JP2015197631A - 像加熱装置 - Google Patents

像加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015197631A
JP2015197631A JP2014076243A JP2014076243A JP2015197631A JP 2015197631 A JP2015197631 A JP 2015197631A JP 2014076243 A JP2014076243 A JP 2014076243A JP 2014076243 A JP2014076243 A JP 2014076243A JP 2015197631 A JP2015197631 A JP 2015197631A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing roller
roller
fixing
rubbing
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014076243A
Other languages
English (en)
Inventor
細川 尊広
Takahiro Hosokawa
尊広 細川
剱持 和久
Kazuhisa Kemmochi
和久 剱持
三木 勉
Tsutomu Miki
勉 三木
康晴 能登屋
Yasuharu Notoya
康晴 能登屋
優 戸田
Masaru Toda
優 戸田
晃子 木暮
Akiko Kogure
晃子 木暮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2014076243A priority Critical patent/JP2015197631A/ja
Priority to US14/674,529 priority patent/US20150286172A1/en
Publication of JP2015197631A publication Critical patent/JP2015197631A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2053Structural details of heat elements, e.g. structure of roller or belt, eddy current, induction heating
    • G03G15/2057Structural details of heat elements, e.g. structure of roller or belt, eddy current, induction heating relating to the chemical composition of the heat element and layers thereof
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2017Structural details of the fixing unit in general, e.g. cooling means, heat shielding means
    • G03G15/2025Structural details of the fixing unit in general, e.g. cooling means, heat shielding means with special means for lubricating and/or cleaning the fixing unit, e.g. applying offset preventing fluid

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Cleaning In Electrography (AREA)

Abstract

【課題】回転体の表面に発生した傷の修復機能が優れている像加熱装置の提供。【解決手段】回転体71の表面に接触する摺擦部材733と、回転体の表面と摺擦部材の接触により形成される摺擦部N3に設けられておりフッ素樹脂層のフッ素樹脂よりも固い粒子741と、を有する。修復モードでは、摺動装置73を回転体の軸方向に往復運動させることにより、摺擦部N3中で、フィルム733に付着している削り粒子741が、磨耗しながら移動して、少なくとも回転体とフィルム733の1つの部材の表層を削ることで削り粉を生成、前記削り粉を回転体表面に溶着させることにより、回転体表面の傷を修復する。【選択図】図3

Description

本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタ等の画像形成装置に搭載する定着装置(定着器)として用いれば好適な像加熱装置に関する。
電子写真式の複写機やプリンタに搭載する定着装置として、一般的に、記録材上のトナー画像にローラやベルトを接触させて加熱する接触式の定着装置が採用されている。
ところで、上記の定着装置では、定着ローラの外周面(表面)が、ニップ部で記録材を挟持搬送することで受けるダメージや、記録材が紙である場合に付着する紙粉、オフセットトナーなどの汚れにより、徐々に荒れてくるという問題がある。
定着ローラの表面の状態(形状)を変化させる要因で最も顕著なものは、紙の裁断時に生じる両端部のバリである。一般的に、紙の裁断は鋭利なカッターで行なわれるが、その時の裁断跡として紙のバリが生じてしまう。紙のバリの大きさは、紙種によって異なるが、大きなものでは数μm〜十数μm程度である。
図17に紙のバリを説明する模式図を示す。図18に定着ローラに発生した紙コバ傷を説明する模式図を示す。
未定着トナー画像を記録材に加熱定着する定着工程において、紙のバリが定着ローラと加圧ローラとに挟み込まれると、定着ローラ表面に微小な傷が生じる。このとき、ニップ部に同一のサイズの紙種が連続的に導入されると、定着ローラの紙の両端部(以下「コバ部」という)の通過位置に、定着ローラの周方向に沿った傷(紙コバ傷)が発生する(図17参照)。それにより、定着ローラの紙コバ傷の部分は、紙コバ部が発生しない部分と比べて、定着ローラ表面の凹凸が大きくなる。
そして、ニップ部に連続的に導入した紙種よりも幅の広いサイズの紙種を導入した場合に、トナー画像上にグロスムラが生じる(図18参照)。つまり、定着ローラ表面の紙コバ傷の凹凸が、定着工程が行われることによって、トナー画像表面に転写されてしまう。この凹凸が転写されたトナー画像は、紙コバ部以外に対応する定着ローラ上の位置で定着工程が行われた画像と比べてグロスが低くなる。そして、トナー画像上で、その凹凸が記録材の搬送方向に帯状に続くことによって、グロスの低い部分が記録材の搬送方向に帯状に形成され、グロスムラとなって顕在化される(図18参照)。
特許文献1には、回転研磨部材を用いて、定着ローラの表面を回転方向に研磨して表面粗さを均一にすることで傷を目立たなくする方法が開示されている。特許文献2には、摺擦部材を定着ローラの回転方向に対して交差する方向に摺擦することで離型層を引き延ばして、深い傷を覆うことで画像品位の低下を抑制する技術が開示されている。
特開2012−173383号公報 特開2009−151231号公報
本発明の目的は、回転体の表面に発生した傷の修復機能が優れている像加熱装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明に係る像加熱装置の構成は、表面にフッ素樹脂層を有し画像を担持する記録材を挟持搬送するニップ部を形成するための回転体を有し、前記ニップ部で記録材上の画像を加熱する像加熱装置において、前記回転体の表面に接触する摺擦部材と、前記回転体の表面と前記摺擦部材の接触により形成される摺擦部に設けられており前記フッ素樹脂層のフッ素樹脂よりも固い粒子と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、回転体の表面に発生した傷の修復機能が優れている像加熱装置を提供できる。
