以下、本発明の一実施形態に係るクリーニング装置及び画像形成装置について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構造を示す模式的な断面図である。図1に示す画像形成装置1は、インク滴を吐出してシートSに画像を形成(記録)するインクジェット記録装置である。画像形成装置1は、装置本体10と、給紙部20と、レジストローラー部30と、ベルト搬送ユニット40と、画像形成部50と、カール矯正部60と、を備える。
装置本体10は、シートSに画像を形成するための各種の装置を収容する箱形の筐体である。この装置本体10には、シートSの搬送通路となる第1搬送路11、第2搬送路12及び第3搬送路13が形成されている。
給紙部20は、シートSを第1搬送路11へ給紙する。給紙部20は、給紙カセット21と給紙ローラー22とを備える。給紙カセット21は、装置本体10に対して着脱自在であり、内部にシートSを収容する。給紙ローラー22は、給紙カセット21の上端部の右側に配置される。給紙ローラー22は、給紙カセット21に収容されたシートSを第1搬送路11の下流側に搬送する。
第1搬送路11に給紙されたシートSは、その第1搬送路11に設けられた第1搬送ローラー対111によって、第1搬送路11の下流端に配置された、レジストローラー部30まで搬送される。また、装置本体10の右側の側面には給紙トレイ24が配置されており、給紙トレイ24の上面部にはシートSが載置可能とされる。給紙トレイ24上に載置されたシートSは、給紙ローラー23によってレジストローラー部30に向かって送り出される。
レジストローラー部30は、第1搬送路11又は給紙ローラー23を介して搬入されたシートSを、ベルト搬送ユニット40における搬送ベルト41に向けて、シート搬送方向A1に搬送する装置である。なお、レジストローラー部30およびベルト搬送ユニット40は互いに異なる位置でシートSを搬送する。このレジストローラー部30の詳細については、後述する。
レジストローラー部30により搬送されたシートSは、ベルト搬送ユニット40によってシート搬送方向A2に搬送される。なお、シート搬送方向A1およびA2は、図1において左方向である。
ベルト搬送ユニット40は、画像形成部50の下方に配置されている。ベルト搬送ユニット40は、画像形成部50の下方をシートSが通過するように、レジストローラー部30により搬送されたシートSを、カール矯正部60に向けてシート搬送方向A2に搬送する。ベルト搬送ユニット40は、搬送ベルト41(搬送部)と、第1支持ローラー421と、第2支持ローラー422と、第3支持ローラー423と、及び一対の第4支持ローラー424と、吸引部43とを有する。
搬送ベルト41は、前後方向に所定の幅を有して左右方向に延びる無端状のベルトである。搬送ベルト41は、画像形成部50と対向して配置され、外周面411上にてシートSをシート搬送方向A2に搬送する。搬送ベルト41の周回移動経路上には、画像形成部50によりシートSに画像形成が形成される画像形成位置が設定される。
搬送ベルト41は、第1支持ローラー421、第2支持ローラー422、第3支持ローラー423、及び一対の第4支持ローラー424に張架される。この張架された搬送ベルト41の内側において、搬送ベルト41の内周面412に対向して吸引部43が配置されている。第1支持ローラー421は、不図示の駆動モーターによって回転駆動され、所定の周回方向に搬送ベルト41を周回させる。また、搬送ベルト41は、外周面411から内周面412にわたって厚み方向に貫通した複数の吸引孔を有している。
吸引部43は、画像形成部50と搬送ベルト41を介して対向して配置されている。吸引部43は、搬送ベルト41の外周面411に保持されたシートSと搬送ベルト41との間に負圧を発生させることにより、シートSを搬送ベルト41の外周面411に密着させる。吸引部43は、ベルト案内部材431と、吸引筐体432と、吸引装置433と、排気ダクト434とを備える。
ベルト案内部材431は、第1支持ローラー421と第2支持ローラー422との間において、第1支持ローラー421の回転に連動した搬送ベルト41の周回移動を案内する。
吸引部43は、ベルト案内部材431に形成された溝部並びに貫通孔と、搬送ベルト41の吸引孔とを介して、搬送ベルト41の上側の空間から空気を吸引することにより吸引力を発生させる。この吸引力により、搬送ベルト41の上側の空間に吸引部43へ向かう気流(吸引風)が発生する。シートSがレジストローラー部30により搬送ベルト41上に搬送されて搬送ベルト41の外周面411の一部を覆うと、シートSに吸引力(負圧)が作用して、シートSが搬送ベルト41の外周面411に密着される。
吸引筐体432は、上側が開口した箱形の筐体であり、当該上側の開口がベルト案内部材431によって覆われるように、搬送ベルト41の下側に配置される。吸引筐体432は、ベルト案内部材431と協働して吸引空間432Aを画定する。
吸引筐体432の底壁部には開口部432Bが形成され、この開口部432Bに対応して吸引装置433が配置されている。この吸引装置433には、排気ダクト434が接続されている。この排気ダクト434は、装置本体10に設けられた不図示の排気口と連結されている。
ベルト搬送ユニット40の上側には、画像形成部50が配置されている。画像形成部50は、搬送ベルト41の外周面411上に保持された状態でシート搬送方向A2に搬送されるシートSに、画像形成処理を施して画像を形成する。本実施形態では、画像形成部50の画像形成方式はインクジェット式であり、インク滴を吐出してシートSに画像を形成する。
画像形成部50は、ラインヘッド51(51Bk、51C、51M、51Y)を備える。ラインヘッド51Bkはブラック色のインク滴を吐出し、ラインヘッド51Cはシアン色のインク滴を吐出し、ラインヘッド51Mはマゼンタ色のインク滴を吐出し、ラインヘッド51Yはイエロー色のインク滴を吐出する。ラインヘッド51Bk、51C、51M、51Yは、シート搬送方向A1の上流側から下流側に向かって並設される。
ラインヘッド51は、搬送ベルト41の外周面411上に保持された状態でシート搬送方向A2に搬送されるシートSにインク滴を吐出して、シートSに画像を形成する。これにより、シートSに画像が形成される。
画像が形成されたシートSは、搬送ベルト41により搬送され、シート排出ガイド部44によりガイドされつつカール矯正部60に向けて排出(送出)される。カール矯正部60は、シート排出ガイド部44を挟んで搬送ベルト41のシート搬送方向A2下流側に配置される。カール矯正部60は、画像が形成されたシートSを下流側へ搬送しつつ、当該シートSのカールを矯正する。
カール矯正部60によりカールが矯正されたシートSは、第2搬送路12に送出される。第2搬送路12は、装置本体10の左側の側面に沿って延設されている。第2搬送路12に送出されたシートSは、その第2搬送路12に設けられた第2搬送ローラー対121によって、装置本体10の左側に形成された排紙口12Aに向けて搬送され、排紙口12Aから排紙部14上に排出される。
一方、シートSに両面印刷が施される場合、第1面(表面)の画像形成処理が完了したシートSは、第2搬送路12からシート反転部15に送り出される。シート反転部15は、第2搬送路12の途中で分岐された搬送路であり、シートSが反転(スイッチバック)される部分である。シート反転部15によって表裏が反転されたシートSは、第3搬送路13に送出される。第3搬送路13に送出されたシートSは、その第3搬送路13に設けられた第3搬送ローラー対131によって逆送され、レジストローラー部30を介して、表裏が反転した状態で再び搬送ベルト41の外周面411上に供給される。このように表裏が反転した状態で搬送ベルト41の外周面411上に供給されたシートSは、搬送ベルト41により搬送されながら、画像形成部50によって、第1面とは反対側の第2面(裏面)に画像形成処理が施される。両面印刷が完了したシートSは、第2搬送路12を通過して排紙口12Aから排紙部14上に排出される。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置1のレジストローラー対およびクリーニングユニット70の周辺の断面図であって、クリーニングユニット70が清掃位置に配置された状態の断面図である。
