JP6788700B2 - 果汁含有製品の熱劣化臭マスキング剤 - Google Patents
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Description
項1.以下のa群〜c群からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する、果汁含有製品の熱劣化臭マスキング剤;
(a群)レブリン酸、リナロールオキシド、2−アセチルピロール、けい皮酸、及びγ−ブチロラクトン、
(b群)安息香酸ベンジル、乳酸ベンジル、ゲラン酸、イソホロン、シクロテンブチレート、ラウリン酸、3−メチル−1−ブタノール、メントール、及びリナロール、
(c群)ヘリオトロピン、ピルビン酸エチル、アセト酢酸エチル、及び安息香酸ベンジル。
本発明が対象とする果汁含有製品には果汁を含む食品一般が広く包含され、例えば果汁そのもの、果汁を水や糖液等で希釈して調製される果汁入り清涼飲料、果汁入り混合飲料、果汁入り炭酸飲料、果汁入り乳飲料、果実飲料、果汁入り濃厚シラップ等の各種飲料;果汁入りリキュール等のアルコール類;果汁入りゼリー、ムース;アイスクリーム、シャーベット等の冷菓;果汁入りグミ、キャンディー、ガム等の菓子類を挙げることができる。また果肉含有食品には果肉を含む食品又は果実を原料として製造される食品一般が広く包含され、例えば果実ピューレ、ネクター等の果肉飲料、フルーツカクテル、フルーツ入りのケーキ,ゼリー,ムース等の菓子類、アイスクリーム,シャーベット等の冷菓、果実入り缶詰や瓶詰め、果実ソース、果実バター、果実酒、果実酢等を挙げることができる。
(2)熱劣化処理により生成された臭気成分(すなわち、熱劣化していない果汁含有製品に比べて、熱劣化処理した果汁含有製品において、新たに生成した臭気成分又は増加している臭気成分)のうち、劣化臭を構成する主要な物質を特定すること
により、同定した。
(a群)レブリン酸、リナロールオキシド、2−アセチルピロール、けい皮酸、及びγ−ブチロラクトン、
(b群)安息香酸ベンジル、乳酸ベンジル、ゲラン酸、イソホロン、シクロテンブチレート、ラウリン酸、3−メチル−1−ブタノール、メントール、及びリナロール、
(c群)ヘリオトロピン、ピルビン酸エチル、アセト酢酸エチル、及び安息香酸ベンジル。
本発明においては、当該化合物として、天然香料からの精製物、又は化学反応による合成物を制限なく用いることができる。簡便には、本発明において、これらの市販品を好適に使用することができる。
a群、b群及びc群のうちの2群からそれぞれ選択した各1種以上(計2種以上)の化合物を組み合わせて用いることが好ましく、
a群、b群及びc群のうちの3群全てからそれぞれ選択した各1種以上(計3種以上)の化合物を組み合わせて用いることがより好ましい。
(a群)レブリン酸、リナロールオキシド、2−アセチルピロール、けい皮酸、及び、γ−ブチロラクトン、
(b群)安息香酸ベンジル、乳酸ベンジル、ゲラン酸、イソホロン、シクロテンブチレート、ラウリン酸、3−メチル−1−ブタノール、メントール、及び、リナロール、
(c群)アセト酢酸エチル、及び安息香酸ベンジル。
当該化合物各々の果汁含有製品全体に対する濃度が、
0.0000025ppb〜100000ppbの範囲内となるように使用することが好ましく、
0.000025ppb〜10000ppbの範囲内となるように使用することがより好ましく、及び
0.00025ppb〜1000ppbの範囲内となるように使用することが更に好ましい。
劣化臭のマスキング効果を十分に得つつ、かつ前記マスキング剤化合物自体が有する香り及び/又は味が果汁含有製品の香り及び/又は味に望まない影響を与えることを抑制する観点から、上記範囲で使用することが好ましい。
ショ糖、グルコース、フルクトース、パラチノース、キシロース、水あめ及び麦芽糖等の糖質;
ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、パラチニット、及び還元水飴等の糖アルコール;
