から連続して囲み壁105で囲まれる空間を塞ぐ外壁106とを備える。ボス104は、外壁106の内面から支軸85に向かって突出する。ボス104は、軸方向通孔96に同軸に中空の円筒体に形成される。図7に示されるように、ボス104の先端は支軸85の拡径端103に嵌め込まれる。雌ねじ部材95はボス104の内側に収容される。
壁体79には、差し込み口97から連続して支軸85の軸方向通孔96の延長上に貫通孔107が形成される。軸体93は貫通孔107に受け入れられる。軸体93の一端には、貫通孔107よりも大径であって、壁体79の内壁面に当たるフランジ93aが形成される。フランジ93aは壁体79から外側に向かって軸体93の抜けを防止する。フランジ93aは軸体93の軸方向に雌ねじ部材95の高さHfよりも低い高さHsを有する。
軸体93の他端には、雌ねじ部材95よりも外側に突出し、雌ねじ部材95の内径よりも小径で、軸体93の軸心に平行な平面を有する把持用頭部108が形成される。把持用頭部108は平面の組み合わせで正六角柱に区画される。雌ねじ部材95の内径は雌ねじのねじ山の内径に相当する。
図9に示されるように、壁体79には、差し込み口97に同軸の円形の輪郭を有して外壁面から凹む凹部111が形成される。凹部111の輪郭は被動歯車86の外径よりも大きい。凹部111は部分的に滑り軸受75aに重なる。壁体79の外壁面には、カムチェーン91の軌道に沿って凹部111から連続する線形の窪み112が形成される。窪み112の間で壁体79には大きな壁厚が確保される。図7に示されるように、凹部111は、支軸85の軸方向に壁体79の内側に向かって被動歯車86を偏位させる。
図10に示されるように、壁体79には、凹部111の裏側で内壁面から突出する突出部113が形成される。突出部113には、支軸85を受け入れる差し込み口97から連続する貫通孔107が配置される。貫通孔107の周囲で、突出部113には、貫通孔107の中心軸に直交する平面で形成されて、軸体93のフランジ93aを受け止める受け面114が区画される。図7に示されるように、突出部113は、シリンダースリーブ52に同軸であってシリンダースリーブ52に外接する仮想円筒面CLに交差する。突出部113の周囲で凹部111の底面を区画する薄壁115の少なくとも一部は仮想円筒面CLに交差する。
図11に示されるように、シリンダースリーブ52の下端には、シリンダー軸線Cおよびクランク軸の回転軸線Rxを含む仮想平面PLに交差する位置で上端に向かって窪む切り欠き116が形成される。切り欠き116の縁は、仮想平面PLに近いほど、シリンダー軸線Cに直交しシリンダースリーブ52の下端に接する仮想平面BMから上方に遠ざかる。図7に示されるように、凹部111の少なくとも一部は仮想平面BMよりも上方に位置する。
本実施形態に係る内燃機関31では、クランクケース33の壁体79に、外壁面から凹んで、支軸85の軸方向に壁体79の内側に向かって被動歯車86を偏位させる凹部111が形成される。被動歯車86は、壁体79の外壁面から凹んだ凹部111の働きで、壁体79の内側に向かって偏位するので、クランク軸71の軸方向に壁体79の外側に向かって被動歯車86および駆動スプロケット87の張り出しは抑制される。その結果、張り出しの抑制は内燃機関31の小型化に寄与することができる。
壁体79には、凹部111の裏側で内壁面から突出し、シリンダースリーブ52に同軸であってシリンダースリーブ52に外接する仮想円筒面CLに交差する突出部113が形成される。突出部113では壁体79の壁厚が増加するので、軸体93を受け入れる貫通孔107の軸方向長さが増大し、被動歯車86および駆動スプロケット87の回転時に支軸85のぶれは抑制される。しかも、壁体79は内側に突出するので、内燃機関31の大型化は回避される。
本実施形態に係る壁体79は、突出部113の周囲で凹部111の底面を区画する薄壁115を有する。少なくとも薄壁115の一部は仮想円筒面CLに交差する。こうして凹部111の形成にあたって壁体79はピストン51の軌道の下方に位置する空間に入り込むので、駆動スプロケット87の張り出しはさらに効果的に抑制される。張り出しの抑制は内燃機関31の小型化に貢献する。
本実施形態では、シリンダースリーブ52の下端に、シリンダー軸線Cおよびクランク軸71の回転軸線Rxを含む仮想平面PLに交差する位置で上端に向かって窪む切り欠き116が形成される。凹部111の少なくとも一部は、シリンダー軸線Cに直交しシリンダースリーブ52の下端に接する仮想平面BMよりも上方に位置する。凹部111の形成にあたって凹部111はできる限りカム軸56、58に近い位置に配置されることから、内燃機関31はクランク軸71の軸方向に小型化されるだけでなくシリンダー軸線Cの軸方向にも小型化される。
本実施形態に係る回転体は、クランク軸71に相対回転不能に固定される駆動歯車84に噛み合う被動歯車86と、被動歯車86に同軸に結合されて被動歯車86に同期して回転する駆動スプロケット87とを有する。駆動スプロケット87には、カム軸56、58に向かって回転力を伝達するカムチェーン91が巻き掛けられる。クランク軸71の回転は駆動歯車84から被動歯車86に伝達される。被動歯車86はクランク軸71よりもカム軸56、58に近づくことから、カムチェーン91は短縮される。したがって、カムチェーン91の共振音は低減される。
被動歯車86は壁体79と駆動スプロケット87との間に配置される。すなわち、被動歯車86は支軸85の軸方向に壁体79に近い位置に配置される。被動歯車86および駆動スプロケット87は壁体79の外側に配置されるものの、被動歯車86は凹部111に進入することから、カムチェーン91の軌道は壁体79の外壁面に近づく。カムチェーン91の軌道の外側に被動歯車86の張り出しは回避される。こうして内燃機関31の小型化は実現される。
