以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るサーマルプリンタ装置1を上方側から視た図である。図2は、本実施形態に係るサーマルプリンタ装置1を前方側から視た図である。図3は、本実施形態に係るサーマルプリンタ装置1を図2の矢視Aから視た図である。図4は、リボンカセット30をプリンタ本体20側から視た図である。図5は、駆動軸接続機構100を説明する斜視図である。図6は、プリンタ本体20をリボンカセット30側から視た図である。図7は、サーマルヘッド押圧機構8を示す図である。図8は、サーマルヘッド押圧機構8を示す図であって、(a)はリボンカセット30側のカセット側押圧部81を示す図であり、(b)はプリンタ本体20側のプリンタ本体側押圧部82を示す図である。図9は、サーマルヘッド押圧機構8を示す図であって、リボンカセット30側のカセット側押圧部81を示す斜視図である。
図1に示すように、熱転写印刷装置としてのサーマルプリンタ装置1は、搬送方向P1に移動される被印刷物としての包装フィルムWに印刷パターン(印刷部)(例えば、図11等参照)を印刷する。
なお、本実施形態の説明においては、包装フィルムWの移動方向を「搬送方向P1」という。また、包装フィルムWの搬送方向P1に直交する方向である幅方向を「搬送幅方向P2」という。
また、サーマルプリンタ装置1の前後方向を前後方向Y(図1における包装フィルムWの搬送幅方向P2)という。前後方向Yにおいて、前側を前側Y1といい、奥側を奥側Y2という。また、サーマルプリンタ装置1の左右方向を左右方向X(図1における包装フィルムWの搬送方向P1)という。左右方向Xにおいて、包装フィルムWの搬送方向P1の上流側(図1、図2及び図6における左側、図4における右側)を第1側X1といい、包装フィルムWの搬送方向P1の下流側(図1、図2及び図6における右側、図4における左側)を第2側X2という。また、サーマルプリンタ装置1の上下方向を上下方向Z(図1を貫く方向、図2及び図3参照)という。上下方向Zにおいて、上方側を上方側Z1といい、下方側を下方側Z2という。上下方向Zは、前後方向Y及び左右方向Xに直交する。
図1〜図3に示すように、サーマルプリンタ装置1は、2台のプリントユニット10A,10B(上流側プリントユニット10A及び下流側プリントユニット10B)(印刷ユニット)と、2台のプリントユニット10A,10Bそれぞれを移動させるプリントユニット移動機構部5A,5Bと、2台のプリントユニット10A,10Bそれぞれに対向して配置されるプラテンローラ6A,6Bと、上流側搬送ガイドローラ71と、下流側搬送ガイドローラ72と、ロータリーエンコーダ73と、マーク検出センサ74と、2台のプリントユニット10A,10B及びプリントユニット移動機構部5A,5Bを制御する制御装置9と、を備える。なお、上流側プリントユニット10A及び下流側プリントユニット10B、プリントユニット移動機構部5A,5B、プラテンローラ6A,6Bを特に区別する必要が無い場合には、単に、「プリントユニット10(印刷ユニット)」、「プリントユニット移動機構部5」、「プラテンローラ6」という。
なお、上流側搬送ガイドローラ71、下流側搬送ガイドローラ72、ロータリーエンコーダ73、マーク検出センサ74及び制御装置9は、2台のプリントユニット10A,10Bのいずれが動作する場合にも共通に使用される構成である。そのため、サーマルプリンタ装置1は、プリントユニット10を何台備える構成であっても、上流側搬送ガイドローラ71、下流側搬送ガイドローラ72、ロータリーエンコーダ73、マーク検出センサ74及び制御装置9を、1セット備える。
一方、本実施形態では、プリントユニット移動機構部5及びプラテンローラ6は、プリントユニット10A,10Bそれぞれに対応する構成である。そのため、サーマルプリンタ装置1は、プリントユニット移動機構部5及びプラテンローラ6を、複数のプリントユニット10に対応するように、プリントユニット10の台数分備える。
2台のプリントユニット10A,10Bは、図1及び図2に示すように、包装フィルムWの搬送方向P1(移動方向)に直交する搬送幅方向P2に視た場合に、包装フィルムWの搬送方向P1に並んで配置されている。プリントユニット10Aは、プリントユニット10Bよりも上流側(左右方向Xの第1側X1)に配置される。また、2台のプリントユニット10A,10Bは、搬送幅方向P2の一方側及び他方側にずれて配置される。
2台のプリントユニット10A,10Bは、それぞれ、プリントユニット移動機構部5により、包装フィルムWの搬送幅方向P2に移動可能に構成される。プリントユニット移動機構部5は、2台のプリントユニット10A,10Bそれぞれに対応して設けられる。プリントユニット移動機構部5は、ガイドレール51と、移動部材52と、駆動機構53(図2参照)と、を有する。
ガイドレール51は、図1〜図3に示すように、サーマルプリンタ装置1の前後方向Y(包装フィルムWの搬送幅方向P2)に延びる直線状に形成される。ガイドレール51の前後方向Yの奥側Y2の一端部は、サーマルプリンタ装置1の上下方向Z及び左右方向Xに延びる移動機構支持部11に取り付けられている。移動機構支持部11は、サーマルプリンタ装置1の枠体(図示せず)等に取り付けられている。ガイドレール51は、後述する移動部材52を搬送幅方向P2(前後方向Y)に移動可能に保持する。
ガイドレール51には、図2に示すように、駆動機構53が設けられている。駆動機構53は、移動部材52を、ガイドレール51に沿って、搬送幅方向P2に移動させる。駆動機構53は、例えば、ボールねじ機構やベルト機構を有して構成される。駆動機構53は、後述する制御装置9に電気的に接続されている。制御装置9は、駆動機構53の駆動を制御することで、移動部材52の移動を制御する。
移動部材52は、図1及び図2に示すように、本実施形態では、L字状に形成される。移動部材52の側部は、ガイドレール51の側部に支持される。移動部材52は、ガイドレール51に支持された状態で、搬送幅方向P2に移動可能に、駆動機構53に取り付けられている。移動部材52の下部には、プリントユニット10の上部が取り付けられている。
以上のように構成されるプリントユニット移動機構部5は、駆動機構53を駆動することで、移動部材52をガイドレール51に沿って搬送幅方向P2に移動させる。これにより、移動部材52に取り付けられたプリントユニット10を、直線的に、搬送幅方向P2に移動させる。
移動されるプリントユニット10A,10Bは、それぞれ、プリントユニット移動機構部5A,5Bにより、包装フィルムWの搬送幅方向P2に移動可能である。プリントユニット10A,10Bは、それぞれ、後述する制御装置9に制御されて、搬送幅方向P2における任意の位置に移動可能である。例えば、プリントユニット10A,10Bは、包装フィルムWの搬送方向P1に視た場合に、一部又は全部が重なる位置に移動することが可能である。
プリントユニット10について説明する。プリントユニット10は、図1に示すように、それぞれ、プリンタ本体20と、サーマルヘッド33(図4参照、後述)及び巻取ホルダ348(図4参照、後述)を備えるリボンカセット30と、を主体に構成されている。リボンカセット30は、プリンタ本体20に対して着脱可能に構成されている。つまり、本実施形態に係るプリントユニット10は、リボンカセット30(図4参照)がプリンタ本体20(図6参照)に対して着脱可能な、いわゆるカセット式の構造である。
まず、リボンカセット30について説明する。リボンカセット30は、制御装置9(後述)の制御によりプリントユニット10を前後方向Yに移動させて前側Y1(図1における搬送幅方向P2の手前側)に位置させた状態で、プリンタ本体20に対して着脱可能である。そのため、サーマルプリンタ装置1の前後方向Yの奥側Y2に配置される移動機構支持部11を邪魔とせずに、プリンタ本体20の前側Y1において、リボンカセット30を、プリンタ本体20に対して、容易に着脱することができる。
リボンカセット30は、図2に示すように、包装機(図示せず)から連続的に繰り出される被印刷物である包装フィルムWの移動と同期させながらインクリボンRを繰り出す。
リボンカセット30は、図3に示すように、カセット側ケース体31と、略矩形状のカセット側ベース板32と、を備えて構成される。
カセット側ケース体31は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、プリンタ本体20側が開口する箱状に形成される。カセット側ケース体31の前後方向Yの前側Y1の外側には、プリンタ本体20に対してリボンカセット30を着脱する際に人の手に把持される把持部311が設けられている。
カセット側ベース板32は、カセット側ケース体31の内部において、前後方向Yの前側Y1に配置される。