アスパルテーム、ソーマチン、スクラロース、アセスルファムカリウム、及びステビア等の高甘味度甘味料;
寒天、ゼラチン、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、ペクチン、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン、グルコマンナン及びジェランガム等の増粘剤;
ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及びレシチン等の乳化剤;
ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、及びビタミンE等のビタミン類;
生乳、牛乳、脱脂乳、及び加工乳等の乳;
発酵乳、濃縮乳、練乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリーム、チーズ、及びバター等の乳製品;
パーム油、ヤシ油等の油脂;
クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸等の酸味料;
上記「他の香料成分」にて例示した香料
等を挙げることができる。
(主要臭気物質の同定)
以下に示す手順に従って、果汁含有製品の熱劣化臭における主要臭気物質を同定した。
市販のオレンジ5倍濃縮果汁にイオン交換水を添加して、果汁100%液を調製した。この液を93℃達温にてホットパック充填することで殺菌後、200ml容量のペットボトルに充填・密閉してオレンジ果汁飲料を調製した。
また、市販のリンゴ4倍濃縮果汁、又はブドウ5倍濃縮果汁を用いて、前記オレンジ果汁飲料と同様の方法により、リンゴ果汁飲料、又はブドウ果汁飲料を調製した。
前記で調製した容器詰オレンジ果汁飲料、リンゴ果汁飲料、及びブドウ果汁飲料を40℃の恒温槽中で1週間保管することにより、熱劣化処理果汁飲料を調製した。別途、容器詰オレンジ果汁飲料、リンゴ果汁飲料、及びブドウ果汁飲料を5℃の冷蔵庫にて1週間保管することにより、熱劣化処理をしていない果汁飲料を調製した。
前記熱劣化処理を施した3種の果汁飲料、及び熱劣化処理なしの3種の果汁飲料をGC/Oにより分析し、同じ果汁種における熱劣化処理有無による臭気物質の差から、オレンジ果汁、リンゴ果汁、及びブドウ果汁に共通する熱劣化臭における主要臭気物質として、4−ビニルグアイアコール、フルフラール、及びメチオナールの3種の化合物を同定した。
なお、GC/Oの測定条件を以下に示す。
・GC/O装置:6890N(Agilent Technologies社製)/CharmAnalysis(TM)(Datu社製)
・カラム:DB−WAX/長さ15m、内径0.32mm(Agilent Technologies社製)
・カラム温度条件:40〜220℃、6℃/分昇温
・キャリアガス:ヘリウム。
(主要臭気物質の検証)
(熱劣化果汁飲料の調製1)
市販の果汁100%オレンジ果汁飲料を200ml容量のペットボトルに200ml充填・密閉し、40℃の恒温槽中で1週間保管することで、熱劣化オレンジ果汁飲料を調製した。別途、容器詰オレンジ果汁飲料を40℃の恒温槽ではなく、5℃の冷蔵庫にて1週間保管することにより、熱劣化処理をしていないオレンジ果汁飲料を調製した。
熱劣化処理を行っていない容器詰オレンジ果汁飲料、リンゴ果汁飲料、及びブドウ果汁飲料に、4−ビニルグアイアコール、フルフラール、及びメチオナールの3種の化合物を全て添加して擬似熱劣化果汁飲料を調製した。
<評価基準>
熱劣化処理した果汁飲料と同等の臭気である:5点
熱劣化処理した果汁飲料に類似する臭気である:4点
熱劣化処理した果汁飲料に類似する臭気と異質の臭気が混在する:3点
熱劣化処理した果汁飲料とは異質の臭気である:2点
熱劣化処理した果汁飲料とは全く異質の臭気である:1点
(評価結果)
擬似熱劣化果汁飲料の上記評価の結果(7名の平均値)は、オレンジ果汁飲料において4.71、リンゴ果汁飲料において4.57、及びブドウ果汁飲料において4.71であり、3種の主要臭気物質により、熱劣化した果汁飲料に生じる劣化臭と同等の臭気が良好に再現されることを確認した。
