JP6976248B2 - (r)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−n−メチル−1h−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミドの塩形態および多形体 - Google Patents

(r)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−n−メチル−1h−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミドの塩形態および多形体 Download PDF

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Description

本出願は、2015年12月22日に提出された米国仮特許出願第62/271,018号明細書の優先権の利益を主張し、この開示は、その全体が本明細書において記載されているかのように参照によってこれによって組み込まれる。本出願はまた、2015年7月2日に提出された米国特許出願第14/791,186号明細書の開示の全体を参照によって組み込む。
本開示は、新規な複素環式化合物、その塩および多形体、組成物、ならびに疾患の処置のための医薬品としてのそれらの応用に関する。ヒトまたは動物対象のGLS1活性の阻害の方法もまた、癌などのような疾患の処置のために提供される。
図1は、様々な溶媒における精製後の実施例1のXRPDのオーバーレイを示す図である。 図2は、アセトンにおける再結晶後の実施例1(多形体D)のXRPDを示す図である。 図3は、アセトンにおける再結晶後の実施例1(多形体D)の偏光顕微鏡を示す図である。 図4は、アセトンにおける精製後の実施例1(多形体D)のDSCおよびTGA挙動を示す図である。 図5は、精製遊離塩基実施例1(多形体D)のIRスペクトルを示す図である。 図6は、精製遊離塩基実施例1(多形体D)のH NMRスペクトルを示す図である。 図7は、精製遊離塩基実施例1(多形体D)のDVSを示す図である。上のグラフは、P/Pの関数としての質量の変化を示す(縦軸、「質量の変化(%)−基準」は0.02の増分で0から0.2に増加する;横軸、「ターゲット% P/P」、10の増分で0から100まで)。下のグラフは、時間の関数としての質量の変化を示す(縦軸、「質量の変化(%)−基準」は0.02の増分で0から0.2に増加する;横軸、「時間/分」、20の増分で0から200まで)。 図8は、DVS分析前後のポリマーDのXRPDのオーバーレイを示す図である。 図9は、方法1によって調製した塩候補についてのXRPDのオーバーレイを示す図である。 図10は、方法1によって調製したさらなる塩候補についてのXRPDのオーバーレイを示す図である。 図11は、様々な溶媒から再結晶化する塩化物塩についてのXRPDのオーバーレイを示す図である。 図12は、様々な溶媒から再結晶化する硫酸塩についてのXRPDのオーバーレイを示す図である。 図13は、様々な溶媒から再結晶化するメタンスルホン酸塩についてのXRPDのオーバーレイを示す図である。 図14は、方法2によって調製した塩候補についてのXRPDのオーバーレイを示す図である。 図15は、方法3によって調製した塩候補についてのXRPDのオーバーレイを示す図である。 図16は、方法3によって調製され、EtOAcから再結晶化する塩化物塩についてのXRPDのオーバーレイを示す図である。 図17は、方法3によって調製され、EtOAcから再結晶化する硫酸塩についてのXRPDのオーバーレイを示す図である。 図18は、方法3によって調製され、EtOAcから再結晶化するメシル酸塩についてのXRPDのオーバーレイを示す図である。 図19は、方法3によって調製され、EtOAcから再結晶化するトシル酸塩についてのXRPDのオーバーレイを示す図である。 図20は、方法3のスケールアップからの塩候補についてのXRPDのオーバーレイを示す図である。 図21は、方法3のスケールアップによって調製されるメシル酸塩のXRPDを示す図である。 図22は、方法3のスケールアップによって調製され、EtOAcから再結晶化する塩化物塩のXRPDを示す図である。 図23は、方法3のスケールアップによって調製され、EtOAcから再結晶化するトシル酸塩のXRPDを示す図である。 図24は、実施例1の精製塩化物塩のスケールアップのMeODにおけるH NMRを示す図である。 図25は、実施例1の精製メシル酸塩のスケールアップのMeODにおけるH NMRを示す図である。 図26は、実施例1の精製トシル酸塩のスケールアップのMeODにおけるH NMRを示す図である。 図27は、実施例1の精製塩化物塩のスケールアップのPLMを示す図である。 図28は、実施例1の精製メシル酸塩のスケールアップのPLMを示す図である。 図29は、実施例1の精製トシル酸塩のスケールアップのPLMを示す図である。 図30は、実施例1の精製塩化物塩のスケールアップのDSCおよびTGAのオーバーレイを示す図である。 図31は、実施例1の精製メシル酸塩のスケールアップのDSCおよびTGAのオーバーレイを示す図である。 図32は、実施例1の精製トシル酸塩のスケールアップのDSCおよびTGAのオーバーレイを示す図である。
代謝調節異常(metabolic deregulation)は、癌の特徴であり、腫瘍は、速い増殖に対してエネルギー源を供給するために栄養素および高分子の要求量が増加している。グルタミン(Gln)は、循環している最も豊富なアミノ酸であり、増殖および生存を支持するために必要とされる生合成中間体を癌細胞に提供するのに不可欠な役割を果たす。詳細には、グルタミノリシス、すなわちグルタミンのグルタミン酸への酵素的変換は、増殖している癌細胞に、アミノ酸およびヌクレオチドの合成のための窒素の供給源ならびにTCAサイクルによるATPおよびNADPHの合成にエネルギー源を供給するための炭素骨格を提供する。細胞増殖の支持に加えて、グルタミン代謝は、細胞のレドックスホメオスタシスを維持するのに重要な役割を果たし、グルタミン酸は、主な細胞内抗酸化物質であるグルタチオンに変換することができる。
グルタミノリシスは、Glnのグルタミン酸およびアンモニアへの変換を触媒する律速の酵素であるミトコンドリアグルタミナーゼ(GLS)によって調節される。哺乳動物細胞は、グルタミナーゼをコードする2つの遺伝子:腎臓型(GLS1)および肝臓型(GLS2)酵素を含有する。それぞれ、複数の組織型において検出され、GLS1は、身体の全体にわたって広く分布している。GLS1は、2つの主なスプライス変異体、それらのC−末端配列においてのみ異なる長い形態(KGAと呼ばれる)および短い形態(GAC)としてヒトにおいて存在するリン酸活性化酵素である。グルタミナーゼは、膜内の空間に存在し、膜からは離れているということを示唆する報告が少なくとも1つなされているが、GLS1の両方の形態は、哺乳動物細胞中のミトコンドリアの内膜に結合すると考えられる。GLSは、ヒト腫瘍において頻繁に過剰発現されており、Mycなどのような癌遺伝子によって陽性に調節されることが示された。癌細胞株がグルタミン代謝に頼っていることが観察されたことと一致して、GLSの薬理学的阻害は、Glnを常に必要とする腫瘍を標的にする可能性を与えるものである。
したがって、特異的で、かつインビボにおける使用のために製剤することができるグルタミナーゼ阻害剤の必要性がある。
したがって、グルタミナーゼ活性を阻害するための新規な組成物および方法が、本明細書において開示される。
化合物
Figure 0006976248
またはその塩、溶媒和化合物、もしくは多形体が、提供される。
化合物
Figure 0006976248
またはその塩、溶媒和化合物、もしくは多形体もまた、提供される。
化合物
Figure 0006976248
またはその塩、溶媒和化合物、もしくは多形体もまた、提供される。
ある実施形態では、化合物は、溶媒和化合物である。ある実施形態では、溶媒和化合物は、DMSOである。ある実施形態では、DMSOは、1:1の比で化合物と結合している。
構造式Iの塩
Figure 0006976248
またはその溶媒和化合物もしくは多形体もまた、提供され、
は、Cl、Br、I、HSO 、SO 2−、NO 、CHSO 、PhSO 、4−MePhSO 、およびナフタレンSO から選択され、
nは、0〜2の整数であり、
Yは、任意選択の溶媒和化合物である。
ある実施形態では、Rは、Cl、HSO 、CHSO 、および4−MePhSO から選択される。
ある実施形態では、nは、1である。
ある実施形態では、Yは、ない(すなわち、塩は、無水物である)。
ある実施形態では、Rは、CHSO である(すなわち、塩は、メシル酸塩である)。
ある実施形態では、メシル酸塩は、約9.2、約10.8、約13.8、約16.7、約17.3、約18.4、約18.7、約19.9、約20.6、約21.4、約22.1、約22.3、約22.6、約22.9、約24.1、および約32.1度 2シータから選択される1つ以上のx線粉末回折ピークを有すると特徴付けられる。ある実施形態では、塩は、3つ以上のピークを有する。ある実施形態では、塩は、5つ以上のピークを有する。
ある実施形態では、メシル酸塩は、DSCにおいて180℃±1℃で発生する吸熱ピークを示す。ある実施形態では、メシル酸塩は、DSCにおいて30℃〜200℃で1.0%未満の重量損失を示す。ある実施形態では、メシル酸塩は、無水物である。
ある実施形態では、Rは、Clである(すなわち、塩は、塩化物である)。
ある実施形態では、塩化物塩は、約4.6、約9.26、約11.0、約12.6、約13.2、約13.8、約16.5、約19.0、約20.8、約22.0、約22.4、約22.7、約24.2、約25.0、および約33.4度 2シータから選択される1つ以上のx線粉末回折ピークを有すると特徴付けられる。ある実施形態では、塩は、3つ以上のピークを有する。ある実施形態では、塩は、5つ以上のピークを有する。
ある実施形態では、Rは、4−MePhSO である(すなわち、塩は、トシル化物である)。
ある実施形態では、トシル酸塩は、約4.5、約9.0、約10.3、約10.5、約10.7、約11.1、約11.7、約13.6、約14.3、約17.1、約17.3、約17.6、約18.5、約18.9、約19.0、約19.2、約19.8、約20.1、約20.4、約20.8、約21.4、約21.8、約22.4、約22.6、約23.4、約24.3、約25.1、約26.0、約26.3、約27.2、約27.4、および約28.2度 2シータから選択される1つ以上のx線粉末回折ピークを有すると特徴付けられる。ある実施形態では、塩は、3つ以上のピークを有する。ある実施形態では、塩は、5つ以上のピークを有する。
ある実施形態では、トシル酸塩は、DSCにおいて185℃±1℃で発生する吸熱ピークを示す。ある実施形態では、トシル酸塩は、DSCにおいて30℃〜200℃で1.0%未満の重量損失を示す。ある実施形態では、トシル酸塩は、無水物である。
ある実施形態では、Rは、HSO である(すなわち、塩は、硫酸塩である)。
固体の化合物
Figure 0006976248
またはその多形体もまた、提供される。ある実施形態では、化合物またはその多形体は、結晶である。
ある実施形態では、多形体は、多形体Aである。
ある実施形態では、多形体は、多形体Bである。
ある実施形態では、多形体は、多形体Cである。
ある実施形態では、多形体は、多形体Dである。
化合物の固体の多形体D
Figure 0006976248
が、本明細書において提供される。
ある実施形態では、多形体Dは、約4.0、約8.0、約11.6、約11.9、約14.9、約15.9、約17.6、約19.9、約20.2、約22.4、約23.7、および約23.9度 2シータから選択される1つ以上のx線粉末回折ピークを有すると特徴付けられる。ある実施形態では、多形体Dは、3つ以上のピークを有する。ある実施形態では、多形体Dは、5つ以上のピークを有する。
ある実施形態では、多形体Dは、DSCにおいて197℃±1℃で発生する吸熱ピークを示す。ある実施形態では、多形体Dは、無水物である。ある実施形態では、多形体Dは、DSCにおいて30℃〜200℃で1%未満の重量損失を示す。
本明細書において詳述される化合物、塩、溶媒和化合物、または多形体および薬学的に許容され得るキャリヤ、補助剤、またはビヒクルを含む組成物もまた、提供される。
生物学的サンプルにおけるGLS1活性を阻害するための方法であって、生物学的サンプルを、本明細書において詳述される化合物、塩、溶媒和化合物、または多形体と接触させることを含む方法もまた、提供される。
その必要がある対象においてGLS1が媒介する障害を処置するための方法であって、本明細書において詳述される化合物、塩、溶媒和化合物、または多形体を対象に投与するステップを含む方法もまた、提供される。
ある実施形態では、対象は、ヒトである。
ある実施形態では、GLS1が媒介する障害は、癌、免疫学的障害、および神経障害から選択される。
ある実施形態では、GLS1が媒介する障害は、癌である。
ある実施形態では、癌は、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、副腎皮質癌、エイズ関連癌(カポジ肉腫およびリンパ腫)、肛門癌、虫垂癌、異型奇形/ラブドイド腫瘍、基底細胞癌、胆管癌(肝外を含む)、膀胱癌、骨癌(骨肉腫および悪性線維性組織球腫を含む)、脳腫瘍(星状細胞腫、脳および脊髄の腫瘍、脳幹神経膠腫、中枢神経系異型奇形/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胚芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣芽腫、脳室上衣腫、髄芽腫、髄上皮腫、中間型松果体実質腫瘍、テント上原始神経外胚葉腫瘍、ならびに松果体芽腫など)、乳癌、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、基底細胞癌、胆管癌(肝外を含む)、膀胱癌、骨癌(骨肉腫および悪性線維性組織球腫を含む)、カルチノイド腫瘍、未知の原発性中枢神経系の癌(異型奇形/ラブドイド腫瘍、胚芽腫、およびリンパ腫など)、子宮頸癌、小児癌、脊索腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖症候群、結腸癌、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫(菌状息肉腫およびセザリー症候群)、胆管(肝外)、非浸潤性乳管癌(DCIS)、胚芽腫(中枢神経系)、子宮内膜癌、上衣芽腫、脳室上衣腫、食道癌、神経上皮腫、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、眼癌(眼球内黒色腫、網膜芽細胞腫のような)、骨の線維性組織球腫(悪性および骨肉腫を含む)、胆嚢癌、胃部の(胃)癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質性腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍(頭蓋外、性腺外、卵巣)、妊娠性絨毛性腫瘍、神経膠腫、ヘアリー細胞白血病、頭頸部癌、心臓癌、肝細胞(肝)癌、組織球増殖症、ランゲルハンス細胞、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼球内黒色腫、島細胞腫(内分泌、膵臓)、カポジ肉腫、腎臓(腎細胞を含む)、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、喉頭癌、白血病(急性リンパ性(ALL)、急性骨髄性(AML)、慢性リンパ性(CLL)、慢性骨髄性(CML)、ヘアリー細胞を含む)、口唇および口腔の癌、肝癌(原発性)、非浸潤性小葉癌(LCIS)、肺癌(非小細胞および小細胞)、リンパ腫(エイズ関連、バーキット、皮膚T細胞(菌状息肉腫およびセザリー症候群)、ホジキン、非ホジキン、原発性中枢神経系(CNS)、マクログロブリン血症、ワルデンシュトレーム、男性の乳癌、骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫(眼球内(眼)を含む)、メルケル細胞癌、中皮腫(悪性)、原発不明転移性扁平上皮性頸部癌、NUT遺伝子が関与する正中線上の癌、口癌、多発性内分泌腺腫症、多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/脊髄増殖性腫瘍、骨髄性白血病、慢性(CML)、骨髄性白血病、急性(AML)、骨髄腫および多発性骨髄腫、骨髄増殖性障害(慢性)、鼻腔および副鼻腔の癌、鼻咽腔癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、口の癌、口腔癌、口唇および中咽頭の癌、骨肉腫および骨の悪性線維性組織球腫、卵巣癌(上皮、胚細胞腫瘍、および低悪性度腫瘍など)、膵癌(島細胞腫を含む)、乳頭腫症、傍神経節腫、副鼻腔および鼻腔の癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、中間型松果体実質腫瘍、松果体芽腫およびテント上原始神経外胚葉腫瘍、下垂体部腫瘍、形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、妊娠および乳癌、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、前立腺癌、直腸癌、腎細胞(腎臓)癌、腎盂および尿管、移行上皮癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、カポジ、軟部組織、子宮のような)、セザリー症候群、皮膚癌(黒色腫、メルケル細胞癌、非黒色腫など)、小細胞肺癌、小腸癌、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、原発不明扁平上皮性頸部癌、転移性、胃(胃部の)癌、テント上原始神経外胚葉腫瘍、T細胞リンパ腫(皮膚、菌状息肉腫、およびセザリー症候群)、精巣癌、喉頭癌、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺癌、腎盂および尿管の移行上皮癌、絨毛性腫瘍(妊娠性)、小児期の未知の原発性でまれな癌、尿管および腎盂、移行上皮癌、尿道癌、子宮癌、子宮内膜、子宮肉腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ならびにウィルムス腫瘍、またはその変種から選択される。
