本発明に係るカートリッジ、及び、電子写真画像形成装置を、図面に則して説明する。尚、電子写真画像形成装置として、レーザビームプリンタ本体と、レーザビームプリンタ本体に着脱可能なドラムカートリッジ、および、現像カートリッジを例に挙げて説明する。以下の説明において、ドラムカートリッジ、および、現像カートリッジの長手方向とは、感光ドラムの回転軸線L1、及び、現像ローラの回転軸線L0と略平行な方向(感光体ドラム10や現像ローラの回転軸方向)である。また、感光ドラムの回転軸線L1、及び、現像ローラの回転軸線L0は、記録媒体の搬送方向と交差する方向である。また、ドラムカートリッジ、および、現像カートリッジの短手方向とは、感光ドラムの回転軸線L1、及び、現像ローラの回転軸線L0と略直交する方向である。本実施例では、ドラムカートリッジ、および、現像カートリッジをレーザビームプリンタ本体へ着脱する方向は、各カートリッジの短手方向である。また、説明文中の符号は、図面を参照するためのものであって、構成を限定するものではない。また本実施形態の説明において、側面図とは、現像ローラの回転軸線L0と平行な方向から見た状態を示す図である。
《実施例1》
(1)画像形成装置の全体説明
まず、図2を用いて、本発明の一実施例を適用した画像形成装置の全体構成について説明する。図2は、画像形成装置の側断面説明図である。
図2に示す画像形成装置は、パーソナルコンピュータなどの外部機器から通信された画像情報に応じて、電子写真画像形成プロセスによって記録媒体(シート)2に現像剤tによる画像を形成するものである。また、画像形成装置は、現像カートリッジB1とドラムカートリッジCとが、使用者によって装置本体A1に、取り付け、及び、取り外しが可能に設けられている。記録媒体2の一例として、記録紙、ラベル紙、OHPシート、布等が挙げられる。また、現像カートリッジB1は現像剤担持体としての現像ローラ13等を有し、ドラムカートリッジCは像担持体としての感光ドラム10、帯電ローラ11等を有する。
感光ドラム10は、装置本体A1からの電圧印加によって、帯電ローラ11で感光ドラム10の表面を一様に帯電する。そして、光学手段1から画像情報に応じたレーザ光Lが、帯電した感光ドラム10に照射され、感光ドラム10に画像情報に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像は、後述の現像手段によって現像剤tで現像され、感光ドラム10表面に現像剤像が形成される。
一方、給紙トレイ4に収容された記録媒体2は、前記現像剤像の形成と同期して、給紙ローラ3aとこれに圧接する分離パット3bに規制され、一枚ずつ分離給送される。そして、記録媒体2は、搬送ガイド3dにより、転写手段としての転写ローラ6へと搬送される。転写ローラ6は、感光ドラム10表面に接触するように付勢されている。
次いで、記録媒体2は、感光ドラム10と転写ローラ6とで形成される転写ニップ部6aを通る。このとき、転写ローラ6に現像剤像と逆極性の電圧を印加することで、感光ドラム10表面上に形成された現像剤像が、記録媒体2に転写される。
現像剤像が転写された記録媒体2は、搬送ガイド3fに規制され定着手段5へ搬送される。定着手段5は、駆動ローラ5a、及び、ヒータ5bを内蔵した定着ローラ5cを備えている。そして、記録媒体2は、駆動ローラ5aと定着ローラ5cとで形成されるニップ部5dを通過する際に、熱、及び、圧力を印加され、記録媒体2に転写された現像剤像が記録媒体2に定着される。これによって、記録媒体2に画像が形成される。
その後、記録媒体2は、排出ローラ対3gによって搬送されて、排出部3hへ排出される。
(2)電子写真画像形成プロセスの説明
次に、図3を用いて、本発明の一実施例を適用した電子写真画像形成プロセスについて説明する。図3は、現像カートリッジB1及びドラムカートリッジCの断面説明図である。
図3に示すように、現像カートリッジB1は、現像容器16に、現像手段としての現像ローラ13や現像ブレード15等を備えている。現像カートリッジB1はカートリッジ化された現像装置であり、画像形成装置の装置本体に対して着脱される。
また、ドラムカートリッジCは、クリーニング枠体(感光体支持枠体)21に、感光ドラム10や帯電ローラ11等を備えている。ドラムカートリッジCも、画像形成装置の装置本体に対して着脱される。
現像容器16の現像剤収納部16aに収納された現像剤tは、現像容器16に回転可能に支持された現像剤搬送部材17が矢印X17方向に回転することによって、現像容器16の開口部16bから現像室16c内へ送り出される。現像容器16には、マグネットローラ12を内蔵した現像ローラ13が設けられている。具体的には、現像ローラ13は、軸部13eとゴム部13dから構成される。軸部13eは、アルミ等の導電性の細長い円筒状であり、その長手方向で中央部はゴム部13dで覆われている(図6参照)。ここで、ゴム部13dは、外形形状が軸部13eと同軸線上になるように軸部13eに被覆されている。現像ローラ13は、マグネットローラ12の磁力によって、現像室16cの現像剤tを現像ローラ13の表面に引き寄せる。また、現像ブレード15は、板金からなる支持部材15aとウレタンゴムやSUS板等からなる弾性部材15bから構成され、弾性部材15bが現像ローラ13に対して一定の接触圧をもって弾性的に接触するように設けられている。そして、現像ローラ13が回転方向X5に回転することで、現像ローラ13の表面に付着する現像剤tの量を規定し、現像剤tに摩擦帯電電荷を付与する。これにより、現像ローラ13表面に現像剤層が形成される。そして、装置本体A1から電圧が印加された現像ローラ13を感光ドラム10と接触させた状態で、回転方向X5に回転させることにより、感光ドラム10の現像領域へ現像剤tを供給する。
ここで、本実施例のような接触現像方式の場合、常に図3に示すような現像ローラ13が感光ドラム10に接触したままの状態が維持されると、現像ローラ13のゴム部13bが変形する恐れがある。このため、非現像時には、現像ローラ13を感光ドラム10から離間しておくことが好ましい。
感光ドラム10の外周面には、クリーニング枠体21に回転可能に支持され感光ドラム10方向に付勢された帯電ローラ11が接触して設けられている。詳細構成については後述する。帯電ローラ11は、装置本体A1からの電圧印加によって、感光ドラム10の表面を一様に帯電する。帯電ローラ11に印加する電圧は、感光ドラム10の表面と帯電ローラ11との電位差が放電開始電圧以上となるような値に設定されており、具体的には帯電バイアスとして−1300Vの直流電圧を印加している。このとき、感光ドラム10の表面を帯電電位(暗部電位)−700Vに一様に接触帯電させている。また、本例ではこの帯電ローラ11は感光ドラム10の回転に対して駆動回転する(詳細は後述)。そして、光学手段1のレーザ光Lにより、感光ドラム10の表面に静電潜像が形成される。その後、感光ドラム10の静電潜像に応じて現像剤tを転移させて静電潜像を可視像化し、感光ドラム10に現像剤像を形成する。
(3)クリーナレスシステムの構成説明
次に、以下に、本例でのクリーナレスシステムについて説明する。
本実施例では、転写されずに感光ドラム10上に残留した転写残現像剤t2を感光ドラム10の表面から除去するクリーニング部材を設けない、いわゆるクリーナレスシステムの例を示している。
感光体ドラム10は、図3に示すように、矢印C5方向に回転駆動されている。感光体ドラム10の回転方向C5から見て、帯電ローラ11と感光ドラム10との当接部である帯電ニップ部11aの上流側には空隙部(上流空隙部11b)がある。転写工程後に感光ドラム10の表面に残った転写残現像剤t2は、この上流空隙部11bにおける放電によって感光ドラムと同様に負極性に帯電される。このとき、感光ドラム10表面は、−700Vに帯電される。負極性に帯電した転写残現像剤t2は、帯電ニップ部11aにおいて電位差の関係(感光ドラム10表面電位=−700V、帯電ローラ11電位=−1300V)で帯電ローラ11には付着せず通過することになる。
帯電ニップ部11aを通過した転写残現像剤t2は、レーザ照射位置dに到達する。転写残現像剤t2は光学手段のレーザ光Lを遮蔽するほど多くないため、感光ドラム10上の静電潜像を作像する工程に影響しない。レーザ照射位置dを通過し、且つ、非露光部(レーザ照射を受けていない感光ドラム10の表面)にある転写残現像剤t2は、現像ローラ13と感光ドラム10の当接部である現像ニップ部13kにおいて、静電力によって現像ローラ13に回収される。一方、露光部(レーザ照射を受けた感光ドラム10の表面)の転写残現像剤t2は、静電力的には回収されずにそのまま感光ドラム10上に存在し続ける。しかし一部の転写残現像剤t2は、現像ローラ13と感光ドラム10の周速差による物理的な力で回収されることもある。
このように紙に転写されずに感光体ドラム10上に残った転写残現像剤t2は、概ね現像容器16に回収される。現像容器16に回収された転写残現像剤t2は、現像容器16内に残っている現像剤tと混合され使用される。
また、本実施例では、転写残現像剤t2を帯電ローラ11に付着させずに帯電ニップ部11aを通過させるために、以下の2つの構成を採用している。第一は、転写ローラ6と帯電ローラ11の間に光徐電部材8を設けていることである。光徐電部材8は、帯電ニップ部11aの感光ドラム10の回転方向(矢印C5)上流側に位置する。そして、上流空隙部11bで安定した放電を行なうために転写ニップ部6aを通過したあとの感光ドラム10の表面電位を光徐電している。この光徐電部材8によって、帯電前の感光ドラム10の電位を長手全域に−150V程度にしておくことで、帯電時に均一な放電が行なえ、転写残現像剤t2を均一に負極性にすることが可能となる。
第二は、帯電ローラ11を感光ドラム10と所定の周速差を設け駆動回転させていることである。上述のように放電によってほとんどのトナーが負極性になるものの、若干負極性になりきれなかった転写残現像剤t2が残っており、この転写残現像剤t2が帯電ニップ部11aで帯電ローラ11に付着することがある。帯電ローラ11と感光ドラム10とを所定の周速差を設けて駆動回転させることで、感光ドラム10と帯電ローラ11との摺擦によって、このような転写残現像剤t2を負極性にさせることが可能となる。これによって帯電ローラ13への転写残現像剤t2の付着を抑制する効果がある。本実施構成では、帯電ローラ11の長手一端に帯電ローラギア69(図16、詳細は後述する)が設けられており、帯電ローラギア69は感光ドラム10の同長手一端に設けられた駆動側フランジ24(図16、詳細は後述する)と係合している。よって、感光ドラム10の回転駆動に伴って、帯電ローラ11も回転駆動する。帯電ローラ11の表面の周速は、感光ドラム10表面の周速に対して105〜120%程度になるように設定されている。
(4)現像カートリッジB1の構成説明
<現像カートリッジB1全体構成>
次に、図を用いて、本発明の一実施例を適用した現像カートリッジB1の構成について説明する。なお、以下の説明において、長手方向に関して装置本体A1から現像カートリッジB1に回転力が伝達される側を現像カートリッジB1の一端側として、駆動側」と称する。また、その反対側を現像カートリッジB1の他端側として、「非駆動側」と称す。図4は、現像カートリッジB1を駆動側から見た斜視説明図である。図5は、現像カートリッジB1を非駆動側から見た斜視説明図である。図6は、現像カートリッジB1の駆動側を分解して、駆動側からみた斜視説明図(a)と非駆動側からみた斜視説明図(b)である。図7は、現像カートリッジB1の非駆動側を分解して、非駆動側からみた斜視説明図(a)と駆動側からみた斜視説明図(b)である。
図6、図7に示すように、現像カートリッジB1は、現像ローラ13や現像ブレード15等を備えている。現像ブレード15は、支持部材15aの長手方向の駆動側端部15a1、非駆動側端部15a2が現像容器16に対してビス51、ビス52で固定されている。現像容器16の長手両端には、駆動側現像軸受36と非駆動側現像軸受46とがそれぞれ配置されている。現像ローラ13は、駆動側端部13aが駆動側現像軸受36の穴36aと嵌合している。また、非駆動側端部13cが非駆動側軸受46の支持部46fと嵌合している。以上により現像ローラ13は現像容器16に対して回転可能に支持されている。また、現像ローラ13の駆動側端部13aで、駆動側現像軸受36よりも長手方向外側には、現像ローラギア29が現像ローラ13と同軸に配置され、現像ローラ13と現像ローラギア29とが一体的に回転できるように係合している(図4参照)。現像ローラギア29はハス歯歯車である。
駆動側現像軸受36は、その長手方向外側で駆動入力ギア27を回転可能に支持している。駆動入力ギア27は現像ローラギア29と噛み合っている。駆動入力ギア27もハス歯歯車である。駆動入力ギア27の歯数は現像ローラギア29の歯数よりも多い。
また、駆動入力ギア27と同軸にカップリング部材180が設けられている。
現像カートリッジB1の駆動側最端部には、駆動入力ギア27等を長手外側から覆うように現像サイドカバー34が設けられている。ここで、現像容器16と非駆動側現像軸受46と駆動側現像軸受36と駆動側サイドカバー34で構成される現像カートリッジの枠体を現像枠体と称する。さらに、現像サイドカバー34の穴34aを通して、カップリング部材180が長手外側に突出している。詳細は後述するが、駆動入力部材としてのカップリング部材180は、装置本体A1に設けられた本体側駆動部材100と係合し、回転力が伝達される(入力される)構成となっている。また、その回転力はカップリング部材180の回転力伝達部180c1、180C2を介して駆動入力ギア27の回転力被伝達部27d1(図8参照)、及び回転被伝達部27d2(不図示)に伝わる構成となっている。結果として、カップリング部材180に入力された回転力は、駆動入力ギア27、現像ローラギア29を介して、回転部材としての現像ローラ13へ伝達される構成となっている。
また、駆動側現像軸受36には、第1可動部材120が設けられている。そして、その第1可動部材120は、第1本体部としての駆動側当接離間レバー70、および、第1弾性部(弾性変形する部分、部材)としての駆動側現像加圧バネ71で構成されている。駆動側当接離間レバー70は駆動側現像加圧バネ71の弾性力を受ける部材である。
ここで、本実施例においては第1本体部と第1弾性部は分離可能な別体で構成されている。しかし、第1可動部材120は、第1本体部と第1弾性部が一体的に形成されていても良く、その構成を限定するものではない。さらに、非駆動側現像軸受46には、第2可動部材121が設けられている。そして、その第2可動部材121は、第2本体部としての非駆動側当接離間レバー72、および、第2弾性部(弾性変形する部分、部材)としての非駆動側現像加圧バネ73で構成されている。非駆動側当接離間レバー72は、非駆動側現像加圧バネ73からの弾性力を受ける部材である。
ここで、本実施例においては第2本体部と第2弾性部は分離可能な別体で構成されている。しかし、第2可動部材121は、第2本体部と第2弾性部が一体的に形成されていても良く、その構成を限定するものではない。
詳細は追って説明する。
<カップリング部材180および周辺構成>
カップリング部材180、および、周辺構成について以下に詳細を説明する。
図6に示すように、現像カートリッジB1の駆動側には、カップリング部材180、駆動入力ギア27、カップリングバネ185が設けられている。カップリング部材180は、装置本体A1に設けられた本体側駆動部材100と係合し、回転力が伝達される。具体的には、図8(b)に示すように、カップリング部材180は、主に回転力受け部180a1、180a2、被支持部180b、回転力伝達部180c1、180c2、ガイド部180d、で構成される。カップリング部材180の回転力受け部180a1、180a2は、駆動入力ギア27の駆動側端部27aより長手方向外側に配置されている(図8(a)(b)参照)。そして、本体側駆動部材100が回転軸線L4周りに矢印X6方向(以下、正転X方向とする)に回転すると、本体側駆動部材100の回転力付与部100a1が回転力受け部180a1と当接する。また、本体側駆動部材100の回転力付与部100a2が回転力受け部180a2と当接する。これにより、本体側駆動部材100からカップリング部材180に回転力が伝達される。図8(b)、図8(e)に示すようにカップリング部材180の被支持部180bは略球形状であり、被支持部180bが駆動入力ギア27の内周面の支持部27bに支持されている。また、カップリング部材180の被支持部180bには、回転力伝達部180c1、180c2が設けられている。回転力伝達部180c1は、駆動入力ギア27の回転力被伝達部27d1と接触する。同様に、回転力伝達部180c2は、駆動入力ギア27の回転力被伝達部27d2と当接する。これにより、本体側駆動部材100から駆動を受けたカップリング部材180によって駆動入力ギア27が駆動され、駆動入力ギア27が回転軸線L3周りに正転方向X6に回転する。
ここで、図8(c)に示すように、本体側駆動部材100の回転軸線L4と駆動入力ギア27の回転軸線L3とが同軸になるように設定する。しかしながら、部品寸法のばらつき等によって、図8(d)に示すように、本体側駆動部材100の回転軸線L4と駆動入力ギア27の回転軸線L3とが同軸から平行に多少ずれる場合がある。このような場合、カップリング部材180の回転軸線L2が駆動入力ギア27の回転軸線L3に対して傾斜した状態で回転し、本体側駆動部材100からカップリング部材180に回転力が伝達される。さらに、駆動入力ギア27の回転軸線L3が本体側駆動部材100の回転軸線L4に対し、同軸から角度をもって多少ずれる場合もある。この場合においては、本体側駆動部材100の回転軸線L4に対して、カップリング部材180の回転軸線L2が傾斜した状態で、本体側駆動部材100からカップリング部材180に回転力が伝達される。
また、図8(a)に示すように、駆動入力ギア27には、駆動入力ギア27の回転軸線L3と同軸に、ハス歯ギア、または、平歯ギアであるギア部27cが一体成形で設けられている(本実施例ではハス歯ギアを用いている)。そして、ギア部27cが、現像ローラギア29のギア部29aと噛み合う。現像ローラギア29は現像ローラ13と一体的に回転するため、駆動入力ギア27の回転力が、現像ローラギア29を介して現像ローラ13に伝達される。そして、現像ローラ13は回転軸線L9周りに回転方向X5に回転する。
<現像カートリッジ非駆動側電極部の構成>
次に、現像カートリッジB1の非駆動側端部に設けられている接点部としてのメモリ基板47と露出面としての電極部47aについて図33を用いて説明する。メモリ基板47は、非駆動側現像軸受46の外周側、かつ非駆動側現像加圧レバー72から見て現像ローラ13を回転可能に支持する支持部46f側に設けられている。メモリ基板47には現像カートリッジ13の製造ロットや特性情報が記録されており、装置本体A1で画像形成を行う際に利用している。メモリ基板47には、鉄や銅などの金属製の電極部47aが設けられており、画像形成の際には接点部47を介して装置本体A1と電気的に接続して通信を行う。
メモリ基板47は非駆動側現像軸受46に設けられた基板第一支持部46mおよび基板第二支持部46nに両端が挿入されており、メモリ基板47と基板第一支持部46mおよび基板第二支持部46nは圧入や接着等の手段で固定されている。
メモリ基板47の電極部47aは複数設けられている。これら複数の電極部47aが並ぶ方向と、メモリ基板47の基板第一支持部46mおよび基板第二支持部46nへの挿入方向と、が同一方向に配置されている。
<駆動側サイドカバーと周辺部品の組み付け>
次に、現像カートリッジB1の駆動側端部に設けられている現像サイドカバー34、及び、カップリングレバー55の構成について詳細を説明する。図9は、カップリングレバー55とカップリングレバーバネ56の現像サイドカバー34への組み付けの様子を示した斜視説明図、及び、側面図である。
現像サイドカバー34の長手方向内側には、カップリングレバー55とカップリングレバーバネ56とが組付けられる。具体的には、現像サイドカバー34の円筒形状であるレバー位置決めボス34mとカップリングレバー55の穴部55cとが嵌合され、回転軸線L11を中心に、カップリングレバー55は現像サイドカバー34に対して回動可能に支持されている。また、カップリングレバーバネ56は、ねじりコイルバネであり、一端をカップリングレバー55に、他端を現像サイドカバー34に係合されている。具体的には、カップリングレバーバネ56の作用腕56aがカップリングレバー55のバネかけ部55bに係合され、また、カップリングレバーバネ56の固定腕56cが現像サイドカバー34のバネかけ部34sに係合されている(図9(c)参照)。
現像サイドカバー34の長手方向外側には、カップリングバネ185が組付けられるが、詳細は追って説明する。
現像サイドカバー34に、カップリングレバー55、及び、カップリングレバーバネ56を組み付ける方法について、順を追って説明する。先ず、カップリングレバー55の円筒ボス55aにカップリングレバーバネ56の円筒部56dを取りつける(図9(a))。このとき、カップリングレバーバネ56の作用腕56aをカップリングレバー55のバネかけ部55bに係合させる。また、カップリングレバーバネ56の固定腕56cを、回転軸線L11を中心として矢印X11方向に変形させておく。次にカップリングレバー55の穴部55cを現像サイドカバー34のレバー位置決めボス34mに挿入する(図9(a)〜(b))。挿入の際、カップリングレバー55の抜け止め部55dと現像サイドカバー34の被抜け止部34nとは干渉しない配置となっている。具体的には、図9(b)に示すように、長手方向からみて、カップリングレバー55の抜け止め部55dと現像サイドカバー34の被抜け止部34nとが重ならない配置となっている。