(4-ビニルグアイアコールに対するa群化合物のマスキング効果)
4−ビニルグアイアコールを95%エタノール中に0.01質量%濃度となるように溶解し、この溶液を、4−ビニルグアイアコールの濃度が100ppbとなるようにイオン交換水に添加した。このようにして調製した4−ビニルグアイアコール含有水溶液に、a群の化合物(レブリン酸、リナロールオキシド、2−アセチルピロール、けい皮酸、及びγ−ブチロラクトン)の各々を95%エタノールに溶解した液を、表2に記載の濃度となるようにそれぞれ添加して、4−ビニルグアイアコールに対するマスキング効果を官能評価により確認した。
<評価基準>
4−ビニルグアイアコール臭をより強く感じる:5点
4−ビニルグアイアコール臭を強く感じる:4点
4−ビニルグアイアコール臭を感じる:3点
4−ビニルグアイアコール臭を少し感じる:2点
4−ビニルグアイアコール臭を殆ど感じない:1点
4−ビニルグアイアコール臭を全く感じない:0点
(フルフラールに対するb群化合物のマスキング効果)
実験例3において、a群化合物をb群化合物(安息香酸ベンジル、乳酸ベンジル、ゲラン酸、イソホロン、シクロテンブチレート、ラウリン酸、3−メチル−1−ブタノール、メントール、又はリナロール)に、4−ビニルグアイアコールをフルフラールに、またフルフラールの95%エタノール中の濃度を0.1質量%にして、試験液中のフルフラールの濃度を1000ppbに変更した以外は、実験例3と同様の方法により、b群化合物のフルフラールに対するマスキング効果、及びメントールの添加量に対するマスキング効果を評価した。
<評価基準>
フルフラール臭をより強く感じる:5点
フルフラール臭を強く感じる:4点
フルフラール臭を感じる:3点
フルフラール臭を少し感じる:2点
フルフラール臭を殆ど感じない:1点
フルフラール臭を全く感じない:0点
※前記のフルフラールを1000ppb含有するイオン交換水の評価を「フルフラール臭を強く感じる:4点」とした。
評価結果を表4及び表5に示した。
(メチオナールに対するc群化合物のマスキング効果)
実験例3において、a群化合物をc群化合物(ヘリオトロピン、ピルビン酸エチル、アセト酢酸エチル、又は安息香酸ベンジル)に、また4−ビニルグアイアコールをメチオナールに、またメチオナールの95%エタノール中の濃度を0.0001質量%にして、試験液中のメチオナールの濃度を1ppbに変更した以外は、実験例3と同様の方法により、c群化合物のメチオナールに対するマスキング効果、及びピルビン酸エチルの添加量に対するマスキング効果を評価した。
<評価基準>
メチオナール臭をより強く感じる:5点
メチオナール臭を強く感じる:4点
メチオナール臭を感じる:3点
メチオナール臭を少し感じる:2点
メチオナール臭を殆ど感じない:1点
メチオナール臭を全く感じない:0点
※前記のメチオナールを1ppb含有するイオン交換水の評価を「メチオナール臭を強く感じる:4点」とした。
評価結果を表6及び表7に示した。
(果汁飲料に主要臭気物質を添加した擬似熱劣化果汁飲料に対する劣化臭マスキング剤のマスキング効果1)
前記した「(擬似熱劣化果汁飲料の調製)」において調製した擬似熱劣化オレンジ果汁飲料に対して、表8に記載したマスキング剤化合物を当該表中記載の量で添加し、それらのマスキング効果を官能評価により確認した。
異臭をより強く感じる:5点
異臭を強く感じる:4点
異臭を感じる:3点
異臭を少し感じる:2点
異臭を殆ど感じない:1点
異臭を全く感じない:0点
(果汁飲料に主要臭気物質を添加した擬似熱劣化果汁飲料に対する劣化臭マスキング剤のマスキング効果2)
実験例6において、擬似熱劣化オレンジ果汁飲料を擬似熱劣化リンゴ果汁飲料に、また、表8に記載したマスキング剤化合物を表9に記載したマスキング剤化合物に変更した以外は、実験例6と同様の方法により、擬似熱劣化果汁飲料に対する劣化臭マスキング剤化合物のマスキング効果を確認した。