実施例1に係る定着装置の定着動作モード時の断面図 定着装置の制御ブロック図 定着装置の修復モード時の断面図 定着装置における摺動装置と摺擦部の断面図 摺動装置のセラミックヒータの断面図 摺動装置のフィルムの断面図 摺動装置を往復運動させるスライド機構を説明する図 摺擦部中で定着ローラ表面が受ける力を説明する図 削り粒子による定着ローラ表層傷の修復過程を説明する図 定着ローラ表層傷の修復後の状態を比較した図 画像形成装置の断面図 実施例2に係る定着装置の制御ブロック図 定着装置の修復モード時の断面図 実施例3に係る定着装置の制御ブロック図 定着装置の修復モードにおける削り粒子供給動作時の断面図 定着装置の修復モードにおける傷修復動作時の断面図 紙のバリを説明する模式図 コバ部傷を説明する模式図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の好適な実施形態は、本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明は以下の実施例により限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において他の公知の構成に置き換えることは可能である。
[実施例1]
(1)画像形成装置10
図11を参照して、本発明に係る像加熱装置を定着装置として搭載する画像形成装置を説明する。図11は電子写真記録技術を用いた画像形成装置(本実施例ではモノクロプリンタ)10の一例の模式断面図である。
画像形成装置10において、普通紙、光沢紙、OHPシートなどの記録材Pにトナー画像を形成する画像形成部9は、像担持体としての感光体ドラム1と、帯電部材2と、レーザスキャナ3と、現像器4と、を有する。更に、画像形成部9は、感光体ドラム1をクリーニングするクリーナ6と、転写部材5と、を有する。以上の画像形成部9の動作は周知であるので詳細な説明は割愛する。
記録材Pは不図示のローラの回転によって感光体ドラム1と転写部材5とで形成された転写ニップ部Tに搬送される。感光体ドラム1の外周面(表面)に離型剤を含むトナーを用いて形成されたトナー画像は転写ニップ部Tにおいて記録材P上に転写される。記録材P上に転写された未定着トナー画像を担持した記録材Pは定着装置(定着部)7に送られ、そのトナー画像は定着装置で記録材に加熱定着される。定着装置7を出た記録材Pは不図示のローラの回転によってトレイに排出される。
(2)定着装置7
図1は本実施例に係る定着装置7の定着動作モード時の模式断面図である。図2は定着装置7の制御ブロック図である。図3は定着装置7の修復モード時の模式断面図である。本実施例に示す定着装置7は、定着ローラ71の外周面(表面)にオイルを塗布しないオイルレス定着方式の装置である。
定着装置7は、ニップ部Nを形成するための回転体として、定着ローラ71と、加圧ローラ78と、を有する。更に、定着装置7は、クリーニング装置72と、摺動装置73と、ハロゲンヒータ75と、温度検知素子76と、を有する。
また、定着装置7は、定着動作モードの他に、修復モードを有する。RAMやROMなどのメモリ61には、定着動作モード611と、修復モード612が記憶されている。CPUからなる制御部60は、プリント指令を入力すると定着動作モード611を実行し、修復指令を入力すると修復モード612を実行する。
定着動作モード611では、記録材Pが担持する未定着トナー画像Tを記録材上に定着する加熱定着処理動作を行う。修復モード612では、定着ローラ71の表面に発生した傷(表層傷ともいう)を修復する修復処理動作を行う。
定着ローラ71は、外径略φ68mmのアルミニウム製の中空芯金71aと、この芯金上に形成された弾性層71bと、この弾性層上に形成された離型層71cと、を有する。定着ローラ71の外径はφ70mmである。
弾性層71bは、ゴム硬度20°(JIS−A1kg加重)のシリコーンゴムを1.0mmの厚みに成形したものである。離型層71cは、厚み50μm厚のフッ素樹脂チューブ(フッ素樹脂層)を弾性層71b上に被覆したものである。フッ素樹脂チューブはPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)で構成されている。この定着ローラ71は、芯金71aの両端部(不図示)が軸受を介して定着装置7のフレーム(不図示)に回転可能に保持されている。
定着ローラ71の芯金71aの内部に配置されたハロゲンヒータ75は、ハロゲンヒータの両端部が上述のフレームに保持されている。
加圧ローラ78は、外径略φ48mmのアルミニウム製の中空芯金78aと、この芯金上に形成された弾性層78bと、この弾性層上に形成された離型層78cと、を有する。加圧ローラ78の外径はφ50mmである。図1では、便宜上、定着ローラ71と加圧ローラ78を同じ外径に表わしている。
弾性層78bは、ゴム硬度20°(JIS−A1kg加重)のシリコーンゴムを1.0mmの厚みに成形したものである。離型層78cは、厚み100μmのフッ素樹脂チューブ(フッ素樹脂層)を弾性層78b上に被覆したものである。このフッ素樹脂チューブはPFAで構成されている。
この加圧ローラ78は、芯金78aの両端部78a1が上述のフレームに軸受781を介して定着ローラ71の径方向に移動可能に保持されている。軸受781は加圧バネ77で定着ローラ71に近接する方向(図1中矢印A2方向)へ加圧され、加圧ローラ78表面を定着ローラ71表面が当接させることにより、加圧ローラ表面と定着ローラ表面とで所定幅のニップ部N1(図1参照)を形成している。
本実施例では、加圧ローラ78を定着ローラ71に対し784N(80kgf)で加圧することにより、加圧ローラ表面と定着ローラ表面とで幅約7mmのニップ部N1を形成している。
クリーニング装置72は、繊維状のクリーニングウェブ721と、弾性ローラ722と、供給ローラ723と、巻き取りローラ724と、これらのローラを回転可能に保持するフレーム72Fと、を有する。供給ローラ723にはクリーニングウェブ721が巻かれており、このクリーニングウェブ721は弾性ローラ722を介して巻き取りローラ724によって巻き取られる。
フレーム72Fは、上述のフレームに定着ローラ71の径方向に移動可能に保持され、加圧バネ726で定着ローラ71に接近する方向(図1中矢印A3方向)へ加圧されている。この加圧バネ726の加圧力により弾性ローラ722でクリーニングウェブ721の表面を定着ローラ71の表面に当接させることにより、クリーニングウェブ表面と定着ローラ表面とで所定幅のクリーニング部N2(図1参照)を形成している。
(3)定着動作モード611
図1、図2を参照して、定着動作モード611について説明する。制御部60はモータM1を駆動して、定着ローラ71を矢印R1方向へ回転させる。定着ローラ71の回転速度は定着ローラの表面移動速度が230mm/secになるように設定されている。この定着ローラ71の回転によって加圧ローラ78は定着ローラの回転に追従して矢印R2方向へ回転する。
次に、ニップ部N1とクリーニング部N2との間で定着ローラ表面と非接触に配置されたサーミスタ等の温度検知素子76がモニターする定着ローラ表面の検知温度を取り込む。そして、その検知温度に基づき第1の温度制御回路81を駆動することによって電源(不図示)からハロゲンヒータ75に供給する電力を制御する。これにより、定着ローラ71の表面温度が所定の定着温度(目標温度)に維持される。本実施例では、定着温度を180℃となるように設定している。
次に、モータM2を駆動して、巻き取りローラ724を回転させる。巻き取りローラ724の回転によってクリーニングウェブ721は、供給ローラ723から定着ローラ71の回転方向とは逆方向に引き出され、弾性ローラ722で定着ローラ表面に押圧されつつ巻き取りローラ724に巻き取られる。
未定着トナー画像Tを担持する記録材Pはニップ部N1で挟持搬送されながら定着ローラ71表面と加圧ローラ78表面とで加熱され、これによりトナー画像は記録材上に加熱定着される。ニップ部N1において定着ローラ71表面に付着した記録材Pの紙粉やオフセットトナー等の異物はクリーニング部N2でクリーニングウェブ721により除去される。
(4)摺動装置73
定着ローラ71表面と摺擦部N3を形成する摺動装置73について説明する。図4は摺動装置73の断面図である。図5は摺動装置73のセラミックヒータ732の断面図である。図6は摺動装置73のフィルム733の断面図である。図7は摺動装置73を定着ローラ71の軸方向に往復運動させるスライド機構(移動手段)80を説明する図である。
図4に示すように、摺動装置73は、ヒータホルダー730と、温度検知素子731と、セラミックヒータ(加熱源)732と、フィルム(摺擦部材)733と、フィルム押え(固定部材)739と、を有する。セラミックヒータ732はヒータホルダー(以下、ホルダーという)730の定着ローラ71側の表面に保持されており、このセラミックヒータを定着ローラ側から覆うようにフィルム733が装着されている。
