ある特定の実施形態において、脾臓チロシンキナーゼ(SYK)の阻害剤として有効である化学物質が本明細書に開示される。ある特定の実施形態において、本明細書に開示される化学物質は、インビトロ及びインビボでSYK活性の阻害剤として有効であり、細胞増殖の疾患(例えば、癌)の治療のために有用であり得る。ある特定の実施形態において、かかる化学物質は、米国特許第8,440,689号において開示される化合物のうちの1つ以上を含み、これらは参照により本明細書に組み込まれる。具体的には、米国特許第8,440,689号は、ピロロピリミジノン(例えば、6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−c]ピリミジン−5−オン)及びピロロピリジノン(例えば、1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン)化合物等の縮合複素芳香族ピロリジノンを開示しており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
ある特定の実施形態において、化学物質は、6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(「化合物1」):
及び非共有結合型の分子実体を含む。それ故に、化合物1を含む化学物質は、例えば、遊離塩基、化合物1の薬学的に許容される塩、化合物1の薬学的に許容される溶媒和物、化合物1の薬学的に許容される塩の薬学的に許容される溶媒和物を含む。いくつかの実施形態において、化学物質は、化合物1の遊離塩基またはその薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態において、化学物質は、化合物1の薬学的に許容される塩である。いくつかの実施形態において、化学物質は、化合物1の遊離塩基の溶媒和物である。いくつかの実施形態において、化学物質は、化合物1の薬学的に許容される塩の薬学的に許容される溶媒和物である。
「約」という用語は、本明細書において、約、その領域内、大まかに、またはおよそを意味するために使用される。「約」という用語が数値範囲とともに使用されるとき、これは、説明される数値の上下にその境界を拡張させることによって、その範囲を修正する。特に規定がない限り、「約」という用語は、本明細書において、10%の分散で、明記される値の上下に数値を修正するために使用される。
特に規定がない限り、「include(含む)」及び「including(含む)」のような用語は、非限定的であることを意図している。例えば、「including(含む)」は、特に規定がない限り、含むが、限定されないことを意味する。
相対立体化学が定義される本明細書に記載される化合物において、そのような化合物のジアステレオマー純度は、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%であり得る。本明細書で使用するとき、「ジアステレオマー純度」という用語は、示された相対立体化学を有する化合物の量を指し、存在する全てのジアステレオマーの総量の割合として表される。
本明細書に記載されるある特定の実施形態において、化合物のエナンチオマー純度は、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または少なくとも99.9%であり得る。本明細書で使用するとき、「エナンチオマー純度」という用語は、示された絶対立体化学を有する化合物の量を指し、示された化合物及びそのエナンチオマーの総量の割合として表される。
ジアステレオマー及びエナンチオマー純度を判定するための方法は、当該技術分野において周知である。ジアステレオマー純度は、化合物とそのジアステレオマーを定量的に区別することが可能なあらゆる分析方法によって判定することができる。好適な分析方法の例としては、核磁気共鳴分光法(NMR)、ガスクロマトグラフィー(GC)、及び高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が挙げられるが、これらに限定されない。同様に、エナンチオマー純度は、化合物とそのエナンチオマーを定量的に区別することが可能なあらゆる分析方法によって判定することができる。好適な分析方法の例としては、キラルカラム充填材料を使用するGCまたはHPLCが挙げられるが、これらに限定されない。エナンチオマーはまた、光学的に富む誘導体化剤、例えば、モッシャー酸を用いて最初に誘導体化される場合、NMRによっても区別することができる。
本明細書で使用するとき、「結晶」は、構成原子、分子、またはイオンが規則的な順序で充填され、高度に規則的な化学構造を有する、高度に規則的な3次元パターンを反復する固体を指す。具体的には、結晶化学物質(例えば、薬学的に許容される塩)は、1つ以上の結晶形態として生成され得る。本出願の目的のために、「結晶形態」及び「多形体」という用語は、同義語であり、本用語は、異なる性質(例えば、異なるXRPDパターン及び/または異なるDSC走査結果)を有する、結晶を区別する。疑似多形体は、典型的に、ある物質の異なる溶媒和物であり、よって、それらの性質は互いに異なる。それ故に、それぞれの異なる多形体及び疑似多形体は、本明細書において異なる結晶形態であると見なされる。
「実質的に結晶」とは、少なくとも特定の重量パーセントの結晶である化学物質を指す。特定の重量パーセントは、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、及び99.9%を含む。いくつかの実施形態において、実質的に結晶とは、少なくとも70%が結晶である化学物質を指す。いくつかの実施形態において、実質的に結晶とは、少なくとも80%が結晶である化学物質を指す。いくつかの実施形態において、実質的に結晶とは、少なくとも85%が結晶である化学物質を指す。いくつかの実施形態において、実質的に結晶とは、少なくとも90%が結晶である化学物質を指す。いくつかの実施形態において、実質的に結晶とは、少なくとも95%が結晶である化学物質を指す。
「溶媒和するまたは溶媒和される」という用語は、本発明の化合物の1つ以上の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合は、水素結合を含む。ある特定の例では、溶媒和物は、例えば、1つ以上の溶媒分子が、結晶性固体の結晶格子に組み込まれる場合に、単離することができるであろう。「溶媒和する」または「溶媒和される」は、溶液相及び単離可能な溶媒和物の両方を包含する。代表的な溶媒和物としては、水和物、エタノラート、及びメタノラートが挙げられるが、これらに限定されない。
「水和物」という用語は、溶媒分子が定義された化学量論量中に存在する水である溶媒和物を指し、これには、例えば、半水和物、一水和物、二水和物、及び三水和物が含まれる。
「混合物」という用語は、組み合わせの位相状態に関わらず(例えば、液体、または液体/結晶)、混合物の組み合わされた要素を指す。
「播種」という用語は、結晶化を開始させるための、結晶材料の溶液または混合物への添加を指す。
ある特定の実施形態において、本明細書に記載される結晶形態を含む化学物質は、化学物質の非晶質形態を実質的に含まず、少なくとも特定の重量パーセントの化学物質が結晶である。ある特定のそのような実施形態において、化学物質は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または少なくとも99.9%が結晶である。特定の重量パーセントの化学物質が結晶である場合に、化学物質の残余は、非晶質物質である。
ある特定の実施形態において、本明細書に記載される結晶形態を含む化学物質は、化学物質の他の化学物質(例えば、他の多形体または非晶質物質)を実質的に含まず、化学物質が少なくとも特定の重量パーセントの特定の結晶形態である。ある特定のそのような実施形態において、化学物質は、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または少なくとも99.9%の特定の結晶形態を含む。化学物質の特定の重量パーセントが指定された結晶形態である場合に、化学物質の残余は、非晶質物質と、特定の結晶形態を除く化学物質の1つ以上の他の結晶形態とのある組み合わせであり得る。いくつかの実施形態において、化学物質は、少なくとも90重量%の特定の結晶形態である。いくつかの実施形態において、化学物質は、少なくとも95重量%の特定の結晶形態である。
いくつかの実施形態において、化学物質は、少なくとも85重量%の特定の結晶形態である。いくつかの実施形態において、化学物質は、少なくとも80重量%の特定の結晶形態である。
ある特定の実施形態において、本明細書に記載される結晶形態を含む化学物質は、吸湿性または非吸湿性ではない。ある特定のそのような実施形態において、90% 相対湿度(RH)の水分収着は、重量蒸気収着(GVS)等温線プロットによって示される、約0.5%未満、約0.4%未満、約0.3%未満、または約0.2%未満である。ある特定のそのような実施形態において、本明細書に記載される結晶形態を含む化学物質は、RHが約0%から約90%に増加する場合に、重量蒸気収着(GVS)等温線プロットによって示される、約0.5%未満、約0.4%未満、約0.3%未満、または約0.2%未満の質量増加を示す。ある特定の実施形態において、本明細書に記載される結晶形態を含む化学物質のXRPDパターンは、水分収着分析後に実質的には変化しない。
特に規定されない限り、化学物質の特定の結晶形態が、角度2θとして示される1つ以上のXRPDピークを用いて特定される場合に、2θ値のそれぞれは、所与の値±0.2度を意味することが理解される。
本明細書及び請求項にわたって、化学物質の結晶形態がDSCプロファイルからの1つ以上の温度(例えば、吸熱転移、融解等の開始)を使用して特定される場合、温度値のそれぞれは、所与の値±2℃を意味することが理解される。
固体状態形態
形態1
化合物1のクエン酸塩の結晶形態(「形態1」)を記載するための特徴付け情報の類別が本明細書に提供される。
図1は、CuKα放射線を用いて得られた形態1のX線粉末回析(XRPD)パターンを示す。図1中に特定されたピークは、表1中に列記されたものを含む。
表1
いくつかの実施形態において、形態1は、2θ角で9.4、16.6、17.4、18.9、及び19.2°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態1は、2θ角で9.4、16.6、17.4、18.9、19.2、及び20.7°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態1は、2θ角で4.7、9.4、16.6、17.4、18.9、19.2、20.7、及び23.0°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態1は、2θ角で4.7、9.4、13.0、13.8、14.1、16.6、17.4、18.4、18.9、19.2、20.7、23.0、23.3、23.6、及び25.0°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態1は、図1に示される実質的にXRPDパターンを特徴とする。
図2は、形態1の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。DSCサーモグラムは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図2は、約233.4℃で開始及び約242.2℃でピークを有する吸熱事象を示す。いくつかの実施形態において、形態1は、実質的に、図2に示される、DSCプロファイルを特徴とする。
図3は、形態1の熱重量分析(TGA)プロファイルを示す。TGAサーモグラムは、温度の関数として試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図3は、試料の加熱時に著しい重量損失を示さず、これにより、形態1が溶媒和されないことを示唆している。図3はまた、約226.9℃で形態1の分解の開始も示す。いくつかの実施形態において、形態1は、実質的に、図3に示される、TGAプロファイルを特徴とする。
図4は、形態1の重量蒸気収着(GVS)等温線プロットを示す。GVSは、0.3重量/重量%未満の変動を示し、このことは、形態1が湿度にさらされた場合に、吸湿性でないことを示す。いくつかの実施形態において、形態1は、実質的に、図4に示されるGVSプロファイルを特徴とする。
ある特定の実施形態において、形態1は、単斜晶系結晶形態である。ある特定の実施形態において、形態1は、空間群P21に属する。ある特定の実施形態において、形態1は、以下の単位格子寸法を有する:a=9.35(3)Å、b=6.697(17)Å、c=18.79(5)Å;α=90°、β=92.90°、γ=90°。
形態2
化合物1のクエン酸塩の非晶質形態(「形態2」)を記載するための特徴付け情報の類別が本明細書に提供される。
図5は、CuKα放射線を用いて得られた形態2のX線粉末回析(XRPD)パターンを示す。いくつかの実施形態において、形態2は、実質的に、図5に示されるXRPDパターンを特徴とする。
図6は、形態2の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。DSCサーモグラムは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は約10℃/分である。いくつかの実施形態において、形態2は、実質的に、図6に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
図7は、形態2の熱重量分析(TGA)プロファイルを示す。TGAサーモグラムは、温度の関数として試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図7は、形態2が約3.3%の水を含有することを示す。いくつかの実施形態において、形態2は、実質的に、図7に示されるTGAプロファイルを特徴とする。
図8は、形態2の重量蒸気収着(GVS)等温線プロットを示す。GVSは、形態2が40〜80%の範囲内の相対湿度(RH)の水分を吸収し、80%超のRHの結晶事象を被ることを示す。結晶事象は、80%〜90%のRHで7%の重量損失を伴う。いくつかの実施形態において、形態2は、実質的に、図8に示されるGVSプロファイルを特徴とする。
形態3
化合物1の塩酸塩二水和物の結晶形態(「形態3」)を記載するための特徴付け情報の類別が本明細書に提供される。
図9は、CuKα放射線を用いて得られた形態3のX線粉末回析(XRPD)パターンを示す。図9中に特定されたピークは、表2中に列記されたものを含む。
表2
いくつかの実施形態において、形態3は、2θ角で7.6、12.4、15.2、16.3、21.2、及び23.4°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態3は、2θ角で7.6、11.3、12.4、15.2、16.3、20.1、21.2、及び23.4°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態3は、実質的に、図9に示されるXRPDパターンを特徴とする。
図10は、形態3の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。DSCサーモグラムは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図10は、約98.3℃の開始及び約124.6℃のピーク、ならびに約290℃の固体−固体転移を有する広範な吸熱事象を示す。いくつかの実施形態において、形態3は、実質的に、図10に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
図11は、形態3の熱重量分析(TGA)プロファイルを示す。TGAサーモグラムは、温度の関数として試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図11は、約8.4%の重量損失を示し、形態3が二水和物であることを示唆している。図11はまた、約290℃で固体−固体転移を示す。いくつかの実施形態において、形態3は、実質的に、図11に示されるTGAプロファイルを特徴とする。カールフィッシャー測定は、約8.4%の水分含量を示し、TGAプロファイルに観察される重量損失が水分の損失によるものであり、形態3が二水和物であることをさらに示唆している。
図12は、形態3の重量蒸気収着(GVS)等温線プロットを示す。GVSは、形態3が20%未満のRHで脱水に供されることを示す。約6.5%の質量変化は、0〜20%のRHで観察され、水が結晶格子から除去され得ることを示す。ある特定の実施形態において、形態3は、一水和物に脱水し得る。ある特定の実施形態において、形態3は、無水形態に脱水し得る。いくつかの実施形態において、形態3は、実質的に、図12に示されるGVSプロファイルを特徴とする。
形態4
化合物1塩酸塩の結晶形態(「形態4」)を記載するための特徴付け情報の類別が本明細書に提供される。
図13は、CuKα放射線を用いて得られた形態4のX線粉末回析(XRPD)パターンを示す。図13中に特定されたピークは、表3中に列記されたものを含む。
表3
いくつかの実施形態において、形態4は、2θ角で6.8、9.9、16.4、18.3、20.6、23.1、及び25.6°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態4は、2θ角で6.8、9.9、16.4、16.9、18.3、18.6、19.3、19.8、20.6、23.1、23.8、24.6、24.8、及び25.6°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態4は、実質的に、図13に示されるXRPDパターンを特徴とする。
図14は、形態4の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。DSCサーモグラムは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図14は、約353℃で発熱事象を示す。いくつかの実施形態において、形態4は、実質的に、図14に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
図15は、形態4の熱重量分析(TGA)プロファイルを示す。TGAサーモグラムは、温度の関数として試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図15は、約347℃で分解の開始を示す。いくつかの実施形態において、形態4は、実質的に、図15に示されるTGAプロファイルを特徴とする。
図16は、形態4の重量蒸気収着(GVS)等温線プロットを示す。GVSは、形態4が湿度にさらされる場合に、吸湿性でないことを示す。いくつかの実施形態において、形態4は、実質的に、図16に示されるGVSプロファイルを特徴とする。
形態5
化合物1塩酸塩の結晶形態(「形態5」)を記載するための特徴付け情報の類別が本明細書に提供される。
図17は、CuKα放射線を用いて得られた形態5のX線粉末回析(XRPD)パターンを示す。図17中に特定されたピークは、表4中に列記されたものを含む。
表4
いくつかの実施形態において、形態5は、2θ角で6.7、14.1、16.3、18.3、25.0、及び25.8°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態5は、2θ角で6.7、9.9、14.1、16.3、16.9、18.3、20.5、25.0、25.8、及び27.5°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態5は、2θ角で6.7、9.9、14.1、16.3、16.9、18.3、18.6、20.5、23.0、23.4、25.0、25.8、及び27.5°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態5は、実質的に、図17に示されるXRPDパターンを特徴とする。
図18は、形態5の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。DSCサーモグラムは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図18は、約334℃で融解事象を示す。いくつかの実施形態において、形態5は、実質的に、図18に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
図19は、形態5の熱重量分析(TGA)プロファイルを示す。TGAサーモグラムは、温度の関数として試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図19は、約335℃で分解の開始を示す。いくつかの実施形態において、形態5は、実質的に、図19に示されるTGAプロファイルを特徴とする。
図20は、形態5の重量蒸気収着(GVS)等温線プロットを示す。GVSは、形態5が湿度にさらされる場合に、吸湿性でないことを示す。いくつかの実施形態において、形態5は、実質的に、図20に示されるGVSプロファイルを特徴とする。
形態6
化合物1塩酸塩の結晶形態(「形態6」)を記載するための特徴付け情報の類別が本明細書に提供される。
図21は、CuKα放射線を用いて得られた形態6のX線粉末回析(XRPD)パターンを示す。いくつかの実施形態において、形態6は、実質的に、図21に示されるXRPDパターンを特徴とする。
図22は、形態6の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。DSCサーモグラムは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図22は、約241℃で幅広な発熱を示す。いくつかの実施形態において、形態6は、実質的に、図22に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
図23は、形態6の熱重量分析(TGA)プロファイルを示す。TGAサーモグラムは、温度の関数として試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図23は、試料分解が約300℃で開始するまで、8.5%の重量損失を示す。いくつかの実施形態において、形態6は、実質的に、図23に示されるTGAプロファイルを特徴とする。
図24は、形態6の重量蒸気収着(GVS)等温線プロットを示す。GVSは、40〜60%のRHで5重量/重量%の水分取り込み、70〜90%のRHで3%の重量損失を示す。いくつかの実施形態において、形態6は、実質的に、図24に示されるGVSプロファイルを特徴とする。
形態7
化合物1塩酸塩の結晶形態(「形態7」)を記載するための特徴付け情報の類別が本明細書に提供される。
図25は、CuKα放射線を用いて得られた形態7のX線粉末回析(XRPD)パターンを示す。図25中に特定されたピークは、表5中に列記されたものを含む。
表5
いくつかの実施形態において、形態7は、2θ角で7.1、14.2、15.8、19.6、20.9、21.2、22.2、22.8、25.2、26.2、27.8、28.4、及び29.7°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態7は、2θ角で7.1、14.2、15.3、15.8、16.2、17.0、17.5、18.9、19.6、20.9、21.2、21.7、22.2、22.8、23.6、25.2、26.2、27.8、28.4、及び29.7°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態7は、実質的に、図25に示されるXRPDパターンを特徴とする。
図26は、形態7の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。DSCサーモグラムは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図26は、305℃で固体−固体発熱転移を示す。分解は、約340℃で観察される。いくつかの実施形態において、形態7は、実質的に、図26に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
図27は、形態7の熱重量分析(TGA)プロファイルを示す。TGAサーモグラムは、温度の関数として試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図27は、約343℃で分解の開始を示す。いくつかの実施形態において、形態7は、実質的に、図27に示されるTGAプロファイルを特徴とする。
図28は、形態7の重量蒸気収着(GVS)等温線プロットを示す。GVSは、形態7が10.5%の水分取り込みを有することを示し、形態7が2.5当量の水和物に水和することを示唆している。いくつかの実施形態において、形態7は、実質的に、図28に示されるGVSプロファイルを特徴とする。
形態8
化合物1塩酸塩水和物の結晶形態(「形態8」)を記載するための特徴付け情報の類別が本明細書に提供される。
図29は、CuKα放射線を用いて得られた形態8のX線粉末回析(XRPD)パターンを示す。図29中に特定されたピークは、表6中に列記されたものを含む。
表6
いくつかの実施形態において、形態8は、2θ角で8.1、14.6、16.3、16.6、及び26.1°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態8は、2θ角で8.1、14.6、16.3、16.6、18.7、19.1、20.5、24.8、25.2、及び26.1°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態8は、実質的に、図29に示されるXRPDパターンを特徴とする。
図30は、形態8の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。DSCサーモグラムは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図30は、水の損失に関連する幅広な吸熱、及び約280℃の固体−固体発熱転移を示す。分解は、約340℃で観察された。いくつかの実施形態において、形態8は、実質的に、図30に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
図31は、形態8の熱重量分析(TGA)プロファイルを示す。TGAサーモグラムは、温度の関数として試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図31は、水の損失に関連する4.1%の重量損失を示す。分解の開始は、約342℃で見られた。いくつかの実施形態において、形態8は、実質的に、図31に示されるTGAプロファイルを特徴とする。
図32は、形態8の重量蒸気収着(GVS)等温線プロットを示す。GVSは、形態8が10〜90%のRHで最小重量偏差を有することを示す。いくつかの実施形態において、形態8は、実質的に、図32に示されるGVSプロファイルを特徴とする。
形態9
化合物1塩酸塩水和物の結晶形態(「形態9」)を記載するための特徴付け情報の類別が本明細書に提供される。
図33は、CuKα放射線を用いて得られた形態9のX線粉末回析(XRPD)パターンを示す。図33中に特定されたピークは、表7中に列記されたものを含む。
表7
いくつかの実施形態において、形態9は、2θ角で5.8、9.3、19.5、25.7、及び26.4°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態9は、2θ角で5.8、9.3、11.7、13.1、14.7、15.3、18.7、19.5、25.7、26.4、及び31.4°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態9は、実質的に、図33に示されるXRPDパターンを特徴とする。