図9(b)に示す状態では、前述のように、カップリングレバーバネ56の固定腕56cを矢印X11方向に変形させている。図9(b)に示す状態から、カップリングレバーバネ56の固定腕56cの変形を解放すると、図9(c)に示すように、固定腕56cは現像サイドカバー34のバネかけ部34sに係合される。そして、カップリングレバーバネ56の固定腕56cの変形した付勢力を現像サイドカバー34のバネかけ部34sが受ける構成となっている。その結果、カップリングレバーバネ56の固定腕56cは、現像サイドカバー34のバネかけ部34sから矢印X11方向へ反力を受ける。さらに、カップリングレバー55は、そのバネかけ部55bでカップリングレバーバネ56からの付勢力を受ける。結果として、カップリングレバー55は回転軸L11中心に矢印X11方向に回動し、カップリングレバー55の回転規制部55yが現像サイドカバー34の規制面34yに当接した位置で回転が規制される(図9(a)〜(c)参照)。以上で現像サイドカバー34に、カップリングレバー55、及び、カップリングレバーバネ56の組み付けが終了する。
なお、このとき、カップリングレバー55の抜け止め部55dは、長手方向から見て、現像サイドカバー34の被抜け止め部34nと重なった状態になる。すなわち、カップリングレバー55は、長手方向への移動が規制され、回転軸線X11を中心とした回転のみ可能な構成となっている。図9(d)にカップリングレバー55の抜け止め部55dの断面図を示す。
<現像サイドカバー34の組みたて>
図10に示すように、カップリングレバー55とカップリングレバーバネ56とが一体となった現像サイドカバー34は、駆動側現像軸受36の長手方向外側に固定される。具体的には、現像サイドカバー34の位置決め部34r1と駆動側軸受36の被位置決め部36e1とが係合する。また、位置決め部34r2と被位置決め部36e2とが係合することによって現像サイドカバー34は駆動側現像軸受36に対して位置が決まる構成となっている。
なお、現像サイドカバー34の駆動側現像軸受36に対する固定方法は、ビス、または、接着剤等でよく、その構成を限定するものではない。
現像サイドカバー34を組み付けると、カップリング部材180の回転力受け部180a1、180a2、被ガイド部180d等は、現像サイドカバー34の穴34aを通る。そしてカップリング部材180は、現像カートリッジB1の長手方向外側に露出する構成となっている(図4、および、図6参照)。さらに、カップリング部材180の被ガイド部180d(図8参照)は、カップリングレバー55のガイド部55eと当接する構成となっている。
前述のように、カップリングレバー55は、回転軸線L11を中心に矢印X11方向に付勢力が作用するように構成されている。これにより、カップリング部材180は、カップリングレバー55から付勢力F2を受ける(図10(b)参照)。
さらに、現像サイドカバー34にはカップリングバネ185が設置されている。カップリングバネ185は、ねじりコイルバネであり、一端を現像サイドカバー36に、他端をカップリング部材180に当接されている。
具体的には、カップリングバネ185の位置決め部185aが現像サイドカバー34のバネ支持部34hに支持されている。また、カップリングバネ185の固定腕185bが現像サイドカバー34のバネ係合部34jに固定されている。さらに、カップリングバネ185の作用腕185cがカップリング部材180の被ガイド部180dに当接する構成となっている。カップリングバネ185の作用腕185cは、位置決め部185aを中心とした回転軸線X12を中心に矢印L12方向に付勢力が作用するように構成されている。これにより、カップリング部材180は、カップリングバネ185から付勢力F1bを受ける(図10(c)参照)。
カップリングレバー55からの付勢力F2、および、カップリングバネ185からの付勢力F1bを受けたカップリング部材180は、駆動入力ギア27の回転軸線L3に対して傾斜した姿勢(回転軸線L2)で保持される(図10(b))。詳細な構成については、後述する。なお、このときのカップリング部材180の傾斜姿勢が保持される構成や力の作用については、後述の<第二傾斜姿勢D2時のカップリング部材180に作用する力関係>で説明する。
<カップリング部材180の基本動作>
次に、現像カートリッジB1状態でのカップリング部材180の基本動作について、図15を用いて説明する。
図15(a)は、カップリング部材180、駆動入力ギア27、駆動側現像軸受36の関係を長手方向断面からみた拡大図である。図15(b)は、駆動側現像軸受36の斜視図である。また、図15(c)は、駆動入力ギア27の斜視図である。
カップリング部材180の被支持部180bは、駆動入力ギア27の内部27tに設置され、さらに駆動入力ギア27の規制部27sと駆動側現像軸受36のカップリング規制部36sに挟まれている。また、カップリング部材180の被支持部180bの直径r180は、駆動入力ギア27の規制部27sのX180方向での幅r27、及び、駆動側現像軸受36のカップリング規制部36sのX180方向での幅r36に対し以下の関係になっている。
・被支持部180bの直径r180>(駆動入力ギア27の規制部27sのX180方向での幅r27
・被支持部180bの直径r180>駆動側現像軸受36のカップリング規制部36sのX180方向での幅r36
この構成により、カップリング部材180の長手方向矢印Y180は、被支持部180bが、駆動入力ギア27の規制部27sもしくは、駆動側現像軸受36のカップリング規制部36sに当接することで規制される。さらに、カップリング部材180の断面方向矢印X180は、被支持部180bが駆動入力ギア27の内部27tの範囲内に規制される。そのため、カップリング部材180は、長手方向Y180と断面方向X180の移動は規制されているが、被支持部180の中心180sを中心としたR180方向の傾斜が可能な構成となる。
<カップリング部材180の傾斜姿勢について>
次に、カップリング部材180の傾斜動作について説明する。
前述のように、カップリング部材180は装置本体A1の本体側駆動部材100から駆動力を受け、回動軸線L2周りに回転可能な構成となっている。また、駆動伝達時のカップリング部材180の回転軸線L2は、基本的には、駆動入力ギア27の回転軸線L3と同軸になるように設定されている。さらに、部品寸法のばらつき等によっては、カップリング部材180の回転軸線L2と駆動入力ギア27の回転軸線L3とが同軸ではなく多少ずれる場合もあることを説明した。
本構成では、カップリング部材180の回転軸線L2は下記の方向に傾くことができる構成となっている。それらは大きく次の3つの姿勢に大別できる。
・基準姿勢D0:カップリング部材180の回転軸線L2が駆動入力ギア27の回転軸線L3と同軸、または、平行な姿勢
・第一傾斜姿勢D1:現像カートリッジB1が装置本体A1に装着され、感光ドラム10と現像ローラ13とが離間した離間状態から当接した当接状態へ現像カートリッジB1が移動する途中の姿勢である。カップリング部材180の回転力受け部180a1180a2(以降、回転力受け部180aと称す)、被支持部180bが装置本体A1の本体側駆動部材100の方向へ向いた姿勢。離間状態、当接状態等についての詳細は後述する。
・第二傾斜姿勢D2:現像カートリッジB1を装置本体A1に装着する際に、カップリング部材180の回転力受け部180a、被支持部180bが装置本体A1の本体側駆動部材100の方向へ向いた姿勢。装着時の姿勢等についての詳細は後述する。
ここで、カップリング部材180と駆動側現像軸受36との係合関係を説明する。
図13は駆動側現像軸受36とカップリング部材180との関係を示した図である。
図13(a)は、駆動側現像軸受36とカップリング部材180の位置を示した斜視図である。図13(b)は、駆動側現像軸受36を駆動側正面からみた図である。図13(c)は、図13(b)において、KA断面から見た図にカップリング部材180を追加した図であり、図13(d)は、図13(b)において、KB断面から見た図にカップリング部材180を追加した図である。
図13(a)に示すように、カップリング部材180には、回転軸線L2と同軸で、長手方向内側に位相規制ボス180eが設けられている。一方、駆動側現像軸受36には凹形状の位相規制部36kbが設けられている。特に位相規制部36kbは、駆動入力ギア27の回転軸線L3中心から矢印K1a方向に凹んだ第一傾斜規制部36kb1、矢印K2a方向に凹んだ第二傾斜規制部36kb2が設けられている。カップリング部材180の位相規制ボス180eは駆動側現像軸受36の位相規制部36kb内に配置される構成となっている。すなわち、カップリング部材180の位相規制ボス180eは、駆動側現像軸受36の位相規制部36kbで位置規制されている。言い換えると、カップリング部材180の位相規制ボス180eは駆動側現像軸受36の位相規制部36kb内を移動可能であり、特に、第一傾斜規制部36kb1、及び、第二傾斜規制部36kb2に移動可能な構成となっている。カップリング部材180の位相規制ボス180eが第一傾斜規制部36kb1に移動したときは、カップリング部材180の回転力受け部180a、及び、被ガイド部180dは、矢印K1aと反対方向である矢印K1b方向に傾斜する。これはカップリング部材180が第一傾斜姿勢D1を取っている状態である。また、カップリング部材180の位相規制ボス180eが第二傾斜規制部36kb2に移動したときは、カップリング部材180の回転力受け部180a、及び、被ガイド部180dは、矢印K2aと反対方向である矢印K2b方向に傾斜する。これはカップリング部材180が第二傾斜姿勢D2を取っている状態である。
<基準姿勢D0時のカップリング部材180に作用する力関係>
カップリング部材180の姿勢をカップリング部材180の基準姿勢D0について、詳細を図21、図22を用いて以下に説明する。
図22は、現像カートリッジB1が装置本体Aへ装着完了時でのカップリングレバー55とカップリング部材180の位置を示した図である。図22(a)は、駆動側からみた側面図、図22(b)は、図22(a)における矢印X20方向からみた側面図、図22(c)は、図22(b)において切断線X30で切断し非駆動側方向からみた側面図である。
現像カートリッジB1の装置本体A1への装着が完了すると、カップリング部材180は本体側駆動部材100と係合する。そしてカップリング部材180の回転軸線L2と本体側駆動部材100の回転軸線L4、および、駆動入力ギア27の回転軸線L3とが同軸上に配置されている。言い換えると、カップリング部材180の回転力受け部180aと本体側駆動部材100の回転力付与部100a(回転力付与部100a1と回転力付与部100a2)とが係合可能な位置となっている(図8も参照)。
以下に、カップリング部材180が本体側駆動部材100と同軸になるまでのカップリング部材180の動きについて図34を用いて説明する。図34は、カップリング部材180が本体駆動部材100と同軸になるまでのカップリング部材の姿勢を示した断面図である。図34(a)は、カップリング部材180は、本体駆動部材100と当接していない状態の断面図であり、図34(b)は、カップリング部材180は、本体駆動部材100と当接した瞬間の状態の断面図である。さらに、図34(c)は、カップリング部材180が本体側駆動部材100と同軸の状態の断面図である。
カップリング部材180は、図34(a)に示すように、本体駆動部材100と当接していない状態では、カップリング部材180の被支持部180bの中心180sを中心として本体側駆動部材100の方向に傾斜している。その姿勢を保った状態のまま、カップリング部材180が本体駆動部材100の方向である矢印X60に進む。すると、カップリング部材180は、円環部180fの内側に配置された凹形状の円錐部180gと、本体側駆動部材100の軸先端に配置された凸部100gとが当接する。そして、さらにカップリング部材180が矢印X60に進むと、カップリング部材180は、カップリング部材180の被支持部180bの中心180sを中心としてカップリング部材180の傾斜が減少する方向に移動する。その結果カップリング部材180の回転軸線L2と本体側駆動部材100の回転軸線L4、及び入力ギア27の回転軸線L3とが同軸上に配置される。この一連の動作におけるカップリング部材180が受ける力についての詳細は後述するためここでは省略する。
そして、この駆動入力ギア27の回転軸線L3とカップリング部材180の回転軸線L2が同軸上に配置された状態が、カップリング部材180の姿勢が基準姿勢D0である(カップリング部材180の傾斜角度θ2=0°)。また、カップリング部材180の位相規制ボス180eは、駆動側現像軸受36の第二傾斜規制部36kb2から離脱し、駆動側現像軸受36の位相規制部36bのどこにも当接していない(図22(c)参照)。また、カップリングレバー55のガイド部55eはカップリング部材180の被ガイド部180dから完全に退避した状態で保持されている(図22(a))。すなわち、カップリング部材180は、カップリングバネ185、および、本体側駆動部材100の2部品に当接して、その傾斜角(θ2)が決定される。このような場合においては、現像カートリッジB1を装置本体A1に装着が完了した状態であっても、カップリング部材180の傾斜角(θ2)がθ2=0°とならない場合もある。
以下、図14を用いて、現像カートリッジB1が装置本体A1に装着完了された際の、現像カップリング180の傾斜姿勢(基準姿勢D0)について、詳細を説明する。
図14は、カップリング部材180と本体側駆動部材100との係合時の様子を示した図である。図14(a)、図14(b)に示す状態は、駆動入力ギア27の回転軸線L3と本体側駆動部材100の回転軸線L4が同軸に配置され、且つ、カップリング部材180の回転軸線L2も同軸となった場合の側面図と断面図である。
カップリング部材180の被ガイド部180dはカップリングバネ185から矢印F1方向の付勢力(図22(d)参照)を受けているが、円錐部180gは、点180g1、180g2で凸部100gと当接している(図8(e))。その結果、カップリング部材180は、円錐部180gの点180g1、180g2の2点で本体側駆動部材100に対する姿勢が規制されている。すなわち、カップリング部材180の回転軸線L2は、本体側駆動部材100の回転軸線L4と同軸となる。
この状態から、装置本体A1の本体側駆動部材100が回転駆動すると、装置本体A1の回転力付与部100aとカップリング部材180の回転力受け部180aとが係合する。そして、装置本体A1からカップリング部材180へ駆動が伝達される構成となっている(図8参照)。
図14(c)に示す状態は、駆動入力ギア27の回転軸線L3と本体側駆動部材100の回転軸線L4が同軸に配置されているが、カップリング部材180の回転軸線L2が傾斜した状態である。部品寸法のばらつきによっては、カップリング部材180の円錐部180gは、本体側駆動部材100の凸部100gと円錐部180gの点180g1とは当接するが、円錐部180gの点180g2とは当接しない。このとき、カップリング部材180の被ガイド部180dがカップリングバネ185から矢印F1方向の付勢力を受けることで、カップリング部材180の回転軸線L2が傾斜する。よって、図14(c)では、カップリング部材180の円錐部180gの点180g1が、本体側駆動部材100の凸部100gと当接することで、カップリング部材180の姿勢が規制されている。すなわち、カップリング部材180の回転軸線L2は、本体側駆動部材100の回転軸線L4に対して傾斜する。言い換えると、カップリング部材180の傾斜角(θ2)がθ2=0°とならない。
さらに、図14(d)では、部品寸法のばらつきにより、駆動入力ギア27の回転軸線L3と本体側駆動部材100の回転軸線L4とが同軸ではない場合の、カップリング部材180の回転軸線L2が傾斜した状態を示している(図8(d)参照)。この場合においても、図14(c)に示した状態のように、カップリング部材180のガイド部180dがカップリングバネ185から付勢力を受けることで、カップリング部材180の回転軸線L2が傾斜する。すなわち、カップリング部材180の傾斜角(θ2)がθ2=0°とならない。しかしながら、図14(c)と同様、カップリング部材180の円錐部180gの点180g1が、本体側駆動部材100の凸部100gと当接することで、カップリング部材180の姿勢が規制される。
しかし、図14(c)、および、図14(d)に示すどちらの状態であっても、装置本体A1の本体側駆動部材100が回転駆動すると、装置本体A1の回転力付与部100aとカップリング部材180の回転力受け部180aとが係合する。そして、装置本体A1からカップリング部材180へ駆動が伝達される構成となっている。
以上、説明したように、現像カートリッジB1を装置本体A1に装着完了した状態では、カップリング部材180の回転軸線L2は、駆動入力ギア27の回転軸線L3と同時になる場合もあれば、同軸とはならない場合もある。しかし、上記何れの場合も、装置本体A1の本体側駆動部材100が回転駆動すると、装置本体A1の回転力付与部100aとカップリング部材180の回転力受け部180aとが係合する。そして、装置本体A1からカップリング部材180へ駆動が伝達される構成となっている。現像カートリッジB1を装置本体A1に装着完了し、装置本体A1の回転力付与部100aからカップリング部材180が駆動力を受けることのできる状態のカップリング部材180の姿勢をカップリング部材180の基準姿勢D0と称す。なお、傾斜角度は、本体側駆動部材100の回転力付与部100aとカップリング部材180の回転力受け部180aとが外れない範囲に収まるように構成されている。
以下、カップリング部材180の第一傾斜姿勢D1、及び、第二傾斜姿勢D2について、順に詳細を説明する。
<第一傾斜姿勢D1時のカップリング部材180に作用する力関係>
まず、第一傾斜姿勢D1時のカップリング部材180に作用する力関係について図11を用いて説明する。
図11(a)は、現像カートリッジB1が装置本体A1内に装着され、感光ドラム10と現像ローラ13とが離間した離間状態にあるときの現像カートリッジB1の側面図である。図11(b)は駆動側現像軸受36の位相規制部36kb内でのカップリング部材180の位相規制ボス180eの位置を現像カートリッジB1の非駆動側からみた断面図である。さらに、図11(c)は、カップリング部材180の被ガイド部180dを長手方向カップリング部材180の被ガイド部180dの位置で切断し、長手方向駆動側からみた断面図である。
カップリングレバー55はカップリングレバーバネ56(図9参照)から回転軸線L11を中心に矢印X11方向に回動する付勢力を受けている。その一方、現像カートリッジB1が装置本体A1内に装着された状態にあるとき、装置本体A1に設けられた突き当て部80yにより、矢印X11方向の移動が規制されている。具体的には、突き当て部80yとカップリングレバー55の回転規制部55yとが当接することで、カップリングレバーバネ56の付勢力に抗して、カップリングレバー55の位置が規制されている。なお、突き当て部80yは、駆動側スイングガイド80と一体的に形成されている(図20参照)。このとき、カップリングレバー55のガイド部55eはカップリング部材180の被ガイド部180dから退避した状態となっている。カップリングレバー55と突き当て部80yとの当接については、後述の現像カートリッジB1の着脱過程にて詳細を説明する。
一方、カップリング部材180の被ガイド部180dには、カップリングバネ185のガイド部185dが当接して力F1aが作用する。すなわち、カップリング部材180の被ガイド部180dは矢印F1a方向に傾斜する力を受ける(図11(c)参照)。このとき、カップリング部材180の位相規制ボス180eは、駆動側現像軸受36のガイド部36kb1aやガイド部36kb1b、ガイド部36kb1cによって規制され、最終的には第一傾斜規制部36kb1に移動する構成となっている。すなわち、カップリング部材180の位相規制ボス180eは矢印K1a方向に傾斜し(図11(b))、一方、カップリング部材180の回転力受け部180a、及び、被ガイド部180dは矢印K1b方向に傾斜する構成となっている(図11(a))。カップリング部材180の上記姿勢を、カップリング部材180の第一傾斜姿勢D1と称す。
ここで、カップリングバネ185のガイド部185dの向き(矢印F1a方向)は、カップリング部材180の被ガイド部180dに対して、矢印K1b方向(図11(a)参照)と直交する方向にすることもできる。この方向は、カップリング部材180の位相規制ボス180eを第一傾斜規制部36kb1に突き当てる方向であり、そうすることで、カップリング部材180を第一傾斜姿勢D1に保持するためのカップリングバネ185の付勢力を低減が可能になる。しかしながら、カップリングバネ185の付勢力を調整するなどによって、カップリング部材180を第一傾斜姿勢D1に保持できるのであれば、この限りではない。
<第二傾斜姿勢D2時のカップリング部材180に作用する力関係>
次に、第二傾斜姿勢D2時のカップリング部材180に作用する力関係について図12を用いて説明する。
