JP2017063540A - モータ温度推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のモータ温度推定方法では、推定温度を十分な精度で算出できない問題があった。【解決手段】本発明のモータ温度推定装置は、モータ23の損失Plossを算出する損失計算部10と、モータ23の巻線温度が上昇状態であるか下降状態であるかを判別する温度変化判別部13と、熱時定数τrcを、速度指令値Nrefと電流指令値Iq_refとの組み合わせに基づき決定して出力する熱時定数選択部11と、熱時定数選択部11から出力された熱時定数τrcと損失計算部10が出力するモータ23の損失Plossとに基づき推定温度Tsを算出する推定温度算出部と、を有し、熱時定数選択部11は、温度変化判別部13の判別結果が上昇状態であるか下降状態であるかに基づき、モータ23の巻線温度が上昇状態であるときと下降状態であるときとで出力する熱時定数τrcの大きさを切り替える。【選択図】図1

Description

本発明はモータ温度推定装置に関し、例えば、モータの巻線温度を推定するモータ温度推定装置に関する。
モータは、回転運動を続けると発熱する。しかし、この発熱量が過剰になるとモータが破損するおそれが生じる。そのため、動作状態に応じたモータの温度を推定し、適切なモータ制御を行うことが望まれる。そこで、モータ温度推定装置の一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1に記載のモータ温度推定装置は、モータを回転させる駆動電圧を演算して出力する電圧出力手段と、前記モータの回転角を検出する回転角検出手段と、前記電圧出力手段により出力される前記駆動電圧と、前記回転角検出手段により検出される前記回転角に基づいて前記モータに流れる駆動電流を推定する電流推定手段と、前記電流推定手段により推定される前記駆動電流と一次遅れ関数とに基づいて、前記モータの温度変化を推定するモータ温度推定手段とを備える。
特許文献1に記載のモータ温度推定装置では、上記構成を有することで、簡易な構成でモータ温度を推定することを実現する。
特開2013−219912号公報
特許文献1では、駆動電流を推定しているため、銅損による熱時定数に変化に対応することは出来るが、鉄損、機械損、風損などその他の損失の影響による熱時定数の変化に対応することが出来ない。つまり、特許文献1に記載の技術では、モータの巻線温度を十分に予測できない問題がある。
また、1つの熱時定数の精度を高めたとしても巻線の温度が上昇するときと下降するときとの両方に対して推定精度を高めることが難しい。そこで、図5に、モータの巻線温度の変化方向によって巻線温度の推定精度が悪化する課題を説明する図を示す。図5に示すように、熱時定数は、温度上昇時にモータの巻線温度を実際に測定した測定値に合わせたとしても、温度下降時にはずれが生じる。これは、巻線の温度が上昇するときと下降するときとで熱時定数に大きな差が生じるためである。
ここで、従来は、モータの温度推定が行われる分野は、産業機器や家電機器であり、負荷パターンがおおよそ決まっており、その範囲内で過負荷に対する温度を推定できれば良かった。そのため、上記特許文献1に記載の技術を用いたモータ温度推定方法でも問題は無かった。しかしながら、人と協調して動作するロボットでは、動作パターンが決まっておらず、操作者、外乱、故障などの影響で予期せぬ入力が入ることが想定される。そのため、人と協調して動作するロボットに用いられるモータの温度を推定するためには様々な動作パターンに対してより高精度にモータの巻線温度を推定する必要がある。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、このような複雑な動作パターンの動きをするモータの巻線温度を高精度に推定することが出来ない問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、モータの巻線温度を高い精度で推定することを目的とするものである。