ケースカバー33bには、内面から支軸85に向かって突出し、支軸85に結合されるボス104が形成される。支軸85はクランクケース33の壁体79とケースカバー33bとで両持ち支持されるので、支軸85の倒れは防止される。その結果、被動歯車86および駆動スプロケット87の回転時に摩擦抵抗および騒音は低減されることができる。
支軸85は、軸体93の軸心回りで雌ねじ部材95を囲み、ボス104の嵌め込みを受け入れる拡径端103を有する。支軸85とボス104との結合にあたって雌ねじ部材95は支軸85の拡径端103に収容されることから、外側に向かって雌ねじ部材95の張り出しは抑制される。張り出しの抑制は内燃機関31の小型化に寄与する。
31…内燃機関、33…クランクケース、33b…カバー部材(ケースカバー)、51…ピストン、52…シリンダースリーブ、56…カム軸、58…カム軸、71…クランク軸、72…ジャーナル、79…壁体、81…動力伝達機構、85…支軸、86…回転体(被動歯車)、87…回転体(駆動スプロケット)、91…カムチェーン、93…軸体、94…雄ねじ、95…雌ねじ部材、97…貫通孔(差し込み口)、103…拡径端、104…ボス、107…貫通孔、111…凹部、113…突出部、115…薄壁、116…切り欠き、BM…(シリンダースリーブに接する)仮想平面、C…シリンダー軸線、CL…(シリンダースリーブに同軸の)仮想円筒面、PL…(シリンダー軸線および回転軸線を含む)仮想平面、Rx…(クランク軸の)回転軸線。

Claims (5)

  1. 回転自在にクランク軸(71)のジャーナル(72)を支持する壁体(79)を有し、前記壁体(79)の内側にピストン(51)の線形往復運動を案内するシリンダースリーブ(52)の進入を受け入れるクランクケース(33)と、
    前記壁体(79)の外側に配置されて支軸(85)回りで回転する回転体(86、87)を含み、カム軸(56、58)に前記クランク軸(71)の回転を伝達する動力伝達機構(81)とを備える内燃機関(31)において、
    前記壁体(79)には、外壁面から凹んで、前記支軸(85)の軸方向に前記壁体(79)の内側に向かって前記回転体(86、87)を偏位させる凹部(111)が形成され
    前記壁体(79)には、前記凹部(111)の裏側で内壁面から突出して、前記支軸(85)を受け入れる貫通孔(97、107)を有し、前記シリンダースリーブ(52)に同軸であって前記シリンダースリーブ(52)に外接する仮想円筒面(CL)に交差する突出部(113)が形成され、
    前記壁体(79)は、前記突出部(113)の周囲で前記凹部(111)の底面を区画する薄壁(115)を有し、少なくとも前記薄壁(115)の一部は前記仮想円筒面(CL)に交差し、
    前記シリンダースリーブ(52)の下端には、シリンダー軸線(C)および前記クランク軸(71)の回転軸線(Rx)を含む仮想平面(PL)に交差する位置で上端に向かって窪む切り欠き(116)が形成され、前記凹部(111)の少なくとも一部は、前記シリンダー軸線(C)に直交し前記シリンダースリーブ(52)の下端に接する仮想平面(BM)よりも上方に位置することを特徴とする内燃機関。
  2. 回転自在にクランク軸(71)のジャーナル(72)を支持する壁体(79)を有し、前記壁体(79)の内側にピストン(51)の線形往復運動を案内するシリンダースリーブ(52)の進入を受け入れるクランクケース(33)と、
    前記壁体(79)の外側に配置されて支軸(85)回りで回転する回転体(86、87)を含み、カム軸(56、58)に前記クランク軸(71)の回転を伝達する動力伝達機構(81)と、
    前記クランクケース(33)に結合されて、外側から前記回転体(86、87)を覆うカバー部材(33b)を備える内燃機関(31)において、
    前記壁体(79)には、外壁面から凹んで、前記支軸(85)の軸方向に前記壁体(79)の内側に向かって前記回転体(86、87)を偏位させる凹部(111)が形成され、
    前記カバー部材(33b)には、内面から前記支軸(85)に向かって突出し、前記支軸(85)に結合されるボス(104)が形成されることを特徴とする内燃機関。
  3. 請求項に記載の内燃機関において、前記壁体(79)の内側から差し込まれて外側に向かって抜け止めされ、前記支軸(85)を貫通する軸体(93)と、前記軸体(93)の先端の雄ねじ(94)に結合されて、前記壁体(79)に前記支軸(85)を固定する雌ねじ部材(95)とを備え、前記支軸(85)は、前記軸体(93)の軸心回りで前記雌ねじ部材(95)を囲み、前記ボス(104)の嵌め込みを受け入れる拡径端(103)を有することを特徴とする内燃機関。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の内燃機関において、前記回転体は、前記クランク軸(71)に相対回転不能に固定される駆動歯車(84)に噛み合う被動歯車(86)と、前記被動歯車(86)に同軸に結合されて前記被動歯車(86)に同期して回転する駆動スプロケット(87)とを有し、前記駆動スプロケット(87)には、前記カム軸(56、58)に向かって回転力を伝達するカムチェーン(91)が巻き掛けられることを特徴とする内燃機関。
  5. 請求項に記載の内燃機関において、前記回転体(86、87)では前記被動歯車(86)は前記壁体(79)と前記駆動スプロケット(87)との間に配置されることを特徴とする内燃機関。
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