JP5201438B2 - モータ制御装置 - Google Patents
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Description
次に、計算された損失エネルギ値(a1 、a2 、a3 、a4、a5 、a6 、a7 、a8 、a9 )をそれぞれサンプル時間dt(sec)について積分してc1、c2 、c3 、c4 、c5 、c6 、c7、c8 、c9 を求め、さらに、c7 、c8 、c9を加算してc10を求める(ステップS22)。
続いて、c10をモータ全体の許容値として定められた値dと比較する(ステップS23)。ステップS23でc10≧dであれば全体の過負荷であると判断し、c10 <dであればステップS24に進む。
ステップS24でc1 、c2 、c3 、c4、c5 、c6 のそれぞれと、1つのパワー素子における許容値として定められた値eとを比較し、c1、c2 、c3 、c4 、c5 、c6 のうちいずれか1つでもeに等しいかまたは大きいときは過負荷であると判断し、c1、c2 、c3 、c4 、c5 、c6 のいずれもがeより小さいときはステップS25にすすみ、c7、c8 、c9 のそれぞれと、モータの1相における許容値として定められた値iと比較し、c7 、c8、c9 のうちいずれか1つでもiに等しいかまたは大きいときは過負荷であると判断し、iよりも小さいときは、一定の時間ごとにステップS21に戻って繰返す。
このようにして、モータ制御装置の電力供給回路のパワー素子およびモータの過負荷を検出していた。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、商用電源の電圧変動やモータの回生などによって直流母線電圧が変動しても、電力供給回路の熱損失量を正確に算出して、過負荷を正確に検出し、パワー素子の破壊を防止することができるモータ制御装置を提供することを目的とする。
事前に実測された、前記直流母線電圧値によって変化する、前記電力供給回路のパワー素子がオンする時のパワー素子のソース・ドレイン間の電圧の実効値であるオン過渡電圧実効値の実測値及び前記電力供給回路のパワー素子がオフする時のパワー素子のソース・ドレイン間の電圧の実効値であるオフ過渡電圧実効値の実測値と、当該直流母線電圧値との、相関関係を関数化する第1手段、若しくは、事前に実測された、前記直流母線電圧値によって変化する、前記オン過渡電圧実効値の実測値及び前記オフ過渡電圧実効値の実測値と当該直流母線電圧値との、相関関係をデータベース化する第2手段、
を有し、前記過負荷検出手段は、前記直流母線電圧検出手段により検出された前記直流母線電圧値に基づき、前記第1手段による関数若しくは前記第2手段によるデータベースを参照して、対応する前記オン過渡電圧実効値および前記オフ過渡電圧実効値を算出する、Von・Voff算出部と、前記電力供給回路の負荷電流値と前記電力供給回路のパワー素子がオンした時のパワー素子飽和電圧値と前記PWM周波数値と前記オン過渡電圧実効値と前記オフ過渡電圧実効値とに基づいて前記電力供給回路のパワー素子の熱損失量を計算する熱損失量計算部とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータ制御装置において、前記過負荷検出手段は、さらに、前記負荷電流値を算出する負荷電流算出手段を備えたことを特徴とするものである。
実際のモータ制御装置には様々な機能や手段が内蔵されているが、図には本発明に関係する機能や手段のみを記載し説明することとする。また、以下同一名称には極力同一符号を付け重複説明を省略する。
また、20は制御演算部、21は整流部、22は平滑用コンデンサ、23は電力供給回路、24は直流母線電圧検出手段、25は電流検出器、30は過負荷検出手段である。
DCモータ制御装置2は、制御演算部20、整流部21、平滑用コンデンサ22、電力供給回路23、直流母線電圧検出手段24、電流検出器25、および過負荷検出手段30で構成されている。
本発明が従来のDCモータ制御装置と異なる部分は、過負荷検出手段30を備えた部分である。
電力供給回路23は、前記直流母線電圧を、前記PWM制御信号に基づいてPWMスイッチングし、モータを駆動するための電力をDCモータ3に供給する。
電流検出器25は、DCモータ3に流れているモータ線電流を検出し、これを電力供給回路23の負荷電流値ILとして過負荷検出手段30に出力する。直流母線電圧検出手段24は、平滑用コンデンサ22の両端の直流電圧すなわち直流母線電圧を検出して、直流母線電圧値Vpnを過負荷検出手段30に出力する。過負荷検出手段30は、負荷電流値IL、直流母線電圧値Vpn、およびPWM周波数値fcを入力し、パワー素子の過負荷を検出して、制御演算部20に過負荷信号OLを出力する。