本発明にかかるモータ温度推定装置の一態様は、モータのトルク、回転速度及び回転角度の少なくとも1つを制御するシステムにおいて前記モータの巻線温度を推定するモータ温度推定装置であって、前記モータの損失を算出する損失計算部と、前記モータの前記巻線温度が上昇状態であるか下降状態であるかを判別する温度変化判別部と、前記巻線温度の熱変化率を示す熱時定数を、前記モータの速度を指示する速度指令値と、前記モータを駆動する駆動電流の大きさを指示する電流指令値と、の組み合わせに基づき決定して出力する熱時定数選択部と、前記熱時定数選択部から出力された熱時定数と損失計算部が出力する前記モータの損失とに基づき推定温度を算出する推定温度算出部と、を有し、前記熱時定数選択部は、前記温度変化判別部の判別結果が上昇状態であるか下降状態であるかに基づき、前記モータの前記巻線温度が上昇状態であるときと下降状態であるときとで出力する前記熱時定数の大きさを切り替える。
上記本発明の一態様によれば、熱時定数をモータの温度が上昇する期間と下降する期間とで切り替えることができる。これにより、上記本発明の一態様では、モータの巻線温度が上昇するときと下降するときとの両方でモータの推定温度の推定精度を高めることができる。
また、本発明にかかるモータ温度推定装置の別の態様では、前記熱時定数選択部は、前記モータの前記巻線温度が上昇するときの熱時定数を前記速度指令値と前記電流指令値との組み合わせ毎にマッピングした第1の時定数マップと、前記モータの前記巻線温度が下降するときの熱時定数を前記速度指令値と前記電流指令値との組み合わせ毎にマッピングした第2の時定数マップと、を有し、前記温度変化判別部の判別結果に基づき、前記第1の時定数マップと前記第2の時定数マップとのいずれか一方を選択して、選択した時定数マップから出力する前記熱時定数を抽出する。
これにより、本発明にかかるモータ温度推定装置は、モータの巻線温度が上昇するときに適用する時定数と、下降するときに適用する時定数と、をそれぞれ別の時定数マップとすることで、特別な演算をすることなくモータの温度変化の状態に応じた適切な熱時定数を決定することができ、熱時定数の決定に係る演算量を削減することができる。
本発明にかかるモータ温度推定装置の別の態様では、前記熱時定数選択部は、前記熱時定数を前記速度指令値と前記電流指令値との組み合わせ毎にマッピングした時定数マップと、前記温度変化判別部の判別結果毎に異なる大きさの係数を出力する係数切替部と、前記時定数マップから出力された前記熱時定数と前記係数切替部が出力した前記係数とを乗算して前記推定温度算出部に出力する前記熱時定数を出力する乗算器と、を有する。
これにより本発明にかかるモータ温度推定装置は、1つの時定数マップを利用するのみで、モータの温度変化の状態に応じた適切な熱時定数を決定することができ、時定数マップの数の抑制及び時定数マップの作成工数の削減を実現することができる。
本発明にかかるモータ温度推定装置の別の態様では、前記温度変化判別部は、1サイクル前の電流指令値と、現サイクルの電流指令値とを比較して前記モータの巻線温度が上昇状態であるか、下降状態であるかを判定する。
モータの実際の温度は、電流の変化に対しておくれることがあるが、本発明にかかるモータ温度推定装置は、モータの温度変化のきっかけとなる駆動電流の変化を熱時定数の切り替えの判定基準とする。これにより、本発明にかかるモータ温度推定装置は、精度の高いモータの巻線の推定温度の精度を高めることができる。
本発明にかかるモータ温度推定装置によれば、モータの推定温度の精度を高めることができる。
実施の形態1にかかるモータ温度推定装置のブロック図である。 実施の形態1にかかる時定数マップを説明する図である。 実施の形態1にかかるモータ温度推定装置における推定温度の計算手順を説明するフローチャートである。 実施の形態2にかかるモータ温度推定装置のブロック図である。 モータの巻線温度の変化方向によって巻線温度の推定精度が悪化する課題を説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
また、以下の説明では、本発明をブラシレスDCモータに適用した例について説明するが、本発明は、ブラシレスDCモータに限らず、交流モータ、直流モータ等にも適用できるものである。
まず、図1に実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1のブロック図を示す。図1では、モータ温度推定装置1以外に、温度の推定対象であるモータ23、モータ23を制御する速度制御器20、電流制御器21及びインバータ22を示した。実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1は、図1に示したモータを駆動するシステムから取得した情報に基づきモータ23の巻線温度を推定する。
