JP2020168091A - 炊飯器 - Google Patents

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Kazuya Miyake
一也 三宅
斎藤 紀子
Noriko Saito
紀子 斎藤
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Hiroaki Kawaguchi
弘昭 川口
小林 洋一
Yoichi Kobayashi
洋一 小林
智志 木村
Tomoshi Kimura
智志 木村
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Abstract

【課題】ユーザの確保できる食事の準備時間に合わせて、希望する炊飯時間をわざわざ設定しなくても、できるだけ美味しいご飯を簡便に提供する。【解決手段】本発明の炊飯器は、減圧手段41や加熱手段56を所定の加熱パターンで制御することにより、被炊飯物Sを炊き上げてご飯に仕上げる炊飯制御手段61を備える。炊飯制御手段61は、白米Rと水Wを含んだ被炊飯物Sを炊き上げて、50分以内にご飯に仕上げる第1白米炊飯手段65aと、30分以内にご飯に仕上げる第2白米炊飯手段65bと、25分以内にご飯に仕上げる第3白米炊飯手段65cと、を少なくとも備え、これらの第1白米炊飯手段65a〜第3白米炊飯手段65cを含む炊飯時間の異なる3つ以上の白米炊飯手段の中から、特定の白米炊飯手段を選択できる構成となっている。【選択図】図3

Description

本発明は、加熱手段で被炊飯物を炊飯加熱する炊飯器に関する。
近年、この種の炊飯器では、夫婦共働きなどの家事時間が制約されたライフスタイルに対応して、早くて美味しく、さらに健康に配慮した炊飯調理の提供が求められている。とりわけ食事(夕食)の準備時間については、以前は46〜60分程度であったのが、最近では平均で約35分程度に短縮化され、準備時間を30分以内で済ませようとする割合も増加傾向にある。
こうしたユーザの要望に応えて、本願出願人は既に、ひたし→沸騰→沸騰継続→むらしの順に、炊飯開始から炊飯終了までの一連の炊飯工程を、30分以下の炊飯時間で終了するように、炊飯制御手段が加熱手段や減圧手段を制御する炊飯器を提案している(特許文献1)。
特開2018−86123号公報
上記特許文献1の炊飯器では、上述の炊飯工程の中でひたしとむらしの時間を可変して、炊飯時間を20分から30分までの間に増減させる考えも示されている。しかし、近年のライフスタイルでは、例えば仕事から帰宅して30分で炊き上げたいが、美味しくないご飯はいらないなど、決められた食事の準備時間に合わせて、その都度できるだけ美味しいご飯を食べたいというユーザの要望があった。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、ユーザの確保できる食事の準備時間に合わせて、希望する炊飯時間をわざわざ設定しなくても、できるだけ美味しいご飯を簡便に提供することが可能な炊飯器を提供することを目的とする。
本発明の炊飯器は、加熱手段を所定の加熱パターンで制御することにより、被炊飯物を炊き上げてご飯に仕上げる炊飯制御手段を備えた炊飯器において、前記炊飯制御手段は、白米と水を含んだ前記被炊飯物を炊き上げて、50分以内にご飯に仕上げる第1白米炊飯手段と、30分以内にご飯に仕上げる第2白米炊飯手段と、25分以内にご飯に仕上げる第3白米炊飯手段と、を少なくとも備え、前記第1白米炊飯手段〜前記第3白米炊飯手段を含む炊飯時間の異なる3つ以上の白米炊飯手段の中から、特定の白米炊飯手段を選択できる構成としたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、少なくとも50分以内の炊飯時間と、30分以内の炊飯時間と、25分以内の炊飯時間を含んだ3つ以上の炊飯時間の異なる白米炊飯手段の中から、特定の白米炊飯手段を選択するだけで、選択した特定の白米炊飯手段に基づいた加熱パターンで、白米と水を含んだ被炊飯物が炊き上げられ、特定の白米炊飯手段に対応する炊飯時間内に、白米ご飯に仕上げる加熱制御が自動的に行われる。したがって、ユーザの確保できる食事の準備時間に合わせて、希望する炊飯時間をわざわざ設定しなくても、できるだけ美味しいご飯を簡便に得ることが可能になる。
請求項2の発明によれば、第3白米炊飯手段が選択されると、ひたし炊きが省略される一方で、そこから被炊飯物を炊き上げるまでの時間を確保して、25分以内の短い炊飯時間でありながら、白米のご飯を美味しく仕上げることが可能になる。
請求項3の発明によれば、白米炊飯手段を選択することにより、白米を3段階以上の炊飯時間でご飯に仕上げることができるのに加え、玄米炊飯手段を選択することにより、60分以内の短い炊飯時間で、玄米を含んだご飯に仕上げることが可能になる。
請求項4の発明によれば、酵素玄米炊飯手段を選択することにより、150分以内の短い炊飯時間で、GABA増量とメラノイジン反応をそれぞれ促進させた健康に良い酵素玄米ご飯に仕上げることが可能になる。
請求項5の発明によれば、健康成分含有炊飯手段を選択することにより、例えばEPAや、リコピンや、ポリフェノールや、たん白などの健康成分を含んだ健康に良いご飯に仕上げることが可能になる。
請求項6の発明によれば、白米や玄米が糊化するまでの間に、被炊飯物を入れた鍋の内部を減圧手段により0.7気圧以下に減圧して、水に含まれる溶存酸素量を減少させることで、水に含まれる気泡を抜いて、白米や玄米を均一に加熱させ、被炊飯物を短い時間に沸騰に到達させることが可能になる。また、被炊飯物に調味料を混ぜて、炊込みご飯に仕上げる場合も、ご飯への味の浸込みを向上させて、美味しいご飯を提供することができる。
本発明の一実施形態を示す炊飯器の外観斜視図である。 同上、炊飯器の縦断面図である。 同上、電気的構成を示すブロック図である。 被炊飯物に調味料を加えた炊込みご飯における炊飯温度の履歴を示したグラフである。 米と水を被炊飯物として、水中酸素濃度となる溶存酸素量が、圧力や温度の影響でどのように変化するのかを示したグラフである。 実験用の炊飯器で炊込みご飯を炊飯した時の、(a)は温度の測定地点を示した図であり、(b)はひたし炊き時に減圧ポンプを動作させない「真空無」の場合に、各測定地点の温度の経時変化を示したグラフであり、(c)はひたし炊き時に減圧ポンプを動作させた「真空有」の場合に、各測定地点の温度の経時変化を示したグラフである。 「真空無」と「真空有」のそれぞれについて、クリープメータの結果を示すグラフである。 「真空無」で仕上げた炊込みご飯と、「真空有」で仕上げた炊込みご飯の、人による好みと食味を試験した結果を示す図である。 「真空有」と「真空無」で仕上げたご飯をそれぞれ示す写真である。 本実施形態の酵素玄米炊飯手段による炊飯工程の動作で、鍋温度センサの検知温度と、加熱コイルの入力電圧の推移を示すグラフである。 従来の玄米炊飯コースによる炊飯工程の動作で、鍋温度センサの検知温度と、加熱コイルの入力電圧の推移を示すグラフである。 白米の炊飯に関係した同じ炊飯コースで、従来の炊飯器と本実施形態の炊飯器が、製品のラインアップ毎にどの程度の炊飯時間であるのかを示した図である。 白米以外の炊飯に関係した同じ炊飯コースで、従来の炊飯器と本実施形態の炊飯器が、製品のラインアップ毎にどの程度の炊飯時間であるのかを示した図である。 本実施形態の炊飯器において、主な炊飯コースの特徴を表に示した図である。 本実施形態の炊飯器において、健康成分含有炊飯手段で炊飯が可能な各種のご飯を示した図である。