前述のレジストローラー部30は、レジストハウジング30Hと、レジスト上ローラー31(上側レジストローラー)およびレジスト下ローラー32(搬送ローラー、下側レジストローラー)を含むレジストローラー対と、を有する。レジストハウジング30Hは、装置本体10に装着されており、レジスト上ローラー31およびレジスト下ローラー32を回転可能に支持する。シートSは、レジストハウジング30H内において図2の矢印で示すようにレジストローラー対のニップ部に搬入される。なお、レジストローラー部30は、レジスト上ローラー31およびレジスト下ローラー32を回転駆動する不図示のローラー駆動部を有する。
レジスト上ローラー31は、レジストローラー対のうち上側に配置されるローラーである。レジスト上ローラー31は、金属ローラーからなる。
レジスト下ローラー32は、レジストローラー対のうち下側に配置されるローラーである。レジスト下ローラー32は、ゴムローラーからなり、その外周面にはPFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)チューブが巻かれている(嵌め込まれている)。
なお、図2に示すように、レジスト上ローラー31の中心とレジスト下ローラー32の中心とを結ぶ直線Lは、鉛直方向に対して鋭角(たとえば10度)で傾斜している。換言すれば、レジスト上ローラー31よりもレジスト下ローラー32は、シートSの搬送方向上流側にずれた位置に配置されている。
更に、画像形成装置1は、クリーニング装置7を備える。クリーニング装置7は、レジスト下ローラー32の表面を清掃することが可能とされている。クリーニング装置7は、クリーニングユニット70と、移動機構75(図14参照)と、を有する。移動機構75は、クリーニングユニット70を清掃位置(図2)と、着脱位置(図24)と、離間位置(図26)との間で移動させる機能を備えている。
図3乃至図5は、本実施形態に係る画像形成装置1のクリーニングユニット70の斜視図である。図6は、図5の断面位置I-Iにおけるクリーニングユニット70の断面図である。図7は、クリーニングユニット70において一部の部材を省略して示した正面図である。図8は、クリーニングユニット70の内部構造(クリーニング部70A)を示す斜視図である。
クリーニングユニット70は、クリーニング部70Aと、クリーニングハウジング70Hと、を有する。クリーニング部70Aは、レジスト下ローラー32の軸方向に沿って延びる形状を有しレジスト下ローラー32の表面に下方から当接し前記表面を清掃する。
クリーニングハウジング70Hは、クリーニング部70Aを支持する。クリーニングハウジング70Hは、前壁701および後壁702(一対の壁部)と、接続壁703と、一対のユニット支点ピン70P(ハウジング軸部)と、シート部材704と、一対のガイドコロ705(ガイドローラー、ガイド部材)と、を有する。クリーニングハウジング70Hの前壁701、後壁702および接続壁703は、金属材料(磁性材料)から構成される。
前壁701および後壁702は、前後方向(レジスト下ローラー32の軸方向)において互いに対向して配置されクリーニング部70Aを支持する。接続壁703は、前壁701および後壁702を前後方向に沿って接続する。接続壁703は、側壁703Aと、底壁703Bと、を有する(図5、図6)。底壁703Bには、前後一対のリブ703Tが突設されている(図19、図20参照)。
一対のユニット支点ピン70Pは、前壁701および後壁702(一対の壁部)の外側面から前後方向にそれぞれ突設される。ユニット支点ピン70Pは、前壁701および後壁702の左下部分に配置されている。各ユニット支点ピン70Pは、先端部に向かって外径が縮小する2段式の円柱形状からなる。
シート部材704は、クリーニングユニット70の左側面を画定するように底壁703Bに固定されている(図6)。シート部材704は、クリーニングユニット70に回収された紙粉等の回収物がベルト搬送ユニット40(図1)側に飛散することを防止する。
一対のガイドコロ705は、ユニット支点ピン70Pよりも上方において前壁701および後壁702にそれぞれ支持され、前後方向と平行な中心軸(第2中心軸)回りに回転可能な外周面をそれぞれ含む円柱状の部材である。ガイドコロ705は、前壁701および後壁702の各外側面の右上部分に配置(軸方向に突設)されている。一対のガイドコロ705は、クリーニングユニット70が、前述の着脱位置、離間位置および清掃位置に移動する際に、クリーニングユニット70を案内する機能を有する。
クリーニング部70Aは、ウェブWと、それぞれ前壁701および後壁702に回転可能に支持された、ウェブ従動ローラー71(繰り出しローラー)と、押圧ローラー72と、ウェブ駆動ローラー73(巻き取りローラー)と、を有する(図6乃至図8)。ウェブWは、レジスト下ローラー32の表面に当接することが可能な当接面を有する帯状の部材からなり、一例として、不織布などの布材料から構成される。本実施形態では、図6、図8に示すように、ウェブWが予めロール状に巻かれたウェブロールWRがウェブ従動ローラー71に外嵌されている。そして、ウェブWの先端が、押圧ローラー72の外周面にかけられた後、ウェブ駆動ローラー73の外周面に固定されている。押圧ローラー72は、ウェブWの裏面に当接しウェブWの表面をレジスト下ローラー32に押圧する。なお、クリーニングユニット70が前述の清掃位置(図2)に配置されると、押圧ローラー72がウェブWを挟んでレジスト下ローラー32に当接する。ウェブ従動ローラー71は、ウェブWのうちレジスト下ローラー32に当接する部分が変化するように、ウェブWを繰り出し、ウェブ駆動ローラー73は、上記のウェブWを巻き取る。なお、図5に示すように、側壁703Aと底壁703Bとの間に形成される開口部を通じて、ウェブ従動ローラー71に保持されたウェブロールWRの状態をクリーニングユニット70の外側から視認することができる。このため、使用途中で装置本体10から脱離されウェブWの繰り出し可能量が僅かとなったクリーニングユニット70が誤って装置本体10に装着されることが防止される。
更に、クリーニングユニット70は、ユニット入力ギヤ711(図4)と、連動ギヤ711Tと、伝達ギヤ712と、駆動ローラーギヤ713と、を有する(図6)。
ユニット入力ギヤ711は、前壁701の下端部かつ右端部に回転可能に支持されている。ユニット入力ギヤ711の入力ギヤシャフト711Sは、前壁701を貫通して前壁701の内側(裏側)に延びている。連動ギヤ711Tは、入力ギヤシャフト711Sに固定されており、ユニット入力ギヤ711と一体的に回転する。
伝達ギヤ712は、前壁701の内側に回転可能に支持されており、連動ギヤ711Tおよび駆動ローラーギヤ713にそれぞれ係合している。駆動ローラーギヤ713は、ウェブ駆動ローラー73の一端部に固定されたギヤである。
図9は、本実施形態に係る画像形成装置1のクリーニングユニット70およびウェブ送り出し機構81の斜視図である。図10および図11は、クリーニングユニット70の一部を拡大した拡大斜視図である。
クリーニング装置7は、更に、ウェブ送り出し機構81(ウェブ駆動機構)と、制御部90と、を備える。ウェブ送り出し機構81は、画像形成装置1の装置本体10に装着されている。ウェブ送り出し機構81は、クリーニングユニット70のウェブWを送り出す機能を有する。ウェブ送り出し機構81は、クリーニングユニット70が前記清掃位置に配置されることで、クリーニングユニット70に連結される。ウェブ送り出し機構81は、ソレノイド811と、回動アーム812と、第3検知センサー813と、伝達ギヤ814と、伝達ギヤ815と、を有する。
ソレノイド811は、制御部90から指令信号を受けることで、ウェブWを移動させるための駆動力を発生する。ソレノイド811は、出没軸811Sを含む。出没軸811Sは、ソレノイド811の本体に対して出没する。ソレノイド811は、装置本体10内に配置された板金製の不図示の駆動フレームに支持されている。