速度制御器20に入力される速度指令値Nrefは、図1に示したシステムの上位のシステムであって、図示を省略したシステムに設けられる制御部等から出力される。速度制御器20は、速度指令値Nrefと、モータの実際の回転速度を測定した実速度値との差に基づき電流指令値Iq_refを生成する。この電流指令値Iq_refは、モータ23を駆動する駆動電流の大きさを指示するものである。
電流制御器21は、電流指令値Iq_refと、モータを実際に駆動している電流を測定した実電流値との差に基づき電圧指令値Va〜Vcを生成する。電圧指令値Va〜Vcは、モータ23を駆動するモータ端子電圧の大きさを指示するものである。インバータ22は、電圧指令値Va〜Vcに基づきモータ23に与えるモータ端子電圧va〜vcを生成する。
実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1は、速度指令値Nref及び電流指令値Iq_refに基づき推定温度Tsを算出する。このとき、モータ温度推定装置1では、速度指令値Nrefと電流指令値Iq_refとの組み合わせに基づき、推定温度Tsの算出に用いる熱時定数τrcの値を切り替える。また、モータ温度推定装置1は、モータ23が温度上昇状態であるか温度下降状態であるかに基づき、速度指令値Nrefと電流指令値Iq_refとの組み合わせに対して選択される熱温度係数の大きさを切り替える。図1に示すように、実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1は、損失計算部10、熱時定数選択部11、推定温度算出部12、温度変化判別部13を有する。
損失計算部10は、電流指令値Iq_refを用いてモータ23の損失Plossを算出する。ここで、損失Plossの計算に用いる電流値は、電流指令値でも良く、実電流値でも良い。また、損失Plossは、銅損のみを考慮した値でも良く、銅損と鉄損とを考慮した値でも良い。銅損のみを考慮した損失Plossは(1)式によって表される。また、銅損と鉄損とを考慮した損失Plossは(2)式によって表される。
Figure 2017063540
(1)式において、Raはモータの巻選抵抗であり、Iは電流指令値である。
Figure 2017063540
(2)式において、kはヒステリシス損の係数であり、kは渦電流損の係数であり、fはモータ端子電圧の周波数である。
温度変化判別部13は、モータ23の巻線温度が上昇状態であるか下降状態であるかを判別して、判別結果を熱時定数選択部11に出力する。より具体的には、温度変化判別部13は、1サイクル前の電流指令値Iq_refと、現サイクルの電流指令値Iq_refとを比較してモータ23の巻線温度が上昇状態であるか、下降状態であるかを判定する。
熱時定数選択部11は、巻線温度の熱変化率を示す熱時定数を、モータ23の速度を指示する速度指令値Nrefと、モータ23を駆動する駆動電流の大きさを指示する電流指令値Iq_refと、の組み合わせに基づき決定して出力する。具体的には、熱時定数選択部11は、速度指令値Nrefと電流指令値Iq_refとの組み合わせ毎に熱時定数τrcをマッピングした時定数マップを有する。また、熱時定数選択部11では、モータの巻線温度が上昇するときの熱時定数を速度指令値と電流指令値との組み合わせ毎にマッピングした第1の時定数マップ(例えば、上昇時時定数マップ)と、モータ23の巻線温度が下降するときの熱時定数を速度指令値と電流指令値との組み合わせ毎にマッピングした第2の時定数マップ(例えば、下降時時定数マップ)と、を有する。熱時定数選択部11は、温度変化判別部13から与えられる判別結果が温度上昇状態であれば上昇時時定数マップを選択し、温度下降状態であれば下降時時定数マップを選択する。そして、熱時定数選択部11は、入力される速度指令値Nrefと電流指令値Iq_refに対応する熱時定数τrcを選択した時定数マップから抽出して出力する。
ここで、時定数マップにマッピングされる熱時定数τrcは、事前にモータ23を動作させながら測定することができる。時定数マップは、マップの各条件に合わせて測定した熱時定数τrcをマッピングしたものである。そこで、熱時定数選択部11内に格納される時定数マップの例を図2に示す。