この摺動装置73は、搬送方向aと直交する方向に関して、上述のフレームにホルダー730の両端部が定着ローラの径方向に移動可能に保持され、修復モードの際に加圧バネ79でホルダーが定着ローラに接近する方向(図3中矢印A1方向)へ加圧される。これによりフィルム733表面を定着ローラ71表面に当接させて、フィルム表面と定着ローラ表面とで所定幅の摺擦部N3(図3参照)を形成する。
また、摺動装置73は、定着動作モードの際に制御部60により駆動されるソレノイドSL3のプランジャ(不図示)でホルダー730が加圧バネ79の加圧力に抗して定着ローラ71表面から離れる方向(矢印A1方向とは反対方向)へ移動される。これによりフィルム733は定着ローラ71から離間される(図1参照)。
セラミックヒータ732は、搬送方向aと直交する方向に関して、ホルダー730の定着ローラ71側の表面に形成された凹部730a(図4参照)に保持されている。このセラミックヒータ732は細長い基板734(図5参照)を有する。この基板734の定着ローラ71側の表面には、搬送方向aと直交する方向に沿って発熱抵抗体735が形成され、更にその発熱抵抗体を覆うように保護層736が形成されている。
基板734は、アルミナや窒化アルミ等の絶縁性のセラミックス基板、或いはポリイミド、PPS、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂基板である。発熱抵抗体735は、Ag/Pd(銀パラジウム)、RuO、TaN等の材料のペーストを、基板の表面にスクリーン印刷し、その後焼成したものである。この発熱抵抗体735は、厚み10μm程度、幅1〜5mm程度、長さ300mm程度の線状の形態を有する。保護層736は、厚さ50μmのガラスで形成されている。
ホルダー730は、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等の耐熱性樹脂により形成されている。ホルダー730の熱伝導率が低いほど定着ローラ71表面の加熱に対する熱効率が高くなるため、ホルダーの材料として熱伝導率の低い材料を用いることが望ましい。
セラミックヒータ732の定着ローラ71とは反対側の裏面には、セラミックヒータを温度制御する目的、またはセラミックヒータの異常昇温を監視する目的で、サーミスタ等の温度検知素子731(図4参照)が配置されている。
図4に示すように、フィルム733は、セラミックヒータ732の保護層736を覆うようにホルダー730に装着され、フィルムの搬送方向a側の端部がフィルム押え739でホルダーに固定されている。フィルム733は定着ローラ71表面を削るための部材であり、フィルムの定着ローラ側の表面には削り粒子741が予め塗布されて付着している。定着ローラ71表面に発生した傷の修復過程で、フィルム733に付着している削り粒子741の量が減少し、修復効果が減少していく。その場合、フィルム733を交換することで、傷の修復効果が維持できる。
フィルム733を交換する場合、ホルダー730からフィルム押え739を取り外し、削り粒子741の量が減少したフィルム733をホルダーから取り外す。そして、新品のフィルム733をホルダー730に装着し、そのフィルムをフィルム押え739でホルダーに固定すればよい。
ホルダー730のセラミックヒータ732よりも定着ローラ71の回転方向下流側には、摺擦部N3内に削り粒子741を保持できるようにするため、定着ローラ表面に向けて突出する凸型の突起730bが搬送方向aと直交する方向に沿って形成してある。
突起730bの高さは、セラミックヒータ732の保護層736の表面736a(図4参照)から0.1〜1.0mm高いことが望ましい。突起730bの幅は0.1〜3.0mmが望ましい。また、突起730bの横断面形状は箱型・三角型・半円型など任意の形状とすることが可能である。本実施例では、突起730bの形状を箱型とした。この突起730bは、高さ0.5mm、幅2.0mmである。
図6に示すように、フィルム733は、基層737と、その基層の外周に形成された摺動層738と、を有する。摺動層738は、定着ローラ71表面との摺擦による摩擦力を低減させるために設けられている。摺動層738の材料は、摺動性に優れたPFAの他に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂を用いると良い。また、摺動層738の厚さは100〜300μm程度が好ましい。
基層737は、摺擦部N3でフィルム733表面と定着ローラ71表面との動摩擦力によるフィルムの破れを防止するために設けられている。基層737の材料は、ニッケル、SUS等の金属製の電鋳あるいは、ポリイミドなどの耐熱性樹脂を用いると良い。基層737の厚さは、50〜150μm程度が好ましい。
本実施例では、フィルム733として、厚さ75μmのポリイミド層からなる基層737を有し、その基層の外周に摺動層738として200μmのPFA層を被覆したものを用いている。
図7に示すように、スライド機構80は、加圧バネ801と、カム802と、モータM3と、を有する。加圧バネ801は、搬送方向aと直交する方向に関して、ホルダー730の片側の端部730cを図中矢印A4方向即ち当該端部とは反対側の端部730dに向けて加圧している。一方、ホルダー730の反対側の端部730dにはカム802のカム面が接触している。
制御部60によりモータM3が駆動され、このモータでカム802のカム軸803を回転することによってカム802を矢印R3方向へ回転させる。これにより、摺動装置73は定着ローラ71の図中矢印A5にて示す軸方向に往復運動する。
(5)修復モード612
図3に示すように、修復モードでは、先ず、加圧ローラ78表面に付着した異物が定着ローラ71表面に付着しないように、定着ローラと加圧ローラが離間される。その状態で、定着ローラ71を回転させて、クリーニング装置72のクリーニングウェブ721で定着ローラ表面に付着している異物を除去した後、クリーニング装置を定着ローラから離間させる。
その後、摺動装置73のフィルム733を定着ローラ71に当接させて摺擦部N3を形成し、その状態で摺動装置73を定着ローラ71の軸方向に往復運動させる。これにより、摺擦部N3中で、フィルム733に付着している削り粒子741が、磨耗しながら移動して、少なくとも定着ローラ71とフィルム733の1つの部材の表層を削ることで削り粉71c1(図4参照)を生成する。そして、この削り粉71c1を定着ローラ71表面に溶着させることにより、定着ローラ表面の傷を修復する。
本実施例の修復モードにおいても、定着ローラ71の表面移動速度が230mm/secで、定着ローラ71の表面温度が180℃になるように設定されている。
図1、図2、図3、図7を参照して、修復モードについて更に詳しく説明する。制御部60によりソレノイドSL1が駆動(オン)されると、このソレノイドはプランジャ(不図示)で加圧ローラ78の軸受781を加圧バネ77の加圧力に抗して図1中矢印A2方向とは反対方向に移動する。これにより、加圧ローラ78は定着ローラ71から離間される(図3参照)。
更に、モータM1が駆動されると、このモータの駆動により定着ローラ71は矢印R1方向へ表面移動速度が230mm/secで回転される。次に、モータM2が駆動されると、このモータの駆動により巻き取りローラ724が回転される。これにより、供給ローラ723からクリーニングウェブ721が引き出され、クリーニング部N2で定着ローラ71表面に付着している紙粉やオフセットトナー等の異物が除去される。
更に、ソレノイドSL2が駆動(オン)されると、このソレノイドはプランジャ(不図示)でクリーニング装置72のフレーム72Fを加圧バネ726の加圧力に抗して図1中矢印A3方向とは反対方向に移動する。これにより、クリーニングウェブ721は定着ローラ71から離間される(図3参照)。
更に、ソレノイドSL3が駆動(オフ)されると、摺動装置73のホルダー730が加圧バネ79で定着ローラ71に接近する方向(図3中矢印A1方向)へ加圧され、フィルム733の表面が定着ローラ71の表面に当接する。フィルム733表面が定着ローラ71表面に接触した際に、セラミックヒータ732の保護層736とホルダー730の突起730bとでフィルム733内面が押圧され、フィルム表面を定着ローラ71表面に加圧する。これにより、フィルム表面と定着ローラ表面とで所定幅の摺擦部N3が形成される。
本実施例では、加圧バネ79でホルダー730を39.2N(4kgf)の力で加圧することにより、幅約5mmの摺擦部N3を形成している。