制御演算部20は、過負荷信号OLを入力すると、過負荷の警報を出力したり、電力供給回路23を遮断してDCモータ3への電力の供給を停止したり、など予め設定された処理を行う。
図2は、本発明の実施例1の過負荷検出手段の詳細を説明するブロック図である。図2において、31はVon・Voff算出部、32は熱損失量計算部、33はパワー素子負荷瞬時値計算部、34は減算器、35は過負荷積算部、36は過負荷判定部、37は過負荷計算用データベースである。
過負荷検出手段30は、Von・Voff算出部31、熱損失量計算部32、および過負荷計算用データベース37で構成され、また、熱損失量計算部32は、パワー素子負荷瞬時値計算部33、減算器34、過負荷積算部35で構成される。
過負荷計算用データベース37は、電力供給回路23のパワー素子がオンした時のパワー素子飽和電圧値Vsat、電力供給回路23のパワー素子の負荷計算に必要な負荷計算用係数(K1、K2、K3)、電力供給回路23のパワー素子の周囲温度と素子温度などによって決まる放熱定数CR、および電力供給回路23のパワー素子が過負荷になったと判定する閾値である過負荷検出閾値PSHを格納していて、前記パワー素子飽和電圧値Vsatおよび前記負荷計算用係数(K1、K2、K3)をパワー素子負荷瞬時値計算部33に、前記放熱定数CRを減算器34に、前記過負荷検出閾値PSHを過負荷判定部36に出力する。
前記オン過渡電圧実効値Von、および前記オフ過渡電圧実効値Voffは、前記直流母線電圧値Vpnによって変化することが知られているが、これは、電力供給回路23の設計によって決まるので、事前に実測して、関数化するか、データベース化しておけばよい。
図4は、直流母線電圧値Vpnに対するオン過渡電圧実効値Von、およびオフ過渡電圧実効値Voffの一例を示すグラフである。
パワー素子負荷瞬時値PIは、式(1)である。
PI=Psat + Pon + Poff ・・・(1)
ただし、Psatはパワー素子の飽和ロス、Ponはパワー素子オン過渡時ロス、Poffはパワー素子オフ過渡時ロスである。
パワー素子の飽和ロスPsat、パワー素子オン過渡時ロスPon、およびパワー素子オフ過渡時ロスPoffは、式(2)、式(3)、および式(4)により求まる。
Psat=K1(Vsat × |IL|) ・・・(2)
Pon =K2(Von × |IL| × fc) ・・・(3)
Poff=K3(Voff × |IL| × fc) ・・・(4)
ただし、|IL|はILの絶対値を表し、K1、K2、およびK3は係数である。
POI =PI − CR ・・・(5)
つぎにステップS06で、過負荷積算部35は前記瞬時過負荷値POIを入力して積算した値である熱損失量POを過負荷判定部36に出力する。
PO =Σ(POI) ・・・(6)
ただし、Σは、サンプリング毎の積算を表す。
過負荷検出手段30で過負荷を検出したら、制御演算部20は、電力供給回路23を遮断してモータの駆動を停止する。そうすることにより、電力供給回路23のパワー素子の破壊を防止することができる。
また、過負荷検出手段30で過負荷を検出したら、制御演算部20は、モータを駆動する電流の上限値を下げてもよい。そうすることにより、電力供給回路23のパワー素子の負荷を低減することができ、モータを駆動する電流の上限値を電力供給回路23の定格電流値以下に下げることにより、モータの駆動を停止することなく、電力供給回路23のパワー素子の破壊を防止することができる。しかし、モータの駆動力は低下する。
また、過負荷検出手段30で過負荷を検出したら、制御演算部20は、電力供給回路23をPWM制御するPWM周波数を下げてもよい。そうすることにより、電力供給回路23のパワー素子の負荷を低減することができる。
たとえば、閾値を3つ持ち、低い方から、PSH1、PSH2、PSH3として、
(1)PSH1 ≦ PO < PSH2 の場合は、過負荷検出手段30はOL1 を出力して、制御演算部20は電力供給回路23をPWM制御するPWM周波数を下げ、
(2)PSH2 ≦ PO < PSH3 の場合は、過負荷検出手段30はOL2 を出力して、制御演算部20はモータを駆動する電流の上限値を下げ、
(3)PSH3 ≦ PO の場合は、過負荷検出手段30はOL3 を出力して、制御演算部20は電力供給回路23を遮断してモータの駆動を停止する。
