JP6785138B2 - 炊飯器 - Google Patents

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Description

本発明は、被調理物となる米と水を短時間で美味しく炊飯加熱する炊飯器に関する。
一般に、この種の炊飯器は特許文献1に示すように、内釜内に収容した米や水などの被調理物を加熱する加熱手段と、被調理物を大気圧未満に減圧する減圧手段と、加熱手段と減圧手段または加圧手段を制御して、内鍋内の被調理物を炊飯した後に、所定の温度に保温する制御手段と、を備えている。
また特許文献2には、約50分で炊飯を行なう標準炊飯コースの他に、炊飯工程の中でひたしとむらしの時間を標準炊飯コースよりも短縮して、約30分で炊飯を行なう高速炊飯コースを備えた炊飯器が開示されている。
特開2014−50757号公報 特開2005−111037号公報
ここで、炊飯器が行なう炊飯時間と食事の準備時間との関係について、図10を参照して説明する。図10は、3食の中で最も炊飯器が使用されると推測される夕食の準備時間の調査結果をあらわしたもので、夕食の準備時間は46分〜60分が最多となっている。しかし、従来の炊飯器の代表的な標準炊飯コースは60分前後であり、夕食の準備と同時に炊飯を開始すると、夕食の準備時間が60分を超える20%の人しか夕食の準備が完了しても炊飯が終了しておらず、炊き立てのご飯を食べていないことが判った。一方、従来の炊飯器には、30分前後で炊飯が終了する「早炊き」の高速炊飯コースが備えられているものもあり、この場合は夕食の準備時間が30分を超える85%の人が夕食の準備が完了した際に炊飯が終了し、炊き立てのご飯を食べることができる。
しかし、例えば特許文献2では、高速炊飯コースで30分の炊飯時間を実現しているものの、ひたしから一気に炊き上げを経てむらしに至る炊飯加熱を行なうため、ご飯の美味しさが損なわれてしまう。このように、炊飯時間の早さを重視すれば、ご飯の美味しさが犠牲になり、逆にご飯の美味しさを重視すれば、炊飯時間の早さが犠牲になることから、従来はご飯の美味しさを選ぶか、さもなければ炊飯の早さを選ぶかの妥協の選択となってしまっていた。
本発明は上記問題点に鑑み、早い炊飯時間でありながら美味しいご飯を食することが可能な炊飯器を提供することをその目的とする。
本発明の炊飯器は、炊飯開始を指示する操作手段と、被調理物として米と水を内部に収容する内釜と、前記内釜を加熱する加熱手段と、前記内釜の内部を大気圧よりも低い圧力に減じる減圧手段と、前記被調理物を大気圧よりも高い状態に加圧する加圧手段と、前記操作手段を操作すると、炊飯開始から前記米の吸水を促進させるひたしと、前記被調理物を沸騰させる沸騰と、前記被調理物の沸騰状態を継続する沸騰継続と、炊き上げた前記被調理物を蒸らすむらしの順に、一連の炊飯工程を30分以下で終了するように、前記加熱手段を制御する制御手段と、を備え、前記減圧手段は、減圧ポンプの他に、前記減圧ポンプと前記内釜の内部との間を連通する経路と、前記経路を開閉する弁とにより構成され、前記制御手段は、前記ひたしから引き続いて前記沸騰でも、前記内釜の内部が大気圧よりも低い減圧状態となるように、前記ひたしでは前記加熱手段を制御して前記内釜を加熱すると共に、前記減圧手段の減圧駆動源となる前記減圧ポンプを動作させ、前記ひたしの全期間にわたり、前記経路を開放するように前記弁の動作を制御すると共に、前記減圧ポンプを連続動作させて、密閉した前記内釜の内部から空気を排出し、前記ひたしが終了して前記沸騰に移行すると前記減圧ポンプの動作を停止させる一方で、前記経路を閉塞するように前記弁の動作を制御し、前記加熱手段を制御して前記ひたしよりも前記内釜内部の前記被調理物を強く加熱する一方で、前記被調理物が前記減圧状態で沸騰するまで前記内釜の内部を前記減圧状態に維持し、前記沸騰の工程で前記被調理物が前記減圧状態で沸騰したと判断したら、前記被調理物を前記減圧状態から大気圧よりも高い加圧状態に一気に切替える構成としたものである。
請求項1の発明では、操作手段の操作により炊飯を開始すると、内釜に収容した被調理物に対して、ひたし、沸騰、沸騰継続、むらしの何れも省略することなく、これらを一連の順に行なって、30分以下で炊飯工程を終了させるので、早い炊飯時間でありながら美味しいご飯を食することが可能な炊飯器を提供できる。また、米の吸水を促進させる程度に被調理物を弱く加熱するひたしに続いて、被調理物をひたしよりも強く加熱する沸騰でも、被調理物が100℃以下の減圧状態で沸騰するまで、減圧手段により被調理物が減圧状態に維持される。そのため、米の糊化温度である60℃〜100℃で被調理物を減圧沸騰させて、米を舞わせながら芯まで短時間に米へ吸水させることが可能となり、早い炊飯時間でありながら、米を芯まで吸水させた美味しいご飯を食することが可能になる。さらに、ひたしよりも内釜内部の被調理物を強く加熱して、被調理物の温度を短時間に沸騰まで上昇させ、消費電力の多い沸騰で、減圧ポンプを動作させることなく減圧状態を維持できる。
請求項の発明では、ひたしから沸騰へ移行した後も、内釜への加熱やスローリークにより、内釜の内部は次第に圧力が上昇するものの、暫くの間は消費電力の多い沸騰で、減圧ポンプを動作させることなく減圧状態を維持できる。