本実施例の定着装置7では、摺動装置を定着ローラの軸方向に往復運動できるようにするため、ホルダー730に定着ローラの軸方向と平行なガイド溝(不図示)を形成し、そのガイド溝にソレノイドSL3のプランジャをスライド可能に保持させている。ガイド溝の長さは摺動装置73の後述するスライド量W(図7参照)よりも長くなっている。つまり、摺動装置73は定着ローラ71の軸方向にスライド量Wと等しい距離移動できるようになっている。ここで、定着ローラ71の軸方向とは、定着ローラの回転方向R1と交差する方向をいう。
更に、モータM1の駆動によりカム802が回転する。このカム802の回転により摺動装置73を定着ローラ71の軸方向に往復運動させる。図7において79aは摺動装置73の移動に伴いホルダー730上を転動するコロであり、加圧バネ79はコロ79aを介してホルダー730を矢印A1方向に加圧している。
摺動装置73の往復運動により、摺擦部N3中で、フィルム733表面の削り粒子741が定着ローラ71の表層である離型層71cを擦りながら移動する。これにより、削り粒子741が定着ローラ71の離型層71cを削り、摺擦部N3に定着ローラ71の離型層71cの削り粉71c1が生成される(図4参照)。
また、摺擦部N3中で、フィルム733表面の削り粒子741が移動中にフィルム表面から離脱して定着ローラ71の離型層71cとフィルム733の表層である摺動層738を削ることもある。この場合、摺動部N3には離型層71cと摺動層738の削り粉71c1が生成される。
次に、制御部60は、温度検知素子76の温度を取り込み、その検知温度に基づき第1の温度制御回路81を駆動することによって電源(不図示)からハロゲンヒータ75に供給する電力を制御する。また、制御部60は、温度検知素子731の検知温度を取り込み、その検知温度に基づき第2の温度制御回路82を駆動することによって電源からセラミックヒータ735の抵抗発熱体735に供給する電力を制御する。
本実施例では、定着ローラ71の表面温度が180℃になるように、ハロゲンヒータ75、及びセラミックヒータ735に供給する電力を制御している。
摺擦部N3の削り粉71c1は、ハロゲンヒータ735で加熱された定着ローラ71の熱とセラミックヒータ735で加熱されたフィルム733の熱を受けて溶融し、更に摺擦部N3の圧を受けて、定着ローラ71表面に溶着する。これにより、定着ローラ71表面の傷は修復される。
(6)削り粒子741の特性
削り粒子741は、少なくとも定着ローラ71の離型層(以下、表層という)71cを削るものであるため、ローラのフッ素樹脂層のフッ素樹脂よりも固い粒子であることが望まれる。
本実施例では、前述の様に、表層71c,738の材料として、記録材P上のトナーとの離型性に優れたフッ素樹脂を使用している。そのため、削り粒子741の材料としては、フッ素樹脂よりも硬く、高温でも軟らかくならない粒子を使用することが好ましい。削り粒子741の材料として、二酸化ケイ素(SiO)、酸化鉄(Fe)、酸化アルミニウム(Al)、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタン(TiO)等が挙げられる。
定着ローラ71の表面に発生した傷(以下、表層傷という)の修復工程において、定着ローラ71の熱により、削り粒子741が軟らかくなると、摺擦部N3で表層71c,738が削れにくくなり、定着ローラの表層傷を修復することが困難になる。少なくとも、修復工程において、削り粒子741の硬度は、定着ローラ71の表面温度に加熱されても、表層71c,738よりも硬くなければならない。
削り粒子741の粒径が大きすぎると、修復工程において、摺擦部N3で削り粒子が定着ローラ71の表層71cを大きく削ってしまい、当該表層に新たな大きな傷が発生して、表層傷を修復することが困難になる。一方、削り粒子741の粒径が小さすぎると、摺擦部N3で削り粒子741の流動性が低下して削り粒子が凝集するため、摺動部の長手方向で削り粒子の分布量にムラが発生し、定着ローラ71表面に削りムラが発生する。このことから、削り粒子741の粒径は、0.1〜10μm程度が好ましい。
本実施例では、定着ローラ71の表層71cにPFAチューブを用いているので、削り粒子741としても、温度特性、硬度等を考慮して、無機粒子を用いることが好ましい。本実施例では、削り粒子741として、関東ロームの粉体(JIS試験用粉体1の8種)を用いた。この削り粒子741は、主に二酸化ケイ素(SiO)、酸化鉄(Fe)、酸化アルミニウム(Al)であり、粒径は、2〜7μm程度であった。
(7)定着ローラ71の表層傷の修復過程、及び表層傷の修復効果の説明
本実施例の定着装置7は、摺動装置73を定着ローラ71に対して往復運動させる機能を有していることが特徴の1つでもある。
スライド機構80のカム802の回転による摺動装置73のスライド量Wは1mm程度で摺動部N3において削り粉71c1を形成する効果を得ることができる。しかしながら、スライド量Wは大きい方がその効果は大きい。そこで、本実施例では、スライド量Wを3mmとした。
また、摺動装置73の往復の周期は、定着ローラ71の回転周期と重なってしまうと、摺擦部N3においてフィルム733が定着ローラ表面の同じ箇所を摺擦してしまう。そのため、定着ローラの表層71cに傷が発生やすくなり、その傷の修復効果が大幅に減少することになる。従って、少なくとも摺動装置73の一往復の周期と定着ローラの回転周期とは同期させてはならない。本実施例では、定着ローラ71の回転周期が約0.956秒(表面移動速度230mm/sec)に対して、摺動装置73が往復運動する周期を6.00秒とした。
図8は摺擦部N3中で定着ローラ71表面が受ける力を説明する図である。図8では、摺擦部N3の位置を明示するため、摺動装置73を破線にて表わしている。
図8に示されるように、定着ローラ71は図中矢印R1方向に回転しているため、フィルム733の表層738又は削り粒子741を介して、フィルムから受ける定着ローラ71表面の力としては、回転方向とは逆向きの動摩擦力Frを受ける。さらに、摺動装置73が定着ローラ71の軸方向に往復運動しているため、その往復運動の動摩擦力Fsを受ける。図8では、摺動装置73が図中矢印A4方向に移動中の場合に定着ローラ71の表面が受ける動摩擦力Fsを示した。上記2つの動摩擦力Fr,Fsの合力として摺擦部N3の定着ローラ71表面は、動摩擦力F1を受けることなる。
図4に示されるように、定着ローラ71の表層傷の修復過程では、摺擦部N3において、フィルム733の摺動層738から離脱した削り粒子741は、定着ローラ71の回転により、セラミックヒータ732よりも下流側に徐々に移動する。そして、その削り粒子741は、ホルダー730の突起730bで堰き止められる。定着ローラ71の表層傷の修復が繰り返し行われると、突起730bで堰き止められた削り粒子741は、定着ローラ71の回転に伴い突起と定着ローラ表面との間から徐々にすり抜けて、減少していく。それにより、修復効果が減少した時がフィルム733の交換時期である。
図9の(a)〜(c)を用いて、定着ローラ71の表層傷を修復する過程を説明する。図9では、摺擦部N3の削り粒子741の溜まる部分(中央部)で、その削り粒子によって生じた定着ローラ71の表層71cとフィルム733の表層738の削り粉71c1が定着ローラ71表面に溶着し、定着ローラの表層傷を修復する過程を示している。
図9において、(a)は、定着ローラ71の表層傷の修復前の摺擦部N3の削り粒子741の溜まる部分を示した模式断面図である。(b)と(c)は上述の方法で、定着ローラ71の表層傷の修復開始1分後と表層傷の修復開始2分後の摺擦部N3の削り粒子741の溜まる部分を示した模式断面図である。
(a)に示すように、表層傷の修復前の定着ローラ71の表層71cには、紙コバ傷による凹み傷(以下、傷という)が存在している。
(b)に示すように、表層傷の修復開始1分後は、摺擦部N3で、削り粒子741が、定着ローラ71の表層71cとフィルム73の表層738を削ることにより、傷の凹みが小さくなるとともに、PFA樹脂の削り粉71c1が形成される。そして、前述の図8で説明した動摩擦力F1と摺擦部N3の熱と圧により、その削り粉71c1が傷を覆うように溶着して、引き延ばされる。摺擦部N3において、削り粉71c1は、セラミックヒータ732と定着ローラ71のハロゲンヒータ75による加熱だけでなく、前述の動摩擦力F1の摩擦熱が加わり、定着ローラの表層71c上に溶着される。
そして、(c)に示すように、表層傷の修復開始2分後は、削り粉71c1が、定着ローラ71表面の傷をほぼ覆い、修復が完了する。
