JP6790457B2 - 注出口具付きガゼット袋 - Google Patents
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Description
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、相対する平面シートとこの平面シートの間に二つ折りして折り入れられていて平面シートの幅方向に相対する側面シートとからなり、前記平面シートの相対するシート縁部同士が融着され、平面シートと側面シートとの相対するシート縁部同士が融着されている袋本体と、前記袋本体の上部側の一方の隅部を傾斜させた平面シートの傾斜シート縁部の間に挟み込みして融着により取り付けられている注出口具とを有する注出口具付きガゼット袋において、
注出口具の取り付け部分側の前記側面シートに、該側面シートの上部を二つ折りの状態で袋側部に向けて折り返して前記傾斜シート縁部の間に側面シートを非存在にする注出口具取付用逃げ部が設けられていて、
前記袋本体の上辺で前記平面シートの相対するシート面同士を融着するとともに平面シートと側面シートとの相対するシート面同士を融着して袋本体の上部を閉じる融着部が形成されていて、袋本体の上辺とされた前記融着部の上方に持ち手部が設けられており、
前記融着部は、前記注出口具が取り付けられている部分より袋高さ方向の上方であってこの注出口具が取り付けられている部分に近接する高さ位置にあり、袋本体の幅方向に亘って直線状とされていることを特徴とする注出口具付きガゼット袋を提供して、上記課題を解消するものである。
そして本発明において、上記融着部の上方に平面シートと側面シートとが延設されていて、上記持ち手部は、この持ち手部の形成位置の少なくとも一部分に前記融着部の上方に延設された平面シートと側面シートとが重ね合わされている領域が含まれるようにして切り込み形成されているものであることが良好である。
また本発明において、上記注出口具は、上記傾斜シート縁部での注出口具取付用逃げ部側に偏倚しているものであることが良好である。
また本発明において、上記袋本体の下辺で上記平面シートと側面シートとのシート縁部が融着されている部分において、側面シートのシート縁部の二つ折りして同一位置となる部分に切り欠き部が設けられていて、袋本体の下辺での平面シートの前記切り欠き部の位置で相対するシート縁部同士が融着されているものであることが良好である。
請求項1の発明によれば、注出口具側の側面シートの上部を袋側部に折り返して注出口具取付用逃げ部が設けられて、傾斜シート縁部の間には側面シートが存在しないようにしているので、傾斜シート縁部の間において注出口具を取り付ける位置の選択幅が広くなるという効果を有する。
請求項2の発明によれば、持ち手部の下部にこの持ち手部と収納空間とを区切る融着部が位置することとなり、持ち手部から収納物が漏れ出るのを確実に防止できる。また持ち手部を、平面シートと側面シートとが重なっている領域が含まれるようにして形成しているので、持ち手部の強度を別部材を用いることなしに高めることができ、収納物の容量が大きい場合でも持ち手部の切れを防止できる。
請求項3の発明によれば、注出口具を注出口具取付用逃げ部側に偏倚させて位置させているので、注出口具の袋幅方向の位置から側方に食み出る袋側部が存在しないか、或いは僅かだけ食み出る程度のものとなり、相手容器の口部に注出口具をより近付け易くなり、より安全に収納物を注ぎ出すことができる。
請求項4の発明によれば、平面シートの下辺となる相対したシート縁部を側面シートの切り欠き部の位置で直接融着しているので、袋本体の底部での破袋強度がより高まり、収納物を収納した後の輸送時に破袋が生じ難くなるという効果がある。
実施の形態のガゼット袋1では、袋本体2の上部側の一隅が図示されているように直線状に傾斜していて、袋正面と袋背面となる平面シート4それぞれの上部一隅が傾斜して相対する傾斜シート縁部9同士をヒートシールにより融着した融着部によって傾斜側辺10が形成されている。そして、この傾斜側辺10において注出口具3が配置されていて、平面シート4の傾斜シート縁部9の間に注出口具3の取付部11を挟み込みし、この取付部11を傾斜シート縁部9で挟み込んだ状態でヒートシールにより融着した注出口具3が取り付けられている。
袋本体2は、注出口具3の取付部11が固定されている部分より袋高さ方向の上方であってこの取付部11が固定されている部分に近接する高さ位置を上辺12としていて、この上辺12の袋高さ方向での高さ位置で平面シート4の相対するシート面同士を融着するとともに平面シート4と側面シート5との相対するシート面同士をヒートシールにより融着しており、この上辺12を袋本体2の上部を閉じる融着部13としている。この融着部13は袋本体2の幅方向に亘って直線状とされ、一方が上記傾斜シート縁部9に連続し、他方が注出口具側とは反対の側辺6に連続している。
袋本体2の上辺12とした上記融着部13の位置から図示されているように平面シート4、側面シート5それぞれが上方に延設されている。そして平面シート4の延設上端辺となるシート縁部と側面シート5の延設上端辺となるシート縁部とが直接相対し、また袋本体2の中央部分では平面シート4の延設上端辺のシート縁部同士が直接相対し、ヒートシールにより融着して上端融着部14が形成されいる。この上端融着部14自体は袋本体2の側辺6(注出口具側とは反対位置の側辺)と連続しているとともに、上記傾斜融着部8とも連続する。
図示されているように上記注出口具3が取り付けられている側の側面シート5にあっては、袋本体2の内部側で略三角形状の注出口具取付用逃げ部16が設けられている。この注出口具取付用逃げ部16は、側面シート5の上部を二つ折りの状態のままで袋側部に向けて折り返して、側面シート5自体に重ね合わせた略三角形状としてなるものであり、側辺6側となる側部をこの側辺6の融着部部分で一体にヒートシールにより融着固定している。