カセット側ベース板32の部品装着面32a側には、図4に示すように、プリントヘッドとしてのサーマルヘッド33、リボン搬送機構34、2つの着脱ガイドシャフト41,41、リボンカセット側基板としてのカセット側中継基板42、エア入力ポート43、サーマルヘッド押圧機構8におけるカセット側押圧部81が配設されている。なお、エア入力ポート43は、リボン搬送機構34のエア入力ポートシャフト431の先端部により構成されている。
サーマルヘッド33は、図4に示すように、カセット側ベース板32における上下方向Zの下方側Z2に取り付けられる(保持される)。サーマルヘッド33は、プリンタ本体20には取り付けられていない(保持されていない)。サーマルヘッド33は、先端部33aがインクリボンRに当接して配置される。サーマルヘッド33は、その先端部33aに複数の発熱素子を備える。サーマルヘッド33においては、サーマルヘッド33が通電されることにより、発熱素子が発熱する。サーマルヘッド33は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、搬送方向P1に移動される包装フィルムWに印刷パターン(印刷部)(例えば、図11等参照)を印刷する。
サーマルヘッド33は、図2に示すように、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、搬送方向P1に所定の移動速度で搬送される包装フィルムWに対向して配置される。サーマルヘッド33は、インクリボンR及び包装フィルムWを挟んで、プラテンローラ6に対向して配置される。サーマルヘッド33は、先端部33a側がプラテンローラ6側に突出するように配置される。
また、サーマルヘッド33は、包装フィルムWの搬送方向P1に直交する幅方向H(サーマルプリンタ装置1の前後方向Y、包装フィルムWの搬送幅方向P2)に延びて形成される(図7参照)。
サーマルヘッド33は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、後述するサーマルヘッド押圧機構8により、上下方向Zに移動可能に構成される。サーマルヘッド33は、サーマルヘッド押圧機構8に押圧されることで、プラテンローラ6に対して、プラテンローラ6から離間する待機位置(図2の下流側プリントユニット10B参照)又はプラテンローラ6を押圧する押圧位置(図2の上流側プリントユニット10A参照)に移動可能に構成される。なお、サーマルヘッド押圧機構8の詳細については後述する。
インクリボンRは、図2に示すように、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、サーマルヘッド33と包装フィルムWの印刷面との間に配置される。インクリボンRからは、サーマルヘッド33により包装フィルムWに印刷を行う際にインクが包装フィルムWに転写される。インクリボンRは、図4に示すように、リボン搬送機構34により搬送(移動)される。
リボン搬送機構34は、図4に示すように、原反ホルダ341と、原反シャフト342と、第1ガイドローラ343と、第2ガイドローラ344と、第3ガイドローラ345と、エア入力ポートシャフト431と、センサガイドローラ346と、テンションアーム347と、リボンホルダとしての巻取ホルダ348と、巻取回転シャフト35と、ブレーキ機構36と、を有する。
原反ホルダ341は、巻回された未使用のインクリボンRを保持する。原反ホルダ341は、カセット側ベース板32における上下方向Zの上方側Z1において、原反シャフト342を介して、カセット側ベース板32に取り付けられる(保持される)。原反シャフト342は、第1回転軸J1を中心に回転可能に、カセット側ベース板32に取り付けられる。原反ホルダ341は、原反シャフト342が第1回転軸J1を中心に回転可能に構成されるため、原反シャフト342の回転に同期して、第1回転軸J1を中心に回転する。
巻取ホルダ348には、インクリボンRが巻回される。巻取ホルダ348は、インクリボンRを巻き取る。巻取ホルダ348は、カセット側ベース板32における原反ホルダ341よりも上下方向Zの下方側Z2において、第1回転軸部としての巻取回転シャフト35を介して、カセット側ベース板32に取り付けられる(保持される)。巻取回転シャフト35は、第2回転軸J2を中心に回転可能に、カセット側ベース板32に取り付けられる。巻取ホルダ348は、巻取回転シャフト35を回転させる。巻取ホルダ348は、巻取回転シャフト35が第2回転軸J2を中心に回転可能に構成されるため、巻取回転シャフト35の回転に同期して、第2回転軸J2を中心に回転する。
巻取ホルダ348は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、プリンタ本体20側に設けられるリボン駆動モータ281(図5参照、後述)の駆動により、巻取回転シャフト35が回転駆動されることで回転する。巻取ホルダ348が回転することで、リボン搬送機構34は、サーマルヘッド33に使用されたインクリボンRを巻取ホルダ348に巻き取ると共に、原反ホルダ341に巻回された未使用のインクリボンRをサーマルヘッド33へ向けて巻き戻す。なお、リボン駆動モータ281は、プリンタ本体20に取り付けられている。
巻取回転シャフト35は、図5に示すように、支持筒351と、フランジ部352と、胴部353と、突出部354と、を有する。支持筒351、フランジ部352、胴部353及び突出部354は、この順に、第2回転軸J2を中心軸として前後方向Yの奥側Y2方向に連続して接続される。
支持筒351は、円柱状に形成され、カセット側ベース板32の部品装着面32a(図4参照)に回転可能に支持されている。フランジ部352は、支持筒351における部品装着面32aとは反対側の端部において径方向の外側に円環状に突出する。
胴部353は、円柱状に形成される。胴部353は、フランジ部352よりも小さな径で形成される。胴部353は、フランジ部352における支持筒351とは反対側から第2回転軸J2を中心軸として前後方向Yの奥側Y2方向に延びる。巻取回転シャフト35は、巻取ホルダ348(図4参照)を保持する。胴部353における第2回転軸J2のフランジ部352と反対側の端部には、端面353aが形成される。
胴部353の端面353aは、胴部353の径方向に延びる円環状の面状に形成されている。胴部353の端面353aには、第1磁石部111が設けられている。第1磁石部111には、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、駆動力伝達回転体24の接続筒部242の第2磁石部112(後述)が磁力結合により接続される。第1磁石部111及び第2磁石部112は、後述する駆動軸接続機構(接続機構)100(図5参照)の磁石接続機構110を構成する。
突出部354は、胴部353の端面353aから、第2回転軸J2を中心軸として前後方向Yの奥側Y2方向に突出して延びる。突出部354は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、駆動力伝達回転体24の接続筒部242(後述)の内部に挿入される。
突出部354は、第2回転軸J2を中心軸として前後方向Yの奥側Y2方向に延びる円柱部354aと、円柱部354aから先端側に延びる先端部354bと、を有する。先端部354bは、先端側に向かうにしたがって径が小さくなる略円錐形状に形成される。円柱部354aの外周面は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、後述する駆動軸接続機構(接続機構)100(図5参照)のワンウェイクラッチ接続機構120のクラッチ結合により、駆動力伝達回転体24の接続筒部242の内周面に接続される。
このように構成される巻取回転シャフト35は、後述する駆動軸接続機構(接続機構)100(図5参照)により、プリンタ本体20に設けられた駆動力伝達回転体24(第2回転軸部)に接続される。駆動軸接続機構100の詳細については後述する。
複数のガイドローラ343,344,345,346は、図4に示すように、それぞれ所定直径及び所定長さの円柱状で、カセット側ベース板32の部品装着面32aから立ち上がる姿勢で、ベアリング(図示せず)を介して回転自在に装着されている。
第1ガイドローラ343は、原反ホルダ341よりも下方側Z2で、且つ、原反ホルダ341よりも第1側X1に配置されている。
第2ガイドローラ344は、第1ガイドローラ343よりも上方側Z1で、且つ、左右方向Xにおける原反ホルダ341と第1ガイドローラ343との間に配置されている。第2ガイドローラ344は、原反ホルダ341に対して揺動可能に、カセット側ベース板32に支持されており、後述するテンションアーム347により原反シャフト342の回転中心である第1回転軸J1を中心に揺動可能に付勢されている。
第3ガイドローラ345は、第2ガイドローラ344よりも下方側Z2で、且つ、第2ガイドローラ344及び第1ガイドローラ343よりも第1側X1に配置されている。