以下、本発明における好ましい炊飯器の実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、これらの全図面にわたり、共通する部分には共通する符号を付すものとする。
図1および図2は、本発明の一実施形態における炊飯器の全体構成を示している。これらの各図において、1は上面が開口された本体、2は本体1の上面を開閉自在に覆う蓋体2で、これらの本体1と蓋体2により、炊飯器全体の外郭が構成される。本体1は上面を開口した鍋収容部3を有し、蓋体2を開けたときに、被炊飯物Sを収容する有底状の鍋4が、鍋収容部3に着脱自在に収容される構成となっている。5は、鍋4により形成された被炊飯物Sの収容空間であり、以後この収容空間5を鍋4の内部という。
本体1は、その上部と上側面部を構成する上枠6と、側底面部を構成する外枠7とを主な構成要素とする。その際、上枠6や外枠7は、PPやABSポリカなどの合成樹脂で形成される。凹状の鍋収容部3の上部から側部にかけては、上枠6と一体化で形成されており、内枠収容部3の底部は、上枠6と別部材の内枠8で形成してある。内枠8は、PETなどの合成樹脂で形成される。
鍋収容部3の上端にはコードヒータ9を備えてあり、コードヒータ9は熱伝導がよいアルミ板などの金属板部10で覆われている。これらのコードヒータ9と金属板部10は、発熱手段としてのフランジヒータ12を構成する。フランジヒータ12には、鍋4の略中央部から外周方向全周に延出させたフランジ状の鍋リング部13の下面が載置し、鍋4が吊られた状態で鍋収容部3に収容される。フランジヒータ12は、炊飯時と保温時に鍋リング部13および鍋4の側面を加熱すると共に、本体1と蓋体2との隙間および鍋収容部3と鍋4との隙間に向けて、金属板部10から熱を放射することで、鍋4の冷えを抑制し、加熱により被炊飯物Sから発生する水分が、鍋4の上部内面へ結露するのを防止する構成となっている。
鍋4は、熱伝導性のよいアルミニウムを主材15とし、フェライト系ステンレスなどの磁性金属板からなる発熱体16が、主材15の外面の側面下部から底部にかけて接合して設けられる。鍋4の側面中央から上部に発熱体16を設けないのは、鍋4の軽量化を図るためである。なお図2では、被炊飯物Sとして水Wと白米Rが図示されているが、白米Rや玄米などの米の他に、麦類や豆類を含む一乃至複数種類の穀物を、水Wと共に鍋4に入れてもよく、また味付けのために塩や醤油などの調味料を加えてもよい。
発熱体16に対向する内枠8の側面下部と底部には、鍋4を電磁誘導で加熱する加熱手段として、加熱コイル17が配置される。リッツ線からなる加熱コイル17は、お椀状に形成された内枠8の外面に渦巻き状に設けられる。また、鍋4の上部外側面に対向して、蓋体2の内側面部には、フランジヒータ12とは別のコードヒータ18が設けられる。胴ヒータとしてのコードヒータ18は、熱伝導がよいステンレスやアルミニウムなどの金属板からなる内蓋リング19に固定され、蓋側面加熱手段としての内蓋リングヒータ20を構成している。
内枠8の底部中央部には、鍋温度検知手段としての鍋温度センサ21が、鍋4の外面底部に当接して設けられる。鍋温度センサ21は、炊飯時や保温時に鍋4の温度を検知するもので、その検知信号を受けた加熱制御手段22が、加熱コイル17による鍋4の底部の加熱温度を主に温度管理するようになっている。
蓋体2の前方上面には、蓋開ボタン23が露出状態で配設されており、この蓋開ボタン23を押すと、本体1と蓋体2との係合が解除され、ヒンジ軸24を回転中心として蓋体2が自動的に開く構成となっている。また、蓋体2の後方上面には、鍋4内の被炊飯物Sから発生する蒸気を、炊飯器の外部に排出する蒸気口ユニット25が着脱可能に装着される。
蓋体2は、その外郭上面をなす外観部品としての外蓋27と、蓋体2の下面を形成する放熱板28と、外蓋27および放熱板28を結合させて、蓋体2の骨格を形成する蓋ベース材としての外蓋カバー29とを、主な構成要素とする。蓋体2の内部にあって、放熱板28の上面には、蓋加熱手段としての蓋ヒータ30が設けられる。この蓋ヒータ30は、コードヒータなどの電熱式ヒータや、電磁誘導加熱式による加熱コイルでもよい。
放熱板28の下側には、蓋体2の下部部材としてのユニット化された内蓋組立体31が着脱可能に設けられる。内蓋組立体31は、鍋4の上方開口部と略同径で円盤状を有する金属製の内蓋32と、鍋4と内蓋32との間をシールするための弾性部材からなる蓋パッキン33と、蓋パッキン33を内蓋32の外側全周に装着するための内蓋リング34と、鍋4の内部の圧力となる内圧を調整する調圧部35と、をそれぞれ備えている。環状に形成された蓋パッキン33は、蓋体2を閉じた蓋閉時に鍋4の上面に当接して、鍋4と内蓋32との隙間を塞ぎ、鍋4から発生する蒸気を密閉するものである。
放熱板28には、蓋体2の特に内蓋32の温度を検知する蓋温度検知手段として、加熱制御手段22が蓋ヒータ30による温度管理を行なうためのサーミスタ式の蓋温度センサ36が設けられる。また蓋体2の内部には、鍋4内で発生した蒸気を外部へ放出する通路として、蒸気口ユニット25と調圧部35とを連通する蒸気排出経路37が形成される。調圧部35には、鍋4の内部と蒸気口ユニット25との間の蒸気排出経路37を開閉する調圧弁38が設けられる。調圧弁38はボール状で、蓋体2の内部に設けたソレノイド39と連動し、鍋4内の蒸気を外部へ放出する場合には、蒸気排出経路37を開放するのに対し、鍋4内を炊飯器外部の大気圧よりも低い減圧状態、または大気圧よりも高い加圧状態にする場合には、蒸気排出経路37を閉塞するように、電動のソレノイド39が調圧弁38を転動させる。そして加圧時には、加熱コイル17への高周波通電により鍋4内の被炊飯物が加熱され、鍋4の内圧が所定値に達すると、調圧弁38の自重に抗して蒸気排出経路37を開放することで、鍋4の内圧を大気圧以上に維持する構成となっている。
蓋体2の内部には、蓋体2を本体1に閉じた蓋閉状態で、鍋4の内圧を大気圧よりも低くするための減圧手段41が配設される。減圧手段41は、蓋体2の後部に設けた減圧駆動源としての減圧ポンプ42の他に、蓋体2の内部において、減圧ポンプ42と鍋4の内部との間を連通する管状の経路(図示せず)と、その経路を開閉する電磁弁43(図3を参照)とにより構成される。そして本実施形態では、鍋4を鍋収容部3に収容し、蓋体2を閉じた後でソレノイド39を通電して、調圧弁38が蒸気排出経路37を塞いだ状態で減圧ポンプ42を起動させると、電磁弁43により経路を開放して、鍋4内部の空気が経路及び減圧ポンプ42を通って炊飯器の外部に排出され、密閉した鍋4内部の圧力が低下する。また、鍋4内部の圧力が大気圧よりも一定値下がった場合には、減圧ポンプ42の動作を停止し、電磁弁43により経路を閉塞して、鍋4内を減圧状態に保っている。さらに、鍋4内部を減圧状態から外気と同じ圧力に戻す場合には、減圧ポンプ42の動作を停止し、電磁弁43により経路43を開放する。つまり減圧手段41は、鍋4内部を減圧状態から外気と同じ圧力に戻す圧力戻し手段としての構成を兼用している。
本体1の内部には、加熱制御手段22を含むユニット化された加熱基板組立44が配設される。加熱制御手段22は、後述する表示・操作制御手段48と組み合わせて、炊飯器の各部を電気的に制御するために、マイクロコンピュータ(マイコン)や加熱手段の駆動素子などを含んで構成され、ここでは鍋温度センサ21と蓋温度センサ36からの各温度検知信号と、後述する操作部47からの操作信号とを受けて、炊飯時および保温時に鍋4を加熱するコードヒータ9,18や加熱コイル17と、蓋体2を加熱する蓋ヒータ30を各々制御すると共に、ソレノイド39と減圧ポンプ42の動作を各々制御する。また加熱制御手段22は、鍋温度センサ21の検知温度に基づいて主に加熱コイル17を制御して、鍋4の底部を温度管理すると共に、蓋温度センサ36の検知温度に基づいて主に蓋ヒータ30を制御して、収容空間5に入れた被炊飯物Sに対向する内蓋32を温度管理するようになっている。