その必要がある対象においてGLS1が媒介する障害を処置するための方法であって、本明細書において詳述される化合物、塩、溶媒和化合物、または多形体および別の治療剤の連続または同時投与を含む方法もまた、本明細書において提供される。
ある実施形態では、治療剤は、タキサン、bcr−ablの阻害剤、EGFRの阻害剤、DNAに損傷を与える作用物質、および代謝拮抗物質から選択される。
ある実施形態では、治療剤は、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アスパラギナーゼ、bcg、ビカルタミド、ブレオマイシン、ブセレリン、ブスルファン、カンプトセシン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブチル、クロロキン、シスプラチン、クラドリビン、クロドロネート、コルヒチン、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デメトキシビリジン、ジクロロアセタート、ジエネストロール、ジエチルスチルベストロール、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エベロリムス、エキセメスタン、フィルグラスチム、フルダラビン、フルドロコルチゾン、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、ゲムシタビン、ゲニステイン、ゴセレリン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、インターフェロン、イリノテカン、イロノテカン、レトロゾール、ロイコボリン、リュープロリド、レバミソール、ロムスチン、ロニダミン、メクロレタミン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトホルミン、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ニルタミド、ノコダゾール、オクトレオチド、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート、ペントスタチン、ペリホシン、プリカマイシン、ポルフィマー、プロカルバジン、ラルチトレキセド、リツキシマブ、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、スラミン、タモキシフェン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テストステロン、チオグアニン、チオテパ、チタノセンジクロリド、トポテカン、トラスツズマブ、トレチノイン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンから選択される。
ある実施形態では、治療剤は、ドセタキセルである。
ある実施形態では、方法は、癌処置の非化学的な方法を施すことをさらに含む。
ある実施形態では、方法は、放射線療法を施すことをさらに含む。
ある実施形態では、方法は、外科手術、熱焼灼術、集束超音波療法、凍結療法、またはその任意の組み合わせを施すことをさらに含む。
ヒト療法において使用するための、本明細書において詳述される化合物、塩、溶媒和化合物、または多形体もまた、本明細書において提供される。
GLS1が媒介する疾患を処置するのに使用するための、本明細書において詳述される化合物、塩、溶媒和化合物、または多形体もまた、本明細書において提供される。
GLS1が媒介する疾患を処置するための医薬の製造のための、本明細書において詳述される化合物、塩、溶媒和化合物、または多形体の使用もまた、本明細書において提供される。
略語および定義
本開示についての理解を容易にするために、本明細書において使用される多くの用語および略語を以下のように下記に定義する。
本開示またはその好ましい実施形態のエレメントを導入する場合、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、および「前記」は、1つ以上のエレメントがあることを意味することが意図される。用語「含む」、「含む」、および「有する」は、包括的であることが意図され、列挙されるエレメント以外にさらなるエレメントがあってもよいことを意味する。
2つ以上のアイテムを列挙するのに使用される用語「および/または」は、列挙されるアイテムの任意の1つを単独でまたは任意の1つ以上の列挙されるアイテムと組み合わせて用いることができることを意味する。たとえば、「Aおよび/またはB」という表現は、AおよびBのどちらかまたは両方、すなわち、Aのみ、Bのみ、またはAおよびBを組み合わせてを意味することが意図される。「A、B、および/またはC」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを組み合わせて、AおよびCを組み合わせて、BおよびCを組み合わせて、またはA、B、およびCを組み合わせてを意味することが意図される。
値の範囲が開示され、表記「n〜...n」または「n...およびnの間」が使用される場合、nおよびnが数である場合、他に指定のない限り、この表記は、その数自体およびそれらの間の範囲を含むことが意図される。この範囲は、末端の値を含めて、また、末端の値の間で整数であってもよいまた連続していてもよい。例として、炭素が整数単位で生じるので、「2〜6個の炭素」という範囲は、2、3、4、5、および6個の炭素を含むことが意図される。比較すると、例として、「1〜3μM(マイクロモル)」という範囲は、1μM、3μM、および有効数字の任意の数の中間にあるすべての数(たとえば1.255μM、2.1μM、2.9999μMなど)を含むことが意図される。
本明細書において使用される用語「約」は、それが修飾する数値の範囲を広げ、誤差範囲内の変数のような値を示すことが意図される。データの図または表において示される平均値に対する標準偏差などのような特定の誤差範囲が詳述されない場合、用語「約」は、詳述される値を包含する範囲および有効数字を考慮し、そのうえその桁を切り上げるまたは切り下げることによって含まれる範囲を意味することが理解されるべきである。
本明細書におけるいかなる定義も、複合構造の基を説明するために任意の他の定義と組み合わせて使用されてもよい。慣習によって、任意のそのような定義の末尾の(trailing)エレメントは、親成分に付加されるエレメントとなる。たとえば、複合基アルキルアミドは、アミド基を通して親分子に付加されるアルキル基を示し、アルコキシアルキルという用語は、アルキル基を通して親分子に付加されるアルコキシ基を示す。
不斉中心は、本明細書において開示される化合物中に存在する。これらの中心は、不斉炭素原子のまわりの置換基の立体配置に依存して、記号「R」または「S」によって示される。本開示は、ジアステレオマー形態、鏡像異性体形態、およびエピマー形態ならびにd−異性体およびl−異性体、ならびにその混合物を含む立体化学的異性体の形態をすべて包含することが理解されたい。化合物の個々の立体異性体は、キラル中心を含有する市販で入手可能な出発物質から合成してまたはジアステレオマーの混合物への変換、その後に続く分離または再結晶、クロマトグラフィー技術、キラルクロマトグラフィーカラム上での鏡像異性体の直接的な分離、もしくは当技術分野において知られている任意の他の適切な方法などのような、鏡像異性体産物の混合物の調製、その後に続く分離によって、調製することができる。特定の空間的配置をした出発化合物は、市販で入手可能であるまたは当技術分野において知られている技術によって作製し、分析することができる。そのうえ、本明細書において開示される化合物は、幾何異性体として存在してもよい。本開示は、シス、トランス、シン、アンチ、エントゲゲン(entgegen)(E)、およびツザメン(zusammen)(Z)異性体、ならびにその適切な混合物をすべて含む。そのうえ、化合物は、互変異性体として存在してもよく、すべての互変異性異性体が、本開示によって提供される。そのうえ、本明細書において開示される化合物は、水、エタノール、およびその他同種のものなどのような薬学的に許容され得る溶媒と共に、非溶媒和および溶媒和形態で存在することができる。一般に、溶媒和形態は、非溶媒和形態と等価であると考えられる。
本明細書において使用される用語「疾患」は、すべてが、正常な機能を損なっているヒトもしくは動物の体またはその一部分のうちの1つの異常状態を反映し、典型的に、症候および症状を識別することによって明らかにされ、ヒトまたは動物に、生存期間またはクオリティー・オブ・ライフの低下を引き起こすという点で、用語「障害」、「症候群」、および「状態」(医学的状態におけるような)と概して同義であることが意図され、それらと区別なく使用される。
用語「併用療法」は、本開示において記載される治療上の状態または障害を治療するための、2つ以上の治療剤の投与を意味する。そのような投与は、一定の比の活性成分を有する単一のカプセルにおいてまたはそれぞれの活性成分について複数の別々のカプセルにおいてなどのように、実質的に同時の方法でのこれらの治療剤の同時投与を包含する。そのうえ、そのような投与はまた、連続した方法でのそれぞれのタイプの治療剤の使用をも包含する。どちらの場合も、治療レジメンは、本明細書において記載される状態または障害を処置する際に薬剤併用の有益な効果をもたらすであろう。
GLS1阻害剤は、概して本明細書において下記に記載されるGLS1酵素アッセイにおいて測定されるように、約100μM以下、より典型的には約50μM以下のGLS1活性に関するIC50を示す化合物を指すために本明細書において使用される。IC50は、酵素(たとえばGLS1)の活性を最大半量レベルまで低下させる阻害剤の濃度である。本明細書において開示されるある化合物は、GLS1に対して阻害を示すことが発見された。本明細書において記載されるGLS1結合アッセイにおいて測定されるように、ある実施形態では、化合物は、約10μM以下のGLS1に関するIC50を示し、さらなる実施形態では、化合物は、約5μM以下のGLS1に関するIC50を示し、さらなる実施形態では、化合物は、約1μM以下のGLS1に関するIC50を示し、さらなる実施形態では、化合物は、約200nM以下のGLS1に関するIC50を示すであろう。
語句「治療的に有効な」は、疾患もしくは障害の処置において使用されるまたは臨床上のエンドポイントの達成に関する活性成分の量の範囲を広げることが意図される。
用語「治療的に許容され得る」は、過度の毒性、刺激作用、およびアレルギー応答を伴うことなく患者の組織に接する使用に適しており、妥当なベネフィット/リスク比と釣り合っており、それらの意図される使用に有効である化合物(または塩、プロドラッグ、互変異性体、両性イオン形態など)を指す。
本明細書において使用されるように、患者の「処置」への言及は、予防処置を含むことが意図される。処置はまた、本質的に予防であってもよい、すなわち、処置は、疾患の予防を含んでいてもよい。疾患の予防は、たとえば、病原体による感染の予防の場合でのように、疾患からの完全な保護を含んでいてもよいまたは疾患進行の予防を含んでいてもよい。たとえば、疾患の予防は、任意のレベルの疾患に関係する任意の影響の完全な除外を意味しなくてもよいが、その代わりに、臨床的に有意なまたは検出可能なレベルに至る疾患の症状の予防を意味してもよい。疾患の予防はまた、疾患の末期のステージまでの疾患の進行の予防を意味してもよい。
用語「患者」は、用語「対象」と概して同義であり、ヒトを含む哺乳動物をすべて含む。患者の例は、ヒト、雌ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、およびウサギなどのような家畜(家畜動物)、ならびにイヌ、ネコ、ウサギ、およびウマなどのような伴侶動物を含む。好ましくは、患者は、ヒトである。
用語「プロドラッグ」は、インビボにおいてより活性になる化合物を指す。本明細書において開示されるある化合物はまた、Hydrolysis in Drug and Prodrug Metabolism:Chemistry,Biochemistry,and Enzymology(Testa,Bernard and Mayer,Joachim M.Wiley−VHCA,Zurich,Switzerland 2003)において記載されるように、プロドラッグとして存在してもよい。本明細書において記載される化合物のプロドラッグは、化合物をもたらすために生理学的条件下で化学変化を直ちに受ける、化合物の構造的に修飾された形態である。そのうえ、プロドラッグは、エクスビボ環境において化学的または生化学的な方法によって化合物に変換することができる。たとえば、プロドラッグは、適した酵素または化学試薬を有する経皮パッチリザーバー中に置かれた場合、化合物にゆっくりと変換することができる。プロドラッグは、いくつかの状況で、それらが化合物または親薬剤よりも投与するのがより容易となり得るので、有用であることが多い。それらは、たとえば、経口投与によって生物学的に利用可能であってもよいが、親薬剤はそうではない。プロドラッグはまた、親薬剤に対して、医薬組成物中での溶解性が改善されていてもよい。種々様々のプロドラッグ誘導体は、プロドラッグの加水分解または酸化的活性化に依存するものなどのように、当技術分野において知られている。プロドラッグの例は、限定を伴うことなく、エステル(「プロドラッグ」)として投与される化合物になるであろうが、その後、カルボン酸、活性な実体に代謝的に加水分解される。さらなる例は、化合物のペプチジル誘導体を含む。
本明細書において開示される化合物は、治療的に許容され得る塩として存在することができる。本開示は、酸付加塩を含む塩の形態をした上記に列挙される化合物を含む。適した塩は、有機酸および無機酸の両方により形成されたものを含む。そのような酸付加塩は、通常、薬学的に許容され得るであろう。しかしながら、薬学的に許容され得ない塩の塩は、論議されている化合物の調製および精製において有益であってもよい。塩基付加塩もまた、形成され、薬学的に許容され得るものであってもよい。塩の調製および選択のより十分な議論については、Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use(Stahl,P.Heinrich.Wiley−VCHA,Zurich,Switzerland,2002)を参照されたい。