エア入力ポートシャフト431は、カセット側ベース板32における上下方向Zの下方側Z2の端部側及び左右方向Xの第1側X1の端部側の角部に配置されている。エア入力ポートシャフト431は、インクリボンRをガイドする。
エア入力ポートシャフト431の先端部には、エア入力ポート43(エア入力部)が形成されている。エア入力ポート43は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、プリンタ本体20に設けられたエア出力ポート26(エア出力部)が接続される。エア入力ポート43は、後述するサーマルヘッド押圧機構8のカセット側押圧部81のカセット側エアシリンダ用エア入力機構部80の一部を構成する。エア入力ポート43を介してリボンカセット30に供給されたエアは、サーマルヘッド押圧機構8のカセット側押圧部81に供給される。
なお、カセット側エアシリンダ用エア入力機構部80は、リボンカセット30側に配置される後述するカセット側エアシリンダ814(第1エア駆動部)に、プリンタ本体20側からエアを入力するために、プリンタ本体20及びリボンカセット30のエア供給路を接続する機構である。後述するように、カセット側エアシリンダ用エア入力機構部80は、図8に示すように、プリンタ本体20側に配置されるエア出力ポート26と、リボンカセット30側に配置されるエア入力ポート43と、を有する。カセット側エアシリンダ用エア入力機構部80のプリンタ本体20側に配置されるエア出力ポート26のエアの入力側には、プリンタ本体20に設けられるソレノイドバルブ(図示せず)において分岐されたエアが供給される。なお、後述するプリンタ本体側エアシリンダ824(第2エア駆動部)にエアを供給するプリンタ本体側エアシリンダ用エア入力機構部(図示せず)にも、プリンタ本体20に設けられるソレノイドバルブ(図示せず)において分岐されたエアが供給される。
センサガイドローラ346は、インクリボンRをガイドすると共に、インクリボンRの移動量に応じて回転するローラである。センサガイドローラ346は、カセット側ベース板32における上下方向Zの下方側Z2の端部側であって、左右方向Xの第2側X2の端部側に配置されている。
センサガイドローラ346の先端面346aには、カセット側センサ磁石部346bが設けられている。センサガイドローラ346は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、プリンタ本体20に取り付けられたセンサ検出シャフト25のプリンタ本体側センサ磁石部25b(図6参照)に磁力結合により結合される。
以上のように構成される第1ガイドローラ343、第2ガイドローラ344、第3ガイドローラ345、エア入力ポートシャフト431及びセンサガイドローラ346は、原反ホルダ341から巻取ホルダ348に向かって搬送されるインクリボンRをガイドし、又は、巻取ホルダ348から原反ホルダ341に向かって搬送されるインクリボンRをガイドする。
テンションアーム347は、第2ガイドローラ344を、原反ホルダ341の第1回転軸J1を中心に回転方向C1(図4における反時計回り)側に付勢して、第2ガイドローラ344を揺動可能に付勢して支持する。テンションアーム347の一端部は、原反ホルダ341の回転中心である第1回転軸J1を中心に揺動可能に支持される。テンションアーム347の他端部には、第2ガイドローラ344が取り付けられる。テンションアーム347は、第2ガイドローラ344を揺動可能に付勢することで、インクリボンRの張力を調整する。
ブレーキ機構36は、原反ホルダ341からのインクリボンRの繰り出しを規制する。ブレーキ機構36は、ブレーキアーム361と、ブレーキアーム361を付勢するブレーキスプリング362と、支持ブロック363と、を備えて構成されている。
ブレーキアーム361は、所定厚さの板状であって所定幅で所定長さに形成されている。ブレーキアーム361は、長手方向の略中央において、揺動軸J3を中心に揺動可能に、カセット側ベース板32に支持される。ブレーキアーム361の上端部は、原反ホルダ341に当接する。ブレーキアーム361の上端部には、摩擦係数が大きく耐摩耗性の高い素材によって形成された板状の原反ストッパ部としてのブレーキパッドが装着されている。
支持ブロック363は、原反ホルダ341の下方側Z2に配置される。支持ブロック363は、カセット側ベース板32に固定される。
ブレーキスプリング362は、支持ブロック363とブレーキアーム361との間に配置される。ブレーキスプリング362は、ブレーキアーム361を回転方向C3に付勢する。
上記のブレーキ機構36は、ブレーキアーム361に外力が作用しない状態では、ブレーキスプリング362におけるブレーキアーム361を回転方向C3に付勢する付勢力で、原反ホルダ341の回転を規制する。そして、ブレーキスプリング362の付勢力に抗してブレーキアーム361が回転方向C4に揺動操作されると、原反ホルダ341の回転規制が解除(ブレーキ解除)される。
上記のようなテンションアーム347及びブレーキ機構36の構成により、ブレーキ機構36のブレーキ操作によって原反ホルダ341からのインクリボンRの繰り出しが規制された状態で、インクリボンRが巻取ホルダ348側に引っ張られると、インクリボンRによってテンションアーム347が回転方向C2(図4における時計回り)側に揺動操作され、揺動するテンションアーム347によってブレーキ解除操作が行われる。
2つの着脱ガイドシャフト41,41は、カセット側ベース板32における上下方向Zの上方側Z1の端部側において、左右方向Xの両端部に配置される。
2つの着脱ガイドシャフト41,41は、リボンカセット30がプリンタ本体20に着脱される際に、プリンタ本体20に配置された一対のガイドシャフト挿入穴27,27(図6参照)にガイドされながら挿入される。
カセット側中継基板42は、カセット側ベース板32における左右方向Xの第1側X1側の端部に配置される。カセット側中継基板42は、接続ケーブル42aを介して、サーマルヘッド33に電気的に接続される。カセット側中継基板42は、複数の第2接点部421を有する。
複数の第2接点部421は、それぞれ、平面状の電極により形成され、且つ、表面の形状が円形状に形成される。カセット側中継基板42の複数の第2接点部421は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、本体側中継基板23(後述)の複数の第1接点部231に接触することで、複数の第1接点部231に電気的に接続される。
なお、本実施形態においては、カセット側中継基板42の複数の第2接点部421及び本体側中継基板23(後述)の複数の第1接点部231は、サーマルヘッド33への電源入力用の端子やサーマルヘッド33の各種信号用の接続に用いられる端子である。
カセット側押圧部81は、リボンカセット30側に配置される。カセット側押圧部81は、サーマルヘッド押圧機構8の一部を構成する。サーマルヘッド押圧機構8は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、印刷時に、リボンカセット30側において、サーマルヘッド33を下方側Z2に押圧して、サーマルヘッド33をインクリボンR側に押圧する機構である。サーマルヘッド押圧機構8の詳細については後述する。
次に、プリンタ本体20について説明する。図3に示すように、プリンタ本体20は、本体側ケース体21と、本体側ベース板22と、を備えて構成されている。本体側ケース体21は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、リボンカセット30側が開口する箱状に形成される。本体側ベース板22は、本体側ケース体21の内部において、前後方向Yの略中央に配置される。
本体側ベース板22は、板状に形成され、図6に示すように、方形状切欠部22aと、第1開口22bと、第2開口22cと、第3開口22dと、を有する。
方形状切欠部22aは、本体側ベース板22における上下方向Zの下方側Z2の端部から上方側Z1に向かって長方形状に切り欠かれて形成される。
第1開口22bは、本体側ベース板22における方形状切欠部22aの上方側Z1において円形状に開口する。
第2開口22cは、本体側ベース板22における方形状切欠部22aの第2側X2において、円形状に開口する。
第3開口22dは、本体側ベース板22における下方側Z2の端部側で且つ第1側X1の端部側において、円形状に開口する。
本体側ベース板22の一面221(リボンカセット30側の面)には、本体側中継基板23(本体側基板)が取り付けられている。