図12(a)は、現像カートリッジB1を装置本体A1に装着する前の状態であり、すなわち、現像カートリッジB1が単品状態(自然状態)であるときの、現像カートリッジB1の側面図である。図12(b)は駆動側現像軸受36の位相規制部36kb内でのカップリング部材180の位相規制ボス180eの位置を現像カートリッジB1の非駆動側からみた断面図である。さらに、図12(c)は、カップリング部材180の被ガイド部180dを切断し、長手方向駆動側からみた断面図である。図12は、図11に対して装置本体A1に設けられた突き当て部80yが無い状態を示している。この時、カップリングレバー55は回転軸線L11を中心に矢印X11方向に、カップリングレバーバネ56からの付勢力を受けて、そのガイド部55eがカップリング部材180の被ガイド部180dに当接する位置まで回転する。即ち、カップリング部材180の被ガイド部180dにはカップリングレバー55のガイド部55eとカップリングバネ185のガイド部185dが共に当接している。
ここで、前述したようにカップリング部材180の被ガイド部180dは矢印F3方向に傾斜する力を受ける。このとき、カップリング部材180の位相規制ボス180eは、駆動側現像軸受36のガイド部36kb2aやガイド部36kb2b、ガイド部36kb2cによって規制され、最終的には第二傾斜規制部36kb2に移動する構成となっている。すなわち、カップリング部材180の位相規制ボス180eは矢印K2a方向に傾斜し(図12(b))、一方、カップリング部材180の回転力受け部180a、及び、被ガイド部180dは矢印K2b方向に傾斜する構成となっている(図12(a))。カップリング部材180の上記姿勢を、カップリング部材の第二傾斜姿勢D2と称す。
(5)ドラムカートリッジCの概略説明
次に、図16を用いて、ドラムカートリッジCの構成について説明する。図16(a)は、ドラムカートリッジCの非駆動側から見た斜視説明図である。図16(b)では、感光ドラム10、帯電ローラ11周辺部の説明のために、クリーニング枠体21やドラム軸受30やドラム軸54等を不図示とした斜視説明図である。
図16に示すように、ドラムカートリッジCは、感光ドラム10や帯電ローラ11等を備えている。帯電ローラ11は、帯電ローラ軸受67a、帯電ローラ軸受67bによって回転可能に支持され、帯電ローラ付勢部材68a、帯電ローラ付勢部材68bによって感光ドラム10に対して付勢される。
感光ドラム10の駆動側端部10aには、駆動側フランジ24が一体的に固定され、感光ドラム10の非駆動側端部10bには、非駆動側フランジ28が一体的に固定されている。駆動側フランジ24や非駆動側フランジ28は、カシメや接着等の手段で感光ドラム10と同軸に固定されている。クリーニング枠体21の長手両端部には、駆動側端部にドラム軸受30が、非駆動側端部にドラム軸54が、ビスや接着、圧入等の手段で固定されている。感光ドラム10と一体的に固定された駆動側フランジ24はドラム軸受30によって回転可能に支持され、また、非駆動側フランジ28はドラム軸54によって回転可能に支持される。
また、帯電ローラ11の長手一端には帯電ローラギア69が設けられており、帯電ローラギア69は駆動側フランジ24のギア部24gと噛み合っている。ドラムフランジ24の駆動側端部24aは、装置本体A1側から回転力が伝達される構成となっている(不図示)。結果として、感光体ドラム10が回転駆動するのに伴って、帯電ローラ11も回転駆動する。前述のように、帯電ローラ11の表面の周速は、感光ドラム10表面の周速に対して105〜120%程度になるように設定されている。
(6)装置本体A1に対する現像カートリッジB1の着脱構成の説明
次に図を用いて、装置本体A1に対する現像カートリッジB1の装着方法について説明する。
図17は、装置本体A1を非駆動側から見た斜視説明図であり、図18は、装置本体A1を駆動側から見た斜視説明図である。図19は、現像カートリッジB1が装置本体A1に装着される過程を駆動側から見た説明図である。
現像カートリッジB1には、図17に示すように、非駆動側現像軸受46に位置決め部46bと回転止め部46cを有する被ガイド部46dが設けられている。また、図18に示すように、駆動側サイドカバー34には、位置決め部34bと回転止め部34cを有する被ガイド部34dが設けられている。
一方、装置本体A1の駆動側には、図17に示すように、装置本体A1の筐体を構成する駆動側側板90に、駆動側ガイド部材92、さらには装置本体A1内で現像カートリッジB1と一体となって移動する駆動側スイングガイド80が設けられている。駆動側スイングガイド80の詳細は追って説明する。また、駆動側ガイド部材92には、第一ガイド部92a、第二ガイド部92b、第三ガイド部92cが設けられている。駆動側ガイド部材92の第一ガイド部92aには、現像カートリッジB1の着脱経路に沿った着脱経路X1a、および、第二ガイド部92bには、現像カートリッジB1の着脱経路に沿った着脱経路X1bの溝形状が形成される。駆動側ガイド部材92の第三ガイド部92cには、ドラムカートリッジCの着脱経路に沿った着脱経路X3の溝形状が形成されている。また、駆動側スイングガイド80には第一ガイド部80a、第二ガイド部80bが設けられている。駆動側スイングガイド80の第一ガイド部80aは、駆動側ガイド部材92の第一ガイド部92aの延長上で現像カートリッジB1の着脱経路X2aに沿った溝形状が形成されている。また、駆動側スイングガイド80の第二ガイド部80bは、駆動側ガイド部材92の第二ガイド部92bの延長上で現像カートリッジB1の着脱経路X2bに沿った溝形状が形成されている。
同様に、装置本体A1の非駆動側には、図18に示すように、装置本体A1の筐体を構成する非駆動側側板91に、非駆動側ガイド部材93、駆動側スイングガイド80と同様に移動可能な非駆動側スイングガイド81が設けられている。非駆動側ガイド部材93には、第一ガイド部93aと第二ガイド部93bが設けられている。
非駆動側ガイド部材93の第一ガイド部93aには、現像カートリッジB1の着脱経路に沿った着脱経路XH1aの溝形状が形成される。駆動側ガイド部材93の第二ガイド部93bには、ドラムカートリッジCの着脱経路に沿った着脱経路XH3の溝形状が形成されている。また、非駆動側スイングガイド81にはガイド部81aが設けられている。非駆動側スイングガイド81のガイド部81aは、非駆動側ガイド部材93の第一ガイド部93aの延長上で現像カートリッジB1の着脱経路に沿った着脱経路XH2aの溝形状が形成されている。
駆動側スイングガイド80、および、非駆動側スイングガイド81の詳細な構成については追って説明する。
<非駆動側電気接点部の説明>
次に、装置本体A1の電気接点部について図35を用いて説明する。
非駆動側側板91には、画像形成時において現像カートリッジB1のメモリ基板47の電極部47aと対向する位置に給電部120が設けられている。給電部120には、線ばねや板ばね等で形成されたばね性を有する給電接点120Aが給電部120から突出して設けられており、給電接点120Aは不図示の電気基板と接続している。
<本体装置A1への現像カートリッジB1の装着>
以降、装置本体A1への現像カートリッジB1の装着方法について説明する。図17、図18に示すように、装置本体A1の上部に配置され開閉可能な本体カバー94を開放方向D1へ回動させることで、装置本体A1内を露出させる。
その後、現像カートリッジB1の非駆動側軸受46の被ガイド部46d(図17)と装置本体A1の非駆動側ガイド部材93の第一ガイド部93a(図18)とを係合させる。さらに、現像カートリッジB1の現像サイドカバー34の被ガイド部34d(図18)と装置本体A1の駆動側ガイド部材92の第一ガイド部92a(図17)とを係合させる。これにより、現像カートリッジB1は、駆動側ガイド部材92の第一ガイド部92a、および、非駆動側ガイド部材93の第一ガイド部93aにより形成された着脱経路X1a、及び着脱経路XH1aに沿って、装置本体A1内に挿入されることになる。
また、現像カートリッジB1を装置本体A1に装着する際には、前述の通り、カップリング部材180は前述の第二傾斜姿勢D2の状態である。カップリング部材180は第二傾斜姿勢D2を保ったまま、駆動側ガイド部材92の第二ガイド部92bに挿入される。より詳細に説明すると、カップリング部材180と駆動側ガイド部材92の第二ガイド部92bとの間には隙間がある。そのため、現像カートリッジB1が着脱経路X1b、XH1aに沿って装置本体A1内に挿入されている際、カップリング部材180は第二傾斜姿勢D2の状態を保ったままとなる。
着脱経路X1a、XH1aに沿って装置本体A1内に挿入された現像カートリッジB1は、次に、着脱経路X2a、XH2aに沿って、装置本体A1内に挿入されることになる。着脱経路X2a、XH2aは駆動側スイングガイド80の第一ガイド部80a、および、非駆動側スイングガイド81のガイド部81aにより形成されている。より詳細に説明すると、現像サイドカバー34に設けられた被ガイド部34dは、まず装置本体A1の駆動側ガイド部材92の第一ガイド部92aでガイドされる。その後、装着過程に伴って、被ガイド部34dは装置本体A1の駆動側スイングガイド80の第一ガイド部80aに受け渡される構成となっている。同様に、非駆動側では、非駆動側現像軸受46に設けられた被ガイド部46dは、まず装置本体A1の非駆動側ガイド部材93の第一ガイド部93aでガイドされる。その後、装着過程に伴って、被ガイド部46dは装置本体A1の非駆動側スイングガイド81のガイド部81aに受け渡される構成となっている。
また、現像カートリッジB1の駆動側端部に設けられているカップリング部材180は、第二傾斜姿勢D2の状態を保ったまま、装置本体A1の駆動側ガイド部材92の第二ガイド部92bから駆動側スイングガイド80の第二ガイド部80bに受け渡される。なお、前述と同様に、カップリング部材180と駆動側スイングガイド80の第二ガイド部80bとの間には隙間がある構成となっている。
<現像カートリッジB1の位置決め>
次に、現像カートリッジB1が装置本体A1の駆動側スイングガイド80、および、非駆動側スイングガイド81に位置決めされる構成を説明する。なお、駆動側と非駆動側とでは基本的な構成は同様であるため、以下、現像カートリッジB1の駆動側を例に説明する。図19は、現像カートリッジB1が装置本体A1に装着される過程の現像カートリッジB1と駆動側スイングガイド80の状態を示している。
図19(a)は、現像カートリッジB1の現像サイドカバー34に設けられた被ガイド部34dが、駆動側スイングガイド80の第一ガイド部80aにガイドされ、現像カートリッジB1が着脱経路X2a上にある状態を示している。
図19(b)は、図19(a)の状態から更に現像カートリッジB1の装着を進めた状態である。現像サイドカバー34の被ガイド部34dの位置決め部34bが、駆動側スイングガイド80に設けられた駆動側押圧部材82の位置決め部82aと点P1で当接する。
さらに、図20は、駆動側スイングガイド80、および、駆動側押圧部材82の周辺形状を示した斜視説明図である。図20(a)は、長手方向駆動側からみた斜視図であり、図20(b)は、長手方向非駆動側からみた斜視図であり斜視図である。また、図20(c)は駆動側スイングガイド80と駆動側押圧部材82と駆動側押圧バネ83の分解斜視図である。そして、図20(d)、及び図20(e)は駆動側押圧部材82周辺の拡大詳細図である。
ここで、図20(a)、図20(b)に示すように、駆動側押圧部材82は、位置決め部82aの他に穴部82b、座面82c、さらに規制部82dを有している。図20(c)に示すように、穴部82bは、駆動側スイングガイド80のボス部80cと係合し、ボス部80cを中心に回転可能に支持されている。さらに、座面82cには圧縮バネである駆動側押圧バネ83の一端部83cが当接している。また、図20(d)に示すように、駆動側押圧バネ83の他端部83dは、駆動側スイングガイド80の座面80dと当接している。これにより、駆動側押圧部材82は、駆動側スイングガイド80のボス部80cを中心に矢印Ra1方向に回転する方向の付勢力F82を受けている構成となっている。なお、駆動側押圧部材82は、その規制部82dが駆動側スイングガイド80に設けられた回転規制部80eに突き当たることで矢印Ra1方向への回転が規制され位置が決まっている。ここで、図20(e)に示すように、駆動側スイングガイド80に回転可能に支持された駆動側押圧部材82は、駆動側押圧バネ83の付勢力F82に抗して矢印Ra2方向に回転可能である。さらに、駆動側押圧部材82の上端部82eが駆動側スイングガイド80のガイド面80wから突出しない位置まで矢印Ra2方向に回動可能である。
図19(c)は、図19(a)の状態から更に現像カートリッジB1の装着を進めた状態である。そして、現像サイドカバー34の位置決め部34bと回転止め部34cとが一体となった被ガイド部34dが駆動側押圧部材82の手前側斜面82wと当接することで、駆動側押圧部材82を矢印Ra2方向に押し下げている状態を示している。詳細に説明すると、現像サイドカバー34の被ガイド部34dが駆動側押圧部材82の手前側斜面82wと当接し、駆動側押圧部材82をを押圧する。このことで、駆動側押圧部材82は駆動側押圧バネ83の付勢力F82に抗して駆動側スイングガイド80のボス部80cを中心に反時計周り(矢印Ra2方向)に回動することになる。図19(c)は、駆動側サイドカバー34の位置決め部34bと駆動側押圧部材82の上端部82eとが当接した状態である。その時、駆動側押圧部材82の規制部82dは、駆動側スイングガイド80の回転規制部80eと離れている。
図19(d)は、図19(c)の状態から更に現像カートリッジB1の装着を進めた状態であり、駆動側サイドカバー34の位置決め部34bと駆動側スイングガイド80の位置決め部80fとが当接した状態である。前述の通り、駆動側押圧部材82は、駆動側スイングガイド80のボス部80cを中心に矢印Ra1方向に回転する方向の付勢力F82を受けている構成となっている。その為、駆動側押圧部材82の奥側斜面82sが付勢力F4で駆動側サイドカバー34の位置決め部34bを付勢する。その結果、位置決め部34bは駆動側スイングガイド80の位置決め部80fと点P3で隙間なく当接する。これにより、現像カートリッジB1の駆動側が駆動側スイングガイド80へ位置決め固定される。
非駆動側の構成は駆動側と同様であり、図36に示すように、駆動側スイングガイド80、駆動側押圧部材82、駆動側押圧バネ83に対応して、それぞれ非駆動側スイングガイド81、非駆動側押圧部材84、非駆動側押圧バネ85が設けられている。従って、非駆動側現像軸受46の位置決め部46bと非駆動側スイングガイド81との位置決めも、駆動側と同様である(説明は省略する)。これらにより、現像カートリッジB1は駆動側スイングガイド80、非駆動側スイングガイド81へ位置決め固定される。
<現像カートリッジB1の装着過程でのカップリング部材180の動作>
次に、現像カートリッジB1の装着過程でのカップリング部材180の動作について図21、図22、図23を用いて説明する。
前述したように、現像カートリッジB1を装置本体A1に装着する前の状態では、カップリング部材180は第二傾斜姿勢D2である。カップリング部材180は第二傾斜姿勢D2を保ったまま、装置本体A1に装着される。図21(a)は、現像カートリッジB1を装置本体A1に装着し、駆動側スイングガイド80、及び、非駆動側スイングガイド81に形成された着脱経路X2a上にある状態を示している。図21(e)は、図21(a)の状態の時、図21(a)の矢印X50方向からみた図である。カップリング部材180の第二傾斜姿勢D2は、現像カートリッジB1が着脱経路X2a上にいる際に、カップリング部材180の回転力受け部180aが、装置本体A1の本体側駆動部材100の方向に向くように構成されている。より具体的に説明すると、後述するカップリング部材180と本体側駆動部材100とが当接する近傍において、カップリング部材180がその被支持部180bの中心180sを中心として本体側駆動部材100の方向に傾斜する。このようにカップリング180を傾斜させるように、駆動側現像軸受36の第二傾斜規制部36kb2が形成されている(図13、図15、及び、図12参照)。
図21(b)は、図21(a)に示す状態から更に現像カートリッジB1を着脱経路X2aに挿入した状態を示している。図21(f)は、図21(b)の矢印X50方向からみた図である。カップリング部材180の円環部180fと本体側駆動部材100とが当接した状態となっている。図21(a)に示す状態から図21(b)に示す状態に至るまで、カップリング部材180が本体側駆動部材100の方向に傾斜しているため、カップリング部材180と本体側駆動軸100とを容易に係合させることができる。なお、前述のように、カップリング部材180は、その被ガイド部180dがカップリングレバー56とカップリングバネ185とから合力F3を受けることで、第二傾斜姿勢D2を保っている(図12参照)。また、以降の説明のために、カップリング部材180が第二傾斜姿勢D2のときの、駆動入力ギア27の回転軸線L3とカップリング部材180の回転軸線L2との成す角(傾斜角)をθ2aとする(図21(b)参照)。
図21(c)は、図21(b)に示す状態から更に現像カートリッジB1を着脱経路X2aに挿入した状態を示している。図21(g)は図21(c)の矢印X50方向からみた図である。図23は、カップリング部材180の円環部180fが本体側駆動部材100と当接したときのカップリング部材180周辺の力関係を示した断面図である。
カップリングレバー55の回転規制部55yと駆動側スイングガイド80に設置された突き当て部80yとが当接した状態となっている。図21(b)に示す状態から図21(c)に示す状態に至るまで、カップリング部材180は、その円環部180fが本体側駆動部材100と当接することで、傾斜角がθ2b(≦θ2a)となる。より詳細に説明すると、カップリング部材180が本体側駆動部材100から当接部で力F100を受ける。その力F100が、カップリング部材180が当初受けていた力F3に抗する方向で、且つ、F3よりも大きい場合、カップリング部材180の傾斜角は緩くなり、相対的に駆動入力ギア27の回転軸線L3と平行となる方向に近づく。すなわち、カップリング部材180は、その被支持部180bの中心180sを中心として傾斜角度が変化し、θ2b<θ2aとなる(図15、図21(b)、図21(c)、図23(a)参照)。なお、このとき、カップリング部材180は、カップリングレバー55、カップリングバネ185、本体側駆動部材100、および、駆動側現像軸受36の位相規制部36kbの4部品に当接して、その傾斜角(θ2b)が決定される。
図21(d)は、図21(c)に示す状態から更に現像カートリッジB1を着脱経路X2aの方向に挿入した状態を示している。図21(h)は、図21(d)の矢印X50方向からみた図である。カップリングレバー55の回転規制部55yは駆動側スイングガイド80の突き当て部80yに当接している。そのため、現像カートリッジB1の着脱経路X2a方向への挿入に伴って、カップリングレバー55は現像カートリッジB1内で相対的に、回転軸線L11を中心に矢印X11b方向へ回転する。このとき、カップリングレバー55のガイド部55eも回転軸線L11を中心に矢印X11b方向へ回転する。その結果、カップリング部材180は、カップリングバネ185の付勢力を受けながらカップリングレバー55のガイド部55eに沿ってその傾斜角θ2cが減少していく(θ2c<θ2b)。また、カップリング部材180は、カップリングバネ185、本体側駆動部材100、および、駆動側現像軸受36の位相規制部36kbの3部品に当接して、その傾斜角(θ2c)が決定される。
図22は、図21(d)に示す状態から更に現像カートリッジB1を着脱経路X2a方向に挿入した状態であり、また、現像カートリッジB1の装置本体A1への装着が完了した状態を示している。
カップリング部材180は本体側駆動部材100と係合し、基準姿勢D0となっている(カップリング部材180の傾斜角度θ2=0°)。
なお、このとき、カップリング部材180の位相規制ボス180eは、駆動側現像軸受36の第二傾斜規制部36kb2から離脱し、駆動側現像軸受36の位相規制部36bのどこにも当接していない(図22(c)参照)。また、カップリングレバー55のガイド部55eはカップリング部材180の被ガイド部180dから完全に退避した状態で保持されている。すなわち、カップリング部材180は、カップリングバネ185、および、本体側駆動部材100の2部品に当接して、その傾斜角(θ2)が決定される(詳細は前述のカップリング部材180の基準姿勢D0参照。)。
<現像カートリッジB1の取り出し過程でのカップリング部材180の動作>
次に、現像カートリッジB1を装置本体A1から取り出す過程でのカップリング部材108の動作について説明する。
現像カートリッジB1の本体装置A1からの取り出し時の動作は、先述した装着時と逆の動作である。
まず、使用者は、装着時と同様、装置本体A1の本体カバー94を開放方向D1へ回動させ(図17、図18参照)、装置本体A1内を露出させる。このとき、現像カートリッジB1は、駆動側スイングガイド80、および、非駆動側スイングガイド81と共に不図示の構成により現像ローラ13と感光ドラム10とが当接した当接姿勢で保持されている。
そして、現像カートリッジB1を駆動側スイングガイド80、および、非駆動側スイングガイド81に設けられた着脱軌跡XH2に沿って、取り出し方向へ移動させる。