本明細書において使用される用語「治療的に許容され得る塩」は、水溶性もしくは油溶性でありまたは分散質であり、本明細書において定義されるように治療的に許容され得る本明細書において開示される化合物の塩または両性イオン形態を示す。塩は、化合物の最終的な単離および精製の間にまたは適した酸と遊離塩基の形態をした適切な化合物を反応させることによって別々に調製することができる。代表的な酸付加塩は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、L−アスコビル酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩(HSO )、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、二グルコン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、ゲンチシン酸塩、グルタル酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩(HCl、塩化物、Cl)、臭化水素酸塩(HBr、臭化物、Br)、ヨウ化水素酸塩(HI、ヨウ化物、I)、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、DL−マンデル酸塩、メシチレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩、MsOH、MeSOH、CHSOH、CHSO )、ナフチレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩(NO )、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロプリオナート(3−phenylproprionate)、ホスホン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ピログルタミン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩(SO 2−)、スルホン酸塩、酒石酸塩、L−酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、パラ−トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩、TsOH、Ts、p−トシル酸塩、メチルベンゼンスルホン酸塩、4−MePhSO )、フェニルスルホン酸塩(PhSO )、HOSOCHCHSO OSOCHCHSO 、およびウンデカン酸塩を含む。酸付加塩は、塩を形成するために使用される酸または塩中に存在するアニオンに関して名付けることができる。したがって、たとえば「塩化物塩」および「塩酸塩」という用語は、同じ塩を示すことが理解される。また、本明細書において開示される化合物における塩基性の基は、メチル、エチル、プロピル、およびブチル塩化物、臭化物、ならびにヨウ化物;ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミル硫酸塩;デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステリル塩化物、臭化物、ならびにヨウ化物;ならびにベンジルおよびフェネチル臭化物により四級化することができる。治療的に許容され得る付加塩を形成するために用いることができる酸の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、およびリン酸などのような無機酸ならびにシュウ酸、マレイン酸、コハク酸、およびクエン酸などのような有機酸を含む。塩はまた、アルカリ金属イオンまたはアルカリ土類イオンとの化合物の配位によって形成することもできる。よって、本開示は、本明細書において開示される化合物のナトリウム、カリウム、マグネシウム、およびカルシウム塩ならびにその他同種のものを企図する。
塩基付加塩は、金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、もしくは重炭酸塩などのような適した塩基とまたはアンモニアまたは有機第一級、第二級、もしくは第三級アミンとカルボキシ基を反応させることによって、化合物の最終的な単離および精製の間に調製することができる。治療的に許容され得る塩のカチオンは、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアルミニウムならびにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N−ジベンジルフェネチルアミン、1−エフェナミン、およびN,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどのような無毒な第四級アミンカチオンを含む。塩基付加塩の形成に有用な他の代表的な有機アミンは、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、およびピペラジンを含む。
化合物の塩は、適切な酸と、遊離塩基の形態をした適切な化合物を反応させることによって作製することができる。
化合物
本開示は、化合物
Figure 0006976248
またはその塩、溶媒和化合物、もしくは多形体を提供する。
化合物
Figure 0006976248
またはその塩、溶媒和化合物、もしくは多形体もまた、提供される。
化合物
Figure 0006976248
またはその塩、溶媒和化合物、もしくは多形体もまた、提供される。
本明細書において開示される構造式Iの塩またはその実施形態もまた、提供される。
ある実施形態では、化合物、その塩、または多形体は、
Figure 0006976248
Figure 0006976248
から選択される。
医薬組成物
本開示の化合物が未加工の化学物質として投与されることが可能であってもよいが、医薬製剤として本開示の化合物を提供することもまた、可能である。したがって、本明細書において開示される1つ以上のある化合物またはその1つ以上の薬学的に許容され得る塩、エステル、プロドラッグ、アミド、もしくは溶媒和化合物を、その1つ以上の薬学的に許容され得るキャリヤおよび任意選択で1つ以上の他の治療上の成分と一緒に含む医薬製剤が、本明細書において提供される。キャリヤは、製剤の他の成分と適合性で、そのレシピエントに有害ではないという意味で「許容され得る」ものでなければならない。適切な製剤は、選択される投与ルートに依存性である。よく知られている技術、キャリヤ、および賦形剤のいずれも、適したものとして、かつ当技術分野において、たとえばRemington’s Pharmaceutical Sciencesにおいて理解されるように使用されてもよい。本明細書において開示される医薬組成物は、当技術分野において知られている任意の方法で、たとえば、従来の混合、溶解、造粒、糖剤作製、研和、カプセル化、乳化、封入、または圧縮プロセスによって、製造されてもよい。
製剤は、経口、非経口(皮下、皮内、筋肉内、静脈内、関節内、および髄内を含む)、腹腔内、経粘膜、経皮、直腸、ならびに局所(皮膚、頬、舌下、および眼内を含む)投与に適したものを含むが、最も適したルートは、たとえばレシピエントの状態および障害に依存してもよい。製剤は、単位剤形で好都合に提示され、薬学の技術においてよく知られている方法のいずれかによって調製されてもよい。典型的に、これらの方法は、本開示の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、エステル、アミド、プロドラッグ、もしくは溶媒和化合物(「活性成分」)を、1つ以上の補助成分を構成するキャリヤと混ぜるステップを含む。一般に、製剤は、活性成分を、液体キャリヤもしくは細かく分割された固体キャリヤまたはその両方と均一にかつ完全に混ぜ、その後、必要であれば、産物を所望の製剤に形づくることによって調製される。
本明細書において記載される化合物は、以下のように投与することができる。
経口投与
本発明の化合物は、えん下を含めて、経口的に投与されてもよく、したがって、化合物は、胃腸管に入るまたは舌下もしくは頬投与を含めて、口から血流の中に直接吸収される。
経口投与に適した組成物は、錠剤、丸剤、カシェ剤、ロゼンジ、および液体、ゲル、粉末、または顆粒剤を含有することができる硬または軟カプセル剤などのような固体製剤を含む。
錠剤またはカプセルの投薬形態において、存在する薬剤の量は、投薬形態の約0.05重量%〜約95重量%、より典型的には、約2重量%〜約50重量%であってもよい。
そのうえ、錠剤またはカプセルは、投薬形態の約0.5重量%〜約35重量%、より典型的には、約2%〜約25%を含む崩壊剤を含有してもよい。崩壊剤の例は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたはカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、およびその他同種のものを含む。
錠剤中で使用するための適したバインダーは、ゼラチン、ポリエチレングリコール、糖、ガム、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、およびその他同種のものを含む。錠剤中で使用するための適した希釈剤は、マンニトール、キシリトール、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、およびデンプンを含む。
錠剤またはカプセル中で使用するための適した表面活性剤および滑剤は、約0.1重量%〜約3重量%の量で存在してもよく、ポリソルベート80、ドデシル硫酸ナトリウム、滑石、および二酸化ケイ素を含んでいてもよい。
錠剤またはカプセル中で使用するための適した潤滑剤は、約0.1重量%〜約5重量%の量で存在してもよく、ステアリン酸カルシウム、亜鉛、またはマグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、およびその他同種のものを含んでいてもよい。
錠剤は、任意選択で1つ以上の補助成分と共に、圧縮または成形によって作製されてもよい。圧縮錠は、粉剤または顆粒剤などのような易流動性の形態をした活性成分を適した機械において圧縮することによって調製され、バインダー、不活性希釈剤、または潤滑性剤、表面活性剤、もしくは分散剤と任意選択で混合されてもよい。成型錠剤は、液体希釈剤により湿らせた粉末化合物の混合物を適した機械において成型することによって作製されてもよい。色素または顔料は、活性化合物の用量の様々な組み合わせの同定のためにまたはそれを特徴付けるために、錠剤に追加されてもよい。
液体製剤は、乳剤、液剤、シロップ、エリキシル剤、および懸濁剤を含むことができ、これらは、軟または硬カプセル剤中に使用することができる。そのような製剤は、薬学的に許容され得るキャリヤ、たとえば水、エタノール、ポリエチレングリコール、セルロース、または油を含んでいてもよい。製剤はまた、1つ以上の乳化剤および/または懸濁化剤を含んでいてもよい。
経口投与のための組成物は、任意選択で腸溶コーティングと共に、遅効または徐放を含む即時放出または放出調節として製剤されてもよい。
別の実施形態では、医薬組成物は、治療有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩および薬学的に許容され得るキャリヤを含む。
非経口投与
本発明の化合物は、注射によって、たとえばボーラス注射または連続注入によって、血流、筋肉、または内臓の中に直接投与されてもよい。非経口投与に適した手段は、静脈内、筋肉内、皮下、動脈内、腹腔内、髄腔内、頭蓋内、およびその他同種のものを含む。非経口投与に適したデバイスは、注射器(針があるおよび針がない注射器を含む)ならびに注入方式を含む。製剤は、単位用量または複数回用量の容器、たとえば密封されたアンプルおよびバイアルにおいて提示されてもよい。
ほとんどの非経口製剤は、塩、緩衝剤、懸濁化剤、安定化剤、および/または分散剤、抗酸化物質、静菌薬、保存剤、ならびに対象とするレシピエントの血液と製剤を等張にする溶質ならびに炭水化物を含む賦形剤を含有する水溶液である。
非経口製剤はまた、脱水形態(たとえば冷凍乾燥によって)でまたは滅菌非水性液剤として調製されてもよい。これらの製剤は、滅菌水などのような適したビヒクルと共に使用することができる。溶解度を増強する作用物質もまた、非経口液の調製で使用されてもよい。
非経口投与のための組成物は、遅効または徐放を含む即時放出または放出調節として製剤されてもよい。化合物はまた、デポー調製物として製剤されてもよい。そのような長時間作用型の製剤は、移植(たとえば皮下にもしくは筋肉内に)または筋肉内注射によって投与されてもよい。したがって、たとえば、化合物は、適したポリマーもしくは疎水性材料(たとえば許容され得る油中の乳剤として)またはイオン交換樹脂によりまたはわずかに可溶性の誘導体として、たとえば、わずかに可溶性の塩として製剤されてもよい。
局所投与
本発明の化合物は、局所的に(たとえば皮膚、粘膜、耳、鼻、または眼に)または経皮的に投与されてもよい。局所投与のための製剤は、ローション、液剤、クリーム、ゲル、ヒドロゲル、外用薬、気泡、移植片、パッチ、およびその他同種のものを含むことができるが、これらに限定されない。局所投与製剤のための薬学的に許容され得るキャリヤは、水、アルコール、鉱油、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびその他同種のものを含むことができる。局所投与はまた、たとえばエレクトロポレーション、イオン導入、フォノフォレシス、およびその他同種のものによって実行することができる。
典型的に、局所投与用の活性成分は、製剤のうち0.001%〜10%w/w(重量による)含まれていてもよい。ある実施形態では、活性成分は、製剤のうち10%w/w;5%w/w未満;2%w/w〜5%w/w;または0.1%〜1%w/w含まれていてもよい。
局所投与のための組成物は、遅効または徐放を含む即時放出または放出調節として製剤されてもよい。
直腸、頬、および舌下投与
本発明の化合物の直腸内投与のための坐剤は、通常の温度では固体であるが、直腸温では液体であり、そのため、直腸中で溶け、薬剤を放出するであろうカカオバター、合成モノ、ジ、もしくはトリグリセリド、脂肪酸、またはポリエチレングリコールなどのような適した非刺激性の賦形剤と活性剤を混合することによって、調製することができる。
頬または舌下投与については、組成物は、従来の方法で製剤される錠剤、ロゼンジ、香錠、またはゲルの形態を取ってもよい。そのような組成物は、スクロースおよびアラビアゴムまたはトラ癌トなどのような風味をつけたベース中に活性成分を含んでいてもよい。
吸入による投与
吸入による投与については、化合物は、注入器、ネブライザー加圧パック、またはエアロゾルスプレーもしくは粉剤を送達する他の好都合な手段から好都合に送達されてもよい。加圧パックは、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適したガスなどのような適した噴射剤を含んでいてもよい。加圧エアロゾルの場合には、投薬ユニットは、測定量を送達するためのバルブを提供することによって決定されてもよい。その代わりに、吸入またはガス注入による投与については、本開示による化合物は、乾燥粉剤組成物、たとえば、化合物およびラクトースまたはデンプンなどのような適した粉剤基剤の粉剤ミックスの形態を取ってもよい。粉剤組成物は、たとえば、粉剤が吸入器または注入器の援助により投与されてもよいカプセル、カートリッジ、ゼラチン、ブリスター包装において単位剤形で提示されてもよい。
製薬技術において知られている他のキャリヤ物質および投与のモードもまた、使用されてもよい。本発明の医薬組成物は、有効な製剤および投与の手順などのような製薬のよく知られている技術のいずれかによって調製されてもよい。好ましい単位投薬製剤は、活性成分の本明細書において詳述される有効用量またはその適切な一部分を含有するものである。患者に投与される化合物の正確な量は、主治医の責任になるであろう。任意の特定の患者に対する特定の用量レベルは、用いられる特定の化合物の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事制限、投与の時間、投与のルート、排泄の速度、薬剤併用、処置されている正確な障害、および処置されている徴候または状態の重症度を含む様々な因子に依存するであろう。そのうえ、投与ルートは、状態およびその重症度に依存して変動してもよい。有効な製剤および投与の手順に関する上記の考慮は、当技術分野においてよく知られており、標準的な教科書に記載されている。薬剤の製剤は、たとえばHoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1975;Liberman,et al.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980;およびKibbe,et al.,Eds.,Handbook of Pharmaceutical Excipients(3rd Ed.),American Pharmaceutical Association,Washington,1999において論じられている。
処置の方法
本開示は、グルタミナーゼ活性、特にGLS1活性を阻害し、したがって、GLS1に関連する障害の処置または予防において有用である化合物および医薬組成物を提供する。本開示の化合物および医薬組成物は、GLS1を選択的に調整し、したがって、GLS1に関連する一連の障害の処置または予防において有用であり、GLS1に関連する癌、免疫学的疾患、または神経疾患を含むが、これらに限定されない。
神経障害
いくつかの実施形態では、本開示の化合物および医薬組成物は、神経疾患の処置または予防において有用であってもよい。
最も一般的な神経伝達物質は、グルタミナーゼを介したグルタミンの酵素的変換に由来するグルタミン酸である、高レベルのグルタミン酸は、神経毒性であることが示された。ニューロンに対する外傷性の傷害後に、神経伝達物質放出、特にグルタミン酸が上昇する。したがって、グルタミナーゼの阻害は、卒中などのような虚血性の傷害後の処置の手段として仮定された。