請求項の発明では、被調理物の沸騰を検知した後に、炊飯工程が20分を経過しない間に終了して保温工程に切り換わっても、内釜の温度を少なくとも20分は98℃以上に維持する制御が保温工程に移行しても継続するので、早い炊飯時間でありながら、沸騰検知後も被調理物を高温状態に十分に維持させた美味しいご飯を食することが可能になる。
請求項の発明では、選択手段で選択した炊飯時間が例えば20分であったとしても、炊飯工程の中のひたしとむらしの時間を短縮しつつも、それ以外の沸騰と沸騰継続で被調理物に対して加熱を十分な時間行なうことで、最短の炊飯時間の中で最大限美味しく被調理物を炊き上げることが可能になる。
請求項の発明では、選択手段で選択した炊飯時間が例えば20分であったとしても、炊飯工程の中で被調理物が沸騰するまでの加熱量と、その後の沸騰継続の加熱量を増加させることで、最短の炊飯時間の中で最大限美味しく被調理物を炊き上げることが可能になる。
本発明の一実施例における炊飯器の全体断面図である。 同上、電気的構成を示すブロック図である。 同上、内釜温度センサの検知温度と、蓋温度センサの検知温度と、内釜内の検知圧力と、加熱手段に入力する電圧の推移をあらわしたタイミングチャートである。 同上、水の蒸気圧曲線を示すグラフと内釜内部の動作状態を説明する図である。 本実施例の炊飯器と従来の炊飯器について、食味試験の結果をあらわした図である。 図5とは別の食味試験の結果をあらわした図である。 同上、選択された炊飯時間が30分の場合の、内釜の温度と、内釜への加熱量の推移をあらわしたタイミングチャートである。 同上、選択された炊飯時間が20分の場合の、内釜の温度と、内釜への加熱量の推移をあらわしたタイミングチャートである。 同上、選択された炊飯時間が20分の場合の、内釜の温度と、内釜への加熱量の推移をあらわしたタイミングチャートである。 夕食の準備時間の調査結果を説明する図である。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明における炊飯器の実施例を説明する。
炊飯器全体の構成を図1に基づいて説明すると、1は有底状の本体、2は本体1の上面開口を開閉自在に覆う蓋で、これらの本体1と蓋2により炊飯器の外郭が形成される。蓋2の後部には本体1との連結部となるヒンジ3が設けられており、蓋2の前部上面に設けたフックボタン4を押動操作することで、蓋2と本体1との係合が解除され、蓋2がヒンジ3を回転中心として自動的に開く構成となっている。
本体1には、有底筒状で非磁性材料などからなる鍋収容体5が形成され、この鍋収容体5には、米や水などの被調理物を収容する有底筒状の鍋としての内釜6が着脱自在に設けられる。内釜6は、その側面がR状に湾曲し、且つ上端開口よりも中央胴部が広い面積を有するいわゆる丸釜形状となっており、内釜6の上端周囲には、外周側に延出する円環状のフランジ部7が形成される。フランジ部7は、鍋収容体5に内釜6を収容したときに鍋収容体5の上面に載置され、鍋収容体5と内釜6との間に隙間を形成した状態で、内釜6が鍋収容体5に吊設されるようになっている。ここでの内釜6は、熱伝導性の良いアルミニウムを主材料とした母材8の外面に、フェライト系ステンレスなどの磁性金属材料からなる発熱体9を接合して構成される。
11は、内釜6の発熱体9を電磁誘導加熱する加熱コイルである。加熱コイル11は、内釜6の発熱体9に対向して、導体であるリッツ線を螺旋状に巻回して構成される。これにより、加熱コイル11に高周波電流を供給すると、加熱コイル11から発生する交番磁界によって内釜6の発熱体9が発熱し、炊飯時や保温時に内釜6ひいては内釜6内の被調理物が加熱される。
鍋収容体5の底部中央に設けた開口部には、内釜6の外面底部と弾発的に接触するように、内釜温度検出手段としての内釜温度センサ12が配置される。内釜温度センサ12は、内釜6の温度を検知するもので、加熱コイル11による内釜6の底部の加熱温度を主に温度管理する構成となっている。
蓋2の上面には、蓋開操作体としてのフックボタン4の他に、表示部15や操作部16を含むパネルとしての操作パネル17や、被調理物への加熱に伴い内釜6内部で発生した蒸気を、炊飯器の外部に放出するための蒸気口19などがそれぞれ配設される。また、蓋2の下側には、蓋2の下部部材としての内蓋組立体21が配設される。内蓋組立体21は、内6の上方開口部とほぼ同径の円盤状を有する金属材料からなる内蓋22と、内釜6と内蓋22との間をシールするために、当該内蓋22の外側全周に設けられる弾性部材としての蓋パッキン23と、内釜6の内圧力を調整する調圧部24とを備えている。環状に形成された蓋パッキン23は、蓋体2を閉じた蓋閉時に、内釜6のフランジ部7上面に当接して、この内釜6と内蓋22との間の隙間を塞ぎ、内釜6から発生する蒸気を密閉する。また、蒸気口19と調圧部24は蓋体2の内部で連通しており、これらの蒸気口19や調圧部24により、内釜6内で発生した蒸気を蒸気口19から外部へ放出する蒸気排出機構が形成される。