45は、炊飯器の表示操作ユニットとなる操作パネルである。操作パネル45は、炊飯を含む調理に関わる様々な情報を表示する表示部46の他に、炊飯を開始させたり、時間や炊飯コースなどを選択させたりするための操作部47を備えており、これらの下面には、制御用ICを含む様々な電子部品を制御基板48に搭載して構成される表示・操作制御手段49が配置される。
その他、本体1の内部後方には、炊飯器の各部に給電するコードリール装置51が設けられる。コードリール装置51は、自動的に巻取り可能な電源プラグ付きのコード52を備えて構成される。
次に、加熱制御手段22と表示・操作制御手段49の制御系統について、図3を参照しながら説明する。同図において、55は加熱制御手段22と表示・操作制御手段49とを含む制御手段で、この制御手段55は、鍋温度センサ21や蓋温度センサ36からの各温度検知信号と、操作部47からの操作信号を受けて、炊飯時および保温時に鍋4を加熱する加熱コイル17やコードヒータ9,18と、蓋体2を加熱する蓋ヒータ30を各々制御すると共に、前述した調圧弁38を動かすソレノイド39や、減圧ポンプ42や、電磁弁43の動作を各々制御し、さらには表示部46の表示を制御するものである。特に本実施形態の制御手段55は、鍋温度センサ21の検知温度に基づいて主に加熱コイル17を制御して鍋4の底部を温度管理し、蓋温度センサ36の検知温度に基づいて主に蓋ヒータ30を制御して、内蓋22を温度管理する。これらの加熱コイル17や蓋ヒータ30と、コードヒータ9,18は、鍋4内部の被調理物Sを加熱する加熱手段56に相当する。
制御手段55は、記憶媒体となる記憶手段57に記憶されたプログラムを読み取ることで、操作部47の例えば炊飯キー47aを操作すると、炊飯開始から鍋4に投入した米Rの吸水を促進させるひたし炊きと、被炊飯物Sの温度を短時間に沸騰まで上昇させる沸騰と、被炊飯物Sの沸騰状態を継続させドライアップ状態のご飯に炊き上げる沸騰継続と、炊き上がったご飯を焦がさない程度の高温に維持して、最終的に仕上げるむらしの順に炊飯工程を実行して、鍋4内部の被炊飯物Sに対して所望の圧力で炊飯加熱する炊飯制御手段61と、炊飯工程に引き続いて、鍋4内部のご飯を所望の圧力で所定の保温温度に保つように保温する保温制御手段62と、して機能する構成となっている。ユーザの手動操作が可能な炊飯キー47aは、炊飯の開始を指示する炊飯開始指示手段に相当する。
また本実施形態では、被炊飯物Sの種類と炊き方に応じた複数の加熱パターンが、予め記憶手段57に記憶保存されており、炊飯制御手段61は、操作部47の例えば選択キー47bへの操作により、これらの複数の加熱パターンの中から特定の加熱パターンが選択され、次に炊飯キー47aへの操作により、炊飯の開始が指示されると、選択された特定の加熱パターンで減圧手段41や加熱手段56を制御することにより、鍋4に入れられた被炊飯物Sを炊き上げて、最終的にご飯に仕上げる機能を有する。ユーザの手動操作が可能な選択キー47bは、被炊飯物Sの種類と炊き方により区分けされた炊飯コースの選択手段となるもので、選択キー47へのキー操作に伴い、複数の炊飯コースの中から一つの炊飯コースが特定されると、それに対応した特定の加熱パターンが選択される構成となっている。なお、こうした選択手段は、選択キー47bに限らず、デフォルトで炊飯制御手段61が自動的に特定の加熱パターンを選択する機能を含んでもよい。
炊飯制御手段61は、選択キー47bからの操作により、記憶手段57の中から選択できる特定(所定)の加熱パターンに応じて、被炊飯物Sを炊飯加熱する複数の炊飯手段を備えている。特にここでは、被炊飯物Sの種類が白米Rと水Wとの組み合わせである白米炊飯コースを、選択キー47bからの操作で特定し、それに対応した特定の加熱パターンが選択されたときに、鍋4に入れられた被炊飯物Sを炊き上げて、白米のみのご飯に仕上げる白米炊飯手段65と、被炊飯物の種類が玄米のみ、若しくは玄米と白米の混合米と水Wとの組み合わせである玄米炊飯コースを、選択キー47bからの操作で特定し、それに対応した特定の加熱パターンが選択されたときに、鍋4に入れられた被炊飯物Sを炊き上げて、玄米入りのご飯に仕上げる玄米炊飯手段66と、被炊飯物Sの種類が玄米と小豆を混合させた小豆入り玄米と水Wとの組み合わせである健康熟成玄米炊飯コースを、選択キー47bからの操作で特定し、それに対応した特定の加熱パターンが選択されたときに、鍋4に入れられた被炊飯物Sを炊き上げて、小豆入り玄米のご飯に仕上げる酵素玄米炊飯手段67と、被炊飯物Sの種類が白米や玄米と、EPA(エイコサペンタエン酸)や、リコピンや、ポリフェノールや、たん白などの健康成分との混合物と、水Wとの組み合わせである健康成分炊飯コースを、選択キー47bからの操作で特定し、それに対応した特定の加熱パターンが選択されたときに、鍋4に入れられた被炊飯物Sを炊き上げて、健康成分入りの白米や玄米のご飯に仕上げる健康成分含有炊飯手段68と、を炊飯制御手段61に備えている。
白米炊飯手段65は、炊飯工程の全時間、すなわち炊飯時間が各々異なる3つ以上の白米炊飯手段として、白米Rと水Wを含んだ被炊飯物Sを炊き上げて、50分以内、好ましくは45分以内にご飯に仕上げる第1白米炊飯手段65aと、30分以内,好ましくは25分以内にご飯に仕上げる第2白米炊飯手段65bと、25分以内、好ましくは20分以内にご飯に仕上げる第3白米炊飯手段65cと、を少なくとも備えている。
この中で、第1白米炊飯手段65aは、選択キー47bからの操作により、被炊飯物Sの種類が白米Rと水Wとの組み合わせで、且つ炊き方が美味しさを重視した「かまど名人」の白米炊飯コースを特定したときに、それに対応した特定の加熱パターンで加熱手段56と減圧手段41を制御するのに選択され、第2白米炊飯手段65bは、選択キー47bからの操作により、被炊飯物Sの種類が白米Rと水Wとの組み合わせで、且つ炊き方が早炊きを重視した「そくうま」の白米炊飯コースを特定したときに、それに対応した特定の加熱パターンで加熱手段56と減圧手段41を制御するのに選択され、第3白米炊飯手段65cは、選択キー47bからの操作により、被炊飯物Sの種類が白米Rと水Wとの組み合わせで、且つ炊き方が「そくうま」よりもさらに早炊きを重視した「ひたし炊き省略」の白米炊飯コースを特定したときに、それに対応した特定の加熱パターンで加熱手段56と減圧手段41を制御するのに選択される。なお、こうした名称はあくまでも一例であって、それ以外に炊飯時間の異なる白米炊飯の加熱パターンと、その加熱パターンで加熱手段56と減圧手段41を制御する白米炊飯手段を、手動や自動で選択できる構成としてもよい。また、第3白米炊飯手段65cについては、前述した一連の炊飯工程の中で、白米Wの吸水を促すひたし炊きを省略して、炊飯開始直後に沸騰→沸騰継続→むらしの順に炊飯工程を実行するような加熱パターンで、加熱手段56と減圧手段41を制御するのが好ましい。
玄米炊飯手段66は、何れも60分以内、好ましくは55分以内の炊飯時間内に、鍋4に入れられた被炊飯物Sを炊き上げて、玄米入りのご飯に仕上げる第1玄米炊飯手段66aと第2玄米炊飯手段66bを備えている。第1玄米炊飯手段66aは、選択キー47bからの操作により、被炊飯物Sの種類が玄米だけと水Wとの組み合わせの玄米炊飯コースを選択したときに、それに対応した特定の加熱パターンで加熱手段56と減圧手段41を制御するのに選択され、第2玄米炊飯手段66bは、選択キー47bからの操作により、被炊飯物Sの種類が玄米と白米との混合米と水Wとの組み合わせの玄米・白米混合炊飯コースを選択したときに、それに対応した特定の加熱パターンで加熱手段56と減圧手段41を制御するのに選択される。なお、こうした名称はあくまでも一例であって、それ以外に炊飯時間の異なる玄米炊飯の加熱パターンと、その加熱パターンで加熱手段56と減圧手段41を制御する玄米炊飯手段を、手動や自動で選択できる構成としてもよい。