図34は、形態9の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。DSCサーモグラムは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図34は、水の損失に関連する幅広な吸熱を示す。いくつかの実施形態において、形態9は、実質的に、図34に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
図35は、形態9の熱重量分析(TGA)プロファイルを示す。TGAサーモグラムは、温度の関数として試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図35は、水(1.5mol当量)の損失に関連する6%の重量損失を示す。分解の開始は、約333℃であった。いくつかの実施形態において、形態9は、実質的に、図35に示されるTGAプロファイルを特徴とする。
形態10
化合物1塩酸塩水和物の結晶形態(「形態10」)を記載するための特徴付け情報の類別が本明細書に提供される。
図36は、CuKα放射線を用いて得られた形態10のX線粉末回析(XRPD)パターンを示す。図36中に特定されたピークは、表8中に列記されたものを含む。
表8
いくつかの実施形態において、形態10は、2θ角で7.7、12.5、16.5、21.3、23.0、23.6、24.9、25.4、25.7、26.3、26.8、及び29.3°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態10は、2θ角で7.7、8.5、11.5、12.5、15.4、16.1、16.5、17.1、19.9、21.3、21.8、23.0、23.6、24.9、25.4、25.7、26.3、26.8、28.1、28.7、及び29.3°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態10は、実質的に、図36に示されるXRPDパターンを特徴とする。
図37は、形態10の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。DSCサーモグラムは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は約10℃/分である。いくつかの実施形態において、形態10は、実質的に、図37に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
図38は、形態10の熱重量分析(TGA)プロファイルを示す。TGAサーモグラムは、温度の関数として試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。いくつかの実施形態において、形態10は、実質的に、図38に示されるTGAプロファイルを特徴とする。
形態11
化合物1塩酸塩水和物の結晶形態(「形態11」)を記載するための特徴付け情報の類別が本明細書に提供される。
図39は、CuKα放射線を用いて得られた形態11のX線粉末回析(XRPD)パターンを示す。図36中に特定されたピークは、表9中に列記されたものを含む。
表9
いくつかの実施形態において、形態11は、2θ角で7.7、8.4、15.9、19.9、21.2、23.3、24.8、25.2、26.1、及び27.5°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態11は、2θ角で7.7、8.4、12.4、15.9、16.5、16.9、19.9、21.2、21.7、22.9、23.3、24.0、24.8、25.2、26.1、及び27.5°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態11は、実質的に、図39に示されるXRPDパターンを特徴とする。
図40は、形態11の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。DSCサーモグラムは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は約10℃/分である。いくつかの実施形態において、形態11は、実質的に、図40に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
図41は、形態11の熱重量分析(TGA)プロファイルを示す。TGAサーモグラムは、温度の関数として試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。いくつかの実施形態において、形態11は、実質的に、図41に示されるTGAプロファイルを特徴とする。
形態12
化合物1の遊離塩基の結晶形態(「形態12」)を記載するための特徴付け情報の類別が本明細書に提供される。
図42は、CuKα放射線を用いて得られた形態12のX線粉末回析(XRPD)パターンを示す。図42中に特定されたピークは、表10中に列記されたものを含む。
表10
いくつかの実施形態において、形態12は、2θ角で6.8、9.2、16.3、16.7、18.6、25.9、及び26.8°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態12は、2θ角で6.8、9.2、11.3、16.3、16.7、17.4、18.6、25.9、26.8、及び27.9°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態12は、実質的に、図42に示されるXRPDパターンを特徴とする。
図43は、形態12の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。DSCサーモグラムは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図43は、約226.5℃の開始及び約228.4℃のピークを有する吸熱事象を示す。いくつかの実施形態において、形態12は、実質的に、図43に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
図44は、形態12の熱重量分析(TGA)プロファイルを示す。TGAサーモグラムは、温度の関数として試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図44は、0.04当量のt−ブチルメチルエーテルに対応する、最高70℃の1.0%の損失を示す。いくつかの実施形態において、形態12は、実質的に、図44に示されるTGAプロファイルを特徴とする。
図45は、形態12の重量蒸気収着(GVS)等温線プロットを示す。GVSは、形態12が0〜90%のRHで約6%の重量変化を有することを示す。ヒステリシスは、40〜60%のRHで観察され、水和物への転移の可能性を示唆している。いくつかの実施形態において、形態12は、実質的に、図45に示されるGVSプロファイルを特徴とする。
形態13
化合物1の遊離塩基の結晶形態(「形態13」)を記載するための特徴付け情報の類別が本明細書に提供される。
図40は、CuKα放射線を用いて得られた形態13のX線粉末回析(XRPD)パターンを示す。図46中に特定されたピークは、表11中に列記されたものを含む。
表11
いくつかの実施形態において、形態13は、2θ角で9.4、13.9、16.5、18.5、18.8、19.3、21.4、23.0、23.3、23.9、及び27.0°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態13は、2θ角で9.4、13.9、16.1、16.5、18.5、18.8、19.1、19.3、19.6、21.4、23.0、23.3、23.9、26.5、27.0、及び30.6°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態13は、実質的に、図46に示されるXRPDパターンを特徴とする。
図47は、形態13の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。DSCサーモグラムは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図47は、約163.6℃の開始を有する吸熱事象及び約228.2℃の開始を有する吸熱事象を示す。いくつかの実施形態において、形態13は、実質的に、図47に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
図48は、形態13の熱重量分析(TGA)プロファイルを示す。TGAサーモグラムは、温度の関数として試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図48は、150〜190℃で約1.8%の重量損失を示す。いくつかの実施形態において、形態13は、実質的に、図48に示されるTGAプロファイルを特徴とする。
図49は、形態13の重量蒸気収着(GVS)等温線プロットを示す。GVSは、形態13が0から90%のRHで0.6%未満の総重量変化を有することを示し、形態13が湿度にさらされる場合に、吸湿性でないことを示唆している。いくつかの実施形態において、形態13は、実質的に、図49に示されるGVSプロファイルを特徴とする。
形態14
化合物1遊離塩基半水和物の結晶形態(「形態14」)を記載するための特徴付け情報の類別が本明細書に提供される。
図50は、CuKα放射線を用いて得られた形態14のX線粉末回析(XRPD)パターンを示す。図50中に特定されたピークは、表12中に列記されたものを含む。
表12
いくつかの実施形態において、形態14は、2θ角で6.7、16.4、18.0、18.6、25.8、及び26.2°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態14は、2θ角で6.7、7.7、11.3、14.0、14.9、16.4、17.6、18.0、18.6、19.3、25.8、26.2、及び27.1°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態14は、実質的に、図50に示されるXRPDパターンを特徴とする。
図51は、形態14の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。DSCサーモグラムは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図51は、約55.4℃の開始を有する脱溶媒和吸熱事象及び約227.7℃の開始を有する急激な溶融吸熱事象を示す。いくつかの実施形態において、形態14は、実質的に、図51に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
図52は、形態14の熱重量分析(TGA)プロファイルを示す。TGAサーモグラムは、温度の関数として試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図52は、40〜130℃で3.0%の重量損失を示し、2.9%の重量損失は水の損失に起因し、形態14が半水和物であることを示唆している。いくつかの実施形態において、形態14は、実質的に、図52に示されるTGAプロファイルを特徴とする。カールフィッシャー測定は、約2.7%の水分含量を示し、TGAプロファイルに観察される重量損失が水分の損失によるものであり、形態14が半水和物であることをさらに示唆している。
図53は、形態14の重量蒸気収着(GVS)等温線プロットを示す。GVSは、形態14が0〜90%のRHで1.5%の総重量変化を有することを示す。いくつかの実施形態において、形態14は、実質的に、図53に示されるGVSプロファイルを特徴とする。
形態15
化合物1遊離塩基一水和物の結晶形態(「形態15」)を記載するための特徴付け情報の類別が本明細書に提供される。
図54は、CuKα放射線を用いて得られた形態15のX線粉末回析(XRPD)パターンを示す。図54中に特定されたピークは、表13中に列記されたものを含む。
表13
いくつかの実施形態において、形態15は、2θ角で9.3、18.7、23.6、及び26.4°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態15は、2θ角で9.3、14.6、18.7、23.6、及び26.4°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態15は、実質的に、図54に示されるXRPDパターンを特徴とする。
図55は、形態15の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。DSCサーモグラムは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図55は、約110.2℃の開始を有する脱溶媒和吸熱事象及び約225.1℃の開始を有する急激な溶融吸熱事象を示す。いくつかの実施形態において、形態15は、実質的に、図55に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
図56は、形態15の熱重量分析(TGA)プロファイルを示す。TGAサーモグラムは、温度の関数として試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図50は、60〜180℃で5.0%の重量損失を示し、4.5%は水の損失に起因し、形態15が一水和物であることを示唆している。いくつかの実施形態において、形態15は、実質的に、図56に示されるTGAプロファイルを特徴とする。カールフィッシャー測定は、約3.6%の水分含量を示し、TGAプロファイルに観察される重量損失が水分の損失によるものであり、形態15が一水和物であることをさらに示唆している。
図51は、形態15の重量蒸気収着(GVS)等温線プロットを示す。GVSは、形態15が0〜90%のRHで2.0%の総重量変化を有することを示す。いくつかの実施形態において、形態15は、実質的に、図51に示されるGVSプロファイルを特徴とする。
形態16
化合物1遊離塩基三水和物の結晶形態(「形態16」)を記載するための特徴付け情報の類別が本明細書に提供される。
図58は、CuKα放射線を用いて得られた形態16のX線粉末回析(XRPD)パターンを示す。図58中に特定されたピークは、表14中に列記されたものを含む。
表14
いくつかの実施形態において、形態16は、2θ角で7.8、8.5、14.4、15.4、及び23.5°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態16は、2θ角で7.8、8.5、14.4、15.4、21.4、21.6、及び23.5°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態16は、実質的に、図58に示されるXRPDパターンを特徴とする。
図59は、形態16の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。DSCサーモグラムは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図59は、約37.4℃の開始を有する重複吸熱、約190.1℃の開始を有する幅広な吸熱、及び溶融に関連する約228.1℃で急激な吸熱事象を示す。いくつかの実施形態において、形態16は、実質的に、図59に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
図60は、形態16の熱重量分析(TGA)プロファイルを示す。TGAサーモグラムは、温度の関数として試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図60は、40〜85℃で13.1%の重量損失を示し、形態16が三水和物であることを示唆している。いくつかの実施形態において、形態16は、実質的に、図60に示されるTGAプロファイルを特徴とする。カールフィッシャー測定は、約13.3%の水分含量を示し、TGAプロファイルに観察される重量損失が水分の損失によるものであり、形態16が三水和物であることをさらに示唆している。
図61は、形態16の重量蒸気収着(GVS)等温線プロットを示す。GVSは、30%未満のRHでの脱水を示す。いくつかの実施形態において、形態16は、実質的に、図61に示されるGVSプロファイルを特徴とする。
形態17
化合物1遊離塩基一水和物の結晶形態(「形態17」)を記載するための特徴付け情報の類別が本明細書に提供される。
図62は、CuKα放射線を用いて得られた形態17のX線粉末回析(XRPD)パターンを示す。図56中に特定されたピークは、表15中に列記されたものを含む。
表15
いくつかの実施形態において、形態17は、2θ角で6.7、12.5、18.2、20.3、23.8、24.1、24.7、及び29.3°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態17は、2θ角で6.7、12.5、17.3、18.2、20.3、23.8、24.1、24.7、25.7、及び29.3°のピークを有するXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態において、形態17は、実質的に、図62に示されるXRPDパターンを特徴とする。
図63は、形態17の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示す。DSCサーモグラムは、試料からの温度の関数として熱流をプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図63は、約37℃での開始を有する吸熱事象、続いて、約78℃での開始を有する第2の吸熱、及び溶融に関連する約228℃で急激な吸熱事象を示す。いくつかの実施形態において、形態17は、実質的に、図63に示されるDSCプロファイルを特徴とする。
図64は、形態17の熱重量分析(TGA)プロファイルを示す。TGAサーモグラムは、温度の関数として試料の損失重量パーセントをプロットし、温度変化率は約10℃/分である。図64は、室温〜170℃で5.5.1%の重量損失を示し、形態17が一水和物であることを示唆している。いくつかの実施形態において、形態17は、実質的に、図64に示されるTGAプロファイルを特徴とする。カールフィッシャー測定は、約6.5%の水分含量を示し、TGAプロファイルに観察される重量損失が水分の損失によるものであり、形態17が一水和物であることをさらに示唆している。
図65は、形態17の重量蒸気収着(GVS)等温線プロットを示す。いくつかの実施形態において、形態17は、実質的に、図65に示されるGVSプロファイルを特徴とする。
合成方法
化合物1を含む化学物質は、当業者に既知の方法、ならびに/または以下に示されるスキーム及び続く実施例を参照することにより調製され得る。例示的な合成経路を、スキーム1〜8、及び以下の実施例に記載する。
スキーム1
スキーム1は、以下の実施例1にさらに例示される化合物1のクエン酸塩の合成を説明する。2,6−ジクロロ−3−シアノ−5−フルオロピリジン(1)を硫酸で処理して、カルボキサミド(2)を得、これをLiHMDS及びDMFで処理して、(3)を得、これをトリエチルシラン及びTFAで還元して、4,6−ジクロロ−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(4)を得た。(4)のBoc保護、続いて、ジアミノシクロヘキサン(6)によるカップリングにより、(7)を得た。ジアミノシクロヘキサン(6)の合成は、米国特許第8,440,689号(これはその全体が本明細書に組み込まれる)において見出され得る。(7)とボラン(8)との鈴木カップリングにより、(9)を得た。(9)の脱保護により、化合物1の二塩酸塩(10)を得、これを化合物1のクエン酸塩に変換した。
スキーム2
スキーム2は、以下の実施例2にさらに例示される化合物1のクエン酸塩の合成を説明する。2,6−ジクロロ−3−シアノ−5−フルオロピリジン(1)をフッ化カリウムで処理して、2クロロ−3−シアノ−4,5−ジフルオロピリジン(11)を得た。次いで、2−クロロ−3−シアノ−4,5−ジフルオロピリジン(11)をアセトアミドで処理して、カルボキサミド(12)を得た。カルボキサミド(12)をLiHMDS及び4−ホルミルモルホリンで処理して、(13)を得、これをトリエチルシラン及びTFAで還元して、4−クロロ−6,7−ジフルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(14)を得た。ジアミノシクロヘキサン(6)とのカップリング及びボラン(8)との鈴木カップリングにより、(16)を得た。(16)の脱保護により、化合物1の二塩酸塩(10)を得、これを化合物1のクエン酸塩に変換した。
スキーム3
スキーム3は、以下の実施例3にさらに例示される(10)の別の代替的な合成を説明する。4−クロロ−6,7−ジフルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(14)を、上述のように調製し、次いで、これをBoc保護し、ジアミノシクロヘキサン(6)とカップリングして、(7)を得た。上述のように、(7)とボラン(8)との鈴木カップリングにより、(9)を得た。(9)の脱保護により、化合物1の二塩酸塩(10)を得、これを化合物1のクエン酸塩に変換した。
スキーム4
スキーム4は、以下の実施例4にさらに例示される化合物1のクエン酸塩の別の代替的な合成を説明する。2,6−ジクロロ−3−シアノ−5−フルオロピリジン(1)をジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)及びBocジアミノシクロヘキサン(18)で処理して、(19)を得た。次いで、tert−ブチル((1S,2R)−2−((6クロロ−5−シアノ−3−フルオロピリジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバメート(19)をパラホルムアルデヒド及びギ酸で処理して、保護された(20)を得た。(20)の過酸化水素及び炭酸カリウムによる処理により、カルボキサミド(21)を得た。LiHMDS及びDMFによる処理により、(22)を得、これを還元して、(23)を得た。次いで、(23)のBoc保護により、(24)を得た。ボラン(8)との鈴木カップリングにより、(25)を得、これを脱保護して、化合物1トリフルオロアセテート(26)を得、これを化合物1のクエン酸塩に変換した。
スキーム5
スキーム5は、化合物1の遊離塩基の合成、及び以下の実施例5にさらに例示される化合物1のクエン酸塩の別の代替的な合成を説明する。Boc保護(25)を上述のように調製し、次いで、これを脱保護し、水酸化ナトリウムで処理して、化合物1の遊離塩基(27)を得、これを化合物1のクエン酸塩に変換した。
スキーム6
スキーム6は、以下の実施例5にさらに例示される化合物1のクエン酸塩の別の代替的な合成を説明する。Boc保護した(25)を上述のように調製し、次いで、これを脱保護して、化合物1ヨウ化水素酸塩(28)を得、これを化合物1のクエン酸塩に変換した。
スキーム7
スキーム7は、以下の実施例7にさらに例示される化合物1塩酸塩二水和物の合成を説明する。2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸(29)を塩化オキサリルで処理し、続いて、イソプロピルアルコールで処理して、(30)を得た。エステル(30)を、ジアミノシクロヘキサン(6)とカップリングして、(31)を得、これをパラホルムアルデヒド及びギ酸で処理して、(32)を得た。エステルの鹸化により、(33)を得、これをリチウムジイソプロピルアミド及びジメチルホルムアミドで処理して、(34)を得た。次いで、ヒドロキシラクトン(34)を2,4−ジメトキシベンジル保護ラクタム(35)に変換した。(35)とボラン(8)との鈴木カップリングにより、(36)を得た。トリフルオロ酢酸による(36)の脱保護により、化合物1トリフルオロ酢酸塩(26)を得、これをBoc保護し、続いて、化合物1塩酸塩二水和物に変換した。
スキーム8
スキーム8は、以下の実施例8にさらに例示される化合物1の遊離塩基の別の代替的な合成を説明する。化合物1のクエン酸塩を上述のように調製し、次いで、NaOHで処理して、化合物1の遊離塩基を得た。
ある特定の実施形態において、本発明は、式Iの化合物
またはその薬学的に許容される塩の作製方法であって、式Iaの化合物、
またはその薬学的に許容される塩をホルミル化試薬と反応させることを含む。
ある特定の実施形態において、ホルミル化試薬は、式Ibの化合物であって、
式中、R
1がNR
aR
bであり、式中、R
a及びR
bがそれぞれ独立して、アルキルであるか、またはR
a及びR
bが結合する窒素と一緒になって、5〜7員環を形成する、化合物またはその薬学的に許容される塩である。ある特定の実施形態において、R
a及びR
bが独立して、アルキルである。ある特定の実施形態において、R
a及びR
bが両方とも、メチルである。ある特定の実施形態において、R
a及びR
bが結合する窒素と一緒になって、5〜7員環を形成する。ある特定の実施形態において、R
a及びR
bが結合する窒素と一緒になって、6員環を形成する。ある特定の実施形態において、R
a及びR
bが結合する窒素と一緒になって、モルホリノ環を形成する。したがって、ある特定の実施形態において、ホルミル化試薬が4−ホルミルモルホリンである。
ある特定の実施形態において、式Iaの化合物とホルミル化試薬との反応は、塩基の存在下で行われる。ある特定のそのような実施形態において、塩基は、ヘキサメチルジシラザンリチウム(LiHMDS)、ヘキサメチルジシラザンナトリウム(NaHMDS)、及びヘキサメチルジシラザンカリウム(KHMDS)から選択される。ある特定の実施形態において、塩基はLiHMDSである。
ある特定の実施形態において、本発明は、式I
の化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
ある特定の実施形態において、本発明は、式IIの化合物であって、
式中、R
2が保護基である、化合物またはその薬学的に許容される塩の作製方法であって、
式IIaの化合物、
またはその薬学的に許容される塩と、式IIbの化合物であって、
式中、R
2が保護基である、化合物またはその薬学的に許容される塩と反応させることを含む。
ある特定の実施形態において、R2はN−アシル保護基である。ある特定の実施形態において、R2は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、アリルオキシカルボニル(Aloc)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、及び2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)から選択される。ある特定の実施形態において、R2はBocである。
ある特定の実施形態において、式IIaの化合物と式IIbの化合物との反応は、塩基の存在下で行われる。ある特定のそのような実施形態において、塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、及びN−メチルモルホリンから選択される。ある特定の実施形態において、塩基はトリエチルアミンである。
ある特定の実施形態において、本発明は、式IIの化合物であって、
式中、R
2が保護基である、化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
ある特定の実施形態において、R2はN−アシル保護基である。ある特定の実施形態において、R2は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、アリルオキシカルボニル(Aloc)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、及び2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)から選択される。ある特定の実施形態において、R2はBocである。