ハンチントン病は、進行性の致命的な神経学的状態である。ハンチントン病の遺伝子マウスモデルでは、疾患の初期症状発現が、グルタミン酸放出調節異常と相関したことが観察された(Raymond et al.,Neuroscience,2011)。HIVに関連する認知症では、HIV感染マクロファージが、グルタミナーゼ活性のアップレギュレートおよびグルタミン酸放出の増加を示し、ニューロンの損傷をもたらした(Huang et al.,J.Neurosci.,2011)。同様に、別の神経疾患では、Rett症候群における活性化ミクログリアは、グルタミン酸を放出し、ニューロンの損傷を引き起こす。過剰なグルタミン酸の放出は、グルタミナーゼのアップレギュレーションに関連した(Maezawa et al.,J.Neurosci,2010)。グルタミナーゼレベルを低下させるように飼育したマウスでは、アンフェタミンなどのような精神刺激薬に対する感受性が、劇的に低下し、したがって、グルタミナーゼ阻害が、統合失調症の処置において有益であるかもしれないことを示唆する(Gaisler−Salomon et al.,Neuropsychopharmacology,2009)。双極性障害は、そう病およびうつ病の反復性エピソードによって特徴づけられる破壊的な疾病である。この疾患は、リチウムおよびバルプロエートなどのような気分安定薬により処置されるが、これらの薬剤の長期的な使用は、グルタミン酸受容体の存在量を増加させるように思われ(Nanavati et al.,J.Neurochem.,2011)、これは、次第に、薬剤の有効性の減少をもたらすかもしれない。したがって、代替の処置は、グルタミナーゼを阻害することによってグルタミン酸の量を低下させることであってもよい。これは、気分安定薬と共に用いてもよいし、用いなくてもよい。N−メチル−D−アスパラギン酸受容体(NMDAR)の部分的なアンタゴニストであるメマンチンは、アルツハイマー病の処置における承認治療薬である。現在、研究が行われており、血管性認知症およびパーキンソン病を処置する手段としてメマンチンについて調べられている(Oliverares et al.,Curr.Alzheimer Res.,2011)。メマンチンは、NMDAグルタミン酸受容体をも部分的にブロックすることが示されたので、グルタミナーゼの阻害によってグルタミン酸レベルを減少させることがアルツハイマー病、血管性認知症、およびパーキンソン病をも処置することができるかもしれないと推測することは非合理的なことではない。アルツハイマー病、双極性障害、HIVに関連する認知症、ハンチントン病、虚血性傷害、パーキンソン病、統合失調症、卒中、外傷性の傷害、および血管性認知症は、グルタミン酸のレベルの増加に相関する数少ない神経疾患である。したがって、本明細書において記載される化合物によるグルタミナーゼの阻害は、神経疾患を低下させるまたは予防することができる。そのため、ある実施形態では、化合物は、神経疾患の処置または予防に使用されてもよい。
免疫学的障害
いくつかの実施形態では、本開示の化合物および医薬組成物は、免疫学的疾患の処置または予防において有用であってもよい。
Tリンパ球の活性化は、細胞成長、増殖、およびサイトカイン産生を誘発し、それによってエネルギーおよび生合成の要求を細胞に負担させる。グルタミンは、ヌクレオチド合成のためのアミン基のドナーとして果たし、グルタミン代謝における第1の構成要素であるグルタミン酸は、アミノ酸およびグルタチオンの合成において直接的な役割を果たし、エネルギー産生のためにクレブズ回路に入ることができる(Carr et al.,J.Immunol.,2010)。マイトジェンによって誘発されるT細胞増殖およびサイトカイン産生は、高レベルのグルタミン代謝を必要とし、したがって、グルタミナーゼの阻害は、免疫調整の手段として果たすかもしれない。炎症自己免疫性疾患である多発性硬化症において、活性化されたミクログリアは、グルタミナーゼのアップレギュレートを示し、放出する細胞外グルタミン酸のレベルが増加している。グルタミンレベルは、敗血症、損傷、熱傷、外科手術、および持久力の訓練によって減少する(Calder et al.,Amino Acids,1999)。こういった状況は、個人を免疫抑制の危険にさらす。実際に、通常、グルタミナーゼの遺伝子発現および酵素活性は、ともに、T細胞活性の間に増加する。骨髄移植後にグルタミンを与えた患者は、感染症の程度がより低く、移植片対宿主病が減った(Crowther,Proc.Nutr.Soc.,2009)。T細胞の増殖および活性化は、炎症性腸疾患、クローン病、敗血症、乾癬、関節炎(関節リウマチを含む)、多発性硬化症、移植片対宿主病、感染症、狼瘡、および糖尿病などのような多くの免疫学的疾患に関与する。本発明の実施形態では、本明細書において記載される化合物は、免疫学的疾患を処置するまたは予防するために使用することができる。

いくつかの実施形態では、本開示の化合物および医薬組成物は、癌の処置または予防において有用であってもよい。
タンパク質合成の基本構成要素として果たすことに加えて、アミノ酸は、細胞を増殖させるおよび分裂させるのに重要な多くのプロセスに貢献することが示されており、これは、癌細胞について特に言えることである。癌の定義はほぼすべて、増殖の調節不全に対する言及を含む。癌におけるグルタミン代謝についての多数の研究は、多くの腫瘍が、グルタミンを常に求め、消費していることを示す(Souba,Ann.Surg.,1993;Collins et al.,J.Cell.Physiol.,1998;Medina,J.Nutr.,2001;Shanware et al.,J.Mol.Med.,2011)。本発明の実施形態は、癌の処置のための本明細書において記載される化合物の使用である。
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、癌を予防するまたは処置するために使用されてもよく、癌は、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、副腎皮質癌、エイズ関連癌(カポジ肉腫およびリンパ腫)、肛門癌、虫垂癌、異型奇形/ラブドイド腫瘍、基底細胞癌、胆管癌(肝外を含む)、骨癌(骨肉腫および悪性線維性組織球腫を含む)、脳腫瘍(星状細胞腫、脳および脊髄の腫瘍、脳幹神経膠腫、中枢神経系異型奇形/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胚芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣芽腫、脳室上衣腫、髄芽腫、髄上皮腫、中間型松果体実質腫瘍、テント上原始神経外胚葉腫瘍、ならびに松果体芽腫など)、乳癌、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、基底細胞癌、胆管癌(肝外を含む)、膀胱癌、骨癌(骨肉腫および悪性線維性組織球腫を含む)、カルチノイド腫瘍、未知の原発性中枢神経系の癌(異型奇形/ラブドイド腫瘍、胚芽腫、およびリンパ腫など)、子宮頸癌、小児癌、脊索腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖症候群、結腸癌、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫(菌状息肉腫およびセザリー症候群)、胆管(肝外)、非浸潤性乳管癌(DCIS)、胚芽腫(中枢神経系)、子宮内膜癌、上衣芽腫、脳室上衣腫、食道癌、神経上皮腫、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、眼癌(眼球内黒色腫、網膜芽細胞腫のような)、骨の線維性組織球腫(悪性および骨肉腫を含む)、胆嚢癌、胃部の(胃)癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質性腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍(頭蓋外、性腺外、卵巣)、妊娠性絨毛性腫瘍、神経膠腫、ヘアリー細胞白血病、頭頸部癌、心臓癌、肝細胞(肝)癌、組織球増殖症、ランゲルハンス細胞、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼球内黒色腫、島細胞腫(内分泌、膵臓)、カポジ肉腫、腎臓(腎細胞を含む)、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、喉頭癌、白血病(急性リンパ性(ALL)、急性骨髄性(AML)、慢性リンパ性(CLL)、慢性骨髄性(CML)、ヘアリー細胞を含む)、口唇および口腔の癌、肝癌(原発性)、非浸潤性小葉癌(LCIS)、肺癌(非小細胞および小細胞)、リンパ腫(エイズ関連、バーキット、皮膚T細胞(菌状息肉腫およびセザリー症候群)、ホジキン、非ホジキン、原発性中枢神経系(CNS)、マクログロブリン血症、ワルデンシュトレーム、男性の乳癌、骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫(眼球内(眼)を含む)、メルケル細胞癌、中皮腫(悪性)、原発不明転移性扁平上皮性頸部癌、NUT遺伝子が関与する正中線上の癌、口癌、多発性内分泌腺腫症、多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/脊髄増殖性腫瘍、骨髄性白血病、慢性(CML)、骨髄性白血病、急性(AML)、骨髄腫および多発性骨髄腫、骨髄増殖性障害(慢性)、鼻腔および副鼻腔の癌、鼻咽腔癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、口の癌、口腔癌、口唇および中咽頭の癌、骨肉腫および骨の悪性線維性組織球腫、卵巣癌(上皮、胚細胞腫瘍、および低悪性度腫瘍など)、膵癌(島細胞腫を含む)、乳頭腫症、傍神経節腫、副鼻腔および鼻腔の癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、中間型松果体実質腫瘍、松果体芽腫およびテント上原始神経外胚葉腫瘍、下垂体部腫瘍、形質細胞腫瘍/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、妊娠および乳癌、原発性中枢神経系(CNS)リンパ腫、前立腺癌、直腸癌、腎細胞(腎臓)癌、腎盂および尿管、移行上皮癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫(ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、カポジ、軟部組織、子宮のような)、セザリー症候群、皮膚癌(黒色腫、メルケル細胞癌、非黒色腫など)、小細胞肺癌、小腸癌、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、原発不明扁平上皮性頸部癌、転移性、胃(胃部の)癌、テント上原始神経外胚葉腫瘍、T細胞リンパ腫(皮膚、菌状息肉腫、およびセザリー症候群)、精巣癌、喉頭癌、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺癌、腎盂および尿管の移行上皮癌、絨毛性腫瘍(妊娠性)、小児期の未知の原発性でまれな癌、尿管および腎盂、移行上皮癌、尿道癌、子宮癌、子宮内膜、子宮肉腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、またはウィルムス腫瘍の1つまたは変種である。
ある実施形態では、処置される癌は、T細胞リンパ腫およびリンパ性T細胞白血病などのような、T細胞に特有の癌である。
いくつかの実施形態では、本明細書において記載される方法は、疾患状態を処置するために使用され、治療有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容され得る塩をその必要がある対象に投与することを含み、状態は、化学療法薬および/または電離放射線に対して抵抗性を発症した癌である。
組み合わせおよび併用療法
本発明の化合物は、上記に前もって記載したものなどのような状態を処置するために、単独でまたは他の薬学的に活性な化合物と組み合わせて使用することができる。本発明の化合物および他の薬学的に活性な化合物は、同時に(同じ投薬形態でまたは別々の投薬形態で)または連続して投与することができる。したがって、一実施形態では、本発明は、治療有効量の1つ以上の本発明の化合物および1つ以上のさらなる薬学的に活性な化合物を対象に投与することによって状態を処置するための方法を含む。
別の実施形態では、本発明の1つ以上の化合物、1つ以上のさらなる薬学的に活性な化合物、および薬学的に許容され得るキャリヤを含む医薬組成物が提供される。
別の実施形態では、1つ以上のさらなる薬学的に活性な化合物は、抗癌薬、抗増殖薬、および抗炎症薬からなる群から選択される。
本明細書において記載されるGLS1阻害剤組成物はまた、処置される状態についてのそれらの治療上の評価のために選択される他の治療用試薬と組み合わせて任意選択で使用される。一般に、本明細書において記載される化合物および併用療法が用いられる実施形態では、他の作用物質は、物理的および化学的特徴が異なるため、同じ医薬組成物において投与される必要はなく、任意選択で異なるルートによって投与される。初期の投与は、一般に、確立されたプロトコールに従ってなされ、次に、観察される効果に基づいて、投薬量、投与のモード、および投与の回数が、続いて修飾される。ある場合では、別の治療剤と組み合わせて、本明細書において記載されるように、GLS1阻害剤化合物を投与することが適切である。単なる例としてであるが、GLS1阻害剤の治療上の有効性は、これもまた治療上の有益性を有する別の治療剤(治療レジメンもまた含む)の投与によって増強される。処置されている疾患、障害、または状態にかかわらず、患者が経験する全体的な有益性は、2つの治療剤を単に足したものであるか、または患者が経験する有益性は増強する(すなわち相乗効果)。その代わりに、本明細書において開示される化合物が副作用を有する場合、副作用を低下させるための作用物質を投与することは適切であるかもしれないまたは本明細書において記載される化合物の治療上の有効性は、補助剤の投与によって増強されてもよい。
治療的有効投薬量は、薬剤が併用処置で使用される場合、変動する。併用処置レジメンで使用するための薬剤および他の作用物質の治療的有効投薬量を実験的に決定するための方法は、立証されている手法である。併用処置は、患者の臨床上の管理を支援するために、様々な時間に始まり、かつ停止する定期的な処置をさらに含む。いかなる場合も、複数の治療剤(そのうちの1つは本明細書において記載されるGLS1阻害剤である)は、任意の順でまたは同時に投与されてもよい。同時の場合、複数の治療剤は、任意選択で、単一の、一体になった形態で、または複数の形態で提供される(単なる例としてであるが、単一の丸剤としてまたは2つの別々の丸剤として)。
いくつかの実施形態では、治療剤のうちの1つは、複数回の用量で与えられるか、または両方とも複数回の用量として与えられる。同時でない場合、複数回の用量の間のタイミングは、0週間超〜12週間未満まで任意選択で変動する。
そのうえ、併用方法、組成物、および製剤は、2つの作用物質のみの使用に限定されることはなく、複数の治療の組み合わせの使用もまた、想定される。軽減が試みられる状態を処置する、予防する、または寛解させる投薬レジメンは、様々な因子に従って任意選択で修飾されることが理解される。これらの因子は、対象が罹患している障害ならびに対象の年齢、体重、性別、食事、および医学的状態を含む。したがって、実際に用いられる投薬レジメンは、広く変動し、いくつかの実施形態では、そのため、本明細書において示される投薬レジメンから逸脱する。
本明細書において開示される併用療法を構成する医薬品は、任意選択で、併用投薬形態をしているまたは実質的に同時に投与することが意図される別々の投薬形態をしている。併用療法を構成する医薬品はまた、任意選択で連続して投与され、どちらの作用物質も、2段階の投与を必要とするレジメンによって投与される。2段階の投与レジメンは、任意選択で、活性剤の連続投与または別々の活性剤の間隔を置いた投与を必要とする。複数の投与ステップの間の時間は、医薬品の効力、溶解度、生物学的利用率、血漿半減期、および動態学的プロファイルなどのようなそれぞれの医薬品の特性に依存して、数分〜数時間の範囲にわたる。
別の実施形態では、GLS1阻害剤は、患者にさらなる有益性をもたらす手順と組み合わせて任意選択で使用される。GLS1阻害剤および任意のさらなる療法は、疾患または状態が発生する前に、その間に、またはその後に任意選択で投与され、GLS1阻害剤を含有する組成物を投与するタイミングは、いくつかの実施形態において変動する。したがって、たとえば、GLS1阻害剤は、予防的に使用され、疾患または状態の発生を予防するために状態または疾患を発症する傾向のある対象に継続的に投与される。GLS1阻害剤および組成物は、症状の発症の間にまたはその後できるだけ早く対象に任意選択で投与される。本発明の実施形態が、本明細書において示され、記載されたが、そのような実施形態が単なる例として提供されることが当業者らにとって明白であろう。多数の変形、変更、および置換が、今や、本発明から逸脱することなく、当業者らに思い浮かぶであろう。本発明のいくつかの実施形態では、本明細書において記載される実施形態の様々な代替物が、本発明を実施する際に用いられることが理解されたい。
GLS1阻害剤は、以下のクラスを含むが、これらに限定されない抗癌薬と組み合わせて使用することができる:アルキル化剤、代謝拮抗物質、植物アルカロイドおよびテルペノイド、トポイソメラーゼ阻害剤、細胞傷害性抗生物質、血管新生抑制剤、ならびにチロシンキナーゼ阻害剤。
癌および新生物疾患において使用するために、GLS1阻害剤は、1つ以上の以下の非限定的な例の抗癌剤と一緒に最適に使用されてもよい:
1)カルムスチン、クロラムブチル(LEUKERAN)、シスプラチン(PLATIN)、カルボプラチン(PARAPLATIN)、オキサリプラチン(ELOXATIN)、ストレプトゾシン(ZANOSAR)、ブスルファン(MYLERAN)、ダカルバジン、イホスファミド、ロムスチン(CCNU)、メルファラン(ALKERAN)、プロカルバジン(MATULAN)、テモゾロミド(TEMODAR)、チオテパ、およびシクロホスファミド(ENDOXAN)を含むが、これらに限定されないアルキル化剤;