酵素玄米炊飯手段67は、選択キー47bからの操作により、被炊飯物Sの種類が玄米と小豆を混合させた小豆入り玄米と水Wとの組み合わせの健康熟成玄米炊飯コースを選択したときに、それに対応した特定の加熱パターンで加熱手段56と減圧手段41を制御するのに選択されるもので、ここでは被炊飯物Sを沸騰加熱させる前のひたし炊きで、玄米の酵素であるGABA(ガンマ−アミノブチリル酸)の増量を促進させ、被炊飯物Sを炊き上げた後のむらしで、玄米の糖質に小豆のタンパク質やアミノ酸が反応して、健康に良いメラノイジン反応を促進させるように、主に加熱手段56を制御して被炊飯物Sを温度管理する加熱パターンで、酵素玄米炊飯手段67が150分以内、好ましくは130分以内に、鍋4に入れられた被炊飯物Sを炊き上げて、小豆入り玄米のご飯を仕上げる構成となっている。
健康成分含有炊飯手段68は、鍋4に入れられた被炊飯物Sとして、白米や玄米と、EPAを豊富に含む鯖の缶詰から取り出した水煮の鯖との混合物を、水Wや調味料(例えば醤油)と共に炊き上げて、鯖缶によるEPAご飯に仕上げる第1健康成分含有炊飯手段68aと、白米や玄米と、リコピンを豊富に含むトマトとの混合物を、水Wや調味料(例えばケチャップ)と共に炊き上げて、トマトによるリコピンご飯に仕上げる第2健康成分含有炊飯手段68bと、白米や玄米と、たん白質を豊富に含む豆富との混合物を、水Wや調味料(例えば塩)と共に炊き上げて、糖質やカロリーを半減した豆富ご飯に仕上げる第3健康成分含有炊飯手段68bと、を備えている。第1健康成分含有炊飯手段68aは、選択キー47bからの操作により、被炊飯物Sの種類がEPA成分を豊富に含む健康成分炊飯コースを選択したときに、それに対応した特定の加熱パターンで加熱手段56と減圧手段41を制御するのに選択され、第2健康成分含有炊飯手段68bは、選択キー47bからの操作により、被炊飯物Sの種類がリコピンを豊富に含む健康成分炊飯コースを選択したときに、それに対応した特定の加熱パターンで加熱手段56と減圧手段41を制御するのに選択され、第3健康成分含有炊飯手段68cは、選択キー47bからの操作により、被炊飯物Sの種類がたん白質を豊富に含む健康成分炊飯コースを選択したときに、それに対応した特定の加熱パターンで加熱手段56と減圧手段41を制御するのに選択される。
なお、こうした名称はあくまでも一例であって、それ以外に被炊飯物Sの種類が異なる健康成分入りの白米や玄米炊飯の加熱パターンと、その加熱パターンで加熱手段56と減圧手段41を制御する健康成分含有炊飯手段を、手動や自動で選択できる構成としてもよい。例えば、鍋4に入れられた被炊飯物Sとして、白米や玄米と、ポリフェノールを豊富に含む黒豆との混合物を、水Wと共に炊き上げて、黒豆入りご飯に仕上げる健康成分含有炊飯手段を、含めたりしてもよい。
次に、本実施形態の炊飯器について、上述した加熱パターンの特徴について、図4〜図9を参照しながら詳しく説明する。
米は吸水と加熱によりご飯になることが知られているが、水には気泡があるため、その気泡が熱伝導の弊害となる。水に含まれる気泡は、温度上昇と共に膨張するので、加熱が不均一となって、ご飯の美味しさを低下させていた。こうした問題に対して、本願発明者は、鍋4の内部で米を浸す水を真空(減圧)状態にすることで、気泡を抜き(脱気)、均一な加熱を実現して、さらには炊飯時間の短縮も期待できることがわかった。また、味付けのために調味料を使用する「炊込みご飯」の場合も、ご飯への味の浸込みなど、美味しさの向上が期待できることがわかった。以下、実験の結果をそれぞれ示す。
図4は、前述の「炊込みご飯」における炊飯温度の履歴をグラフで示したもので、図中(A)は調味料を脱気する前、(B)は調味料を脱気した後の、鍋4内の6点の温度を計測したものである。図4(A)に示すように、調味料を脱気しない状態で炊飯が行なわれると、鍋4内の全ての点で温度上昇が認められてから沸騰温度に達するまでの時間T1は約37分となるが、図4(B)に示すように、調味料を脱気した後に炊飯が行なわれると、鍋4内の全ての点で温度上昇が認められてから沸騰温度に達するまでの時間T2が約17分に短縮される。
図5は、実験用の炊飯器で、被炊飯物として1960gの米と水を鍋4に入れ、水中に溶存する酸素の量、すなわち水中酸素濃度となる溶存酸素量が、圧力や温度の影響でどのように変化するのかをグラフで示している。溶存酸素量が少なければ、それだけ水に含まれる気泡の量も少ないといえる。図中、M1は「真空なし」、すなわち前述の減圧ポンプ42を動作させない場合の溶存酸素量の経時変化を示している。また、M2は「真空5分」、すなわち減圧ポンプ42を5分間動作させたときの溶存酸素量の経時変化を示し、M3は「真空30分」、すなわち鍋4の内部を30分間減圧させたときの溶存酸素量の経時変化を示し、M4は「大型真空ポンプ10分」、すなわち減圧ポンプ42よりも能力の高い大型の真空ポンプで、鍋4の内部を10分間減圧させたときの溶存酸素量の経時変化を示し、M5とM6は「真空5分+加熱」、すなわち減圧ポンプ42を5分間動作させつつ、36分のひたし炊きで水温が40℃となるように被炊飯物Sを加熱させたときの溶存酸素量の経時変化を示している。
実験の結果、被炊飯物への温度条件が変わらない場合、「真空なし」の溶存酸素量M1は、「真空5分」の溶存酸素量M2や、「真空30分」の溶存酸素量M3と比べて、40〜50%減少することが確かめられた。具体的には、「真空なし」で20分経過以降の溶存酸素量M1は8〜11mg/Lであったのに対し、「真空5分」で20分経過以降の溶存酸素量M2は6mg/Lで、「真空なし」と比較して約60%程度しかなく、また「真空30分」で20分経過以降の溶存酸素量M2は5mg/Lで、「真空なし」と比較して約50%程度しかなかった。
さらに、水に含まれる溶存酸素量は、水温が上昇すると減少することが知られており(1気圧において、水温12℃では10.43mg/Lが、水温40℃では6.59mg/Lとなる。)、実験でも「真空5分+加熱」での20分経過以降の溶存酸素量M5,M6は3mg/Lで、「真空なし」と比較して約50%程度しかなく、また「真空なし」で水温を40℃にした場合の約45%程度しかなかった。したがって、鍋4に入れられた被炊飯物Sを、ひたし炊きで糊化の開始温度よりも低い40℃程度に加熱しながら、減圧ポンプ42を動作させて鍋4の内部を0.7気圧以下、好ましくは0.6気圧以下に減圧する加熱パターンを記憶手段57に予め記憶させておき、その加熱パターンに基づいて炊飯制御手段61が減圧手段41や加熱手段56を制御すれば、水に含まれる溶存酸素量を減らして気泡を抜き、均一な加熱と、その後の沸騰加熱で被炊飯物を短時間に沸騰温度に到達することが可能になる。
次に、炊込みご飯への効果について、図6に実験の結果を示す。図6(A)に示すように、ここでは実験用の炊飯器で、蓋体2の温度T11と、鍋4の温度T12と、鍋4に水やケチャップ(調味料)と共に入れられた米の中の上部温度T13と、米の中の中央部温度T14と、米の中の下部温度T15について、炊込みご飯の炊飯コースを選択して炊飯を行ったときの経時変化を測定した。図6(b)は、ひたし炊きで減圧ポンプ42を動作させず、水を脱気せずに炊飯を行ったときの、すなわち「真空無」の場合の沸騰以降の測定結果を示している。また図6(c)は、ひたし炊きで減圧ポンプ42を一定時間動作させ、水を脱気して炊飯を行ったときの、すなわち「真空有」の場合の沸騰以降の測定結果を示している。これらの各図に示す符号Vは、加熱コイル17に入力する電圧(加熱量)であり、符号T0は、米の中の下部温度T15が60℃に達してから、米の中の温度T13〜T15が沸騰温度にまで上昇して、米の全てで糊化が完了するまでの時間(糊化完了時間)である。