調圧部24は、内釜6の内部と蒸気口19との間の蒸気通路25を開閉する調圧弁26が設けられる。この調圧弁26はボール状で、蓋2の内部に設けたソレノイド27と連動して、内蓋22の略中央部に装着された弁座28上に載置される。弁座28には、蒸気通路25の途中で調圧弁26により開閉される連通孔29が設けられ、ソレノイド27の非通電状態では、その先端部を進出位置に保持し、調圧弁26を弁座28の連通孔29から退避させることで、内釜6の内外で同じ圧力となるように蒸気通路25を開放する一方で、ソレノイド27の通電状態では、その先端部を退避させ、調圧弁26を弁座28の連通孔29に自重で転動させることで、連通孔29を塞いで内釜6の内部に圧力を投入する。この状態で調圧弁26は、内釜6の内部が大気圧よりも高い所定の圧力(例えば1.2気圧:1気圧=101325Pa)に達すると、その自重に抗して連通孔29を開放し、内釜6の内部にそれ以上の圧力が加わらないように調整する。つまり、ここでの調圧部24は、ソレノイド27の通電状態で、内釜6内部の被調理物を大気圧よりも高い状態に加圧する加圧手段としての機能を有している。
31は、蓋2を本体1に閉じた状態で、内釜6の内部を通常の大気圧よりも低くするために設けた減圧手段である。この減圧手段31は、蓋2の後部に設けた減圧駆動源としての減圧ポンプ32の他に、蓋2の内部において、減圧ポンプ32と内釜6の内部との間を連通する管状の経路(図示せず)と、その経路を開閉する電磁弁33(図2を参照)とにより構成される。本実施例では、2個の減圧ポンプ32を蓋2の内部に設けているが、減圧ポンプ32を本体1の内部に設けてもよく、またその個数も2個に限定されない。例として、1個の減圧ポンプ32を動作させたときに、密閉した内釜6の内部は0.6気圧に減圧され、直列に接続した2個の減圧ポンプ32を動作させたときに、密閉した内釜6の内部は0.4気圧に減圧される。
そして本実施例では、内釜6を鍋収容体5に収容し、蓋2を閉じた後にソレノイド27を通電して、調圧弁26が連通孔29を塞いだ状態から減圧ポンプ32を起動させると、電磁弁33により経路を開放して、内釜6内部の空気が経路および減圧ポンプ32を通って本体1の外部に排出され、密閉した内釜6内部の圧力が低下する。また、内釜6内部の圧力が大気圧よりも一定値下がった場合には、減圧ポンプ32の動作を停止し、電磁弁33により経路を閉塞して、内釜6内部を減圧状態に保っている。さらに、内釜6内部を減圧状態から外気と同じ圧力に戻す場合には、減圧ポンプ32の動作を停止し、電磁弁33により経路を開放する。つまり、本実施例における減圧手段31は、内釜6内部を減圧状態から外気と同じ圧力に戻す圧力戻し手段としての構成を兼用している。
内釜6への加熱を行なうために、前述した内釜6の主に側面下部から底部を加熱する加熱コイル11の他に、内釜6の側面上部を主に加熱する側部ヒータ35が、鍋収容体5の外面上側部に配置される。また、蓋2の内部には、内蓋22を加熱する蓋加熱手段としての蓋ヒータ36と、蓋ヒータ36による内蓋22の温度管理を行なうためのサーミスタ式の蓋温度センサ37がそれぞれ設けられる。
41は、本体1の内部後方に設けられ、マイクロコンピュータ(マイコン)などを基板に搭載して構成される制御手段である。制御手段41は、加熱コイル11を駆動させるための発熱素子42などを備えている。
次に、制御手段41の制御系統について、図2を参照しながら説明する。同図において、制御手段41は、内釜温度センサ12や蓋温度センサ37からの各温度検知信号と、操作部16からの操作信号を受けて、炊飯時および保温時に内釜6を加熱する加熱コイル11や側ヒータ3と、蓋2を加熱する蓋ヒータ36を各々制御すると共に、前述した調圧弁26を動かすソレノイド27や、減圧ポンプ32や、電磁弁33の動作を各々制御し、さらには表示部15の表示を制御するものである。特に本実施例の制御手段41は、内釜温度センサ12の検知温度に基いて主に加熱コイル11を制御して内釜6の底部を温度管理し、蓋温度センサ37の検知温度に基いて主に蓋ヒータ36を制御して、内蓋22を温度管理する。これらの加熱コイル11や蓋ヒータ36と、側部ヒータ3は、内釜6内部の被調理物を加熱する加熱手段44に相当する。
制御手段41は、記憶手段46に記憶されたプログラムの制御シーケンス上の機能として、操作部16の例えば炊飯キー16aを操作すると、炊飯開始から内釜6に投入した米の吸水を促進させるひたしと、被調理物の温度を短時間に沸騰まで上昇させる沸騰と、被調理物の沸騰状態を継続させドライアップ状態のご飯に炊き上げる沸騰継続と、炊き上がったご飯を焦がさない程度の高温に維持するむらしの順に炊飯工程を実行して、内釜6内部の被調理物に対して所望の圧力で炊飯加熱する炊飯制御手段51と、炊飯工程に引き続いて、内釜6内部のご飯を所望の圧力で所定の保温温度に保つように保温する保温制御手段52と、をそれぞれ備えている。