上記のように定着ローラ71表面に溶着した削り粉71c1の離型層が、定着ローラ表面の傷の上を覆うことで、記録材に定着されたトナー画像上の画像障害(紙コバ傷のスジ等)が見えなくなる。この削り粉71c1の離型層が、定着ローラ71表面の傷の上を、傷が見えなくなるまですべて覆いつくすことができなくても、傷の上を所々覆うことができれば、記録材に定着されたトナー画像上の傷は見えなくなる効果がある。
上述のように、削り粉71c1が定着ローラ71表面の傷を覆うように溶着して、引き延ばされる効果を得るためには、摺動部N3中で定着ローラ表面にかかる動摩擦力がある程度必要である。
まず、定着ローラ71表面にかかる動摩擦力F1は、本実施例では前述したように、定着ローラ71とフィルム733が直接又は削り粒子741を介して、摺擦することによって発生する。一般的に、動摩擦力は、速度によらず一定で、垂直加重に比例するので、動摩擦力F1は、定着ローラ71の表面移動速度に影響しないが、摺擦部N3の面圧ピーク値に影響を受ける。
本実施例では、摺擦部N3の面圧ピーク値を0.25MPaにしている。効果的に定着ローラ71表面に付着した削り粉71c1を溶着する動摩擦力F1を得るために、摺擦部N3の面圧ピーク値は0.1MPa以上であることが好ましい。
定着ローラ71表面の傷の修復時間は、修復時の定着ローラ71の表面移動速度に影響を受ける。定着ローラ71の表面移動速度が速いほど、単位時間当たりに定着ローラ71とフィルム733の摺擦した面積が増加するので、修復時間は、短くなる。しかし、定着ローラ71の表面移動速度を速くしすぎると、摺擦部N3中で、定着ローラ71の表面にある削り粒子741と削り粉71c1が、定着ローラ71表面から飛ばされる弊害が生じる。
上記のことから、定着ローラ71の表面移動速度は、50〜500mm/sec程度が好ましい。本実施例においては、定着ローラ71が、表面移動速度230mm/secで回転駆動している。
前述したように、記録材のコバ部によって発生した定着ローラ71表面の傷部は、画像定着時に記録材上の定着画像に転写される。特に光沢を必要とする光沢紙を使用した場合に、光沢を出すためにトナーを十分に溶融するため、定着ローラ71表面の連続した微小な傷部が転写されやすく、定着画像にグロスムラが発生し、画像スジが目立ちやすい傾向にある。
図10の(a)、(b)は、本実施例において、摺動装置73の往復運動を停止して、紙コバ傷の修復を行った時と、摺動装置73を往復運動させて、紙コバ傷の修復を行った時で、定着ローラ71表面を比較したものである。本実施例で、紙コバ傷の修復を行うと、図10の(a)と(b)に示すように、摺擦部N3で、削り粒子741が、定着ローラ71の表層71cを削ることにより、定着ローラ71の表層には、新たに回転方向に細かな傷が発生する。
図10の(a)は、本実施例の定着装置7において、摺動装置73の往復運動を停止して、回転方向の紙コバ傷の修復を行った時の定着ローラ71表面の模式図である。
摺動装置73の往復運動を停止すると、定着ローラ71とフィルム733とが回転方向のみで摺動する。すると、図10の(a)に示すように、定着ローラ71の表層71cに溶着した削り粉71c1は、摺擦部N3で、定着ローラ71表面にかかる動摩擦力Frにより、定着ローラ71の回転方向にのみ引き延ばされて、定着ローラの長手方向に引き延ばされない。
そのため、定着ローラ71の回転方向の紙コバ傷と削り粒子741による新たな傷に対して、削り粉71c1で十分に覆うことができず、紙コバ傷がほとんど修復されないまま、新たな傷が発生し、定着画像上に新たな細かな縦スジも発生してしまう。
一方、図10の(b)は、本実施例の定着装置7において、摺動装置73を往復運動させて、紙コバ傷の修復を行った時の定着ローラ71表面の模式図である。
摺動装置73を往復運動させると、前述したように、フィルム733が定着ローラ71の軸方向に往復運動するため、定着ローラ71の表面が受ける動摩擦力は、定着ローラ71の回転方向以外に、定着ローラ71の長手方向の成分を持つことができる。したがって、図10の(b)に示すように、定着ローラ71の表層71cに溶着した削り粉71c1は、摺擦部N3で、定着ローラ71の回転方向以外に、定着ローラ71の長手方向にも引き延ばされる。
そのため、定着ローラ71の回転方向の紙コバ傷と削り粒子741のよる新たな傷に対して、削り粉71c1が覆うことができ、これらの傷を修復することができる。その結果、これらの傷が断続的に途切れるため、定着画像上に縦スジとして現れない効果が得られる。
ここで、定着ローラ71の表面粗さの差ΔRzと定着画像のグロスムラによる画像スジの関係を調べた。定着ローラ71の表面粗さRzは、菱化システム社製マイクロマップにより測定した。定着ローラ71の表面粗さの差ΔRzは、定着ローラの長手位置を変えて数点測定し、その最大値と最小値の最大差分から求めた。
その結果、定着ローラ71の表面粗さの差ΔRzが、約0.7μm以上になると、光沢紙のみならず、光沢を必要としない普通紙においても、画像の印字率によっては画像スジが見えてしまう場合があった。ΔRzが0.3μm以下であれば、普通紙、光沢紙両方とも、定着画像に画像スジが目立たなかった。よって、定着画像のグロスムラによる画像スジが見えないためには、定着ローラ71の表面粗さの差ΔRzを0.3μm以下に抑える必要がある。
本実施例の定着装置7を搭載したプリンタにおいて、連続プリント耐久試験を行い、修復モードを実施した時と実施しなかった時を比較した。修復モードは、通紙100枚程度につき、1回で、2分間行った。
連続プリント耐久試験では、同一サイズの厚紙で、印字率5%の画像を1000枚印字して、その後の定着ローラ71の傷の確認を行った。定着ローラ71の傷の確認は、表面粗さ計(菱化システム社製マイクロマップ)による傷の深さの測定と、連続通紙で使用した紙よりも、幅の広いサイズの光沢紙と普通紙を用いて、17階調のトナー画像の画像スジの有無で確認した。
本実施例の修復モードを実施しなかった定着ローラ71は、紙コバにより1000枚印字の時点で、定着ローラ表面粗さの差ΔRzが0.7μmより大きくなり、普通紙及び光沢紙上に画像スジが確認された。
しかし、本実施例の修復モードを実施した定着ローラ71は、削り粒子741により生成された削り粉71c1が、紙コバ部によって生じた定着ローラ71表面の連続した微小な傷を覆うように溶着して、引き延ばされる。そのため、上述の修復効果により、1000枚まで印字しても、ΔRzが、0.3μm以下に抑えることができた。そのため、普通紙上だけでなく、光沢紙上においても画像スジが発生しなかった。
本実施例の定着装置7によれば、摺擦部N3でフィルム733が定着ローラ71の回転方向に対し軸方向に移動し、フィルムの削り粒子741でフィルムと定着ローラの少なくとも一方の表層738,71cを削ることによって削り粉71c1が生成される。そして、この削り粉71c1は、フィルム733の移動により定着ローラ71表面の傷を覆うように引き延ばされて定着ローラ表面に溶着され、定着ローラ表面の傷が修復される。
これにより、定着ローラ71の耐久寿命が短くなる弊害を抑制しつつ定着ローラ表面に発生した紙コバ部の傷によるグロスムラの画像障害の発生を抑制できるという作用効果を奏する。
[実施例2]
定着装置7の他の例を説明する。本実施例の定着装置7に関し、実施例1の定着装置7と同じ部材・部分には同一符号を付して、再度の説明を省略する。
(1)定着装置7
本実施例に示す定着装置7は、定着ローラ71に削り粒子741を供給する削り粒子供給装置(供給手段)74を有する点に特徴がある。修復モード612では、削り粒子741を削り粒子供給装置(以下、供給装置という)74で定着ローラ71表面に供給しながら、定着ローラの傷の修復が行われる。このため、摺動装置73のフィルム733として、削り粒子741を塗布していないものが用いられる。
図12は本実施例に係る定着装置7の制御ブロック図である。図13は定着装置7の修復モード実行時の模式断面図である。
(2)削り粒子供給装置74
図13に示すように、供給装置74は、削り粒子741と、削り粒子供給ローラ(供給部材)742と、攪拌ブラシローラ743と、収納容器(容器)744と、ブレード(規制部材)745と、を有する。
削り粒子741は収納容器744に収納されている。収納容器744の内部に配置された攪拌ブラシローラ(以下、ブラシローラという)743は、搬送方向aと直交する方向に関して、後述の芯金743bの両端部が収納容器に回転可能に保持されている。収納容器744の内部と外部に跨るように配置された削り粒子供給ローラ(以下、供給ローラという)742は、搬送方向aと直交する方向に関して、後述の芯金742aの両端部が収納容器に回転可能に保持されている。