図6(b)と図6(c)とを比較すると、鍋4内の各温度T13〜T15の上昇に差異がある他、糊化完了時間T0や、各温度T11〜T15の幅にも違いが認められる。特に、鍋4の内部で水に含まれる気泡が少ないほうが、炊飯時における糊化完了時間T0も短く、鍋4内の全ての米に素早く熱が行き渡って、米を短時間で均一に加熱でき、結果的に美味しい炊込みご飯に仕上げることができる。
図7は、前述の「真空有」と「真空無」で、仕上がりの炊込みご飯にどのような食感に差があるのかを、クリープメータで測定したものである。図中、横軸は粘度の度合いを示し、縦軸は硬さの度合いを示しており、符号P1は「真空有」の測定結果、符号P2は「真空無」の測定結果である。クリープメータによる測定結果P1,P2を比較すると、「真空有」のほうが仕上がりのご飯が柔らかく、粘りのある食感であることが確かめられた。
図8は、「真空無」で仕上げた炊込みご飯と、「真空有」で仕上げた炊込みご飯の、人による好みと食味を試験した結果を示している。「真空無」のほうが好みだとする人よりも、「真空有」のほうが好みだとする人が圧倒的に多く、食味でも「真空有」ではやわらかくて粘りがあるのに対し、「真空無」では硬いという結果になった。さらに図9は、実際の「真空有」と「真空無」のご飯の違いを、写真で示している。
したがって、例えば調味料を投入した被炊飯物を、健康成分入りのご飯に仕上げる健康成分含有炊飯手段68では、鍋4に入れられた被炊飯物を、ひたし炊きで糊化の開始温度よりも低い40℃程度に加熱しながら、減圧ポンプ42を動作させて鍋4の内部を0.7気圧以下、好ましくは0.6気圧以下に減圧する加熱パターンに基づいて、炊飯工程で減圧手段41や加熱手段56を制御すれば、ご飯への味の浸込みが増した美味しいご飯を得ることができる。
次に、上述した構成を有する本実施形態の炊飯器について、その作用を説明する。本実施形態の炊飯器で炊飯を行なうには、先ず鍋4内に被炊飯物Sを入れ、これを本体1の鍋収容部3にセットした後に、蓋体2を閉じて選択キー47bを操作し、複数の炊飯コースの中から、所望する特定の炊飯コースを選択する。続いて、炊飯キー47aを操作すると、制御手段55に組み込まれた炊飯制御手段61により、特定の炊飯コースに対応した特定の加熱パターンに基づく炊飯が開始する。
炊飯制御手段61は、記憶手段57に予め記憶された複数の加熱パターンにそれぞれに対応した炊飯手段を備えており、特定の炊飯コースが選択された後に、炊飯キー47aへの操作により炊飯開始が指示されると、特定の炊飯コースに対応した炊飯手段を選択して、その炊飯手段により特定の加熱パターンで減圧手段41や加熱手段56を制御する。これにより本実施形態の炊飯器では、複数の炊飯手段の中で、少なくとも第1白米炊飯手段65a、第2白米炊飯手段65b、第3白米炊飯手段65c、第1玄米炊飯手段66a、第2玄米炊飯手段66b、酵素玄米炊飯手段67、第1健康成分含有炊飯手段68a、第2健康成分含有炊飯手段68b、第3健康成分含有炊飯手段68cの何れかを選択できるようになっている。
以下、一つの例として、第1白米炊飯手段65aが選択されたときに、30分以内の炊飯時間で鍋4内の被炊飯物Sを白米のご飯に仕上げる手順を説明する。前述した炊飯キー47aへの操作により、炊飯制御手段61への炊飯開始が指示されると、第1白米炊飯手段65aは、鍋4内の白米Rに対する水Rの吸水を促進させるために、鍋温度センサ21による鍋4の底部の温度検知に基づき、加熱コイル17とコードヒータ18をそれぞれ通断電制御して、鍋4の底部と側面部をそれぞれ加熱し、鍋4内の水温を所定温度である約45〜60℃に、所定時間である例えば3分間保持するひたし炊きを行なう。なお、ここでの所定時間は、選択された炊飯手段に応じて変わるが、所定温度は、選択されたどの炊飯手段であっても、白米Rや玄米の糊化開始温度とされる60℃を超えない温度に設定する。
ひたし炊き中は、鍋4内の圧力が大気圧よりも低い減圧状態となるように、第1白米炊飯手段65aが、ソレノイド39や減圧ポンプ42や電磁弁43の動作を各々制御する。具体的には、ひたしを開始すると、第1白米炊飯手段65aはソレノイド39を非通電状態から通電状態に切替えて、調圧弁38で蒸気排出経路37を閉塞する。そしてこの状態で、密閉した鍋4の内部から減圧手段41を通して空気を排出するために、ひたしの全期間(この例では3分間)にわたり、鍋4内部から減圧ポンプ42に至る経路を開放するように、電磁弁43の動作を制御すると共に、減圧ポンプ42を連続動作させて、鍋4内部の空気を減圧ポンプ42で抜き取る真空引きを行なう。このとき、鍋4内部の圧力を0.7気圧以下、好ましくは0.6気圧以下に減圧すれば(1気圧=101325Pa)、被炊飯物Sへのひたし加熱と相俟って、水Wに含まれる溶存酸素量を効果的に減少させることができる。
こうして、ひたし炊きの期間中は、第1白米炊飯手段65aにより鍋4の内部が減圧状態に維持される。そのため、ひたし時に鍋4の内部で米に水を十分に吸水させ、併せて鍋4に入れた水Wを脱気することが可能になる。こうしたひたし炊きの動作は、ひたし炊きそのものを省略する加熱パターンで被炊飯物Sを炊飯する第3白米炊飯手段65cを除いて、他の炊飯手段の全てで行われる。
その後、炊飯開始から所定時間のひたし炊きが終了し、次の沸騰に移行すると、被炊飯物Sの沸騰検知を行なうまでの加熱で、第1白米炊飯手段65aは加熱コイル17やコードヒータ18を連続通電することにより、ひたし炊きよりも鍋4内部の被炊飯物Sを強く加熱し、被炊飯物Sの温度を短時間に沸騰まで上昇させる。ここで第1白米炊飯手段65aは、ひたし炊きから引き続いて鍋4の内部を大気圧よりも低い減圧状態に維持するように、沸騰に移行すると減圧ポンプ42の駆動を停止させる一方で、鍋4内部から減圧ポンプ42に至る経路を閉塞するように、電磁弁43の動作を制御する。そのためひたし炊きから沸騰に移行した後も、鍋4への加熱やスローリークにより、鍋4の内部は次第に圧力が上昇するものの、暫くの間は消費電力の多い沸騰で、減圧ポンプ42を動作させることなく減圧状態を維持できる。
こうして、ひたし炊きの後の沸騰も鍋4内部の被炊飯物Sが減圧状態に保持されることで、沸騰の工程中は100℃以下の温度で水が沸騰する。具体的には、鍋4内部の圧力が0.6気圧であると水Wは約88℃で沸騰するため、白米Rの糊化温度とされる60℃〜100℃で被炊飯物Sを減圧状態で沸騰させることで、沸騰時の泡で白米Rを舞わせて加熱ムラがなくなり、併せて被炊飯物Sを減圧状態にして、白米Rの芯まで短時間に水Wを吸い込ませることができる。
その後、第1白米炊飯手段65aは、沸騰の手順中に鍋温度センサ21からの検知信号を取り込んで、鍋4の底部の検知温度が所定温度となる100℃に達したら、鍋4内部の被炊飯物Sが減圧状態で沸騰したと判断として、鍋4内部から減圧ポンプ42に至る経路を閉じ、減圧ポンプ42を動作させないまま、ソレノイド39を一時的に非通電状態にして、蒸気排出経路37を開放する位置に調圧弁38を動かす。これにより、蒸気排出経路37は密閉せずに鍋4の内外を連通させた開放状態となり、鍋4は直ちに外気と同じ常圧に戻る。その後、ソレノイド39を短時間で通電状態に切替え、鍋4の内部を再び密閉した状態にすると、引き続き鍋4内部の被炊飯物Sへの強い加熱により、鍋4の内部の被炊飯物Sが大気圧以上の所定圧力である例えば1.2気圧に達するまで加圧され、その加圧状態で被炊飯物Sを沸騰させることができる。