本体側ベース板22の一面221とは反対側の他面(リボンカセット30と反対側の面)側には、図6に示すように、第1開口22bを介して一面221側に露出される駆動力伝達回転体24(第2回転軸部)と、第2開口22cを介して一面221側に露出されるセンサ検出シャフト25と、第3開口22dを介して一面221側に露出されるエア出力ポート26(エア出力部)と、方形状切欠部22aを介して一面221側に露出されるサーマルヘッド押圧機構8のプリンタ本体側押圧部82と、が配置されている。
本体側中継基板23は、制御装置9に電気的に接続される。本体側中継基板23は、複数の第1接点部231を有する。複数の第1接点部231は、それぞれ、本体側中継基板23から突出するピン状に形成され、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、カセット側中継基板42の複数の第2接点部421と接触する際に、不図示の付勢スプリング(付勢部)により、複数の第2接点部421に向けて付勢力を発現する。これにより、本体側中継基板23の複数の第1接点部231とカセット側中継基板42の複数の第2接点部421とは、接触状態が確保された状態で電気的に接続される。
一対のガイドシャフト挿入穴27,27は、本体側ベース板22における上下方向Zの上方側Z1側の端部側において、左右方向Xの両端部に配置される。一対のガイドシャフト挿入穴27,27は、プリンタ本体20の本体側ベース板22の厚さ方向に延びる筒状に形成される。一対のガイドシャフト挿入穴27,27は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着される際に、リボンカセット30側に設けられた2つの着脱ガイドシャフト41,41が挿入される。一対のガイドシャフト挿入穴27,27に2つの着脱ガイドシャフト41,41が挿入されることで、プリンタ本体20にリボンカセット30が取り付けられると共に、プリンタ本体20に対するリボンカセット30の位置が位置決めされる。
エア出力ポート26は、本体側ベース板22における上下方向Zの下方側Z2の端部側であって、左右方向Xの第1側X1の端部側において、本体側ベース板22の第3開口22dを介して、本体側ベース板22の一面221側に露出している。
エア出力ポート26は、プリンタ本体20の外部にエアを出力する。エア出力ポート26は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、リボンカセット30側に設けられるエア入力ポート43に接続される。エア出力ポート26は、後述するサーマルヘッド押圧機構8のカセット側押圧部81のカセット側エアシリンダ用エア入力機構部80の一部を構成する。
プリンタ本体側押圧部82は、図6に示すように、プリンタ本体20側に配置される。プリンタ本体側押圧部82は、サーマルヘッド押圧機構8の一部を構成する。サーマルヘッド押圧機構8のプリンタ本体側押圧部82は、図6に示すように、方形状切欠部22aを介して、本体側ベース板22の一面221側に露出する。プリンタ本体側押圧部82は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、サーマルヘッド33における印刷時に、プリンタ本体20側において、サーマルヘッド33を下方側Z2(インクリボンR側)に押圧する機構である。サーマルヘッド押圧機構8の詳細については後述する。
センサ検出シャフト25は、センサ検出シャフト25の回転数を検知する。センサ検出シャフト25の先端面25aには、プリンタ本体側センサ磁石部25bが設けられている。プリンタ本体側センサ磁石部25bは、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、リボンカセット30に取り付けられたセンサガイドローラ346のカセット側センサ磁石部346bに、磁力結合により結合される。これにより、センサ検出シャフト25は、センサガイドローラ346に接続される。
プリンタ本体20側に設けられたセンサ検出シャフト25のプリンタ本体側センサ磁石部25bと、リボンカセット30に設けられたセンサガイドローラ346のカセット側センサ磁石部346bとは、磁力結合により接続される。そのため、センサガイドローラ346とセンサ検出シャフト25とが係合や嵌合で接続される場合よりも、接続部分の損傷や劣化を低減できる。また、磁石結合で接合されるため、簡単に、センサガイドローラ346とセンサ検出シャフト25とを接続できる。
リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、センサガイドローラ346に接続されているため、センサガイドローラ346がインクリボンRの移動により回転すると、センサ検出シャフト25は、連動して回転する。これにより、センサ検出シャフト25は、センサ検出シャフト25の回転数を検知して、センサ検出シャフト25の回転数に関する信号を制御装置9に送信する。制御装置9に送信されたセンサ検出シャフト25の回転数により、制御装置9は、インクリボンRの移動量を算出して、原反ホルダ341に巻回されたインクリボンRの残量を算出する。
駆動力伝達回転体24は、プリンタ本体20側に設けられ、リボン駆動用駆動力発生部28(後述)により発生された駆動力を、プリンタ本体20側からリボンカセット30側に伝達する。駆動力伝達回転体24は、図6に示すように、第1開口22bを介して、本体側ベース板22の一面221側に露出している。駆動力伝達回転体24は、図5に示すように、伝達軸部241と、接続筒部242と、を有する。伝達軸部241及び接続筒部242は、第2回転軸J2を中心軸として前後方向Yに接続される。
伝達軸部241は、図5に示すように、第2回転軸J2を中心軸として前後方向Yに延びる。伝達軸部241の基端は、リボン駆動用駆動力発生部28に接続されている。伝達軸部241の先端は、接続筒部242の端面に接続される。
接続筒部242は、第2回転軸J2を中心軸として前後方向Yに延びる円筒状に形成され、伝達軸部241の先端側の端部に接続されている。接続筒部242における第2回転軸J2を中心軸として前後方向Yの伝達軸部241とは反対側の端面242aは、本体側ベース板22の第1開口22b(図6参照)を介して、本体側ベース板22の一面221側に露出している。
接続筒部242の端面242aは、接続筒部242の径方向に延びる円環状の面状に形成されている。接続筒部242の端面242aには、第2磁石部112が設けられている。第2磁石部112には、後述する駆動軸接続機構(接続機構)100(図5参照)の磁石接続機構110により、巻取回転シャフト35の胴部353の第1磁石部111が磁石結合により接続される。
接続筒部242の内周面には、駆動軸接続機構100のワンウェイクラッチ接続機構120のワンウェイクラッチ121が設けられている。接続筒部242の内周面には、後述する駆動軸接続機構(接続機構)100(図5参照)のワンウェイクラッチ接続機構120により、ワンウェイクラッチ121を介して、巻取回転シャフト35の突出部354の円柱部354aが接続される。
このように構成される駆動力伝達回転体24(第2回転軸部)は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、後述する駆動軸接続機構(接続機構)100(図5参照)により、リボンカセット30に設けられた巻取回転シャフト35(第1回転軸部)に接続される。駆動軸接続機構100の詳細については後述する。
リボン駆動用駆動力発生部28は、プリンタ本体20に設けられる。リボン駆動用駆動力発生部28は、駆動力伝達回転体24を回転駆動させるための回転駆動力を発生させて、伝達軸部241に回転駆動力を伝達する。リボン駆動用駆動力発生部28は、図5に示すように、リボン駆動モータ281と、第1プーリ282と、第2プーリ283と、伝達ベルト284と、を有する。
第1プーリ282は、リボン駆動モータ281の回転軸部材281aに接続されている。第2プーリ283の回転軸の中心には、駆動力伝達回転体24の伝達軸部241が接続されている。伝達ベルト284は、第1プーリ282と第2プーリ283とに掛け渡されている。
リボン駆動モータ281は、回転駆動力を発生させる。リボン駆動モータ281により発生された回転駆動力は、第1プーリ282、伝達ベルト284及び第2プーリ283を介して、駆動力伝達回転体24の伝達軸部241に伝達される。
リボン駆動モータ281は、第1プーリ282、伝達ベルト284及び第2プーリ283を介して、駆動力伝達回転体24を回転駆動することで、駆動力伝達回転体24に接続される巻取ホルダ348を、インクリボンRを巻き戻す方向及びインクリボンRを巻き取る方向との両方の方向に回転駆動する。リボン駆動モータ281は、インクリボンRを、包装機等により連続的に移動される包装フィルムWと同じ移動速度になるように、サーマルヘッド33へ向けて搬送する。リボン駆動モータ281は、後述する制御装置9により制御される。