(果汁飲料に主要臭気物質を添加した擬似熱劣化果汁飲料に対する劣化臭マスキング剤のマスキング効果3)
実験例6において、擬似熱劣化オレンジ果汁飲料を擬似熱劣化ブドウ果汁飲料に、また、表8に記載したマスキング剤化合物を表10に記載したマスキング剤化合物に変更した以外は、実験例6と同様の方法により、擬似熱劣化果汁飲料に対する劣化臭マスキング剤のマスキング効果を確認した。
(果汁飲料における劣化臭マスキング剤化合物のマスキング効果1)
市販のオレンジ5倍濃縮果汁にイオン交換水を添加して、果汁100%液を調製した。この液を93℃達温にてホットパック充填することで殺菌後、200ml容量のペットボトルに充填・密封してオレンジ果汁飲料を調製した。前記で調製した容器詰オレンジ果汁飲料を40℃の恒温槽中で1週間保管することにより、熱劣化オレンジ果汁飲料を調製した。別途、容器詰オレンジ果汁飲料を40℃の恒温槽ではなく、5℃の冷蔵庫にて1週間保管することにより、熱劣化処理をしていないオレンジ果汁飲料を調製した。
<評価基準>
異臭をより強く感じる:5点
異臭を強く感じる:4点
異臭を感じる:3点
異臭を少し感じる:2点
異臭を殆ど感じない:1点
異臭を全く感じない:0点
(果汁飲料における劣化臭マスキング剤化合物のマスキング効果2)
市販のリンゴ4倍濃縮果汁にイオン交換水を添加して調製した果汁100%液を、93℃達温にてホットパック充填することで殺菌後、前記液に、予め95%エタノールに溶解しておいた表13記載のマスキング剤化合物を、表中の量になるように添加した後、200ml容量のペットボトルに充填・密封して、容器詰リンゴ果汁飲料を調製した。前記で調製したマスキング剤添加リンゴ果汁飲料を、マスキング剤化合物を添加せずに別途調製した容器詰リンゴ果汁飲料と共に、40℃の恒温槽中で1週間保管することにより、熱劣化処理したリンゴ果汁飲料を調製した。別途、マスキング剤化合物を添加せずに調製した容器詰リンゴ果汁飲料を40℃の恒温槽ではなく、5℃の冷蔵庫にて1週間保管することにより、熱劣化処理をしていないリンゴ果汁飲料を調製した。
(果汁飲料における劣化臭マスキング剤化合物のマスキング効果3)
実験例10において、リンゴ4倍濃縮果汁をブドウ5倍濃縮果汁に、また、表13記載のマスキング剤化合物を表14記載のマスキング剤化合物に変更した以外は、実験例10と同様の方法により、マスキング剤化合物のマスキング効果を確認し、その評価結果を表14に示した。
(果汁含有ゼリーにおける劣化臭マスキング剤化合物のマスキング効果)
<ブドウ果汁含有ゼリーの調製>
(1)水に下記表15に示す原材料1、2及び7〜9を当該表15に示す配合割合(質量部)で加え、常温で10分間撹拌後、80℃10分間加熱撹拌溶解した。
(2)工程(1)で得られた溶液に下記表15に示す原材料3〜6及び10を当該表15に示す配合割合(質量部)で加え、撹拌しながら水にて全量補正した。
(3)工程(2)で得られた溶液100gをポリプロピレン袋(10cm×8cm×約1.5cm)に充填し、85℃30分間加熱殺菌した後、5℃以下に冷却してマスキング剤化合物添加ゼリー及びマスキング剤化合物添加なしゼリーを調製した。
マスキング剤化合物添加ゼリー及びマスキング剤化合物添加なしゼリーを、40℃の恒温槽中で7日間保管し、熱劣化処理したジャムを調製した。別途、マスキング剤添加なしゼリーを、5℃の冷蔵庫にて7日間保管し、熱劣化処理なしのゼリーを調製した。
臭いの官能評価についてよく訓練された7名のパネラーにより、上記の熱劣化処理を行ったマスキング剤化合物添加ゼリーの官能評価を実施した。官能評価は、前記の熱劣化処理を行ったマスキング剤化合物添加なしゼリーの評価を「異臭を強く感じる:4点」とし、また熱劣化処理を行っていないマスキング剤化合物添加なしゼリーの評価を「異臭を全く感じない:0点」として、以下の評価基準を設定して行った。
異臭を強く感じる:4点
異臭を感じる:3点
異臭を少し感じる:2点
異臭を殆ど感じない:1点
異臭を全く感じない:0点。