現像カートリッジB1の移動に伴い、カップリングレバー55の回転規制部55yに当接していた駆動側スイングガイド80の突き当て部80yが移動する(図21(d)に示す状態から図21(c)に示す状態)。これに伴い、カップリングレバー55は、回転軸線L11を中心に矢印X11方向に回動する。さらに現像カートリッジB1を移動させると、カップリングレバー55が矢印X11方向に回動し、カップリングレバー55のガイド部55eが、カップリング部材180の被ガイド部180dと当接する(図21(c)に示す状態)。カップリングレバー55、および、カップリングバネ185の両者から付勢力を受けたカップリング部材180は、前述のように、第二傾斜姿勢D2の方向へ移動し始める。最終的には、カップリング部材180の位相規制ボス180eが、駆動側現像軸受36のガイド部36kb2aやガイド部36kb2b、ガイド部36kb2cによって規制され、第二傾斜規制部36kb2に係合する。また、カップリング部材180は第二傾斜姿勢D2の状態を保持される。
その後、駆動側ガイド部材92、および、非駆動側ガイド部材93に設けられた着脱軌跡XH1に沿って取り出し方向へ移動させて、現像カートリッジB1を本体装置A1外へ取り出す。
以上説明したように、本実施例では、カップリング部材180に付勢力を作用させる現像カートリッジB1にカップリングレバー55とカップリングバネ56を設けることで、カップリング部材180を第二傾斜姿勢D2に傾斜させることが可能となる。カップリングレバー55によってカップリング部材180が傾斜する傾斜方向を現像カートリッジB1の着脱経路X2aの方向とし、さらには、カップリングレバー55の回動動作をユーザーによる現像カートリッジB1の着脱操作に連動した構成となっている。
(7)可動部材としての当接離間レバーについて
図1(a)を用いて、駆動側可動部材としての駆動側当接離間レバー70について説明する。図1(a)は駆動側当接離間レバー70、及び、周辺形状の説明図であり、現像カートリッジB1を駆動側からみた断面図である。
図1(a)に示すように、駆動側当接離間レバー70は、第一当接面70a、第二当接面70b、第三当接面70c、被支持部70d、駆動側規制当接部70e、第一突出部(一端側突出部)70fを有している。そして、駆動側現像軸受36に対して、駆動側現像軸受36の支持部36cに駆動側当接離間レバー70の被支持部70dが回転可能に支持されている。具体的には、駆動側当接離間レバー70の被支持部70dの穴と駆動側現像軸受36の支持部36cのボスとが嵌合することで、駆動側当接離間レバー70は、支持部36cのボスを中心に回転可能(矢印N9、N10方向)に支持されている。つまり支持部36cは駆動側当接離間レバー70の回転中心となる。また、本実施例においては、駆動側現像軸受36の支持部36cは現像ローラ13の回転軸L0と平行である。即ち、駆動側現像当接離間レバー70は、現像ローラ13の回転軸L0と直交する平面上で回動可能である。
さらに、駆動側当接離間レバー70は、第三当接面70cにおいて圧縮バネである第一弾性部としての駆動側現像加圧バネ71の一端71dと当接している。駆動側現像加圧バネ71の他端71eは、駆動側現像軸受36の当接面36dと当接している。その結果、駆動側当接離間レバー70は、第三当接面70cにおいて駆動側現像加圧バネ71から矢印N16方向に力を受けていている。そして、駆動側現像加圧バネ71は駆動側当接離間レバー70の第一当接面70aが現像ローラ13から離れる方向(N16)に付勢している。現像カートリッジB1単体の状態、すなわち、現像カートリッジB1が装置本体A1に装着される前の状態では駆動側規制当接部70eが駆動側現像軸受36に設けられた規制部36bに当接している。
ここで、図37は、現像カートリッジB1の断面図に、駆動側当接離間レバー70を投影した図である。図37において被支持部70d(駆動側当接離間レバー70の回転中心)は、現像剤収容部16aと重なる位置(つまり現像剤収容部16aの内部)にある。つまり、現像ローラ13の回転軸L0平行な方向である矢印N11方向(図4参照)に沿って現像カートリッジB1を見ると、駆動側当接離間レバー70の被支持部70dは現像容器16の現像剤収容部16aと重なる位置にある。尚、図示はしていないが非駆動側当接離間レバー72も同様の構成なっている。
従って、駆動側当接離間レバー70及び非駆動側当接離間レバー72の現像剤収容部16aからの突出量を少なくでき、現像カートリッジB1の現像ローラ13の回転軸方向からみた大きさを小型化できる。
図1(b)を用いて、非駆動側可動部材としての非駆動側当接離間レバー72について説明する。なお、非駆動側は駆動側と類似構成である。
図1(b)は現像カートリッジB1を非駆動側から見た側面図である。但し、非駆動側当接離間レバー72の構成説明の為に、一部部品を非表示にしている。
図1(b)に示すように、非駆動側当接離間レバー72は、非駆動側第一当接面72a、非駆動側第二当接面72b、非駆動側第三当接面72c、被支持部72d、非駆動側規制当接部72e、非駆動側第一突出部(他端側突出部)72fを有している。そして、非駆動側現像軸受46の支持部46fによって、非駆動側当接離間レバー72の被支持部72dが支持されている。具体的には、非駆動側当接離間レバー72の被支持部72dの穴と非駆動側現像軸受46の支持部46fのボスとが嵌合することで、非駆動側当接離間レバー72は、支持部46fのボスを中心に回転可能(矢印NH9、NH10方向)に支持されている。つまり、支持部46fは非駆動側当接離間レバー72の回転中心である。また、本実施例においては、非駆動側現像軸受46の支持部46fは現像ローラ13の回転軸L0と平行である。即ち、非駆動側現像当接離間レバー72は、現像ローラ13の回転軸L0と直交する平面上で回動可能である。
さらに、非駆動側当接離間レバー72は、非駆動側第三当接面72cにおいて圧縮バネである第二弾性部としての非駆動側現像加圧バネ73の一端73eと当接している。非駆動側現像加圧バネ73の他端73dは、非駆動側現像軸受46の当接面46gと当接している。その結果、非駆動側当接離間レバー72は、非駆動側第三当接面72cにおいて非駆動側現像加圧バネ73から矢印NH16方向に力FH10を受けている。そして、非駆動側現像加圧バネ73は非駆動側当接離間レバー72の第一当接面72aを現像ローラ13から離れる方向(矢印NH16)に付勢している。現像カートリッジB1単体の状態、すなわち、現像カートリッジB1が装置本体A1に装着される前の状態では非駆動側規制当接部72eが非駆動側現像軸受46に設けられた規制部46eに当接している。
図1に示すように、規制部36bと規制部46eは、各々駆動側現像加圧バネ71、及び非駆動側現像加圧バネ73の付勢方向で、駆動側現像加圧バネ71、及び非駆動側現像加圧バネ73と一部が重なるように構成されている。言い換えると、駆動側当接離間レバー70は、規制部36bと駆動側現像加圧バネ71とで挟み込まれて、圧縮力を受ける構成となっている。すなわち、駆動側当接離間レバー70の被離間部70gが規制部36bに当接した後の被離間部70gの位置を精度よく位置決めすることができる。また、非駆動側も同様である。結果として、後述する装置本体の離間機構による離間力を高精度なタイミングで受けることができる。
規制部36bと規制部46eは、各々駆動側当接離間レバー70、非駆動側当接離間レバー72が現像ローラ13から遠ざかる方向へ移動するのを規制している。言い換えると規制部36bと規制部46eは、各々駆動側当接離間レバー70、非駆動側当接離間レバー72が現像ローラ13から遠ざかる方向へ移動するのを規制できる位置に設けられている。現像ローラ13を感光ドラム10に対して離間させる際には、駆動側当接離間レバー70、および、非駆動側当接離間レバー72はそれぞれ回動方向N10及びNH10に回動させて、規制部36bと規制部46eに当接させる。これにより、装置本体の離間機構による離間力が、駆動側当接離間レバー70、および、非駆動側当接離間レバー72から規制部36bと規制部46eを介して、現像枠体の駆動側現像軸受36と非駆動側現像軸受46とへ伝達される状態となる。
図44は、規制部36b、規制部46e、駆動側当接離間レバー70、非駆動側当接離間レバー72、駆動側現像加圧バネ71、及び非駆動側現像加圧バネ73の、現像ローラ13の長手方向における位置関係を示した模式図である。図44は、現像ローラ13の長手方向(回転軸L0方向)に直交する方向から見た図である。規制部36bは、駆動側現像加圧バネ71及び駆動側第三当接面70cと、現像ローラ13の長手方向(回転軸L0方向)に平行なN11方向に関して、少なくとも一部が重なるように構成されている。同様に、規制部46eは、非駆動側現像加圧バネ73及び非駆動側第三当接面72cと、N11方向に関して、少なくとも一部が重なるように構成されている。それにより、後述する装置本体の離間機構による離間力を高精度なタイミングで受けることができる。
また、図1に示すように、矢印M2方向についても、規制部36bは、駆動側現像加圧バネ71及び駆動側第三当接面70cと少なくとも一部が重なるように構成されている。同様に、矢印M2方向について、規制部46eは、非駆動側現像加圧バネ73及び非駆動側第三当接面72cと少なくとも一部が重なるように構成されている。しかしながら、N11方向また矢印M2方向のいずれか一方向に関して、上述した規制部36b、規制部46eの配置関係となっていればよい。
ここで、駆動側現像加圧バネ71の付勢力F10と非駆動側現像加圧バネ73の付勢力FH10は異なる設定としている。また、駆動側第三当接面70cと非駆動側第三当接面72cは異なる角度で配置されている。これは、後述する感光ドラム10に対する現像ローラ13の押圧力が適正になるように周辺構成の特性を考慮して適宜選択すれば良い。本実施例においては、現像ローラ13を回転駆動する為に、装置本体A1から駆動伝達を受けた時に現像カートリッジ13に発生するモーメントM6(図27(a)参照)の影響を考慮して、
F10<FH10
という関係で設定している。
つまり駆動側では、図8に示すようにカップリング部材180が矢印X6方向に回転する。その回転力を受けた現像カートリッジB1は、駆動側スイングガイド80と一体に、図27に示す矢印N6方向に支持部80g(図27参照)を中心に揺動する。カップリング部材180が本体側駆動部材100から受ける回転力(トルク)が十分にある時には、カップリング部材180のトルクだけで矢印N6方向のモーメントを生じ、現像ローラ13を感光ドラム10に対して圧接する力が発生する。その為、駆動側現像加圧バネ71の付勢力F10を非駆動側現像加圧バネ73の付勢力FH10と比べて小さくしてもいい。
ここで、図1(a)に示すように、現像ローラ13の中心13zを通り、現像カートリッジB1の装置本体A1への装着方向X2(図17)と平行な直線Z30を定義する。駆動側当接離間レバー70は、直線Z30に対して感光ドラム10とは反対側に配置される(本実施例においては重力方向下側)。この構成により現像カートリッジを着脱する際に、ドラムカートリッジCとの間の配置に自由度が増す。具体的には、駆動側当接離間レバー70がドラムカートリッジC方向へ突出しない構成とすることで、ドラムカートリッジCの配置の自由度が増す。突出する駆動側当接離間レバー70等との干渉を避けた配置にする必要がない。
そして、駆動側当接離間レバー70の第一突出部70fは長手方向(回転軸方向)に沿って現像カートリッジの駆動側からみると、現像容器16、駆動側現像軸受36、現像サイドカバー34(図10参照)より突出している。
つまり現像カートリッジを長手方向(回転軸L0方向)に沿って駆動側(一端側)から見た際、図11で示されるように駆動側当接離間レバー70の第一突出部(一端側突出部)70fは現像枠体(16、46、36、34)から露出している。
しかしながら、現像カートリッジB1を長手方向(回転軸L0方向)に沿って見た際に、駆動側離間レバー70が必ずしも現像枠体(16、46、36、34)から露出している必要はない。現像カートリッジB1を駆動側や被駆動側から見たとき駆動側離間レバー70が現像枠体の陰に隠れてしまい、第一突出部70fが露出しない(見えない)構成も考えられる。
つまり突出部70fは、駆動側離間レバー70(特に突出部70f)を通り、長手方向(現像ローラ13の回転軸L0)に直交する現像カートリッジの断面(図1(a)参照)において、現像枠体(16、46、36、34)から突出していればよい。このような構成であれば、後述する駆動側装置押圧部材150(図27参照)が突出部70fと係合可能である。
言い換えると、現像ローラ13の長手方向において駆動側離間レバー70が配置された位置で、突出部70fが現像枠体から突出して現像カートリッジの外形を形成していればよい。本実施例では、突出部70fは駆動側離間レバー70が配置された位置で駆動側現像軸受36に対して突出している。仮に突出部70fが駆動側離間レバー70よりも長手方向の外側に位置する現像サイドカバー34で覆い隠されたり、駆動側離間レバー70よりも長手方向内側に位置する現像容器16で覆い隠されるような構成であってもよい。
まとめると現像ローラ13の回転軸L0方向における駆動側当接離間レバー70の位置の断面で見ると、駆動側当接離間レバー70は、現像カートリッジB1としての外形を形成するように突出している。
さらに、第一突出部70fの突出方向(矢印M2方向)は、駆動側当接離間レバー70の可動方向(移動方向:矢印N9、N10方向)、及び現像カートリッジB1の可動方向(移動方向:矢印N6方向(図27(a)参照))に対して交差する。
また、第一突出部70fは、駆動側当接離間レバー70の被支持部70dから見て現像ローラ13の逆側に第一当接面70aを有している。詳細は後述するが、感光ドラム10に対して現像ローラ13を加圧する際に、駆動側装置押圧部材150の第二当接面150bと駆動側当接離間レバー70の第一当接面70aとが当接する構成となっている(図27(a)参照)。さらに、第一突出部70fの先端には、第一突出部70fの突出方向(矢印M2方向)と交差し、現像ローラ13側に突出する被離間部70gが設けられている。被離間部70gは第二当接面70bを有している。詳細は後述するが、感光ドラム10に対して現像ローラ13を離間する際には(図28参照)、駆動側装置押圧部材150の第一当接面150aと駆動側当接離間レバー70の第二当接面70bとが当接する構成となっている。
次に図1(b)を用いて、非駆動側当接離間レバー72の形状について詳細に説明する。前述した駆動側と同様に、非駆動側当接離間レバー72は現像ローラ13の中心13zを通り、現像カートリッジB1の装置本体A1への装着方向X2と平行な直線Z30に対して感光ドラム10とは反対側に配置される(本実施例においては重力方向下側)。この構成により現像カートリッジを着脱する際に、ドラムカートリッジCとの間の配置に自由度が増す。具体的には、非駆動側当接離間レバー72がドラムカートリッジC方向へ突出しない構成とすることで、ドラムカートリッジCの配置の自由度が増す。突出する非駆動側当接離間レバー72等との干渉を避けた配置にする必要がない。
そして、非駆動側当接離間レバー72の第一突出部72fは長手方向からみて現像容器16、非駆動側現像軸受46より突出している。つまり現像カートリッジを長手方向(回転軸L0方向)に沿って非駆動側(他端側)から見た際、非駆動側当接離間レバー72の第一突出部(他端側突出部)72fは現像枠体(16、46、36、34)から露出している(図5参照)。
ただし第一突出部72fも第一突出部70fと同様に、現像カートリッジB1を長手方向(回転軸L0方向)に沿って見た際に露出している必要はない。
つまり第一突出部72fも第一突出部70f同様に、駆動側離間レバー72を通り(特に突出部72f)、長手方向(現像ローラ13の回転軸L0)に直交する現像カートリッジの断面において、現像枠体(16、36、34)から突出していればよい。このような構成であれば、後述する非駆動側装置押圧部材151(図29参照)が突出部72fと係合可能である。
言い換えると、現像ローラ13の長手方向において駆動側離間レバー72が配置された位置で、突出部72fが現像枠体(本実施例では非駆動側サイドカバー46)から突出して現像カートリッジB1の外形を形成していればよい。駆動側離間レバー72が配置された位置よりも長手方向外側や長手方向内側において、現像枠体が第一突出部72fを覆って隠すような構成であってもよい。
まとめると、現像ローラ13の回転軸L0方向における非駆動側当接離間レバー72の位置の断面で見ると、非駆動側当接離間レバー72は、現像カートリッジB1としての外形を形成ように突出している。
さらに、第一突出部72fの突出方向(矢印MH2方向)は、非駆動側当接離間レバー72の可動方向(移動方向:矢印NH9、NH10方向)、及び現像カートリッジB1の可動方向(移動方向:矢印M1方向(図27(a)))に対して交差する。また、第一突出部72fは、非駆動側当接離間レバー72の被支持部72dから見て現像ローラ13の逆側に第一当接面72aを有している。詳細は後述するが、感光ドラム10に対して現像ローラ13を加圧する際に、非駆動側装置押圧部材151の第二当接面151bと非駆動側当接離間レバー72の第一当接面72aとが当接する構成となっている(図29)。
さらに、第一突出部72fの先端には、第一突出部72fの現像容器16からの突出方向(矢印MH2方向)と交差し、現像ローラ13側に突出する被離間部72gが設けられている。被離間部72gは第二当接面72bを有している。詳細は後述するが、感光ドラム10に対して現像ローラ13を離間する際には(図29参照)、非駆動側装置押圧部材151の第一当接面151aと非駆動側当接離間レバー72の第二当接面72bとが当接する構成となっている。
また、駆動側当接離間レバー70と非駆動側当接離間レバー72は、前述のように、現像ローラ13の軸線方向(長手方向)に対して、現像カートリッジの両端に設けられている。また、画像形成に用いる記録紙、ラベル紙、OHPシート等のメディア幅よりも外側に駆動側当接離間レバー70と非駆動側当接離間レバー72を配置することもできる。この場合、長手方向を法線とする平面で装置本体を見たときに、駆動側当接離間レバー70等とメディア、および、メディアを搬送する装置本体に設けられた搬送部材等とを交差した位置に配置することもできる。結果として、装置本体の小型化を図ることもできる。
次に、図24を用いて、駆動側当接離間レバー70と非駆動側当接離間レバー72の配置について詳細に説明する。図24は現像カートリッジB1を現像ローラ13側から見た正面図である。但し、現像ローラ13の駆動側被支持部13aを支持する駆動側現像軸受36の支持部36aと、現像ローラ13の非駆動側被支持部13cを支持する非駆動側現像軸受46の支持部46f付近を断面図としている。
前述した通り、駆動側当接離間レバー70は、現像カートリッジB1の長手方向において、駆動側端部に設けられている。また、非駆動側当接離間レバー72は、現像カートリッジB1の長手方向において、非駆動側端部に設けられている。そして、駆動側当接離間レバー70と非駆動側当接離間レバー72の回動動作(図1(a)矢印N9、N10方向、及び図1(b)矢印NH9、NH10方向)は、互いに影響を与えること無く独立して回動可能である。
ここで、長手方向において、現像ローラ13の駆動側被支持部13aは、画像形成範囲L13bの駆動側端部L13bkよりも長手外側で駆動側現像軸受36の支持部36aに支持されている。さらに、現像ローラ13の非駆動側被支持部13cは、画像形成範囲L13bの非駆動側端部L13bhよりも長手外側で非駆動側現像軸受46の支持部46fに支持されている。そして、駆動側当接離間レバー70と非駆動側当接離間レバー72は現像ローラ13の全長L13aの範囲と少なくとも一部が重なり合って配置されている。さらに、現像ローラ13の画像形成範囲L13bよりも外側に配置されている。
即ち、駆動側当接離間レバー70と現像ローラ13の駆動側被支持部13aは、画像形成領域L13bの駆動側端部L13bkと現像ローラ13の全長L13aの駆動側端部L13akに挟まれた領域L14kと少なくとも一部が重なるように配置されている。その為、駆動側当接離間レバー70と現像ローラ13の駆動側被支持部13aは、長手方向において近接した位置に配置となる。
また、非駆動側当接離間レバー72と現像ローラ13の非駆動側被支持部13cは、画像形成領域L13bの非駆動側端部L13bhと現像ローラ13の全長L13aの非駆動側端部L13ahに挟まれた領域L14hと少なくとも一部が重なる。この関係を満たすように、非駆動側当接離間レバー72と現像ローラ13の被駆動側被支持部13cが配置されている。その為、非駆動側当接離間レバー72と現像ローラ13の駆動側被支持部13cは、長手方向において近接した位置に配置となる。(当接離間構成の説明)
(装置本体の現像加圧、及び、現像離間構成)
次に、装置本体の現像加圧、及び、現像離間構成について説明する。
図25(a)は、装置本体A1の駆動側側板90を非駆動側から見た分解斜視図、図25(b)は非駆動側から見た側面図である。図26(a)は、装置本体A1の非駆動側側板91を駆動側から見た分解斜視図、図26(b)は駆動側から見た側面図である。
図25に示すように、装置本体A1には、現像カートリッジB1を装置本体A1に着脱するための駆動側ガイド部材92、駆動側スイングガイド80が設けられている。この駆動側ガイド部材92と駆動側スイングガイド80は、現像カートリッジB1が装置本体内に装着される際に、現像カートリッジB1の駆動側被ガイド部34dをガイドする(図18参照)。