回動アーム812は、装置本体10内の前記駆動フレームに備えられたシャフト812S(図9)に回動可能に支持されている。当該シャフト812Sは、前後方向に延びる回転中心軸回りに回転可能なように前記駆動フレームに支持されている。回動アーム812は、第1アーム部812Aと、第2アーム部812Bと、を有する。第1アーム部812Aは、回動アーム812の回転中心軸から右方に向かって延びている。第1アーム部812Aの先端部は、出没軸811Sに接続されている。第2アーム部812Bは、第1アーム部812Aとは反対側で回動アーム812の回転中心軸から下方に向かって延びている。第2アーム部812Bの先端部(下端部)には検知片812Cが配置されている。また、シャフト812Sの後端部には、シャフト812Sと一体的に回転することが可能なギヤ部812Tが備えられている。更に、ウェブ送り出し機構81は、第1ワンウェイクラッチおよび第2ワンウェイクラッチ(いずれも不図示)を有する。第1ワンウェイクラッチは、回動アーム812の内部に固定されシャフト812Sに嵌め込まれている。また、第2ワンウェイクラッチは、第1ワンウェイクラッチに隣接するように前記駆動フレームに固定されておりシャフト812Sに嵌め込まれている。
第3検知センサー813は、ソレノイド811の本体の左端部に固定されている。第3検知センサー813は、検知片812Cの移動(回動)を検知するPIセンサーである。制御部90は、第3検知センサー813から出力される検知片812Cの検知回数に応じて、ウェブロールWRの繰り出し量を検出することができる。また、上記検知回数が予め設定された閾値回数に至ると、制御部90はクリーニングユニット70の交換メッセージを画像形成装置1の不図示の表示部に表示させる。
伝達ギヤ814は、装置本体10に回転可能に支持されており、ギヤ部812Tに係合している。なお、伝達ギヤ814は2段ギヤからなる。同様に、伝達ギヤ815は、装置本体10に回転可能に支持されており、伝達ギヤ814の2段ギヤのうちの後側のギヤ部に係合するとともに、前述のユニット入力ギヤ711に係合している。
図9は、出没軸811Sがソレノイド811の本体に対して没入(収縮)した状態を示している。図9の状態から、制御部90がソレノイド811に指令信号を入力すると、出没軸811Sがソレノイド811の本体から突出(伸長)することで、回動アーム812がシャフト812Sを中心として図9の反時計回りに回動する。この際、前述の第1ワンウェイクラッチの作用によって、回動アーム812はシャフト812Sに対して相対回転するため、シャフト812Sが回転することはない。一方、ウェブWを所定量送り出す場合には、制御部90がソレノイド811に指令信号を入力し、出没軸811Sをソレノイド811の本体に対して収縮させる。この結果、回動アーム812がシャフト812Sを中心として図9の時計回りに回動する。この際、前述の第1ワンウェイクラッチの作用によって、シャフト812Sが回動アーム812と一体的に所定の角度だけ回転する。この結果、シャフト81Sに固定されたギヤ部812Tから、伝達ギヤ814および伝達ギヤ815を介してユニット入力ギヤ711に回転駆動力が入力される。そして、クリーニングユニット70のユニット入力ギヤ711、連動ギヤ711T、伝達ギヤ712および駆動ローラーギヤ713に回転駆動力が更に伝達され、予め設定された回転角度分、ウェブ駆動ローラー73が回転し、ウェブWがウェブ駆動ローラー73に巻き取られるように移動する。この結果、ウェブWの当接面のうちレジスト下ローラー32に対向する部分が変化する。なお、回動アーム812が1往復分回動する毎に、第3検知センサー813が検知片812Cを検知することで、ユニット入力ギヤ711が回転しウェブWが移動したことが検出される。
ウェブWが移動すると、制御部90はソレノイド811に指令信号を入力し、出没軸811Sをソレノイド811の本体に対して再び突出させる。この際、前述の第2ワンウェイクラッチの作用によって、シャフト812Sが逆回転することが防止される。また、図11に示すように、ウェブ駆動ローラー73の駆動ローラーシャフト73Sに備えられたワンウェイクラッチ73Tが機能し、ウェブ駆動ローラー73が逆回転することが防止される。したがって、制御部90が出没軸811Sの出没動作を行う度に、ウェブWが所定の量だけウェブ駆動ローラー73側に移動する。このように本実施形態では、ソレノイド811の出没軸811Sの僅かな出没ストロークを利用してウェブロールWRからウェブWを送り出すことが可能となる。なお、他の実施形態において、ウェブ送り出し機構81は、ウェブ駆動ローラー73に加え、ウェブ従動ローラー71を回転駆動させてもよい。
なお、図9を参照して、押圧ローラー72の押圧ローラーシャフト72Sには、トルクリミッタ72Tが備えられている。クリーニング装置7のウェブW(押圧ローラー72)がレジスト下ローラー32に当接し、レジスト上ローラー31とレジスト下ローラー32との間にシートSが挟持された状態で、画像形成装置1においてシートS詰まりが発生することがある。この場合、使用者は、画像形成装置1の装置本体10の所定のカバーを開放し、図2の矢印とは逆方向に向かってシートSを引き出すことで、レジスト上ローラー31とレジスト下ローラー32との間に詰まったシートSを取り除こうとする。この際、シートSが引き出される力が、レジスト下ローラー32から押圧ローラー72に伝わると、ウェブWが押圧ローラー72からウェブ駆動ローラー73側に過剰に送り出されてしまう。本実施形態では、押圧ローラーシャフト72Sにトルクリミッタ72Tが備えられているため、押圧ローラー72に急激な回転力が付与されると、押圧ローラー72の回転がロックし、ウェブWが繰り出されることが防止される。
また、図10を参照して、本実施形態では、ウェブ従動ローラー71の従動ローラーシャフト71Sには、Eリング71R1とフランジ71R2との間に、ブレーキスプリング71Tが圧縮変形した状態で介在している。なお、図10では、図9の前壁701の図示を省略している。フランジ71R2は、押圧ローラー72の押圧ローラーシャフト72Sに固定されたリング状のフランジである。ブレーキスプリング71Tの後端部は、フランジ71R2に当接している。また、ブレーキスプリング71Tの前端部は、前壁701の裏面に当接している。この結果、ブレーキスプリング71Tの圧縮力がフランジ71R2を介して押圧ローラー72に付与され、押圧ローラー72が不必要に回転することが防止される。この結果、制御部90がソレノイド811を制御していないにも関わらず、押圧ローラー72からウェブWが繰り出されることが防止される。
移動機構75(図2)は、クリーニングユニット70を清掃位置(図2)と、前記清掃位置よりも下方の着脱位置(図24)と、清掃位置と着脱位置との間の離間位置(図26)との間で移動させることが可能とされている。移動機構75は、前記清掃位置ではクリーニング部70Aがレジスト下ローラー32に当接することを許容し、前記着脱位置ではクリーニング部70Aがレジスト下ローラー32に対して下方に離間して配置されかつクリーニングユニット70が装置本体10に対して着脱されることを許容する。また、前記離間位置では、クリーニング部70Aがレジスト下ローラー32に対して下方に離間して配置されかつクリーニングユニット70と前述のウェブ送り出し機構81(ウェブ駆動機構)との連結が解除される。
図12は、本実施形態に係る画像形成装置1の装置本体10を構成する本体フレーム100から搬送ユニットフレーム40Hが脱離された様子を示す斜視図である。図13は、本体フレーム100に搬送ユニットフレーム40Hが装着された様子を示す斜視図である。図14および図15は、搬送ユニットフレーム40Hの斜視図である。