こうして第1白米炊飯手段65aは、沸騰の工程中に鍋4内部の被炊飯物Sが減圧状態で沸騰したと判断したら、鍋4内部を減圧状態から大気圧よりも高い加圧状態へ一気に切替えて、被炊飯物Sに圧力ショックを加えるために、ソレノイド39ひいては調圧部35を構成する調圧弁38の動作を制御して、蒸気排出経路37を一時的に開放する。これにより、加圧状態では米の糊化最適温度である105℃(1.2気圧の場合)に被炊飯物Sを沸騰させることで、米の硬さと粘りのバランスを確保し、芯まで均一に米を糊化させることが可能になる。
その後で第1白米炊飯手段65aは、鍋温度センサ21の検知温度が所定温度となる例えば90℃以上になり、それに加えて蓋温度センサ36の検知温度も所定温度となる例えば90℃以上になると、被炊飯物Sの加圧状態での沸騰を検知する沸騰検知を開始する。この沸騰の手順中の沸騰検知では、引き続き加熱コイル17やコードヒータ18を連続通電して、鍋4内部の被炊飯物Sを強く加熱する一方で、蓋温度センサ36の検知温度の傾き(所定の時間に検知温度がどの程度上昇するのか)を算出する。そして、この蓋温度センサ36の検知温度の傾きが一定値以下になって安定したら、鍋4内の被炊飯物Sが加圧状態で沸騰したと判断して、沸騰から次の沸騰継続に移行する。
沸騰継続に移行すると、第1白米炊飯手段65aは蓋ヒータ30による蓋加熱を開始させる。ここでの蓋加熱は、内蓋32の温度が所定の例えば100℃になるように、蓋温度センサ36の検知温度により、蓋ヒータ30からの加熱量が管理される。また沸騰継続に移行したら、第1白米炊飯手段65aは鍋4内を常圧と大気圧よりも高い圧力との間に繰り返し変化させるために、ソレノイド39を周期的に通断電させて、調圧弁38で蒸気排出経路37を周期的に開閉する。
そして第1白米炊飯手段65aは、沸騰継続で鍋4内部の水が無くなり、内釜温度センサ12による鍋4の底部の検知温度が所定の温度上昇を生じたら、内釜温度センサ12の検知温度に基づき被炊飯物Sの炊上げを検知する。ここでは、鍋温度センサ21の検知温度が所定のドライアップ温度に達すると、鍋4内部の被炊飯物Sの炊上がりを検知して、沸騰継続の炊上げから次のむらしに移行する。
むらし中は、蓋温度センサ36の検知温度による温度管理によって蓋ヒータ30を通断電し、内蓋32への露付きを防止すると共に、鍋4内部のご飯が焦げない程度に高温(98〜100℃)が保持されるように、加熱コイル17やコードヒータ18を通断電して、鍋4の底部の温度を管理する。むらしは所定時間(例えば12分)続けられ、むらしが終了したら保温制御手段62による保温に移行する。なお、炊飯制御手段61による沸騰以降の動作は、温度や時間や圧力の条件が異なるものの、他の炊飯手段でも同様に行われる。
上述した本実施形態の第1白米炊飯手段65aによる炊飯加熱では、ひたしの開始からむらしの終了までの標準の炊飯時間が、30分に短縮される。本実施形態の炊飯器は、炊飯工程中のひたし、沸騰、沸騰継続、むらしの各手順を何れも省略することなく、ひたしから沸騰に至る期間中に、鍋4内部の被調理物に対する加熱と圧力の仕方を工夫することで、早い炊飯時間で美味しい白米のご飯に仕上げることができ、夕食の準備期間に間に合うような早くて美味しいご飯を、何時でも食することが可能になる。
次に、第1白米炊飯手段65aとは別な炊飯手段の例として、酵素玄米炊飯手段67が選択されたときに、130分以内の炊飯時間で鍋4内の被炊飯物Sを小豆入り玄米のご飯に仕上げる手順を説明する。図10は、本実施形態の酵素玄米炊飯手段67による炊飯工程の動作で、鍋温度センサ21の検知温度T21と、加熱コイル17に入力する電圧(加熱量)の推移を示している。また比較のために、図11には、従来の玄米炊飯コースが選択されたときの炊飯工程の動作で、同じく鍋温度センサ21の検知温度T21と、加熱コイル17に入力する電圧の推移を示す。
本実施形態の炊飯器において、炊飯キー47aへの操作により、炊飯制御手段61への炊飯開始が指示されると、酵素玄米炊飯手段67が健康熟成玄米炊飯コースに対応した加熱パターンに基づいて、ひたし炊き→沸騰→沸騰継続→むらしの順に、鍋4に入れられた被炊飯物Sを小豆入りの健康熟成酵素玄米ご飯に仕上げるのは、前述した第1白米炊飯手段65aによる炊飯工程の動作と共通する。但し、酵素玄米炊飯手段67の加熱パターンでは、玄米の酵素であるGABAの増量を促進させるのに、鍋4内の水温を玄米の糊化開始温度とされる60℃を超えない温度に保持させしつつ、ひたし炊きの時間T0xを60分以上継続する。また、被炊飯物Sを炊き上げた後のむらしで、被炊飯物Sのメラノイジン反応を促進させるために、むらしの時間T0yを30分以上継続させ、その間に鍋温度センサ21の検知温度T21が周期的に100℃を超えるように、加熱コイル17の入力電力Vを制御して、被炊飯物Sへの加熱量を増やす。そして、炊飯開始から炊飯終了までの炊飯時間T0zが、130分以内となるように、減圧手段41や加熱手段56をそれぞれ制御する。ここでも、前述したようなひたし炊き時に被炊飯物Sに含まれる水Wを脱気することにより、被炊飯物Sを短時間に均一に加熱して、美味しく健康に良い酵素玄米ご飯に仕上げることが可能になる。
従来の炊飯器では、同様の酵素玄米を得るのに、図11に示すような玄米炊飯コースを選択しての炊飯が行われていた。この場合、ひたし炊きの時間T0xは30分、むらしの時間T0yは15分で、炊飯時間T0zは80分となる。しかし、こうして仕上がったご飯は、GABAの増量やメラノイジン反応が不十分で、その後に3〜7日間熟成させなければ、美味しく健康に良い酵素玄米ご飯とすることができなかった。しかし、本実施形態の炊飯器では、複数の炊飯手段の中で専用の酵素玄米炊飯手段67を選択して、鍋4に入れられた被炊飯物Sへの炊飯を行なえば、炊飯後にわざわざ被炊飯物Sを熟成させなくても、GABA増量とメラノイジン反応をそれぞれ促進させた健康に良い酵素玄米ご飯を短時間に得ることができる。
続いて、従来の炊飯器に対して、本実施形態の炊飯器では、製品のラインアップ毎に同じ炊飯コースで、炊飯時間がどの程度短縮されたのかを、図12と図13の各図に基づいて説明する。ここでは、何れも最大の炊飯容量が5.5合(1.0L)炊きの炊飯器について、モデルW,モデルX,モデルSの3機種で炊飯時間を比較する。
先ず図12を参照すると、モデルWの炊飯器について、本実施形態では「かまど名人」の炊飯コースを選択すると、それに対応した加熱パターンで第1白米炊飯手段65aによる炊飯が行われる。「かまど名人」の炊飯コースでは、操作部47への操作により、ご飯の食感の炊き分けを選ぶことができ、硬め目の仕上がりとなる「しゃっきり」を選んだ場合には、炊飯時間が従来の3合で28分から3合で25分に短縮され、標準の仕上がりとなる「おすすめ」を選んだ場合には、炊飯時間が従来の38分から30分に短縮され、やわらか目の仕上がりとなる「もちもち」を選んだ場合には、炊飯時間が従来の48分から45分に短縮される。つまり、第1白米炊飯手段65aで炊飯を行なった場合は、炊き分けでどの仕上がりを選んだ場合でも、炊飯時間が50分以内、好ましくは45分以内になる。これは、他のモデルXやモデルSの炊飯器で、「かまど名人」の炊飯コースを選択した場合も、同じことが言える。
また、本実施形態では「早炊き」の炊飯コースで、「そくうま」と「浸し炊き省略」の何れかを選択することができ、「そくうま」の炊飯コースを選択すると、それに対応した加熱パターンで第2白米炊飯手段65bによる炊飯が行われ、「浸し炊き省略」の炊飯コースを選択すると、それに対応した加熱パターンで第3白米炊飯手段65cによる炊飯が行われる。「そくうま」の炊飯コースでは、炊飯時間が従来の3合で24分から3合で22分に短縮され、本実施形態の炊飯器にのみ搭載される「浸し炊き省略」の炊飯コースでは、炊飯時間が1合で14分となる。つまり、第2白米炊飯手段65bで炊飯を行なった場合は、炊飯時間が30分以内、好ましくは25分以内になり、第3白米炊飯手段65cで炊飯を行なった場合は、炊飯時間が25分以内、好ましくは20分以内になる。これは、他のモデルXやモデルSの炊飯器で、「そくうま」の炊飯コースや「浸し炊き省略」の炊飯コースを選択した場合も、同じことが言える。