図1〜図3に示すように、上流側プラテンローラ6A、下流側プラテンローラ6B、上流側搬送ガイドローラ71及び下流側搬送ガイドローラ72は、プリントユニット10A,10Bの下方に配置される。上流側プラテンローラ6A、下流側プラテンローラ6B、上流側搬送ガイドローラ71及び下流側搬送ガイドローラ72は、包装フィルムWの搬送方向P1への移動をガイドする。
プラテンローラ6は、プラテンローラ6とサーマルヘッド33との間に包装フィルムWを配置した状態で、包装フィルムWの少なくとも一部を周面に巻き掛けながら回転可能である。上流側プラテンローラ6A及び下流側プラテンローラ6Bは、それぞれ、所定径の金属製芯金の周面にシリコーンゴム等の所定の弾性を有する素材による弾性層が形成され、所定外径の円柱状に形成されたローラである。
ロータリーエンコーダ73は、本実施形態では、包装フィルムWを挟んで、上流側プラテンローラ6Aに対向して配置される。ロータリーエンコーダ73は、包装フィルムWが移動することにより回転して、包装フィルムWの移動量を回転量として検出して、パルス信号として出力する。これにより、制御装置9(後述)は、基準位置からの包装フィルムWの搬送方向P1の位置を算出する。基準位置は、例えば、包装フィルムW上において所定間隔ごとに印刷された複数のマークM(図3、図11参照)などである。
上流側搬送ガイドローラ71は、包装フィルムWの搬送方向P1において、上流側プラテンローラ6Aの上流側に配置されている。下流側搬送ガイドローラ72は、包装フィルムWの搬送方向P1において、下流側プラテンローラ6Bの下流側に配置されている。
マーク検出センサ74は、上流側搬送ガイドローラ71の上流側において、包装フィルムWの移動経路上に配置されている。マーク検出センサ74は、包装フィルムW上において所定間隔ごとに印刷された複数のマークM(基準位置)を検知した場合に、マークMを検出したことを示す検出信号を出力する。マーク検出センサ74から出力されたマークMを検出した検出信号は、制御装置9(後述)に入力される。
次に、サーマルヘッド押圧機構8について説明する。
サーマルヘッド押圧機構8は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、サーマルヘッド33を下方側Z2(インクリボンR側)に向けて押圧可能である。サーマルヘッド押圧機構8は、図7〜図9に示すように、カセット側押圧部81(第1押圧部)と、プリンタ本体側押圧部82(第2押圧部)と、を備える。
カセット側押圧部81について説明する。
カセット側押圧部81(第1押圧部)は、リボンカセット30側においてサーマルヘッド33の幅方向H(サーマルプリンタ装置1の前後方向Y)の一端部側H1(前側Y1)を押圧する。
カセット側押圧部81は、図7〜図9に示すように、ヘッドブラケット811と、カセット側ヘッド押圧部材812と、カセット側スライド部材813と、カセット側エアシリンダ814(第1エア駆動部)と、カセット側エアシリンダ用エア入力機構部80と、を有する。ヘッドブラケット811、カセット側ヘッド押圧部材812、カセット側スライド部材813、カセット側エアシリンダ814、及びカセット側エアシリンダ用エア入力機構部80のエア入力ポート43(後述)は、リボンカセット30に設けられる。なお、カセット側エアシリンダ用エア入力機構部80のエア出力ポート26(後述)は、プリンタ本体に設けられる。
ヘッドブラケット811には、サーマルヘッド33が取り付けられている。本実施形態においては、サーマルヘッド33は、幅方向H(サーマルプリンタ装置1の前後方向Y)に延びて形成され、先端部33aが下方側に位置するように傾斜した状態で、ヘッドブラケット811に取り付けられている。
カセット側ヘッド押圧部材812は、サーマルヘッド33の幅方向H(サーマルプリンタ装置1の前後方向Y)に延びて形成される。カセット側ヘッド押圧部材812には、ヘッドブラケット811を介してサーマルヘッド33が取り付けられている。カセット側ヘッド押圧部材812の前後方向Yの前側Y1の端部は、カセット側スライド部材813に接続されている。
カセット側エアシリンダ814は、リボンカセット30に設けられる。カセット側エアシリンダ814は、カセット側エアシリンダ用エア入力機構部80のエア入力ポート43(後述)から入力されたエアにより駆動される。
カセット側エアシリンダ用エア入力機構部80は、リボンカセット30側に配置されるカセット側エアシリンダ814(第1エア駆動部)に、プリンタ本体20側からエアを入力するために、プリンタ本体20及びリボンカセット30のエア供給路を接続する機構である。カセット側エアシリンダ用エア入力機構部80は、図8に示すように、プリンタ本体20側に配置されるエア出力ポート26と、リボンカセット30側に配置されるエア入力ポート43と、を有する。
エア出力ポート26は、プリンタ本体20に設けられる。エア出力ポート26は、プリンタ本体20の外部にエアを出力する。
エア入力ポート43は、リボンカセット30に設けられる。エア入力ポート43は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合にエア出力部26に接続される。エア入力ポート43は、リボンカセット30にエアを入力する。
以上のカセット側エアシリンダ用エア入力機構部80においては、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、リボンカセット30に設けられるエア入力ポート43と、プリンタ本体20に設けられるエア出力ポート26と、が接続される。この接続された状態で、エア出力ポート26から出力されたエアは、エア入力ポート43を介して、リボンカセット30に供給される。リボンカセット30に供給されたエアにより、カセット側エアシリンダ814が駆動される。
カセット側スライド部材813は、カセット側エアシリンダ814に接続される。カセット側スライド部材813は、カセット側エアシリンダ814により、上下方向Zに移動可能である。これにより、カセット側エアシリンダ814が動作することで、カセット側スライド部材813が上下方向Zに移動する。カセット側スライド部材813が下方側Z2に移動することで、カセット側ヘッド押圧部材812及びヘッドブラケット811を介して、サーマルヘッド33は、下方側Z2に押圧される。なお、カセット側スライド部材813は、不図示の付勢部材により、上方側に向けて付勢されている。
カセット側スライド部材813には、カセット側ヘッド押圧部材812の前後方向Yの前側Y1の端部が接続されている。そのため、カセット側スライド部材813は、カセット側ヘッド押圧部材812の前後方向Yの前側Y1の端部側において、サーマルヘッド33の幅方向H(サーマルプリンタ装置1の前後方向Y)の一端部側H1(前側Y1)を、リボンカセット30側において押圧する。
プリンタ本体側押圧部82について説明する。
プリンタ本体側押圧部82(第2押圧部)は、プリンタ本体20側においてサーマルヘッド33の幅方向H(サーマルプリンタ装置1の前後方向Y)の他端部側H2(奥側Y2)を押圧する。
プリンタ本体側押圧部82は、図7及び図8に示すように、プリンタ本体側ヘッド押圧部材822と、プリンタ本体側スライド部材823と、プリンタ本体側エアシリンダ824(第2エア駆動部)と、プリンタ本体側エアシリンダ用エア入力機構部(図示せず)と、を有する。プリンタ本体側ヘッド押圧部材822、プリンタ本体側スライド部材823、プリンタ本体側エアシリンダ824及びプリンタ本体側エアシリンダ用エア入力機構部(図示せず)は、プリンタ本体20に設けられる。プリンタ本体側エアシリンダ用エア入力機構部(図示せず)には、前述した通り、プリンタ本体20に設けられるソレノイドバルブ(図示せず)において分岐されたエアが供給される。
プリンタ本体側ヘッド押圧部材822は、プリンタ本体側スライド部材823に接続されている。プリンタ本体側ヘッド押圧部材822は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、リボンカセット30側に突出して形成される。プリンタ本体側ヘッド押圧部材822は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、カセット側ヘッド押圧部材812の前後方向Yの奥側Y2の端部を押圧するように構成される。
プリンタ本体側エアシリンダ824は、プリンタ本体20に設けられる。プリンタ本体側エアシリンダ824は、プリンタ本体側エアシリンダ用エア入力機構部(図示せず)から供給されたエアにより駆動する。
プリンタ本体側スライド部材823は、プリンタ本体側エアシリンダ824に接続される。プリンタ本体側スライド部材823は、プリンタ本体側エアシリンダ824により、上下方向Zに移動可能である。これにより、プリンタ本体側エアシリンダ824が動作することで、プリンタ本体側スライド部材823が上下方向Zに移動し、プリンタ本体側ヘッド押圧部材822が下方側Z2に移動する。そして、ヘッドブラケット811を介して、サーマルヘッド33の前後方向Yの奥側Y2の端部は、下方側Z2に押圧される。なお、プリンタ本体側スライド部材823は、不図示の付勢部材により、上方側に向けて付勢されている。