図1に示されるベルト搬送ユニット40(搬送ユニット)は、搬送ユニットフレーム40Hを更に有する。搬送ユニットフレーム40Hは、搬送ベルト41と、第1支持ローラー421と、第2支持ローラー422と、第3支持ローラー423と、及び一対の第4支持ローラー424と、吸引部43と、を一体的に支持している。搬送ユニットフレーム40Hは、装置本体10の本体フレーム100に前後方向(レジスト下ローラー32の軸方向)と平行な第1方向(後方向)に沿って装着可能であるとともに、本体フレーム100から前記第1方向と反対の第2方向(前方向)に沿って脱離可能とされている。
図14、図15を参照して、搬送ユニットフレーム40Hは、前フレーム401と、後フレーム402と、左フレーム403と、第1右フレーム404A(上側接続フレーム)と、第2右フレーム404B(下側接続フレーム)と、前後一対のマグネット404C(磁性部材)と、左右一対のレール部40Rと、を有する。
前フレーム401は、搬送ユニットフレーム40Hの前面部に配置されるフレームである。なお、図14、図15に示すように、前フレーム401には、前カバー401Aが装着されている。前カバー401Aは、装置本体10の前面部の一部を構成する。後フレーム402は、搬送ユニットフレーム40Hの後面部に配置されるフレームであり、前後方向において前フレーム401に対向して配置される。左フレーム403は、搬送ユニットフレーム40Hの左端部に配置され、前フレーム401と後フレーム402とを前後方向に沿って接続する。また、第1右フレーム404Aおよび第2右フレーム404Bは、搬送ユニットフレーム40Hの右端部に配置され、前フレーム401と後フレーム402とを前後方向に沿って接続する。第1右フレーム404Aは、搬送ユニットフレーム40Hの上面部に沿って配置されており、第2右フレーム404Bは第1右フレーム404Aよりも下方に配置されている。なお、第1右フレーム404Aおよび第2右フレーム404Bの前後方向の両端部同士は、前フレーム401および後フレーム402の内側に配置された不図示の一対の側板によって上下方向に沿って互いに接続されている。この結果、第1右フレーム404A、第2右フレーム404Bおよび上記の一対の側板によって、矩形状の枠構造が形成されている。左右一対のレール部40Rは、搬送ユニットフレーム40Hが本体フレーム100に対して前後方向にスライド移動するためのレール部である。なお、図14、図15では、右側のレール部40Rのみが現れているが、搬送ユニットフレーム40Hの左端部にも同様のレール部40Rが配置されている。一対のマグネット404Cは、第2右フレーム404Bの上面部において前後方向に間隔をおいて配置された磁石である。一対のマグネット404Cは、クリーニングユニット70を保持する機能を有している。
図14、図15に示すように、搬送ユニットフレーム40Hのうち、第1右フレーム404Aおよび第2右フレーム404Bよりも左側には、搬送ユニット装着部40Aが形成されている。当該搬送ユニット装着部40Aには、前述の搬送ベルト41、第1支持ローラー421、第2支持ローラー422、第3支持ローラー423、一対の第4支持ローラー424、吸引部43などが配置される。一方、第1右フレーム404Aと第2右フレーム404Bとの間の空間には、クリーニングユニット装着部40B(ユニット収容部)が配置される。クリーニングユニット装着部40Bは、着脱位置に配置された前述のクリーニングユニット70が装着されることを許容し、当該クリーニングユニット70を収容する。なお、クリーニングユニット装着部40Bは、移動機構75の一部を構成する。
更に、搬送ユニットフレーム40Hは、クリーニングユニット回動部45と、回動入力ギヤ40Gと、を有する。図16は、本実施形態に係る搬送ユニットフレーム40Hのクリーニングユニット回動部45の斜視図である。図17および図18は、クリーニングユニット回動部45の一部を拡大した拡大斜視図である。
図14、図15に示すように、クリーニングユニット回動部45は、第1右フレーム404Aの直下において前記一対の側板に支持されている。図16を参照して、クリーニングユニット回動部45は、回動シャフト451と、前後一対のベアリング451Sと、回動ギヤ452と、前後一対のレバー支持部453(固定部材)と、前後一対の回動レバー454(支持部材)と、前後一対のコイルばね455(ばね部材)と、を有する。
回動シャフト451は、前後一対のベアリング451Sを介して、前記一対の側板に回動可能に支持されている。回動シャフト451は、前後方向(レジスト下ローラー32の軸方向)に沿って延びるとともに一対の回動レバー454の回動における中心軸(第1中心軸)を形成する。回動ギヤ452は、回動シャフト451の後端部に固定されたギヤであり、回動入力ギヤ40Gに係合可能している。
前後一対の回動レバー454は、クリーニングユニット装着部40Bに配置され、クリーニングユニット70のクリーニングハウジング70Hを前後方向(レジスト下ローラー32の軸方向)の両側から挟むようにクリーニングハウジング70Hを支持することが可能とされている。図17、図18を参照して、各回動レバー454は、レバー底部454Aと、第1レバー側部454Bと、第2レバー側部454Cと、を有する。レバー底部454Aは、回動シャフト451の軸方向と平行な面を含み、回動シャフト451の径方向に延びている。第1レバー側部454Bおよび第2レバー側部454Cは、レバー底部454Aの前後の側縁から立設された壁部であり、それぞれ回動シャフト451の軸方向と直交するように配置されている。なお、第2レバー側部454Cは、回動シャフト451の外径よりも僅かに大きな略矩形形状を有しており、第1レバー側部454Bは、第2レバー側部454Cよりも回動シャフト451から径方向に長く延びている。
第1レバー側部454Bおよび第2レバー側部454Cには、回動シャフト451が挿通される孔部がそれぞれ開口されている。この結果、回動レバー454は、回動シャフト451に回転可能に支持されている。
更に、第1レバー側部454Bには、ピン受け部454P(軸支部)および切欠き部454Qが形成されている。ピン受け部454Pは、第1レバー側部454Bの側縁が長穴状に切り欠かれた形状を有している。ピン受け部454Pは、クリーニングユニット70のユニット支点ピン70P(図3、図4)を前後方向(レジスト下ローラー32の軸方向)と直交する方向に沿って受け入れるとともにユニット支点ピン70Pを回転可能に支持する機能を有する。切欠き部454Qは、ピン受け部454Pと回動シャフト451との間において、第1レバー側部454Bの側縁が略矩形状に切り欠かれた形状を有している。
前後一対のレバー支持部453は、一対の回動レバー454をそれぞれ保持することが可能なようにスクリューVによって回動シャフト451に固定されている。レバー支持部453は、切欠き部454Q内に前後方向に延びるように配置される支持凸部453Aを有する。支持凸部453Aの先端部は、レバー支持部453の本体部分と直交するように屈曲した形状を有する。
図17、図18を参照して、前後一対のコイルばね455は、それぞれレバー支持部453と回動レバー454との間に介在するように配置されている。具体的に、各コイルばね455は、第1ばね端部455Aと、第2ばね端部455Bと、を有する。第1ばね端部455Aは、支持凸部453Aの上面部に係止されている。また、第2ばね端部455Bは、回動レバー454のレバー底部454Aの下面部に係止されている。この結果、コイルばね455は、回動レバー454がレバー支持部453に対して回動シャフト451の中心軸(第1中心軸)回りの所定の許容角度範囲内で相対回転することが可能なように、回動レバー454とレバー支持部453との間に弾性変形可能にそれぞれ介在する。なお、レバー支持部453および回動レバー454に外力が加わっていない場合には、コイルばね455の弾性力によって、レバー支持部453と回動レバー454との周方向(回転方向)における相対位置が規制されている。換言すれば、図17、図18において、回動レバー454の位置が固定されると、当該回動レバー454に対してレバー支持部453および回動シャフト451が、コイルばね455を弾性変形させながら回動レバー454に対して相対回転することができる。