ある特定の実施形態において、本発明は、式IIIの化合物であって、
式中、R
2が保護基である、化合物またはその薬学的に許容される塩の作製方法であって、
式IIの化合物であって、
式中、R
2が保護基である、化合物またはその薬学的に許容される塩を、式IIIaの化合物、
の化合物またはその薬学的に許容される塩と反応させることを含む。
ある特定の実施形態において、R2はN−アシル保護基である。ある特定の実施形態において、R2は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、アリルオキシカルボニル(Aloc)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、及び2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)から選択される。ある特定の実施形態において、R2はBocである。
ある特定の実施形態において、式IIの化合物と式IIIaの化合物の反応は、パラジウム触媒の存在下で行われる。ある特定のそのような実施形態において、パラジウム触媒は、Pd(PCy3)2Cl2、Pd(dppf)Cl2、Pd(dtbpf)Cl2、及びPd(PPh3)2Cl2から選択される。ある特定の実施形態において、パラジウム触媒はPd(PPh3)2Cl2である。
ある特定の実施形態において、本発明は、式IIIの化合物であって、
式中、R
2が保護基である、化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
ある特定の実施形態において、R2はN−アシル保護基である。ある特定の実施形態において、R2は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、アリルオキシカルボニル(Aloc)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、及び2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)から選択される。ある特定の実施形態において、R2はBocである。
ある特定の実施形態において、本発明は、化合物1を含む化学物質(例えば、化合物1またはその薬学的に許容される塩)の作製方法に関し、本方法は、式IIIの化合物であって、
式中、R
2が保護基である、化合物またはその薬学的に許容される塩を、脱保護剤と反応させることを含む。
ある特定の実施形態において、R2はN−アシル保護基である。ある特定の実施形態において、R2は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、アリルオキシカルボニル(Aloc)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、及び2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)から選択される。ある特定の実施形態において、R2はBocである。
ある特定の実施形態において、脱保護剤は酸である。ある特定のそのような実施形態において、酸は、塩酸及びトリフルオロ酢酸から選択される。ある特定のそのような実施形態において、酸は塩酸である。ある特定のそのような実施形態において、酸はトリフルオロ酢酸である。
ある特定の実施形態において、本方法は、化合物1のクエン酸塩を形成することをさらに含む。ある特定のそのような実施形態において、化合物1のクエン酸塩の形成は、(i)塩基で処理し、それによって、化合物1の遊離塩基を得、続いて、クエン酸で処理することを含む。ある特定のそのような実施形態において、塩基は水酸化ナトリウムである。ある特定の代替のそのような実施形態において、化合物1のクエン酸塩の形成は、クエン酸二水素ナトリウムで処理することを含む。
したがって、ある特定の実施形態において、本発明は、化合物1またはその薬学的に許容される塩の作製方法に関し、本方法は、
(i)式IIaの化合物、
またはその薬学的に許容される塩を、式IIbの化合物であって、
式中、R
2が保護基である、化合物またはその薬学的に許容される塩と反応させて、式IIの化合物であって、
式中、R
2が保護基である、化合物またはその薬学的に許容される塩を得ることと、
(ii)式IIの化合物を、式IIIaの化合物、
またはその薬学的に許容される塩と反応させて、式IIIの化合物であって、
式中、R
2が保護基である、化合物またはその薬学的に許容される塩を得ることと、
(iii)式IIIの化合物を脱保護剤と反応させることと、を含む。
ある特定の実施形態において、R2はN−アシル保護基である。ある特定の実施形態において、R2は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、アリルオキシカルボニル(Aloc)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、及び2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)から選択される。ある特定の実施形態において、R2はBocである。
ある特定の実施形態において、脱保護剤は酸である。ある特定のそのような実施形態において、酸は、塩酸及びトリフルオロ酢酸から選択される。ある特定のそのような実施形態において、酸は塩酸である。ある特定のそのような実施形態において、酸はトリフルオロ酢酸である。
ある特定の実施形態において、本方法は、化合物1のクエン酸塩を形成することをさらに含む。ある特定のそのような実施形態において、化合物1のクエン酸塩の形成は、(i)塩基で処理し、それによって、化合物1の遊離塩基を得、続いて、クエン酸で処理することを含む。ある特定のそのような実施形態において、塩基は水酸化ナトリウムである。ある特定の代替のそのような実施形態において、化合物1のクエン酸塩の形成は、クエン酸二水素ナトリウムで処理することを含む。
ある特定の実施形態において、本発明は、式IVの化合物であって、
式中、R
3及びR
4がそれぞれ独立して、保護基であるか、またはR
3及びR
4が合わせて、保護基であり、R
5が保護基である、化合物またはその薬学的に許容される塩の作製のための方法に関し、本方法は、式IVaの化合物であって、
式中、R
3及びR
4がそれぞれ独立して、保護基であるか、またはR
3及びR
4が合わせて、保護基であり、R
5が保護基である、化合物またはその薬学的に許容される塩を、ホルミル化試薬と反応させることを含む。
ある特定の実施形態において、R3及びR4はそれぞれ独立して、保護基である。ある特定の実施形態において、R3及びR4は合わせて、保護基である。ある特定のそのような実施形態において、R3及びR4は合わせて、メチレン(−CH2−)、ジメチルメチレン(−C(CH3)2−)、またはベンジリデン等のC1−4アルキレンである。ある特定の実施形態において、R3及びR4は合わせて、メチレンである。
ある特定の実施形態において、R5はN−アシル保護基である。ある特定の実施形態において、R5は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、アリルオキシカルボニル(Aloc)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、及び2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)から選択される。ある特定の実施形態において、R5はBocである。
ある特定の実施形態において、式IVaの化合物とホルミル化試薬との反応は、塩基の存在下で行われる。ある特定のそのような実施形態において、塩基は、ヘキサメチルジシラザンリチウム(LiHMDS)、ヘキサメチルジシラザンナトリウム(NaHMDS)、ヘキサメチルジシラザンカリウム(KHMDS)、及びリチウムジイソプロピルアミド(LDA)から選択される。ある特定の実施形態において、塩基はLiHMDSである。ある特定の実施形態において、ホルミル化試薬はN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)である。
ある特定の実施形態において、本発明は、式IVの化合物であって、
式中、R
3及びR
4がそれぞれ独立して、保護基であるか、またはR
3及びR
4が合わせて、保護基であり、R
5が保護基である、化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
ある特定の実施形態において、R3及びR4はそれぞれ独立して、保護基である。ある特定の実施形態において、R3及びR4は合わせて、保護基である。ある特定のそのような実施形態において、R3及びR4は合わせて、メチレン(−CH2−)、ジメチルメチレン(−C(CH3)2−)、またはベンジリデン等のC1−4アルキレンである。ある特定の実施形態において、R3及びR4は合わせて、メチレンである。
ある特定の実施形態において、R5はN−アシル保護基である。ある特定の実施形態において、R5は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、アリルオキシカルボニル(Aloc)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、及び2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)から選択される。ある特定の実施形態において、R5はBocである。
ある特定の実施形態において、本発明は、式Vの化合物であって、
式中、R
3及びR
4がそれぞれ独立して、保護基であるか、またはR
3及びR
4が合わせて、保護基であり、R
5が保護基である、化合物またはその薬学的に許容される塩の作製のための方法であって、式(IV)の化合物であって、
式中、R
3及びR
4がそれぞれ独立して、保護基であるか、またはR
3及びR
4が合わせて、保護基であり、R
5が保護基である、化合物またはその薬学的に許容される塩を、還元条件下で還元することを含む、前記方法。
ある特定の実施形態において、R3及びR4はそれぞれ独立して、保護基である。ある特定の実施形態において、R3及びR4は合わせて、保護基である。ある特定のそのような実施形態において、R3及びR4は合わせて、メチレン(−CH2−)、ジメチルメチレン(−C(CH3)2−)、またはベンジリデン等のC1−4アルキレンである。ある特定の実施形態において、R3及びR4は合わせて、メチレンである。
ある特定の実施形態において、R5はN−アシル保護基である。ある特定の実施形態において、R5は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、アリルオキシカルボニル(Aloc)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、及び2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)から選択される。ある特定の実施形態において、R5はBocである。
ある特定の実施形態において、還元条件は、ヒドロキシル基の脱離基への変換、続いて、還元剤による処理を含む。ある特定の実施形態において、脱離基は、アルカノエート、アリーロエート、ギ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、及び硫酸塩から選択される。ある特定の実施形態において、脱離基は酢酸塩である。ある特定の実施形態において、還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム、及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムから選択される。ある特定の実施形態において、還元剤は水素化ホウ素ナトリウムである。
ある特定の実施形態において、本発明は、式Vの化合物であって、
式中、R
3及びR
4がそれぞれ独立して、保護基であるか、またはR
3及びR
4が合わせて、保護基であり、R
5が保護基である、化合物またはその薬学的に許容される塩に関する。
ある特定の実施形態において、R3及びR4はそれぞれ独立して、保護基である。ある特定の実施形態において、R3及びR4は合わせて、保護基である。ある特定のそのような実施形態において、R3及びR4は合わせて、メチレン(−CH2−)、ジメチルメチレン(−C(CH3)2−)、またはベンジリデン等のC1−4アルキレンである。ある特定の実施形態において、R3及びR4は合わせて、メチレンである。
ある特定の実施形態において、R5はN−アシル保護基である。ある特定の実施形態において、R5は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、アリルオキシカルボニル(Aloc)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、及び2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)から選択される。ある特定の実施形態において、R5はBocである。
ある特定の実施形態において、本発明は、化合物1を含む化学物質(例えば、化合物1またはその薬学的に許容される塩)の作製方法に関し、本方法は、式VIの化合物であって、
式中、R
3及びR
4がそれぞれ独立して、保護基であるか、またはR
3及びR
4が合わせて、保護基であり、R
5及びR
6がそれぞれ独立して、保護基である、化合物またはその薬学的に許容される塩を、脱保護条件下で脱保護することを含む。
ある特定の実施形態において、R3及びR4はそれぞれ独立して、保護基である。ある特定の実施形態において、R3及びR4は合わせて、保護基である。ある特定のそのような実施形態において、R3及びR4は合わせて、メチレン(−CH2−)、ジメチルメチレン(−C(CH3)2−)、またはベンジリデン等のC1−4アルキレンである。ある特定の実施形態において、R3及びR4は合わせて、メチレンである。
ある特定の実施形態において、R5及びR6はそれぞれ独立して、N−アシル保護基である。ある特定の実施形態において、R5及びR6はそれぞれ独立して、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、アリルオキシカルボニル(Aloc)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、及び2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)から選択される。ある特定の実施形態において、R5はBocである。ある特定の実施形態において、R6はBocである。
ある特定の実施形態において、脱保護条件は、式VIの化合物を酸で処理し、続いて、塩基で処理することを含む。ある特定のそのような実施形態において、酸は、トリフルオロ酢酸、ヨウ化水素酸、及びヨードトリメチルシリルから選択される。ある特定の実施形態において、ヨードトリメチルシリルは、トリメチルシリルクロリドをヨウ化物塩と反応させることによって生成され得る。ある特定のそのような実施形態において、酸はトリフルオロ酢酸である。ある特定のそのような実施形態において、酸は、トリメチルシリルクロリド、ヨウ化ナトリウム、及びヨウ化水素酸の混合物である。ある特定の実施形態において、塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、ヒドロキシルアミン、及びヒドラジンから選択される。ある特定のそのような実施形態において、塩基は、水酸化ナトリウム及びヒドラジンの混合物である。
ある特定の実施形態において、本方法は、化合物1のクエン酸塩を形成することをさらに含む。ある特定のそのような実施形態において、化合物1のクエン酸塩の形成は、塩基で処理し、それによって、化合物1の遊離塩基を得、続いて、クエン酸で処理することを含む。ある特定のそのような実施形態において、塩基は水酸化ナトリウムである。ある特定の代替のそのような実施形態において、化合物1のクエン酸塩の形成は、クエン酸二水素ナトリウムで処理することを含む。
ある特定の実施形態において、本発明は、式VIの化合物であって、
式中、R
3及びR
4がそれぞれ独立して、保護基であるか、またはR
3及びR
4が合わせて、保護基であり、R
5及びR
6がそれぞれ独立して、保護基である、化合物またはその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される塩に関する。
ある特定の実施形態において、R3及びR4はそれぞれ独立して、保護基である。ある特定の実施形態において、R3及びR4は合わせて、保護基である。ある特定のそのような実施形態において、R3及びR4は合わせて、メチレン(−CH2−)、ジメチルメチレン(−C(CH3)2−)、またはベンジリデン等のC1−4アルキレンである。ある特定の実施形態において、R3及びR4は合わせて、メチレンである。
ある特定の実施形態において、R5及びR6はそれぞれ独立して、N−アシル保護基である。ある特定の実施形態において、R5及びR6はそれぞれ独立して、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、アリルオキシカルボニル(Aloc)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、及び2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)から選択される。ある特定の実施形態において、R5はBocである。ある特定の実施形態において、R6はBocである。
使用
ある特定の実施形態において、本発明の化学物質は、SYKの阻害剤として有用であり得る。それ故に、本発明の化学物質は、本明細書でさらなる詳細において提供される方法、または当該技術分野で周知の方法に従って、インビトロもしくはインビボで、または細胞もしくは動物モデルにおいてSYKを阻害するそれらの能力についてアッセイされ得る。化学物質は、SYK酵素活性と直接的に結合するまたはSYK酵素活性を媒介するそれらの能力についてアッセイされ得る。あるいは、化学物質の活性は、間接的細胞アッセイ、またはSYK阻害の下流効果の阻害を評価するために、SYK活性化の下流効果を測定するアッセイによって評価され得る。
薬学的に許容される塩がこれらの組成物において利用される本発明の化学物質である場合、塩は、好ましくは、無機または有機の酸及び塩基に由来する。好適な塩の概説については、例えば、Berge et al,J.Pharm.Sci.66:1−19(1977)及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,A.Gennaro(ed.),Lippincott Williams & Wilkins(2000)(“Remington’s”)を参照されたい。
好適な酸付加塩の例としては、以下、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニル−プロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、及びウンデカン酸塩を含む。
また、塩基性窒素含有基は、例えば、メチル、エチル、プロピル、及びブチル塩化物、臭化物、及びヨウ化物等の低級ハロゲン化アルキル、例えば、ジメチル、ジエチル、ジブチル、及びジアミル硫酸塩等の硫酸ジアルキル、例えば、デシル、ラウリル、ミリスチル、及びステアリル塩化物、臭化物、及びヨウ化物等の長鎖ハロゲン化物、例えば、ベンジル及びフェネチル臭化物等のハロゲン化アラルキル、ならびにその他のもの等の薬剤を用いて、四級化することができる。それによって、水または油溶性または分散性生成物が得られる。
ある特定の実施形態において、本発明は、化合物1を含む化学物質を含む薬学的組成物に関する。本発明の薬学的組成物は、好ましくは、レシピエント対象、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトへの投与に好適である形態中にある。「薬学的に許容される担体」という用語は、本明細書において、レシピエント対象に適合し、薬剤の活性を終結させずに、活性剤を標的部位に送達するのに好適である物質を指すために使用される。もしある場合、担体に関連する毒性または有害作用は、好ましくは、活性剤の意図される使用の妥当なリスク/利益比と釣り合う。多くのそのような薬学的に許容される担体は、当該分野で周知である。例えば、Remington’s;Handbook of Pharmaceutical Excipients,6th Ed.,R.C.Rowe et al.(eds.),Pharmaceutical Press(2009)を参照のこと。
本発明の薬学的組成物は、数ある中でも、従来の造粒、混合、溶解、カプセル化、凍結乾燥、または乳化プロセス等の、当該技術分野において既知である方法によって製造され得る。組成物は、顆粒剤、沈殿物、または微粒子、凍結乾燥された、回転乾燥された、もしくは噴霧乾燥された粉末を含む粉末、無定形粉末、錠剤、カプセル、シロップ剤、坐剤、注射、乳剤、エリキシル剤、懸濁剤、または溶液を含む、様々な形態で産生され得る。製剤は、任意に、安定剤、pH調整剤、界面活性剤、可溶化剤、バイオアベイラビリティ調整剤、及びこれらの組み合わせを含有し得る。
これらの組成物に使用してもよい薬学的に許容される担体としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミン等の血清タンパク質、リン酸塩もしくは炭酸塩等の緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、硫酸プロタミン等の飽和植物脂肪酸、水、塩、または電解質の部分グリセリド混合物、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、及び羊毛脂が挙げられる。
ある特定の実施形態において、本発明の組成物は、ヒト等の哺乳動物に対する薬学的投与のために製剤化され得る。本発明のそのような薬学的組成物は、経口的に、非経口的に、吸入噴霧によって、局所的に、直腸的に、経鼻的に、頬側に、腟に、または移植されたリザーバを介して投与され得る。本明細書で使用される場合、「非経口」という用語は、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、関節内、滑液内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内、及び頭蓋内注射または注入技術を含む。好ましくは、組成物は、経口的に、静脈内に、または皮下に投与される。ある特定の実施形態において、薬学的組成物は、経口投与に好適である。本発明の薬学的組成物は、短時間作用、高速放出、または長時間作用であるように設計され得る。さらに、薬学的組成物は、局所投与に好適であっても、または全身的手段よりはむしろ好適であってもよい。
薬学的組成物は、油、水、アルコール、及びこれらの組み合わせ等、液体を使用して、液体懸濁液または溶液として調製され得る。シクロデキストリン等の可溶化剤が含まれ得る。薬学的に好適な界面活性剤、懸濁化剤、または乳化剤が、経口または非経口投与のために添加され得る。懸濁液は、ピーナツ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、及びオリーブ油等の油を含み得る。懸濁液調製物はまた、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、脂肪酸グリセリド、及びアセチル化脂肪酸グリセリド等、脂肪酸のエステルを含有し得る。懸濁液製剤は、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサデシルアルコール、グリセロール、及びプロピレングリコール等のアルコールを含み得る。ポリ(エチレングリコール)等のエーテル、鉱油及びワセリン等の石油系炭化水素、ならびに水はまた、懸濁液製剤に使用され得る。
本発明の組成物の滅菌の注射可能な形態は、水性または油性の懸濁液であってもよい。これらの懸濁液は、好適な分散剤または湿潤剤及び懸濁化剤を使用して、当該技術分野で既知の技術に従って製剤化されてもよい。滅菌の注射可能な調製物はまた、非毒性の非経口で許容される希釈剤または溶媒中、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として、滅菌の注射可能な溶液または懸濁液であってもよい。利用されてもよい許容されるビヒクル及び溶媒の中には、水、リンゲル液、及び等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の固定油が、溶媒または懸濁媒として従来用いられる。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む、任意の無菌性固定油が利用されてもよい。オレイン酸及びそのグリセリド誘導体等の脂肪酸は、特に、それらのポリオキシエチル化型のものにおいて、オリーブ油またはヒマシ油等の天然の薬学的に許容される油であるため、注射可能物質の調製に有用である。これらの油溶液または懸濁液はまた、乳剤または懸濁液を含む、薬学的に許容される剤形の製剤化で一般的に使用される、カルボキシメチルセルロースまたは同様の分散剤等、長鎖アルコール希釈剤または分散剤を含有し得る。薬学的に許容される固体、液体、または他の剤形の製造で一般的に使用される、他の一般的に使用される界面活性剤、例えば、Tween、Span、及び他の乳化剤、またはバイオアベイラビリティ強化剤もまた、製剤化の目的で使用され得る。化合物は、ボーラス注射または持続注入によるもの等、注射による非経口投与のために製剤化され得る。注射用の単位剤形は、アンプルまたは多用量容器であってもよい。
本発明の薬学的組成物は、カプセル、錠剤、水性懸濁液、または溶液を含む、任意の経口で許容される剤形で、好ましくはカプセルまたは錠剤で経口投与され得る。ある特定の実施形態において、経口剤形は錠剤である。ある特定の実施形態において、経口剤形はキャプレットである。水性懸濁液が経口使用に必要とされるとき、活性成分は、乳化剤及び懸濁化剤と組み合わされる。所望の場合、ある特定の甘味剤、香味剤、または着色剤もまた、添加され得る。ある特定の固体剤形において、活性化学物質は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸ニカルシウム等の少なくとも1つの不活性な薬学的に許容される賦形剤または担体、ならびに/またはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、微結晶性セルロース、及びケイ酸が挙げられるが、これらに限定されない、充填剤もしくは増量剤、b)ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、スクロース、及びアカシアが挙げられるが、これらに限定されない、結合剤、c)グリセロールが挙げられるが、これに限定されない、湿潤剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ポリビニルピロリジノン、クロスカルメロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ジャガイモデンプンもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない、崩壊剤、e)パラフィン等の溶液遅延剤、f)第四級アンモニウム化合物等の吸収促進剤、g)セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロールが挙げられるが、これらに限定されない、湿潤剤、h)カオリン及びベントナイト粘土が挙げられるが、これらに限定されない、吸収剤、ならびに/またはi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリル酸フマル酸ナトリウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、二酸化ケイ素、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない、滑沢剤と混合される。カプセル、錠剤、及びピルの場合、剤形は緩衝剤も含んでもよい。ある特定の実施形態において、錠剤は、湿式造粒プロセスを用いて製造され得る。ある特定の実施形態において、錠剤は、乾式造粒プロセスを用いて製造され得る。ある特定の実施形態において、錠剤は、直接圧縮プロセスを用いて製造され得る。