プリンタ本体側スライド部材823は、プリンタ本体側ヘッド押圧部材822がカセット側ヘッド押圧部材812の他方側(前後方向Yの奥側Y2)の端部を押圧するため、サーマルヘッド33の幅方向H(サーマルプリンタ装置1の前後方向Y)の他端部側H2(奥側Y2)をプリンタ本体20側において押圧する。
以上のように構成されるサーマルヘッド押圧機構8は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、カセット側押圧部81とプリンタ本体側押圧部82とにより、リボンカセット30に設けられたサーマルヘッド33を下方側Z2に押圧して、サーマルヘッド33をインクリボンR側に押圧することができる。ここでは、サーマルヘッド33の幅方向H(サーマルプリンタ装置1の前後方向Y)の中央において、巻取ホルダ348(図4参照)を配置するスペースを確保しつつ、サーマルヘッド33の幅方向H(サーマルプリンタ装置1の前後方向Y)の両側H1,H2(前側Y1及び奥側Y2)において、サーマルヘッド33は押圧される。これにより、サーマルヘッド33を幅方向H(サーマルプリンタ装置1の前後方向Y)において均等に下方に押圧できる。
次に、駆動軸接続機構100について説明する。
駆動軸接続機構100は、図5に示すように、巻取回転シャフト35と駆動力伝達回転体24とを接続する。駆動軸接続機構100は、磁石接続機構110と、ワンウェイクラッチ接続機構120と、を有する。
ワンウェイクラッチ接続機構120は、図5に示すように、ワンウェイクラッチ121を有する。ワンウェイクラッチ121は、駆動力伝達回転体24(第2回転軸部)の接続筒部242の内周面に設けられている。ワンウェイクラッチ121は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、巻取回転シャフト35の突出部354が駆動力伝達回転体24の接続筒部242の内部に挿入されることで、巻取回転シャフト35(第1回転軸部)の突出部354と駆動力伝達回転体24(第2回転軸部)の接続筒部242の内周面との間に配置される。
ワンウェイクラッチ121は、駆動力伝達回転体24が第1回転方向D1に回転する場合に、駆動力伝達回転体24と巻取回転シャフト35とがクラッチ結合により結合する結合状態となり、駆動力伝達回転体24が第1回転方向D1とは反対の回転方向である第2回転方向D2に回転する場合に、駆動力伝達回転体24と巻取回転シャフト35とが結合しない非結合状態となる。
磁石接続機構110は、図5に示すように、巻取回転シャフト35に設けられる第1磁石部111と、駆動力伝達回転体24に設けられる第2磁石部112と、を有する。
第1磁石部111は、巻取回転シャフト35の胴部353の端面353aに設けられる。第1磁石部111は、本実施形態においては、表面が円形状の複数の永久磁石片111aにより構成される。複数の円形状の永久磁石片111aは、N極及びS極が交互になるように、胴部353の端面353aに、円環状に並んで埋め込まれている。
第2磁石部112は、駆動力伝達回転体24の接続筒部242の端面242aに設けられる。第2磁石部112は、本実施形態においては、表面が円形状の複数の永久磁石片112aにより構成される。第2磁石部112の複数の円形状の永久磁石片112aは、第1磁石部111に吸着するように、第1磁石部111における円形状の永久磁石片111aの間隔と同じ間隔で、N極及びS極が交互になるように、接続筒部242の端面242aに、円環状に並んで埋め込まれている。第2磁石部112は、リボンカセット30がプリンタ本体20に装着された場合に、第1磁石部111と磁力結合により結合される。
第1磁石部111及び第2磁石部112に用いられる永久磁石としては、例えば、アルニコ磁石、フェライト磁石、ネオジム磁石などが挙げられる。本実施形態においては、例えば、永久磁石として、磁力による吸着力を充分に得やすい点でネオジウム磁石を使用している。なお、永久磁石は、これに限定されない。
以上のように構成される磁石接続機構110は、巻取回転シャフト35と駆動力伝達回転体24との接続状態において、第1磁石部111及び第2磁石部112による磁力結合により結合されることにより、駆動力伝達回転体24が第1回転方向D1又は第2回転方向D2に回転する場合に、巻取回転シャフト35が第1回転方向D1又は第2回転方向D2に回転可能である。また、第1磁石部111と第2磁石部112とは、巻取回転シャフト35と駆動力伝達回転体24との間に、磁力による吸着の限界を超えるような一定の相対的な回転力が作用した場合に、磁力結合が外れて離れる。
以上のワンウェイクラッチ接続機構120及び磁石接続機構110において、ワンウェイクラッチ接続機構120のクラッチ結合は、磁石接続機構110の磁力結合の結合力よりも大きい。
ここで、ワンウェイクラッチ接続機構120(ワンウェイクラッチ121)のクラッチ結合は、一方向に回転した場合のクラッチ結合時に、例えば、機械的に噛み合う構造である。そのため、クラッチ結合は、強固な結合状態である。また、他方向に回転した場合に非結合状態となる。
一方、磁石接続機構110は、磁力結合であるため、磁力結合の限界を超えない回転力が作用した場合には、磁力結合で結合し、磁力結合の限界を超えるような回転力が作用した場合には、結合状態は解除される。
以上のように構成される駆動軸接続機構100において、駆動力伝達回転体24が第1回転方向D1に回転する場合と、駆動力伝達回転体24が第2回転方向D2に回転する場合について説明する。
本実施形態においては、第1回転方向D1は、図4において矢印D1で示すように、巻取回転シャフト35の回転方向において、サーマルヘッド33が包装フィルムWに印刷パターンを印刷する際に、巻取ホルダ348からインクリボンRが繰り出される回転方向(正回転方向)である。
駆動力伝達回転体24が第1回転方向D1に回転する場合には、磁石接続機構110において第1磁石部111と第2磁石部112とが磁力結合した状態で、且つ、ワンウェイクラッチ接続機構120によりクラッチ結合の結合状態となる。この状態においては、ワンウェイクラッチ接続機構120によりクラッチ結合の結合状態となっているため、駆動力伝達回転体24と巻取回転シャフト35とは、強固に接続されている状態である。
第1回転方向D1においては、サーマルヘッド33が下がってインクリボンR及びプラテンローラを押圧しているため、強い回転トルクを伝達できることが必要である。そのため、第1回転方向D1においては、ワンウェイクラッチ接続機構120によるクラッチ結合で結合させることで、強い回転トルクを伝達させる。
一方、第2回転方向D2は、図4において矢印D2で示すように、巻取回転シャフト35の回転方向において、インクリボンRが巻き戻される方向(逆回転方向)である。例えば、第2回転方向D2に巻取回転シャフト35を回転させる場合としては、サーマルヘッド33における印刷後にインクリボンRの無駄な消費を低減するためにインクリボンRを巻き戻す場合がある。
駆動力伝達回転体24が第2回転方向D2に回転する場合には、磁石接続機構110において第1磁石部111と第2磁石部112とが磁力結合した状態で、且つ、ワンウェイクラッチ接続機構120においてワンウェイクラッチ121が非結合状態であり、第1磁石部111と第2磁石部112との磁力結合のみで接続された状態となる。この状態においては、第1磁石部111と第2磁石部112との磁力結合のみで接続されている。また、巻取回転シャフト35と駆動力伝達回転体24との間に、磁力結合の限界を超えるような一定の相対的な回転トルクが作用した場合には、磁力結合が外れて、第1磁石部111と第2磁石部112とは離れる。
ここで、仮に、巻取回転シャフト35と駆動力伝達回転体24との接続状態における第1回転方向D1及び第2回転方向D2の両方がクラッチ結合の場合には、駆動力伝達回転体24と巻取回転シャフト35とが強固に噛み合って外れなくなることがある。これに対して、本実施形態においては、駆動力伝達回転体24が第1回転方向D1に回転する場合は、クラッチ結合であり、且つ、駆動力伝達回転体24が第2回転方向D2に回転する場合には、磁石結合である。これにより、第1回転方向D1と第2回転方向D2とにおいて結合力に差を設けることで、第1回転方向D1及び第2回転方向D2の両方の回転方向において巻取回転シャフト35と駆動力伝達回転体24とが強固に噛み合うことが抑制される。よって、リボンカセット30を、プリンタ本体20から取り外す際に、巻取回転シャフト35と駆動力伝達回転体24との接続状態における第1回転方向D1及び第2回転方向D2の両方がクラッチ結合である場合よりも、駆動力伝達回転体24から、巻取回転シャフト35を容易に取り外すことができる。更に、第1回転方向D1及び第2回転方向D2の両方の回転方向において巻取回転シャフト35と駆動力伝達回転体24とが強固に噛み合うことが抑制されるため、駆動力伝達回転体24から巻取回転シャフト35を取り外す際に、巻取回転シャフト35を容易に着脱することができる。