更に、クリーニング装置7は、回動駆動部75Kを有する。回動駆動部75Kは、移動機構75の一部を構成する。回動駆動部75Kは、一対のユニット支点ピン70Pが一対のピン受け部454Pに軸支された状態でクリーニングユニット70が前記清掃位置と前記着脱位置との間を移動するように、一対の回動レバー454を回動シャフト451の中心軸(第1中心軸)回りに回動させる。なお、前記中心軸は、図2においてピン受け部454Pよりも上方に配置されている。また、回動駆動部75Kは、クリーニングユニット70のクリーニング部70A(ウェブW)が上方を向く姿勢をクリーニングユニット70が維持するように、一対のユニット支点ピン70Pが一対のピン受け部454Pに対して相対回転することを許容しながら一対の回動レバー454を回動させる。
回動駆動部75Kは、前述のクリーニングユニット回動部45に加え、ユニット駆動部80(図2)(駆動部)を有する。ユニット駆動部80は、クリーニングユニット回動部45の回動シャフト451をその中心軸回りに回転させる駆動力を発生する。
図2を参照して、ユニット駆動部80は、駆動モーター出力軸801を含む不図示のモーターと、パルス板802と、第1検知センサー803と、第2検知センサー804と、ユニット駆動出力ギヤ805(図24)と、を有する。前記モーターの回転駆動は前述の制御部90によって制御される。
パルス板802は、駆動モーター出力軸801に固定され、駆動モーター出力軸801と一体的に回転する。第1検知センサー803は、パルス板802の回転量を検出する。具体的に、第1検知センサー803は、検出光を発光する発光部と、前記検出光を受光する受光部とを有する。パルス板802にはその回転方向に沿って間隔をおいて開口された複数のスリットが形成されている。パルス板802の回転に伴って、前記スリットによって検出光が遮光され、その波形に応じた信号を受光部が制御部90に出力することで、駆動モーター出力軸801(一対の回動レバー454)の回転量が検出される。
第2検知センサー804は、公知のPIセンサーから構成され、クリーニングユニット70が図2に示す清掃位置に配置されたことを検出する。本実施形態では、第2検知センサー804の発光部と受光部との間にクリーニングユニット70のクリーニングハウジング70Hの一部が進入することで、第2検知センサー804がクリーニングユニット70を検出する。
ユニット駆動出力ギヤ805は、ユニット駆動部80のモーターが発生する回転駆動力をクリーニングユニット回動部45の回動入力ギヤ40Gに伝達する。本実施形態では、搬送ユニットフレーム40Hが本体フレーム100に装着されると、回動入力ギヤ40Gとユニット駆動出力ギヤ805とが互いに係合し、回転駆動力の伝達が可能となる。
図19は、本実施形態に係る搬送ユニットフレーム40Hにクリーニングユニット70が装着される様子を示す断面図であり、図20は、搬送ユニットフレーム40Hにクリーニングユニット70が装着された様子を示す断面図である。図21および図22は、搬送ユニットフレーム40Hにクリーニングユニット70が装着された様子を示す拡大斜視図である。図23は、搬送ユニットフレーム40Hにクリーニングユニット70が装着された様子を示す斜視図である。図24は、画像形成装置1のレジストローラー対およびクリーニングユニット70の周辺の断面図であって、クリーニングユニット70が着脱位置に配置された状態の断面図であり、図25は、クリーニングユニット70が着脱位置から僅かに押し上げられた状態の同断面図である。図26は、画像形成装置のレジストローラー対およびクリーニングユニット70の周辺の断面図であって、クリーニングユニット70が離間位置に配置された状態の断面図である。図27は、クリーニングユニット70が着脱位置に配置された状態の断面斜視図である。図28は、クリーニングユニット70が清掃位置に配置された状態の断面斜視図である。図29は、クリーニングユニット70が着脱位置に配置された状態の断面斜視図である。図30は、クリーニングユニット70が清掃位置に配置された状態の断面斜視図である。図31は、クリーニングユニット70が清掃位置に配置された状態の断面図である。
図24を参照して、移動機構75は、更に、ガイド部100Gを有する。ガイド部100Gは、一対の回動レバー454の前記第1中心軸回りの回動に伴って一対のガイドコロ705が当接することを許容し、クリーニングユニット70を前記清掃位置と前記着脱位置との間で案内する。ガイド部100Gは、前後一対の第1ガイド面101Rと、前後一対の第2ガイド面102Rと、を有する。前後一対の第1ガイド面101Rは、本体フレーム100に備えられた前後一対のガイドフレーム101の左側面からそれぞれ構成される。第1ガイド面101Rは、上方に進むにつれてクリーニングユニット70(ガイドコロ705)を右側に案内するように傾斜している。同様に、前後一対の第2ガイド面102Rは、本体フレーム100に備えられた前後一対のレジストフレーム102(図27)の一部によってそれぞれ構成される。第2ガイド面102Rは、上方に進むにつれてクリーニングユニット70(ガイドコロ705)を左側に案内するように僅かに傾斜している。
また、移動機構75は、前後一対の位置決め部102Sを有する。位置決め部102Sは、前記清掃位置においてクリーニングユニットのガイドコロ705を受け入れガイドコロ705に当接することでクリーニング部70Aの押圧ローラー72とレジスト下ローラー32との相対位置を規制し、クリーニング部70AのウェブWがレジスト下ローラー32を清掃可能なようにクリーニングユニット70を位置決めする。図24に示すように、位置決め部102Sは、第2ガイド面102Rに接続されており、ガイドコロ705の外周面に沿うような円弧形状(内周面)を有する凹部からなる。なお、図24では、前後一対の第1ガイド面101R、第2ガイド面102Rおよび位置決め部102Sのうち後側の各部材が現れている。
図12に示すように、搬送ユニットフレーム40Hが装置本体10の本体フレーム100から前方に引き出されると、作業者はクリーニングユニット70を搬送ユニットフレーム40Hのクリーニングユニット装着部40Bに装着することができる。この際、図19に示すように、一対の回動レバー454は回動シャフト451(第1中心軸)から下方に延びるように配置され、ピン受け部454Pは回動レバー454の右側(幅方向における一端側)の側部が左側(幅方向のうち前記一端側とは反対の他端側)かつ下方に向かって斜めに切り欠かれた形状を有している。このため、作業者は、クリーニングユニット70の側壁703Aおよび底壁703B(図6)を把持しながらクリーニングユニット70の左右一対のユニット支点ピン70Pをピン受け部454Pに上から挿入し嵌め込むことができる(図20)。この際、クリーニングユニット70の前側のユニット支点ピン70Pの後方には前述のユニット入力ギヤ711が配置される(図21)。また、クリーニングユニット70の後側のユニット支点ピン70Pは、図22に示すように、ピン受け部454Pに嵌め込まれる。
クリーニングユニット70の一対のユニット支点ピン70Pが作業者によって一対の回動レバー454のピン受け部454Pに嵌め込まれると、クリーニングハウジング70Hの底壁703Bが一対のマグネット404Cに対向して配置されるとともに、一対のリブ703Tが第2右フレーム404Bの上面部にそれぞれ当接する。この結果、一対の回動レバー454に加え、一対のマグネット404Cが発生する磁界によってクリーニングユニット70が第2右フレーム404Bに保持される。したがって、作業者がクリーニングユニット70から手を放しても、クリーニングユニット70が搬送ユニットフレーム40Hから脱落することが防止される。
上記のように、クリーニングユニット70が搬送ユニットフレーム40Hのクリーニングユニット装着部40B(着脱位置)に装着されると、作業者は搬送ユニットフレーム40Hを本体フレーム100に挿入する(図23)。この結果、クリーニングユニット70が本体フレーム100内に挿入されるとともに、搬送ユニットフレーム40Hの回動入力ギヤ40Gが、本体フレーム100内のユニット駆動部80のユニット駆動出力ギヤ805に係合する。また、この際、クリーニングユニット70の前後一対のガイドコロ705が、前後一対のガイド部100Gの第1ガイド面101Rに左右方向に所定の間隔をおいて対向して配置される。