ある特定の実施形態において、本発明は、化合物1を含む化学物質を含む薬学的組成物に関する。ある特定の実施形態において、本発明は、化合物1を含む化学物質を含む、錠剤またはカプセル等の経口投与に好適な薬学的組成物に関する。ある特定のそのような実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態12、形態13、形態14、形態15、形態16、及び形態17、またはこれらの任意の組み合わせから選択される。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、化合物1のクエン酸塩である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態1である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、化合物1の塩酸塩である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態3である。したがって、ある特定の実施形態において、本発明は、形態1等の化合物1のクエン酸塩を含む錠剤に関する。ある特定のそのような実施形態において、錠剤は、約20mg、約60mg、または約100mgの形態1等の化合物1のクエン酸塩を含む。
ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質の一用量は、約1mg〜約3000mg、約1mg〜約1000mg、約1mg〜約500mg、約10mg〜約200mg、約50mg〜約150mg、約60mg〜約120mg、または約60mg〜約100mgである。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質の一用量は、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、または約150mgである。そのような一用量は、1つ以上の錠剤またはカプセル(例えば、60mgの1日総用量は、単一の60mgの錠剤を含み得るか、または3つの20mgの錠剤を含み得る)。ある特定の実施形態において、一用量は、化合物1を含む化学物質の1日総用量である。ある特定の実施形態において、1日総用量は、1日1回得られ得るか、または化合物1を含む化学物質が1日2回または1日3回得られるように分割され得る。ある特定のそのような実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態12、形態13、形態14、形態15、形態16、及び形態17、またはこれらの任意の組み合わせから選択される。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、化合物1のクエン酸塩である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態1である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、化合物1の塩酸塩である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態3である。
活性化学物質はまた、上述の1つ以上の賦形剤を有するマイクロカプセル化形態であり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル、丸剤、及び顆粒剤の固体剤形は、薬学的製剤分野で周知の腸溶コーティング、放出制御コーティング、及び他のコーティング等のコーティング及び殻を用いて調製され得る。そのような固体剤形において、活性化合物は、スクロース、ラクトース、またはデンプン等の少なくとも1つの不活性希釈剤と混合され得る。通常行うように、そのような剤形はまた、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウム及び微結晶性セルロース等の錠剤化滑沢剤及び他の錠剤化補助剤を含み得る。カプセル、錠剤、及び丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤も含み得る。それらは、任意に不透明化剤を含有し得、活性成分(複数可)を、腸管の特定の部分のみにまたは当該部分に優先的に、任意に、遅延された様式で、放出する組成物であり得る。使用され得る埋封組成物の例は、ポリマー物質及びワックスを含む。
あるいは、本発明の薬学的組成物は、直腸投与のための坐薬の形態で投与され得る。これらは、室温では固体であるが直腸温度では液体であり、したがって、薬物を放出させるように直腸内で溶ける、好適な非刺激性賦形剤と、薬剤を混合することによって調製され得る。かかる物質としては、カカオバター、蜜ろう、及びポリエチレングリコールが挙げられる。
本発明の薬学的組成物はまた、特に、治療の対象が目、皮膚、または下部腸管の疾患を含む、局所適用によって容易に到達可能な範囲または器官を含むとき、局所的に投与され得る。好適な局所製剤は、これらの範囲または器官のそれぞれに対して、容易に調製される。
下部腸管に対する局所適用は、直腸の坐薬形態または好適な浣腸製剤に好適な組成物中に達成され得る。局所的な経皮パッチもまた使用され得る。局所適用に対して、薬学的組成物は、1つ以上の担体中に懸濁または溶解された活性成分を含有する好適な軟膏に製剤化され得る。本発明の化合物の局所投与のための担体としては、鉱油、液体ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろう、及び水が挙げられる。あるいは、薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体中に懸濁または溶解された活性成分を含有する、好適なローションまたはクリームの中で製剤化され得る。好適な担体としては、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルろう、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、及び水が挙げられる。
眼科用に、薬学的組成物は、等張のpH調節した滅菌食塩水中の微粉化懸濁液として、または好ましくは、塩化ベンジルアルコニウム等の保存剤を含むまたは含まないのいずれかで、等張のpH調節した滅菌食塩水中の溶液として、製剤化され得る。あるいは、眼科用に、薬学的組成物は、ワセリン等の軟膏に製剤化され得る。
本発明の薬学的組成物はまた、鼻腔エアロゾルまたは吸入によって投与され得る。かかる組成物は、薬学的製剤の技術分野でよく知られている技術に従って調製され、ベンジルアルコールもしくは他の好適な保存剤、バイオアベイラビリティを高めるための吸収促進剤、フッ化炭素、及び/または他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を使用して、生理食塩水中の溶液として調製され得る。
本発明の薬学的組成物はまた、特に、本明細書に記載される障害(例えば、増殖障害、例えば、癌、炎症性、神経変性障害)に関連する治療的用途に有用である。本明細書で使用される「対象」という用語は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトを意味する。本明細書で使用される「患者」という用語は、ヒトを意味する。好ましくは、組成物は、治療される関連障害を発症する、もしくはその再発を経験する、またはそのリスクにある、患者または対象に対する投与のために製剤化される。本発明の好ましい薬学的組成物は、経口、静脈内、または皮下投与のために製剤化される薬学的組成物である。しかしながら、本発明の化学物質を含有する上記の剤形のうちのいずれも、十分に通例の実験方法の範囲内にあり、したがって、十分に本発明の範囲内にある。ある特定の実施形態において、本発明の薬学的組成物は、別の治療剤をさらに含み得る。好ましくは、そのような他の治療剤は、通常、治療される障害、疾患、または状態を有する患者に投与される治療剤である。
本発明の化学物質は、SYKの阻害の必要が示される、障害、疾患、及び状態を治療するために使用され得る。かかる障害、疾患、及び状態は、概して、SYKの阻害が治療的有用性を提供する、対象における任意の不健康なまたは異常な事態に関する。より具体的には、そのような障害、疾患、及び状態は、I型過敏性(アレルギー)反応(アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、及びアトピー性皮膚炎);自己免疫疾患(関節リウマチ、多発性硬化症、全身エリテマトーデス、乾癬、及び免疫性血小板減少性紫斑病)、肺の炎症(慢性閉塞性肺疾患)、ならびに血栓症を含む、免疫系及び炎症を含んでもよい。本発明の化学物質はまた、急性骨髄性白血病、B細胞慢性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫(例えば、マントル細胞リンパ腫)、及びT細胞リンパ腫(例えば、末梢T細胞リンパ腫)等の血液悪性疾患;ならびに肺癌(小細胞肺癌及び非小細胞肺癌)、膵臓癌、及び結腸癌等の上皮性癌(すなわち、上皮性悪性腫瘍)を含む、細胞増殖の異常に関連する障害、疾患、及び状態を治療するために使用してもよい。
本明細書で使用するとき、「治療する」または「治療」という用語は、対象の状態を改善または安定化する様式で、状態の症状、臨床兆候、及び基礎病理を逆転、低減、または停止させることを含む。
上記の血液学的悪性腫瘍及び上皮性癌に加えて、本発明の化学物質はまた、白血病(慢性骨髄性白血病及び慢性リンパ球性白血病);乳癌、泌尿生殖器癌、皮膚癌、骨癌、前立腺癌、及び肝臓癌;脳癌;喉頭、胆嚢、直腸、副甲状腺、甲状腺、副腎、神経組織、膀胱、頭部、頸部、胃、気管支、及び腎臓の癌;基底細胞癌、扁平上皮癌、転移性皮膚癌、骨肉腫、ユーイング肉腫、細網肉腫(veticulum cell sarcoma)、及びカポジ肉腫;骨髄腫、巨細胞腫瘍、膵島細胞腫瘍、急性及び慢性リンパ球及び顆粒球腫瘍、有毛細胞腫瘍、腺腫、髄様癌、褐色細胞腫、粘膜神経腫、腸神経節神経腫、過形成性角膜神経腫瘍、マルファン症候群様体質腫瘍(marfanoid habitus tumor)、ウィルムス腫瘍、精上皮腫、卵巣腫瘍、平滑筋腫瘍(leiomyomater tumor)、頸部形成異常、神経芽細胞腫、網膜芽腫、骨髄異形成症候群、横紋筋肉腫、星状細胞腫、非ホジキンリンパ腫、悪性高カルシウム血症、真性赤血球増加症(polycythermia vera)、腺癌、多形神経膠芽腫、神経膠腫、リンパ腫、及び悪性黒色腫等の他のタイプの癌を治療するために使用してもよい。
癌に加えて、本発明の化学物質はまた、とりわけ、例えば、良性前立腺肥大などの非悪性増殖性疾患、再狭窄(restinsosis)、過形成、滑膜増殖障害、網膜症、または他の目の新生血管障害等の異常な細胞増殖に関連するその他の疾患を治療するために使用してもよい。
本発明の化学物質はまた、上記に列挙したものに加えて自己免疫障害を治療するために使用してもよい。上記に加え、そのような障害、疾患、及び状態としては、とりわけ、クローン病、皮膚筋炎、1型糖尿病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン−バレー症候群、橋本病、混合性結合組織障害、重症筋無力症、ナルコレプシー、尋常性天疱瘡、悪性貧血、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、シェーグレン症候群、側頭動脈炎、潰瘍性大腸炎、脈管炎、及びウェゲナー肉芽腫症が挙げられる。
さらに、本発明の化学物質は、喘息、慢性炎症、慢性前立腺炎、糸球体腎炎、過敏症、炎症性腸疾患(クローン病に加えて潰瘍性大腸炎)、骨盤内炎症性疾患、再潅流損傷、移植片拒絶、脈管炎、及び全身性炎症反応症候群を含む炎症性の障害を治療するために使用してもよい。
本発明の化学物質はまた、関節炎を含む、上記の1つ以上の一般的な障害に含まれ得る特定の疾患を治療するために使用してもよい。関節リウマチ、シェーグレン症候群、全身エリテマトーデス、小児及び青年におけるSLEに加えて、本発明の化学物質はまた、とりわけ、強直性脊椎炎、虚血壊死、ベーチェット病、滑液包炎、ピロリン酸カルシウム二水和物(dihyrate)結晶沈着症(偽痛風)、手根管症候群、エーラー・ダンロス症候群、線維筋痛、第5病、巨細胞性動脈炎、痛風、若年性皮膚筋炎、若年性関節リウマチ、若年性脊椎関節症(spondyloarthopathy)、ライム病、マルファン症候群、筋炎、変形性関節症、骨形成不全症、骨粗鬆症、パジェット病、乾癬性関節炎、レイノー現象、反応性関節炎、反射交感神経ジストロフィー症候群、強皮症、脊髄の狭窄、スティル病、及び腱炎等の他の関節炎疾患を治療するために使用してもよい。
したがって、ある特定の実施形態において、本発明は、癌を患っている患者に、化合物1を含む化学物質を投与することを含む、癌の治療方法に関する。ある特定の実施形態において、本発明は、癌を患っている患者に、化合物1を含む化学物質を含む薬学的組成物を投与することを含む、癌の治療方法に関する。ある特定のそのような実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態12、形態13、形態14、形態15、形態16、及び形態17、またはこれらの任意の組み合わせから選択される。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、化合物1のクエン酸塩である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態1である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、化合物1の塩酸塩である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態3である。
ある特定の実施形態において、本発明は、血液癌を患っている患者に、化合物1を含む化学物質を投与することを含む、血液癌の治療方法に関する。ある特定の実施形態において、本発明は、癌を患っている患者に、化合物1を含む化学物質を含む薬学的組成物を投与することを含む、血液癌の治療方法に関する。ある特定のそのような実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態12、形態13、形態14、形態15、形態16、及び形態17、またはこれらの任意の組み合わせから選択される。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、化合物1のクエン酸塩である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態1である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、化合物1の塩酸塩である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態3である。
ある特定の実施形態において、本発明は、白血病またはリンパ腫を患っている患者に、化合物1を含む化学物質を投与することを含む、白血病またはリンパ腫の治療方法に関する。ある特定の実施形態において、本発明は、白血病またはリンパ腫を患っている患者に、化合物1を含む化学物質を含む薬学的組成物を投与することを含む、癌の治療方法に関する。ある特定のそのような実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態12、形態13、形態14、形態15、形態16、及び形態17、またはこれらの任意の組み合わせから選択される。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、化合物1のクエン酸塩である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態1である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、化合物1の塩酸塩である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態3である。
ある特定の実施形態において、本発明は、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、鼻咽頭癌、リンパ腫、胃癌、乳癌、卵巣癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌)、及び移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)から選択される癌の治療方法に関し、本方法は、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、鼻咽頭癌、リンパ腫、胃癌、乳癌、卵巣癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌)、及び移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)から選択される癌を患っている患者に、化合物1を含む化学物質を投与することを含む。
ある特定の実施形態において、本発明は、遅発性非ホジキンリンパ腫(iNHL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、鼻咽頭癌、胃癌、乳癌、卵巣癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌)、及び移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)から選択される癌の治療方法に関し、本方法は、遅発性非ホジキンリンパ腫(iNHL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、鼻咽頭癌、胃癌、乳癌、卵巣癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌)、及び移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)から選択される癌を患っている患者に、化合物1を含む化学物質を投与することを含む。
ある特定の実施形態において、本発明は、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、鼻咽頭癌、リンパ腫、胃癌、乳癌、卵巣癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌)、及び移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)から選択される癌の治療方法に関し、本方法は、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、鼻咽頭癌、リンパ腫、胃癌、乳癌、卵巣癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌)、及び移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)から選択される癌を患っている患者に、化合物1を含む化学物質を含む薬学的組成物を投与することを含む。
ある特定の実施形態において、本発明は、遅発性非ホジキンリンパ腫(iNHL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、鼻咽頭癌、胃癌、乳癌、卵巣癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌)、及び移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)から選択される癌の治療方法に関し、本方法は、遅発性非ホジキンリンパ腫(iNHL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、鼻咽頭癌、胃癌、乳癌、卵巣癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌)、及び移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)から選択される癌を患っている患者に、化合物1を含む化学物質を含む薬学的組成物を投与することを含む。
ある特定の実施形態において、本発明は、iNHL、MCL、PT−LPD、DLBCL、CLL、及びAMLから選択される癌の治療方法に関する。ある特定のそのような実施形態において、癌は、iNHL、MCL、PT−LPD、DLBCL、及びAMLから選択される。ある特定のそのような実施形態において、癌は、DLBCL、CLL、及びAMLから選択される。ある特定のそのような実施形態において、癌は、DLBCL及びAMLから選択される。ある特定の実施形態において、癌はPTCLである。ある特定の実施形態において、癌はDLBCLである。ある特定の実施形態において、癌はFLである。ある特定の実施形態において、癌はMCLである。ある特定の実施形態において、癌はCLLである。ある特定の実施形態において、癌はAMLである。ある特定の実施形態において、癌はMDSである。ある特定の実施形態において、癌は鼻咽頭癌である。ある特定の実施形態において、癌はリンパ腫である。ある特定の実施形態において、癌は胃癌である。ある特定の実施形態において、癌は乳癌である。ある特定の実施形態において、癌は卵巣癌である。ある特定の実施形態において、癌は肺癌(例えば、小細胞肺癌)である。ある特定の実施形態において、癌は移植後リンパ増殖性障害である。ある特定の実施形態において、癌はiNHLである。
ある特定のそのような実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態12、形態13、形態14、形態15、形態16、及び形態17、またはこれらの任意の組み合わせから選択される。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、化合物1のクエン酸塩である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態1である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、化合物1の塩酸塩である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態3である。
ある特定のそのような実施形態において、本発明は、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、鼻咽頭癌、リンパ腫、胃癌、乳癌、卵巣癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌)、及び移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)から選択される癌の治療方法に関し、本方法は、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、鼻咽頭癌、リンパ腫、胃癌、乳癌、卵巣癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌)、及び移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)から選択される癌を患っている患者に、約1mg〜約3000mg、約1mg〜約1000mg、約1mg〜約500mg、約10mg〜約200mg、約50mg〜約150mg、約60mg〜約120mg、または約60mg〜約100mgの化合物1を含む化学物質の1日総用量等の用量を投与することを含む。ある特定のそのような実施形態において、用量は、経口投与される。
ある特定のそのような実施形態において、本発明は、遅発性非ホジキンリンパ腫(iNHL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、鼻咽頭癌、胃癌、乳癌、卵巣癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌)、及び移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)から選択される癌の治療方法に関し、本方法は、遅発性非ホジキンリンパ腫(iNHL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、鼻咽頭癌、胃癌、乳癌、卵巣癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌)、及び移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)から選択される癌を患っている患者に、約1mg〜約3000mg、約1mg〜約1000mg、約1mg〜約500mg、約10mg〜約200mg、約50mg〜約150mg、約60mg〜約120mg、または約60mg〜約100mgの化合物1を含む化学物質の1日総用量等の用量を投与することを含む。ある特定のそのような実施形態において、用量は、経口投与される。
ある特定のそのような実施形態において、本発明は、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、鼻咽頭癌、リンパ腫、胃癌、乳癌、卵巣癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌)、及び移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)から選択される癌の治療方法に関し、本方法は、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、鼻咽頭癌、リンパ腫、胃癌、乳癌、卵巣癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌)、及び移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)から選択される癌を患っている患者に、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、または約150mgの化合物1を含む化学物質の化合物1を含む化学物質の1日総用量等の用量を投与することを含む。ある特定のそのような実施形態において、用量は、経口投与される。
ある特定のそのような実施形態において、本発明は、遅発性非ホジキンリンパ腫(iNHL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、鼻咽頭癌、胃癌、乳癌、卵巣癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌)、及び移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)から選択される癌の治療方法に関し、本方法は、遅発性非ホジキンリンパ腫(iNHL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、鼻咽頭癌、胃癌、乳癌、卵巣癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌)、及び移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)から選択される癌を患っている患者に、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、または約150mgの化合物1を含む化学物質の化合物1を含む化学物質の1日総用量等の用量を投与することを含む。ある特定のそのような実施形態において、用量は、経口投与される。