さらにこの注出口具取付用逃げ部16の下辺には、この注出口具取付用逃げ部16が重ね合わされている側面シート5にヒートシールにより融着した閉鎖融着部17が融着部である側辺6にまで達して形成されている。この閉鎖融着部17が存在することで注出口具取付用逃げ部16と側面シート5との間に収納物が進入するのを防止する。
実施の形態の注出口具付きガゼット袋1では、収納物を収納して袋本体2の下部にこの袋本体2を平面板などの上に据え置きできる広がった面の底部が形成される。そして、収納物を収納した状態で広がりのある底部において破袋が生じないように袋本体2の下辺7が補強されている。袋本体2の前記下辺7の補強は平面シート4同士を直接ヒートシールして融着した箇所を多くすることによって行われているものである。
つぎにシートから袋本体が形成され注出口具を有する袋において形状の異なるものを作製して、モニター評価を実施し、その結果を表1に示す。
・実施例として、上述した実施の形態のガゼット袋を作製した。
・比較例1として、注出口具が袋上部一隅にて斜め上方に向けて傾斜しているスタンディングパウチ形状の袋を作製した。
・比較例2として、側面にマチを配したガゼット形状で袋上辺中央に注出口具が配され、注出口具を跨ぐ略門状の持ち手部を袋本体の上辺に一体に設けた袋を作製した。
・比較例3として、袋本体の収納部の壁面となる平面シートに注出口具を配置し、袋本体の上辺全体を上方に延設してその延設された部分に持ち手部を配した袋を作製した。この比較例3での注出口具は一枚の平面シートに開けた取付孔に装着して溶着固定されているものとした。
実施例と比較例1〜3の袋本体に用いたシート(積層体)は、ドライラミネート法によって貼り合わされてなるものであり、以下の構成とした。
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET 12μm)/接着剤層/二軸延伸ナイロンフィルム(ONY 15μm)/接着剤層/直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDP 150μm)
上記積層体としたシートで袋本体を作製し、注出口具を取り付けて、実施例、比較例1〜3の袋を作製した。そして、4リットルの水を入れ、自立性、運び易さ、注ぎ易さ(注ぎ相手大:バケツ、注ぎ相手小:プラスチックボトル)に対してのモニター評価を実施した。
つぎに本発明の実施の形態である上記実施例(図3(A)の袋)と、袋底部を底面シートを用いて構成している角底ガゼットの袋とした比較例4とを作製し、高さ1mの位置から落下試験を実施した。その結果を表2に示す。
比較例4は実施例の袋と底部の構造が相違するだけとして他の部位については同じとしており、袋底部の構成では、底面シートを用いこの底面シートを平面シートとの重ね合わせとなる縁同士で溶着するとともに、底面シートと側面シートとの重ね合わせとなる縁同士で溶着を行なって角底ガゼットとした。そして実施例と比較例4の袋それぞれに4リットルの水を入れ、最大落下回数を50回として何回目の落下で破袋したかを確認した。
2…袋本体
3…注出口具
4…平面シート
5…側面シート
6…袋本体の側辺
7…袋本体の下辺
8…傾斜融着部
9…傾斜シート縁部
10…傾斜側辺
11…注出口具の取付部
12…袋本体の上辺
13…融着部
14…上端融着部
15…持ち手部
16…注出口具取付用逃げ部
17…閉鎖融着部
18…切り欠き部
19…傾斜融着部
Claims (4)
- 相対する平面シートとこの平面シートの間に二つ折りして折り入れられていて平面シートの幅方向に相対する側面シートとからなり、前記平面シートの相対するシート縁部同士が融着され、平面シートと側面シートとの相対するシート縁部同士が融着されている袋本体と、前記袋本体の上部側の一方の隅部を傾斜させた平面シートの傾斜シート縁部の間に挟み込みして融着により取り付けられている注出口具とを有する注出口具付きガゼット袋において、
注出口具の取り付け部分側の前記側面シートに、該側面シートの上部を二つ折りの状態で袋側部に向けて折り返して前記傾斜シート縁部の間に側面シートを非存在にする注出口具取付用逃げ部が設けられていて、
前記袋本体の上辺で前記平面シートの相対するシート面同士を融着するとともに平面シートと側面シートとの相対するシート面同士を融着して袋本体の上部を閉じる融着部が形成されていて、袋本体の上辺とされた前記融着部の上方に持ち手部が設けられており、
前記融着部は、前記注出口具が取り付けられている部分より袋高さ方向の上方であってこの注出口具が取り付けられている部分に近接する高さ位置にあり、袋本体の幅方向に亘って直線状とされていることを特徴とする注出口具付きガゼット袋。 - 上記融着部の上方に平面シートと側面シートとが延設されていて、上記持ち手部は、この持ち手部の形成位置の少なくとも一部分に前記融着部の上方に延設された平面シートと側面シートとが重ね合わされている領域が含まれるようにして切り込み形成されているものである請求項1に記載の注出口具付きガゼット袋。
- 上記注出口具は、上記傾斜シート縁部での注出口具取付用逃げ部側に偏倚している請求項1または2に記載の注出口具付きガゼット袋。
- 上記袋本体の下辺で上記平面シートと側面シートとのシート縁部が融着されている部分において、側面シートのシート縁部の二つ折りして同一位置となる部分に切り欠き部が設けられていて、袋本体の下辺での平面シートの前記切り欠き部の位置で相対するシート縁部同士が融着されている請求項1から3の何れか一項に記載の注出口具付きガゼット袋。
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