図24に示すように、着脱位置に配置されたクリーニングユニット70をレジスト下ローラー32の軸方向と平行な方向から見ると、ピン受け部454Pに支持されたユニット支点ピン70Pの中心(P2)は、回動シャフト451の中心軸(P1)よりも下方かつ右側(幅方向の一端側)に配置される。また、クリーニングユニット70の重心(J)はユニット支点ピン70Pよりも右側に配置される。本実施形態では、クリーニングユニット70の押圧ローラー72の軸が金属(一例として直径10mmのSUS材)からなり押圧ローラー72の表面はEPDMのスポンジローラーであるため、図24に示すように、クリーニングユニット70の重心は、押圧ローラー72の中心(P4)よりもさらに右側に位置するように、クリーニングユニット70の右側部分に偏心している。また、マグネット404Cの左右方向(幅方向)における中心(P3)は、ユニット支点ピン70Pの中心(P2)よりも右側(左右方向におけるクリーニングユニット70の移動方向先端側)に配置されている。
図24に示される状態から制御部90がユニット駆動部80を制御し、回動駆動部75Kが一対の回動レバー454を回動シャフト451回りに回動させる(図25の矢印D251)。この際、ユニット支点ピン70Pの移動に伴って、底壁703Bの左端部が上方に移動する(図25の矢印D252)。この結果、底壁703Bの左端部とマグネット404Cとの距離が拡がることで、マグネット404Cによる磁気拘束力の影響が小さくなり、クリーニングユニット70の底壁703Bをマグネット404Cから容易に脱離させることができる。その後、クリーニングユニット70の自重によってクリーニングユニット70がユニット支点ピン70Pを中心に右側に傾動する(図25の矢印D253)と、一対のガイドコロ705が一対のガイド部100Gの第1ガイド面101Rにそれぞれ当接する。なお、図25では、後壁702の後側にガイドコロ705が隠れているため、ガイドコロ705と第1ガイド面101Rとの当接部分が見えていないが、実際には図25の状態で、ガイドコロ705は第1ガイド面101Rに当接している。
その後、制御部90が一対の回動レバー454を更に回動させると、一対のガイドコロ705が第1ガイド面101Rに案内されながら、クリーニングユニット70が上方かつ右方に移動する。この際、回動レバー454の回動軌跡と、第1ガイド面101Rによって案内されるクリーニングユニット70の移動軌跡とは互いに異なっている。本実施形態では、クリーニングユニット70の一対のユニット支点ピン70Pが、回動レバー454のピン受け部454Pに対して相対回転可能に支持されている。このため、図25および図26に示すように、上方への移動に伴ってクリーニングユニット70の姿勢が変化することが可能であるため、回動レバー454の回動に応じてクリーニングユニット70がスムーズに上昇することができる。
図26に示す状態では、一対のガイドコロ705が第1ガイド面101Rから第2ガイド面102Rに受け渡される。そして、制御部90が更に回動レバー454を回動させると、やがて、一対のガイドコロ705が一対の位置決め部102Sに当接し嵌め込まれる(図31)。この際、クリーニングユニット70のクリーニング部70Aの押圧ローラー72が、図2に示すように、レジスト上ローラー31Tの中心とレジスト下ローラー32の中心とを結ぶ直線Lに沿ってレジスト下ローラー32に下から当接する。この際、回動レバー454は、鉛直方向に対して鋭角をもって交差するように回動シャフト451から斜め下方に延びている(図28参照)。したがって、ピン受け部454Pからユニット支点ピン70Pが脱離することが防止される。このように、クリーニングユニット70が図2、図28、図30、図31にそれぞれ示される清掃位置に至ると、押圧ローラー72がウェブWをレジスト下ローラー32に押圧することによって、レジスト下ローラー32の表面に付着した顔料や紙粉を清掃することができる。なお、図2に示される清掃位置におけるクリーニングユニット70の姿勢では、クリーニングユニット70の重心(押圧ローラー72)がユニット支点ピン70Pの直上に配置されるため、清掃位置におけるクリーニングユニット70の姿勢が安定して維持される。また、制御部90はユニット駆動部80のモーターに対して励磁電流を掛け続けることで、回動レバー454が逆回動することがなくクリーニングユニット70を清掃位置に保持することができる。他の実施形態においてクリーニングユニット70を清掃位置にロックするロック機構、および前記ロックを解除しクリーニングユニット70が清掃位置から着脱位置に移動することを許容するロック解除機構が備えられてもよい。
以上のように、本実施形態では、クリーニング装置7が、クリーニングユニット70と移動機構75とを有し、レジスト下ローラー32の表面を清掃する。移動機構75は、クリーニングユニット70を少なくとも清掃位置と着脱位置との間で移動させることが可能であるため、移動機構75がクリーニングユニット70を清掃位置に配置すると位置決め部102Sがクリーニング部70Aとレジスト下ローラー32との相対位置を規制することでクリーニングユニット70のクリーニング部70Aがレジスト下ローラー32を清掃することができる一方、移動機構75がクリーニングユニット70を清掃位置よりも下方の着脱位置に配置するとクリーニング部70Aがレジスト下ローラー32から下方に離間しておりクリーニングユニット70を装置本体10に対して着脱することができる。この結果、レジスト下ローラー32に大きな負荷を掛けることなくクリーニングユニット70を装置本体10から脱離させることができる。また、清掃位置において位置決め部102Sがレジスト下ローラー32とは異なる位置に配置されているため、クリーニング部70Aの押圧ローラー72とレジスト下ローラー32とが直接接触する部分に他の位置決め部を設ける場合と比較して、クリーニング部70A(押圧ローラー72)の押圧力がレジスト下ローラー32に過剰に付与されることが抑止される。
また、本実施形態では、凹部からなる位置決め部102Sにガイドコロ705の外周面が嵌りこむことで、クリーニング部70Aの押圧ローラー72とレジスト下ローラー32との相対位置を安定して規制することができる。
また、回動駆動部75Kが一対の回動レバー454を回動シャフト451(第1中心軸)回りに回動させるだけで、クリーニングユニット70を着脱位置と清掃位置との間で移動させることができる。この際、一対のユニット支点ピン70Pが一対のピン受け部454Pに対して相対回転することによって、クリーニング部70Aの押圧ローラー72(ウェブW)が上方を向く姿勢をクリーニングユニット70が維持することができる。したがって、清掃位置に到達したクリーニングユニット70が位置決め部102Sに当接すると同時に、クリーニング部70Aの押圧ローラー72がレジスト下ローラー32に下方から当接することができる。
また、本実施形態では、クリーニングハウジング70Hが一対のガイドコロ705を有しているため、回動駆動部75Kによる一対の回動レバー454の回動に応じて、一対のガイドコロ705および一対のガイド部100Gによって、クリーニングユニット70を着脱位置と清掃位置との間で安定して案内することができる。
なお、図2を参照して、本実施形態では、レジスト下ローラー32がレジスト上ローラー31の下方であってレジスト上ローラー31よりも右側(シートSの搬送方向上流側)にずれた位置に配置される。この結果、レジストローラー対よりも低い位置に配置された画像形成位置に向かってシートSを安定して搬送することができる。一方、搬送ユニットフレーム40Hに設けられたクリーニングユニット装着部40Bは、レジストローラー対の下方であって当該レジストローラー対よりも左側(シート搬送方向上流側)に位置している。このようなクリーニングユニット装着部40Bに配置された着脱位置からレジスト下ローラー32の直下の清掃位置にクリーニングユニット70を移動させるにあたり、レジスト上ローラー31の中心とレジスト下ローラー32の中心とを結ぶ直線Lに沿って押圧ローラー72をレジスト下ローラー32に当接させるためには、通常、複雑な移動機構が必要とされる。特に、クリーニングユニット70を直線的に移動させるためには、クリーニングユニット70を着脱位置よりも右方の中間位置に直線的に移動させた後、当該中間位置からクリーニングユニット70を上方かつ左方に向かって直線Lに沿って移動させる必要がある。この場合、互いに交差する複数の直線的な移動経路が必要となる。