そうすることにより、モータ制御装置を過負荷の状況に対応した低減運転が可能になる。
2aはACモータ制御装置、3aはACモータであり、20aは制御演算部、23aは電力供給回路、25uおよび25wは電流検出器、30aは過負荷検出手段である。
制御演算部20a、電力供給回路23a、過負荷検出手段30a、並びに電流検出器25uおよび25wは、実施例1の、制御演算部20、電力供給回路23、過負荷検出手段30、および電流検出器25とそれぞれの機能は同じであるが、ACモータ制御用となっている。
本実施例が実施例1と異なる点は、過負荷検出手段30aにACモータ3aの線電流から電力供給回路23aの負荷電流値を算出する負荷電流算出手段26が追加されており、前記負荷電流算出手段26は、電流検出器25uで検出したACモータ3aのU相線電流値Iuおよび電流検出器25wで検出したACモータ3aのW相線電流値Iwを入力し、式(7)により負荷電流値ILを算出して熱損失量計算部32のパワー素子負荷瞬時値計算部33に出力する点である。
したがって、電力供給回路23aのパワー素子全体の負荷となる負荷電流値ILは、
IL = |Iu| + |Iv| + |Iw|
であり、
Iu + Iv + Iw = 0
なので、
IL = |Iu| + |Iu + Iw| + |Iw| ・・・(7)
となる。
2 DCモータ制御装置
2a ACモータ制御装置
3 DCモータ
3a ACモータ
20、20a 制御演算部
21 整流部
22 平滑用コンデンサ
23、23a 電力供給回路
24 直流母線電圧検出手段
25、25u、25w 電流検出器
26 負荷電流算出手段
30、30a 過負荷検出手段
31 Von・Voffの算出部
32 熱損失量計算部
33 パワー素子負荷瞬時値計算部
34 減算器
35 過負荷積算部
36 過負荷判定部
37 過負荷計算用データベース
Claims (3)
- モータが所望の動作を行うように、制御演算を行いPWM周波数値とPWM制御信号とを発生する制御演算部と、前記PWM制御信号を受けて直流母線電圧をPWMスイッチングしてモータを駆動する電力供給回路と、前記直流母線電圧の直流母線電圧値を検出する直流母線電圧検出手段と、前記モータのモータ線電流値を検出する電流検出器と、前記電力供給回路の負荷電流値に基づいて前記電力供給回路の熱損失量を計算し前記電力供給回路が過負荷になったと判定する閾値である過負荷検出閾値とを比較して過負荷を検出する過負荷検出手段とを備えたモータ制御装置において、
事前に実測された、前記直流母線電圧値によって変化する、前記電力供給回路のパワー素子がオンする時のパワー素子のソース・ドレイン間の電圧の実効値であるオン過渡電圧実効値の実測値及び前記電力供給回路のパワー素子がオフする時のパワー素子のソース・ドレイン間の電圧の実効値であるオフ過渡電圧実効値の実測値と、当該直流母線電圧値との、相関関係を関数化する第1手段、
若しくは、
事前に実測された、前記直流母線電圧値によって変化する、前記オン過渡電圧実効値の実測値及び前記オフ過渡電圧実効値の実測値と当該直流母線電圧値との、相関関係をデータベース化する第2手段、
を有し、
前記過負荷検出手段は、
前記直流母線電圧検出手段により検出された前記直流母線電圧値に基づき、前記第1手段による関数若しくは前記第2手段によるデータベースを参照して、対応する前記オン過渡電圧実効値および前記オフ過渡電圧実効値を算出する、Von・Voff算出部と、前記電力供給回路の負荷電流値と前記電力供給回路のパワー素子がオンした時のパワー素子飽和電圧値と前記PWM周波数値と前記オン過渡電圧実効値と前記オフ過渡電圧実効値とに基づいて前記電力供給回路のパワー素子の熱損失量を計算する熱損失量計算部と
を備えたことを特徴とするモータ制御装置。 - 前記過負荷検出手段は、さらに、前記モータ線電流値に基づいて前記負荷電流値を算出する負荷電流算出手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
- 前記熱損失量計算部は、所定の周期毎に、前記電力供給回路のパワー素子の熱損失量の瞬時値であるパワー素子負荷瞬時値を算出するパワー素子負荷瞬時値算出部と、前記パワー素子負荷瞬時値からパワー素子の周囲温度と素子温度によって決まる放熱定数を減算した結果求まる瞬時過負荷値を積算して熱損失量を算出する過負荷積算部とを備えたことを特徴とする請求項1または2記載のモータ制御装置。
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