ある特定のそのような実施形態において、癌は、iNHL、MCL、PT−LPD、DLBCL、CLL、及びAMLから選択される。ある特定のそのような実施形態において、癌は、iNHL、MCL、PT−LPD、DLBCL、及びAMLから選択される。ある特定の実施形態において、本発明は、DLBCL、CLL、及びAMLから選択される癌の治療方法に関し、本方法は、DLBCL、CLL、及びAMLから選択される癌を患っている患者に、化合物1を含む化学物質を投与することを含む。ある特定の実施形態において、本発明は、DLBCL、CLL、及びAMLから選択される癌の治療方法に関し、本方法は、DLBCL、CLL、及びAMLから選択される癌を患っている患者に、化合物1を含む化学物質を含む薬学的組成物を投与することを含む。ある特定の実施形態において、癌は、DLBCL及びAMLから選択される。ある特定の実施形態において、癌はCLLである。ある特定の実施形態において、癌はAMLである。ある特定の実施形態において、癌はDLBCLである。ある特定の実施形態において、癌はPTCLである。ある特定の実施形態において、癌はFLである。ある特定の実施形態において、癌はMCLである。ある特定の実施形態において、癌はMDSである。ある特定の実施形態において、癌は鼻咽頭癌である。ある特定の実施形態において、癌はリンパ腫である。ある特定の実施形態において、癌は胃癌である。ある特定の実施形態において、癌は乳癌である。ある特定の実施形態において、癌は卵巣癌である。ある特定の実施形態において、癌は肺癌(例えば、小細胞肺癌)である。ある特定の実施形態において、癌は移植後リンパ増殖性障害である。ある特定の実施形態において、癌はiNHLである。
ある特定のそのような実施形態において、化合物1を含む化学物質は、形態1、形態2、形態3、形態4、形態5、形態6、形態7、形態8、形態9、形態10、形態11、形態12、形態13、形態14、形態15、形態16、及び形態17、またはこれらの任意の組み合わせから選択される。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、化合物1のクエン酸塩(例えば、形態1または形態2)である。ある特定のそのような実施形態において、化合物1のクエン酸塩は形態1である。ある特定の実施形態において、化合物1を含む化学物質は、化合物1の塩酸塩(例えば、形態3または形態4)である。ある特定のそのような実施形態において、化合物1の塩酸塩は形態3である。
ある特定のそのような実施形態において、本発明は、DLBCL、CLL、及びAMLから選択される癌の治療方法に関し、本方法は、DLBCL、CLL、及びAMLから選択される癌を患っている患者に、約1mg〜約3000mg、約1mg〜約1000mg、約1mg〜約500mg、約10mg〜約200mg、約50mg〜約150mg、約60mg〜約120mg、または約60mg〜約100mgの化合物1を含む化学物質の1日総用量等の用量を投与することを含む。ある特定のそのような実施形態において、用量は、経口投与される。
ある特定のそのような実施形態において、本発明は、遅発性非ホジキンリンパ腫(iNHL)、マントル細胞リンパ腫、移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、及び急性骨髄性白血病(AML)から選択される癌の治療方法に関し、本方法は、遅発性非ホジキンリンパ腫(iNHL)、マントル細胞リンパ腫、移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、及び急性骨髄性白血病(AML)から選択される癌を患っている患者に、約1mg〜約3000mg、約1mg〜約1000mg、約1mg〜約500mg、約10mg〜約200mg、約50mg〜約150mg、約60mg〜約120mg、または約60mg〜約100mgの化合物1を含む化学物質の1日総用量等の用量を投与することを含む。ある特定のそのような実施形態において、用量は、経口投与される。
ある特定のそのような実施形態において、本発明は、DLBCL、CLL、及びAMLから選択される癌の治療方法に関し、本方法は、DLBCL、CLL、及びAMLから選択される癌を患っている患者に、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、または約150mgの化合物1を含む化学物質の化合物1を含む化学物質の、1日総用量等の用量を投与することを含む。ある特定のそのような実施形態において、用量は、経口投与される。
ある特定のそのような実施形態において、本発明は、遅発性非ホジキンリンパ腫(iNHL)、マントル細胞リンパ腫、移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、及び急性骨髄性白血病(AML)から選択される癌の治療方法に関し、本方法は、遅発性非ホジキンリンパ腫(iNHL)、マントル細胞リンパ腫、移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、及び急性骨髄性白血病(AML)から選択される癌を患っている患者に、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、または約150mgの化合物1を含む化学物質の化合物1を含む化学物質の1日総用量等の用量を投与することを含む。ある特定のそのような実施形態において、用量は、経口投与される。
本発明がより完全に理解されるように、以下の調製実施例及び試験実施例が説明される。これらの実施例は、単に説明の目的のためであり、いかなる方法でも本発明の範囲を限定するものとして見なされることは意図していない。
実施例1.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オンクエン酸塩(化合物1のクエン酸塩)の合成
ステップ1.2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチンアミド(2)
2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチノニトリル(1)を、オーバヘッド撹拌器、熱電温度計、ならびにN2吸気口及び排気口が装備されている50Lのジャケット付き円筒型反応器に充填した。濃硫酸(27.22kg、4.93体積)をフラスコに添加し、撹拌を開始した。茶色の混合物を65℃に加熱し、1時間撹拌し、透明な茶色溶液を得た。次いで、濃茶色の混合物を周囲温度に冷却し、次いで、10℃未満に冷却した。冷却しながら、別の100Lのジャケット付き反応器に、脱イオン(DI)水(74.0L、24.7体積)を充填し、0〜5℃に冷却した。次いで、反応混合物を1時間35分にわたって冷水に移し、内部温度を20℃未満に維持した。結果として生じたスラリーを、ポリプロピレン(PP)濾布を用いた18インチのHastelloy Nutsche漏斗を通して濾過した。50Lの反応器を、水(3×12L、3×4体積)ですすぎ、すすぎ液を漏斗に移し、濾過ケーキを洗浄した。濾過ケーキを16時間条件付けし、乾燥トレイに移した。固体を、高真空下で、40〜50℃で29時間乾燥させて、ベージュ色固体として87%収率で2.856kgの(2)を得た。1H NMR(500 MHz,d6−DMSO)δ 8.23(d,J=7.9 Hz,1H),8.10(s,1H),7.94(s,1H)。
ステップ2.4,6−ジクロロ−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(3)
データロガー、熱電温度計、ならびに窒素の吸気口及び排気口が装備されている50Lのジャケット付き反応器に、テトラヒドロフラン(THF)中の1M溶液としてリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(LiHMDS、20.22kg、2.50当量)を充填し、−3℃に外部冷却した。100Lのジャケット付き反応器に、周囲温度で、(2)、無水THF(18L、11.85kg、7.0体積)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF、1.99kg、3.0当量)を充填した。1時間にわたって5℃未満の内部バッチ温度を維持しながら、100Lの反応器中のバッチに、50Lの反応器中のLiHMDSを充填した。2時間にわたって20℃未満の内部温度を維持しながら、1時間後、反応物を、DI水(24.0L、6.25体積)中2N塩酸(HCl、4.8L)溶液を含有する100Lの反応器に0℃でゆっくりと反応停止を行った。バッチを、酢酸イソプロピル(IPAc)(38.0L、20.0体積)に抽出し、有機抽出物を、約8.0L(5.0体積)になるまで、38℃で減圧下で濃縮した。さらなる分量のIPAc(28.5L、15.0体積)を充填し、バッチを、約5.0体積(9.0L)になるまでさらに還元させて、黄色スラリーを得た。ヘプタン(38.0L、20.0体積)を、1時間にわたってバッチに充填し、固体を、PP布及び真空容器を装備した18インチのHastelloy Nutscheフィルターを用いて単離した。濾過ケーキを、ヘプタン(2×9.50L、5.0体積)で2回すすぎ、窒素ブランケット下で30分間条件付けした。固体を、真空下で、25℃で24時間さらに乾燥させて、89.8%収率で(3)(1.9358kg)を得た。1H NMR(500 MHz,d6−DMSO)δ 9.52(s,1H),6.91(d,J=9.6 Hz,1H),6.10(dd,J1=2.6 Hz,J2=9.5 Hz,1H)。
ステップ3.4,6−ジクロロ−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(4)
データロガー、熱電温度計、ならびに窒素の吸気口及び排気口が装備されている50Lのジャケット付き反応器に、周囲温度で(3)(1.92kg、8.10mol)及びジクロロメタン(DCM、9.60L、5.0体積)を充填した。20℃未満の内部温度を維持しながら、トリフルオロ酢酸(10.86kg、11.76当量)及びトリエチルシラン(4.68kg、4.97当量)を、10分間にわたって充填した。反応物を40℃の内部温度に加熱し、10時間持続した。次いで、メチルt−ブチルエーテル(MTBE、28.80L、15.0体積)を2時間にわたってゆっくり添加するために、反応物を、10℃に冷却した。得られたスラリーを、10℃で15分間熟成し、PP布及び真空容器が装備されている18インチのHastelloy Nutscheフィルターを通して濾過した。濾過ケーキをMTBE(2×7.68L、4.0体積)で2回すすぎ、2時間にわたって条件付けした。固体を、真空下で、25℃でさらに乾燥させて、白色固体として95%収率で(4)(1.699kg)を得た。1H NMR(300 MHz,d6−DMSO)δ 9.16(s,1H),4.55(s,2 H)。
ステップ4. tert−ブチル4,6−ジクロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシレート(5)
データロガー、熱電温度計、ならびに窒素の吸気口及び排気口が装備されている50Lのジャケット付き反応器に、周囲温度で(4)(3.4kg)、DCM(13.7L、4.0体積)、及び4−ジメチルアミノピリジン(DMAP、38g、0.02当量)を充填した。25℃未満の内部温度を維持しながら、DCM(3.4L、1.0体積)中のBoc−無水物(3.91kg、1.1当量)の溶液を、15分間にわたって充填した。Boc無水物溶液を含有するカーボイを、バッチにDCM(3.4L、1体積)ですすいだ。反応物を周囲温度で17時間撹拌し、次いで、反応器中に9L残留するまで、減圧下で濃縮した。エタノール(34.0L、10.0体積)を添加し、混合物を、約6.0体積(21L)になるまで減圧下で蒸留した。バッチ温度を18℃に調節し、得られたスラリーを、PP布及び真空容器が装備されている18インチのHastelloy Nutscheフィルターを通して真空濾過を介して単離した。濾過ケーキをEtOH(3×6.8L、3×2.0体積)で3回すすぎ、23時間にわたって条件付けした。固体が乾燥していると見なして、ピンク色固体として84%収率で(5)(4.184kg)を得た。1H NMR(500 MHz,d6−DMSO)δ 4.91(s,2H),1.53(s,9H)。
ステップ5. tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシレート(7)
窒素フラッシュした30Lの円筒型ジャケット付き反応器に、MTBE(6.84L)及び(6)マンデル酸塩(1.703kg)を充填し、20±5℃で撹拌した。25℃未満のバッチ温度で維持しながら、2N NaOHを、反応器に充填した。混合物を30分間撹拌し、その後、相を分離し、カーボイに移した。水相を反応器に戻し、MTBE(6.84L)で逆抽出した。結果として生じる有機相を前述の有機相に合わせ、DI水(6L)、続いて、ブライン(6L)で洗浄した。バッチを、50℃で、7.6inHg真空、及び24.2〜24.3℃のバッチ温度で設定されたジャケット付きで5Lになるまで濃縮した。真空を解除し、7.2Lのイソプロピルアルコール(IPA)を反応物に充填した。真空を、35.9℃の初期内部温度(ジャケット付き温度50℃)にて6inHgで反応器に再度適用した。12Lから8Lに濃縮した後、真空を、さらに1時間2.9inHgまで増加し、3Lで終点に達するまで2.5inHgに再度増加した。バッチを、次の蒸留前に、20±5℃で窒素下一晩保持した。次いで、7.2LのIPAを、バッチに充填し、ジャケットを50℃に加熱した。5Lの標的終点に達するまで、真空を、2.4inHgで3.5時間適用した。蒸留期間中、バッチを35〜40℃の温度で維持した。真空を除去し、ジャケットを20±5℃に冷却した。
(5)(1.2kg)、IPA(1.2L)、DIPEA(0.85L)、及びDMSO(1.2L)を、30Lの反応器に充填した。バッチを76℃に加熱し、合計46時間撹拌した。次いで、DMSO/IPAのv/v比を、IPA(3.8L)の添加によって、6:1に調整した。65℃超のバッチ温度を維持しながら、H2O(4.8L)を、移送ポンプを介して反応物に添加した。添加後、固体沈殿物は観察されなかった。反応器に(7)(7.5g)を播種し、反応物を3時間にわたって25℃に冷却した。2時間後、バッチを懸濁液として観察した。次いで、バッチを25℃で1時間撹拌し、生成物を真空濾過によって単離した。固体を6:4:1のIPA/H2O/DMSO(2.4L)及び3:2のIPA/H2O(2×2.4L)で洗浄した。生成物を30分間条件付けし、真空下で、45℃で2日間乾燥させて、鮮やかなピンク色の固体として(7)(798g、43%収率)を得た。
(7)(22.6kg)、イソプロパノール(17.7kg)、及びn−ヘプタン(46.5kg)を、400LのHastelloy反応器に充填し、反応器を窒素でパージした。バッチを、2〜3時間にわたって75±5℃に加熱し、次いで、75±5℃で少なくとも3〜6時間撹拌した。バッチ温度を、20±5℃に調整し、20±5℃を維持しながら、最低12時間撹拌した。バッチを濾過し、n−ヘプタン/IPA(3:1)(23.0kg/9.2kg)で2回洗浄し、次いで、少なくとも1時間条件付けした。次いで、濾過固体を真空オーブン中で50±5℃で乾燥させて、96%収率で20.3kgの(7)を得た。1H NMR(300 MHz,CDCl3)δ 6.18−5.98(m,1H),4.94−4.76(m,1H),4.28−4.15(m,1H),4.11−3.96(m,1H),2.08−1.92(m,1H),1.80−1.67(m,2H),1.66−1.53(m,11H),1.53−1.32(m,13H),1.21(d,J=10 Hz,1H)。
ステップ6. tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシレート(9)
窒素フラッシュした30Lの円筒型ジャケット付き反応器に、(7)(660g)、(8)(330g)、K2CO3(370g)、ならびにジメチルアセトアミド(DMAc、3.3L)及びH2O(0.23L)を含有する80%(2.8L)の予混合溶液を充填した。混合物を、22±5℃で撹拌した。反応器を、真空下で50mbarまで脱気し、N2(×5)で逆充填した。Pd−118(8.6g)及びDMAc/H2O溶液の残りの20%(1L)を、反応器に充填した。反応器を、真空下で50mbarまで脱気し、N2(×5)で逆充填した。バッチを80℃に加熱し、8時間撹拌した。次いで、バッチを65℃に冷却し、H2O(0.2L)中のN−アセチルシステイン(22g)の溶液を、反応器に充填した。バッチを65℃で1時間撹拌した。60±5℃のバッチ温度を維持しながら、H2O(5.3L)を、1時間にわたって反応器に充填した。バッチを60℃で1.5時間撹拌し、3時間にわたって25℃に冷却し、25℃で一晩撹拌した。生成物を真空濾過により単離し、H2O(3体積)及びIPA/H2O(1:1)(2×3体積)で洗浄した。固体を真空下で58℃で乾燥させて、薄茶色固体として(9)(616g、86%収率)を得た。
機械的オーバヘッド撹拌器、熱電温度計、及びN2の吸気口が装備されている12Lの三口丸底フラスコに、1:4のTHF/MTBE(予混合)の(9)(488g)及び4.9L(10体積)を充填した。混合物を周囲(24℃)で18時間撹拌した。生成物を真空濾過により単離し、固体を1:4のTHF/MTBE(2×5体積)で洗浄し、2.5時間条件付けした。単離した固体を真空下で60℃で乾燥させて、茶色固体として(9)(416g、85%収率)を得た。1H NMR(500 MHz,d6−DMSO)δ 8.67(s,1H),8.23(s,1H),6.75(dd,J1=6.8 Hz,J2=39.3 Hz,2H),4.73(s,2H),4.38−4.27(m,1H),3.91(s,3H),3.90−3.82(m,1H),1.88−1.74(m,2H),1.65−1.53(m,13H),1.43−1.28(m,11H)。
ステップ7.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン二塩酸塩(10)
50Lのガラスジャケット付き反応器に、(9)(708g)、MeCN(12L、17体積)、及びTHMS−05樹脂(70g、0.1重量%)を充填した。混合物を、65℃に加熱し、16時間撹拌した。バッチをフリットガラス漏斗上でセライトを通して濾過し、1ミクロンのインラインフィルターを通して30Lの反応器に移した。一旦濾過が完了すると、50Lの反応器及びフィルターを、MeCN(2.1L、3体積)ですすいだ。フィルターバッチを、65℃に加熱し、濃い色の溶液を形成した。バッチを45℃に冷却し、2N HCl(2L、3当量)を1時間にわたってバッチに充填した。添加後、1分量の(10)種(2.7g、0.5重量%)をMeCN(54mL)中にスラリー化し、バッチに充填した。バッチを45℃で1時間撹拌し、懸濁液を徐々に形成した。バッチを1時間にわたって65℃に加温し、65℃で1時間撹拌し、続いて、25℃に冷却し、18時間撹拌した。生成物を真空濾過により単離し、固体をMeCN(5体積)で洗浄し、1.5時間条件付けした。単離した固体を真空下で60℃で乾燥させて、オフホワイト色の固体として(10)(377g、69%収率)を得た。1H NMR(500 MHz,d6−DMSO)δ 8.83(s,1H),8.36(s,1H),8.29(s,1H),7.88(br,1H),6.75(d,J=6.5 Hz,1H),4.45−4.34(m,6H),3.89(s,3H),3.67(m,1H),1.91−1.81(m,3H),1.70−1.63(m,3H),1.46−1.45 (m,2H)。
ステップ8.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オンクエン酸塩(化合物1のクエン酸塩)
機械的オーバヘッド撹拌器、熱電温度計、還流濃縮器、及びN2の吸気口が装備されている12Lのハーフジャケット付き丸底反応器に、(10)(275g)、THMS−05樹脂(28g、0.1重量%)、及びH2O(4.68L、17体積)を充填した。バッチを85℃に加熱し、19時間撹拌した。卓上フリットフィルター及び1ミクロンのインラインフィルターを含む濾過装置を組み立て、85℃で水を用いて予熱した。バッチを、85℃に予熱されたジャケット付きの30Lの反応器に、両方のフィルターを通して移した。洗浄液として水(280mL、1体積)を、12Lの反応器に充填し、30Lの反応器にフィルター装置を通して移した。移した後、バッチ温度は、71℃であり、85℃になるまで加熱した。12Lの反応器を清浄し、一塩基性クエン酸ナトリウム(320g、2.1当量)及びH2O(830mL、3体積)を充填した。この混合物を、60℃に加熱し、溶液を形成した。一塩基性クエン酸ナトリウム溶液を、5分間にわたってジャケット付き反応器に移した。バッチは、添加の途中で結晶化し始めた。懸濁液を85℃で2時間撹拌し、25℃に冷却し、16時間撹拌した。生成物を真空濾過により単離し、固体をH2O(3体積)で洗浄し、3時間条件付けした。単離した固体を真空下で55℃で乾燥させて、オフホワイト色の固体として化合物1のクエン酸塩(297g、94%収率)を得た。1H NMR(500 MHz,d−TFA)δ 8.10(s,1H),8.00(s,1H),3.95(s,1H),3.72(s,2H),3.30(s,3H),2.98−2.96(m,1H),2.24(d,J=16.5 Hz,2H),2.17(d,J=16.5 Hz,2H),1.10−0.95(m,5H),0.93−0.76(m,3H)。
実施例2.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オンクエン酸塩(化合物1のクエン酸塩)の合成
ステップ1. 2−クロロ−3−シアノ−4,5−ジフルオロピリジン(11)
(1)(100g、524mmol)を、不活性雰囲気下で25±10℃でDMSO(150mL)に溶解した。フッ化カリウム(36.5g、628mmol)を添加し、DMSO(100mL)ですすいだ。結果として生じる懸濁液を、25±5℃で18時間撹拌した。反応混合物に、2時間にわたって水(1.0L)を添加した。結果として生じるスラリーを3時間熟成し、次いで、濾過した。濾過ケーキを水(500mL)で洗浄し、フィルター(遠心分離機)上に乾燥させた。湿式ケーキをさらに乾燥させることなく、以下の反応に使用した。83.0gの(11)を、白色固体(91%)として得た。1H NMR(500 MHz,CDCl3):δ(ppm)7.90−7.95(m,1H)。
ステップ2.2−クロロ−5,6−ジフルオロピリジン−3−カルボキサミド(12)
THF(138mL)及び水(86mL)の撹拌溶液に、不活性雰囲気下で(11)(69.0g、395mmol)及びアセトアミド(93.4g、1.58mol)を25±10℃で添加した。反応物容器をTHF(121mL)ですすいだ。結果として生じる混合物を、排気を繰り返し、窒素を逆充填することによって脱気した。塩化パラジウム(II)(1.40g、7.91mmol)を添加し、混合物を60〜65℃で6時間反応させた。反応混合物を25±10℃に冷却し、次いで、EtOAc(518mL)及び10% NaCl溶液(345mL)で希釈した。有機層を分離し、10% NaCl溶液(345mL)で2回洗浄した。次いで、溶媒を追跡する技術によって、この溶媒を、EtOAc(155mL)と取り換え、次いで、55±5℃に加熱した。結果として生じる溶液に、2.5時間にわたってn−ヘプタン(690mL)を55±5℃で添加した。得られたスラリーを、1時間にわたって20〜25℃に冷却し、この温度で3時間熟成し、次いで、濾過した。濾過ケーキをn−ヘプタン(138mL)で洗浄し、真空下で、40±10℃で3時間乾燥させた。64.2gの(12)を、オフホワイト色の固体(84%)として得た。1H NMR(500 MHz,CDCl3):δ(ppm)6.34(br s,1H),6.80(br s,1H),8.25(t,J=8.4 Hz,1H)。
ステップ3.4−クロロ−6,7−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(13)
LiHMDS(THF中1.0M、46.7mL、46.7mmol)の冷却(−5±5℃)溶液に、不活性雰囲気下で、1.5時間にわたってTHF(150mL)中の(12)(30.0g、156mmol)及び4−ホルミルモルホリン(17.2mL、171mmol)の予混合溶液を−5±5℃で添加した。容器を、THF(15mL)ですすいだ。反応混合物を、−5±5℃で30分間撹拌し、次いで、酢酸イソプロピル(IPAc、510mL)及び2M水性HCl溶液(630mL)の予め冷却し(0〜5℃)、十分に撹拌した混合物に、内部温度が(約30分間にわたって)5℃未満を維持するような速度で移した。結果として生じる混合物を、−5±5℃で15分間撹拌し、次いで、25±10℃で静置した。有機層を分離し、10% NaCl溶液(300mL)で2回洗浄した。溶媒を追跡する技術によって、この溶媒を、IPAc(150mL)と取り換えた。結果として生じるスラリーに、1時間にわたってn−ヘプタン(300mL)を20〜25℃で添加した。得られたスラリーをこの温度で3時間熟成し、次いで、濾過した。濾過ケーキを、n−ヘプタン(60mL)で洗浄し、真空下で、40±10℃で3時間乾燥させた。29.9gの(13)をオフホワイト色の固体(87%)として得た。1H NMR(500 MHz,DMSO−d6):δ(ppm)6.12(d,J=8.5 Hz,1H),6.97(d,J=9.5 Hz,1H),9.48(s,1H)。
ステップ4.4−クロロ−6,7−ジフルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(14)
トリフルオロ酢酸(108mL)中の(13)(27.0g、122mmol)の加熱した(55±5℃)スラリーに、3時間にわたってトリエチルシラン(97.5mL、612mmol)をこの温度で添加した。反応混合物を、55±5℃で2時間撹拌し、次いで、0±5℃に冷却した。MTBE(702mL)を、2時間にわたって0±5℃で混合物に添加した。結果として生じるスラリーをこの温度で2時間熟成し、次いで、濾過した。濾過ケーキをMTBE(81mL)で洗浄し、真空下で、40±10℃で3時間乾燥させた。20.8gの(14)をオフホワイト色の固体(83%)として得た。1H NMR(500 MHz,DMSO−d6):δ(ppm)4.57(s,2H),9.10(br s,1H)。
ステップ5. tert−ブチル((1S,2R)−2−((4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−6−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバメート(15)
米国特許第8,440,689号(その全体が本明細書に組み込まれる)において開示されるように調製され得る、1:1の(2S)−ヒドロキシ(フェニル)酢酸及びtert−ブチル[(1S,2R)−2−アミノシクロヘキシル]カルバメート(18.8g、51.3mmol)の塩混合物を、撹拌しながら、不活性雰囲気下で、
25±10℃でMTBE(75mL)中に懸濁した。次いで、水(94mL)及び2M 水性NaOH溶液(51.3mL)を添加した。結果として生じる混合物を、25±10℃で30分間激しく撹拌し、次いで、静置した。相を分離し、水層をMTBE(75mL)で抽出した。これらの有機層を合わせ、水(75mL)及び5% NaCl溶液(75mL)で逐次的に洗浄した。この点で、2つの代替のプロセスのうちの1つを選択した:(A)溶媒を追跡する技術を用いて、この溶媒をDMAc(50mL)と取り換え、結果として生じるDMAc溶液をさらに精製することなく以下の反応に使用した、または(B)溶液を、高真空下で乾燥するまで蒸発させて、さらに精製することなく以下の反応に使用した無色油として(6)を得た。