この供給装置74は、上述のフレームに収納容器744が定着ローラ71の径方向に移動可能に保持され、修復モードの際に加圧バネ749で収納容器が定着ローラに接近する方向(図13中矢印A6方向)へ加圧される。これにより供給ローラ742の表面を定着ローラ71の表面に当接させて、供給ローラ表面と定着ローラ表面とで所定幅の供給部N4を形成する。
また、供給装置74は、定着動作モードの際に制御部60により駆動されるソレノイドSL4のプランジャ(不図示)で収納容器744が加圧バネ749の加圧力に抗して定着ローラ71表面から離れる方向(矢印A6方向とは反対方向)へ移動される。これにより供給ローラ742は定着ローラ71から離間される。図13では、粒子供給ローラ742表面が定着ローラ71表面から離れた位置を一点鎖線にて示している。
(2)修復モード612
図12、図13を参照して、本実施例の定着装置7の修復モードについて説明する。先ず、加圧ローラ78に付着した異物が定着ローラ71表面に付着しないように、定着ローラ71と加圧ローラ78が離間される。その状態で、定着ローラ71が回転して、クリーニング装置72のクリーニングウェブ721で定着ローラ表面に付着している異物が除去される。
その後、供給装置74の供給ローラ742と摺動装置73のフィルム733が定着ローラ71表面に当接される。そして、供給装置74から定着ローラ71表面に削り粒子741が供給され、この削り粒子は定着ローラ71の回転によって摺擦部N3に供給される。
そして、摺動装置73が定着ローラ71の軸方向に往復運動することによって、摺擦部N3で定着ローラ表面の削り粉71c1が定着ローラ表面上に溶着し引き延ばされ、定着ローラ表面の傷が修復される。
本実施例の修復モード612においても、定着ローラ71の表面移動速度が230mm/secで、定着ローラ71の表面温度が180℃になるように設定されている。
図13を参照して、修復モード時の供給装置74による削り粒子741の供給動作について説明する。制御部60によりモータM4が駆動されることによってブラシローラ743が図12中矢印R4方向へ表面移動速度100mm/secで回転される。このブラシローラ743により収納容器744内の削り粒子741が、供給ローラ742表面に供給される。その後、供給ローラ742が定着ローラ71の回転に追従して矢印R3方向に回転することにより、供給ローラ表面上の削り粒子741が、定着ローラ71の表面に供給される。
本実施例においては、定着ローラ71が、表面移動速度230mm/secで回転しているので、供給ローラ742もこれと同等の表面移動速度で回転する。ブラシローラ743の有する後述のファーブラシ743aが供給ローラ742表面に当接して矢印R4方向に表面移動速度100mm/secで回転することにより、供給ローラ742表面に削り粒子741が供給される。その後、供給ローラ742が定着ローラ71の回転に追従して矢印R5方向に回転することにより、供給部N4を介して定着ローラ71表面に削り粒子741が供給される。
供給ローラ742は以下の部材から構成される。図13に示されるように、基本的には、SUSやアルミ等の金属製の丸軸状の芯金742aの外周面にブラスト処理等の表面粗し処理を行なった後、弾性層742bを形成している。芯金742aは、搬送方向aと直交する方向に関して、両端部が収納容器744に軸受を介して回転可能に保持されている。
弾性層742bは、熱容量や熱伝導率が大きいと、定着ローラ71の表面から受ける熱が供給ローラ742内部へ吸収されてしまい、定着ローラ71の温度が低下する。そのため、弾性層742bの材料として、できるだけ低熱容量で熱伝導率が低く、断熱効果の高い材料が望ましい。弾性層742bに使用する断熱性の高い材料の一例としては、シリコーンゴムを発泡したスポンジゴムや、シリコーンゴム内に中空のフィラーを分散させた気泡ゴムなどを好適に用いることができる。
また、供給ローラ742の外径は、より小さい方が熱容量を抑えられて、定着ローラ71の熱が逃げにくくなるが、小さくし過ぎると供給部N4の幅が狭くなる。すると、供給ローラ742表面と定着ローラ71表面との接触不足により、削り粒子供給ローラ742から定着ローラ71に削り粒子741が供給されにくくなるため、適度な径が必要である。弾性層742bの肉厚に関しても、薄過ぎれば金属製の芯金742aに熱が逃げやすくなるため、適度な厚みが必要である。
以上を考慮して、本実施例では、肉厚が2mmのスポンジ状の発泡シリコーンゴムを用いて弾性層742bを形成し、この弾性層の外周面に離型層742cとしてPFA層を形成した。削り粒子供給ローラ742の外径はφ30mmとした。
離型層742cの材料には、耐久性の優れる厚さ50μmのPFAチューブを用いた。離型層742cの材料は、PFAの他に、PTFE、FEP等のフッ素樹脂を用いても良い。あるいは、離型層742cは、弾性層742bの外周面にGLSラテックスコーティングを施したものであっても良い。
供給ローラ742の表面硬度が低ければ、軽圧でも一定幅の供給部N4を得られるが、供給ローラの表面硬度が低すぎると、供給ローラの耐久性が低下する。そこで、本実施例では、供給ローラ742の表面硬度をAsker−C硬度(4.9N荷重)で40〜45°とした。
供給ローラ742は、供給ローラ表面が定着ローラ71表面に対して最大39.2N(最大4kgf)の圧で加圧され、所定幅の供給部N4を形成している。この供給ローラ742表面の定着ローラ71表面に対する加圧(当接圧)を制御することにより、定着ローラ71への削り粒子741の供給量を任意に調整できる。
撹拌ブラシローラ743は、搬送方向aと直交する方向に関して、供給ローラ742全体に渡って接触している。このブラシローラ743は、図13中矢印R4方向に回転することにより、供給ローラ742表面上に削り粒子741が供給される。
このブラシローラ743は、繊維を基布に折り込みパイル状にしてなるファーブラシ743aを芯金743bに巻き付け固定して作製されている。ファーブラシ743aの繊維密度は基布上の折り込み密度で500本/mm程度のもので、ファーブラシの毛足の長さ(自由長)は3mmである。
上記の撹拌ブラシローラ743は、芯金743bの長手方向両端部が前述のフレームに軸受(不図示)を介して回転可能に支持されている。
ブレード745は、供給ローラ742表面に供給された削り粒子741を規制する役目と、収納容器744内の削り粒子741の漏れを防止する役目を兼ねるものである。このブレード745は、供給ローラ742表面と軽く接触するように、収納容器744に固定配置してある。
収納容器744内に蓄える削り粒子741は、収納容器744と、ブレード745と、供給ローラ742と、で囲われる実質的に密閉された収納容器内の空間部内に収容された状態に保持されることで、収納容器外への漏れが防止される。
本実施例の定着装置7は、供給装置74で定着ローラ71表面に削り粒子741を供給する構成であるため、摺動部N3では、実施例1の定着装置7に比べ、削り粒子741が減少しない。そのため、摺動装置73のフィルム733は、耐久劣化等が発生するまで、交換しなくてよいというメリットがある。
本実施例の定着装置7によれば、供給装置74から供給部N4を通じて削り粒子741が定着ローラ71表面に供給され、その削り粒子は定着ローラの回転によって摺擦部N3に供給される。この摺擦部N3でフィルム733が定着ローラ71の回転方向に対し軸方向に移動し、フィルムの削り粒子741でフィルムと定着ローラの少なくとも一方の表層738,71cを削ることによって削り粉71c1が生成される。よって、本実施例の定着装置7においても、実施例1の定着装置7と同様の作用効果を得ることができる。
[実施例3]
定着装置7の他の例を説明する。本実施例の定着装置7に関し、実施例1、実施例2の定着装置7と同じ部材・部分には同一符号を付して、再度の説明を省略する。
(1)定着装置7
本実施例に示す定着装置7は、前述の実施例2の定着装置7の摺動装置73を取り除き、その摺動装置の代わりに供給装置74を往復運動させて、定着ローラ71表面の傷を修復する点に特徴がある。供給装置74では、削り粒子供給ローラ742に代えて、削り粒子摺擦ローラ(摺擦部材)742を用いている。
図14は定着装置7の制御ブロック図である。図15は定着装置7の修復モードにおける削り粒子741の供給動作時の模式断面図である。図16は定着装置7の修復モードにおける定着ローラ71の表層傷の修復動作時の模式断面図である。
(2)修復モード612