図25(a)に示すように、駆動側ガイド部材92は、駆動側ガイド部材92から突出したボス形状の被位置決め部92d、及び、被回転規制部92eが、駆動側側板90に設けられた穴形状の位置決め部90a、及び、回転規制部90bにそれぞれ支持される。そして、ビス(不図示)等の固定手段により駆動側ガイド部材92を駆動側側板90に位置決め固定する。また、駆動側スイングガイド80は、円筒形状の被支持凸部80gが、駆動側側板90にもけられた穴形状の支持部90cと嵌合することによって支持される。よって、駆動側スイングガイド80は駆動側側板90に対して、矢印N5方向、及び矢印N6方向に回動可能に支持される。
なお、上述の説明では、駆動側側板90に設けられた支持部90cは穴形状(凹形状)とし、一方、駆動側スイングガイド80に設けられた被支持凸部80gは凸形状の場合での説明であるが、凹凸関係はこの限りではなく、凹凸関係を逆に構成しても良い。
さらに、駆動側スイングガイド80の突起部80hと駆動側側板90の突起部90dとの間には引っ張りバネである駆動側付勢手段76が設けられている。駆動側スイングガイド80は、駆動側付勢手段76によって、駆動側スイングガイド80の突起部80hと駆動側側板90の突起部90dとを近づける矢印N6方向に付勢される。 また、装置本体A1には、感光ドラム10の表面と現像ローラ13とを接触させる、及び、前記両者を離間させるための駆動側装置押圧部材150が設けられている。駆動側装置押圧部材150は、矢印N7方向、及び、矢印N8方向に移動可能な状態で底板(不図示)に支持される。
一方、図26に示すように、装置本体A1には、現像カートリッジB1を装置本体A1に着脱するための非駆動側ガイド部材93、非駆動側スイングガイド81が設けられている。この非駆動側ガイド部材93と非駆動側スイングガイド81は、現像カートリッジB1が装置本体内に装着される際に、現像カートリッジB1の非駆動側被ガイド部46dとガイドする(図18参照)。
図26(a)に示すように、非駆動側ガイド部材93は、非駆動側ガイド部材93から突出したボス形状の被位置決め部93d、及び、被回転規制部93eを有する。被位置決め部93d、及び、被回転規制部93eは、非駆動側側板91に設けられた穴形状の位置決め部91a、及び、回転規制部91bにそれぞれ支持される。そして、ビス(不図示)等の固定手段により非駆動側ガイド部材93を非駆動側側板91に位置決め固定する。また、非駆動側スイングガイド81は円筒形状の被支持凸部81gが、非駆動側側板91に設けられた穴形状の支持部91cに嵌合することによって支持される。よって、非駆動側スイングガイド81は非駆動側側板91に対して、矢印N5方向、及び、矢印N6方向へ回動可能に支持される。
なお、上述の説明では、非駆動側側板91に設けられた支持部91cは穴形状(凹形状)とし、一方、非駆動側スイングガイド81に設けられた被支持凸部81gは凸形状の場合での説明であるが、凹凸関係はこの限りではなく、凹凸関係を逆に構成しても良い。
さらに、非駆動側スイングガイド81の突起部81hと非駆動側側板91の突起部91dとの間には引っ張りバネである非駆動側付勢手段77が設けられている。非駆動側スイングガイド81は、非駆動側付勢手段77によって、非駆動側スイングガイド81の突起部81hと非駆動側ガイド部材91の突起部91dとを近づける矢印N6方向に付勢される。
また、駆動側と同様に、装置本体A1には、感光ドラム10の表面と現像ローラ13の接触させる、及び、前記両者を離間させるための非駆動側装置押圧部材151が設けられている。非駆動側装置押圧部材151は、矢印N7方向、及び、矢印N8方向に移動可能な状態で底板(不図示)に支持される。 (感光ドラム対する現像加圧及び現像離間)
次に、感光ドラム10に対する現像ローラ13の加圧、及び、離間について説明する。
<加圧機構>
以下に、現像ローラ13の構成について説明する。
図27(a)は、駆動側スイングガイド80に支持された現像カートリッジB1に備える現像ローラ13が、感光ドラム10に当接した状態を示した側面図である。また、図27(c)は、図27(a)の駆動側当接離間レバー70周辺の詳細図であり、説明の為に駆動側スイングガイド80、及び現像サイドカバー34を非表示にしている。
本実施例では、表面に現像剤tを担持した現像ローラ13を感光ドラム10に直接接触させることで感光ドラム10上の静電潜像を現像する、いわゆる接触現像方式を用いる。
現像ローラ13は、軸部13eとゴム部13dから構成される。軸部13eは、アルミ等の導電性の細長い円筒状であり、その長手方向で中央部はゴム部13dで覆われている(図6参照)。ここで、ゴム部13dは、外形形状が軸部13eと同軸線上になるように軸部13eに被覆されている。そして、軸部13eの円筒内にはマグネットローラ12が内蔵されている。ゴム部13dは、周面に現像剤tを担持し、軸部13eにバイアスを印加する。そして、現像剤tを担持した状態のゴム部13dを感光ドラム10の表面と接触させることによって、感光ドラム10上の静電潜像を現像する。
次に現像ローラ13と感光ドラム10を所定の接触圧で圧接させる機構について説明する。
前述した通り、駆動側スイングガイド80は駆動側側板90に対して矢印N5、及び、矢印N6方向に揺動可能に支持されている。また、非駆動側スイングガイド81は非駆動側側板91に対して、矢印N5、及び、矢印N6方向に揺動可能に支持されている。そして、前述のように、現像カートリッジB1は駆動側スイングガイド80、及び、非駆動側スイングガイド81に対して位置決めされている。従って、現像カートリッジB1は装置本体A1内で矢印N5、及び、矢印N6方向に揺動可能な状態にある(図29参照)。
その状態において、図27(a)、及び図27(c)に示すように駆動側装置押圧部材150の第二当接面150bと駆動側当接離間レバー70の第一当接面70aが当接している。それにより駆動側当接離間レバー70が駆動側現像加圧バネ71の付勢力に抗して図27(c)の矢印N9方向に回転した状態となる。そして、駆動側当接離間レバー70の第三当接面70cは、駆動側現像加圧バネ71を圧縮し、駆動側現像加圧バネ71から付勢力F10aを受ける。その結果、駆動側当接離間レバー70には矢印N10方向のモーメントM10が作用する。この時、駆動側装置押圧部材150の第二当接面150bと駆動側当接離間レバー70の第一当接面70aが当接している。この為、モーメントM10と釣り合うモーメントが駆動側当接離間レバー70に作用するように、駆動側当接離間レバー70の第一当接面70aは駆動側装置押圧部材150の第二当接面150bから力F11を受ける。従って、現像カートリッジB1には力F11の外力が作用していることになる。また、前述の通り、駆動側スイングガイド80の突起部80hと駆動側側板90の突起部90dとの間には駆動側付勢手段76が設けられており、矢印N12方向に付勢される。従って、駆動側スイングガイド80に位置決めされている現像カートリッジB1には矢印N12の方向に力F12の外力が作用していることになる。
すなわち、現像カートリッジB1は駆動側現像加圧バネ71による力F11と駆動側付勢手段76による力F12によって、現像ローラ13と感光ドラム10が近づく方向(矢印N6方向)のモーメントM6を受ける。このモーメントM6によって、現像ローラ13の弾性層13dを感光ドラム10に所定の圧で圧接可能である。
次に、図29(a)は、非駆動側スイングガイド81に支持された現像カートリッジB1に備える現像ローラ13が、感光ドラム10に当接した状態を示した側面図である。また、図29(c)は、図29(a)の駆動側当接離間レバー72周辺の詳細図であり、説明の為に非駆動側スイングガイド81、及び非駆動側現像軸受46の一部を非表示にしている。
非駆動側も駆動側と同様の構成であり、図29(a)、及び図29(c)に示すように、非駆動側現像加圧バネ73と非駆動側付勢手段77によって現像カートリッジB1に外力FH11、FH12が作用する。それにより、現像カートリッジB1が現像ローラ13と感光ドラム10が近づく方向(矢印N6方向)のモーメント(M6)を受け、現像ローラ13の弾性層13dを感光ドラム10に所定の圧で圧接可能でとなる。
ここで、図27(b)に示すように、現像ローラ13の回転軸線の方向から見た時の、被支持部70dの中心から第三当接面70cの中心までの距離をD10とする。同様に、被支持部70dの中心から第一当接面70aの駆動側装置押圧部材150に押圧される部分までの距離をD11とする。そして、距離D10と距離D11の関係は、
D10<D11
となる。
従って、駆動側現像加圧バネ71の一端71dと当接する駆動側当接離間レバー70の第三当接面70cは、突出方向M2の方向において、駆動側当接離間レバー70の被支持部70dと第一当接面70aの間に配置される。即ち、被支持部70dから第三当接面70cまでの距離W10と被支持部70dから第一当接面70aまでの距離W11の関係は、
W10<W11
となる。
故に、第一当接面70aの移動量をW12とした場合の第3当接面70cの移動量W13の関係は、
W13<W12
ここで、W13=W12×(W10/W11)
である。
その為、駆動側装置押圧部材150の位置精度に誤差が発生した場合でも、駆動側現像加圧バネ71の圧縮量の変化は駆動側装置押圧部材150の位置精度の誤差よりも小さくなる。その結果、感光ドラム10に対して現像ローラ13を圧接させる為の押圧力の精度を向上することができる。非駆動側も同様の構成なので、同様の効果を得られる。
また、前述の通り、長手方向において、駆動側当接離間レバー70と非駆動側当接離間レバー72は現像ローラ13の全長L13aの範囲と少なくとも重なり合って配置されている(図24参照)。その為、駆動側当接離間レバー70、及び非駆動側離間レバー72の第一当接面70a、及び72aと、現像ローラ13の駆動側被支持部13a、及び非駆動側被支持部13cとの長手方向の位置差を小さくできる。駆動側当接離間レバー70は外力F11(図27(a)参照)を受けるものであり、非駆動側離間レバー72は外力FH11(図29参照)を受けるものである。そして上記位置差を小さくした結果、駆動側現像軸受36、及び非駆動側現像軸受46に作用するモーメントを抑制できる。その為、効率良く現像ローラ13を感光ドラムに圧接することができる。
また、前述の通り、駆動側当接離間レバー70と非駆動側当接離間レバー72の回動動作(図27(a) 矢印N9、N10方向、及び図29 矢印NH9、NH10方向)は、互いに独立して回動可能である。その為、感光ドラム10に対して現像ローラ13が圧接状態のとき、駆動側装置押圧部材150の矢印N7、N8方向(図25参照)の位置と、非駆動側装置押圧部材151の矢印N7、N8方向の位置(図26参照)をそれぞれ独立して設定することができる。さらに、駆動側当接離間レバー70と非駆動側当接離間レバー72の回動方向(図27(a) 矢印N9、N10方向、及び図29 矢印NH9、NH10方向)を一致させる必要も無い。その結果、駆動側、及び非駆動側の現像ローラ13を感光ドラム10に圧接する為の押圧力F11、FH11の大きさ、及び方向をそれぞれ適正化できる。さらに、駆動側装置押圧部材150と非駆動側装置押圧部材151の位置に相対誤差がある場合でも、互いの押圧力F11、FH11に影響し合わない。その結果、感光ドラム10に対する現像ローラ13の接圧を高精度化できる。
なお、感光体ドラム10と現像ローラ13とが接触して感光ドラム10上の静電潜像を現像できる状態の現像カートリッジB1の位置を当接位置と称す。一方、感光体ドラム10と現像ローラ13とが離間した状態の現像カートリッジB1の位置を離間位置と称す。現像カートリッジB1は、後述する機構により、現像カートリッジB1は当接位置と離間位置とを選択することができる構成となっている。
<加圧機構による現像カートリッジと装置本体の電気接続の構成>
次に、現像カートリッジB1と装置本体A1の電気接続の構成について図38を用いて説明する。現像カートリッジB1が前述の当接位置にあるとき、現像カートリッジB1におけるメモリ基板47の電極部47aと装置本体A1の給電接点120Aが接触している。ここで、給電接点120Aはばね性を有しているため、図39に示したように現像カートリッジB1装着前の形状120Aaから、電極部47aによって所定量押し込まれている。これにより、給電接点120Aは現像カートリッジB1に現像ローラ13と感光ドラム10が離れる方向の接点圧FH13を及ぼしている。一方で、図38に示したように、現像カートリッジB1には現像ローラ13と感光ドラム10を近づける方向の力FH11が作用している。このとき、図38(a)に示したように、非駆動側当接離間レバー72は、非駆動側現像軸受46の当接面46eに当接した第一位置から、非駆動側装置部材151によって突出部72fが現像ローラ13に近づいた第二位置へ押し込まれている。また、電極部47aは第一位置から第二位置への移動方向Wの下流側にあり、移動方向Wと電極部47aの表面(露出面)は交差している。
従って、非駆動側当接離間レバー72を方向Wへ移動させる力FH11と、接点圧FH13と、が各々対向する力成分を有することになる。ここで、電極部47aと給電接点120Aの電気接続を安定させるためには一定以上の接点圧FH13が必要である。本構成においては、現像ローラ13の弾性層を感光ドラム10に安定的に圧接させる力に加えて、前述の接点圧F13を考慮して非駆動側現像加圧バネ73の力FH11の大きさを設定している。つまり、力FH11によって、電気接続が安定する接点圧FH13の確保と、現像ローラ13の感光ドラム10への圧接を両立させることが可能である。以上により、電極部47aと給電接点120Aが電気的に接続し、装置本体の電気基板(不図示)と電極部47aの通信が可能となる。
ここで、非駆動側付勢手段77の外力FH12を上げて接点圧FH13を確保する場合も考えられる。しかしながらその場合、現像カートリッジB1が非駆動側スイングガイド81から抜け出さないように非駆動側押圧バネ85の付勢力を上げる必要がある(図26参照)。一方で、非駆動側押圧バネ85は、前述のように現像カートリッジB1を非駆動側スイングガイド81に装着する際にユーザーの操作力によって押し下げられる。従ってユーザーがより大きな力で現像カートリッジB1を装着する必要がある。以上のように、非駆動側付勢手段77の力FH12で接点圧FH13を確保しようとすると、ユーザーの取り扱い性が悪化する恐れがある。従って、本実施例のように、非駆動側現像加圧バネ73の力FH11で接点圧FH13を確保することで、ユーザーの取り扱い性を悪化させることなく現像カートリッジB1を位置決めすることができる。
また、本実施例において、電極部47aと非駆動側当接離間レバー72の関係は次に述べる関係に言い換えることもできる。例えば、図38(b)に示したように、給電接点120Aの当接部での電極部47aの法線方向Zにおいて、電極部47aと非駆動側当接離間レバー72との距離を、第一位置においてL1、第二位置においてL2とする。このとき、L2<L1となるように電極部47aを配置する。これにより、非駆動側当接離間レバー72を第一位置から第二位置へと移動させる力を接点圧FH13の確保に利用することができる。
更に、図38に示したように、本実施例においては、非駆動側当接離間レバー72、非駆動側現像加圧バネ73、およびメモリ基板47がいずれも非駆動側現像軸受46に取り付けられている。つまり、接点圧F13の作用部である電極部47aと力FH11の作用部である非駆動側当接離間レバー72の位置が、現像ローラ13の軸線L0に直交する同一の平面上に配置されている。換言すれば、現像ローラ13の軸線L0の方向に関して、電極部47aと非駆動側当接離間レバー72と少なくとも一部で重なっている。従って、接点圧F13と力FH11の間で、現像ローラの軸線と直交する方向の回転軸Tを有するモーメントの発生を低減できるため、現像カートリッジB1の姿勢をより安定させることができる。
また、メモリ基板47は駆動側ではなく非駆動側の軸受46に取り付けられている。仮に駆動側にメモリ基板47を設けた場合、カップリング部材180に作用する駆動力の影響を受ける恐れがある。しかし本実施例では非駆動側現像軸受46にメモリ基板47を設けているので駆動力の影響を受けにくく、接点圧FH13が安定する。
<離間機構>
図28(a)は、現像ローラ13と感光ドラム10とが当接状態から離間状態に遷移する際の現像カートリッジB1状態を説明する説明図である。また、図28(c)は、図28(a)の駆動側当接離間レバー70周辺の詳細図であり、説明の為に駆動側スイングガイド80、及び現像サイドカバー34を非表示にしている。
図28(b)は、現像ローラ13と感光ドラム10とが離間した現像カートリッジB1の離間状態を説明する説明図である。また、図28(d)は、図28(b)の駆動側当接離間レバー70周辺の詳細図であり、説明の為に駆動側スイングガイド80、及び現像サイドカバー34を非表示にしている。
ここで、本実施例のような接触現像方式の場合、常に図27(a)に示すような現像ローラ13が感光ドラム10に接触したままの状態が維持されると、現像ローラ13のゴム部13bが変形する恐れがある。このため、非現像時には、現像ローラ13を感光ドラム10から離間しておくことが好ましい。つまり、図27(a)に示すように、感光ドラム10に対して現像ローラ13が接触した状態と、図28(b)に示すように、感光ドラム10から現像ローラ13が離間した状態とをとることが好ましい。
駆動側当接離間レバー70には、現像ローラ13方向に突出した被離間部70gが設けられている。被離間部70gは、装置本体A1に設けられた駆動側装置押圧部材150に設けられた第一当接面150aに係合可能な構成となっている。さらに、駆動側装置押圧部材150は不図示のモータからの駆動力を受け、矢印N7、矢印N8方向に移動可能な構成となっている。
次に、現像ローラ13と感光ドラム10が離間した状態へ移行する動作について説明する。図27(a)に示した現像ローラ13と感光ドラム10の当接状態では第一当接面150aと被離間部70gは距離δ5の隙間を有した状態で離間している。
一方、図28(a)は、駆動側装置押圧部材150が矢印N8方向へ距離δ6だけ移動した状態を示しており、駆動側当接離間レバー70の第一当接面70aと駆動側装置押圧部材150の第二当接面150bとの接触が離間した状態である。この時、駆動側当接離間レバー70の第一当接面70aは駆動側現像加圧バネ71の付勢力F10を受け、被支持部70dを中心に矢印N10の方向に回転し、駆動側当接離間レバー70の規制当接部70eと駆動側軸受部材36の規制部36bとが当接する。これにより、駆動側当接離間レバー70と駆動側軸受部材36との位置が決まる。 図28(b)は駆動側装置押圧部材150が矢印N8方向へ距離δ7だけ移動した状態を示している。駆動側装置押圧部材150が矢印N8方向へ移動したことにより、駆動側当接離間レバー70の被離間面70gと駆動側装置押圧部材150の第一当接面150aとが当接する。このとき、駆動側当接離間レバー70の規制当接部70eと駆動側軸受部材36の規制部36bとが当接しているので、現像カートリッジB1を矢印N8方向へ移動させる。ここで、現像カートリッジB1は、詳細は図41を用いて後述するが、駆動側側板90に対して矢印N3方向、矢印N4方向にスライド可能、且つ矢印N5、矢印N6方向に揺動可能に支持されている駆動側スイングガイド80に位置決めされている。その為、駆動側装置押圧部材150が矢印N8方向へ移動することによって、現像カートリッジB1は矢印N5方向へ揺動する。この時、現像ローラ13と感光ドラム10とは互いに距離δ8だけ隙間をもって離間した状態となる。
非駆動側も駆動側と同様の構成であり、図29(b)、及び図29(d)に示すように、非駆動側当接離間レバー72と非駆動側装置押圧部材151が当接した状態で非駆動側装置押圧部材151が矢印NH8の方向に距離δh7だけ移動する。このことによって、現像カートリッジB1がスイングガイド81の被支持凸部81gを中心に矢印N5方向に回動し、現像ローラ13と感光ドラム10が互いに距離δ8だけ離間する構成である。
このように、装置本体A1に設けられた駆動側装置押圧部材150と非駆動側装置押圧部材151の位置により、感光ドラム10と現像ローラ13との当接状態、或いは離間状態を必要に応じて選択される。
また、図27(a)等に示すように、駆動側当接離間レバー70は、現像ローラ13の回転軸方向L0から見て、且つ、駆動側当接離間レバー70が位置する断面上で、現像カートリッジB1の外形を形成するように現像容器16から突出している。そのため、駆動側当接離間レバー70と駆動側装置押圧部材150との係合を容易に行うことができる。また、駆動側当接離間レバー70の一部品を用いて、現像カートリッジB1を当接位置と離間位置とに移動可能な構成となっている。なお、非駆動側についても同様である。
また、図27(a)に示した現像ローラ10と感光ドラム13の当接状態から図28(b)に示した現像ローラ10と感光ドラム13の離間状態へ遷移する際、駆動側スイングガイド80と現像カートリッジB1は一体で回動する。その為、カップリングレバー55のガイド部55eは、カップリング部材180の被ガイド部180dから退避した状態が維持される(図28(b)参照)。
さらに、図28(b)に示した現像ローラ13と感光ドラム10が離間した状態にあるとき、カップリング部材180の被ガイド部180dとカップリングバネ185のガイド部185dが当接する。このことにより、カップリング部材180は力F1を受け、前述の第一傾斜姿勢D1の姿勢を取る。