次に図13を参照すると、モデルWの炊飯器について、本実施形態では「玄米」の炊飯コースで、「玄米」と「玄米白米混合」と「健康熟成玄米」の何れかを選択することができ、「玄米」の炊飯コースを選択すると、それに対応した加熱パターンで第1玄米炊飯手段66aによる炊飯が行われ、「玄米白米混合」の炊飯コースを選択すると、それに対応した加熱パターンで第2玄米炊飯手段66bによる炊飯が行われ、「健康熟成玄米」の炊飯コースを選択すると、それに対応した加熱パターンで酵素玄米炊飯手段67による炊飯が行われる。「玄米」の炊飯コースでは、炊飯時間が従来の110分から48分に短縮され、「玄米白米混合」の炊飯コースでは、炊飯時間が従来の60分から50分に短縮され、本実施形態の炊飯器にのみ搭載される「健康熟成玄米」の炊飯コースでは、炊飯時間が110分〜130分となり、専用機では通常3〜7日を要していたものが大幅に短縮される。つまり、第1玄米炊飯手段66aや第2玄米炊飯手段66bで炊飯を行なった場合は、炊飯時間が60分以内、好ましくは55分以内になり、酵素玄米炊飯手段67で炊飯を行なった場合は、炊飯時間が150分以内、好ましくは130分以内になる。
さらに、従来はモデルW,モデルX,モデルSの何れも、健康に良い「他健康」の炊飯コースとして、「押麦白米混合」と「雑穀米」の炊飯コースを選択できるようになっていたが、本実施形態ではモデルW,モデルX,モデルSの全てで、「押麦白米混合」と「雑穀米」の炊飯コースに加えて、「健康Menu」の炊飯コースとして、「EPAご飯」の炊飯コースと、「リコピンご飯」の炊飯コースと、「豆富ご飯」の炊飯コースを選択でき、「EPAご飯」の炊飯コースを選択すると、それに対応した加熱パターンで第1健康成分含有炊飯手段68aによる炊飯が行われ、「リコピンご飯」の炊飯コースを選択すると、それに対応した加熱パターンで第2健康成分含有炊飯手段68bよる炊飯が行われ、「豆富ご飯」の炊飯コースを選択すると、それに対応した加熱パターンで第3健康成分含有炊飯手段68cによる炊飯が行われる。
図14は、本実施形態の炊飯器において、主な炊飯コースの特徴を表にして示したものである。前述したように、モデルWの炊飯器について、白米炊飯に関しては、「かまど名人」の炊飯コースで「おすすめ」を選んだ場合に、炊飯時間が従来の38分から本実施形態では30分に短縮され、「そくうま」の炊飯コースを選択した場合に、炊飯時間が従来の24分から本実施形態では22分に短縮される。また本実施形態の炊飯器では、「健康熟成玄米」の炊飯コースが追加され、この「健康熟成玄米」の炊飯コースを選択した場合に、酵素玄米炊飯手段67が対応する加熱パターンに基づいて加熱手段56と減圧手段41を制御し、小豆入り玄米のご飯に仕上げることができる。その後の保温制御手段62による最大の保温時間は、従来の炊飯器では玄米などの炊飯コースで12時間であったものが、メラノイジン反応をさらに促進させるために、それ以上の24時間となる。
玄米炊飯に関しては、「玄米白米混合」の炊飯コースを選択した場合に、炊飯時間が従来の60分から本実施形態では50分に短縮される。これは、従来の白米炊飯の炊飯時間と同等となる。このように、各炊飯コースで炊飯時間を短縮できたのは、従来は単に加圧と減圧により、鍋4の内部を0.5〜1.2気圧に可変するいわゆる「合わせ炊き」で、ご飯を仕上げていたのに対し、本実施形態では、鍋4内の圧力を0.5〜1.4気圧に可変して、水Wに含まれる溶存酸素量を減らすことに加えて、前述の圧力ショックを鍋4内に加えたからである。
「他健康」の炊飯コースに関して、本実施形態の炊飯器では、従来の「玄米」や「押麦・白米混合」や「雑穀米」の炊飯コースに、被炊飯物Sとしてもち麦を入れた白米と水を炊き上げ、もち麦入りのご飯に仕上げる「もち麦」炊飯コースが追加される。これは、他のモデルXやモデルSでも同じことが言える。
モデルXの炊飯器では、前述の「かまど名人」に相当する「本かまど」の炊飯コースで「おすすめ」を選んだ場合に、炊飯時間が従来の43分から本実施形態では38分に短縮され、「そくうま」の炊飯コースを選択した場合に、炊飯時間が従来の27分から本実施形態では24分に短縮される。また本実施形態では、「健康熟成玄米」の炊飯コースが追加され、保温時間が24時間となり、「玄米白米混合」の炊飯コースを選択した場合に、炊飯時間が従来の70分から本実施形態では60分に短縮される。これは、従来の白米炊飯の炊飯時間と同等となる。このように、各炊飯コースで炊飯時間を短縮できたのは、従来は鍋4の内部を0.6〜1.05気圧に可変する「合わせ炊き」で、ご飯を仕上げていたのに対し、本実施形態では、鍋4内の圧力を0.5〜1.2気圧に可変して、水Wに含まれる溶存酸素量を減らすことに加えて、前述の圧力ショックを鍋4内に加えたからである。
モデルSの炊飯器では、「本かまど」の炊飯コースで「おすすめ」を選んだ場合に、炊飯時間が従来の48分から本実施形態では43分に短縮され、「そくうま」の炊飯コースを選択した場合に、炊飯時間が従来の28分から本実施形態では27分に短縮される。また、「玄米白米混合」の炊飯コースを選択した場合に、炊飯時間が従来の75分から本実施形態では65分に短縮される。このように、各炊飯コースで炊飯時間を短縮できたのは、従来は鍋4の内部を0.7〜1.05気圧に可変する「合わせ炊き」で、ご飯を仕上げていたのに対し、本実施形態では、鍋4内の圧力を0.6〜1.05気圧に可変して、水Wに含まれる溶存酸素量を減らすことに加えて、前述の圧力ショックを鍋4内に加えたからである。
図15は、本実施形態の炊飯器において、健康成分含有炊飯手段67で炊飯が可能なご飯の例を示している。同図において、本実施形態では、第1健康成分含有炊飯手段68aによる炊飯で、鯖缶を利用したEPAご飯に仕上げることができ、第2健康成分含有炊飯手段68bによる炊飯で、トマト入りのリコピンご飯に仕上げることができ、第3健康成分含有炊飯手段68cによる炊飯で、豆富ご飯に仕上げることができる。なお、豆富ご飯では、白米0.5カップに対して豆腐200gを混ぜ合わせた混合物を、水や調味料と共に鍋4に被炊飯物Sとして入れることで、最終的に約2倍の量の豆富ご飯に仕上がって、茶わん1杯食べたときの糖質やカロリーを、白米だけのご飯の半分にカットすることができる。
以上のように本実施形態では、減圧手段41や加熱手段56を所定の加熱パターンで制御することにより、被炊飯物Sを炊き上げてご飯に仕上げる炊飯制御手段61を備えた炊飯器において、この炊飯制御手段61は、白米Rと水Wを含んだ被炊飯物Sを炊き上げて、50分以内、好ましくは45分以内にご飯に仕上げる第1白米炊飯手段65aと、30分以内、好ましくは25分以内にご飯に仕上げる第2白米炊飯手段65bと、25分以内、好ましくは20分以内にご飯に仕上げる第3白米炊飯手段65cと、を少なくとも備え、これらの第1白米炊飯手段65a〜第3白米炊飯手段65cを含む炊飯時間の異なる3つ以上の白米炊飯手段65の中から、特定の白米炊飯手段となる例えば第1白米炊飯手段65aを選択できる構成となっている。