一方、本実施形態では、上記のような着脱位置と清掃位置との間のクリーニングユニット70の移動が、一対の回動レバー454の回動とガイド部100Gによるガイド機能によって実現されている。特に、回動レバー454はクリーニングユニット70を着脱位置から清掃位置に向かって右方かつ上方に移動させる。一方、一対のガイド部100Gはクリーニングユニット70のガイドコロ705を上方に案内するにあたって、クリーニングユニット70の押圧ローラー72の移動軌跡が回動レバー454の回動軌跡と異なるように、より詳しくは、押圧ローラー72がレジスト下ローラー32により短い軌跡を通って到達するように、配設されている。そして、クリーニングユニット70が直線Lに沿ってレジスト下ローラー32に当接するとともにクリーニングユニット70が回動レバー454の回動を妨げることを防止するため、回動レバー454の回動中にクリーニングユニット70のユニット支点ピン70Pが回動レバー454に対して相対回転することが可能とされている。このような構成によれば、レジストローラー対の下方の限られた空間において、クリーニングユニット70を着脱位置と清掃位置との間で移動させることができるとともに、押圧ローラー72を直線Lに沿ってレジスト下ローラー32に対して接離させることができる。また、搬送ユニットフレーム40Hに設けられたクリーニングユニット装着部40Bをレジストローラー対の直下に配置せずレジストローラー対よりも左側(ベルト搬送ユニット40側)に配置することができるため、搬送ユニットフレーム40Hのうち搬送ユニット装着部40Aに隣接した限られたスペースにクリーニングユニット装着部40Bを設け、搬送ユニットフレーム40Hをコンパクト化が実現される。
また、本実施形態では、回動レバー454がユニット支点ピン70Pを受け入れるピン受け部454Pを有している。そして、回動駆動部75Kは、前記クリーニングユニット70が着脱位置に配置された状態からユニット支点ピン70Pが右方かつ上方に移動するように、一対の回動レバー454を回動シャフト451回りに回動させることで、クリーニングユニット70を清掃位置に移動させる。このような構成によれば、着脱位置において、クリーニングユニット70の一対のユニット支点ピン70Pを軸方向と直交する方向に沿って一対の回動レバー454のピン受け部454Pに容易に出し入れすることができる。また、一対のユニット支点ピン70Pが一対のピン受け部454Pにクリーニングユニット70の自重で嵌め込まれた状態で、クリーニングユニット70を着脱位置よりも上方の清掃位置に安定して移動させることができる。
また、本実施形態では、着脱位置において回動駆動部75Kが一対の回動レバー454を回動シャフト451回りに回動させると、クリーニングユニット70が自重で傾動し、一対のガイドコロ705が一対のガイド部100Gにそれぞれ当接する。このため、一対のガイドコロ705を一対のガイド部100Gにそれぞれ当接させるための他の駆動機構を必要とせず、クリーニングユニット70を着脱位置から清掃位置に安定してかつスムーズに移動させることができる。
また、本実施形態では、少なくとも一つのマグネット404Cが第2右フレーム404Bに配置されている。このため、当該マグネット404Cの磁気的拘束力によって、クリーニングユニット70がクリーニングユニット装着部40Bから脱落することが抑止される。
更に、マグネット404Cの左右方向における中心は、ピン受け部454Pに支持された回動レバー454の中心よりも右側(クリーニングユニット70の移動方向下流側)に配置されている。このため、回動駆動部75Kが一対の回動レバー454を回動させると、クリーニングユニット70の底壁703Bが傾動することによって、底壁703Bに及ぼすマグネット404Cの磁気的拘束力の影響を低下させ、クリーニングユニット70を清掃位置に向かって容易に移動させることができる。
また、本実施形態では、クリーニングユニット回動部45が一対のコイルばね455を有している。このため、クリーニングユニット70が位置決め部102Sに当接した後、ユニット駆動部80が回動シャフト451を回転させても、一対のレバー支持部453に大きな負荷が掛かることが抑止される。この結果、クリーニングユニット70を清掃位置に到達させるためのユニット駆動部80の駆動量を高い精度で制御する必要が低減される。
また、本実施形態では、帯状のウェブWによってレジスト下ローラー32の表面を清掃することができる。また、ウェブWの表面が汚れた場合でも、ウェブ駆動ローラー73の回転によってウェブ従動ローラー71がウェブWを繰り出し、新たな当接面によってレジスト下ローラー32の表面を清掃することができる。
更に、本実施形態では、クリーニングユニット装着部40Bが搬送ユニットフレーム40Hに配置され、クリーニングユニット70が着脱位置に配置されると、クリーニングユニット70がベルト搬送ユニット40と一体的に装置本体10に対して装着可能および脱離可能とされる。このため、シートSを搬送するベルト搬送ユニット40の装置本体10に対する着脱とともに、クリーニングユニット70を装置本体に対して容易に着脱することができる。
また、本実施形態では、搬送ユニットフレーム40Hが第1右フレーム404Aおよび第2右フレーム404Bを有している。このため、搬送ユニットフレーム40Hの右側部分の剛性を高く保持することができる。また、第1右フレーム404Aの下方の空間(第1右フレーム404Aと第2右フレーム404Bとの間の空間)を利用してクリーニングユニット装着部40Bを形成することができる。そして、回動駆動部75Kは、クリーニングユニット70がクリーニングユニット装着部40Bから右方向(レジスト下ローラー32の軸方向と直交する水平な方向)に抜け出しながら第1右フレーム404Aよりも上方の清掃位置に至るように、一対の回動レバー454を回動シャフト451回りに回動させる。このため、着脱位置に配置されたクリーニングユニット70の上方が第1右フレーム404Aによって覆われているにも関わらず、クリーニングユニット70がクリーニングユニット装着部40Bから右側に抜け出しながら第1右フレーム404Aよりも上方の清掃位置に至ることができる。
なお、本実施形態では、図24に示される着脱位置(格納位置)を基準として、パルス板802の回転量を第1検知センサー803が検出することで、回動レバー454の回動量、すなわち、クリーニングユニット70の位置(清掃位置、離間位置)が検出される。また、第2検知センサー804がクリーニングハウジング70Hを検出することで、クリーニングユニット70が清掃位置に至ったことが検出される。クリーニングユニット70の一対のガイドコロ705が一対の位置決め部102Sに当接すると、回動レバー454の回動がユニット支点ピン70Pによって規制されるが、制御部90はクリーニングユニット70が清掃位置に至ったあとも、ユニット駆動部80を制御して回動シャフト451を僅かに回動させる。この際、回動レバー454とレバー支持部453との間にコイルばね455が介在しているため、回動レバー454とレバー支持部453との間でコイルばね455が圧縮変形することで、回動レバー454の回動シャフト451回りの回動が停止した状態でユニット駆動部80によるレバー支持部453の回転力が回動レバー454に付与されることが阻止(規制)される。このように、クリーニングユニット70が清掃位置に至ったことが第1検知センサー803や第2検知センサー804によって検出された後も回動シャフト451を僅かに回動させることができるため、前後の回動レバー454の取付位置の差(誤差)を吸収し、クリーニングユニット70を確実に清掃位置に配置することができる。この結果、押圧ローラー72のレジスト下ローラー32に対する押圧力を安定して維持することができる。