2)クラドリビン(LEUSTATIN)、メルカプトプリン(PURINETHOL)、チオグアニン、ペントスタチン(NIPENT)、シトシンアラビノシド(シタラビン、ARA−C)、ゲムシタビン(GEMZAR)、フルオロウラシル(5−FU、CARAC)、カペシタビン(XELODA)、ロイコボリン(FUSILEV)、メトトレキサート(RHEUMATREX)、ラルチトレキセドを含むが、これらに限定されない代謝拮抗物質;
3)ドセタキセル(TAXITERE)およびパクリタキセル(ABRAXANE、TAXOL)などのようなタキサンを含むが、これらに限定されない、多くの場合、植物アルカロイドおよびテルペノイドまたはその誘導体である有糸分裂阻害薬;ビンクリスチン(ONCOVIN)、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビン(NAVELBINE)などのようなビンカアルカロイド;
4)カンプトセシン(CTP)、イリノテカン(CAMPTOSAR)、トポテカン(HYCAMTIN)、テニポシド(VUMON)、およびエトポシド(EPOSIN)を含むが、これらに限定されないトポイソメラーゼ阻害剤;
5)アクチノマイシンD(ダクチノマイシン、COSMEGEN)、ブレオマイシン(BLENOXANE)ドキソルビシン(ADRIAMYCIN)、ダウノルビシン(CERUBIDINE)、エピルビシン(ELLENCE)、フルダラビン(FLUDARA)、イダルビシン、マイトマイシン(MITOSOL)、ミトキサントロン(NOVANTRONE)、プリカマイシンを含むが、これらに限定されない細胞傷害性抗生物質;
6)アミノグルテチミド、アナストロゾール(ARIMIDEX)、レトロゾール(FEMARA)、ボロゾール(RIVIZOR)、エキセメスタン(AROMASIN)を含むが、これらに限定されないアロマターゼ阻害剤;
7)ゲニステイン、スニチニブ(SUTENT)、およびベバシズマブ(AVASTIN)を含むが、これらに限定されない血管新生抑制剤;
8)アミノグルテチミド(CYTADREN)、ビカルタミド(CASODEX)、シプロテロン、フルタミド(EULEXIN)、ニルタミド(NILANDRON)などのような抗ステロイドおよび抗アンドロゲン;
9)イマチニブ(GLEEVEC)、エルロチニブ(TARCEVA)、ラパチニブ(TYKERB)、ソラフェニブ(NEXAVAR)、およびアキシチニブ(INLYTA)を含むが、これらに限定されないチロシンキナーゼ阻害剤;
10)エベロリムス、テムシロリムス(TORISEL)、およびシロリムスなどのようなmTOR阻害剤;
11)トラスツズマブ(HERCEPTIN)およびリツキシマブ(RITUXAN)などのようなモノクローナル抗体;
12)アムサクリン;カルメット−ゲラン杆菌(B−C−G)ワクチン;ブセレリン(ETILAMIDE);クロロキン(ARALEN);クロドロネート、パミドロネート、および他のビスホスホネート;コルヒチン;デメトキシビリジン;ジクロロアセタート;エストラムスチン;フィルグラスチム(NEUPOGEN);フルドロコルチゾン(FLORINEF);ゴセレリン(ZOLADEX);インターフェロン;ロイコボリン;リュープロリド(LUPRON);レバミソール;ロニダミン;メスナ;メトホルミン;ミトタン(o,p’−DDD、LYSODREN);ノコダゾール;オクトレオチド(SANDOSTATIN);ペリホシン;ポルフィマー(特に、光線療法および放射線療法と組み合わせて);スラミン;タモキシフェン;チタノセンジクロリド;トレチノイン;フルオキシメステロン(HALOTESTIN)などのようなアナボリックステロイド;エストラジオール、ジエチルスチルベストロール(DES)、およびジエネストロールなどのようなエストロゲン;酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)およびメゲストロールなどのようなプロゲスチン;ならびにテストステロンなどのような他の作用物質。
対象が炎症状態に罹患しているまたは罹患する危険性がある場合、本明細書において記載されるGLS1阻害剤化合物は、任意の組み合わせで、炎症状態を処置するための1つ以上の作用物質または方法と一緒に任意選択で使用される。自己免疫性および/または炎症状態を処置するための治療剤/処置は、以下の例のいずれかを含むが、これらに限定されない:
1)コルチゾン、デキサメタゾン、およびメチルプレドニソロンを含むが、これらに限定されないコルチコステロイド;
2)イブプロフェン、ナプロキセン、アセトアミノフェン、アスピリン、フェノプロフェン(NALFON)、フルルビプロフェン(ANSAID)、ケトプロフェン、オキサプロジン(DAYPRO)、ジクロフェナクナトリウム(VOLTAREN)、ジクロフェナクカリウム(CATAFLAM)、エトドラック(LODINE)、インドメタシン(INDOCIN)、ケトロラク(TORADOL)、スリンダク(CLINORIL)、トルメチン(TOLECTIN)、メクロフェナム酸(MECLOMEN)、メフェナム酸(PONSTEL)、ナブメトン(RELAFEN)、およびピロキシカム(FELDENE)を含むが、これらに限定されない非ステロイド性抗炎症薬(NSAID);
3)メトトレキサート(RHEUMATREX)、レフルノミド(ARAVA)、アザチオプリン(IMURAN)、シクロスポリン(NEORAL、SANDIMMUNE)、タクロリムス、およびシクロホスファミド(CYTOXAN)を含むが、これらに限定されない免疫抑制薬;
4)リツキシマブ(RITUXAN)を含むが、これらに限定されないCD20遮断薬;
5)エタネルセプト(ENBREL)、インフリキシマブ(REMICADE)、およびアダリムマブ(HUMIRA)を含むが、これらに限定されない腫瘍壊死因子(TNF)遮断薬;
6)アナキンラ(KINERET)を含むが、これらに限定されないインターロイキン−1受容体アンタゴニスト;
7)トシリズマブ(ACTEMRA)を含むが、これらに限定されないインターロイキン6阻害剤;
8)AIN457を含むが、これらに限定されないインターロイキン−17阻害剤;
9)タソシチニブを含むが、これらに限定されないJanusキナーゼ阻害剤;ならびに
10)ホスタマチニブを含むが、これらに限定されないsyk阻害剤。
化合物の合成
本発明の化合物は、一般的な合成手法において示される方法および下記に詳述される実験手順を使用して調製することができる。一般的な合成手法および実験手順は、例説の目的のために提供され、限定的なものとして意図されない。本発明の化合物を調製するために使用される出発物質は、市販で入手可能であり、当技術分野で知られているルーチン的な方法を使用して調製することができる。
略語のリスト
AcO=無水酢酸;AcCl=塩化アセチル;AcOH=酢酸;AIBN=アゾビスイソブチロニトリル;aq.=水溶液;BAST=ビス(2−メトキシエチル)アミノサルファートリフルオリド;BuSnH=水素化トリブチルすず;CDOD=重水素化メタノール;CDCl=重水素化クロロホルム;CDI=1,1’−カルボニルジイミダゾール;DAST=(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド;DBU=1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン;DCM=ジクロロメタン;DEAD=アゾジカルボン酸ジエチル;DIBAL−H=水素化ジイソブチルアルミニウム;DIEA=DIPEA=N,N−ジイソプロピルエチルアミン;DMAP=4−ジメチルアミノピリジン;DMF=N,N−ジメチルホルムアミド;DMSO−d=重水素化ジメチルスルホキシド;DMSO=ジメチルスルホキシド;DPPA=ジフェニルホスホリルアジド;EDC.HCl=EDCI.HCl=1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩;EtO=ジエチルエーテル;EtOAc=酢酸エチル;EtOH=エタノール;h=時間;HATU=2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートメタンアミニウム;HMDS=ヘキサメチルジシラザン;HOBT=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;i−PrOH=イソプロパノール;LAH=水素化アルミニウムリチウム;LDA=リチウムジイソプロピルアミド;LiHMDS=リチウムビス(トリメチルシリル)アミド;MeCN=アセトニトリル;MeOH=メタノール;MPカルボナート樹脂=マクロ孔質トリエチルアンモニウムメチルポリスチレンカルボナート樹脂;MsCl=メシルクロリド;MTBE=メチル第三ブチルエーテル;n−BuLi=n−ブチルリチウム;NaHMDS=ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド;NaOMe=ナトリウムメトキシド;NaOtBu=ナトリウムt−ブトキシド;NBS=N−ブロモスクシンイミド;NCS=N−クロロスクシンイミド;NMP=N−メチル−2−ピロリドン;Pd(Ph=テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0);Pd(dba)=トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0);PdCl(PPh=ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド;PG=保護基;prep−HPLC=分取高速液体クロマトグラフィー;PMBCl=パラ−メトキシベンジルクロリド;PyBop=(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート;Pyr=ピリジン;RT=室温;RuPhos=2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジイソプロポキシビフェニル;sat.=飽和;ss=飽和溶液;t−BuOH=tert−ブタノール;T3P=プロピルホスホニック無水物;TEA=EtN=トリエチルアミン;TFA=トリフルオロ酢酸;TFAA=無水トリフルオロ酢酸;THF=テトラヒドロフラン;Tol=トルエン;TsCl=トシルクロリド;Xantphos=4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン;X−Phos=2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル。
化合物を調製するための一般的な方法
下記の手法は、本発明を実施するために使用することができる。本明細書の他のところで定義され、手法において記載される化合物中に示されないものを含むが、これらに限定されないさらなる構造基は、本明細書において開示される様々な化合物または中間化合物をもたらすために組み込むことができ、これらは、当業者らに知られている技術を使用するさらなる操作の後に、本発明の化合物に変換することができる。たとえば、ある実施形態では、手法において記載される構造中のA環は、Aが、ヘテロ芳香族環であり、本明細書において定義される様々な基により置換することができる。
非限定的な例は、以下の化合物およびその薬学的に許容され得る塩を含む。
実施例1:(R)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド
Figure 0006976248
ステップ1:3,6−ジヨードピリダジン.
3,6−ジクロロピリダジン(60.00g、402.7mmol)および55%ヨウ化水素水溶液(51.51g、402.7mmol、30.30mL)の混合物を12時間、90℃で撹拌した。固体をろ過によって単離し、次に、sat.aq.NaHCO溶液(300mL)中で懸濁した。固体をろ過によって単離し、石油エーテル(2×200mL)により洗浄し、黄色の固体として表題化合物がもたらされ、これをさらに精製することなく使用した(120.0g、90%)。MS(ES)C 理論値:332,実測値:333 [M+H]
ステップ2:ジ−tert−ブチル2−(6−ヨードピリダジン−3−イル)マロネート.
THF(750mL)中NaH(27.12g、678.0mmol、鉱油中60%)の懸濁液にジ−tert−ブチルプロパンジオアート(97.75g、452.0mmol、100.8mL)を追加し、混合物を15分間28℃で撹拌した。3,6−ジヨードピリダジン(75.00g、225.99mmol)を追加し、反応混合物を8時間、還流し撹拌した。反応混合物をsat.aq.NHCl溶液(500mL)によりクエンチし、1:1 EtOAc/石油エーテル(3×500mL)により抽出した。合わせた有機層をNaSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(10:1石油エーテル/EtOAc)によって精製し、白色の固体として表題化合物がもたらされた(83.00g、87%)。MS(ES)C1521IN 理論値:420,実測値:421 [M+H]
Figure 0006976248
ステップ3:(R)−1−アジド−3−(ベンジルオキシ)プロパン−2−オール.
MeOH(39.5ml)および水(5.92ml)中(R)−2−((ベンジルオキシ)メチル)オキシラン(2.423ml、15.89mmol)およびNHCl(1.70g、31.8mmol)の溶液にアジ化ナトリウム(5.17g、79.0mmol)を追加し、結果として生じる混合物を一晩、RTで撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残留物をEtOAc(50mL)および水(60mL)の間で分配した。2つの層を分離し、水層をEtOAc(3×50mL)により抽出した。有機層を合わせ、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮し、無色の油として表題化合物がもたらされた(3.01g、91%)。MS(ES)C1013 理論値:207,実測値:208 [M+H]
ステップ4:(R)−tert−ブチル1−(3−(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシレート.
DCM(58.1ml)中(R)−1−アジド−3−(ベンジルオキシ)プロパン−2−オール(3.01g、14.5mmol)、プロピオル酸tert−ブチル(2.393ml、17.43mmol)、DIEA(0.253ml、1.45mmol)、およびAcOH(0.083ml、1.45mmol)の溶液にCuI(0.138g、0.726mmol)を追加し、結果として生じる混合物を一晩、RTで撹拌した。SiOゲル(10g)を撹拌中の混合物に追加し、結果として生じる懸濁液をろ過し、DCM(20mL)およびEtOAc(20mL)により洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、オレンジ色の油として粗製表題化合物がもたらされ、これをさらに精製することなく使用した(3.95g、82%)。MS(ES)C1723 理論値:333.実測値:334 [M+H]
ステップ5:(S)−tert−ブチル1−(3−(ベンジルオキシ)−2−フルオロプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシレート.
DCM(23.70ml)中(R)−tert−ブチル1−(3−(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシレート(3.95g、11.8mmol)およびピリジン(1.909ml、23.70mmol)の0℃溶液にDAST(3.13ml、23.7mmol)を追加した。結果として生じる混合物を2.5時間、RTで撹拌し、次に、SiOゲルの充填物を通してろ過し、DCM(50mL)によりすすいだ。ろ液を減圧下で濃縮し、残留物をセライト上に吸着させ、SiOクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜50% EtOAc)によって精製し、黄褐色の結晶性固体として表題化合物がもたらされた(1.781g、45%の収率)。MS(ES)C1722FN 理論値:335,実測値:336 [M+H]
ステップ6:(S)−tert−ブチル1−(2−フルオロ−3−ヒドロキシプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシレート.
反応容器に(S)−tert−ブチル1−(3−(ベンジルオキシ)−2−フルオロプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシレート(1.78g、5.31mmol)およびEtOAc(53.1ml)をN雰囲気下で入れた。溶液を10分間、Nによりパージし、次に、今までどおりNを流しながら、Pd(OH) on carbon(0.746g、1.06mmol)を追加した。結果として生じる懸濁液を撹拌し、それを2分間、Hによりパージした。反応混合物を12時間、1気圧、H雰囲気下で撹拌し、次に、Nによりパージし、セライトによってろ過し、減圧下で濃縮し、淡黄色の結晶として表題化合物がもたらされた(1.32g、101%の収率)。MS(ES)C1016FN 理論値:245,実測値:246 [M+H]
ステップ7:(S)−tert−ブチル1−(2−フルオロ−3−(トシルオキシ)プロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシレート.