熱劣化処理後のマスキング剤化合物添加ゼリーの評価点(平均)は、1.00であった。
(果汁含有ジャムにおける劣化臭マスキング剤化合物のマスキング効果)
<イチゴ果汁含有ジャムの調製>
(1)下記表17に示す原材料1〜3を当該表17に示す配合割合(質量部)で予め混合して下記表17に示す原材料4に加え、煮沸溶解した。
(2)工程(1)で得られた溶液に下記表17に示す原材料5及び6を当該表23に示す配合割合(質量部)で加え、99.15質量部まで煮詰めた。
(3)工程(2)で得られた溶液に下記表17に示す原材料7及び8を当該表23に示す配合割合(質量部)で加え、混合した。
(4)工程(3)で得られた溶液の一部を別容器に取り分け、その100質量部に対して、マスキング剤化合物の95%エタノール溶液0.05質量部を、マスキング剤化合物が下記表18記載の配合量となるように加え混合した。
(5)工程(4)で得られた溶液の100gをポリプロピレン袋(10cm×8cm×約1.5cm)に充填し、94℃10分間加熱殺菌した後、5℃以下に冷却してジャムを調製した。工程(4)で得られた溶液に代えて工程(3)で得られた溶液100gを用いる以外、上記工程に従いマスキング剤添加なしジャムを調製した。
マスキング剤化合物添加ジャム及びマスキング剤化合物添加なしジャムを、40℃の恒温槽中で7日間保管して熱劣化処理ジャムを調製した。別途、マスキング剤化合物添加なしジャムを、5℃の冷蔵庫にて7日間保管し、熱劣化処理なしジャムを調製した。
臭いの官能評価についてよく訓練された7名のパネラーにより、上記の熱劣化処理を行ったマスキング剤化合物添加ジャムの官能評価を実施した。官能評価は、前記の熱劣化処理を行ったマスキング剤化合物添加なしジャムの評価を「異臭を強く感じる:4点」とし、また熱劣化処理を行っていないマスキング剤化合物添加なしジャムの評価を「異臭を全く感じない:0点」として、以下の評価基準を設定して行った。
異臭を強く感じる:4点
異臭を感じる:3点
異臭を少し感じる:2点
異臭を殆ど感じない:1点
異臭を全く感じない:0点。
臭いの官能評価についてよく訓練された7名のパネラーにより官能評価を実施した。
熱劣化処理後のマスキング剤添加ジャムの評価点(平均)は、1.14であった。
Claims (7)
- 以下のa群〜c群からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する、果汁含有製品の熱劣化臭マスキング剤であって、前記果汁含有製品の熱劣化臭を構成する物質が4−ビニルグアイアコール、フルフラール、及びメチオナールを含む、マスキング剤;
(a群)レブリン酸、リナロールオキシド、2−アセチルピロール、けい皮酸、及びγ−ブチロラクトン、
(b群)安息香酸ベンジル、乳酸ベンジル、ゲラン酸、イソホロン、シクロテンブチレート、ラウリン酸、3−メチル−1−ブタノール、メントール、及びリナロール、
(c群)ヘリオトロピン、ピルビン酸エチル、アセト酢酸エチル、及び安息香酸ベンジル。 - 請求項1に記載のマスキング剤であって、該マスキング剤に含まれる化合物のうち少なくとも2種は、前記a群〜c群における異なる群に属する化合物である、マスキング剤。
- 請求項1又は2に記載のマスキング剤を果汁含有製品に添加することを含む、果汁含有製品の熱劣化臭をマスキングする方法。
- 以下のa群〜c群からなる群より選択される3種以上の化合物を果汁含有製品に添加することを含む、果汁含有製品の製造方法であって、該化合物のうちの少なくとも3種の化合物は、それぞれ、前記a群〜c群において互いに異なる一群より選択されている、方法:
(a群)レブリン酸、リナロールオキシド、2−アセチルピロール、けい皮酸、及びγ−ブチロラクトン、
(b群)安息香酸ベンジル、乳酸ベンジル、ゲラン酸、イソホロン、シクロテンブチレート、ラウリン酸、3−メチル−1−ブタノール、メントール、及びリナロール、
(c群)ヘリオトロピン、ピルビン酸エチル、アセト酢酸エチル、及び安息香酸ベンジル。 - 以下のa群〜c群:
