JP6781503B2 - エレベータの制御装置および制御方法 - Google Patents
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Description
そこで従来のエレベータの制御装置において、インバータ装置を構成する半導体素子のスイッチングする時の瞬時のスイッチングロスを演算するスイッチングロス演算器と、半導体素子がオンし、一定電流が流れている時の瞬時のオンロスを演算するオンロス演算器と、を備え、これらスイッチングロス及びオンロスより瞬時のジャンクション温度上昇を推定し、このジャンクション温度に応じて半導体素子に対する負荷を軽減するものが知られている(例えば下記特許文献1参照)。
以下、この発明によるエレベータの制御装置および制御方法を各実施の形態に従って図面を用いて説明する。なお、各実施の形態において、同一もしくは相当部分は同一符号で示し、また重複する説明は省略する。
図1はエレベータ主要構成と共に示された、この発明の一実施の形態によるエレベータの制御装置の構成の一例を示す図である。
図1において概略、モータ11、巻上機20、主ロープ22、かご24および釣合錘26がエレベータの主要構成に当たる。交流電源1、コンバータ3、コンデンサ5およびインバータ7がモータ11の駆動回路を構成する。そして残りの部分がエレベータの制御装置を構成する。例えば、温度上昇推定部50、時間検出部60、電流実効値演算部70、選択部80、温度上昇情報記憶部90、加熱判定部100および主制御部200を含む制御部300は、1個以上のディジタル回路、またはプロセッサとメモリを備えた1個以上のコンピュータで構成され得る。
インバータ7からの可変交流電圧がモータ11に印加されることでモータ11がトルクを発生して巻上機20を回転駆動させる。巻上機20が駆動されて回転すると、主ロープ22の一端に連結されたかご24と他端に連結された釣合錘26が昇降路内を互いに逆方向に昇降する。
温度上昇推定部50は、上述の特許文献1に記載のように、各相の電流値Iu,Iv,Iwよりかご再床合わせ動作前の通常走行中における半導体素子7aの温度上昇値を推定して温度上昇推測値θeを求める。温度上昇の推定は試験結果からデータテーブルとして保持していても良いし、参考文献のように電流からスイッチング損失と導通損失を計算しても良い。
時間検出部60は、再床合わせ動作時の間の各相の電流の流れている時間長である時間tu,tv,twを検出する。
選択部80は、かご24の再床合わせ動作時の各相の電流実効値Iurms,Ivrms,Iwrmsのうちの加熱程度が最も高いと判断される最大電流実効値Irmsを選択する。
温度上昇情報記憶部90に格納された情報は、例えば予め実験またはシミュレーション等により求められ、テーブルとして記憶されている。
主制御部200は、抑制信号SUPが入力されると、かご24の再床合わせ終了後のかご24の昇降動作、扉の戸開閉動作を通常時と異なるように制御する。例えば、かご24の扉の戸閉速度を遅くする。また、かご24の昇降速度の最高速度を低下させる。または、かご24の昇降加速度を低下させる。
ワイドバンドギャップ半導体としては、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム系材料またはダイヤモンドなどがある。
まず、温度上昇推定部50が、再床合わせ動作に入るまでの第1の温度上昇推定値θeを求める(ステップS100)。すなわち、各相の電流値より通常走行中の半導体素子7aの温度上昇を推定する。
ここで、例えば主制御部200の制御により、かご24が再床合わせ動作になったとする(ステップS101)。電流検出器9u,9v,9wでは各相の電流値Iu,Iv,Iwが検出されている。時間検出部60では電流検出時の各相時間tu,tv,twが検出されている。検出された各相の電流値Iu,Iv,Iwおよび各相時間tu,tv,twは電流実効値演算部70に入力される(ステップS103)。
選択部80は、各相の電流実効値のうち最も高い電流実効値Irmsを選択して(ステップS107)、温度上昇情報記憶部90に入力する。
そして加熱判定部100は、温度上昇推定部50からの再床合わせ動作前の温度上昇推定値θeと、温度上昇情報記憶部90からの再床合わせ動作時の温度上昇推定値θnと、の和が予め定められた温度閾値θthを越えたか否かを判断する(ステップS111)。