上に得られたDMAc(50mL)中の(6)の溶液を、不活性雰囲気下で、DMAc(30mL)で25±10℃で希釈し、続いて、30±15℃で撹拌しながら、(14)(10.0g、48.9mmol)を添加し、容器をDMAc(20mL)ですすいだ。この温度で10分間撹拌した後、トリエチルアミン(8.18mL、58.7mmol)を添加した。結果として生じる混合物を、30±15℃で30分間反応させ、65±5℃で5時間反応させ、次いで、50±5℃に冷却した。反応混合物に、30分間にわたって水(70mL)を50±5℃で添加した。この温度で3時間熟成した後、さらなる分量の水(70mL)を30分間にわたって添加した。結果として生じるスラリーを、50±5℃で30分間熟成し、25±10℃で一晩熟成し、次いで、濾過した。濾過ケーキを、DMAc−水の予混合溶液(1:4、50mL)で洗浄し、水(100mL、×2)で洗浄した。得られた湿式固体を、真空下で、40±10℃で3時間乾燥させた。17.2gの(15)を灰色固体(88%)として得た。1H NMR(500 MHz,DMSO−d6):δ(ppm)1.10−1.85(m,8H),1.36(s,9H),3.83(br s,1H),4.09(br s,1H),4.34(s,2H),6.68(br d,J=7.5 Hz,1H),6.83(br d,J=7.0 Hz,1H),8.39(s,1H)。
ステップ6. tert−ブチル((1S,2R)−2−((7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−6−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバメート(16)
2−ブタノール(120mL)及び水(90mL)の撹拌溶液に、不活性雰囲気下で、(15)(30.0g、75.2mmol)、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(22.0g、105mmol)、及び炭酸カリウム(22.9g、166mmol)を25±10℃で添加した。次いで、容器を2−ブタノール(30mL)ですすいだ。結果として生じる混合物を、排気を繰り返し、窒素を逆充填することによって脱気した。Pd(PPh3)2Cl2(528mg、0.75mmol、1モル%)を添加し、容器を2−ブタノール(30mL)ですすいだ。脱気を再度行った。結果として生じる混合物を、95±10℃に加熱し、この温度で4時間反応させた。反応混合物を60±10℃に冷却し、水(270mL)中のL−システイン(911mg、7.52mmol)の溶液をこの温度で一度に添加した。1時間撹拌した後、n−ヘプタン(360mL)を、1時間にわたって60±10℃で添加した。結果として生じるスラリーを、1時間にわたって
25±5℃に冷却し、この温度で18時間熟成し、濾過した。濾過ケーキを、n−ヘプタン及び2−ブタノールの予混合溶液(5:1、90mL)で洗浄し、水(150mL)で洗浄した。得られた湿式固体を、真空下で、50±10℃で10時間乾燥させた。28.4gの(16)を、オフホワイト色の固体(85%)として得た。1H NMR(500 MHz,DMSO−d6):δ(ppm)1.10−1.85(m,8H),1.34(s,9H),3.87(br s,1H),3.89(s,3H),4.28(br s,1H),4.35(s,2H),6.44(br d,J=6.5 Hz,1H),6.72(br d,J=7.5 Hz,1H),8.27(s,2H),8.77(s,1H)。
ステップ7.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン二塩酸塩(10)
THF(1500mL)及び水(200mL)の溶液に、不活性雰囲気下で、(16)(50.0g、113mmol)及びパラジウム捕捉樹脂(5g)を添加した。容器をTHF(50mL)ですすぎ、結果として生じる混合物を、65±5℃に加熱し、3時間撹拌した。樹脂を濾過し、THF(100mL)で洗浄し、濾液及び洗浄液を合わせた。溶媒を追跡する技術を用いて、この溶媒を、アセトニトリル(500mL)と取り換えた。結果として生じるスラリーを、アセトニトリル(1000mL)で希釈し、不活性雰囲気下で撹拌しながら、45±5℃に加熱した。次いで、4M HCl溶液(84.4mL、338mmol)を、40分間にわたって添加し、結果として生じる混合物を、65±5℃に加熱し、5時間撹拌した。得られたスラリーを、25±5℃に冷却し、撹拌しながらこの温度で一晩熟成し、次いで、濾過した。濾過ケーキをアセトニトリル(250mL)で洗浄した。得られた湿式固体を、真空下で、50±10℃で3時間乾燥させた。51.3gの(10)を、オフホワイト色の固体(105%)として得た。この化合物は、1.5〜2当量の随伴水を有する。1H NMR(500 MHz,DMSO−d6):δ(ppm)1.45(d,J=7.6 Hz,2H),1.68(d,J=7.6 Hz,3H),1.79−1.92(m,2H),1.92−1.99(m,1H),3.65(br s,1H),3.89(s,3H),4.37(d,J=3.8 Hz,2H),4.44(br s,1H),6.80(d,J=5.7 Hz,1H),8.10(br s,3H),8.30(s,1H),8.36(br s,1H),8.83(s,1H)。
ステップ8.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オンクエン酸塩(化合物1のクエン酸塩)
水(170mL)中の(10)(10.0g、23.0mmol)の懸濁液に、25±10℃でパラジウム捕捉樹脂(1.0g)を添加した。結果として生じる混合物を、85±5℃に加熱し、この温度で15時間撹拌した。樹脂を濾過し、温水(10mL)で洗浄した。濾液及び洗浄液を合わせ、50±5℃に冷却し、次いで、THF(60mL)で希釈した。結果として生じる混合物に、撹拌しながら、15分間にわたって50±5℃で4M NaOH溶液(12.1mL、48.2mmol)を添加した。5分間撹拌した後、水(20mL)中のクエン酸一水和物(10.1g、48.2mmol)の溶液を、4時間にわたって50±5℃で添加した。結果として生じるスラリーを、50±5℃で3時間撹拌し、次いで、25±5℃で19時間撹拌した。スラリーを濾過し、濾過ケーキを、THF−水の予混合溶液(1:1、30mL)で洗浄した。得られた湿式固体を、真空下で、50±10℃で18時間乾燥させた。10.2gの化合物1のクエン酸塩を、白色固体(86%)として得た。1H NMR(500 MHz,DMSO−d6):δ(ppm)1.42−1.50(m,2H),1.57−1.65(m,1H),1.65−1.73(m,2H),1.78−1.92(m,3H),2.50(dd,J=15,15 Hz,4H),3.66(br s,1H),3.89(s,3H),4.37(d,J=5.0 Hz,2H),4.44(br s,1H),6.74(d,J=6.6 Hz,1H),8.29(s,1H),8.36(br s,1H),8.83(s,1H)。
実施例3.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン二塩酸塩(化合物1の二塩酸塩)の合成
ステップ1. tert−ブチル4−クロロ−6,7−ジフルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシレート(17)
ジクロロメタン(2mL)中の(14)(500mg、2.44mmol)の冷却(5±5℃)懸濁液に、不活性雰囲気下で撹拌しながら、トリエチルアミン(0.68mL、4.89mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(6.0mg、0.049mmol)を添加した。ジクロロメタン(0.5mL)中の(Boc)2O(0.63ml、2.93mL)の溶液を、20分間にわたって添加し、ジクロロメタン(0.5mL)ですすいだ。結果として生じる混合物を25±5℃に加温し、この温度で24時間撹拌した。次いで、2−プロパノール(20mL)を、30分間にわたって添加した。結果として生じるスラリーを5時間熟成し、次いで、濾過した。濾過ケーキを2−プロパノール(1.0mL×3)で洗浄した。得られた湿式固体を、真空下で、40±10℃で2時間乾燥させた。562mgの(17)を淡ピンク色固体(75%)として得た。1H NMR(500 MHz,DMSO−d6):δ(ppm)1.53(s,9H),4.94(s,2H)。
ステップ2. tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシレート(7)
2−プロパノール(2.3mL)中の(6)(粗油、373mg、1.74mmol)の溶液に、25±5℃で(17)(500mg、1.64mmol)及びN−メチルモルホリン(0.22mL、1.97mmol)を添加した。反応混合物を、65±5℃に加熱し、この温度で18時間撹拌した。水(4mL)を40分間にわたって添加した。結果として生じるスラリーを、65±5℃で1時間、25±5℃で3時間熟成した。スラリーの濾過後、濾過ケーキを、2−プロパノール−水(1:2、2mL)の予混合溶液及び水(2mL)で洗浄した。得られた湿式固体を、真空下で、40±10℃で6時間乾燥させた。690mgの(7)を白色固体(84%)として得た。1H NMR(500 MHz,DMSO−d6):δ(ppm)1.10−1.81(m,8H),1.36(br s,9H),1.50(s,9H),3.83(br s,1H),4.12(br s,1H),4.72(s,2H),6.68(br d,J=7.5 Hz,1H),7.18(br d,J=5.5 Hz,1H)。
ステップ3. tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシレート(9)
DMAc(2.0mL)及び水(0.14mL)の溶液に、不活性雰囲気下で、(7)(500mg、1.00mmol)、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(250mg、1.20mmol)、及び炭酸カリウム(277mg、2.00mmol)を25±10℃で添加した。結果として生じる混合物を、排気を繰り返し、窒素を逆充填することによって脱気した。次いで、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(Pd−118触媒、6.5mg、0.010mmol、1モル%)を添加し、容器をDMAc(0.5mL)及び水(0.04mL)の溶液ですすいだ。脱気を再度行った。結果として生じる混合物を、85±5に加熱し、この温度で3時間撹拌した。反応混合物を、60±5℃に冷却し、水(0.15mL)中のN−アセチル−L−システイン(16mg、0.10mmol)の溶液をこの温度で一度に添加した。1時間撹拌した後、水(4mL)を、1時間にわたって60±5℃で添加した。結果として生じるスラリーを、60±5℃で1時間撹拌し、次いで、25±5℃で18時間撹拌した。スラリーの濾過後、濾過ケーキを、水(1.5mL)、及び2−プロパノール−水(1:1、1.5mL、×2)の予混合溶液で洗浄した。得られた湿式固体を、真空下で、40±10℃で5時間乾燥させた。554mgの(9)を茶色固体(102%)として得た。1H NMR(500 MHz,DMSO−d6):δ(ppm)1.34(s,9H),1.47−1.57(m,13H),1.58−1.66(m,2H),1.72−1.86(m,2H),3.86(br s,1H),3.91(s,3H),4.31(br s,1H),4.73(s,2H),6.71(d,J=10 Hz,1H),6.79(d,J=10 Hz,1H),8.23(s,1H),8.67(s,1H)。
ステップ4.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン二塩酸塩(10)
(9)(10.0g、18.4mmol)を、アセトニトリル(200mL)中に懸濁し、撹拌しながら50±5℃に加熱した。次いで、4M HCl溶液(13.8mL、55.1mmol)を14分間にわたって添加した。反応混合物を、50±5℃で1時間撹拌し、次いで、70±5℃で16時間撹拌した。結果として生じるスラリーを25±5℃に冷却し、この温度で5時間熟成し、濾過した。濾過ケーキを、アセトニトリル(30mL)で洗浄した。得られた湿式固体を、真空下で、50±10℃で18時間乾燥させた。8.04gの表題化合物をオフホワイト色の固体(105%)として得た。この化合物は、1.5〜2当量の随伴水を有することを見出した。
実施例4.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オンクエン酸塩(化合物1のクエン酸塩)の合成
ステップ1. tert−ブチル((1S,2R)−2−((6クロロ−5−シアノ−3−フルオロピリジン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバメート(19)
IPA(228mL)中の、米国特許第8,440,689号(その全体が本明細書に組み込まれる)に開示されるように調製され得る溶液(18)(102.5g、1.2当量)に、DMSO(152mL)、DIPEA(97.3mL、1.4当量)、及び(1)(76.11g、0.399 mol)を室温で添加した。結果として生じる溶液を室温で25分間撹拌し、70℃で40分間にわたって徐々に加熱し、続いて、70℃で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、IPA(152mL)及びH2O(76mL)で希釈した。結果として生じる溶液を播種し、室温で1時間撹拌して、濃厚なスラリーを得た。H2O(228mL)を室温で40分間にわたって添加し、結果として生じるスラリーを室温で20分間撹拌した。H2O(76mL)を30分間にわたって添加し、続いて、室温で2時間撹拌した。固体を濾過によって回収し、2:3(体積/体積)のIPA/H2O(532mL)で洗浄し、真空オーブン中で乾燥させて、淡黄色固体として140.82gの(19)を得た。96%単離収率。1H NMR(DMSO−d6,500 MHz):δ(ppm)1.14−1.25(m,2H),1.35(s,9H),1.45−1.65(m,4H),1.70−1.80(m,2H),3.87(br s,0.85H),3.98(br s,0.30H),4.08(br s,0.85H),6.32(br s,0.15H),6.67(d,J=7.9 Hz,0.85H),7.49(d,J=5.7 Hz,0.85H),7.79(br s,0.15H),7.95(d,JHF=10.4 Hz,1H)。
ステップ2.(3aR,7aS)−tert−ブチル3−(6クロロ−5−シアノ−3−フルオロピリジン−2−イル)オクタヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキシレート(20)
(19)(140.14g、0.380mol)、MeCN(700.7mL)、パラホルムアルデヒド(22.82g、2当量)、及びギ酸(57.35mL、4当量)の混合物を、室温で1時間撹拌し、次いで、60℃に加熱し、続いて、60℃で16時間撹拌した。次いで、反応物を室温に冷却し、続いて、H2O(140.1mL)を添加した。結果として生じる溶液を播種し、室温で30分間撹拌して、種床を形成した。H2O(560.6mL)を室温で1.5時間にわたって添加し、結果として生じるスラリーを室温で3.5時間撹拌した。固体を濾過によって回収し、2:3(体積/体積)のMeCN/H2O(560mL)で洗浄し、真空オーブン中で乾燥させて、淡黄色固体として136.31gの(20)を得た。94%単離収率。1H NMR(CDCl3,500 MHz):δ(ppm)1.31−1.39(m,1H),1.43−1.50(m,2H),1.50(s,9H),1.56−1.72(m,3H),1.86−1.93(m,1H),2.43(br s,1H),4.91(dd,J=8.5,1.3 Hz,1H),5.11(d,J=6.9 Hz,1H),7.38(d,J=11.7 Hz,1H)。
ステップ3.(3aR,7aS)−tert−ブチル3−(5−カルバモイル−6クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)オクタヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキシレート(21)
(20)(131.79g、0.3461mol)、IPA(659mL)、DMSO(264mL)、及びK2CO3(35.88g、0.75当量)の撹拌混合物に、16℃〜23℃の内部温度を維持しながら、過酸化水素(30%、53.0mL、1.5当量)を30分間にわたって室温で添加した(発熱)。17〜18℃で40分間撹拌した後、反応物を80分間にわたって26℃に加温した(中等度の発熱)。反応物を室温で20時間さらに撹拌し、23℃〜28℃のバッチ温度を維持しながら、H2O(527mL)を、5分間にわたって添加した(発熱)。結果として生じる混濁溶液を播種し、室温で1時間撹拌して、種床を得た。H2O(791mL)を室温で1時間にわたって添加し、結果として生じるスラリーを4℃に冷却し、続いて、4℃で20分間撹拌した。固体を濾過によって回収し、1:3(体積/体積)のIPA/H2O(395mL)で洗浄し、室温で吸引乾燥させ、真空オーブン(40℃)中で4時間さらに乾燥させて、無色固体として135.25gの(21)を得た。98%単離収率(未修整)。1H NMR(CDCl3,500 MHz):δ(ppm)1.30−1.38(m,1H),1.43−1.47(m,2H),1.50(s,9H),1.55−1.60(m,1H),1.66−1.74(m,2H),1.83−1.90(m,1H),2.36(br s,1H),4.00(dt,J=5.4,5.0 Hz,1H),4.40(dt,J=7.9,5.7 Hz,1H),4.90(dd,J=7.9,1.3 Hz,1H),5.08(d,J=6.9 Hz,1H),5.95(br s,1H),7.05(br s,1H),7.98(d,J=12.9 Hz,1H)。
ステップ4.(3aR,7aS)−tert−ブチル3−(4−クロロ−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−6−イル)オクタヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキシレート(22)
窒素雰囲気下でLiHMDS(1035mL、1.0M、3.3当量)のTHF溶液に、THF(325mL+50mLのすすぎ液)中の(22)(125.15g、0.3138mol)及び無水DMF(72.89mL、3当量)の脱気溶液を15分間にわたって添加し、この期間中、内部温度が、外部冷却なしに、20℃から31℃に増加した(中等度の発熱)。結果として生じる溶液を25〜30℃で2時間撹拌し、10.5℃未満の温度を維持しながら、THF(250.3mL)及び1M HCl水溶液(1.41L、4.5当量)の撹拌混合物に40分間にわたって注ぎ入れた(発熱)。酢酸イソプロピル(375mL)の添加後、結果として生じる二相性溶液を、撹拌しながら室温に加温し、続いて、酢酸イソプロピル(375mL)を添加した。有機層を分離し、酢酸イソプロピル(375mL)で希釈し、5% NaCl水溶液(625mL)で洗浄した。合計1.2Lの酢酸イソプロピルを供給しながら、この溶液を、ロータリーエバポレーター上で酢酸イソプロピルに溶媒交換した。結果として生じるスラリーの正味重量を、酢酸イソプロピルを添加することによって789gに調整した。ヘプタン(1.0L)を1.5時間にわたって添加し、結果として生じるスラリーを室温で一晩撹拌した。次いで、ヘプタン(251mL、2体積)を室温で20分間にわたって添加し、スラリーを室温で1時間撹拌した。固体を濾過によって回収し、1:2(体積/体積)の酢酸イソプロピル/ヘプタン(625mL)で洗浄し、室温で吸引乾燥させて、ジアステレオマーの混合物(1:1)として111.8gの(22)を得た。84%単離収率。1H NMR(DMSO−d6,500 MHz):δ(ppm)1.25−1.40(m,3H),1.44(s,9H),1.45−1.51(m,1H),1.53−1.70(m,2H),1.74−1.82(m,1H),2.27(br s,1H),3.95−3.99(m,1H),4.36−4.41(m,1H),4.84−4.87(m,1H),4.96(dd,J=7.6,1.9 Hz,0.5H),4.98(dd,J=7.9,2.2 Hz,0.5H),5.96(br s,0.5H),5.98(br s,0.5H),6.60(d,J=9.5 Hz,0.5H),6.69(d,J=9.1 Hz,0.5H),8.95(br s,1H)。
ステップ5.(3aR,7aS)−tert−ブチル3−(4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−6−イル)オクタヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキシレート(23)
THF(555mL)中の(22)(111.01g、0.260mol)の溶液に、5℃未満の内部温度を維持しながら、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(635mg、0.02当量)、ピリジン(27.3mL、1.3当量)、及びAc2O(27.0mL、1.1当量)を5℃で添加した。結果として生じる混濁溶液を0〜5℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を、5℃未満の内部温度を維持しながら、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)(555mL)で希釈し、5% NaCl水溶液(333mL)の添加によって反応停止を行った。結果として生じる二相性溶液を、撹拌しながら、10分間にわたって室温に加温し、続いて、室温で30分間撹拌した。有機層を分離し、5% NaCl水溶液(333mL)及び15%クエン酸水溶液(333mL)で洗浄した。合計3.8LのTHFを供給しながら、この溶液を、ロータリーエバポレーター上で共沸乾燥させた。溶液の正味重量を、THFの添加によって、802gに調整した。溶液を3℃に冷却し、乾燥DMAc(111mL)を添加した。8.5℃未満の内部温度を維持しながら、NaBH4(11.8g、1.2当量)を、36分間にわたって4分量で添加した(発熱)。結果として生じる混合物を、0〜5℃で3.5時間撹拌した。NaBH4(0.49g、0.05当量)を添加し、反応物を、0〜5℃で45分間さらに撹拌した。反応物を、15℃未満の内部温度を維持しながら、7分間にわたって5% NaCl水溶液(333mL)を慎重に添加すること(発熱及びガス発生)によって反応停止を行った。結果として生じる混合物を、ガス発生がほぼ停止するまで(20〜30分)、室温で撹拌した。水層を廃棄した。有機層をIPA(555mL)で希釈し、約777mLになるまでロータリーエバポレーター上で濃縮して、希薄な懸濁液を得た。結果として生じる懸濁液を、合計888mLのIPAを供給することによって、IPAにさらに溶媒交換した。結果として生じるスラリーの正味重量を、IPAを添加することによって634gに調整した。H2O(333mL)を室温で1時間にわたって添加し、結果として生じるスラリーを室温で20時間撹拌した。固体を濾過によって回収し、1:1(体積/体積)のIPA/H2O(444mL)で洗浄し、真空オーブン中で乾燥させて、96.4gの(23)を得た。90%単離収率。1H NMR(DMSO−d6,500 MHz):δ(ppm)1.25−1.40(m,3H),1.44(s,9H),1.45−1.51(m,1H),1.60−1.72(m,2H),1.75−1.82(m,1H),2.25(br s,1H),3.97(q,J=5.0 Hz,1H),4.36(dt,J=6.9,6.3 Hz,1H),4.40(s,2H),4.84(d,J=7.3 Hz,1H),4.97(dd,J=7.6,1.9 Hz,1H),8.56(br s,1H)。
ステップ6.(3aR,7aS)−tert−ブチル3−(2−(tert−ブトキシカルボニル)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−6−イル)オクタヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキシレート(24)
THF(654mL)中の(23)(93.38g、0.2267mol)の撹拌溶液に、3℃で、DMAP(1.38、0.05当量)、及びTHF(80mL+13mLのすすぎ液)中の(Boc)2O(51.95g、1.05当量)の溶液を1時間にわたって添加した。結果として生じるピンク色がかった混濁溶液を0℃で40分間撹拌した。合計1.3LのIPAを供給することによって、反応物をIPAで希釈し、ロータリーエバポレーター上でIPAに溶媒交換した。溶液の正味重量を、IPAの添加によって、556gに調整した。次いで、溶液を播種し(115mg)、室温で1時間撹拌して、種床を得た。H2O(560mL)を1時間にわたって添加し、結果として生じるスラリーを室温で17時間撹拌した。固体を濾過によって回収し、1:2(体積/体積)のIPA/H2O(466mL)で洗浄し、室温で3時間吸引乾燥させて、オフホワイト色から淡ピンク色がかった固体として108.62gの(24)を得た。94%単離収率。1H NMR(DMSO−d6,500 MHz):δ(ppm)1.27−1.41(m,4H),1.44(s,9H),1.51(s,9H),1.58−1.70(m,2H),1.78−1.84(m,1H),2.31(br s,1H),3.97(dt,J=5.4,5.0 Hz,1H),4.39−4.43(m,1H),4.76(s,2H),4.88(d,J=7.3 Hz,1H),5.02(dd,J=7.9,2.5 Hz,1H)。
ステップ7.(3aR,7aS)−tert−ブチル3−(2−(tert−ブトキシカルボニル)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−6−イル)オクタヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキシレート(25)
(24)(105.16g)を含有するフラスコに、DMAc/H2O(525.8mL/36.8mL、予混合)、K2CO3(56.89g、2当量)、及び(8)(51.38g、1.2当量)を添加した。結果として生じる懸濁液を、排気−N2補給サイクルを5回繰り返すことによって脱気し、続いて、ジクロロ[1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)(939mg、0.7モル%)を添加した。混合物を再度(5回)脱気し、20分間にわたって80℃に徐々に加熱し、続いて、80℃に70分間加熱した。反応混合物を5℃に冷却し、EtOAc(1050mL)で希釈した。25℃未満のバッチ温度を維持しながら、H2O(735mL)を添加した(発熱)。有機層を分離し、H2O(525mL)で洗浄し、(150mLのEtOAcですすいだ)セライトパットを通して濾過し、合計1.5LのIPAを供給することによって、ロータリーエバポレーター上でIPAに溶媒交換した。溶液の正味重量を、IPAの添加によって、775gに調整した。溶液を45℃に加熱し、H2O(420mL)を5分間にわたって添加した。結果として生じる溶液を播種し(115mg)、45℃で1.5時間撹拌して、種床を形成した。H2O(630mL)を45℃で1時間にわたって添加し、結果として生じるスラリーを室温に冷却し、続いて、室温で一晩撹拌した。固体を濾過によって回収し、2:3(体積/体積)のIPA/H2O(525mL)で洗浄し、真空オーブン中で乾燥させて、106.15gの(25)を得た。93%単離収率。1H NMR(DMSO−d6,500 MHz):δ(ppm)1.45(s,9H),1.53(s,9H),1.31−1.65(m,4H),1.67−1.76(m,2H),1.81−1.88(m,1H),2.24(br s,1H),3.92(s,3H),3.99(q,J=5.3 Hz,1H),4.44−4.49(m,1H),4.75(s,2H),4.91(d,J=7.0 Hz,1H),5.06(dd,J=7.9,2.2 Hz,1H),8.18(s,1H),8.69(s,1H)。