DCM(26.9ml)中(S)−tert−ブチル1−(2−フルオロ−3−ヒドロキシプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシレート(1.32g、5.38mmol)およびDMAP(0.986g、8.07mmol)の溶液に4−メチルベンゼン−1−スルホニルクロリド(1.23g、6.46mmol)を追加し、溶液は、水槽によってRTに維持した。結果として生じる混合物を1.5時間、RTで撹拌し、次に、EtOAc(100mL)により希釈し、sat.aq.NHCl(2×40mL)により洗浄した。有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮し、粗製表題化合物がもたらされ、これをさらに精製することなく使用した(1.803g、84%)。MS(ES)C1722FNS 理論値:399,実測値:400 [M+H]
ステップ8:(S)−tert−ブチル1−(2−フルオロ−3−ヨードプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシレート.
アセトン(26.5ml)中(S)−tert−ブチル1−(2−フルオロ−3−(トシルオキシ)プロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシレート(2.12g、5.31mmol)の溶液にナトリウムヨージド(0.796g、5.31mmol)を追加し、結果として生じる混合物を3時間80℃で撹拌した。ナトリウムヨージド(1.6g)をさらに追加し、混合物を2時間、90℃で撹拌した。混合物をRTまで冷却し、次に、1:1 EtOAc/ヘキサン(150mL)により希釈し、HO(2×50mL)およびsat.aq.NaCl溶液(50mL)により連続して洗浄した。有機層をMgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物をセライト上に吸着させ、SiOゲルクロマトグラフィー(0〜50% EtOAc/ヘキサン)によって精製し、白色の結晶性固体として表題化合物がもたらされた(1.71g、91%)。MS(ES)C1015FIN 理論値:355,実測値:356 [M+H]
ステップ9:(R)−ジ−tert−ブチル2−(3−(4−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−2−フルオロプロピル)−2−(6−ヨードピリダジン−3−イル)マロネート.
バイアル中炭酸カリウム(0.412g、2.98mmol)、ジ−tert−ブチル2−(6−ヨードピリダジン−3−イル)マロネート(1.25g、2.98mmol)、および(S)−tert−ブチル1−(2−フルオロ−3−ヨードプロピル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシレート(1.00g、2.82mmol)の混合物を脱気し、次に、DMF(9.39ml)を追加した。混合物を脱気し、窒素を充填し直し、これを3サイクルし、次に、25℃で80時間、撹拌した。混合物を酢酸エチルおよびヘキサン(1:1、200mL)により希釈し、水により二回(100mL+100mL)洗浄した。合わせた水層を、酢酸エチルヘキサン(1:1、100mL)により抽出した。合わせた有機層を濃縮し、鹹水を追加し、有機層を減圧下で濃縮した。残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中5〜60% EtOAc)によって精製し、黄色の液体として表題化合物(1.36g、74.6%の収率)がもたらされた。MS(ES+)C2535FIN 理論値:647,実測値:648 [M+H]
Figure 0006976248
ステップ10:2,6−ジクロロ−4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)ピリジン.
0℃のTHF(800ml)中NaH(8.88g、鉱油中60%、222mmol)の懸濁液に10分間にわたり3,3−ジフルオロシクロブタノール(20g、185mmol)を滴下した。追加を終了した直後に(通気は速やかに停止するべきであった)、2,6−ジクロロ−4−ニトロピリジン(35.7g、185mmol)を少量ずつ追加し、結果として生じる混合物を1時間、0℃で撹拌した。sat.aq.NHCl(200mL)および水(800ml)を追加し、層を分離した。水性相をEtOAc(3×500mL)により抽出し、合わせた有機層をsat.aq.NaClにより洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜8% EtOAc)によって精製し、白色の結晶性固体として表題化合物がもたらされた(45.0g、96%)。MS(ES)CClNO 理論値:253,実測値:254 [M+H]
ステップ11:2−クロロ−4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン.
0℃の2,6−ジクロロ−4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)ピリジン(45g、177mmol)、THF(800ml)、NMP(200ml)、およびアセチルアセトン鉄(III)(1.877g、5.31mmol)の溶液にメチルマグネシウムブロミド(エーテル中3M、77ml、230mmol)を滴下し、結果として生じる混合物を0.5時間0℃で撹拌した。反応を0℃のsat.aq.NHCl(100mL)によりクエンチし、水(900ml)を追加し、層を分離した。水性相をEtOAc(3×500mL)により抽出し、合わせた有機層をsat.aq.NaClにより洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜20% EtOAc)によって精製し、無色の液体として表題化合物がもたらされた(36.5g、88%)。MS(ES)C1010ClFNO 理論値:233,実測値:234 [M+H]
ステップ12:エチル2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセタート.
2−クロロ−4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン(33.0g、141mmol)、(2−エトキシ−2−オキソエチル)亜鉛(II)ブロミド(THF中0.5M、706ml、353mmol)、Pd(dba)(6.47g、7.06mmol)、およびXPhos(3.37g、7.06mmol)の脱気溶液を1時間、50℃で撹拌した。反応混合物をRTまで冷却し、sat.aq.NHCl(100mL)および水(900mL)を追加した。沈殿物をろ過によって除去し、ろ液層を分離した。水性相をEtOAc(3×500mL)により抽出し、合わせた有機層をsat.aq.NaClにより洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中0〜60% EtOAc)によって精製し、黄色の液体として表題化合物がもたらされた(27.8g、69%)。MS(ES)C1417NO 理論値:285,実測値:286 [M+H]
ステップ13:2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド.
耐圧ビン中のエチル2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセタート(27.8g、97.0mmol)およびNH/MeOH(7M、557ml、3898mmol)の溶液を20時間、85℃で撹拌した。反応混合物をRTまで冷却し、次に、減圧下で濃縮した。結果として生じる固体をエーテルによりトリチュレートし、ろ過によって単離し、灰白色の固体として表題化合物がもたらされた(22.4g、90%)。MS(ES)C1214 理論値:256,実測値:257 [M+H]
Figure 0006976248
ステップ14:ジ−tert−ブチル(R)−2−(3−(4−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−2−フルオロプロピル)−2−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)マロネート.
ジオキサン(300ml)中(R)−ジ−tert−ブチル2−(3−(4−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−2−フルオロプロピル)−2−(6−ヨードピリダジン−3−イル)マロネート(42.4g、65.6mmol)、2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド(14.0g、54.6mmol)、炭酸セシウム(35.6g、109mmol)、Xantphos(6.32g、10.9mmol)、およびアリルパラジウムクロリド二量体(1.00g、2.73mmol)の脱気溶液を16時間、70℃で撹拌した。反応混合物をRTまで冷却し、次に、ろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(DCM中0〜3% MeOH)によって精製し、泡状の黄色の固体として表題化合物がもたらされた(36.5g、86%)。MS(ES)C3748 理論値:775,実測値:776 [M+H]
ステップ15:(R)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸.
ジオキサン溶液(4.0M、696.0ml、2784mmol)中のHCl中(R)−ジ−tert−ブチル2−(3−(4−(tert−ブトキシカルボニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)−2−フルオロプロピル)−2−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)マロネート(36.0g、46.4mmol)の溶液を16時間、70℃で撹拌した。白色の沈殿物が形成された。反応混合物をRTまで冷却した。沈殿物をろ過によって単離し、EtOAcにより洗浄し、真空中で乾燥させ、灰白色の固体として表題化合物がもたらされ、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。MS(ES)C2324 理論値:519,実測値:520 [M+H]
ステップ16:(R)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド.
0℃のDMF(200ml)中、前のステップ(46.4mmolと仮定)で調製した粗製(R)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸ハイドロクロライドの溶液にTHF(2.0M、27.8ml、55.7mmol)中HATU(17.64g、46.4mmol)、DIEA(40.5ml、232mmol)、およびメタンアミンを追加し、結果として生じる混合物を1時間20℃で撹拌した。揮発性物質を減圧下で除去した。水(1000mL)およびDCM(500ml)を追加し、層を分離した。水性相をDCM(3×300mL)により抽出し、合わせた有機層をsat.aq.NaClにより洗浄し、MgSOで脱水し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残留物をSiOゲルクロマトグラフィー(DCM中0〜8% MeOH)によって精製し、白色の固体として表題化合物がもたらされた(16.8g、68.0%の収率)。MS(ES)C2427 理論値:532,実測値:533 [M+H]H NMR(DMSO−d)δ 11.30(s,1H),8.51(s,1H),8.47(q,J=4.4,1H),8.22(d,J=9.1Hz,1H),7.60(d,J=9.3Hz,1H),6.79(d,J=2.5Hz,1H),6.72(d,J=2.5Hz,1H),5.09−4.96(m,1H),4.90−4.70(m,3H),3.87(s,2H),3.28− 3.18(m,2H),3.08−2.98(m,2H),2.76(d,J=4.9Hz,3H),2.75−2.63(m,2H),2.39(s,3H),2.20−1.95(m,2H).
ステップ17:(R)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド二塩酸塩.
0℃のMeOH(20ml)およびDCM(60ml)中(R)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミドの溶液(12.71g、23.87mmol)にジオキサン中のHCl(4.0M、11.93ml、47.70mmol)を追加し、結果として生じる混合物を5分間撹拌し、次に、減圧下で濃縮した。残留物をMeCNおよび水に再び溶かし、凍結乾燥させ、結果として生じる固体をEtOAcによりトリチュレートし、真空中で乾燥させ、白色の固体として表題化合物(14.03g、97%)がもたらされた。MS(ES)C2427 理論値:532,実測値:533 [M+H]H NMR(DMSO−d)δ 11.66(s,1H),8.53(s,1H),8.47(q,J=5.3,1H),8.23(d,J=9.1Hz,1H),7.73(d,J=9.5Hz,1H),7.44(d,J=2.0Hz,1H),7.39(d,J=2.0Hz,1H),4.96−5.11(m,2H),4.67−4.86(m,2H),4.36(s,2H),3.34(m,2H),3.07(m,2H),2.87(m,2H),2.76(d,J=4.9Hz,3H),2.68(s,3H),2.24−1.95(m,2H).表題化合物(2mg/mL、インジェクション毎に10μL)をLux Cellulose 4 column(4.6×150ミリメートル、5マイクロメートル、1mL/分)を有するShimadzu Prominence HPLC systemで水:アセトニトリル(50:50)の移動相を使用して分析し、>98%のeeを示した。保持時間:11.3分。
上記に開示される実施例1はまた、手法2によっても作製した。
Figure 0006976248
実施例2:(S)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド二塩酸塩.
Figure 0006976248
実施例1と同じやり方で作製した。MS(ES)C2427 理論値:532,実測値:533 [M+H].表題化合物(2mg/mL、インジェクション毎に10μL)をLux Cellulose 4 column(4.6×150ミリメートル、5マイクロメートル、1mL/分)を有するShimadzu Prominence HPLC systemで水:アセトニトリル(50:50)の移動相を使用して分析し、>98%のeeを示した。保持時間:9.3分。
実施例3:(R)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド二塩酸塩.
Figure 0006976248
RTのジオキサン(1.8mL)中(R)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(20mg、0.038mmol)の溶液にHCl水溶液(37.6μl、0.038mmol、1.00M)を滴下した。白っぽい沈殿物がすぐに形成された。結果として生じる混合物を15分間RTで撹拌した。混合物をEtO(1.8mL)により希釈し、0℃まで冷却し、上清を除去した。残った固体を水(2mL)により希釈し、透明な溶液が形成され、凍結乾燥し、白色の固体として表題化合物が得られた(19mg、89%)。MS(ES+)C2427・HCl 理論値:532,実測値:533 [M+H]H NMR(600MHz,DMSO−d)δ 15.20(br s,1H),11.55(s,1H),8.52(s,1H),8.50−8.44(m,1H),8.17(d,J=9.1Hz,1H),7.64(d,J=9.2Hz,1H),7.38(d,J=21.5Hz,2H),5.11−4.95(m,2H),4.86−4.69(m,2H),4.29(s,2H),3.37−3.30(m,2H),3.12−2.99(m,2H),2.91−2.80(m,2H),2.76(d,J=4.5Hz,3H),2.66(s,3H),2.21−2.07(m,1H),2.07−1.96(m,1H).
実施例4:(R)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド硫酸塩
Figure 0006976248
実施例3の手順を使用して調製し、白色の固体として表題化合物がもたらされた(89%)。MS(ES+)C2427・HSO 理論値:532,実測値:533 [M+H]H NMR(600MHz,DMSO−d)δ 14.70(br s,1H),11.55(s,1H),8.52(s,1H),8.50−8.43(m,1H),8.17(d,J=9.1Hz,1H),7.65(d,J=9.1Hz,1H),7.39(d,J=14.5Hz,2H),5.12−4.95(m,2H),4.87−4.70(m,2H),4.24(s,2H),3.39−3.28(m,2H),3.11−2.99(m,2H),2.92−2.81(m,2H),2.76(d,J=4.6Hz,3H),2.65(s,3H),2.22−2.08(m,1H),2.08−1.92(m,1H).
実施例5:(R)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミドメタンスルホン酸塩
Figure 0006976248
MeSOH(CHCl中1.0M)を使用し、実施例3の手順を使用して調製し、白色の固体として表題化合物がもたらされた(93%)。MS(ES+)C2427・CHSOH 理論値:532,実測値:533 [M+H]H NMR(600MHz,DMSO−d)δ 14.71(br s,1H),11.53(s,1H),8.52(s,1H),8.50−8.44(m,1H),8.17(d,J=9.1Hz,1H),7.64(d,J=9.1Hz,1H),7.34(d,J=17.3Hz,2H),5.12−4.96(m,2H),4.86−4.68(m,2H),4.21(s,2H),3.34−3.28(m,2H),3.10−3.00(m,2H),2.91−2.80(m,2H),2.76(d,J=4.6Hz,3H),2.63(s,3H),2.30(s,3H),2.21−2.07(m,1H),2.07−1.94(m,1H).
実施例6:(R)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド臭化水素酸塩
Figure 0006976248
実施例3の手順を使用して調製し、白色の固体として表題化合物がもたらされた(87%)。MS(ES+)C2427・HBr 理論値:532,実測値:533 [M+H]H NMR(600MHz,DMSO−d)δ 14.76(br s,1H),11.56(s,1H),8.52(s,1H),8.50−8.43(m,1H),8.17(d,J=9.2Hz,1H),7.65(d,J=9.2Hz,1H),7.41(d,J=15.7Hz,2H),5.11−4.97(m,2H),4.86−4.70(m,2H),4.26(s,2H),3.39−3.29(m,2H),3.11−2.99(m,2H),2.92−2.80(m,2H),2.76(dd,J=4.8,1.2Hz,3H),2.66(s,3H),2.22−2.08(m,1H),2.08−1.93(m,1H).
実施例7:(R)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド4−メチルベンゼンスルフォナート.