次に、制御装置9について説明する。制御装置9は、プリントユニット10A,10B、駆動機構53に電気的に接続されている。制御装置9は、複数のプリントユニット10A,10Bを統括して制御する。
制御装置9は、複数のプリントユニット10A,10Bのそれぞれを搬送幅方向P2に移動させるように、駆動機構53の駆動を制御する。制御装置9は、プリントユニット10A,10Bそれぞれに設けられたサーマルヘッド33を制御し、インクリボンRの移動を制御する。
(制御例)
本実施形態のサーマルプリンタ装置1の制御例について説明する。図10(a)は、第1制御例〜第4制御例を実行する場合の2台のプリントユニット10A,10Bの位置関係を示す図であり、図10(b)は、第5制御例を実行する場合の2台のプリントユニット10A,10Bの位置関係を示す図である。図11は、第1制御例により印刷された印刷内容を示す図である。図12(a)は第2制御例により印刷された印刷内容を示す図であり、図12(b)は第3制御例により印刷された印刷内容を示す図であり、図12(c)は第4制御例により印刷された印刷内容を示す図である。図13は、第5制御例により印刷された印刷内容を示す図である。
例えば、制御装置9は、図10(a)に示すような、プリントユニット10A,10Bを包装フィルムWの搬送方向(移動方向)P1に並べて配置した位置や、図10(b)に示すような、プリントユニット10A,10Bを搬送幅方向P2の全域をカバーするように搬送幅方向P2にずれた位置に移動するように制御する。また、制御装置9は、包装フィルムWに印刷パターンを印刷するように、プリントユニット10A,10Bを制御する。また、制御装置9は、プリントユニット10A,10Bを、図10(a)の位置から図10(b)の位置へ移動させたり、図10(b)の位置から図10(a)の位置へ移動させることも可能である。
2台のプリントユニット10A,10Bの位置は、例えば、以下の制御例1〜制御例5について、次のような位置である。
制御例1〜制御例4においては、図10(a)に示すように、プリントユニット10A,10Bを、例えば、包装フィルムWの搬送幅方向P2の一方側に寄せた状態で、搬送方向P1に並べて配置する。これにより、プリントユニット10A,10Bの搬送幅方向P2における印刷領域は、搬送方向P1に視た場合に、同じ範囲となる。
制御例5においては、図10(b)に示すように、プリントユニット10A,10Bを、例えば、包装フィルムWの搬送幅方向P2の一方側及び他方側に位置させる。これにより、プリントユニット10A,10Bの搬送幅方向P2の全域を印刷領域とすることができる。
(制御例1)
制御例1は、例えば、包装フィルムWにより食品などの製品を包装する製造ライン(包装ライン)において、製造ラインの一部に本発明のサーマルプリンタ装置1が組み込まれている場合において、包装フィルムWの搬送を停止させない制御を行う制御例である。
例えば、製造ラインにおいては、食品などの製品の生産個数を減らさないために、製造ラインを停止させないことが重要となる。そのため、制御例1は、食品などの製品の製造ラインを停止させないように制御する制御例である。
制御例1においては、プリントユニット10A,10Bを搬送方向P1に並べて配置した状態で(図10(a)参照)、プリントユニット10A,10Bのいずれか一方により印刷動作を実行する。印刷動作を実行しないプリントユニット10は、印刷動作を実行しているプリントユニット10の予備として待機させる。
ここで、印刷動作を実行しているプリントユニット10Aにおいて、例えば、インクリボンRが終了したり又は切断したり、プリントユニット10Aのサーマルヘッド33が汚れたり又は故障するなどして、メンテナンスが必要な場合がある。このような場合に、制御例1では、包装フィルムWの搬送を停止させずに、印刷動作を実行しているプリントユニット10Aに代えて、印刷動作を実行せずに待機していたプリントユニット10Bを動作させることができる。
例えば、図11に示すように、「A」の区間で、上流側プリントユニット10Aにより印刷を実行している場合に、上流側プリントユニット10Aにおいて、例えば、インクリボンRが終了したり又は切断したり、サーマルヘッド33が汚れたり又は故障するなどして、メンテナンスが必要になることがある。この場合に、制御装置9は、上流側プリントユニット10Aを停止させて、上流側プリントユニット10Aを、下流側プリントユニット10Bに切り替えて、「B」の区間では、下流側プリントユニット10Bにより印刷を実行するように制御する。これにより、包装フィルムWの移動を停止させずに、印刷動作を継続させることができる。
また、停止させたプリントユニット10Aにおいては、リボンカセット30を交換することで、プリントユニット10Aを速やかに復帰させて使用することや、現在動作させているプリントユニット10Bの予備として待機させることができる。
特に、本発明においては、サーマルヘッド33は、リボンカセット30に保持されている。そのため、サーマルヘッド33が汚れたり故障などしてメンテナンスが必要な場合においても、リボンカセット30側においてサーマルヘッド33の修理や交換や清掃などのメンテナンスを行ったり、リボンカセット30の交換などのメンテナンスを行ったりすることができる。そのため、サーマルヘッド33がプリンタ本体20側に保持されているよりも、メンテナンス性を向上させることができる。
このように、上流側プリントユニット10Aで印刷動作を実行している場合に、上流側プリントユニット10Aのメンテナンスを行うことが必要な場合において、包装フィルムWの搬送を停止させずに、印刷動作を実行しているプリントユニット10に代えて、印刷動作を実行せずに待機していたプリントユニット10を動作させることで、製造ラインを停止することを抑制できる。また、下流側プリントユニット10Bがリボン交換時期を迎えたり、またメンテナンスが必要になった場合にも、制御装置9は印字抜けすることなく上流側プリントユニット10Aを動作させることを可能にしている。
(制御例2)
制御例2は、複数の文字列の印刷パターンを、短いピッチで印刷する場合の制御例である。1ピッチは、図12(a)に示すように、包装フィルムW上において隣り合う2つのマークM(基準位置)の間隔である。本実施形態においては、マークM(基準位置)に基づいて印刷動作を実行する。
従来、サーマルプリンタ装置においては、文字列の印刷パターンを印刷した後には、インクリボンRの未使用部分を減らしてインクリボンRの無駄な消費を低減するために、1回の印刷動作毎に、印刷後にインクリボンRを巻き戻す制御を実行している。そのため、1台のプリントユニット10を用いて文字列の印刷パターンを短いピッチで印刷する場合に、インクリボンRの未使用部分を減らすために、インクリボンRを巻き戻す制御を実行すると、次の印刷動作にすぐに移行できない。そのため、複数の文字列の印刷パターンを、短いピッチで印刷するには限界があった。また、フィルム速度とインクリボンRの巻取る速度が同調するまで印字開始ができなかった。
これに対して、制御例2においては、印刷する1ピッチ(隣り合うマークM(基準位置)の間隔)が短い場合に、プリントユニット10A,10Bを搬送方向P1に並べて配置した状態で(図10(a)参照)、上流側プリントユニット10A及び下流側プリントユニット10Bで交互に印刷動作を実行する。これにより、文字列の印刷パターンを、短いピッチで印刷できる。また、インクリボンRが2倍の巻量となるため、交換時期の間隔が2倍となるメリットもある。
具体的には、図12(a)に示すように、短い1ピッチの範囲内において、「A」のタイミングで上流側プリントユニット10Aにより印刷動作を実行し、「B」のタイミングで下流側プリントユニット10Bにより印刷動作を実行する。これにより、上流側プリントユニット10A及び下流側プリントユニット10Bで、交互に印刷動作を実行できる。そのため、一方のプリントユニット10においてインクリボンを巻き戻す制御を実行しても、他方のプリントユニット10で印刷を実行すればよいため、文字列の印刷パターンを、短いピッチで印刷することができる。
(制御例3)
制御例3は、図12(b)に示すように、1ピッチの範囲の2箇所に、それぞれ別々の種類の文字列の印刷パターンを印刷する場合の制御例である。1ピッチは、例えば、図12(b)に示すように、包装フィルムW上において隣り合う2つのマークM(基準位置)の間隔である。本実施形態においては、マークM(基準位置)に基づいて印刷動作を実行する。