以上、説明した通り、駆動側当接離間レバー70、非駆動側当接離間レバー72にそれぞれ被加圧面(第一当接面70a、72a)と被離間面(第二当接面70g、72g)を有する。それらに駆動側装置押圧部材150、非駆動側装置押圧部材151にそれぞれ加圧面(第二当接面150b、151b)と離間面(150a、151a)が作用する。このことで、駆動側当接離間レバー70、非駆動側当接離間レバー72のそれぞれ単一部品で感光ドラム10と現像ローラ13との当接状態、或いは離間状態を必要に応じて選択できる(図27(a)、及び図28参照)。その結果、現像カートリッジB1の構成の簡易化が可能である。また、単一部品で当接状態、或いは離間状態を制御できる為、例えば当接状態から離間状態に遷移する際のタイミングも高精度化できる。
また、図24に示すように、駆動側当接離間レバー70と非駆動側当接離間レバー72は現像カートリッジB1の長手方向両端部にそれぞれ独立して設けられる。その為、長手方向に渡って当接離間レバーを設ける必要が無い為、現像カートリッジB1を小型化できる(図24の領域Y1)。それに伴い、領域Y1を装置本体A1の構成部品でスペース利用できる為、装置本体A1の小型化も可能である。
<離間状態から当接状態への動作に連動したカップリング部材の動き>
次に、図30、及び、図31を用いて、感光ドラム10と現像ローラ13との当接動作、及び、離間動作に連動したカップリング部材180の動きについて説明する。
先ず、現像カートリッジB1が離間状態から当接状態へ移動する際の、カップリング部材180と本体側駆動部材100の係合解除動作について説明する。
図30は現像当接状態と現像離間状態におけるカップリング部材180、及び、本体駆動部材100の係合状態を示す説明図である。
図31は現像当接状態と現像離間状態におけるカップリング部材180、及び、本体駆動部材100の係合状態を示す駆動側側面からみた説明図である。
画像形成中は図31(a)に示すように、駆動側装置押圧部材150によって駆動側当接離間レバー70が付勢力F11で押圧されている。また、現像カートリッジB1の現像ローラ13と感光ドラム10が所定圧で接触した現像当接状態にある。また、図30(a)に示すように、カップリング部材180は基準姿勢D0の姿勢である。このとき、現像カートリッジB1はカップリング部材180の回転力受部180aと本体側駆動部材100の回転力付与部100aとが係合した係合位置に位置している。現像カートリッジB1は、回転するモータ(不図示)の力によって本体側駆動部材100からカップリング部材180へ駆動伝達が可能な状態にある。
さらに、カップリングレバー55のガイド部55eはカップリング部材180の被ガイド部180bから完全に退避した状態で保持されている(図11参照)。これは前述したように、カップリングレバー55の回転規制部55yが、駆動側スイングガイド80の突き当て部80yに当接し、その回転軸線L11を中心とした矢印X11方向の回転が規制されているためである(同様に図11参照)。
次に、現像カートリッジB1が現像当接状態から現像離間状態まで移動する過程でのカップリング部材180の姿勢について説明する。
画像形成が終了すると、図31(b)に示すように、駆動側装置押圧部材150、及び、非駆動側装置押圧部材151(不図示)が矢印N8方向へ移動する。駆動側装置押圧部材150が矢印N8方向へ移動すると、駆動側現像加圧バネ71の付勢力により駆動側当接離間レバー70が矢印N10方向へ回動する(図28(b)参照)。駆動側当接離間レバー70の当接規制部70eと駆動側現像軸受36の位置決め部36bが当接した状態から、さらに駆動側装置押圧部材150が矢印N8方向へ移動する。すると、現像カートリッジB1と駆動側スイングガイド80が一体となって駆動側スイングガイド80の被支持凸部80gを中心に矢印N5方向に回動する。また非駆動側も同様であり、現像カートリッジB1と非駆動側スイングガイド81も一体となって駆動側スイングガイド81の被支持凸部81gを中心に矢印N5方向に回動する(不図示)。これにより、現像ローラ13と感光ドラム10とが離れた現像離間状態となる。現像カートリッジB1と駆動側スイングガイド80とは一体となって移動するため、図31(b)に示す状態においても、カップリングレバー55のガイド部55eはカップリング部材180の被ガイド部180bから完全に退避した状態で保持されている。これは、前述したように、突き当て部80yは駆動側スイングガイド80と一体的に形成されているためである(図20参照)。一方、カップリング部材180にはカップリングバネ185によって付勢力が働いている。そのため、図30(b)に示すように、現像カートリッジB1が当接状態から離間状態へ移動するに伴い、カップリング部材180の軸線L2は基準姿勢D0の状態から第一傾斜姿勢D1の方向へ徐々に傾斜する。そして、現像カートリッジB1がさらに矢印N5方向に回動し、図31(c)の状態になった時、カップリング部材180の傾斜移動が終了する。このとき、前述のように、カップリング部材180の位相規制ボス180eは駆動側現像軸受36の第一傾斜規制部36kb1に係合し(図11参照)、カップリング部材180の軸線L2は第一傾斜姿勢D1で保持されている。前述したように、カップリング部材180の第一傾斜姿勢D1は、カップリング部材180の回転力受け部180aが装置本体A1の本体側駆動部材100の方向へ向いた姿勢である。図31(c)に示した状態では、現像カートリッジB1はカップリング部材180の回転力受け部180aと本体駆動部材100の回転力付与部100aとの係合を解除した解除位置に位置する。従って、モータ(不図示)の力は本体駆動部材100からカップリング部材へ駆動伝達されない状態にある。
本実施例では、現像カートリッジB1は、図31(a)に示す状態が画像形成時の姿勢である。カップリング部材180と本体駆動部材100とが係合し、装置本体A1から駆動力が入力されている。そしで、前述のように、図31(a)に示す状態から図31(b)、および、図31(c)に示す状態に現像カートリッジB1が移動する際に、カップリング部材180と本体駆動部材100との係合が解除される構成となっている。言い換えると、現像カートリッジB1が当接状態から離間状態へ移動する過程で、装置本体A1から現像カートリッジB1への駆動入力が切断される構成となっている。そして、現像カートリッジB1は、現像ローラ13と感光ドラム10とが離間する間、装置本体A1の本体駆動部材100は回転している。したがって、感光ドラム10に対して現像ローラ13を回転させながら離間させることが可能な構成となっている。
<当接状態から離間状態への動作に連動したカップリング部材の動き>
次に、現像カートリッジB1が当接状態から離間状態へ移動する際の、カップリング部材180と本体側駆動部材100の係合動作について説明する。
現像カートリッジB1の現像当接動作は、前述の現像離間動作と逆の動作である。図31(b)に示す状態では、現像カートリッジB1はカップリング部材180の回転力受部180aの本体駆動部材100の回転力付与部100aとの係合を解除した解除位置に位置する。図31(b)に示す状態は、図31(c)に示す状態から駆動側装置押圧部材150、及び、非駆動側装置押圧部材151が矢印N7方向へ移動した状態である。前述した駆動側付勢手段76(図25、及び、図27参照)の付勢力によって、現像カートリッジB1と駆動側スイングガイド80が一体となって矢印N6方向に回動する。また非駆動側も同様である。これにより、現像カートリッジB1は、離間状態から当接状態へ移動する。図30(b)は、現像カートリッジB1は、離間状態から当接状態へ移動する途中の段階である。また、カップリング部材180の円環部180fと本体側駆動部材100とが当接した状態である。具体的には、カップリング部材180の円環部180fの内側に配置された凹形状の円錐部180gと、本体側駆動部材100の軸先端に配置された凸部100gとが当接している。図30(c)に示す状態から図30(b)に示す状態に至るまで、カップリング部材180の回転軸線L2が本体側駆動部材100の方向に傾斜しているため、カップリング部材180と本体側駆動軸100とを容易に係合させることができる。
図30(b)に示す状態から、更に駆動側装置押圧部材150、及び、非駆動側装置押圧部材151を矢印N7方向へ移動させると、図30(a)に示すように、カップリング部材180と本体駆動部材100との係合が完了する。このとき、現像カートリッジB1はカップリング部材180の回転力受部180aと本体駆動部材100の回転力付与部100aとが係合した係合位置に位置し、また、カップリング部材180は基準姿勢D0の姿勢となっている。カップリング部材180が第一傾斜姿勢D1から基準姿勢D0へ姿勢変化する過程は、先述した、現像カートリッジB1を装置本体A1へ装着する際にカップリング部材180が第二傾斜姿勢D2から基準姿勢D0へ姿勢変化する過程と同様である(図21参照)。
また、本実施例では、カップリング部材180と本体駆動部材100との係合が開始される図31(b)に示す状態よりも前に、装置本体A1の駆動信号によって本体駆動部材100を回転させておく。これにより、図31(c)に示す状態から図31(b)、および、図31(a)に示す状態に現像カートリッジB1が移動する途中で、カップリング部材180と本体駆動部材100とが係合し、現像カートリッジB1に駆動が入力される構成となっている。言い換えると、現像カートリッジB1が離間状態から当接状態へ移動する過程で、装置本体A1から現像カートリッジB1に駆動が入力される構成となっている。これは、駆動側当接離間レバー70と非駆動側当接離間レバー72との移動方向であるN9方向(図27参照)にカップリング部材150が移動可能な構成になっている為である。現像ローラ13と感光ドラム10とが当接する前に、装置本体A1の本体駆動部材100は回転している。結果として、感光ドラム10に対して現像ローラ13を回転させながら当接させることが可能な構成となっている。これにより、現像ローラ13と感光ドラム10とが接触する時に、感光ドラム10と現像ローラ13とのそれぞれの周面の速度差を少なくできるので、感光ドラム10及び現像ローラ13が消耗するのを少なくできる。
ここで、装置本体A1に備えるモータが単一の場合、感光ドラム10に回転力を伝達しながら、現像ローラ13への回転力の伝達を遮断するには、クラッチ機構が必要である。つまりモータから現像ローラ13へ回転力を伝達する駆動伝達機構に駆動伝達を選択的に遮断できるクラッチ機構を設ける必要がある。しかし、本実施例は、現像カートリッジB1が当接状態から離間状態へ移動する過程、或いは離間状態から当接状態へ移動する過程で、カップリング部材180と本体側駆動部材100の係合、及び係合解除が選択される。その為、装置本体A1、或いは現像カートリッジB1にクラッチ機構を設ける必要が無く、より安価で省スペースな現像カートリッジB1、装置本体A1にすることができる。
(駆動側当接離間レバー被離間面の当接)
図41(a)に示すように、駆動側当接離間レバー70は、第一突出部70fの突出方向の先端部70pより現像ローラ13側に突出した被離間面70gを有する。別の見方をすれば、第一突出部70fは先端が現像ローラ13側に屈曲した形状で、この屈曲した先の部分に被離間面70gが設けられている。
図41は被離間面70gの突出の有無の説明図である。図41(a)は第一突出部70fの突出側の先端部70pより現像ローラ13側に突出した被離間面70gを有する本実施例を示している。図41(b)は図41(a)の駆動側当接離間レバー70周辺拡大図である。図41(c)は第一突出部70fの突出方向の先端部70pより現像ローラ13側に突出していない被離間面470gを有する例である。図41(d)は図41(c)の駆動側当接離間レバー470周辺拡大図を示している。
図41に示すように、駆動側装置押圧部材150と駆動側当接離間レバー70の被離間面70gと駆動側装置押圧部材150の第一当接面150aとが当接し、現像ローラ13と感光ドラム10とがδ8の隙間をもって離間している。
ここで、図41(a)、図41(b)に示すように、駆動側当接離間レバー70が駆動側装置押圧部材150の第一当接面150aと被離間面70gで接触する点を接触点70qとする。駆動側装置押圧部材150が駆動側当接離間レバー70の被離間面70gと第一当接面150aで接触する点を接触点150qとする。
図41(b)に示すように、駆動側装置押圧部材150の第一当接面150aは接触点150qより、駆動側当接離間レバー70の被離間面70gに離間力F17を与えている。そのため、駆動側当接離間レバー70の被離間面70gは接触点70qにおいて反力F18を受ける。その際、反力F18は、第一当接面150aと平行な分力F19と、第一当接面150aと垂直な分力F20とに分けられる。
分力F19の方向は、駆動側装置押圧部材150の第一当接面150aに対し、平行な方向であるため、駆動側当接離間レバー70は、被離間面70gが駆動側装置押圧部材150第一当接面150aに当接しながら分力19の方向に力を受ける。
ここで、図41(a)に示す通り、現像カートリッジB1は、駆動側側板(不図示)に被支持凸部80gを中心に矢印N5、矢印N6方向に揺動可能な駆動側スイングガイド80に位置決めされている。さらに、現像ローラ13が感光ドラム10に当接時に、現像ローラ13の軸が感光ドラム10の軸に対し平行に補正可能なように、駆動側スイングガイド80は駆動側側板(不図示)に対し矢印N3方向、矢印N4方向にスライド可能に支持されている。非駆動側も同様であるため、現像カートリッジB1は被支持凸部80gを中心に矢印N5、矢印N6方向に回転可能、矢印N3方向、矢印N4方向にスライド可能である。
さらに、前述の通り、駆動側当接離間レバー70は駆動側当接離間レバー70の規制当接部70eと駆動側軸受部材36の規制部36bとが当接して駆動側当接離間レバー70の位置が決まっている。そのため、現像カートリッジB1は、駆動側当接離間レバー70が分力F19を受けることによって、被支持凸部80gを中心に矢印N5方向に回転、矢印11方向にスライドしようとする。
よって、駆動側当接離間レバー70は分力F19方向に移動しようとする。この移動方向は、駆動側当接離間レバー70が駆動側装置押圧部材150に対し第一当接面150aの根元側に移動する方向であり、駆動側当接離間レバー70が駆動側装置押圧部材150により係合する方向となる。
一方、図41(d)に示すように、駆動側装置押圧部材450の第一当接面450aは接触点450qより、駆動側当接離間レバー470の被離間面470gに離間力F21を与えている。そのため、駆動側当接離間レバー470の被離間面470gの接触点470qにおいて反力F22を受ける。その際、反力F22は、被離間面470gと平行な分力F23と、被離間面470gと垂直な分力F24に分けられる。
駆動側当接離間レバー470は駆動側当接離間レバー470の規制当接部470eと駆動側軸受部材436の規制部436bとが当接して駆動側当接離間レバー470と駆動側軸受部材436との位置が決まる。そのため、現像カートリッジB1は、駆動側当接離間レバー470が分力F23を受けることによって、被支持凸部80gを中心に矢印N5方向に回転、矢印N4方向にスライドしようとする。
よって、駆動側当接離間レバー470は分力F23方向に移動しようとする。そのため、駆動側当接離間レバー470は第一突出部470fの突出方向の先端部470p側で駆動側装置押圧部材450の第一当接面450aに当接し、駆動側当接離間レバー470が駆動側装置押圧部材450に対する係合量が少なくなる。
そのため、駆動側当接離間レバー470は、分力F23方向の移動量だけ、第一突出部470fの突出量を大きくする必要があり、スペースが必要となる。
これらより、第一突出部70fの突出方向の先端部70pより現像ローラ13側に突出した被離間面70gを有している場合、係合量を小さく設定できる。つまりこの場合、突出した被離間面70gを有していない場合に比べ、感光ドラム10から現像ローラ13離間時に、駆動側当接離間レバー70が駆動側装置押圧部材150により係合する。その結果、係合量をより小さく設定しても駆動側当接離間レバー70は駆動側装置本体部材150と係合状態を保てる。駆動側当接離間レバー70と駆動側装置押圧部材150の係合量を小さくすると現像カートリッジB1の小型化につながる。
<駆動側当接離間レバー70と駆動側現像加圧バネ71、及び、駆動側現像軸受36の規制部36bの配置による効果>
これまで説明してきたように、駆動側現像加圧バネ71の付勢力F10は、駆動側現像加圧バネ71が駆動側当接離間レバー70の第三当接面70cと駆動側現像軸受36の当接面36dとの間で圧縮されることで発生する構成となっている(図1参照)。また、非駆動側についても同様である。
特に、現像加圧時には、駆動側当接離間レバー70が駆動側現像軸受36の支持部36cを中心に矢印N9方向に回転することで発生する付勢力F10aを利用して、現像ローラ13と感光ドラム10とを当接する構成となっている(図27参照)。
また、現像離間時には、付勢力F10を利用して駆動側当接離間レバー70を駆動側現像軸受36の支持部36cのボスを中心に矢印N10方向に回転させ、駆動側当接離間レバー70の規制当接部70eと駆動側現像軸受36の規制部36bとを当接させる。これにより、駆動側当接離間レバー70の位置が規制される。さらに、駆動側当接離間レバー70の第二当接面70bと駆動側装置押圧部材150の第一当接面150aとが当接しながら駆動側装置押圧部材150が矢印N8方向へ移動する。このことで、現像ローラ13と感光ドラム10とが離間する構成となっている(図28(b)参照)。すなわち、現像加圧時に利用する駆動側現像加圧バネ71を用いて、現像離間時の駆動側当接離間レバー70の位置を規制する構成となっている。
特に現像カートリッジB1は装置本体A1に対して着脱可能な構成であり、駆動側当接離間レバー70と駆動側装置押圧部材150(図25参照)とを確実に係合させるために、駆動側当接離間レバー70の位置を精度よく位置決めすることが望ましい。何故なら、駆動側当接離間レバー70の位置精度が悪い場合には、例えば、以下のような対応を行い、駆動側当接離間レバー70と駆動側装置押圧部材150とを係合させる必要があるからである。
1.駆動側装置押圧部材150の第一当接面150aと第二当接面150bとの距離(隙間)をより大きく設ける。
2.駆動側当接離間レバー70の第一当接面70aと第二当接面70bとの距離(厚み)をより小さく設ける。
ただし、これらの対応は装置本体A1の駆動側装置押圧部材150のN8、及び、N9方向への移動量が増大することになり、結果として装置本体A1が大型化してしまう。
本構成によれば、現像加圧時に利用する駆動側現像加圧バネ71を用いて、現像カートリッジB1を装置本体A1へ装着する際の駆動側当接離間レバー70の位置を規制する構成となっている。装置本体A1の小型化に貢献すると共に、感光ドラム10と現像ローラ13とを離間するタイミングや感光ドラム10に対する現像ローラ13の離間量を精度よく制御することもできる。
また、本構成によれば、現像離間時、および、現像カートリッジB1の装着時にも現像加圧時に利用する駆動側現像加圧バネ71を用いて、現像離間時の駆動側当接離間レバー70の位置を精度よく位置決めすることができる構成となっている。また、駆動側当接離間レバー70の位置を規制するために、現像加圧時に利用する駆動側現像加圧バネ71を用いているため、特別に新たな部品を必要としない。
また、感光ドラム10に対して現像ローラ13を当接させるための力を受ける第一当接面70aと離間させるための力を受ける第二当接面70bの両方を、駆動側当接離間レバー70の一部品に設ける。これによって機能を集約することで、現像カートリッジB1の部品点数の削減も可能である。
また本実施例によれば、画像形成装置本体に設けられた押圧部材から駆動側当接離間レバー70、非駆動側当接離間レバー72が力を受けることで、現像ローラの感光ドラムへの当接離間を省スペースで行うことが可能となる。これにより画像形成装置や現像カートリッジが小型化される。また現像ローラを感光ドラムから離間した際に、画像形成装置本体と電気的に接続する現像カートリッジの電極部にかかる力の上昇を抑制できる。電極部に加わる負荷が小さくなるので電極部の耐久性が向上する。電極部の強度を抑えられるので、電極部を有する現像カートリッジや現像カートリッジを備える画像形成装置の低コスト化を達成できる。
なお本実施例においては、現像カートリッジB1とドラムカートリッジCが分離された構成を説明した。つまり現像装置が、現像カートリッジB1として感光体ドラム10とは別にカートリッジ化され、画像形成装置の装置本体に対して着脱される構成である。しかしながら、本実施例が適用されるのはそのような構成に限定されるものではない。
例えば現像カートリッジB1とドラムカートリッジCが分離しない構成であっても本実施例の構成を適用可能である。現像カートリッジB1(現像装置)をドラムカートリッジCに対して回転可能に結合して構成されるプロセスカートリッジを画像形成装置の装置本体に着脱させるような構成であっても良い。つまり感光体ドラム10と現像装置を備えるカートリッジ(プロセスカートリッジ)に本実施例で開示した駆動側当接離間レバー70、非駆動側当接離間レバー72を設けるような構成も考えられる。
<カップリング部材180と駆動側当接離間レバー70、非駆動側当接離間レバー72の関係>