特に本実施例では、早い炊飯時間で美味しいご飯を提供するために、炊飯開始を指示する炊飯キー16aの操作を受けて、前述したひたしと、沸騰と、沸騰継続と、むらしをどれも省略することなく、これらの一連の手順による炊飯工程が30分以下で終了するように、炊飯制御手段51が加熱手段44を制御する機能を備えている。また好ましくは、炊飯時間を固定した時間ではなく、20分から30分までの間の任意の時間に選択できるように、炊飯時間の選択操作を可能にする炊飯時間選択キー16bを、操作部16の一部に選択手段として配設してもよい。この場合、炊飯制御手段51は、炊飯時間選択キー16bにより選択された炊飯時間に応じて、炊飯工程の中でひたしとむらしの時間を可変し、さらには被調理物が沸騰するまでの加熱量と、その後の沸騰継続の加熱量を可変する構成を備える。
炊飯制御手段51は、炊飯工程において加熱手段44だけでなく、蓋2で閉ざされた内釜6内部の圧力を調整するために、ソレノイド27と減圧手段31をそれぞれ制御する。同様に保温制御手段52も、保温工程において加熱手段44だけでなく、ソレノイド27と減圧手段31をそれぞれ制御する。特に本実施例では、ひたしから内釜6内部の被調理物を大気圧よりも低い減圧状態にし、ひたしに続く沸騰でも、被調理物が減圧状態で沸騰するまで引き続き減圧状態を維持し、その後で被調理物が減圧状態で沸騰したら、今度は内釜6内の被調理物を減圧状態から大気圧よりも高い加圧状態に一気に切替えて、被調理物に圧力ショックを与えるように、ソレノイド27や減圧手段31の動作を制御する圧力切替制御手段54としての機能を、炊飯制御手段51に備えている。圧力切替制御手段54は、内釜6内部の被調理物が減圧状態で沸騰したか否かを、内釜温度センサ12で検知した内釜6の検知温度が、所定温度となる100℃に達したか否かで判断するが、別な手法として、例えば内釜温度センサ12以外の各種検知手段を利用して、被調理物が減圧状態で沸騰したか否かを判断してもよい。
さらに本実施例では、制御手段41に内蔵する計時手段(図示しない)を利用して、炊飯工程中の沸騰において被調理物の沸騰を検知した時点からの時間を計測し、そこから20分が経過するまでは、炊飯制御手段51による炊飯工程が終了して、保温制御手段52による保温工程に切り換わっても、内釜温度センサ12で検出される内釜6の温度が98℃以上に保持されるように、炊飯制御手段51や保温制御手段52が内釜6内の被調理物に対する加熱を継続する構成を備えている。
次に、上記構成の炊飯器について、その作用を図3および図4に基づき説明する。なお図3は、炊飯を開始した後の、内釜温度センサ12の検知温度Taと、蓋温度センサ37の検知温度Tbと、内釜6内の検知圧力Pと、加熱手段44に入力する電圧Vの推移をあらわしたタイミングチャートであり、図4は水の蒸気圧曲線Sを示すグラフと、それに伴う内釜6内部の動作状態を説明する図である。
先ず、本実施例における炊飯時における動作を説明すると、内釜6内に被調理物として米および水を入れ、これを本体1の鍋収容体5にセットした後に、蓋2を閉じて操作体16の炊飯キー16aを操作すると、制御手段41に組み込まれた炊飯制御手段51による炊飯が開始する。ここで炊飯制御手段51は、内釜6内の米に対する吸水を促進させるために、内釜温度センサ12による内釜6の底部の温度検知に基づき、加熱コイル11と側部ヒータ35を通断電制御して、内釜6の底部と側面部をそれぞれ加熱し、内釜6内の水温を約45〜60℃に3分間保持するひたしを行なう。
ひたし中は、内釜6内の圧力が大気圧よりも低い減圧状態となるように、炊飯制御手段51に組み込まれた圧力切替制御手段54が、ソレノイド27や減圧ポンプ32や電磁弁33の動作を各々制御する。具体的には、ひたしを開始すると、圧力切替制御手段54はソレノイド27を非通電状態から通電状態に切替えて、調圧弁26で蒸気通路25の連通孔29を閉塞する。そしてこの状態で、密閉した内釜6の内部から減圧手段31を通して空気を排出するために、ひたしの全期間(この例では3分間)にわたり、内釜6内部から減圧ポンプ32に至る経路を開放するように、電磁弁33の動作を制御すると共に、一乃至複数の減圧ポンプ32を連続動作させ、内釜6内部の空気を減圧ポンプ32で抜き取る真空引きを行なう。なお、減圧ポンプ32の動作中にその旨を表示部15に表示させてもよく、これによりユーザは内釜6の内部が減圧中であることを知ることができる。
こうして、ひたしの期間中は、圧力切替制御手段54により内釜6の内部が減圧状態に維持される。そのため、ひたし時に内釜6の内部で米に水を十分に吸水させることが可能になる。
その後、所定時間のひたしが終了し、次の沸騰に移行すると、被調理物の沸騰検知を行なうまでの加熱で、炊飯制御手段51は加熱コイル11や側部ヒータ35を連続通電することにより、ひたしよりも内釜6内部の被調理物を強く加熱し、被調理物の温度を短時間に沸騰まで上昇させる。ここで圧力切替制御手段54は、ひたしから引き続いて内釜6の内部を大気圧よりも低い減圧状態に維持するように、沸騰に移行すると減圧ポンプ32の駆動を停止させる一方で、内釜6内部から減圧ポンプ32に至る経路を閉塞するように、電磁弁33の動作を制御する。そのためひたしから沸騰に移行した後も、内釜6への加熱やスローリークにより、内釜6の内部は次第に圧力が上昇するものの、暫くの間は消費電力の多い沸騰で、減圧ポンプ32を動作させることなく減圧状態を維持できる。