ステップ8.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オントリフルオロ酢酸塩(26)
(25)(2.00g)を含有するフラスコに、撹拌せずに、TFA(8.00mL、30当量)を添加した。結果として生じる混合物を、室温で30分間撹拌して、均一溶液を得た。4℃に冷却した後、EtOH(6.0mL)中のヒドラジン一水和物(1.74mL、10当量)の溶液を10分間にわたって滴加し、続いて、10℃未満の内部温度を維持しながら、10分間にわたって8N NaOH水溶液(11.2mL、25当量)をゆっくりと添加した。結果として生じる混濁溶液を、15分間にわたって55℃に徐々に加熱し、52〜57℃で6.5時間さらに撹拌した。結果として生じる懸濁液を室温に冷却し、室温で1時間撹拌した。固体を濾過によって回収し、20% EtOH/H2O(12mL)で洗浄し、大気下で、室温で3時間吸引乾燥させて、(26)(1.57g)を得た。97%単離収率(出力純度のために修正)。1H NMR(DMSO−d6,500 MHz):δ(ppm)1.42−1.50(m,2H),1.60−1.73(m,3H),1.80−1.95(m,3H),3.66−3.70(m,1H),3.89(s,3H),4.37(d,J=17.7 Hz,1H),4.38(d,J=17.7 Hz,1H),4.45−4.50(m,1H),6.78(d,J=6.6 Hz,1H),7.88(br s,3H),8.30(s,1H),8.35(s,1H),8.82(s,1H)。
ステップ9.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(化合物1のクエン酸塩)。
40% MeCN/H2O(20.0mL)中の(26)(1.00g、遊離塩基として76.4重量%)の懸濁液を、72〜74℃に30分間加熱して、少量の黒色粒子を含有する透明な溶液を得た。溶液を、シリンジフィルター(2mLの40% MeCN/H2Oですすいだ)を介して別のフラスコに熱濾過した。合わせた濾液を、70℃に戻して加熱し、次いで、55℃に冷却して、希薄な懸濁液を得た。H2O(2.0mL)中のクエン酸二水素ナトリウム一水和物(0.618g、1.2当量、高温で溶解)の溶液を、5分間にわたって添加した。結果として生じるスラリーを、55〜57℃で2時間撹拌し、4時間にわたって4℃まで徐々に冷却し、1〜4℃で2時間撹拌した。固体を濾過によって回収し、H2O(10mL及び6mL)で洗浄し、吸引乾燥させて、化合物1のクエン酸塩(1.09g)を得た。92%単離収率(入力及び出力純度のために修正)。1H NMR(DMSO−d6,500 MHz):δ(ppm)1.42−1.50(m,2H),1.58−1.73(m,3H),1.79−1.95(m,3H),2.49(d,J=15.1 Hz,2H),2.55(d,J=15.1 Hz,2H),3.65−3.69(m,1H),3.89(s,3H),4.38(d,J=17.7 Hz,1H),4.39(d,J=17.7 Hz,1H),4.43−4.49(m,1H),6.75(d,J=6.6 Hz,1H),8.29(s,1H),8.35(s,1H),8.82(s,1H),9.61(brs,5H)。
実施例5.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オンクエン酸塩(化合物1のクエン酸塩)の合成
ステップ1.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(27、化合物1の遊離塩基)
(25)(2.00g)を含有するフラスコに、撹拌せずに、TFA(8.00mL、30当量)を添加した。結果として生じる混合物を、室温で30分間撹拌して、均一溶液を得た。4℃に冷却した後、EtOH(2.0mL)中のヒドラジン一水和物(1.74mL、10当量)の溶液を20分間にわたって滴加し、続いて、10℃未満の内部温度を維持しながら、15分間にわたって8N NaOH水溶液(11.2mL、25当量)をゆっくりと添加した(両方の添加は発熱した)。結果として生じる混濁溶液を、15分間にわたって58℃に徐々に加熱し、58〜60℃で22時間さらに撹拌した。懸濁液を41℃に冷却し、8N NaOH水溶液(1.7mL、3.8当量)を同じ温度で5分間にわたって滴加して、混濁溶液を得、これは、1分以内に再度スラリーに変化した。スラリーを41℃で20分間熟成した後、8N NaOH水溶液(0.55mL、1.2当量)を同じ温度で10分間にわたって滴加した。結果として生じるスラリーを41℃で撹拌し、室温に冷却し、室温で3時間撹拌して、濃厚なスラリーを得た。固体を濾過によって回収し、5% EtOH/H2O(12mL)で洗浄し、大気下で、室温で5時間吸引乾燥させて、(27、化合物1の遊離塩基)(1.29g)を得た。96%単離収率(出力純度のために修正)。1H NMR(DMSO−d6,500 MHz):δ(ppm)1.32−1.41(m,2H),1.55−1.74(m,6H),3.11−3.15(m,1H),3.31(br s,4H),3.89(s,3H),4.06−4.12(m,1H),4.35(s,2H),6.38(d,J=6.9 Hz,1H),8.24(s,1H),8.25(s,1H),8.78(s,1H)。
ステップ2.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(化合物1のクエン酸塩)。
50mLのフラスコに、(27、化合物1の遊離塩基)(1.00g、91.0重量%、0.910gアッセイ)及び95% EtOH/H2O(14.0mL)を充填した。結果として生じる混合物を、57℃に加熱して、赤紫色溶液を得、これは、57℃で10分間熟成した後に、少量の黒色粒子を含有する淡黄色溶液に変化した。溶液を57℃で20分間さらに撹拌し、次いで、20分間67℃に加熱した。溶液を、シリンジフィルター(4mLの95% EtOH/H2Oですすいだ)を介して別の50mLのフラスコに熱濾過した。合わせた濾液を、57℃に加熱し、95% EtOH/H2O(3.0mL)中のクエン酸一水和物(0.666g、1.2当量)の溶液を10分間にわたって滴加した。結果として生じる濃厚なスラリーを95% EtOH/H2O(2mL)で希釈して、撹拌を促進し、55〜60℃で2時間撹拌した。次いで、スラリーを1時間にわたって室温まで徐々に冷却し、室温で1時間撹拌した。固体を濾過によって回収し、95% EtOH/H2O(15mL)で洗浄し、吸引乾燥させて、化合物1のクエン酸塩(1.36g)を得た。HPLCアッセイは、65.9重量%(理論的:64.2重量%)の遊離塩基含量を示した。98%単離収率(入力及び出力純度のために修正)。
実施例6.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オンクエン酸塩(化合物1のクエン酸塩)の合成
ステップ1.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オンヨウ化水素酸塩(28)
50mLの丸底フラスコに、(25)(1.00g)、NaI(1.62g、6当量)、及びMeCN(7.0mL)を充填した。結果として生じる混合物を、57%HI(0.040mL、0.17当量)及びTMSCl(1.37mL、6当量)を添加する前に、0℃に冷却した。結果として生じる懸濁液を0℃で20分間撹拌し、室温まで加温し、続いて、室温で50分間撹拌した。次いで、反応物を0℃に冷却し、ヒドラジン一水和物(1.74mL、20当量)及びH2O(10mL)の混合物を添加することによって反応停止を行った。結果として生じる二相性溶液を、室温で100分間撹拌して、希薄な懸濁液を得た。H2O(11mL)を室温で添加し、結果として生じるスラリーを0℃に冷却し、この温度で2時間撹拌した。固体を濾過によって回収し、吸引乾燥させて、オフホワイト色の固体として0.810gの(28)を得た。LCアッセイによる遊離塩基として67.6重量%。88%単離収率。1H NMR(DMSO−d6,500 MHz):δ(ppm)1.40−1.49(m,2H),1.57−1.70(m,3H),1.76−1.90(m,3H),3.60−3.64(m,1H),3.89(s,3H),4.37(d,J=18.0 Hz,1H),4.39(d,J=18.0 Hz,1H),4.40−4.44(m,1H),6.68(d,J=6.6 Hz,1H),7.23(br s,3H),8.29(s,1H),8.33(s,1H),8.82(s,1H)。
ステップ2.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(化合物1のクエン酸塩)。
20mLのバイアルに、(28)(200mg、遊離塩基として67.6重量%)及びH2O(3.4mL)を充填し、80℃に加熱して、懸濁液を得た。H2O(1.2mL)中のクエン酸二水素ナトリウム一水和物(147mg、1.6当量)の溶液を添加した。結果として生じるスラリーを80℃に15分間加熱し、室温に冷却し、続いて、室温で一晩熟成した。固体を濾過によって回収し、H2O(2mL)で洗浄し、吸引乾燥させて、淡黄色の微粒子粉末として0.19gの化合物1のクエン酸塩を得た。LCアッセイによる遊離塩基として66.3重量%。93%単離収率(修正済み)。
実施例7.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン塩酸塩二水和物(化合物1塩酸塩二水和物)の合成
ステップ1.イソプロピル2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチネート(30)
THF(乾燥)(2000mL)中の(29)(200g、952.43mmol)の溶液に、塩化オキサリル(86ml、1000.05mmol)及びDMF(0.696g、9.52mmol)を0℃で滴加した。混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで、室温に加温し、1時間撹拌した。次いで、反応混合物を真空下で濃縮した。残渣をTHF(乾燥)(2000mL)中に溶解し、イソプロパノール(109mL、1428.64mmol)及びピリジン(92mL、1142.91mmol)を、0℃でこの溶液に添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで、1N HCl水溶液(150mL)を0℃で反応停止を行い、EtOAc(400mL)、水(400mL)、及びブライン(400mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(600mL×2)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させて、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(NH−シリカゲル、ヘキサン中20% EtOAcで溶出)によって精製し、濃縮し、乾燥させて、(a)無色油として(30)(225g、894mmol、94%)を得た。
ステップ2.イソプロピル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−2クロロ−5−フルオロニコチネート(31)
2−プロパノール(1.5L)中の(30)(106g、419.96mmol)の溶液に、(18)(108g、503.96mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.219L、1259.89mmol)を室温で添加した。混合物を還流で3.5日間撹拌した。次いで、反応溶媒を真空下で除去し、残渣をEtOAc(1000mL)中に溶解した。溶液を、1N HCl、飽和NaHCO3水溶液、及びブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。結果として生じる残渣を、イソプロピルエーテル(500mL)及びヘキサン(100mL)中に溶解し、溶液を播種した。結果として生じる沈殿物を濾過によって回収し、イソプロピルエーテルで洗浄して、(31)(99.6g、232mmol、55.2%)を得た。
ステップ3.(3aR,7aS)−tert−ブチル3−(6クロロ−3−フルオロ−5−(イソプロポキシカルボニル)ピリジン−2−イル)オクタヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキシレート(32)
THF(1.4L)中のイソプロピル(31)(129.3g、300.76mmol)の溶液に、パラホルムアルデヒド(45.2g、1503.79mmol)及びギ酸(280mL、7300.32mmol)を室温で添加した。混合物を還流で3時間撹拌し、次いで、4N NaOH(1.8L)で25℃で中和した。有機層を分離し、水層をEtOAc(×500mL)で抽出した。合わせた有機層を、0.5N NaOH(1L)、ブライン(1L)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮して、(32)を得、これをさらに精製することなく次の反応に用いた。
ステップ4.6−((3aS,7aR)−3−(tert−ブトキシカルボニル)オクタヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル)−2クロロ−5−フルオロニコチン酸(33)
THF(600mL)、MeOH(600mL)、及び水(150mL)の混合物中の(32)(300.76mmol)の溶液に、4M水酸化リチウム(113ml、451.14mmol)溶液を室温で添加した。混合物を同じ温度で1日間撹拌した。次いで、混合物をEtOAc(500ml)で希釈し、1N HCl(400mL)溶液で酸性化し、EtOAcで抽出した。有機層を、水及びブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。粗生成物をイソプロピルエーテルで洗浄し、濾過によって回収して、白色固体として(33)(111.9g、280mmol、2ステップで93%)を得た。
ステップ5.(3aR,7aS)−tert−ブチル3−(4−クロロ−7−フルオロ−1−ヒドロキシ−3−オキソ−1,3−ジヒドロフロ[3,4−c]ピリジン−6−イル)オクタヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキシレート(34)
THF(乾燥)(1120mL)中のn−ブチルリチウム(419mL、670.46mmol)の溶液に、THF(乾燥)(110mL)中のジイソプロピルアミン(96mL、684.43mmol)の溶液を、N2下、−40℃で添加した。次いで、混合物を、−40℃で10分間撹拌した。反応混合物に、THF(乾燥)(670ml)中の溶液(33)(111.7g、279.36mmol)を−40℃で添加した。混合物を、−25℃で30分間撹拌した。反応混合物に、DMF(87mL、1117.43mmol)を−60℃で添加し、混合物を−40℃で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を1N HCl(1680mL)に0℃で注ぎ入れ、EtOAc(600mL)で抽出した。有機層を分離し、水層をEtOAc(400mL)で抽出した。合わせた有機層を水及びブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中50% EtOAcで溶出)によって精製し、真空下で濃縮した。次いで、残渣を、ヘキサン(480mL)中25%EtOAcから結晶化して、淡黄色固体として(34)(109g、255mmol、91%)を得た。
ステップ6.(3aR,7aS)−tert−ブチル3−(4−クロロ−2−(2,4−ジメトキシベンジル)−7−フルオロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−6−イル)オクタヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキシレート(35)
MeOH(1100mL)及びAcOH(11.11mL)中の2,4−ジメトキシベンジルアミン(33.2mL、220.87mmol)の溶液に、室温で(34)(90g、210.35mmol)を添加した。混合物を水浴中で2時間撹拌した。次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(26.4g、420.70mmol)を少量ずつ添加した。混合物をさらに2時間撹拌した。次いで、混合物を、水(360mL)及びブライン(360mL)で反応停止を行った。混合物をEtOAc(500mL×3)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮し、さらに精製することなく次の反応に用いた。
DMF(1.2L)中の(3aR,7aS)−tert−ブチル3−(4−クロロ−2−(2,4−ジメトキシベンジル)−7−フルオロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−6−イル)オクタヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキシレート(210.35mmol)の溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI、54.4g、283.97mmol)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt、43.5g、283.97mmol)を室温で添加した。混合物を同じ温度で一晩撹拌した。混合物を水(1.2L)で反応停止を行い、EtOAc(1.2L×2)で抽出した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をイソプロピルエーテルですすいで、(35)(105.7g、188mmol、2ステップで90%)を得た。
ステップ7.(3aR,7aS)−tert−ブチル3−(2−(2,4−ジメトキシベンジル)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−6−イル)オクタヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−1−カルボキシレート(36)
ジメトキシエタン(DME、1500mL)及び水(750mL)中の(35)(155.9g、277.87mmol)の溶液に、(8)(69.4g、333.45mmol)、炭酸ナトリウム(70.7g、666.90mmol)、及びトランス−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(7.80g、11.11mmol)を室温で添加した。混合物を、Ar下、90℃で4時間撹拌した。次いで、反応混合物をEtOAc(1000mL)及び水(500mL)で処理し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を1N NaOH水溶液及びブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶液をNHシリカゲルのパットを通過させて、Pd残渣を除去し、濾液を真空下で濃縮して、(36)を得、これをさらに精製することなく次の反応に用いた。
ステップ8.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オントリフルオロ酢酸塩(26)
(36)(171g、281.86mmol)を、室温でトリフルオロ酢酸(860mL、11162.63mmol)及び水(9mL)中に溶解した。混合物を還流で一晩撹拌した。次いで、反応溶媒を真空下で除去して、(26)を得、これをさらに精製することなく次の反応に用いた。
ステップ9. tert−ブチル((1S,2R)−2−((7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−6−イル)アミノ)シクロヘキシル)カルバメート(16)
DMF(950mL)中の(26)(95g、207.24mmol)の溶液に、トリエチルアミン(43.2mL、310.86mmol)及びBoc2O(52.4mL、227.96mmol)を0℃で添加した。0℃で10分間撹拌した後、反応混合物をEtOAc(1L)、1Mクエン酸(210mL)、及び水(1L)で処理した。有機層を分離し、水及びブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶液をシリカゲル(500g)に通過させ、シリカゲルをEtOAcで洗浄した。溶出液を真空下で濃縮し、残渣をイソプロピルエーテルで洗浄した。次いで、残渣をTHF(2100mL)及びMeOH(700mL)中に溶解し、1N水酸化ナトリウム(370mL、370.00mmol)を室温で添加した。同じ温度で30分間撹拌した後、反応混合物をEtOAc及びブラインで処理し、有機層を分離した。水層をEtOAc(×2)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をアセトン(1100mL)及び水(220mL)中で懸濁した。混合物を還流で6時間撹拌し、濾紙を通して濾過した。沈殿物をイソプロピルエーテルで洗浄して、(16)(64.3g、145mmol、86%)を得た。
ステップ10.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン塩酸塩二水和物(化合物1塩酸塩二水和物)
2−プロパノール(1450mL)中の(16)(146.5g、329.58mmol)の懸濁液を、70℃に加熱し、この時点で、2M塩酸(675mL、1350.00mmol)を添加した。反応混合物を65℃で3時間加熱し、次いで、氷水浴中で1時間冷却した。結果として生じる固体を濾過し、冷イソプロパノールですすぎ、エアフローで乾燥させて、化合物1塩酸塩二水和物(132.3g、317mmol、96%)を得た。1H NMR(300 MHz,d6−DMSO)δ(ppm)1.36 −2.02(m,8H),3.62−3.71(m,1H),3.89(s,3H),4.32−4.53(m,3H),6.79(d,J=6.4 Hz,1H),7.96(brs,3H),8.37(s,1H),8.84(s,1H)。
実施例8.6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(化合物1の遊離塩基)の合成
ステップ1.オーバヘッド撹拌器が装備されている1Lの丸底フラスコに、化合物1のクエン酸塩、MeCN(120mL、6体積)、及び水(46mL)を充填した。混合物を周囲温度で5分間撹拌し、続いて、5分間にわたってNaOH(2N、74mL、4当量)を添加して、わずかに橙色の懸濁液を得た。混合物を撹拌し、60℃に1時間加熱して、橙色の溶液を得た。水を20分間にわたって60℃で添加し、反応物を60℃で20分間撹拌し、2時間にわたって周囲温度に冷却した。懸濁液を周囲温度で16時間熟成し、濾過した。固体を水(50mL)ですすぎ、真空下で16時間乾燥させて、わずかにピンク色の固体として化合物1の遊離塩基(11.4g、88%収率)を得た。1H NMR(DMSO−d6,500 MHz):δ(ppm)1.32−1.41(m,2H),1.55−1.74(m,6H),3.11−3.15(m,1H),3.31(br s,4H),3.89(s,3H),4.06−4.12(m,1H),4.35(s,2H),6.38(d,J=6.9 Hz,1H),8.24(s,1H),8.25(s,1H),8.78(s,1H)。
一般的方法−X線粉末回析(XRPD)
X線粉末回析パターンを、Cu Kα放射線(40kV、40mA)、自動XYZステージ、自動試料位置決めのためのレーザービデオ顕微鏡、及びHiStar二次元面積検出器を用いて、Bruker AXS C2 GADDS回析計で収集した。X線光学は、0.3mmのピンホールコリメータに接続された単一のGobel多層鏡からなる。週1回の性能チェックを、保証付きの標準品NIST 1976コランダム(平板)を用いて実施する。
ビームの発散、すなわち試料上でのX線ビームの有効サイズは約4mmであった。θ−θ連続走査方式を、3.2°〜29.7°の効果的な2θ範囲をもたらす20cmの試料と検出器の距離で用いた。典型的には、試料を、X線ビームに120秒間曝露することになる。データ収集に用いたソフトウェアはXP/2000 4.1.36のためのGADDSであり、データは、Diffrac Plus EVA v13.0.0.2またはv15.0.0.0を用いて解析し、提示した。
周囲条件に供する試料を、粉砕しない受け入れたままの状態の粉末を用いて、平板試料として調製した。約1〜2mgの試料を、スライドガラス上で軽く押圧して、平面を得た。
非周囲条件に供する試料を、熱伝導化合物を有するシリコンウエハー上に実装した。次いで、試料を約20℃/分で加熱し、続いて、データ収集を開始する前に、1分間等温で維持した。
あるいは、X線粉末回析パターンを、Cu Ka放射線(40kV、40mA)、θ− 2θゴニオメーター、ならびにV4の発散及び受光スリット、Ge単色光分光器及びLynxeye検出器を用いて、Bruker D8回析計で収集した。機器は、保証付きのコランダム標準品(NIST 1976)を用いて性能チェックした。データ収集に用いたソフトウェアはDiffrac Plus XRD Commander v2.6.1であり、データは、Diffrac Plus EVA v13.0.0.2またはv15.0.0.0を用いて解析し、提示した。
試料を、受け入れたままの状態の粉末を用いて、平板試料として周囲条件に供した。試料を、研磨されたゼロバックグラウンド(510)のシリコンウエハー中の空洞カット部へ緩やかに充填した。分析の間、試料をそれ自体の面内で回転させた。データ収集の詳細は、以下の通りである:角度範囲:2〜42°2θ;ステップサイズ:0.05°2θ;及び収集時間:0.5秒/ステップ
示差走査熱量測定(DSC)
DSCデータを、50個の位置の自動サンプラーを備えたTA装置Q2000で収集した。熱容量についての較正を、サファイアを用いて実施し、エネルギー及び温度についての較正を、保証付きインジウムを用いて実施した。典型的には、ピンホールのあるアルミニウムパン中で、0.5〜3mgの各試料を10℃/分で25℃から270℃へ加熱した。試料上に、乾燥窒素のパージを50ml/分で維持した。
温度変調型DSCを、2℃/分の基礎加熱速度及び60秒間(期間)毎に±0.318℃(振幅)の温度変調パラメーターを用いて実施した。
機器制御ソフトウェアは、Advantage for Q Series v2.8.0.394及びThermal Advantage v5.2.6であり、データは、Universal Analysis v4.7Aまたはv4.4Aを用いて分析した。
DSCデータを、34個の位置の自動サンプラーを備えたMettler DSC 823Eで収集した。機器は、エネルギー及び温度について保証付きインジウムを用いて較正した。典型的には、ピンホールのあるアルミニウムパン中で、0.5〜3mgの各試料を10℃/分で25℃から270℃へ加熱した。試料上に、窒素のパージを50ml/分で維持した。
機器の制御及びデータ分析ソフトウェアは、STARe v9.20であった。
熱重量分析(TGA)
TGAデータを、34個の位置の自動サンプラーを備えたMettler TGA/SDTA 851eで収集した。機器は、保証付きインジウムを用いて温度較正した。典型的には、5 30mgの各試料を、予め計量したアルミニウムるつぼに載せ、10℃/分で周囲温度から300℃に加熱した。試料上に、窒素のパージを50mL/分で維持した。
機器の制御及びデータ分析ソフトウェアは、STARe v9.20であった。