カップリング部材180は、駆動側当接離間レバー70と非駆動側当接離間レバー72の移動方向であるN9方向(図27参照)に少なくとも移動可能な構成になっている。その為、駆動側当接離間レバー70と非駆動側当接離間レバー72がN9、N10方向に移動する際に、カップリング部材150と本体側駆動部材100との間の係合に影響を与えることなくスムーズな動作が可能となる。
また、図27(a)に示すように、現像ローラ13が感光ドラム10に当接する方向であるN6方向と、カップリング部材180の回転方向(図8のX6方向)であるN13方向とが同一方向になるようにしている。この構成によれば、カップリング部材180が本体側駆動部材100から受ける偶力は、被支持凸部80gを中心に現像カートリッジB1をN6方向に回転させるモーメントとして作用する。そして、現像ローラ13には、現像ローラ13を感光体ドラム10へ加圧する加圧力となるN6方向のモーメントが働くことになる。
仮に、カップリング部材180の回転方向がN6方向と逆方向だと、カップリング部材180の回転力により現像ローラ13が感光体ドラム10から逃げる方向のモーメント(図27のN5方向)が働くので加圧力がロスする。しかし本構成ではそのような加圧力のロスが発生しにくい。
また、カップリング部材180の回転力により発生するN6方向のモーメントは、カップリング部材180を回転させるために必要な負荷トルクから発生するものである。カートリッジの負荷トルクは部品寸法、および、耐久を通じて変化するので、カップリング部材180の回転力により発生するN6方向のモーメントも変化する。一方、本実施例においては、当接離間レバー70、72が装置本体A1から力を受け、感光体ドラム10に対して現像ローラ13を当接させる構成でもある。当接離間レバー70、72によるN6方向の加圧力は、部品寸法のみで規定され、耐久変動は生じない。
したがって、より感光体ドラム10に対して現像ローラ13を安定的に当接させるためには次にようにすることが望ましい。即ち、当接離間レバー70、72が装置本体A1から力を受けて発生するN6方向のモーメントに比べ、カップリング部材180の回転力により発生するN6方向のモーメントを小さくすることが望ましい。そこで、本実施例では図27に示すように、駆動側スイングガイド80の被支持凸部80gと駆動側当接離間レバー70との距離よりも、被支持凸部80gとカップリング部材180とを結んだ距離の方が短い。この構成により、カップリング部材180の回転力により発生するN6方向のモーメントを現像ローラ13の加圧力として有効に利用できる。更に、この構成により、カップリング部材180の回転力により発生するN6方向のモーメントの変動の影響を抑制することで、より安定的に感光体ドラム10に対して現像ローラ13を当接させることができる。
更に、図1に示すように、現像ローラ13の回転軸線方向から見て、現像ローラ13の回転中心13Zとカップリング部材180の回転中心とを結んだ直線Z31に平行な方向をN14(第1方向)方向とする。現像枠体を現像ローラ13の回転軸線方向から見た時、N14方向に関して、現像ローラ13は現像枠体の一端側に配置され、駆動側当接離間レバー70の第一突出部70f(特に、第一当接面70a、第二当接面70b)が現像枠体の他端側に配置されている。つまり、第一突出部70f(特に、第一当接面70a、第二当接面70b)を現像ローラ13からある程度離れた位置に配置している。
これにより、現像枠体の一端側に現像ローラ13の近傍に配置することが適当なカップリング部材180等の部材を配置するスペースを現像ローラ13の近傍に確保することができる。現像カートリッジB1内での現像ローラ13の近傍に配置することが適当な部材のレイアウトの自由度が向上する。従って、本実施例では、現像ローラ13の回転軸線方向から見た時、N14方向に関して、カップリング部材180を、第一突出部70f(第一当接面70a、前記第二当接面70b)よりも現像ローラ13に近い位置に配置している。
また、駆動側現像軸受36には、現像カートリッジB1が装置本体A1に装着された状態で、装置本体A1の内部の搬送ガイド3d内を転写ニップ部6aに向かって搬送されてきた記録媒体2に当接可能な記録媒体当接部36mを備える。
このことについて説明する。上述したように、N14方向に関して、第一突出部70f(特に、第一当接面70a、第二当接面70b)の位置を現像ローラ13から離した位置としている。これにより、装置本体A1の現像ローラ13から離れた位置に駆動側装置押圧部材150を配置することができるので、現像カートリッジB1の感光ドラム10に当接する現像ローラ側の部分を搬送ガイド3dの近傍に配置することができる。これにより、装置本体A1内での現像カートリッジB1と搬送ガイド3dとの間にデッドスペースを減らすことができる。
このように本実施例では、現像カートリッジB1を搬送ガイド3dの近傍に配置している。それ故に、現像ローラ13の回転軸線方向から見た時、駆動側現像軸受36の、N14方向に関して第一突出部70f(第一当接面70a、前記第二当接面70b)よりも現像ローラ13に近い位置に、記録媒体当接部36mを設けている。
<現像サイドカバー34の詳細>
図45と図46は、現像サイドカバー34の詳細を示した図である。図45(a)は現像サイドカバー34を外側から見た正面図、図45(b)は現像サイドカバー34を内側から見た背面図、図46は、各々正面と背面から見た斜視図である。
現像サイドカバー34は、カートリッジB1の現像枠体を構成する一つのフレーム部材である。現像サイドカバー34は、板状の正面部34eと、その裏側になる裏面部34fからなる。正面部34eの縁には、裏面部34fを囲むように縁部34gが、正面部34eから突出するように設けられている。
カップリング部材180を内側に配置する穴34aが、正面部34eと裏面部34fを貫通するように設けられている。
穴34aの側方には、正面部34eよりも突出した第一突起(位置決め部)34bが設けられている。第一突起(位置決め部)34bの側方には、第一突起(位置決め部)34bよりも径方向に大きく、同じく正面部34eよりも突出した第二突起(回転止め部)34cが設けられている。第二突起(回転止め部)34cは第一突起(位置決め部)34bよりも穴34aから遠い位置にある。
第一突起(位置決め部)34bと第二突起(回転止め部)34cとの間には、両者を繋ぐ連結部34kが設けられ、連結部34kと正面部34eとの間には第一溝部34lが設けられる。
穴34aと第一突起(位置決め部)34bとの間には、第三突起(バネ支持部)34hが設けられている。第三突起(バネ支持部)34hの高さは、第一突起(位置決め部)34bと第二突起(回転止め部)34cよりも低い。
第三突起(バネ支持部)34hの穴34aを中央にして対向側には、円周方向に溝が延びている第二溝部(34o)を有している。第二溝部(34o)はカップリングバネ185をガイドしている。
第一突起(位置決め部)34bの下方には、稜線34p1、34p2より構成される第四突起(34p)を有する。稜線34p1、34p2は互いに交差し、交差角度は鈍角で形成されている。第四突起(34p)の高さは第一突起(位置決め部)34bと第二突起(回転止め部)34cよりも低い。
第一突起(位置決め部)34bと第二突起(回転止め部)34cの上方には、正面部34eと裏面部34fを貫通する円弧状溝部34qが設けられている。円弧状溝部34qはカップリングレバー55の回転規制部55yを外部に露出させる為に設けられている(図12参照)。
また現像サイドカバー34はカバー部34tを有する。カバー部34tは、駆動側当接離間レバー70の少なくとも一部、及びバネ71の少なくとも一部を現像ローラ13の長手方向(駆動側当接離間レバー70の回転軸線の方向)で外側から露出しないように覆う。これにより、駆動側当接離間レバー70やバネ71を外部の衝撃から保護することができると共に、駆動側当接離間レバー70やバネ71が駆動側現像軸受36から脱落することを防ぐことができる。なお、カバー部34tは、駆動側当接離間レバー70の少なくとも一部、又は、バネ71の少なくとも一部を現像ローラ13の長手方向(駆動側当接離間レバー70の回転軸線の方向)で外側から露出しないように覆っていればよい。
以上のように現像サイドカバー34に各種機能部を集約させることで小型化を達成できる。また駆動側当接離間レバー70を外部の衝撃から保護することができる。
<駆動側現像軸受36の詳細>
図47と図48は、駆動側現像軸受36の詳細を示した図である。図47(a)は駆動側現像軸受36を外側から見た正面図、図47(b)は駆動側現像軸受36を内側から見た背面図、図48は、各々正面と背面から見た斜視図である。
駆動側現像軸受36はカートリッジB1の現像枠体を構成する現像サイドカバー34とは別の一つのフレーム部材である。駆動側現像軸受36は、板状の正面部36fと、その裏側になる裏面部36gからなる。正面部36fの縁には、裏面部36gを囲むように縁部裏面部36hが、正面部36fから突出するように設けられている。
正面部36fと裏面部36gを貫通するように穴36aが設けられている。穴36aの内側には現像ローラ13が配置され、現像ローラ13を支持する。穴36aに直接支持しても良いし、部材を介して支持しても良い。
穴36aの側方には突出部36iが設けられている。突出部36iは円筒形状を有している。突出部36iの内側には、カップリング部材180の位相規制ボス180eの位置を規制する位相規制部36kbが設けられている。位相規制部36kbは、内側にカップリング部材180が配置される略三角形の穴形状を有している。位相規制部36kbは、第一傾斜規制部36kb1と第二傾斜規制部36kb2からなり各々溝の一部を構成している。
突出部36iを挟み穴36aと対向する位置に、駆動側当接離間レバー70を支持する為の支持部36cが設けられている。支持部36cは突出した円筒形状を有している。
支持部36cの下方には、駆動側当接離間レバー70の規制部36bが設けられている。規制部36bは正面部36fから突出する壁形状を有し、駆動側現像軸受36の縁に位置する。
規制部36bの対向側で突出部36iの下方には、駆動側現像加圧バネ71と当接する為の当接面36dが設けられている。当接面36dも規制部36bと同様に、正面部36fから突出する壁形状となっている。
図47の正面方向から見て、規制部36bと当接面36dとの配列方向に関して、規制部36bと当接面36dとの間に挟まれるように穴36jが設けられている。穴36jは駆動ギア等を露出させる為に設けられている。
以上のように駆動側現像軸受36により、カップリング部材180の位置と、駆動側当接離間レバー70の位置を高精度に維持できる。また現像ローラ13の位置と駆動側当接離間レバー70の位置を高精度に維持できる。
《実施例2》
次に実施例2について、図32を用いて説明する。図32は現像カートリッジB1を駆動側から見た側面図である。
実施例1においては、駆動側当接離間レバー70が駆動側現像軸受36に対して回動可能に設けられている構成について説明を行った。しかし、図32に示すように、駆動側当接離間レバー702が駆動側現像軸受362に対してスライド可能に設けられる構成でも良い。説明のない記述に関しては実施例1と同様の構成とする。
図32(a)は、感光ドラム10に対して現像ローラ13が当接した状態を駆動側から見た側面図と駆動側当接離間レバー702周りの断面図である。駆動側当接離間レバー702の凸部702bは駆動側現像軸受362の溝部362cに係合している。さらに、駆動側当接離間レバー702の凸部702jは現像サイドカバー342の溝部342yに係合している。それにより、駆動側当接離間レバー702は駆動側現像軸受362と現像サイドカバー342に対して矢印N72、N82方向にスライド(直線移動)可能となる。また、駆動側現像加圧バネ712は、一端712dが駆動側当接離間レバー702の第三当接面702cと当接し、他端712eが駆動側現像軸受362の当接面362dと当接するように設けられている。この構成において、図32(b)に示すように、実施例1と同様、現像カートリッジB1は駆動側装置押圧部材150の第2当接面150bと駆動側当接離間レバー702の第一当接面702aが当接することにより外力F11を受ける。その結果、感光ドラム10に対して現像ローラ13は所定の圧で当接する。
次に、現像ローラ13と感光ドラム10が離間した状態へ移行する動作について説明する。図32(c)は、駆動側装置押圧部材150が矢印N82方向へ距離δ6だけ移動した状態を示しており、駆動側当接離間レバー702の第一当接面702aと駆動側装置押圧部材150の第二当接面150bとが離間した状態である。この時、駆動側当接離間レバー702は駆動側現像加圧バネ71の付勢力F10を受け、矢印N82の方向にスライドし、駆動側当接離間レバー702の規制当接部702eと駆動側軸受部材362の規制部362bとが当接する。これにより、駆動側当接離間レバー702は位置が決まる。
図32(d)は駆動側装置押圧部材150が矢印N82方向へ距離δ7だけ移動した状態を示している。駆動側装置押圧部材150がさらに矢印N82方向へ移動したことにより、駆動側当接離間レバー702の被離間面702gと駆動側装置押圧部材150の第一当接面150aとが当接し、さらには現像カートリッジB1を矢印N82方向へ移動させる。その結果、現像カートリッジB1はスイングガイド80の被支持凸部80gを中心(不図示)に矢印N5方向へ揺動する。この時、現像ローラ13と感光ドラム10とは互いに距離δ8だけ隙間をもって離間した状態となる。
非駆動側も駆動側と同様の構成である。また、その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同様の効果が得られる(但し、実施例1に記載した駆動側装置押圧部材150の位置誤差と、駆動側現像加圧バネ71の圧縮量の関係を除く)。
《実施例3》
次に、図42を用いて、本発明を適用した第3の実施例について説明する。説明のない記述に関しては実施例1と同様の構成とする。
図42は駆動側当接離間レバー201が板バネである模式図である。
図42に示すように、駆動側当接離間レバー201は、SUSなどの材料で作られた弾性体である。駆動側当接離間レバー201は、第一当接面201a、第二当接面201b、支持部201d、弾性変形部201hを有し、支持部201dが軸受202の被支持部202bで支持されている。
ここで、駆動側装置押圧部材203は第一当接面203a、第二当接面203bが設けられていて、矢印N7方向、矢印N8方向にスライド可能とする。
また、現像カートリッジB1は、駆動側側板(不図示)に被支持部210bを中心に矢印N5、矢印N6方向に揺動可能に支持されている駆動側スイングガイド210に位置決めされている。非駆動側も同様であるため、現像カートリッジB1は被支持部210bを中心に矢印N5、矢印N6方向に回転可能である。
感光ドラム10と現像ローラ13を加圧させる場合、図42(a)に示すように、駆動側装置押圧部材203が矢印N7方向に動く。そして、駆動側装置押圧部材203の第二当接面203bは、駆動側当接離間レバー201の第一当接面201aに当接する。
さらに、駆動側装置押圧部材203が矢印N7方向に動くと、図42(b)に示すように、駆動側装置押圧部材203の第二当接面203bは、駆動側当接離間レバー201の弾性変形部201hを変形させる。その状態で駆動側装置押圧部材203の第二当接面203bは、駆動側当接離間レバー201の第一当接面201aに力F41を与える。その際、駆動側装置押圧部材203の第二当接面203bは反力F42を受ける。ここで、現像カートリッジB1は被支持部201bを中心に矢印N5、矢印N6方向に回転可能であるため、現像カートリッジB1は力F41の外力により矢印N5方向に動く。そのため、感光ドラム10に現像ローラ13が当接する。
さらに、駆動側装置押圧部材203が矢印N7方向に動くと、図42(c)に示すように、駆動側装置押圧部材203の第二当接面203bは、駆動側当接離間レバー201の弾性変形部201hを変形させる。その状態で駆動側装置押圧部材203の第二当接面203bは駆動側当接離間レバー201の第一当接面201aに力F45を与える。その際、駆動側装置押圧部材203の第二当接面203bは、駆動側当接離間レバー201の第一当接面201aより反力F46を受ける。感光ドラム10に現像ローラ13が当接して現像カートリッジB1の姿勢は決まっているため、
F45>F41
となり、図42(c)に示すように、感光ドラム10に現像ローラ13が加圧される。
図42(d)に示すように、感光ドラム10と現像ローラ13を離間させる場合、駆動側装置押圧部材203が矢印N8方向に動く。駆動側装置押圧部材203の第一当接面203aは、駆動側当接離間レバー201の第二当接面201bと当接する。
さらに、駆動側装置押圧部材203が矢印N8方向に動くと、駆動側装置押圧部材203の第一当接面203aは、駆動側当接離間レバー201の弾性変形部201hを変形させながら、駆動側当接離間レバー201の第二当接面201bに力F44を与える。
その際、駆動側装置押圧部材203の第一当接面203aは、駆動側当接離間レバー201の第二当接面201bより反力F43を受ける。
ここで、現像カートリッジB1は被支持部210bを中心に矢印N5、矢印N6方向に回転可能であるため、現像カートリッジB1は被支持部210bを中心に矢印N6方向に動いて、感光ドラム10から現像ローラ13が離間される。
このように、本実施例では、弾性変形部(弾性部)201hと、第一当接面201aと第二当接面201bと備える部分(可動部)と、を一つの部材の一部として一体的に形成した。具体的には駆動側当接離間レバー201が板バネで構成した。これにより、実施例1で示した、圧縮バネである付勢部材としての駆動側現像加圧バネ71(図41(a)参照)が必要なくなる。そのため、スペースが確保できるため、現像カートリッジB1の設計自由度が増える、あるいは小型化につながる。
さらに、実施例1で示した通り、駆動側当接離間レバー201に被加圧面(第一当接面201a)と被離間面(第二当接面201b)を有する。それらに駆動側装置押圧部材203の加圧面(第二当接面203b)と離間面(第一当接面203a)がそれぞれ作用する。これにより、駆動側当接離間レバー201の単一部品で感光ドラム10と現像ローラ13との当接状態、或いは離間状態を必要に応じて選択できる。その結果、現像カートリッジB1の構成の簡易化が可能である。
尚、上記説明では駆動側を代表して説明したが、非駆動側でも同様の構成が可能である。また、駆動側当接離間レバー201を弾性変形可能な樹脂部材等で成形された部材としてもよい。
また、上述したいずれの実施例においても、本実施例の可動部と弾性部とを一つの部材の一部として一体的に形成した構成を適用することができる。
《実施例4》
次に、図43を用いて、本発明を適用した第4の実施例について説明する。本実施例では当接離間レバーのバネから付勢力を受ける部分の配置が上述した各実施例と異なる。説明のない記述に関しては実施例1と同様の構成とする。
図43は、駆動側現像加圧バネ302が、駆動側当接離間レバー301の被支持部301dの中心を通って第一突出部301fの突出方向である矢印M1方向に垂直な線より、矢印M1方向と逆側に配置された模式図である。
図43(a)に示すように、駆動側当接離間レバー301は、第一当接面301a、第二当接面301b、第三当接面301c、被支持部301d、規制当接部301e、他端部301mを有する。そして、駆動側当接離間レバー301は、被支持部301dによって駆動側現像軸受306に対して支持部306bで回転可能に支持されている。
駆動側現像加圧バネ302は、圧縮バネであり、一端部302dが第三当接面301cと当接していて、他端部302eが駆動側現像軸受306に設けられた当接面306dに当接している。
ここで、現像カートリッジB1単体の状態では、駆動側当接離間レバー301は、第三当接面301cにおいて駆動側現像加圧バネ302より矢印F30方向に力を受ける。そのとき、支持部306bを中心に矢印N10方向に回転し、規制当接部301eは駆動側現像軸受306の規制部306eに当接する。
また、現像カートリッジB1は、駆動側側板(不図示)の被支持部310bを中心に矢印N5、矢印N6方向に揺動可能に支持されている駆動側スイングガイド310に位置決めされている。非駆動側も同様であるため、現像カートリッジB1は被支持部310bを中心に矢印N5、矢印N6方向に回転可能である。
ここで、駆動側装置押圧部材303は第一当接面303a、第二当接面303bが設けられていて、矢印N7方向、矢印N8方向にスライド可能とする。
感光ドラム10と現像ローラ13を加圧させる場合、駆動側装置押圧部材303が矢印N7方向に動く。そして、駆動側装置押圧部材303の第二当接面303bは駆動側当接離間レバー301の第一当接面301aに当接する。駆動側当接離間レバー301は支持部306b中心で回転可能であるため、駆動側当接離間レバー301はN20方向に回転し、規制当接部301eが規制部302eから離れる。
その際、駆動側当接離間レバー301の第三当接面301cは駆動側現像加圧バネ302の付勢力F30を受け、駆動側当接離間レバー301には矢印N10方向のモーメントM10が作用する。この時、駆動側装置押圧部材303の第二当接面303bと駆動側当接離間レバー301の第一当接面301aが当接している。その為、モーメントM10と釣り合うモーメントが駆動側当接離間レバー301に作用するように、駆動側当接離間レバー301の第一当接面301aは駆動側装置押圧部材303の第二当接面303bから力F32を受ける。従って、現像カートリッジB1には力F32の外力が作用していることになる。