図32は、レジストローラー対のニップ荷重分布を示すグラフ(A)、(B)および(C)である。図33は、本実施形態と比較される他のレジストローラー対およびクリーニングユニット70Zの断面斜視図である。図32(A)は、押圧ローラー72がレジスト下ローラー32に当接していない状態のレジスト上ローラー31とレジスト下ローラー32との間に掛かるニップ荷重(圧力)の軸方向の分布を指名している。一方、図32(B)は、図33に示される構成における同ニップ荷重の分布を示している。図33のクリーニングユニット70Zでは、押圧ローラー72の押圧ローラーシャフト72Sの軸方向の両端部に、当接コロ72Hが固定されている。当接コロ72Hは、レジスト下ローラー32のシャフト32Sに当接することで、レジスト下ローラー32および押圧ローラー72の軸間距離を規制し、押圧ローラー72のレジスト下ローラー32に対する押圧力を規制する。このように、押圧ローラー72のレジスト下ローラー32に対する位置決めを互いの一部同士を当接させることで行った場合、図32(B)に示すように、レジスト上ローラー31とレジスト下ローラー32との間のニップ荷重の両端部が大きく増大しやすい。この現象は、押圧ローラー72のレジスト下ローラー32に対する押圧力によってレジスト下ローラー32の両端部がレジスト上ローラー31の両端部に強く押し付けられることに起因している。この場合、レジストローラー対の軸方向の両端部のニップ荷重が中央部と比較して過大であるため、軸方向でシートSの搬送速度に差が生じシートSに皺が発生しやすくなる。
一方、本実施形態では、図31に示すように、レジスト下ローラー32とは異なる位置に設けられた位置決め部102Sが、クリーニングユニット70のユニット支点ピン70Pを受け入れることで、押圧ローラー72のレジスト下ローラー32に対する位置が規制される。この結果、図32(C)に示すように、クリーニングユニット70Zと比較して、レジストローラー対のニップ荷重の増大が抑制され、レジストローラー対によるシートの搬送が安定して実現される。
なお、本実施形態では、画像形成装置1において両面印刷が行われる際に、クリーニングユニット70によるレジスト下ローラー32の清掃動作が実行される。両面印刷動作において表面に画像が形成されたシートSは、前述のように、シート反転部15および第3搬送路13を経て、表面および裏面が反転した状態で再びレジストローラー部30に搬入される。この際、表面に形成された画像のインクがレジスト下ローラー32のPFAチューブの表面に付着すると、次のシートSの先端部に当該インクがレジスト下ローラー32から付着しシート汚れが発生する。また、レジスト下ローラー32に付着した上記インクがレジスト上ローラー31に転移すると、そのインクが次のシートSの表面に付着することで印刷画像上の画像不良が発生する。そこで、本実施形態では、両面印刷時のシートSの裏面がレジスト下ローラー32を通過する際にレジスト下ローラー32に付着したインクをクリーニングユニット70のウェブWによって清掃する。このため、制御部90は、両面印刷の実行に対応して、クリーニングユニット70を清掃位置に配置する一方、片面印刷時にはクリーニングユニット70を離間位置に配置する。この結果、限られた長さのウェブロールWRでも長期に亘ってレジスト下ローラー32の清掃を行うことが可能であるとともに、ウェブロールWRをコンパクト化し、クリーニング装置7のサイズを小さくすることが可能となる。
また、片面印刷時のようにレジスト下ローラー32の表面が汚れにくい条件で画像が形成されている際には、クリーニングユニット70を離間位置に配置することで、クリーニング部70Aがレジスト下ローラー32に当接することに伴うレジスト下ローラー32の負荷を低減するとともに、ウェブWの不必要な繰り出しを抑制することができる。
一方、ウェブロールWRがウェブ従動ローラー71から全て繰り出されたことがウェブ送り出し機構81の第3検知センサー813の検出結果から検出されると、制御部90はクリーニングユニット70の交換メッセージを画像形成装置1の不図示の表示部に表示させる。作業者が画像形成装置1の不図示の操作部においてクリーニングユニット70の交換作業の実行を指示すると、制御部90は移動機構75を制御してクリーニングユニット70を着脱位置に移動させる。その後、作業者が、搬送ユニットフレーム40Hを装置本体10の本体フレーム100から前方に引き出し、クリーニングユニット70を搬送ユニットフレーム40Hのクリーニングユニット装着部40Bから取り外すとともに、新しいクリーニングユニット70を搬送ユニットフレーム40Hのクリーニングユニット装着部40Bに装着する。なお、本実施形態では、前述のように、なお、図5の側壁703Aと底壁703Bとの間に形成される開口部を通じて、ウェブ従動ローラー71に保持されたウェブロールWRの状態をクリーニングユニット70の外側から視認することができる。このため、作業者は、搬送ユニットフレーム40Hを装置本体10の本体フレーム100から引き出すと、搬送ユニットフレーム40Hに格納されたクリーニングユニット70のウェブロールWRの残量を引き出された搬送ユニットフレーム40Hの右側方から視認することができる。換言すれば、本実施形態では、クリーニングユニット70のうちウェブロールWRがクリーニングハウジング70Hの外側に露出している右側部が視認可能なように、クリーニングユニット装着部40Bが搬送ユニットフレーム40Hの右側部に配置されている。
本実施形態では、クリーニングユニット70が搬送ユニットフレーム40Hと一体的に装置本体10から脱離されると、回動駆動部75Kと一対の回動レバー454との間における駆動伝達系の一部(装置本体10Gとユニット駆動出力ギヤ805との係合)が切断される。この結果、一対の回動レバー454は、回動シャフト451回りに回動自在となる。したがって、作業者が古いクリーニングユニット70をクリーニングユニット装着部40Bから取り外す際に、一対の回動レバー454がクリーニングユニット70をクリーニングユニット装着部40Bの外側に送り出すように回動することができる。換言すれば、一対の回動レバー454は、クリーニングユニット70の一対のユニット支点ピン70Pが一対のピン受け部454Pから脱離されることを補助するように、回動シャフト451回りに回動する。この結果、作業者は、クリーニングユニット70の一対のユニット支点ピン70Pを一対のピン受け部454Pから容易に脱離することができる。この結果、クリーニングユニット70をベルト搬送ユニット40の搬送ユニットフレーム40Hから容易に取り外すことができる。
以上、本発明の一実施形態に係るクリーニング装置7およびこれを備えた画像形成装置1について説明した。このような構成によれば、レジスト下ローラー32の表面を安定して清掃しながら、画像形成装置1において安定して画像を形成することができる。なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下のような変形実施形態を採用することが可能である。
(1)上記の実施形態では、クリーニングユニット70のクリーニング部70AがウェブWを有する態様にて説明したが、レジスト下ローラー32を清掃するクリーニング部70AはウェブWに限定されるものではなく、レジスト下ローラー32に当接するスポンジローラーやブラシローラーなど他の清掃部材を含むものでもよい。
(2)また、上記の実施形態では、クリーニングユニット70によって清掃される搬送ローラーとしてレジスト下ローラー32を用いて説明したが、搬送ローラーはシートSを搬送する他のローラーであってもよい。
(3)また、上記の実施形態では、画像形成部50がインクジェット方式からなる態様にて説明したが、画像形成部50は公知の電子写真方式などその他の画像形成方式が適用されたものでもよい。