重力蒸気収着(GVS)
収着等温線を、SMS DVS Intrinsicの水分収着分析器を用いて獲得し、DVS Intrinsicの制御ソフトウェアv1.0.0.30によって制御した。試料温度を、機器の制御によって25℃で維持した。200ml/分の合計流量で、乾燥した及び湿った窒素の流れを混合することによって、湿度を制御した。相対湿度を、試料の近くにある、較正したRotronicプローブ(1.0〜100%RHの動作範囲)によって測定した。重量変化、RH%の関数として試料の(質量緩和)を、微量天秤(精度±0.005mg)によって常に監視した。
典型的には、5〜20mgの試料を、周囲条件下で、風袋に入れたメッシュステンレス鋼のバスケットに置いた。40%RH及び25℃(典型的な条件)で、試料を装填し、外した。以下に概説されるように、水分等温収着曲線を実行した(2回の走査は1つの完全なサイクルを与える)。標準等温線を、0〜90%RHの範囲にわたって10%RHの間隔で25℃で実行した。データ分析は、DVS Analysis Suite v6.0を用いてMicrosoft Excelにおいて取り組んだ。
SMS DVS Intrinsic実験に関する方法パラメーター
試料を等温線の完了後に回収し、XRPDによって再分析した。
実施例9.化合物1のクエン酸塩の結晶形態(「形態1」)の特徴付け
特徴付けデータを、上記のように調製された化合物1のクエン酸塩で収集した。DSC分析は、ある単一の吸熱事象を示したが、TGAサーモグラムは、分解の開始まで重量損失を示さなかった。物質は、非吸湿性であった。
高分解能XRPDデータ(図1)は、形態1と称される物質が結晶性であることを示した。収集された温度データ(図2及び3)は、この形態が非溶媒試料であり、著しい重量損失がTGAにおける試料の加熱時に観察されなかったことを示唆した。分解の開始は、TGAにおいて226.9℃にあり、これは、DSCにおいて溶融開始(233.4℃)と一致する。
GVS分析(図4)は、物質が湿度(様々なRHレベル)にさらされた場合に、吸湿性でないことを示した。0.3%未満の微妙な質量変化は、0〜90%のRHで観察され、物質において表面水の存在を示した。形態の変化は、GVS分析の後に観察されず、40℃/75%のRH及び25℃/97%のRHで1週間保存した後も観察されなかった。
形態1の試料を、単結晶X線回析に提出した。分析は、形態1が1175(5)Å
3の体積及び以下のような単位格子寸法を有する単斜晶系の空間群P2
1であることを示した:
実施例10.非晶質化合物1のクエン酸塩(「形態2」)
形態1を室温で水(50mL)中に溶解し、溶液を濾過して、あらゆる潜在種を除去した。この系をカルダイス(cardice)/アセトン上で凍結し、凍結乾燥用に設定した。得られた固体をXRPDによって試験し、実質的には回析しないことが見出された(Braggピークの不在、図5)。
非晶質化合物1のクエン酸塩のバッチは、約3.3%の水を含有し、TGAにおいて重量損失によって観察された(図7)。DSC曲線は、100℃未満の水の存在を示し、続いて、その後、複雑な温度プロファイルを示す(図6)。物質は、140℃を超えて分解する可能性が高い(TGA及びDSC曲線の両方で観察)。GVS分析は、物質が40〜80%のRHの範囲内の多量の水分(9重量/重量%)を吸収し、80%超のRHの結晶事象を被ることを示した(図8)。この再結晶化は、80%〜90%のRHで7%の重量損失を伴う。湿度への曝露後の非晶質物質は、XRPDによって分析され、形態1への転移を示した。
実施例11.化合物1塩酸塩の結晶形態(「形態3」)の特徴付け
特徴付けデータを、上記のように調製された化合物1塩酸塩二水和物で収集した。高分解能XRPDデータ(図9)は、形態3と称される物質が結晶性であることを示した。収集された温度データ(図10及び11)は、2モルの水に相当する8.4%の重量損失がTGAデータにおいて50〜120℃で観察されたため、この形態が、二水和物であることを示唆した。DSCデータは98.3℃の開始とともに広範な吸熱を含み、このことは、重量損失が観察されたことと一致した。カールフィッシャー分析は、この試料が、実際には、8.4%の水分含量を含む二水和物であることを確認した。イオンクロマトグラフィーは、物質が一塩酸塩(0.91当量)であることを示した。
GVS分析(図12)は、物質が20%未満のRHで脱水に供されたことを示した。約6.5%の質量変化は、0〜20%のRHで観察され、水が結晶格子から除去され得ることを示した。試料を0%にすることによって除去された水の量は、二水和物の全当量と同等ではなかった。これは、360分後に、系が平衡に達しなかったという事実に起因し得る。より長い乾燥時間がこの最終ステップで割り当てられた場合、物質が水の総量を損失し得る可能性がより高くなる。第1の収着走査時に、結晶物質を水の取り込みに供し、90%のRHレベルに達した場合に、出発質量に戻る。等温線曲線の差異が第1の収着走査において観察されたが、現象は、可逆であった。形態の変化は、GVS分析の後に観察されず、40℃/75%のRH及び25℃/97%のRHで1週間保存した後も観察されなかった。
形態3の試料を、単結晶X線回析に提出した。結果を表14に示す。分析は、形態3が1916.81(17)Å
3の体積及び以下のような単位格子寸法を有する単斜晶系の空間群P2(1)2(1)2(1)であることを示した:
構造解は、直接法、加重を用いたF2の全マトリックス最小二乗精密化w−1=σ2(Fo 2)+(0.0319P)2+(0.9419P)(式中、P=(Fo 2+2Fc 2)/3)、異方性変位パラメーター、球面調和関数を用いた経験的吸収補正によって得られ、SCALE3 ABSPACKスケーリングアルゴリズム、絶対構造パラメーター=−0.027(19)により実行した。全てのデータで最終wR2={Σ[w(Fo 2−Fc 2)2]/Σ[w(Fo 2)2]1/2}=0.096、Fo>4σ(Fo)である、3278個の反射のF値に対する従来のR1=0.0428、全てのデータ及び290個のパラメーターでS=1.053。最終Δ/σ(最大)0.000、Δ/σ(平均)、0.000。+0.231〜−0.214eÅ−3の間の最終差分マップ。
実施例12.形態3の多形体研究
25mgの形態3を、使用された20mLの溶媒とともに、HPLCバイアル内に入れた。これらの値は、溶解評価から算出された。全てのスラリーを、5秒間超音波処理した。スラリーを、5℃で、500rpmで6日間撹拌した。この実験から得られた固体を、真空オーブン中で40℃で一晩乾燥させる前に、XRPDによって分解した。この実験に関する実験結果は、表14に見出され得る。
25mgの形態3を適切な体積の溶媒とともに1バイアルにつき使用した。これらの値は、溶解評価から算出された。全てのスラリーを、5秒間超音波処理した。スラリーを、500rpmで撹拌し、25℃と50℃との間で6日間循環させた(各温度で4時間)。次いで、あらゆる結果として生じる溶液を室温で蒸発させた。この実験から得られた固体を、真空オーブン中で40℃で一晩乾燥させる前に、XRPDによって分解した。この実験に関する実験結果は、表15に見出され得る。
実施例13.化合物1塩酸塩の結晶形態(「形態4」)の特徴付け
形態4を、300mgの形態3を用いて調製し、これに、20体積のDMFを添加した。実験は、25℃と50℃との間で循環させる(各温度で4時間サイクルを48時間)ことによって成熟させた。結果として生じる物質を濾過し、特徴付ける前に、吸引下で乾燥させた。
XRPD分析は、形態4がDMF中の形態3のスラリー成熟によって再現可能であったことを示した(図13)。形態4は、熱分析によって分析された(図14及び15)。TGAデータは、著しい重量損失を示さず、これにより、物質が無水であったことを示した。物質は、25℃/97%のRH、40℃/75%のRH、40℃/97%のRHで10日間の保存時に形態を変化せず、これにより、物質が湿気に対して安定していたことを示した。この溶解プロファイルは、形態3の溶解プロファイルと同様であった。形態4は、GVSによって実証されるように、非吸湿性であることが見出された(図16)。
実施例14.化合物1塩酸塩の結晶形態(「形態5」)の特徴付け
形態5を、乾燥加熱法を用いて得た。形態3は、250℃に加熱し、試料をN2下で、900分間その温度で維持するか、または形態3は、290℃に加熱し、N2下で、10分間その温度で維持した。回収した固体は、XRPDによって分析された(図17)。
形態5は、HCl塩の非溶媒和形態であることが見出された。物質は、無水であり、平坦なTGAによって確認された(図19)。物質は、形態4(11mg/ml)と比較して同様の溶解プロファイルを有した。この物質は、GVS分析時または40℃/97%のRH(10日間)の保存時に形態を変化せず、これにより、物質が湿気に対して安定していたことを示した(図20)。
実施例15.非晶質化合物1塩酸塩(「形態6」)の特徴付け
形態3(41mg)を、室温で水(100体積、4.1mL)中に溶解し、溶液を濾過して、あらゆる潜在種を除去した。この系をカルダイス及びアセトン上で凍結し、凍結乾燥用に設定した。得られた固体をXRPDによって試験し、実質的には回析しないことが見出された(Braggピークの不在)。
凍結乾燥によって生成された物質のXRPD分析は、実質的には非晶質であると考えられた(図21)。約8° 2θでの広範なピークは、Braggピークが高分解能XRPDによって観察されなかったため、回析ピークではない。物質は、真空オーブン乾燥が適用されなかったため、約10%の水(KFによって観察された)を含有した。水の存在は、TGAによって確認された(図23)。ガラス転移は、200℃を超え、再結晶の可能性が、230℃で観察されている(図22)。GVS分析は、物質が水分を吸収し、70%超のRHの結晶事象を被ることを示す(図24)。高湿度レベルに曝露された場合、非晶質物質は、相の転移を受けて、場合により、形態9をもたらすと思われる。
実施例16.結晶性化合物1塩酸塩(「形態7」)の特徴付け
無水形態7は、湿度に対して不安定であり、変換して、水和形態(形態9)に戻った。形態7は、XRPDによって分析された(図25)。熱分析は、形態7においても行われた(図26及び27)。GVS分析を図28に示す。
実施例17.結晶性化合物1塩酸塩(「形態8」)の特徴付け
別の水和形態(形態8)が見出された。形態3を高温(200℃)に加熱した場合に、水和形態(形態8)及び250℃である無水形態(形態5)をもたらした。
形態8は、XRPDによって特徴付けられた(図29)。熱分析は、形態7においても行われた(図30及び31)。GVS分析を図32に示す。
実施例18.結晶性化合物1塩酸塩(「形態9」)の特徴付け
高湿度レベルに曝露された場合、非晶質物質は、相の転移を受けて、場合により、形態9をもたらすと思われる。無水形態7は、湿度に対して不安定であり、変換して、水和形態(形態9)に戻った。形態9は、XRPDによって特徴付けられた(図33)。熱分析は、形態7においても行われた(図34及び35)。
実施例19.結晶性化合物1塩酸塩(「形態10」)の特徴付け
形態3を70℃に乾燥加熱して、形態10を得た。形態10は、XRPDによって特徴付けられた(図36)。熱分析は、形態10においても行われた(図37及び38)。
実施例20.結晶性化合物1塩酸塩(「形態11」)の特徴付け
形態3を80℃に乾燥加熱して、形態11を得た。形態11は、XRPDによって特徴付けられた(図39)。熱分析は、形態11においても行われた(図40及び41)。
実施例21.結晶性化合物1の遊離塩基の特徴付け
化合物1の遊離塩基は、上記のように調製し、広範な技術を用いて特徴付けし、固体形態及び化学特性を調査した。化合物1の遊離塩基は、メタノール溶媒和物及び無水形態の混合物であることが見出された。熱分析は、メタノール溶媒和物が約120℃で脱溶媒和し、無水形態が新しい無水形態、形態10に約203℃で転移することを示した。GVS実験条件下、40℃〜75%のRHで、メタノール溶媒和物が脱溶媒和されたが、無水形態が安定していることが見出された。
実施例22.結晶性化合物1の遊離塩基(「形態12」)の特徴付け
非晶質化合物1の遊離塩基を、出発物質として上記のように調製された約500mgの化合物1の遊離塩基を用いて得た。24mLの溶液を丸底フラスコ内で凍結乾燥させた。
約70mgの非晶質物質を、周囲条件下で、20体積のtert−ブチルメチルエーテルで2日間スラリー化し、次いで、濾過し、分析前にスライドガラス上で風乾した。XRPD分析は、形態12の形成を確認した(図42)。形態12は、無水形態であり、226.5℃の融点を有することが見出された(図43)。明らかな安定性の問題は、40℃/75%のRHで顕著ではなかったが、25℃/97%のRHでは、安定していなかった。GVS分析は、形態12の水和形態への転移の可能性を示唆した(図45)。形態の水溶解度は、0.58g/mL(pH9.41)であることが見出された。
実施例23.結晶性化合物1の遊離塩基(「形態13」)の特徴付け
約35mgの非晶質物質を、少量の形態13の種の存在下で、10体積の2−メチルTHF中で一晩スラリー化した。スラリーを継続して、さらに1日間同じ条件下で成熟させ、濾過し、乾燥させた試料のXRPD分析が形態13の形成を確認した(図46)。形態13は、無水形態であることが見出された。形態13は、より高温(140℃〜210℃)で形態12に転移した。形態13は、吸湿性がなく、水和物への転移は、GVS実験時に観察されなかった(図49)。40℃/75%のRH及び25℃/97%のRHで安定していることが見出された。形態の水溶解度は、0.19mg/mL(pH9.05)であることが見出された。
実施例24.結晶性化合物1の遊離塩基(「形態14」)の特徴付け
約50mgの化合物1の遊離塩基を、20%の水を含む10体積のアセトニトリル中で、50℃で一晩スラリー化した。試料を濾過し、XRPD分析の前に風乾し、半水和物の形態14であることを確認した(図50)。形態14は、約55℃で脱水状態になることが見出され、形態12に転移した(図51)。これは、40℃/75%のRH及び25℃/97%のRHで安定していた。0〜90%のRHで、形態14は、0.25当量の水を交換したが、XRPDパターンの変化は、GVS分析の終了時に、試料の単離において見られなかった(図53)。
実施例25.結晶性化合物1の遊離塩基(「形態15」)の特徴付け
約60mgの化合物1の遊離塩基を、100体積のジメトキシエタン中で、約50℃で溶解した。結果として生じる混濁溶液を濾過し、室温で乾燥するまで蒸発させた。試料のXRPD分析は、一水和物である形態15の形成を確認した(図54)。形態15は、110℃で溶媒和されることが見い出され、さらなる加熱時に、形態12に転移した(図55)。これは、40℃/75%のRH及び25℃/97%のRHで安定していた。0〜90%のRHで、形態15は、0.4当量の水を交換したが、XRPDパターンの変化は、GVS分析の終了時に、試料の単離において見られなかった(図57)。形態の水溶解度は、0.71mg/mL(pH9.41)であることが見出された。
実施例26.結晶性化合物1の遊離塩基(「形態16」)の特徴付け
約60mgの化合物1の遊離塩基を、水中で、室温で4時間スラリー化し、続いて、50℃でさらに4時間スラリー化し、加熱/冷却サイクルを2日間行った。試料を濾過し、XRPD分析の前に風乾した(図58)。分析は、形態16が三水和物であることを確認した。形態16は、約37℃で脱溶媒和されることが見出された(図59)。これは、25℃で30%のRHで及び30%超のRHで安定しており、30%を下回るRHで脱溶媒和した。XRPDパターンの変化は、40℃/75%のRH及び25℃/97%のRHで観察されなかった。形態の水溶解度は、0.13mg/mL(pH9.27)であることが見出された。
実施例27.結晶性化合物1の遊離塩基(「形態17」)の特徴付け
約50mgの非晶質物質を、周囲条件下で、5%の水を含む10体積のTHFで2日間スラリー化し、次いで、濾過し、XRPD分析の前にスライドガラス上で風乾し、この分析により、形態15及び形態17の混合物を示した。約20mgのこの混合物を、25℃で5%の水を含む10体積のTHFで3日間スラリー化し、濾過し、XRPD分析の前に風乾した(図62)。試料が一水和物である形態17であることを確認した。形態17は、約50℃で溶媒和され、続いて、一連の転移を行うことが見出された(図63)。これは、40℃/75%のRH及び25℃/97%のRHで安定していた。0〜90%のRHで、形態17は、0.3当量の水を交換したが、XRPDパターンの変化は、GVS分析の終了時に、試料の単離において見られなかった(図65)。形態の水溶解度は、0.18mg/ml(pH9.33)であることが見出された。
実施例28.化合物1のクエン酸塩(形態1)の投与
標準的治療が奏功しなかった進行性固形腫瘍/リンパ腫に罹患している18歳以上の患者に、化合物1のクエン酸塩(形態1)を28日サイクルで毎日(1日1回、60〜120mg)経口投与した。最大耐容量を決定するために、用量増加は、サイクル1の間で、用量制限毒性または任意の薬物関連グレードで2以上の有害事象(AE)に基づいた改変された滴定設計を介して継続した。血漿薬物動態評価のために、血液試料を、投与前及びサイクル1の1日目及び15日目の投与後に採血した。固形腫瘍に関しては、RECISTによる反応評価、及びリンパ腫に関してはIWG基準による反応評価が、サイクル2、4、及び6の22日目から29日目(投与前)、ならびにその後、3サイクル毎に行われた。
データのカットオフで、15人の患者が登録され(60mgで、11人の患者、7人の固形腫瘍[4人のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫、DLBCL]、及び120mgで、4人の患者は全て固形腫瘍)、患者は、2サイクルの中央値で60mgを受容し、全ての患者は、1サイクルで120mgを受容した。サイクル1の用量限界毒性は、1人の患者において、60mg(グレード3の無症候性アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ上昇)で生じ、2人の患者において、120mg(グレード3及び4の無症候性リパーゼ上昇)を生じた。グレード3以上の薬物関連AEは、60mgで2(18%)ポイント及び120mgで3(75%)ポイント生じた。貧血(60mgで1、120mgで2)及びリパーゼの増加(0及び2ポイント)のみが、全体で1ポイント超で見られ、3人の患者は、有害事象(60mgで1、120mgで2)のため中断し、4人の患者は、研究において死亡した(3人及び1人の患者;死亡は、研究薬物に関連していなかった)。血漿薬物動態データは、60及び120mgで11人の患者において評価された。化合物1のクエン酸塩(形態1)の薬物動態は、15日間、1日1回の投薬を繰り返した後の、迅速な吸収(中央Tmax 2時間)、定常状態の曝露における中等度の変動性(d15 AUCtauについては47%の変動係数)、定常状態で2.7の平均ピーク対トラフ比率、及び2.7倍の平均累積によって特徴付けられた。データのカットオフによる5人の反応−評価可能患者(4 DLBCL)において、2人のDLBCL患者は、60mgで、2サイクル後の応答の兆候を示し、1人の患者は、部分的な応答を示し、1人の患者は、25%の腫瘍減少を示した。データのカットオフ後に、1人のDLBCL患者は、80mgで、1サイクル後に部分的な応答を達成した。
1日1回60mgの化合物1のクエン酸塩(形態1)は、許容される安全性及び薬物動態プロファイルを有すると思われる。薬物動態結果は、化合物1のクエン酸塩(形態1)の経口及び継続的な1日1回の投与を支持する。
実施例29 錠剤製剤
以下の経口剤形は、湿式造粒法のプロセスを用いて調製された:
本明細書に言及される特許及び科学文献は、当業者に利用可能な知識を確立する。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、本発明が属する当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に引用される交付済み特許、出願、及び参考文献は、各々が、参照によって組み込まれることを具体的かつ個々に示されたのと同じ程度に、参照によって本明細書に組み込まれる。矛盾する場合、定義を含む本開示が優先することが意図される。
本発明の数多くの実施形態が説明されているが、提供された基本例は、本発明の化合物、方法等を利用する他の実施形態を伝えるために変更されてもよいことを理解されよう。それ故に、本発明の範囲は、例示のために提示され、特定の実施形態によって制限されることを意図しないことを理解するであろう。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オンクエン酸塩である、化合物。
(構成2)
実質的に結晶性である、構成1に記載の化合物。
(構成3)
2θ角で9.4、16.6、17.4、18.9、及び19.2度±0.2度のピークを含む、Cu Kα放射線を用いたx線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、構成2に記載の化合物。
(構成4)
2θ角で9.4、16.6、17.4、18.9、19.2、及び20.7度±0.2度のピークを含む、Cu Kα放射線を用いたXRPDパターンを特徴とする、構成2に記載の化合物。
(構成5)
2θ角で4.7、9.4、16.6、17.4、18.9、19.2、20.7、及び23.0度±0.2度のピークを含む、Cu Kα放射線を用いたXRPDパターンを特徴とする、構成2に記載の化合物。
(構成6)
2θ角で4.7、9.4、13.0、13.8、14.1、16.6、17.4、18.4、18.9、19.2、20.7、23.0、23.3、23.6、及び25.0度±0.2度のピークを含む、Cu Kα放射線を用いたXRPDパターンを特徴とする、構成2に記載の化合物。
(構成7)
前記化合物が、吸湿性でない、構成1〜6のいずれか1に記載の化合物。
(構成8)
構成1〜7のいずれか1に記載の化合物と、1つ以上の薬学的に許容される担体とを含む、薬学的組成物。
(構成9)
経口投与に適している、構成8に記載の薬学的組成物。
(構成10)
カプセル剤及び錠剤から選択される剤形である、構成9に記載の薬学的組成物。
(構成11)
前記剤形が錠剤である、構成9に記載の薬学的組成物。
(構成12)
癌を患っている対象に、構成1〜7のいずれか1に記載の化合物を投与することを含む、癌の治療方法。
(構成13)
癌を患っている対象に、構成8〜11のいずれか1に記載の薬学的組成物を投与することを含む、癌の治療方法。
(構成14)
前記癌が、白血病またはリンパ腫である、構成12または13に記載の方法。
(構成15)
前記癌が、遅発性非ホジキンリンパ腫(iNHL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、鼻咽頭癌、胃癌、乳癌、卵巣癌、肺癌、及び移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)から選択される、構成12または13に記載の方法。
(構成16)
前記癌が、遅発性非ホジキンリンパ腫(iNHL)、マントル細胞リンパ腫、移植後リンパ増殖性障害(PT−LPD)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、及び急性骨髄性白血病(AML)から選択される、構成12または13に記載の方法。
(構成17)
前記癌が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)及び急性骨髄性白血病(AML)から選択される、構成12または13に記載の方法。
(構成18)
式Iの化合物、
(化1)
またはその薬学的に許容される塩の作製方法であって、式Iaの化合物、
(化2)
またはその薬学的に許容される塩を、ホルミル化試薬と反応させることを含む、前記方法。
(構成19)
式IIの化合物であって、
(化3)
式中、R 2 が保護基である、前記化合物またはその薬学的に許容される塩の作製方法であって、
式IIaの化合物、
(化4)
またはその薬学的に許容される塩を、式IIbの化合物であって、
(化5)
式中、R 2 が保護基である、前記化合物またはその薬学的に許容される塩と反応させることを含む、前記方法。
(構成20)
式IIの化合物であって、
(化6)
式中、R 2 が保護基である、前記化合物またはその薬学的に許容される塩。
(構成21)
式IIIの化合物であって、
(化7)
式中、R 2 が保護基である、前記化合物またはその薬学的に許容される塩の作製方法であって、
式IIの化合物であって、
(化8)
式中、R 2 が保護基である、前記化合物またはその薬学的に許容される塩を、式IIIaの化合物、
(化9)
またはその薬学的に許容される塩と反応させることを含む、前記方法。
(構成22)
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オンまたはその薬学的に許容される塩の作製方法であって、
(i)式IIaの化合物、
(化10)
またはその薬学的に許容される塩を、式IIbの化合物であって、
(化11)
式中、R 2 が保護基である、前記化合物またはその薬学的に許容される塩と反応させて、式IIの化合物であって、
(化12)
式中、R 2 が保護基である、前記化合物またはその薬学的に許容される塩を得ることと、
(ii)式IIの化合物を、式IIIaの化合物、
(化13)
またはその薬学的に許容される塩と反応させて、式IIIの化合物であって、
(化14)
式中、R 2 が保護基である、前記化合物またはその薬学的に許容される塩を得ることと、
(iii)式IIIの化合物を、脱保護剤と反応させることと、を含む、前記方法。
(構成23)
式IVの化合物であって、
(化15)
式中、R 3 及びR 4 がそれぞれ独立して、保護基であるか、またはR 3 及びR 4 が合わせて、保護基である、前記化合物またはその薬学的に許容される塩の作製のための方法であって、式IVaの化合物であって、
(化16)
式中、R 3 及びR 4 がそれぞれ独立して、保護基であるか、またはR 3 及びR 4 が合わせて、保護基である、前記化合物またはその薬学的に許容される塩を、ホルミル化試薬と反応させることを含む、前記方法。
(構成24)
式IVの化合物であって、
(化17)
式中、R 3 及びR 4 がそれぞれ独立して、保護基であるか、またはR 3 及びR 4 が合わせて、保護基であり、R 5 が保護基である、前記化合物またはその薬学的に許容される塩。
(構成25)
式Vの化合物であって、
(化18)
式中、R 3 及びR 4 がそれぞれ独立して、保護基であるか、またはR 3 及びR 4 が合わせて、保護基であり、R 5 が保護基である、前記化合物またはその薬学的に許容される塩の作製のための方法であって、式(IV)の化合物であって、
(化19)
式中、R 3 及びR 4 がそれぞれ独立して、保護基であるか、またはR 3 及びR 4 が合わせて、保護基であり、R 5 が保護基である、前記化合物またはその薬学的に許容される塩を、還元条件下で還元することを含む、前記方法。
(構成26)
式Vの化合物であって、
(化20)
式中、R 3 及びR 4 がそれぞれ独立して、保護基であるか、またはR 3 及びR 4 が合わせて、保護基であり、R 5 が保護基である、前記化合物またはその薬学的に許容される塩。
(構成27)
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オンまたはその薬学的に許容される塩の作製方法であって、式VIの化合物であって、
(化21)
式中、R 3 及びR 4 がそれぞれ独立して、保護基であるか、またはR 3 及びR 4 が合わせて、保護基であり、R 5 及びR 6 がそれぞれ独立して、保護基である、前記化合物またはその薬学的に許容される塩を、脱保護条件下で脱保護することを含む、前記方法。
(構成28)
式VIの化合物であって、
(化22)
式中、R 3 及びR 4 がそれぞれ独立して、保護基であるか、またはR 3 及びR 4 が合わせて、保護基であり、R 5 及びR 6 がそれぞれ独立して、保護基である、前記化合物またはその薬学的に許容される塩。