図2に示すように、熱時定数選択部11に格納される時定数マップは、横軸をモータの回転速度(例えば、速度指令値)、縦軸を駆動電流(例えば、電流指令値)としたグラフとして考えることができ、速度指令値と電流指令値の組み合わせ毎に熱時定数τrcが記述される。また、実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1では、温度上昇時と、温度下降時のそれぞれに対して個別の時定数マップが用いられる。この熱時定数τrcは、モータ23の熱抵抗Rthと、モータの熱容量Cthと、の積により表される。本実施の形態で用いる時定数マップでは、熱時定数τrcとして熱抵抗Rthと熱容量Cthの情報をそのまま含むものとする。
推定温度算出部12は、熱時定数選択部11から出力された熱時定数と損失計算部10が出力するモータ23の損失Plossとに基づき推定温度Tsを算出する。推定温度算出部12は、モータ23の熱抵抗Rth、熱容量Cth及び損失Plossを並列に接続した一次のローパスフィルタモデル(以下、一次の熱モデルと称す)を用いる。具体的には、一次の熱モデルは(3)式で表すことができ、推定温度算出部12は、(3)式を変形した(4)式を用いて推定温度Tsを算出する。
Figure 2017063540
Figure 2017063540
続いて、実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1における推定温度の計算手順について説明する。そこで、図3に実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1における推定温度の計算手順を説明するフローチャートを示す。
まず、実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1は、図3に示すフローチャートで示される計算サイクルを所定の間隔で実施する。図3に示すように、実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1は、計算サイクルが開始されると、速度制御器20に入力される速度指令値Nrefと、電流制御器21が出力する電流指令値Iq_refと、を取得する(ステップS1)。次いで、実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1は、1サイクル前のステップS1で取得した電流指令値Iq_refと、現サイクルのステップS1で取得した電流指令値Iq_refとを比較してモータの巻線温度が上昇状態であるか下降状態であるかを判別する(ステップS2)。具体的には、1サイクル前のステップS1で取得した電流指令値Iq_refが、現サイクルのステップS1で取得した電流指令値Iq_refよりも大きければ、温度変化判別部13はモータの巻線温度が上昇状態であると判別する。一方、1サイクル前のステップS1で取得した電流指令値Iq_refが、現サイクルのステップS1で取得した電流指令値Iq_refよりも小さければ、温度変化判別部13はモータの巻線温度が下降状態であると判別する。
続いて、モータ温度推定装置1は、ステップS1で取得した速度指令値と電流指令値との組み合わせに対応する熱時定数を、熱時定数選択部11がステップS2の判別結果に基づき選択した時定数マップから抽出して決定する(ステップS3)。具体的には、ステップS2でモータの巻線温度が上昇状態であると判別された場合、熱時定数選択部11は、上昇時時定数マップを選択し、上昇時時定数マップから出力する熱時定数τrcを抽出する。一方、ステップS2でモータの巻線温度が下降状態であると判別された場合、熱時定数選択部11は、下降時時定数マップを選択し、下降時時定数マップから出力する熱時定数τrcを抽出する。
ここで、時定数マップでは、離散的な速度指令値と電流指令値との組み合わせに対して熱時定数τrcが記述される。そのため、実際に入力される速度指令値と電流指令値との組み合わせと、熱時定数τrcがマッピングされた速度指令値と電流指令値との組み合わせと、の間には誤差が生じる場合がある。このような誤差が生じた場合、実際に入力された速度指令値と電流指令値との組み合わせに近い熱時定数τrcを近似値として出力しても良い。また、このような誤差が生じた場合、実際に入力された速度指令値と電流指令値との組み合わせに近い熱時定数τrcを少なくとも2点選択して、選択した熱時定数τrcから実際に入力された値に対応する熱時定数τrcを計算により決定しても良い。
続いて、また、実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1の損失計算部10は、ステップS1で取得した電流指令値Iq_refに基づきモータ23の損失Plossを算出する(ステップS4)。