従来、包装フィルムWは、例えば、一回の送り動作で、包装フィルムWの搬送方向P1に所定間隔で設けられたマークMから次のマークMまでの間の1ピッチを移動するように、包装機(図示せず)により制御されている。そして、包装フィルムWの一回の送り動作で移動する1ピッチの印刷範囲において、一回の印刷動作しか実行できないように制御していた。そのため、包装フィルムWにおける2つのマークM間の1ピッチの範囲に複数の印刷パターンを印刷することは難しかった。
また、1台のプリントユニットを用いて、1ピッチの印刷範囲において2箇所に印刷することも可能ではあった。しかし、2箇所の印刷箇所が離間している場合には、印刷後にインクリボンRを巻き戻す制御を実行せずに印刷を行うため、インクリボンが無駄になっていた。
これに対して、制御例3においては、1ピッチの範囲の2箇所にそれぞれ別々の種類の文字列の印刷パターンを印刷する場合に、プリントユニット10A,10Bを搬送方向P1に並べて配置した状態で(図10(a)参照)、図12(b)に示すように、1ピッチの範囲内で、「A」のタイミングで上流側プリントユニット10Aにより印刷動作を実行し、「B」のタイミングで下流側プリントユニット10Bにより印刷動作を実行することで、1ピッチの範囲の2箇所に交互に印刷動作を実行する。これにより、1ピッチの範囲内において、2箇所に、2種類の文字列の印刷パターンを印刷できる。
また、上流側プリントユニット10A及び下流側プリントユニット10Bのそれぞれにおいて、印刷後にインクリボンRを巻き戻す制御を実行するため、インクリボンの無駄を抑制できる。
(制御例4)
制御例4は、図12(c)に示すように、連続するピッチにおいて、1ピッチの範囲の2箇所に、異なる色の文字列の印刷パターンを印刷する場合の制御例である。
制御例4では、1ピッチの範囲の2箇所に、異なる色の文字列の印刷パターンを印刷するため、例えば、上流側プリントユニット10Aのリボンカセットに青色のインクリボンをセットすると共に、下流側プリントユニット10Bのリボンカセットに赤色のインクリボンをセットする。そして、プリントユニット10A,10Bを搬送方向P1に並べて配置した状態で(図10(a)参照)、図12(c)に示すように、1ピッチの範囲の2箇所に、上流側プリントユニット10Aにより「A」のタイミングで赤色文字の印刷パターンで印刷する印刷動作を実行し、下流側プリントユニット10Bにより「B」のタイミングで青色文字の印刷パターンで印刷する印刷動作を実行する。これにより、1ピッチの範囲の2箇所に、異なる色の印刷パターンを印刷できる。
このようにして、制御例4においては、1台のプリントユニット10においては不可能であった多色の印刷を、複数台のプリントユニット10で印刷することで可能とした。
(制御例5)
制御例5は、図13に示すように、包装フィルムWの搬送幅方向P2に離間する位置に異なる文字列の印刷パターンを印刷する制御例である。
従来、包装フィルムWの搬送幅方向P2の長さが長い場合において、例えば、搬送幅方向P2の一方側と他方側との離間した位置に、異なる文字列の印刷パターンを印刷したい場合があった。
このような場合において、1台のプリントユニット10で印刷する場合に、サーマルヘッド33及びインクリボンRの搬送幅方向P2の長さが、包装フィルムWの搬送幅方向P2の長さよりも短いことがある。この場合に、1台のプリントユニット10を搬送幅方向P2に移動させて、印刷パターンを印刷することが考えられる。しかし、包装フィルムWの搬送幅方向P2の一方側で印刷した後に、プリントユニット10を包装フィルムWの搬送幅方向P2の他方側に移動させても、プリントユニット10の移動速度には限界があった。そのため、搬送幅方向P2に並んだ複数の印刷パターンを印刷したい場合においても、プリントユニット10が移動する間に、包装フィルムWが搬送方向P1に移動してしまって、複数の印刷パターンの印刷位置が搬送方向P1にずれてしまい、搬送幅方向P2に並んだ複数の印刷パターンを印刷することは難しかった。
また、1台のプリントユニット10で印刷する場合に、サーマルヘッド33及びインクリボンRの搬送幅方向P2の長さが、包装フィルムWの搬送幅方向P2の長さと同程度の長さであることがある。この場合には、包装フィルムWの搬送幅方向P2の一方側及び他方側に離間した2つの文字列の間の空白の部分において、インクリボンRが使用されないため、インクリボンRに無駄が生じる。
これに対して、制御例5においては、上流側プリントユニット10A及び下流側プリントユニット10Bを搬送幅方向P2に離間させた状態で(図10(b)参照)、図13に示すように、搬送幅方向P2の一方側及び他方側に離間した位置に配置された文字列の印刷パターンを印刷する実行するように制御する。具体的には、図13に示すように、搬送幅方向P2の一方側の「A」の位置に印刷するように上流側プリントユニット10Aにより印刷動作を行い、搬送幅方向P2の他方側の「B」の位置に印刷するように下流側プリントユニット10Bにより印刷動作を行う。これにより、包装フィルムWの搬送幅方向P2に離間する位置に異なる文字列の印刷パターンを印刷することができる。
本実施形態のサーマルプリンタ装置1によれば、例えば、以下の効果が奏される。
本実施形態のサーマルプリンタ装置1においては、駆動軸接続機構100は、駆動力伝達回転体24が第1回転方向D1に回転する場合にクラッチ結合により結合する結合状態となり、第2回転方向D2に回転する場合に非結合状態となるワンウェイクラッチ121を有するワンウェイクラッチ接続機構120と、第1回転軸部35と第2回転軸部24とが第1磁石部111及び第2磁石部112による磁力結合により結合されることにより駆動力伝達回転体24が第2回転方向D2に回転する場合に巻取回転シャフト35が第2回転方向D2に回転可能な磁石接続機構110と、を有する。
そのため、ワンウェイクラッチ接続機構120及び磁石接続機構110を組み合わせて採用することで、巻取回転シャフト35が係合や嵌合により接続される場合よりも、巻取回転シャフト35が削れることなどで、プリンタ本体20側の駆動力伝達回転体24(第2回転軸部)とリボンカセット30側の巻取回転シャフト35(第1回転軸部)との接続状態におけるガタ抑制することができる。これにより、インクリボンRの送りが正確に行われないことを抑制できる。
また、本実施形態においては、クラッチ結合の結合力は、磁力結合の結合力よりも大きい。ここで、第1回転方向D1においては、クラッチ結合の結合力で結合される。第2回転方向D2においては、磁力結合の結合力で結合される。これにより、第1回転方向D1と、第1回転方向D1と反対の第2回転方向D2とにおいて、結合力に差を設けたため、第1回転方向D1及び第2回転方向D2の両方の回転方向において巻取回転シャフト35と駆動力伝達回転体24とが強固に噛み合うことが抑制される。よって、リボンカセット30を、プリンタ本体20から取り外す際に、駆動力伝達回転体24から巻取回転シャフト35を容易に取り外すことができる。
また、本実施形態においては、包装フィルムWに印刷部を印刷するサーマルヘッド33を更に備え、第1回転方向D1は、巻取回転シャフト35の回転方向において、サーマルヘッド33が包装フィルムWに印刷部を印刷する際に巻取ホルダ348からインクリボンRが繰り出される回転方向である。
本実施形態では、第1回転方向D1は、サーマルヘッド33が包装フィルムWに印刷部を印刷する際にインクリボンRが移動される方向であるため、第1回転方向D1においては、サーマルヘッド33が下がってインクリボンR及びプラテンローラを押圧している。そのため、第1回転方向D1においては、強い回転トルクを伝達できることが必要である。そのため、第1回転方向D1においては、ワンウェイクラッチ接続機構120によるクラッチ結合で結合させることで、強い回転トルクを伝達させることができる。一方、第2回転方向D2においては、サーマルヘッド33がインクリボンRから離れている状態でインクリボンRを巻き上げるため、弱い回転トルクを伝達できればよい。そのため、第2回転方向D2においては、ワンウェイクラッチ接続機構120を非結合状態として、磁石接続機構110による磁力結合で結合させることで、弱い回転トルクを伝達させることができる。
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。
例えば、前記実施形態においては、サーマルプリンタ装置1が、プリントユニット10を2台備えるように構成したが、これに限定されない。プリントユニット10を3台以上備えるように構成してもよい。
また、前記実施形態においては、第1接点部231をピン状に形成され、第2接点部421に向けて付勢するように構成されるが、これに限定されない。第1接点部231及び第2接点部421を本実施形態とは逆の形状に構成してもよいし、付勢する方向も逆にしてもよい。
前記実施形態においては、第1磁石部111及び第2磁石部112を永久磁石としたが、これに限定されない。例えば、第1磁石部111及び第2磁石部112を電磁石としてもよい。