Figure 0006976248
TsOH水溶液(1.0M)を使用し、実施例Aの手順を使用して調製し、白色の固体として表題化合物がもたらされた(86%)。MS(ES+)C2427・TsOH 理論値:532,実測値:533[M+H]H NMR(600MHz,DMSO−d)δ 14.69(br s,1H),11.54(s,1H),8.52(s,1H),8.49−8.44(m,1H),8.17(d,J=9.1Hz,1H),7.64(d,J=9.1Hz,1H),7.47(d,J=8.0Hz,2H),7.37(d,J=15.9Hz,2H),7.10(dd,J=8.1,1.0Hz,2H),5.12−4.94(m,2H),4.88−4.68(m,2H),4.23(s,2H),3.37−3.27(m,2H),3.10−2.99(m,2H),2.92−2.80(m,2H),2.76(d,J=4.7Hz,3H),2.64(s,3H),2.28(s,3H),2.22−2.07(m,1H),2.07−1.94(m,1H).
結晶性固体を得るために、表題化合物(5.0mg)を48時間、密封したバイアル中EtOH(200uL)中でスラリーとして撹拌した。懸濁液は最初、溶解し、次に、光学顕微鏡下で観察されるように、小さな針状の結晶にゆっくりとリフォームした。混合物を濃縮し、結晶性固体をHNMRによって分析すると、親化合物と同一であった。
実施例8:(R)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド二塩酸塩
Figure 0006976248
0℃のMeOH(5ml)およびDCM(15ml)中(R)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミドの溶液(5.00g、9.39mmol)にHCl(4.69ml、18.7mmol、ジオキサン中4M)を追加し、結果として生じる混合物を5分間撹拌し、揮発性物質を減圧下で除去した。残留物をMeCNおよび水に再び溶かし、凍結乾燥し、白色の固体として表題化合物(5.69g、100%)がもたらされた。MS(ES+)C2427・2HCl 理論値:532,実測値:533 [M+H]H NMR(600MHz,DMSO−d)δ 14.85(br s,1H),11.55(s,1H),8.52(s,1H),8.47(m,1H),8.17(d,J=9.1Hz,1H),7.64(d,J=9.1Hz,1H),7.39(d,J=12.8Hz,2H),5.11−4.97(m,2H),4.85−4.71(m,2H),4.25(s,2H),3.38−3.29(m,2H),3.10−3.00(m,2H),2.91−2.81(m,2H),2.76(d,J=4.7Hz,3H),2.65(s,3H),2.20−1.96(m,2H).
実施例9:(R)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミドの多形体
Figure 0006976248
多形体A:表題化合物(5.00mg、9.39μmol)を、50uLのアセトン中20%水(v/v)に懸濁し、混合物を10分間95℃で加熱した。懸濁液は、透明な溶液になり、サンプルは、RTで、動かさずに、結晶化させた。形成された固体を光学顕微鏡下で観察し、非常に細い毛状の針の形をしていることがわかった。
多形体B:表題化合物(5.00mg、9.39μmol)を、50uLのDMSO中10%水(v/v)に懸濁し、混合物を10分間95℃で加熱した。懸濁液は、透明な溶液になり、サンプルは、RTで、動かさずに、結晶化させた。形成された固体を光学顕微鏡下で観察し、棒状の結晶であることがわかった。
多形体C:表題化合物(5.00mg、9.39μmol)を、100uLのアニソール中40%エタノール(v/v)に懸濁し、混合物を10分間95℃で加熱した。懸濁液は、透明な溶液になり、サンプルは、RTで、動かさずに、結晶化させた。形成された固体を光学顕微鏡下で観察し、細かな板状の形をしていることがわかった。
実施例10:(R)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド1:1 DMSO溶媒和化合物
Figure 0006976248
1mLのDMSO中15%水(v/v)中の(R)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド(100mg、0.188mmol)の懸濁液を1分間95℃で加熱した。結果として生じる透明な溶液を80℃まで冷却し、10分間撹拌した。撹拌を停止し、温度が40℃に達するまで、混合物を20分ごとに10℃ずつ冷却した。次に、混合物を一晩、RTまで冷却した。混合物を1mLのアセトンにより希釈し、懸濁液を分散させる(breakdown)ために非常に短い間ボルテックスし、ろ過した。収集した固体をアセトン(2×1mL)によりすすいだ。固体を一晩、高真空下で乾燥させ、透明な結晶性固体として表題化合物が得られた(86mg、79%)。この物質は、光学顕微鏡下で棒状の結晶として現われる。MS(ES)C2427・DMSO 理論値:532,実測値:533 [M+H]H NMR(600MHz,CDOD)δ 8.36(d,J=9.1Hz,1H),8.34(s,1H),7.61(d,J=9.2Hz,1H),6.79(d,J=1.9Hz,1H),6.72(d,J=1.9Hz,1H),4.90−5.15(m,1H),4.68−4.83(m,3H),3.91(s,2H),3.01−3.23(m,4H),2.92(s,3H),2.67−2.78(m,2H),2.65(s,6H),2.49(s,3H),2.24−1.99(m,2H).
実施例1の遊離塩基および塩の物理的な特徴付け
実施例1の遊離塩基および塩をXRPD、DSC、TGA、PLM、およびDVSによって特徴付けた。詳細な手順を下記に列挙する。
粉末X線回折(XRPD)約10mgの試験化合物を秤量し、単結晶シリコーン板の上に平らに分布させた。サンプルを10°/分で回転させた。回折パターンは、40KVの管電圧および40mAの管電流で作動するCuKα線源(λ=1.54179Å)を使用するBruker D8 ADVANCEにより測定した。散乱角は、10°/分のステップ速度で2θ=3°〜40°でスキャンした。
熱重量測定(TGA)TGAは、TA Instruments Q5000IR機器で実行した。約5mgの試験化合物を秤量し、酸化アルミニウムのるつぼに移した。サンプルは、50mL/分Nパージ下で10℃/分の速度でRT〜400℃まで加熱した。
示差走査熱量測定(DSC)DSCは、TA Instruments Q2000デバイスで実行した。約1mgの試験化合物を秤量し、小さな穴を有する波形のアルミニウム皿に移した。サンプルを10℃/分の速度で30℃〜400℃まで加熱した。
偏光顕微鏡(PLM)ある量の粉末の試験化合物をシリコーン油中に分散させ、5メガピクセルCCD、10×接眼レンズ、ならびに20×および50×から選択される対物レンズを備えたNikon LV100POLにより形態を検査した。適切な対物レンズは、検査中のサンプルによって選んだ。
赤外線分光法(IR)は、KBrウィンドウを有するDTGS検出装置およびGe on KBrビームスプリッターを使用し、Thermo Nicolet 380 FT−IR分光計で実行した。4cm−1の分解能および4000〜400cm−1の波長領域での32回のスキャンを収集し、平均した。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、Amide_80,TSK_Gel(4.6mm150mm,3μm)カラムを備えたAgilent 1200 series HPLC機器で実行した。移動相は、溶媒「A」:溶媒「B」の80:20のミックスからなり、「A」は、85% CHCN:15% aq NHOAcであり、「B」は、10% CHCN:90% aq NHOAcとした。流速は、10分の実行時間の全体について25℃、1.0mL/分とした。検出は、ELSD(SEDEX 85、45℃、3.5バール、窒素)検出装置により達成した。
H核磁気共鳴(H NMR)は、Bruker AVANCE IIIで記録し、手動位相合わせ、パルス幅300ミリ秒、3.98秒間のデータ取り込み時間、1秒間の緩和遅延(relaxation delay)あり、時間領域24Kとし、収集した過渡応答(transient)は8回、線幅の広がり(line broadening)について0.5の指数関数乗算(exponential multiplication)とした。
動的水蒸気吸収(Dynamic Vapor Sorption)(DVS)をSMS Advantage機器により検査した。約10mgのサンプルを機器の中に移し、25℃の大気の湿度に関しての重量変化を以下のパラメーターで適宜記録した:平衡:dm/dt:0.01%/分(最低10分間および最高:180分間);乾燥:120分間0% RH;RH(%)測定ステップ:10%;RH(%)測定ステップ範囲:0−90−0%。
XRPDによって決定されるように、実施例1の遊離塩基は、完全な結晶ではなく、おそらく部分的な非結晶内容物を含有した。PLMは、複屈折現象および不規則性のブロック状の形状を示した。また、DSCは、融解に起因する、196℃で発生する吸熱ピークを示した。TGAで示される30℃〜200℃までのおよそ0.9%の重量損失は、実施例1の遊離塩基がおそらく無水物の形態をしていることを示した。
実施例11:(R)−1−(4−(6−(2−(4−(3,3−ジフルオロシクロブトキシ)−6−メチルピリジン−2−イル)アセトアミド)ピリダジン−3−イル)−2−フルオロブチル)−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミドの多形体D:予備スラリー試験は、実施例1の遊離塩基の結晶形を精製するために行った。約30mgの表題化合物を秤量し、2mLガラスバイアルの中に移した。懸濁液を均質にするために1mLの選択溶媒(アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、エタノール、メタノール、1:1メタノール:水、およびテトラヒドロフラン)をバイアルに追加した。得られた懸濁液をサーモミキサーで1日、40℃で撹拌し、次に、10000rpmの速度で遠心分離した。上清を捨て、板状の結晶がもたらされた(図3)。
XRPDの結果(図1)に基づいて、非結晶内容物は、ほとんどの溶媒において、特にアセトンにおいてこの精製手順を介して低下した(図2)。TGA−DSCプロファイルに基づいて、アセトン中での再結晶の後に明らかな熱による動的変化は見出されなかった(図4)。DSCは、融解に起因する、197℃で発生する吸熱ピークを示した。TGAにおいて示される30℃〜200℃までのおよそ0.6%の損失は、実施例1の多形体Dがおそらく無水物の形態をしていることを示した。図5は、多形体DのIRスペクトルを示す。図10は、多形体DのH NMRスペクトルを示す。
H NMR(400MHz,メタノール−d)δ ppm 2.03−2.26(m,2H),2.51(s,3H),2.67−2.81(m,2H),2.95(s,3H),3.08−3.30(m,4H),3.94(s,2H),4.71−5.05(m,4H),6.75(d,J=2.01Hz,1H),6.81(d,J=2.01Hz,1H),7.62(d,J=9.29Hz,1H),8.37(s,1H),8.39(d,J=8.46Hz,1H).
上記に開示されるようにNMRピークを有することによって特徴付けられる固体の実施例1(たとえば多形体D)が本明細書において提供される。ある実施形態では、固体の実施例1(たとえば多形体D)は、上記に開示されるように少なくとも1つ、少なくとも3つ、または少なくとも5つのピークを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、固体の実施例1(たとえば多形体D)は、上記に開示されるように5〜10のピークを有することによって特徴付けられる。そのようなピークは、百万分率におけるそれらのシフトによって参照されてもよい。
約2.0〜約2.3、約2.5、約2.7〜約2.8、約3.0、約3.1〜約3.3、約3.9、約4.7〜約5.1、約6.8、約7.6、または約8.4百万分率に1つ以上のH核磁気共鳴(NMR)化学シフトを有することによって特徴付けられる固体の実施例1(たとえば多形体D)が、本明細書において提供される。ある実施形態では、固体の実施例1(たとえば多形体D)は、2、3、4、5、またはそれ以上のシフトを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、固体の実施例1(たとえば多形体D)は、3つ以上のシフトを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、固体の実施例1(たとえば多形体D)は、5つ以上のシフトを有することによって特徴付けられる。
DVS結果(図7および表1)は、実施例1の多形体Dが非吸湿性であったことを示し、0〜80% RHで水吸収が0.1%であり、形態変化(図8)は、DVSの後に見出されなかった。
Figure 0006976248
Figure 0006976248
上記に開示されるようにXRPDピークを有することによって特徴付けられる固体の実施例1(たとえば多形体D)が、本明細書において提供される。ある実施形態では、固体の実施例1(たとえば多形体D)は、上記に開示されるように少なくとも1つ、少なくとも3つ、または少なくとも5つのXRPDピークを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、固体の実施例1(たとえば多形体D)は、上記に開示されるように5〜10のXRPDピークを有することによって特徴付けられる。そのようなピークは、それらの2シータシフトによって参照されてもよい。
約4.0、約8.0、約11.6、約11.9、約14.9、約15.9、約17.6、約19.9、約20.2、約22.4、約23.7、および約23.9度 2シータから選択される1つ以上のx線粉末回折ピークを有することによって特徴付けられる固体の実施例1(たとえば多形体D)が、本明細書において提供される。ある実施形態では、実施例1(たとえば多形体D)は、2、3、4、5、またはそれ以上のピークを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、実施例1(たとえば多形体D)は、3つ以上のピークを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、実施例1(たとえば多形体D)は、5つ以上のピークを有することによって特徴付けられる。図2において示されるように粉末X線回折パターンを有することによって特徴付けられる固体の実施例1(たとえば多形体D)もまた、提供される。
塩の調製
塩調製方法1:表3に列挙する酸を、MeOHにおいて実施例1と塩を形成させるために選択した。
ステップ1:懸濁液を均質にするためにおよそ50mgの実施例1の遊離塩基を5mLのMeOHを有する8mLガラスバイアル中に溶解した。
ステップ2:ある量の固体の酸をMeOHを有する8mLガラスバイアル中に溶解した。
ステップ3:所望のモル比の実施例1:酸を得るのに十分な容量の酸性溶液(追加した酸性溶液の容量は表3に列挙される)を電磁撹拌機上で遊離塩基溶液にゆっくりと滴定した。
ステップ4:得られた液相を24時間室温で撹拌し、沈殿物がもたらされ、これを遠心分離によって単離した。
固体は、新規の結晶形態が得られたかどうかを決定するためにXRPDにより分析し、次に、さらなる特徴付けのために一晩、40℃で真空下で乾燥させた。MeOH中に懸濁した実施例1および純粋な固体の酸は、XRPD標準物質として使用した。
結果を表3および図9に開示する。遊離塩基と比較して、塩酸、硫酸、およびメタンスルホン酸から得られた固体は、異なるXRPDディフラクトグラムを示し、それぞれ塩化物塩、硫酸塩、およびメシル酸塩の形成を示唆する。異なるグループから選択される酸の使用は、XRPDによって決定されるように遊離塩基のみをもたらした(図10)。
Figure 0006976248
方法1の産物の再結晶:方法1により産生された有望な塩(塩化物塩、硫酸塩、およびメシル酸塩)を、結晶化度を改善するためにいくつかの溶媒中で再結晶化した。
約2mgの塩候補を1.5mLガラスバイアルの中に秤量し、次に、0.2mLの溶媒(EtOH、ACN、アセトン、EtOAc、およびTHF)を追加した。得られた懸濁液をサーマルミキサーで1日、40℃で撹拌し、次に、10000rpmで遠心分離した。結果として生じる固体を、XRPD分析のために一晩、40℃で真空下で乾燥させた。