続いて、実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1は、推定温度算出部12により、推定モデル(例えば、一次の熱モデル)に基づき推定温度Tsを算出する(ステップS5)。ステップS5の計算では、(4)式に熱時定数選択部11が出力した熱時定数τrcに含まれる熱抵抗Rth及び熱容量Cthと、損失計算部10が出力した損失Plossと、を代入して推定温度Tsを算出する。実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1は、このように推定温度Tsが算出されたことに応じて、現計算サイクルを終了させる。
上記説明より、実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1は、入力される速度指令値Nrefと電流指令値Iq_refとの組み合わせが同じであっても、モータの巻線温度が上昇状態であるときと、下降状態であるときとで出力する熱時定数τrcを切り替える。これにより、実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1は、モータの巻線温度が上昇するときと下降するときとの両方で高い精度の推定温度Tsを算出することができる。
また、モータの実際の温度は、電流の変化に対しておくれることがあるが、実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1は、モータの温度変化のきっかけとなる駆動電流の変化を熱時定数の切り替えの判定基準とする。これにより、実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1は、精度の高いモータの巻線の推定温度の精度を高めることができる。
なお、上記説明では、モータ温度推定装置1をハードウェアにより構成する例について説明したが、モータ温度推定装置1内の処理をソフトウェアにより実行することもできる。ソフトウェアによりモータ温度推定装置1の機能を実現する場合、演算部(例えば、CPU)上で必要な処理を実行するプログラムを動作させる。また、熱時定数選択部11に格納される時定数マップは演算部内のメモリ、或いは、演算部とは別に設けられるメモリに格納する。
上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non−transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
実施の形態2
実施の形態2では、実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1の別の形態となるモータ温度推定装置2について説明する。そこで、実施の形態2にかかるモータ温度推定装置2のブロック図を図4に示す。
図4に示すように、実施の形態2にかかるモータ温度推定装置2は、実施の形態1のモータ温度推定装置1の熱時定数選択部11に代えて熱時定数選択部14を有する。この熱時定数選択部14は、時定数マップ15、係数切替部16、乗算器17を有する。
時定数マップ15は、モータの巻線温度が上昇しているか下降しているかに関係なく作成された時定数マップである。時定数マップ15としては、例えば、上昇時時定数マップと下降時時定数マップのいずれか一方を用いても良い。
係数切替部16は、温度変化判別部の判別結果毎に異なる大きさの係数を出力する。例えば、係数切替部16は、温度変化判別部13が温度上昇状態であることを判別結果として出力した場合、モータ23の巻線温度が上昇している時に用いられる第1の係数Kuを出力する。一方、係数切替部16は、温度変化判別部13が温度下降状態であることを判別結果として出力した場合、モータ23の巻線温度が下降している時に用いられる第2の係数Kdを出力する。本実施の形態では、第2の係数Kdの方が第1の係数Kuよりも小さな値であるものとする。
乗算器17は、時定数マップ15から出力された熱時定数τrc0と係数切替部16が出力した係数とを乗算して推定温度算出部12に出力する熱時定数τrcを出力する。
実施の形態2にかかるモータ温度推定装置2では、熱時定数選択部14を上述のような構成とすることで、モータの巻線温度が上昇している期間と、下降している期間とで、異なる大きさの熱時定数τrcに基づく推定温度Tsを算出する。