(a群)レブリン酸、リナロールオキシド、2−アセチルピロール、けい皮酸、及びγ−ブチロラクトン、
(b群)安息香酸ベンジル、乳酸ベンジル、ゲラン酸、イソホロン、シクロテンブチレート、ラウリン酸、3−メチル−1−ブタノール、メントール、及びリナロール、
(c群)ヘリオトロピン、ピルビン酸エチル、アセト酢酸エチル、及び安息香酸ベンジル
からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を果汁含有製品に添加することを含む、果汁由来の熱劣化臭がマスキングされる果汁含有製品の製造方法であって、
該化合物がレブリン酸、リナロールオキシド、γ−ブチロラクトン、安息香酸ベンジル、乳酸ベンジル、ゲラン酸、イソホロン、シクロテンブチレート、3−メチル−1−ブタノール、ヘリオトロピン、アセト酢酸エチル又は安息香酸ベンジルを含む場合、これらの化合物の添加量が前記果汁含有製品に対し、それぞれ0.0000025ppb〜100000ppbの範囲内であり;該化合物がけい皮酸を含む場合、前記果汁含有製品に対するけい皮酸の添加量が0.0000025ppb〜10000ppbの範囲内であり;該化合物が2−アセチルピロールを含む場合、前記果汁含有製品に対する2−アセチルピロールの添加量が0.0000025ppb以上かつ100ppb未満であり;該化合物がラウリン酸、メントール又はピルビン酸エチルを含む場合、これらの化合物の添加量が前記果汁含有製品に対し、それぞれ0.0000025ppb以上かつ0.02ppb未満であり;該化合物がリナロールを含む場合、前記果汁含有製品に対するリナロールの添加量が0.0000025ppb以上かつ25.3ppb未満である、方法。 - 以下のa群〜c群からなる群より選択される3種以上の化合物を含有する果汁含有製品であって、該化合物のうちの少なくとも3種の化合物は、それぞれ、前記a群〜c群において互いに異なる一群より選択されている、製品:
(a群)レブリン酸、リナロールオキシド、2−アセチルピロール、けい皮酸、及びγ−ブチロラクトン、
(b群)安息香酸ベンジル、乳酸ベンジル、ゲラン酸、イソホロン、シクロテンブチレート、ラウリン酸、3−メチル−1−ブタノール、メントール、及びリナロール、
(c群)ヘリオトロピン、ピルビン酸エチル、アセト酢酸エチル、及び安息香酸ベンジル。 - 以下のa群〜c群:
(a群)レブリン酸、リナロールオキシド、2−アセチルピロール、けい皮酸、及びγ−ブチロラクトン、
(b群)安息香酸ベンジル、乳酸ベンジル、ゲラン酸、イソホロン、シクロテンブチレート、ラウリン酸、3−メチル−1−ブタノール、メントール、及びリナロール、
(c群)ヘリオトロピン、ピルビン酸エチル、アセト酢酸エチル、及び安息香酸ベンジル
からなる群より選択される少なくとも1種の化合物を含有する、果汁由来の熱劣化臭がマスキングされる果汁含有製品であって、該化合物がレブリン酸、リナロールオキシド、γ−ブチロラクトン、安息香酸ベンジル、乳酸ベンジル、ゲラン酸、イソホロン、シクロテンブチレート、3−メチル−1−ブタノール、ヘリオトロピン、アセト酢酸エチル又は安息香酸ベンジルを含む場合、これらの化合物の含有量が前記果汁含有製品に対し、それぞれ0.0000025ppb〜100000ppbの範囲内であり;該化合物がけい皮酸を含む場合、前記果汁含有製品に対するけい皮酸の含有量が0.0000025ppb〜10000ppbの範囲内であり;該化合物が2−アセチルピロールを含む場合、前記果汁含有製品に対する2−アセチルピロールの含有量が0.0000025ppb以上かつ100ppb未満であり;該化合物がラウリン酸、メントール又はピルビン酸エチルを含む場合、これらの化合物の含有量が前記果汁含有製品に対し、それぞれ0.0000025ppb以上かつ0.02ppb未満であり;該化合物がリナロールを含む場合、前記果汁含有製品に対するリナロールの含有量が0.0000025ppb以上かつ25.3ppb未満である、製品。
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