本実施例の定着装置7の修復モード612は、削り粒子741の供給動作と、この供給動作後に行われる定着ローラ71表面の傷修復動作の、2つの動作を有する。
削り粒子741の供給動作時では、制御部60によりモータM1の駆動が停止されることによって、定着ローラ71の回転を停止している。また、ソレノイドSL1とソレノイドSL4が駆動(オフ)されることによって、加圧ローラ78と供給装置74は定着ローラ71表面から離間される(図15参照)。
図15に示すように、供給装置74では、制御部60により駆動されたモータM4によりブラシローラ743が矢印R4方向に表面移動速度50mm/secで回転される。このブラシローラ743の回転によって収納容器744内の削り粒子741が削り粒子摺擦ローラ(以下、摺擦ローラという)747表面に供給される。一方、摺擦ローラ747は制御部60により駆動されたモータM5によって矢印R5方向に表面移動速度60mm/secで回転される。これにより、摺擦ローラ747表面に削り粒子741が均一に付着され、摺擦ローラはその削り粒子を保持する。
定着ローラ71表面の傷修復動作時では、モータM4とモータM5の駆動が停止されることによって、ブラシローラ743と摺擦ローラ747の回転を停止させている(図16参照)。更に、ソレノイドSL4が駆動(オフ)されることによって、摺擦ローラ747表面と定着ローラ71表面とで摺擦部N5が形成される。更に、モータM1が駆動されることによって、定着ローラ71は矢印R1方向に表面移動速度230mm/secで回転される。
モータM5の駆動を停止しただけでは、摺擦ローラ747は定着ローラ71の回転に追従して回転してしまう可能性がある。そこで、本実施例では、ローラ747は、加圧バネ749で定着ローラ71表面に加圧されると、ローラ747のギヤが、定着ローラ71の支持体に固定されているギヤ状の回り止めとかみ合う。それにより、定着ローラ71の回転によるローラ747の追従回転を防止し、摺擦部N5で摺擦ローラ747表面と定着ローラ71表面との間に削り粒子741を留めておくことができる。
摺擦部N5中で、摺擦ローラ747表面に付着している削り粒子741が、定着ローラ71の回転によって磨耗しながら移動して、少なくとも定着ローラ71と摺擦ローラ747の1つの部材の表層を削ることで削り粉71c1を生成する。
摺擦ローラ747は、図16に示すように、アルミニウム製の中空芯金747a上に、弾性層747bとして、ゴム硬度20°(JIS−A1kg加重)のシリコーンゴムを厚さ1.0mmで成形している。そして、その弾性層747b上に、摺動層(表層)747cとして、厚さ200μmのPFA樹脂を被覆したものである。摺擦ローラ747の外径はφ30mmである。
摺擦ローラ747の摺動層747cは、定着ローラ71表面との摺擦による摩擦力を低減させるためのものである。摺動層747cの材料は、摺動性に優れたPFAの他に、PTFE、FEP等のフッ素樹脂を用いると良い。
また、摺擦ローラ747は、中空芯金747aの内部にハロゲンヒータ(加熱源)746を有し、摺擦ローラ表面と非接触に配置されたサーミスタ等の温度検知素子748と第2の温度制御回路82によって所定の温度に温調される。この摺擦ローラ747は、加圧バネ749で定着ローラ71表面に39.2N(4kgf)の力で加圧され、摺擦ローラ747表面と定着ローラ71表面とで摺擦部N5を形成している。
ここで、制御部60は温度検知素子76の温度を取り込み、その検知温度に基づき第1の温度制御回路81を駆動することによって電源(不図示)からハロゲンヒータ75に供給する電力を制御する。また、制御部60は温度検知素子748がモニターする供給ローラ747表面の検知温度を取り込み、その検知温度に基づき第2の温度制御回路82を駆動することによって電源からハロゲンヒータ746に供給する電力を制御する。
本実施例の修復モードでも、実施例1と同様、定着ローラ71の表面移動速度が230mm/secで、定着ローラ71と供給ローラ747の表面温度が180℃になるように設定されている。
摺擦部N5中の削り粒71c1は、ハロゲンヒータ75で加熱された定着ローラ71の熱とハロゲンヒータ746で加熱された供給ローラ747の熱を受けて溶融し、更に供給部の圧を受けて、定着ローラ71表面に溶着する。これにより、定着ローラ71表面の傷は修復される。
修復モード612の定着ローラ71表面の傷修復動作時において、実施例1で説明したスライド機構80を用いて、定着ローラ71の軸方向に供給装置74を往復運動させてもよい。この供給装置74の往復運動により、摺擦部N5中で、削り粒71c1が定着ローラ71表面の傷を覆うように引き延ばされて定着ローラ表面に溶着され、定着ローラ表面の傷が修復される。よって、本実施例の定着装置7においても、実施例2の定着装置7と同様の作用効果を得ることができる。
実施例1の定着装置7では、削り粒子741の供給と定着ローラ71表面の傷の修復が同時に行われていた。本実施例の定着装置7では、削り粒子741の供給と定着ローラ71表面の傷の修復が分離して行われる。そのため、実施例1の定着装置7と比べて、定着ローラ71表面の傷の修復に必要な時間は長くなる。しかし、摺動装置73が不要となるので、定着装置7の全体のコストと大きさの点で、本実施例の定着装置7は実施例1よりも利点がある。つまり、本実施例の定着装置7は、実施例1の定着装置7に比べ安価に作製でき、且つ小型化できるという利点がある。
[他の実施例]
実施例1、実施例2の定着装置7では、定着ローラ71を固定し、摺動装置73を往復運動させる構成を説明した。これとは逆に、摺動装置73を固定し、定着ローラ71を往復運動させる構成としてもよい。或いは、摺動装置73と定着ローラ71の双方を逆方向に往復運動させる構成としてもよい。つまり、定着ローラ71と摺動装置73を相対的に移動させる構成としてよい。定着ローラ71を往復運動させる構成として、実施例1で説明したスライド機構80を用いることができる。
実施例1、実施例2の定着装置7において、加圧ローラ78の芯金78aの内部にヒータ(加熱源)を配置し、このヒータで加圧ローラを加熱しつつ摺動装置73のフィルム733で加圧ローラ78表面を摺擦する構成としてもよい。これにより、加圧ローラ表面に発生した傷を修復することができる。
また、摺動装置73のフィルム733で定着ローラ71の表面を摺擦し、この摺動装置73と同じ構成の他の摺動装置(不図示)のフィルムで上記の加圧ローラ78表面を摺擦する構成としてもよい。これにより、定着ローラ表面に発生した傷と、加圧ローラ表面に発生した傷を修復することできる。つまり、定着ローラ71と加圧ローラ78の少なくとも一つの部材を摺動装置73のフィルム733で摺擦する構成としてよい。
実施例3の定着装置7では、定着ローラ71を固定し、供給装置74を往復運動させる構成を説明した。これとは逆に、供給装置74を固定し、定着ローラ71を往復運動させる構成としてもよい。或いは、供給装置74と定着ローラ71の双方を逆方向に往復運動させる構成としてもよい。つまり、定着ローラ71と供給装置74を相対的に移動させる構成としてよい。定着ローラ71を往復運動させる構成として、実施例1で説明したスライド機構80を用いることができる。
実施例3の定着装置7において、加圧ローラ78の芯金78aの内部にヒータ(加熱源)を配置し、このヒータで加圧ローラを加熱しつつ供給装置74の摺擦ローラ747で加圧ローラ78表面を摺擦する構成としてもよい。これにより、加圧ローラ表面に発生した傷を修復することができる。
また、供給装置74の摺擦ローラ747で定着ローラ71の表面を摺擦し、この供給装置74と同じ構成の他の供給装置(不図示)の摺擦ローラで上記の加圧ローラ78表面を摺擦する構成としてもよい。これにより、定着ローラ表面に発生した傷と、加圧ローラ表面に発生した傷を修復することができる。つまり、定着ローラ71と加圧ローラ78の少なくとも一つの部材を供給装置74の摺擦ローラ747で摺擦する構成としてよい。
実施例1乃至実施例3では、定着ローラ71に対して加圧ローラ78、クリーニング装置72、摺動装置73、供給装置74を当接及び離間させる当接・離間機構(当接・離間手段)として、ソレノイドSL1,SL2,SL3,SL4を用いている。当接・離間機構はソレノイドに限られずモータとカムとからなるカム機構を用いてもよい。
本発明に係る像加熱装置は実施例1乃至実施例3のような定着装置7としての使用に限られない。記録材に一旦定着された画像(定着済み画像)或いは仮定着された画像(半定着画像)の光沢度などを改質する装置としても有効に使用できる。