こうして、ひたしの後の沸騰も内釜6内部の被調理物が減圧状態に保持されることで、加熱行程中は100℃以下の温度で水が沸騰する。図4の蒸気圧曲線Sのグラフに示すように、内釜内部の圧力が0.2気圧であると水は約60℃で沸騰し、内釜内部の圧力が0.4気圧であると水は約80℃で沸騰し、内釜内部の圧力が0.6気圧であると水は約88℃で沸騰するため、米の糊化温度とされる60℃〜100℃で被調理物を減圧状態で沸騰させることで、沸騰時の泡で米を舞わせて加熱ムラがなくなり、併せて被調理物を減圧状態にして、米の芯まで短時間に吸水させることができる。
その後、圧力切替制御手段54は、沸騰の手順中に内釜温度センサ12からの温度検知信号を取り込んで、内釜6の底部の検知温度が所定温度となる100℃に達したら、内釜6内部の被調理物が減圧状態で沸騰したと判断として、内釜6内部から減圧ポンプ32に至る経路を閉じ、減圧ポンプ32を動作させないまま、ソレノイド27を一時的に非通電状態にして、調圧弁26を連通孔29から退避させる。これにより、蒸気通路25は密閉せずに内釜6の内外を連通させた開放状態となり、内釜6は直ちに外気と同じ常圧に戻る。その後、ソレノイド27を短時間で通電状態に切替え、内釜6の内部を再び密閉した状態にすると、引き続き内釜6内部の被調理物への強い加熱により、内釜6の内部の被調理物が大気圧以上の例えば1.2気圧に達するまで加圧され、その加圧状態で被調理物を沸騰させることができる。
こうして圧力切替制御手段54は、沸騰の手順中に内釜6内部の被調理物が減圧状態で沸騰したと判断したら、内釜6内部を減圧状態から大気圧よりも高い加圧状態へ一気に切替えて、被調理物に圧力ショックを加えるために、ソレノイド27ひいては調圧部24を構成する調圧弁26の動作を制御して、蒸気通路25を一時的に開放する。これにより、図3の蒸気圧曲線Sのグラフに示すように、加圧状態では米の糊化最適温度である105℃(1.2気圧の場合)に被調理物を沸騰させることで、米の硬さと粘りのバランスを確保し、芯まで均一に米を糊化させることが可能になる。
その後で炊飯制御手段51は、内釜温度センサ12の検知温度が所定温度となる例えば90℃以上になり、それに加えて蓋温度センサ37の検知温度も所定温度となる例えば90℃以上になると、被調理物の加圧状態での沸騰を検知する沸騰検知を開始する。この沸騰の手順中の沸騰検知では、引き続き加熱コイル11や側部ヒータ35を連続通電して、内釜6内部の被調理物を強く加熱する一方で、蓋温度センサ37の検知温度の傾き(所定の時間に検知温度がどの程度上昇するのか)を算出する。そして、この蓋温度センサ37の検知温度の傾きが一定値以下になって安定したら、内釜6内の被調理物が加圧状態で沸騰したと判断して、沸騰から次の沸騰継続に移行する。
沸騰継続に移行すると、炊飯制御手段51は蓋ヒータ36による蓋加熱を開始させる。ここでの蓋加熱は、内蓋22の温度が所定の例えば100℃になるように、蓋温度センサ37の検知温度により、蓋ヒータ36からの加熱量が管理される。また沸騰継続に移行したら、炊飯制御手段51は内釜6内を常圧と大気圧よりも高い圧力との間に繰り返し変化させるために、ソレノイド27を周期的に通断電させて、調圧弁26で蒸気通路25を周期的に開閉する。
そして炊飯制御手段51は、沸騰継続で内釜6内部の水が無くなり、内釜温度センサ12による内釜6の底部の検知温度が所定の温度上昇を生じたら、内釜温度センサ12の検知温度に基づき被調理物の炊き上げを検知する。ここでは、内釜温度センサ12の検知温度が所定のドライアップ温度に達すると、内釜6内部の被調理物の炊き上がりを検知して、沸騰継続から次のむらしに移行する。
むらし中は、蓋温度センサ37の検知温度による温度管理によって蓋ヒータ36を通断電し、内蓋22への露付きを防止すると共に、内釜6内部のご飯が焦げない程度に高温(98〜100℃)が保持されるように、加熱コイル11や側部ヒータ35を通断電して内釜6の底部の温度を管理する。むらしは所定時間(例えば12分)続けられ、むらしが終了したら保温制御手段52による保温に移行する。
図3のタイミングチャートに示すように、上述した本実施例の炊飯制御手段51による炊飯加熱では、ひたしの開始からむらしの終了までの炊飯時間が、3合炊きの場合で30分に短縮される。従来の高速炊飯コースは、炊飯時間が約30分ではあるものの、ご飯の美味しさが犠牲となっていた。また、標準炊飯コースは美味しいご飯に仕上がるものの、炊飯時間が60分前後も掛かってしまう。その点、本実施例の炊飯器は、炊飯工程中のひたし、沸騰、沸騰継続、むらしの各手順を何れも省略することなく、ひたしから沸騰に至る期間中に、内釜6内部の被調理物に対する加熱と圧力の仕方を工夫することで、高速炊飯コースのような早い炊飯時間で、しかも標準炊飯コースのような美味しいご飯に仕上げることができる。そのため、従来のように高速炊飯コースと標準炊飯コースの何れかを選ぶ必要がなくなく、操作部16による操作が分かりやすくなり、夕食の準備期間に間に合うような早くて美味しいご飯を、何時でも食することが可能になる。
次に、本実施例の炊飯器と従来の炊飯器との食味試験の結果について、図5および図6を参照して説明する。