そして加熱判定部100は、θn+θeが温度閾値θthを越えていれば、抑制信号SUPを主制御部200に入力する。
加熱判定部100において例えば、第1の閾値θth1と、第1の閾値θth1よりも大きい第2の閾値θth2を設定する。そして主制御部200では、加熱判定部100の判定において、温度上昇推定値θn+θeが第1の閾値θth1を越えると、かご24の最高速度を低下させる。そして温度上昇推定値θn+θeが第2の閾値θth2を超えると、主制御部200はかご24の最高速度及び加速度を低下させる。
一方、主制御部200は、抑制信号SUPが入力されなければ、通常のかご24の制御を行う(ステップS115)。
Claims (6)
- 多相の半導体素子で構成されるインバータを制御してモータを駆動させてかごを昇降させ、さらに前記かごを階床到着後に再床合わせ動作をさせる主制御部と、
前記インバータの各相の電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部の電流の検出結果より再床合わせ動作前の前記半導体素子の第1の温度上昇推定値を求める温度上昇推定部と、
前記再床合わせ動作時に各相の電流が流れている時間を検出する時間検出部と、
前記電流検出部で検出された電流と前記時間検出部で検出された時間より各相の電流実効値を演算する電流実効値演算部と、
前記再床合わせ動作時の、電流実効値と前記インバータの半導体素子の温度上昇推定値との関係を記憶した温度上昇情報記憶部と、
前記第1の温度上昇推定値と、前記電流実効値演算部で演算された電流実効値に対する前記温度上昇情報記憶部から得られる温度上昇推定値である第2の温度上昇推定値とを加えた値が閾値を越えたことを判定する加熱判定部と、
を備え、
前記主制御部が、前記第1の温度上昇推定値と前記第2の温度上昇推定値を加えた値が閾値を越えると、前記再床合わせ動作後のエレベータの動作を調整して制御する、
エレベータの制御装置。 - 前記電流実効値演算部で演算された各相の電流実効値のうち最も大きな値の電流実効値を選択する選択部をさらに備え、
前記加熱判定部は、前記温度上昇情報記憶部に従って前記選択部で選択された最も大きな値の電流実効値から第2の温度上昇推定値を求める、
請求項1に記載のエレベータの制御装置。 - 前記加熱判定部が、前記閾値として第1の閾値と、前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値とを有し、
前記主制御部が、前記第1の温度上昇推定値と前記第2の温度上昇推定値を加えた値が、前記第1の閾値を越えると、前記かごの最高速度を低下させ、前記第2の閾値を越えると、前記かごの最高速度及び加速度を低下させる、
請求項1又は2に記載のエレベータの制御装置。 - 前記主制御部が、前記第1の温度上昇推定値と前記第2の温度上昇推定値を加えた値が、設定された前記閾値を越えると、再床合わせ動作後の前記かごの扉の戸閉速度を通常の速度よりも遅くする、
請求項1から3までのいずれか1項に記載のエレベータの制御装置。 - 前記インバータの半導体素子が、ワイドバンドギャップ半導体からなる、請求項1から4までのいずれか1項に記載のエレベータの制御装置。
- 多相の半導体素子で構成されるインバータを制御してモータを駆動させてかごを昇降させ、さらに前記かごを階床到着後に再床合わせ動作をさせるエレベータにおいて、
前記インバータの各相の電流を検出し、
前記電流の検出結果より再床合わせ動作前の前記半導体素子の第1の温度上昇推定値を求め、
前記再床合わせ動作時に各相の電流が流れている時間を検出し、
検出された電流と時間より各相の電流実効値を演算し、
前記再床合わせ動作時の、電流実効値と前記インバータの半導体素子の温度上昇推定値との関係を記憶し、
前記第1の温度上昇推定値と、前記記憶された電流実効値と前記インバータの半導体素子の温度上昇推定値の関係に従った、演算された前記電流実効値に対する温度上昇推定値である第2の温度上昇推定値とを加えた値が閾値を越えたことを判定し、
前記第1の温度上昇推定値と前記第2の温度上昇推定値を加えた値が閾値を越えると、前記再床合わせ動作後の前記エレベータの動作を調整して制御する、
エレベータの制御方法。
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