7:定着装置、71:定着ローラ、78:加圧ローラ、71c,78c:フッ素樹脂チューブ、733:フィルム、74:削り粒子供給装置、741:削り粒子、744:収納容器、747:削り粒子供給ローラ、80:スライド機構、N1:ニップ部、N3,N5:摺擦部、P:記録材

Claims (5)

  1. 表面にフッ素樹脂層を有し画像を担持する記録材を挟持搬送するニップ部を形成するための回転体を有し、前記ニップ部で記録材上の画像を加熱する像加熱装置において、
    前記回転体の表面に接触する摺擦部材と、前記回転体の表面と前記摺擦部材の接触により形成される摺擦部に設けられており前記フッ素樹脂層のフッ素樹脂よりも固い粒子と、を有することを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記摺擦部に、前記粒子を供給する供給手段を有することを特徴とする請求項1に記載の像加熱装置。
  3. 前記供給手段は、前記粒子を収納する容器と、前記容器に収納された前記粒子を前記摺擦部に供給する供給部材と、を有することを特徴とする請求項2に記載の像加熱装置。
  4. 前記供給手段は、前記粒子を収納する容器を有し、前記容器に収納された前記粒子を前記摺擦部材に供給することで前記摺擦部に前記粒子を供給することを特徴とする請求項2に記載の像加熱装置。
  5. 前記回転体と前記摺擦部材が接触した状態で前記回転体と前記摺擦部材が前記回転体の回転方向と交差する方向へ相対的に移動するように、前記回転体と前記摺擦部材の少なくとも一方を移動させる移動手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の像加熱装置。
JP2014076243A 2014-04-02 2014-04-02 像加熱装置 Pending JP2015197631A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014076243A JP2015197631A (ja) 2014-04-02 2014-04-02 像加熱装置
US14/674,529 US20150286172A1 (en) 2014-04-02 2015-03-31 Image heating apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014076243A JP2015197631A (ja) 2014-04-02 2014-04-02 像加熱装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015197631A true JP2015197631A (ja) 2015-11-09

Family

ID=54209689

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014076243A Pending JP2015197631A (ja) 2014-04-02 2014-04-02 像加熱装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20150286172A1 (ja)
JP (1) JP2015197631A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020196617A (ja) * 2019-05-30 2020-12-10 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 クリーニング装置およびこれを備えた画像形成装置
JP2020196618A (ja) * 2019-05-30 2020-12-10 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 クリーニング装置およびこれを備えた画像形成装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6686739B2 (ja) * 2016-06-29 2020-04-22 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置
JP2023065892A (ja) 2021-10-28 2023-05-15 株式会社リコー 定着装置及び画像形成装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008122720A (ja) * 2006-11-13 2008-05-29 Canon Inc 画像形成装置
US8463167B2 (en) * 2007-11-09 2013-06-11 Canon Kabushiki Kaisha Image heating apparatus and image heating rotational body to be mounted on the image heating apparatus
JP5825938B2 (ja) * 2011-09-01 2015-12-02 キヤノン株式会社 像加熱装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020196617A (ja) * 2019-05-30 2020-12-10 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 クリーニング装置およびこれを備えた画像形成装置
JP2020196618A (ja) * 2019-05-30 2020-12-10 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 クリーニング装置およびこれを備えた画像形成装置
JP7318456B2 (ja) 2019-05-30 2023-08-01 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 クリーニング装置およびこれを備えた画像形成装置
JP7400296B2 (ja) 2019-05-30 2023-12-19 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 クリーニング装置およびこれを備えた画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20150286172A1 (en) 2015-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4537215B2 (ja) 像加熱装置
JP4630673B2 (ja) 定着装置
JP4933002B2 (ja) 加熱定着装置および加熱用金属製スリーブ
US9063488B2 (en) Image heating apparatus and image heating rotational body to be mounted on the image heating apparatus
JP6080624B2 (ja) 画像加熱装置および画像形成装置
JP5751786B2 (ja) 画像加熱装置
JP2008040365A (ja) 画像加熱装置
JP2015018034A (ja) 画像加熱装置
JP2015197631A (ja) 像加熱装置
JP2010191275A (ja) 画像加熱装置
JP5171216B2 (ja) 像加熱装置
JP4385572B2 (ja) 定着装置
JP2013092715A (ja) 画像加熱装置
JP2018141959A (ja) 画像形成装置
JP2010054821A (ja) 像加熱装置
JP2015197629A (ja) 像加熱装置
JP2015197630A (ja) 像加熱装置
JP5053823B2 (ja) 像加熱装置及び像加熱装置に用いられる画像加熱用回転体
JP6693433B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5188114B2 (ja) 像加熱装置
JP5393912B2 (ja) 像加熱装置
JP2016090841A (ja) 像加熱装置
JP5312620B2 (ja) 加熱定着装置およびこの装置のスリーブに使用される金属製の基材
JP5208297B2 (ja) 像加熱装置及び像加熱装置に用いられる画像加熱用回転体
JP5372271B2 (ja) 像加熱装置及び像加熱装置に用いられる画像加熱用回転体