本願発明者らは、食味試験者により、上記実施例の炊飯器で炊飯したご飯と、従来の5つの炊飯器(以下、5つの炊飯器をそれぞれ「既製品A」、「既製品B」、「既製品C」、「既製品D」、および「既製品E」という)ご飯とを用いて、食味の比較試験を行った。この比較試験では、食味試験者に上記炊飯器で炊飯したご飯を試食してもらい、3合の米の炊飯時間および食味評価のデータ(評価項目は、単純に美味しいか、好みかの評価)を収集した。試料の米としてこしいぶきを使用し、既製品A〜Eでは、それぞれの炊飯器の代表的な炊飯コースで炊飯した。食味試験者は男女各10名の計20人とし、炊飯が終了した「炊上直後」のご飯、および所定時間後のいわゆる「冷や飯」をブラインドでそれぞれ試食した。
図5の食味試験結果では、評価基準となる従来の既製品Aで炊飯したご飯と比較してどれくらい美味しいか、好みかの相対評価が示されており、20人の食味試験者の評価の平均がポイントで示されている。評価は好み、嫌い共に3段階で評価されており、「同等」が0ポイントで評価される。その結果、「炊上直後」のご飯では、上記実施例の炊飯器で炊飯したご飯が最も美味しい・好みとの結果となっており、「冷や飯」でも既製品Aで炊飯したご飯と同程度に、他の既製品B〜Eで炊飯したご飯よりも美味しい・好みとの結果となった。また、3合の炊飯時間は上記実施例の炊飯器が30分と最短であり、上述した図10の表から、夕食の準備開始と同時に炊飯しても、85%の人が出来たての料理と共に炊きたてのご飯を食べることが可能である。このことより、上記実施例の炊飯器は、既製品A〜Eと比較しても同程度以上に美味しいご飯を、しかも既製品A〜Eと比較してはるかに早く炊飯できるとの効果を確認できた。
図6の食味試験結果では、単純に美味しいか、好みかの絶対評価が示されており、20人の食味試験者の評価の平均がポイントで示されている。評価は好み、嫌い共に3段階で評価されており、「同等」が0ポイントで評価される。その結果、「炊上直後」のご飯、「冷や飯」共に、上記実施例の炊飯器で炊飯したご飯が最も美味しい・好みとの結果となった。このことからも、上記実施例の炊飯器は、既製品A〜Eと比較して更に美味しいご飯を、しかも既製品A〜Eと比較してはるかに早く炊飯できるとの効果を確認できた。
こうした食味試験の結果から、上記実施例の炊飯器は既製品A〜Eよりも、食味の良さおよび炊飯の早さの両点で有位性が得られることが分かった。
上記実施例の炊飯器に関連して、好ましい変形例を図7〜図9に基づき説明する。これらの各図は何れも、炊飯や保温を行なっていない切状態から、上述の炊飯工程を経て、その後の保温工程に至る一連の動作で、内釜6の温度と内釜6内の被調理物への加熱量がどのように変化するのかをグラフで示したものである。内釜6の温度は内釜温度センサ12により検知され、内釜6内の被調理物への加熱量は主に加熱コイル11の動作を反映している。
第1変形例として、操作部16に炊飯時間選択キー16bを備えた炊飯器では、この炊飯時間選択キー16bを適宜手動で操作すると、図7〜図9に示す炊飯工程の開始から終了までの炊飯時間tsを、最短で20分、最長で30分の間の任意の時間に可変して選択することができる。これにより炊飯制御手段51は、炊飯キー16aの操作を受けて炊飯工程を開始すると、上述したひたし→沸騰→沸騰継続→むらしの順に、炊飯時間選択キー16bで選択した炊飯時間tsに炊飯工程が完了するように、内釜6内の被調理物に対する炊飯加熱を行なう。
ここで、図7に示す炊飯時間tsを最長の30分に選択した場合の例と、図8に示す炊飯時間tsを最短の20分に選択した場合の例とを比較すると、炊飯制御手段51は、炊飯時間選択キー16bで選択された炊飯時間tsが短くなる程、炊飯工程の中でひたしとむらしの時間を短くする一方で、沸騰と沸騰継続において被調理物への加熱量が炊飯時間tsに拘らず同じになるように、加熱コイル11の動作を制御する。これにより、炊飯時間選択キー16bで選択した炊飯時間tsが例えば最短の20分であったとしても、炊飯工程の中のひたしとむらしの時間を短縮して、最短の炊飯時間tsに対応させながら、それ以外の沸騰と沸騰継続で被調理物に対して加熱を十分な時間を確保し、内釜6内の被調理物を最大限美味しく炊き上げることが可能になる。
また図9は、炊飯時間tsを最短の20分に選択した場合の別な例を示しているが、ここでの炊飯制御手段51は、炊飯時間選択キー16bで選択された炊飯時間tsが短くなる程、沸騰までの被調理物に対する加熱量を増加させて、被調理物が沸騰するまでの時間を短縮するように、また沸騰検知後の沸騰継続でも被調理物に対する加熱量を増加させて、被調理物がドライアップするまでの時間を短縮するように、加熱コイル11の動作を制御する。これにより、炊飯時間選択キー16bで選択した炊飯時間tsが例えば最短の20分であったとしても、炊飯工程の中で被調理物が沸騰するまでの加熱量と、その後の沸騰継続の加熱量を増加させることで、最短の炊飯時間tsに対応させながら、内釜6内の被調理物を最大限美味しく炊き上げることが可能になる。