さらに、現像カートリッジB1は被支持部310bを中心に矢印N5、矢印N6方向に回転可能であるため、現像カートリッジB1は力F32の外力により矢印N5方向に動く。その際感光ドラム10に現像ローラ13が当接する。現像カートリッジB1は、感光ドラム10に現像ローラ13が当接することで、矢印N5方向の回転姿勢が決まる。
さらに、駆動側装置押圧部材303が矢印N7方向に動くと、現像カートリッジB1が矢印N5方向には回転不能であるため、駆動側当接離間レバー301は支持部306b中心にN20方向に回転する。そして、駆動側当接離間レバー301の第三当接面301cは駆動側現像加圧バネ302の付勢力F31を受ける(図43(b)参照)。
ここで、駆動側現像加圧バネ302はさらに圧縮されるため、
F31>F30
となる。すでに現像カートリッジB1は矢印N5方向には回転不能であるため、感光ドラム10に現像ローラ13が加圧される。
感光ドラム10と現像ローラ13を離間させる場合、駆動側装置押圧部材303が矢印N8方向に動いて、第一当接面303aが第二当接面301bに当接する。駆動側当接離間レバー301は支持部306b中心に矢印N10方向に回転可能であるため、規制当接部301eが軸受306の規制部306eに当接し、駆動側当接離間レバー301は位置が決まる。
さらに駆動側装置押圧部材303が矢印N8方向に動くと、現像カートリッジB1は被支持部310bを中心に矢印N5、矢印N6方向に回転可能であるため、現像カートリッジB1は被支持部310bを中心に矢印N6方向に動く。そして、感光ドラム10から現像ローラ13が離間される。
本実施例では、図43に示すように、現像ローラ13の回転軸方向から見て、第一当接面(力受け部)301aと第三当接面(付勢力受け部)301cとの間の距離は、第一当接面301aと被支持部301dとの距離よりも長い。これによって、実施例1で示した、圧縮バネである付勢部材としての駆動側現像加圧バネ71に相当する部材の位置配置に自由度が増すため、設計自由度が増える。
さらに、実施例1で示した通り、駆動側当接離間レバー301に被加圧面(第一当接面301a)と被離間面(第二当接面301g)を有する。それらに駆動側装置押圧部材303の加圧面(第二当接面303b)と離間面(第一当接面303a)がそれぞれ作用する。これにより、駆動側当接離間レバー301の単一部品で感光ドラム10と現像ローラ13との当接状態、或いは離間状態を必要に応じて選択できる。その結果、現像カートリッジB1の構成の簡易化が可能である。
また、実施例4の変形例として、次のような構成としてもよい。本変形例では、図54で示すように、駆動側現像軸受336に規制部336bを設けた。本変形例では、加圧バネ71の位置は実施例1と同じで、支持部36cを挟んで、反対方向に突出部(被規制部)360bを設け、突出部360bを規制部336bに当接させる構成とした。なお付勢力受け部370cで駆動側現像加圧バネ71からの付勢力を受ける構成は実施例1と同様である。
本変形例によれば、規制部336bの駆動側現像軸受336内での配置に自由度が増す。また支持部36cからの距離を長めに取ることで規制部336bに加わる力を減らすことも可能で、容器変形の抑制も可能である。つまり、駆動側装置押圧部材150の第二当接面150bから加圧される第一当接面370aと、支持部36cと、突出部360bとの関係は次の通りである。現像ローラ13の軸線方向から見て、第一当接面370aと突出部360bとの距離は、第一当接面370aと支持部36cとの距離よりも長い。尚、上記説明では駆動側を代表して説明したが、非駆動側でも同様の構成が可能である。
また、上述したいずれの実施例においても、本実施例の第三当接面(付勢力受け部)301cの配置、及び又は、本変形例の規制部336bの配置を適用することができる。
《実施例5》
次に、図50を用いて、本発明を適用した第5の実施例について説明する。本実施例の現像カートリッジB1では非駆動側にのみ非駆動側当接離間レバー72が設けられている点が上述した各実施例と異なる。説明のない記述に関しては実施例1と同様の構成とする。
図50に示すように、本実施例の現像カートリッジB1は、駆動側では駆動側当接離間レバー70、及び駆動側現像加圧バネ71が設けられていない(破線部分)。一方、非駆動側にのみ非駆動側当接離間レバー72、及び非駆動側現像加圧バネ73(不図示)は設けられている。つまり、現像ローラ13の回転軸線の方向に関して現像枠体のカップリング部材180が配置されていない側にのみ、非駆動側当接離間レバー72や非駆動側現像加圧バネ73が配置されている。なお、現像ローラ13の回転軸線の方向に関して現像枠体のカップリング部材180が配置されていない側とは、現像ローラ13の回転軸線の方向に関して、カートリッジB1の中央よりもカップリング部材180が配置されていない側の部分を示す。
図8に示すように、駆動側ではカップリング部材180が矢印X6方向に回転する。その回転力を受けた現像カートリッジB1は、駆動側スイングガイド80と一体に、図27に示す矢印N6方向に支持部90c(図27参照)を中心に揺動する。カップリング部材180が受ける駆動力によって発生するN6方向のモーメントが十分にある時には、それだけで駆動側では現像ローラ13を感光体ドラム10に対して圧接可能となる。
一方非駆動側では、カップリング部材180が受ける駆動力によって発生するN6方向のモーメントを駆動側ほど得られないので、実施例1と同様に被駆動側当接離間レバー72を用いる構成としている。
上述したいずれの実施例においても、本実施例の非駆動側にのみ非駆動側当接離間レバー72が設けた構成を適用することができる。そして本実施例の適用により、駆動側当接離間レバー70の削減に伴った部品点数の削減によるコストダウンを実現できる。
《実施例6》
図51、図52を用いて、本発明を適用した第6の実施例について説明する。本実施例では、カートリッジB1の一端部にのみ現像ローラ13を当接させる際の力受ける第1力受け部が設けられ、他端部にのみ現像ローラ13を離間させる際の力受ける第2力受け部が設けられている点が上述した各実施例と異なる。説明のない記述に関しては実施例1と同様の構成とする。
図51は、現像ローラ13が感光ドラム10に当接している時を示す図である。図51(a)は、駆動側当接離間レバー170と、それを支持する駆動側現像軸受236を示した図であり、図51(b)は、非駆動側当接離間レバー72と、それを支持する非駆動側現像軸受246を示した図である。
図51に示すように、現像ローラ13の回転軸線の方向に関して他端部である駆動側には、駆動側当接離間レバー170が駆動側現像軸受236に回動可能に支持されている。しかし、実施例1に示すような駆動側現像加圧バネ71は設けられていない。従って、駆動側装置押圧部材150が矢印N7方向に移動すると、駆動側当接離間レバー170は支持部236cを中心に反時計周りに回動する。しかし、現像ローラ13を感光ドラム10に対して押圧する力を、駆動側当接離間レバー170の作用に駆動側現像軸受236に付与できない。しかし駆動側では、実施例5のように、カップリング部材180が駆動力を受けることで現像ローラ13を感光体ドラム10に対して当接させる方向のモーメントを受ける。このため、このモーメントにより現像ローラ13を感光体ドラム10に圧接させることができる。
一方、現像ローラ13の回転軸線の方向に関して他端部である非駆動側には、実施例1と同様の非駆動側当接離間レバー72が設けられている。非駆動側当接離間レバー72の第一当接面72aが、N7方向に移動する駆動側装置押圧部材151に押圧されて回動することで非駆動側現像加圧バネ73を押圧し、現像ローラ13を感光ドラム10に対して押圧する。
図52は、現像ローラ13が感光ドラム10から離間している時を示す図である。
駆動側装置押圧部材150が矢印N8方向へ移動することにより、駆動側当接離間レバー170が駆動側軸受部材236の規制部236bとが当接する。更に駆動側装置押圧部材150が矢印N8方向へ移動することにより、駆動側当接離間レバー170の被離間部170gを押圧して現像カートリッジB1を移動させ、現像ローラ13を感光ドラム10から離間させる。
なお、駆動側当接離間レバー170が駆動側軸受部材236に対して固定された構成や駆動側軸受部材236にだい被離間部170gに相当する部分を一体的に設けてもよい。
一方、非駆動側では、実施例1で示した非駆動側当接離間レバー72の規制部46eを有していない。その為、非駆動側装置押圧部材151が矢印N8方向に移動したとしても非駆動側当接離間レバー72は支持部246fを中心に時計周りに回動するだけで、現像ローラ13を感光ドラム10から離間させる作用は無い。このとき非駆動側現像加圧バネ73は自然長になっている。この時非駆動側現像加圧バネ73は非駆動側当接離間レバー72から離れていてもよい。
しかし、駆動側では離間の為の力を受けていることから、駆動側軸受部材236の剛性を一定以上にすることで、非駆動側でも離間を行うことができる。この離間の際、現像ローラ13は感光ドラム10に対して斜めになる形で離間してもよい。つまり駆動側の現像ローラ13は感光ドラム10から大きく離間するが、非駆動側では駆動側よりも小さい離間量になる。そこで、現像ローラ13と感光ドラム10との間で必要な離間量の最小値以上の離間量となるように、駆動側軸受部材236の剛性を高めておく。このように、本実施例では、カートリッジB1の一端部にのみ現像ローラ13を当接させる際の力を受ける第1力受け部(第一当接面72a)が設けた。更に、カートリッジB1の他端部にのみ現像ローラ13を離間させる際の力を受ける第2力受け部(被離間部170g)設けた。つまり、カートリッジB1に、現像ローラ13を当接させる際の力と現像ローラ13を離間させる際の力という装置本体から異なる方向(逆方向)の力を受ける2つの部分(第1力受け部、第2力受け部)を設けた。更に、その2つの部分(第1力受け部、第2力受け部)を、現像ローラ13の回転軸線の方向に関して、カートリッジB1の一端部、他端部に設けた。
本実施例の第1力受け部、第2力受け部の構成は、上述した実施例5以外の実施例のいずれにおいても適用することができる。
本実施例によれば、実施例1に対し駆動側現像加圧バネ71が不要になることでコストダウンを実現できる。また、非駆動側では離間に伴う現像カートリッジB1の移動量が少なくてすむので現像カートリッジB1を移動可能に支持している非駆動側スイングガイド81の消耗を抑えることができる。
《実施例7》
図53を用いて、本発明を適用した第7の実施例について説明する。ここで、説明のない記述に関しては実施例1と同様の構成とする。
実施例1では、駆動側当接離間レバー70及び、非駆動側当接離間レバー72は、規制部36b、46eと加圧バネ71、73とで挟み込まれた状態で位置が決まっている構成を示した。しかし図53のように、駆動側当接離間レバー270が駆動側現像加圧バネ171と規制部36bとの間で位置が決まっていない構成でも良い(非駆動側でも同様の構成が可能)。この構成では、駆動側現像加圧バネ171の自由長が短い場合に適用できる。
駆動側装置押圧部材150が、N7方向(図28参照)へ移動する動作で、離間レバー270は規制部36bに当接する。またN8方向へ移動する動作で、離間レバー270は加圧バネ171を圧縮する。ここで、規制部36bは駆動側当接離間レバー70が現像ローラ13から遠ざかる方向へ移動するのを規制できる位置に設けられている。
上述したいずれの実施例においても、本実施例の構成を適用することができる。
《実施例8》
図55、56を用いて、本発明を適用した第8の実施例について説明する。本実施例ではカップリング部材の構成が上述した各実施例と異なる。説明のない記述に関しては実施例1と同様の構成とする。
実施例1では、装置本体A1側にクラッチ機構を設けることなく、回転している本体駆動部材100に対しカップリング部材180を係合し、且つ回転している本体駆動部材100からカップリング部材180を係合解除することができた。その為の具体的構成として、カップリング部材180が傾斜可能な構成とすることで達成した。
本実施例では、実施例1と同様に装置本体A1側にクラッチ機構を設けることなく、回転している本体駆動部材100に係合し、且つ係合解除できるカップリング構成を説明する。
図55(a)は本実施例の現像カートリッジB2に設けられているカップリング部材280を示した斜視図である。現像サイドカバー34は省略している。図55(b)はカップリング部材280を組み立てる状態を示した斜視図である。
カップリング部材280は駆動入力ギア127内で、カップリング部材280の回転軸線L2方向に進退自在に構成されている。カップリング部材280と駆動入力ギア127との間には付勢部材130が設けられていて、カップリング部材280は軸線L2方向外側に常に付勢されている。カップリング部材280に設けられた回転力受け部280a1、280a2が、本体側駆動部材100(図8参照)から駆動力を受ける。さらに回転力伝達部280c1、280c2が、駆動入力ギア127の回転力被伝達部127d1、127d2に駆動力を伝達することで現像ローラ13に駆動を伝える。
カップリング部材280の先端側には外円錐面280eが設けられている。その部分が本体側駆動部材100(図8参照)の先端面に当接することにより軸線L2方向内側へ退避し本体側駆動部材100と係合する。また外円錐面280eの内側には、実施例1と同様に円錐部280gが設けられているので、同様に本体側駆動部材100の先端面に当接することで軸線L2方向内側へ退避し本体側駆動部材100から離脱する。
以上の様な構成により、装置本体A1側にクラッチ機構を設けることなく、回転している本体駆動部材100への係合及び離脱が可能となる。
また実施例1と同様に、駆動側当接離間レバー70及び駆動側現像加圧バネ71も設けられている。
図56(a)は、本実施例の正面図であり、図56(b)は図56(a)のA−A断面図である。
カップリング部材280は付勢部材130により軸線L2方向に移動可能に支持されている。カップリング部材280に設けられた円筒外径部280h(摺動部)が、駆動側現像軸受136の円筒内径部(被摺動部)136h内で摺動可能に支持されている。
ここで図56(b)に示すように、円筒外径部280h(摺動部)と円筒内径部(被摺動部)127hは、その少なくとも一部が駆動側現像加圧バネ71と軸線L2方向で重なるように配置されている。これにより駆動側現像加圧バネ71が発生する力で駆動側現像軸受136をねじるようなモーメントが発生し、それが摺動部280h、127hへの変形に影響するのを抑制できる。その為、カップリング部材280の軸線L2方向への進退動作を妨げることが抑制できる。
また、付勢部材130の付勢方向L2に直交する平面L2Xを定義する。すると、駆動側現像加圧バネ71の付勢方向L4と、平面L2X、とが成す角度θは、−45°≦θ≦+45°(−45°度以上、+45°以下)の範囲が好ましい。更に好ましくは、−10°≦θ≦+10°(−10°以上、+10°以下)。最も好ましいのはθ≒0°(0°もしくは実質的に0°)である。これにより付勢部材130が駆動側現像加圧バネ71の付勢力に与える影響を抑制できる。つまり付勢部材130はカップリング部材280が本体側駆動部材100から駆動を伝達されている間、常に付勢状態にある。その時、付勢部材130の発生する力成分が、駆動側現像加圧バネ71の方向にあまり作用しない方が駆動側現像加圧バネ71への影響が小さくなり、加圧力の精度が向上する。
上述したいずれの実施例においても、本実施例のカップリング部材280の構成を適用し、本実施例のような付勢方向L4、L2の関係とすることができる。
《実施例9》
図57を用いて、本発明を適用した第9の実施例について説明する。本実施例では規制部を有していない点が上述した各実施例と異なる。説明のない記述に関しては実施例1と同様の構成とする。
本実施例のカートリッジB1は、駆動側現像軸受436には実施例1の規制部36bに相当する部材が設けられていない。このため、現像ローラ13を感光体ドラム10から離間させる場合はバネ471の弾性力を用いる。
図57に示すように、ねじりコイルバネであるバネ471の一端部は、駆動側現像軸受436の係合部436d1、436d2の間に挟まれることで駆動側現像軸受436と係合している。一方、バネ471の他端部は、駆動側当接離間レバー470の係合部470c1、470c2の間に挟まれることで駆動側当接離間レバー470と係合している。
図57(a)は、現像ローラ13が不図示の感光体ドラムに当接している状態を示す図である。駆動側当接離間レバー470の第一当接面470aが駆動側装置押圧部材150によってN7方向に押圧されることで、バネ471を圧縮した状態で、現像ローラ13が感光体ドラムに当接させた状態となる。この時、バネ471の一端部は係合部436d1に突き当たり、バネ471の他端部は係合部470c1に突き当たっており、係合部470c1を介して駆動側当接離間レバー470がバネ471から付勢力を受ける。これにより、現像ローラ13と感光体ドラムの適切な当接圧を維持することができる。
図57(b)は、現像ローラ13が感光体ドラムから離間している状態を示す図である。駆動側当接離間レバー470の被離間部470gが駆動側装置押圧部材150によってN8方向に押圧されることで、バネ471の一端部は係合部436d2に突き当たり、バネ471の他端部は係合部470c2に突き当たる。このため、バネ471は自由長よりも伸ばされる状態となる。これにより、バネ471の弾性力を利用して駆動側現像軸受436を現像ローラ13が感光体ドラムから離間する方向へ移動させることができる。
このようにバネを自由長よりも伸ばすことでバネの弾性力を利用して、現像ローラを感光体ドラムから離間させてもよい。
また、上述したいずれの実施例においても、本実施例の構成を適用することができる。
<その他の事項>
なお上述した各実施例においては、現像カートリッジB1、B2とドラムカートリッジCが分離された構成であった。つまり現像装置が現像カートリッジB1、B2として感光体ドラム10とは別にカートリッジ化され、画像形成装置の装置本体に対して着脱される構成であった。しかしながら、上述した実施例はそのような構成以外にも適用可能である。
例えば現像カートリッジB1、B2とドラムカートリッジCが分離しない構成であっても上記のいずれの実施例の構成も適用可能である。つまり現像カートリッジB1、B2(現像装置)をドラムカートリッジCに対して回動可能に結合して構成されるプロセスカートリッジを画像形成装置の装置本体に着脱させるような構成であっても良い。つまりプロセスカートリッジは感光体ドラム10と現像装置を備える。そしてこのプロセスカートリッジ各実施例と同様第1可動部材120、第2可動部材121を備えるものである。
以降は、プロセスカートリッジの一例について説明する。図49は、装置本体A2に装着されたプロセスカートリッジBCを現像ローラ13の回転軸線の方向から見た図である。図49(a)は、現像ローラ13が感光体ドラム10に当接した状態、図49(b)は、現像ローラ13が感光体ドラム10から離間した状態、をそれぞれ示す。
図49においては、装置本体A2の一部分として駆動側装置押圧部材150を記載している。ここで、装置本体A2は、プロセスカートリッジBCの着脱をガイドするガイド部材(不図示)を有する点、及び、駆動側スイングガイド80、非駆動側スイングガイド81が無い点を除いて上述した実施例で説明した装置本体A1と同様の構成となっている。当然ながら、装置本体A2の非駆動側には、装置本体A1と同様の非駆動側装置押圧部材151が設けられている。
プロセスカートリッジBCは、主に、現像枠体としての駆動側現像軸受536と、感光体支持枠体521と、カップリング部材180と、を有する。駆動側現像軸受536は、現像ローラ13、駆動側当接離間レバー70、及び被駆動側当接離間レバー72(不図示)を支持する。感光体支持枠体521の長穴521aに回転可能に支持されるボス536aを備えている点を除いて、駆動側現像軸受536は上述した実施例の駆動側現像軸受36と同様の構成であるため、同様の部分の詳細は省略する。感光体支持枠体521は感光体ドラム10を支持する。
長穴521aによってボス536aが支持されていることで、駆動側現像軸受536はボス536aを回転中心として感光体支持枠体521に対して回動可能である。駆動側現像軸受536は、感光体支持枠体521との間に架けられた不図示のバネにより、現像ローラ13が感光体ドラム10に当接する方向に付勢されている。なお、長穴521aは円形の穴であってもよい。
装置本体A2にプロセスカートリッジBCが装着された状態では感光体支持枠体521が装置本体A2の不図示の位置決め部で位置決めされて動かないよう固定される。そして、図49(a)に示すように、駆動側において、駆動側装置押圧部材150によって駆動側当接離間レバー70の第一当接面70aが押圧されることで、駆動側現像軸受536をボス536aを回転中心として反時計回りに回動させる。これにより、現像ローラ13を感光体ドラム10に当接させることができる。
また、図49(b)に示すように、駆動側において、駆動側装置押圧部材150によって駆動側当接離間レバー70の被離間部70gが押圧されることで、駆動側現像軸受536をボス536aを回転中心として時計回りに回動させる。これにより、現像ローラ13を感光体ドラム10から離間させることができる。
このように、上述したいずれの実施例においても現像カートリッジB1、B2をプロセスカートリッジBCに置換した構成としてもよい。