上記説明より、実施の形態2にかかるモータ温度推定装置2は、実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1と同様に、高い精度で推定温度Tsを算出することができる。また、実施の形態2にかかるモータ温度推定装置2では、準備する時定数マップを実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1よりも少なくすることができるため、実施の形態1にかかるモータ温度推定装置1よりも時定数マップの作成工程を簡略化することができる。
上記説明は、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は既に述べた実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることはいうまでもない。
上記説明では、速度指令値Nrefをモータ23を制御するシステムに与える例について説明したが、本発明は、速度指令値Nref以外の指令値に基づきモータ23を制御するシステムにも適用することができる。例えば、モータ23をトルク指令値に基づき制御する場合、速度指令値Nrefが生成されないことがあるが、このような場合においてもモータ23からロータの角度を示すロータ角度値を取得して、当該ロータ角度値からモータ23の実速度値を算出することができる。当該実速度値は。速度指令値Nrefの代替値として利用することができる。また、モータ23をロータ位置指令値に基づき制御する場合、当該ロータ位置指令値に基づき速度指令値Nrefを生成する位置制御器等を設けることで速度指令値Nrefを時定数選択部に与えることができる。
1 モータ温度推定装置
2 モータ温度推定装置
10 損失計算部
11 熱時定数選択部
12 推定温度算出部
13 温度変化判別部
14 熱時定数選択部
15 時定数マップ
16 係数切替部
17 乗算器

Claims (4)

  1. モータのトルク、回転速度及び回転角度の少なくとも1つを制御するシステムにおいて前記モータの巻線温度を推定するモータ温度推定装置であって、
    前記モータの損失を算出する損失計算部と、
    前記モータの前記巻線温度が上昇状態であるか下降状態であるかを判別する温度変化判別部と、
    前記巻線温度の熱変化率を示す熱時定数を、前記モータの速度を指示する速度指令値と、前記モータを駆動する駆動電流の大きさを指示する電流指令値と、の組み合わせに基づき決定して出力する熱時定数選択部と、
    前記熱時定数選択部から出力された熱時定数と損失計算部が出力する前記モータの損失とに基づき推定温度を算出する推定温度算出部と、を有し、
    前記熱時定数選択部は、前記温度変化判別部の判別結果が上昇状態であるか下降状態であるかに基づき、前記モータの前記巻線温度が上昇状態であるときと下降状態であるときとで出力する前記熱時定数の大きさを切り替えるモータ温度推定装置。
  2. 前記熱時定数選択部は、
    前記モータの前記巻線温度が上昇するときの熱時定数を前記速度指令値と前記電流指令値との組み合わせ毎にマッピングした第1の時定数マップと、
    前記モータの前記巻線温度が下降するときの熱時定数を前記速度指令値と前記電流指令値との組み合わせ毎にマッピングした第2の時定数マップと、を有し、
    前記温度変化判別部の判別結果に基づき、前記第1の時定数マップと前記第2の時定数マップとのいずれか一方を選択して、選択した時定数マップから出力する前記熱時定数を抽出する請求項1に記載のモータ温度推定装置。
  3. 前記熱時定数選択部は、
    前記熱時定数を前記速度指令値と前記電流指令値との組み合わせ毎にマッピングした時定数マップと、
    前記温度変化判別部の判別結果毎に異なる大きさの係数を出力する係数切替部と、
    前記時定数マップから出力された前記熱時定数と前記係数切替部が出力した前記係数とを乗算して前記推定温度算出部に出力する前記熱時定数を出力する乗算器と、を有する請求項1に記載のモータ温度推定装置。
  4. 前記温度変化判別部は、1サイクル前の電流指令値と、現サイクルの電流指令値とを比較して前記モータの巻線温度が上昇状態であるか、下降状態であるかを判定する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のモータ温度推定装置。
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