なお図9では、ひたしやむらしでの被調理物に対する加熱量は、選択された炊飯時間tsに拘らず一定にし、沸騰に移行してから被調理物に対する加熱量を増加させているが、被調理物が沸騰するまでの加熱量を増加させるために、ひたしの段階から被調理物に対する加熱量を増加させてもよい。また、選択された炊飯時間tsに炊飯が終了するように、単に選択された炊飯時間tsが短くなる程、沸騰や沸騰継続で被調理物への加熱量を増加させるだけでなく、前述したひたしやむらしの時間を短くするように、炊飯制御手段51を構成してもよい。内釜6内の被調理物に対する加熱量は上限があるので、そのような場合でも、ひたしやむらしの時間を短くすることで、最短の炊飯時間tsの中で最大限美味しく被調理物を炊き上げることが可能になる。
第2変形例として、図7〜図9に示すように、制御手段41は、炊飯時間選択キー16bで選択された炊飯時間tsの長短に拘らず、被調理物の沸騰を検知してからの時間taを計測し、この時間taが20分を経過するまでは、内釜温度センサ12で検知される内釜6の温度を98℃以上に保持する加熱を継続するように、加熱コイル11を含む加熱手段44を制御する。つまり、炊飯時間tsを20分〜30分の間に短縮することに伴い、被調理物の沸騰を検知した後に、炊飯工程が20分を経過しない間に終了して、次の保温工程に切り換わることがあっても、被調理物の沸騰を検知してからの時間taが少なくとも20分を経過するまでは、内釜6の温度を98℃以上に維持するように、制御手段41が加熱手段44に対する制御を継続する。これにより、早い炊飯時間tsでありながら、被調理物の沸騰検知後も、内釜6内の被調理物を高温状態に十分に維持させた美味しいご飯を食することが可能になる。
なお本実施例では、炊飯工程中に炊飯器に備えたロック手段(図示せず)が動作して、蓋2が開動できないようにフックボタン4の動きを規制する一方で、それ以外の切状態や保温工程ではロック手段の動作が解除され、フックボタン4の押動操作を受け付けて、蓋2を開動できる構成となっている。また、保温工程になるとその旨が表示部15により表示され、ユーザは何時でも蓋2を開けて内釜6内のご飯を食べられることを理解できる。
保温制御手段52は、被調理物の沸騰を検知してからの前記時間taが所定の20分を経過すると、内釜温度センサ12からの検知温度により、内釜6内の被調理物であるご飯の温度が所定の保温温度である例えば70〜76℃となるように、側部ヒータ3と蓋ヒータ36とを通断電制御する。また、保温工程を開始してから所定の時間が経過すると、再び減圧手段31を動作させて内釜6内を減圧状態に維持する。保温時に内釜6内を密閉状態で減圧すれば、内釜6内の酸素濃度が下がると共に、被調理物の水分蒸発を防ぐことができ、メイラード反応や酸化を十分に抑制して、その後も長期にわたり食味の良いご飯を得ることができる。
以上のように、本実施例の炊飯器は、炊飯開始を指示する操作手段としての操作部16の炊飯キー16aと、被調理物として米と水を内部に収容する有底状の内釜6と、内釜6ひいてはその内部の被調理物を加熱する加熱手段44と、炊飯キー16aを操作すると、内釜6の内部で炊飯開始から米の吸水を促進させるひたしと、被調理物を沸騰させる沸騰と、被調理物の沸騰状態を継続する沸騰継続と、炊き上げた被調理物を蒸らすむらしの順に、一連の炊飯工程を30分以下で終了するように、加熱手段44を制御する制御手段41と、を備えている。
このような構成では、炊飯キー16aの操作により炊飯を開始すると、内釜6に収容した被調理物に対して、ひたし、沸騰、沸騰継続、むらしの何れも省略することなく、これらを一連の順に行なって、30分以下で炊飯工程を終了させるので、早い炊飯時間でありながら美味しいご飯を食することが可能な炊飯器を提供できる。
また本実施例では、内釜6内部の被調理物を大気圧よりも低い圧力に減じる減圧手段31をさらに備え、ひたしから引き続いて沸騰でも、内釜6の内部が大気圧よりも低い減圧状態となるように、制御手段41により減圧手段31を制御する構成としている。
このような構成では、米の吸水を促進させる程度に被調理物を弱く加熱するひたしに続いて、被調理物をひたしよりも強く加熱する沸騰でも、被調理物が100℃以下の減圧状態で沸騰するまで、減圧手段31により被調理物が減圧状態に維持される。そのため、米の糊化温度である60℃〜100℃で被調理物を減圧沸騰させて、米を舞わせながら芯まで短時間に米へ吸水させることが可能となり、早い炊飯時間でありながら、米を芯まで吸水させた美味しいご飯を食することが可能になる。
また、本実施例の炊飯器は、被調理物を大気圧よりも高い状態に加圧する加圧手段として、ソレノイド27に連動して内釜6の内外を開放または閉塞する調圧弁26を備えた調圧部24をさらに備え、内釜6内部の被調理物が減圧状態で沸騰した後に、被調理物を減圧状態から大気圧よりも高い加圧状態に切替えるように、制御手段41を構成している。
このように構成することで、炊飯工程の中の沸騰で被調理物を減圧から加圧に一気に切替えて、圧力ショックをかけることにより、米の糊化最適温度である例えば105℃に被調理物を加圧沸騰させて、米の硬さと粘りのバランスを確保し、芯まで均一に米を糊化させることができ、さらに美味しいご飯を食することが可能となる。
また本実施例の制御手段41は、炊飯制御手段51による炊飯工程が終了して、保温制御手段52による被調理物を保温する保温工程に切り換わっても、被調理物の沸騰を検知した時点からの時間を計測し、この時間が20分を経過するまで、内釜6の温度を98℃以上に保持する加熱を継続するように、加熱手段44を制御する構成としている。