本構成により、少なくとも50分以内の炊飯時間と、30分以内の炊飯時間と、25分以内の炊飯時間を含んだ3つ以上の炊飯時間の異なる白米炊飯手段65の中から、特定の白米炊飯手段を選択するだけで、選択した特定の白米炊飯手段に基づいた加熱パターンで、白米Rと水Wを含んだ被炊飯物Sが炊き上げられ、特定の白米炊飯手段に対応する炊飯時間内に、白米のみのご飯に仕上げる加熱制御が自動的に行われる。したがって、ユーザの確保できる食事の準備時間に合わせて、希望する炊飯時間をわざわざ設定しなくても、できるだけ美味しいご飯を簡便に得ることが可能になる。
また本実施形態では、第1白米炊飯手段65aおよび第2白米炊飯手段65bについては、炊飯開始直後にひたし炊きを省略せずに、ひたし炊き→沸騰→沸騰継続→むらしの順に炊飯を行なう加熱パターンを有し、その加熱パターンに基づいて、減圧手段41や加熱手段56を制御するのに対し、第3白米炊飯手段65cについては、白米Rの吸水を促すひたし炊きを省略して、沸騰→沸騰継続→むらしの順に炊飯を行なう加熱パターンを有し、その加熱パターンに基づいて、減圧手段41や加熱手段56を制御する構成となっている。
この場合、複数の白米炊飯手段の中で、特に第3白米炊飯手段65cが選択されると、ひたし炊きが省略される一方で、そこから被炊飯物Sを炊き上げるまでの時間を確保して、25分以内の短い炊飯時間でありながら、白米ご飯を美味しく仕上げることが可能になる。
また本実施形態の炊飯制御手段61は、玄米100%、または玄米と白米との混合米と水を含んだ被炊飯物Sを炊き上げて、60分以内、好ましくは55分以内に玄米入りのご飯に仕上げる玄米炊飯手段66をさらに備えている。
この場合、白米炊飯手段65を選択することにより、白米を3段階以上の炊飯時間でご飯に仕上げることができるのに加え、玄米炊飯手段66を選択することにより、60分以内の短い炊飯時間で、玄米を含んだご飯に仕上げることが可能になる。
また本実施形態の炊飯制御手段61は、玄米と小豆を混合させた小豆入り玄米と、水Wとを含む前記被炊飯物を炊き上げて、150分以内、好ましくは130分以内にご飯に仕上げる酵素玄米炊飯手段67をさらに備え、この酵素玄米炊飯手段67は、被炊飯物Sを沸騰加熱させる前のひたし炊きでGABAの増量を促進させ、被炊飯物Sを炊き上げた後のむらしでメラノイジン反応を促進させるように、減圧手段41や加熱手段56を制御して被炊飯物Sを温度管理する加熱パターンを有し、その加熱パターンに基づいて被炊飯物Sをご飯に仕上げる構成となっている。
この場合、酵素玄米炊飯手段67を選択することにより、150分以内の短い炊飯時間で、GABA増量とメラノイジン反応をそれぞれ促進させた健康に良い酵素玄米ご飯に仕上げることが可能になる。
また本実施形態の炊飯制御手段61は、白米や玄米、EPAや、リコピンや、ポリフェノールや、たん白などの健康成分を混合させた混合物と、水Wを含む被炊飯物Sを炊き上げて、ご飯に仕上げる健康成分含有炊飯手段68をさらに備えている。
この場合、炊飯制御手段61に搭載される複数の炊飯手段の中から、健康成分含有炊飯手段67を選択することにより、例えばEPAや、リコピンや、ポリフェノールや、たん白などの健康成分を含んだ健康に良いご飯に仕上げることが可能になる。
また本実施形態では、被炊飯物Sを入れた鍋4の内部を減圧させる減圧手段41をさらに備え、炊飯制御手段61に搭載される炊飯手段の中で、炊飯開始直後にひたし炊きを行なう全ての炊飯手段、すなわち第1白米炊飯手段65aと、第2白米炊飯手段65bと、玄米炊飯手段66と、酵素玄米炊飯手段67と、健康成分含有炊飯手段68の中の第1健康成分含有炊飯手段68a〜第3健康成分含有炊飯手段68cは、ひたし炊きで鍋4内部の被炊飯物Sの温度が、白米Rや玄米の糊化の開始に到達するまでの間に、鍋4の内部を0.7気圧以下,好ましくは0.6気圧以下に減圧し、水Wに含まれる溶存酸素量を減少させた後に、被炊飯物Sを沸騰加熱するように、加熱手段56と減圧手段41を制御する加熱パターンを有し、その加熱パターンに基づいて、鍋4内部の被炊飯物Sをご飯に仕上げる構成となっている。
この場合、白米Rや玄米が糊化するまでの間に、被炊飯物Sを入れた鍋4の内部を減圧手段41により0.7気圧以下、好ましくは0.6気圧以下に減圧して、水Wに含まれる溶存酸素量を減少させることで、水Wに含まれる気泡を抜いて、白米Rや玄米を均一に加熱させ、被炊飯物Sを短い時間に沸騰に到達させることが可能になる。また、被炊飯物Sに調味料を混ぜて、炊込みご飯に仕上げる場合も、ご飯への味の浸込みを向上させて、美味しいご飯を提供することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば本実施形態では、白米炊飯手段65の他に、玄米炊飯手段66と、酵素玄米炊飯手段67と、健康成分含有炊飯手段68の全てを搭載した炊飯制御手段61を例示したが、図12〜図14に示す炊飯器のラインアップに合わせて、これらの一部または全てを搭載しない炊飯器のモデルとしても構わない。
4 鍋
41 減圧手段
56 加熱手段
61 炊飯制御手段
65 白米炊飯手段
65a 第1白米炊飯手段
65b 第2白米炊飯手段
65c 第3白米炊飯手段
66 玄米炊飯手段
67 酵素玄米炊飯手段
68 健康成分含有炊飯手段
S 被炊飯物

Claims (6)

  1. 加熱手段を所定の加熱パターンで制御することにより、被炊飯物を炊き上げてご飯に仕上げる炊飯制御手段を備えた炊飯器において、
    前記炊飯制御手段は、白米と水を含んだ前記被炊飯物を炊き上げて、50分以内にご飯に仕上げる第1白米炊飯手段と、30分以内にご飯に仕上げる第2白米炊飯手段と、25分以内にご飯に仕上げる第3白米炊飯手段と、を少なくとも備え、
    前記第1白米炊飯手段〜前記第3白米炊飯手段を含む炊飯時間の異なる3つ以上の白米炊飯手段の中から、特定の白米炊飯手段を選択できる構成としたことを特徴とする炊飯器。
  2. 前記第3白米炊飯手段は、前記白米の吸水を促すひたし炊きを省略した前記加熱パターンを有することを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
  3. 前記炊飯制御手段は、玄米100%、または玄米と白米との混合米と水を含んだ前記被炊飯物を炊き上げて、60分以内にご飯に仕上げる玄米炊飯手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2記載の炊飯器。
  4. 前記炊飯制御手段は、玄米と小豆を混合させた小豆入り玄米と水を含む前記被炊飯物を炊き上げて、150分以内にご飯に仕上げる酵素玄米炊飯手段をさらに備え、
    前記酵素玄米炊飯手段は、前記被炊飯物を沸騰加熱させる前のひたし炊きでGABAの増量を促進させ、前記被炊飯物を炊き上げた後のむらしでメラノイジン反応を促進させるように、前記加熱手段を制御して前記被炊飯物を温度管理する前記加熱パターンを有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の炊飯器。
  5. 前記炊飯制御手段は、白米や玄米と健康成分との混合物と、水とを含む前記被炊飯物を炊き上げて、ご飯に仕上げる健康成分含有炊飯手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の炊飯器。
  6. 前記被炊飯物を入れた鍋の内部を減圧させる減圧手段をさらに備え、
    前記炊飯制御手段は、前記白米や前記玄米の糊化に到達するまでの間に、前記鍋の内部を0.7気圧以下に減圧し、前記水に含まれる溶存酸素量を減少させた後に、前記被炊飯物を沸騰加熱するように、前記加熱手段と前記減圧手段を制御する前記加熱パターンを有することを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の炊飯器。
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