これにより、被調理物の沸騰を検知した後に、炊飯工程が20分を経過しない間に終了して保温工程に切り換わっても、内釜6の温度を少なくとも20分は98℃以上に維持する制御が保温工程に移行しても継続するので、早い炊飯時間でありながら、沸騰検知後も被調理物を高温状態に十分に維持させた美味しいご飯を食することが可能になる。
また本実施例では、20分から30分までの任意の炊飯時間Tsを選択する選択手段として、操作部16に炊飯時間選択キー16bをさらに備え、この炊飯時間選択キー16bで選択された炊飯時間tsに応じて、炊飯工程の中でひたしとむらしの時間を可変するように、制御手段41を構成している。
このように構成すれば、炊飯時間選択キー16bで選択した炊飯時間tsが例えば最短の20分であったとしても、炊飯工程中のひたしとむらしの時間を短縮しつつ、それ以外の沸騰と沸騰継続で、内釜6内の被調理物に対して加熱を十分な時間行なうことで、最短の炊飯時間tsの中で最大限美味しく被調理物を炊き上げることが可能になる。
さらに、本実施例の制御手段41は、炊飯時間選択キー16bで選択された炊飯時間tsに応じて、内釜6内の被調理物が沸騰するまでの加熱量と、その後の沸騰継続の加熱量を可変する構成を有している。
このように構成すれば、炊飯時間選択キー16bで選択した炊飯時間tsが例えば最短の20分であったとしても、炊飯工程の中で被調理物が沸騰するまでの加熱量と、その後の沸騰継続の加熱量を増加させることで、最短の炊飯時間tsの中で最大限美味しく被調理物を炊き上げることが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。実施例中における圧力や温度や時間の設定値は一例に過ぎず、各炊飯器の仕様に合わせて適宜変更してよい。
6 内釜
16a 炊飯キー(操作手段)
16b 炊飯時間選択キー(選択手段)
24 調圧部(加圧手段)
31 減圧手段
32 減圧ポンプ
33 電磁弁(弁)
41 制御手段
44 加熱手段

Claims (4)

  1. 炊飯開始を指示する操作手段と、
    被調理物として米と水を内部に収容する内釜と、
    前記内釜を加熱する加熱手段と、
    前記内釜の内部を大気圧よりも低い圧力に減じる減圧手段と、
    前記被調理物を大気圧よりも高い状態に加圧する加圧手段と、
    前記操作手段を操作すると、炊飯開始から前記米の吸水を促進させるひたしと、前記被調理物を沸騰させる沸騰と、前記被調理物の沸騰状態を継続する沸騰継続と、炊き上げた前記被調理物を蒸らすむらしの順に、一連の炊飯工程を30分以下で終了するように、前記加熱手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記減圧手段は、減圧ポンプの他に、前記減圧ポンプと前記内釜の内部との間を連通する経路と、前記経路を開閉する弁とにより構成され、
    前記制御手段は、前記ひたしから引き続いて前記沸騰でも、前記内釜の内部が大気圧よりも低い減圧状態となるように、前記ひたしでは前記加熱手段を制御して前記内釜を加熱すると共に、前記減圧手段の減圧駆動源となる前記減圧ポンプを動作させ、前記ひたしの全期間にわたり、前記経路を開放するように前記弁の動作を制御すると共に、前記減圧ポンプを連続動作させて、密閉した前記内釜の内部から空気を排出し、
    前記ひたしが終了して前記沸騰に移行すると前記減圧ポンプの動作を停止させる一方で、前記経路を閉塞するように前記弁の動作を制御し、前記加熱手段を制御して前記ひたしよりも前記内釜内部の前記被調理物を強く加熱する一方で、前記被調理物が前記減圧状態で沸騰するまで前記内釜の内部を前記減圧状態に維持し、前記沸騰の工程で前記被調理物が前記減圧状態で沸騰したと判断したら、前記被調理物を前記減圧状態から大気圧よりも高い加圧状態に一気に切替える構成としたことを特徴とする炊飯器。
  2. 前記制御手段は、前記炊飯工程が終了して、前記被調理物を保温する保温工程に切り換わっても、前記被調理物の沸騰を検知した時からの時間を計測し、この時間が20分経過するまで、前記内釜の温度を98℃以上に保持する加熱を継続するように、前記加熱手段を制御する構成としたことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
  3. 20分から30分までの任意の炊飯時間を選択する選択手段をさらに備え、
    前記制御手段は、選択された前記炊飯時間に応じて、前記ひたしと前記むらしの時間を可変する構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載の炊飯器。
  4. 20分から30分までの任意の炊飯時間を選択する選択手段をさらに備え、
    前記制御手段は、選択された前記炊飯時間に応じて、前記被調理物が沸騰するまでの加熱量と前記沸騰継続の加熱量を可変する構成としたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の炊飯器。
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