XRPD結果(図11、図12、図13)は、3つの塩のうちの2つの結晶化度が、ある溶媒においてこの再結晶方法を介して改善されたことを実証する:ACN中の塩化物、EtOH中の硫酸塩。
塩調製方法2:この方法は、高結晶性塩形態を得るために、より高濃度の遊離塩基および溶媒のゆるやかな蒸発を用いる。溶媒としてEtOHを使用する様々な酸による結果を表4に開示する。
ステップ1:懸濁液を均質にするために約10mgの実施例1の遊離塩基を0.2mLのEtOHを有する1.5mLガラスバイアル中に溶解した。
ステップ2:次に、適切な量の固体の酸をEtOHを有する8mLガラスバイアル中に溶解した。
ステップ3:所望のモル比の実施例1:酸を得るのに十分な容量の酸性溶液を電磁撹拌機で撹拌しながら遊離塩基溶液にゆっくりと滴定した。追加した酸性溶液の容量を表4に列挙する。
ステップ4:このようにして得た液相を24時間室温で撹拌し、沈殿物がもたらされた。
遠心分離によって得られた固体は、新規の結晶形態が得られたかどうかを決定するためにXRPDによって分析し、次に、さらなる特徴付けのために一晩、40℃で真空下で乾燥させた。MeOH中に懸濁した実施例1および純粋な固体の酸は、それぞれ実施例1および純粋な固体の酸について標準物質として使用した。
表4および図14に示す結果に基づいて、塩化物塩、硫酸塩、メシル酸塩、および硫酸塩はもしかすると形成されたかもしれないが、これらの塩の結晶化度は不十分であった。
Figure 0006976248
塩の調製、方法3:3回目の塩合成は、高結晶性塩形態を生成するために最適化された手順により実行した。詳細を下記に列挙する。
ステップ1:懸濁液を均質にするためにおよそ100mgの実施例1の遊離塩基を2mLのACNと共に40℃で8mLガラスバイアル中で溶解した。
ステップ2:適切な量の固体の酸をACNを有する4mLガラスバイアル中に溶解した。
ステップ3:所望のモル比の実施例1:酸を得るのに十分な容量の酸性溶液を150rpmの速度で電磁撹拌機上で遊離塩基溶液にゆっくりと滴定した。追加した酸性溶液の容量を表5に列挙する。
ステップ4:透明な溶液をキャップなしで室温で撹拌し続け、溶媒を蒸発させるために24時間、小さな穴を有するアルミホイルによって覆った。
ステップ5:得られた懸濁液を10000rpmの速度で遠心分離機によって単離した。
上清を捨て、結果として生じる固体は、新規の結晶形態が得られたかどうかを決定するためにXRPDによって分析し、次に、さらなる特徴付けのために一晩、40℃で真空下で乾燥させた。ACN中に懸濁した実施例1および純粋な固体の酸は、それぞれ実施例1および純粋な固体の酸のコントロールについて標準物質として使用した。
表5および図15に示す結果に基づいて、2つの対イオン(塩化物およびトシル酸)は、良好な結晶形を示す塩をもたらした。得られた塩は、結晶化度を改善するために再結晶化させた。
Figure 0006976248
方法3の産物の再結晶:有望な4つの塩(塩化物塩、硫酸塩、メシル酸塩、およびトシル酸塩)を、結晶化度を改善するためにいくつかの溶媒中で再結晶化した。約10mgの塩候補を1.5mLガラスバイアルの中に別々に秤量し、次に、0.2mLの選択した溶媒(EtOH、アセトン、EtOAc、およびTHF)を追加した。得られた懸濁液をサーモミキサーで1日、40℃で撹拌し、次に、10000rpmで遠心分離した。結果として生じる固体を、XRPD試験のために一晩、40℃で真空下で乾燥させた。
XRPD結果(図16、図17、図18、図19)は、3つの塩(塩化物塩、メシル酸塩、およびトシル酸塩)の結晶化度が、EtOAcを用いるこの再結晶法を介してわずかに改善されたことを実証した。
方法3 スケールアップ:方法3、後続する任意選択のEtOAc再結晶を、塩化物塩、メシル酸塩、およびトシル酸塩について大規模で繰り返した。
ステップ1:懸濁液を均質にするために約200mgの実施例1の遊離塩基を4mLのACNと共に40℃で8mLガラスバイアル中で溶解した。
ステップ2:ある量の固体の酸をACNを有する4mLガラスバイアル中に溶解した。
ステップ3:所望のモル比の実施例1:酸を得るのに十分な容量の酸性溶液(追加した酸性溶液の容量は表6に列挙される)を150rpmで電磁撹拌機上で遊離塩基溶液にゆっくりと滴定した。
ステップ4:透明な溶液をキャップなしで外界温度で撹拌し、24時間、小さな穴を有するアルミホイルによって覆い、沈殿物を得た。
ステップ5:得られた懸濁液を10000rpmの速度で遠心分離機によって単離した。
上清を捨て、結果として生じる固体は、新規の結晶形態が得られたかどうかを決定するためにXRPDによって分析し、次に、さらなる特徴付けのために一晩、40℃で真空下で乾燥させた。
表6および図20に列挙する結果に基づいて、塩化物塩、メシル酸塩、およびトシル酸塩の再現に成功した。メシル酸塩(図21および表7)は、塩合成の間に十分に結晶化するように思われたが、塩化物塩およびトシル酸塩はともに、結晶化度を改善するためにEtOAcにおける再結晶を必要とした。
方法3のスケールアップ産物の再結晶:約100mgの塩を1.5mLガラスバイアルの中に別々に秤量し、次に、1mLのEtOAcを追加した。得られた懸濁液をサーモミキサーで1日、40℃で撹拌し、次に、10000rpmで遠心分離した。結果として生じる固体を、XRPD試験のために一晩、40℃で真空下で乾燥させた。
XRPD結果(図22、図23、および表8、表9)は、塩化物塩およびトシル酸塩の結晶化度が、この再結晶法を使用すると改善したことを示した。この理由から、再調製した塩化物塩(EtOAc中で再結晶化)、メシル酸塩、およびトシル酸塩(EtOAc中で再結晶化)をさらなる特徴付けに使用した。
Figure 0006976248
Figure 0006976248
Figure 0006976248
Figure 0006976248
Figure 0006976248
上記に開示されるようにXRPDピークを有することによって特徴付けられる実施例1の塩が、本明細書において提供される。ある実施形態では、塩は、上記に開示されるように少なくとも1つ、少なくとも3つ、または少なくとも5つのXRPDピークを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、塩は、上記に開示されるように5〜10のXRPDピークを有することによって特徴付けられる。そのようなピークは、それらの2シータシフトによって参照されてもよい。
適宜、実施例1のメシル酸塩(すなわち、RがCHSO である)が、本明細書において提供される。ある実施形態では、メシル酸塩は、約9.2、約10.8、約13.8、約16.7、約17.3、約18.4、約18.7、約19.9、約20.6、約21.4、約22.1、約22.3、約22.6、約22.9、約24.1、および約32.1度 2シータから選択される1つ以上のx線粉末回折ピークを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、メシル酸塩は、2、3、4、5、またはそれ以上のピークを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、メシル酸塩は、3つ以上のピークを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、メシル酸塩は、5つ以上のピークを有することによって特徴付けられる。
適宜、実施例1の塩化物塩(すなわち、RがClである)が、本明細書において提供される。ある実施形態では、塩化物塩は、約4.6、約9.26、約11.0、約12.6、約13.2、約13.8、約16.5、約19.0、約20.8、約22.0、約22.4、約22.7、約24.2、約25.0、および約33.4度 2シータから選択される1つ以上のx線粉末回折ピークを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、塩化物塩は、2、3、4、5、またはそれ以上のピークを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、塩化物塩は、3つ以上のピークを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、塩化物塩は、5つ以上のピークを有することによって特徴付けられる。
適宜、実施例1のトシル酸塩(すなわち、Rが4−MePhSO である)が、本明細書において提供される。ある実施形態では、塩化物塩は、約4.5、約9.0、約10.3、約10.5、約10.7、約11.1、約11.7、約13.6、約14.3、約17.1、約17.3、約17.6、約18.5、約18.9、約19.0、約19.2、約19.8、約20.1、約20.4、約20.8、約21.4、約21.8、約22.4、約22.6、約23.4、約24.3、約25.1、約26.0、約26.3、約27.2、約27.4、および約28.2度 2シータから選択される1つ以上のx線粉末回折ピークを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、トシル酸塩は、2、3、4、5、またはそれ以上のピークを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、トシル酸塩は、3つ以上のピークを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、トシル酸塩は、5つ以上のピークを有することによって特徴付けられる。
関連する図において示されるような粉末X線回折パターンを有することによって特徴付けられる実施例の塩もまた、提供される。
実施例1の硫酸塩(すなわち、RがHSO である)もまた、本明細書において提供される。
塩化物塩、メシル酸塩、およびトシル酸塩のHNMR結果(図24、図25、図26)は、モノメシル酸塩およびモノトシル酸塩が形成され、計算したモル比(API:酸)は1:1と確認されたことを示した。塩化物塩、メシル酸塩、およびトシル酸塩のPLMは、図27、図28、および図29においてそれぞれ示される。塩化物塩、メシル酸塩、およびトシル酸塩についてのDSCおよびTGAのオーバーレイを図30、図31、および図32においてそれぞれ示す。
塩化物塩のH NMR(400MHz,メタノール−d)δ ppm 2.03−2.27(m,2H),2.74(s,3H),2.84−2.96(m,5H),3.08−3.21(m,2H),3.25−3.31(m,2H),4.25−4.30(m,2H),4.70−5.13(m,4H),7.32(d,J=2.51Hz,1H),7.35(d,J=2.51Hz,1H),7.65(d,J=9.29Hz,1H),8.33−8.39(m,2H).
メシル酸塩のH NMR(400MHz,メタノール−d)δ ppm 2.06−2.24(m,2H),2.72(s,3H),2.74(s,3H),2.87−2.96(m,5H),3.09−3.23(m,2H),3.26−3.31(m,2H),4.28(s,2H),4.73−5.13(m,4H),7.33(dd,J=14.93,2.38Hz,2H),7.65(d,J=9.29Hz,1H),8.33−8.38(m,2H).
トシル酸塩のH NMR(400MHz,メタノール−d)δ ppm 2.04−2.27(m,2H),2.38(s,3H),2.74(s,3H),2.83−2.96(m,5H),3.10−3.22(m,2H),3.25−3.31(m,2H),4.26−4.31(m,2H,溶媒との交換が遅いため低い位置で融合),4.70−5.10(m,4H),7.24(d,J=7.78Hz,2H),7.31(d,J=2.01Hz,1H),7.35(d,J=2.26Hz,1H),7.68−7.74(m,3H),8.35−8.41(m,2H).
上記に開示されるように核磁気共鳴NMRピークを有することによって特徴付けられる塩が、本明細書において提供される。ある実施形態では、塩は、上記に開示されるように少なくとも1つ、少なくとも3つ、または少なくとも5つのピークを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、塩は、上記に開示されるように5〜10のピークを有することによって特徴付けられる。そのようなピークは、百万分率におけるそれらのシフトによって参照されてもよい。
約2.0〜約2.3、約2.7、約2.8〜約3.0、約3.1〜約3.2、約3.3、約4.3、約4.7〜約5.1、約7.3、約7.4、約7.7、または約8.3〜約8.4百万分率に1つ以上のH核磁気共鳴(NMR)化学シフトを有することによって特徴付けられる実施例1の塩化物塩が、本明細書において提供される。ある実施形態では、実施例1の塩化物塩は、3つ以上のシフトを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、実施例1の塩化物塩は、5つ以上のシフトを有することによって特徴付けられる。
約2.1〜約2.2、約2.7、約2.9〜約3.0、約3.1〜約3.2、約3.3、約4.3、約4.7〜約5.1、約7.3、約7.7、または約8.3〜約8.4百万分率に1つ以上のH核磁気共鳴(NMR)化学シフトを有することによって特徴付けられる実施例1のメシル酸塩が、本明細書において提供される。ある実施形態では、実施例1のメシル酸は、3つ以上のシフトを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、実施例1のメシル酸は、5つ以上のシフトを有することによって特徴付けられる。
約2.0〜約2.3、約2.4、約2.7、約2.8〜約3.0、約3.1〜約3.2、約3.3、約4.3、約4.7〜約5.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.7、または約8.4百万分率に1つ以上のH核磁気共鳴(NMR)化学シフトを有することによって特徴付けられる実施例1のトシル酸塩が、本明細書において提供される。ある実施形態では、実施例1のトシル酸塩は、3つ以上のシフトを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、実施例1のトシル酸塩は、5つ以上のシフトを有することによって特徴付けられる。
また、上記に開示される少なくとも1つのXRPDピーク/シフトおよび少なくとも1つのNMRピーク/シフトを有することによって特徴付けられる実施例1の塩もまた、提供され、ピーク/シフトは、両方とも、特定の塩に関係がある。ある実施形態では、塩は、上記に開示される少なくとも2、3、4、または5つのXRPDピーク/シフトおよび少なくとも3つのNMRピーク/シフトを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、塩は、上記に開示される少なくとも3つのXRPDピーク/シフトおよび少なくとも3つのNMRピーク/シフトを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、塩は、上記に開示される少なくとも5つのXRPDピーク/シフトおよび少なくとも5つのNMRピーク/シフトを有することによって特徴付けられる。
PLM結果のとおり(図31〜33)、3つの塩候補が、複屈折現象を示し、これは、前のXRPD結果に十分に一致した。メシル酸塩は、棒のような形状を示したが、塩化物塩およびトシル酸塩の両方は、不規則性のブロック状であった。
DSCおよびTGAを使用する熱特性(図34〜36)は、HCl塩について、図33において示される169℃の発生温度を有する広範な吸熱ピークが塩の融解であったかもしれず、30℃〜150℃の約4%の重量損失が、残存している溶媒の蒸発であるはずであることを示した。メシル酸塩については、図34において示される180℃の発生温度を有する吸熱ピークが塩の融解であったかもしれず、無視できる程度の重量損失が無水物形態を示す。トシル酸塩については、図35において示される185℃の発生温度を有する吸熱ピークが塩の融解であったかもしれず、無視できる程度の重量損失が無水物形態を示す。
上記に開示されるようにXRPDピークを有することによって特徴付けられる実施例1のトシル酸塩およびメシル酸塩が、本明細書において提供される。ある実施形態では、実施例1のトシル酸塩またはメシル酸塩は、上記の関連する表において開示されるように少なくとも5つのXRPDピークを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、実施例1のトシル酸塩またはメシル酸塩は、上記に開示されるように5〜10のXRPDピークを有することによって特徴付けられる。そのようなピークは、それらの2シータシフトによって参照されてもよい。
一般に、上記におよび下記の図において開示されるようにスペクトルのピーク(XRPD、NMR、IRなど)を有することによって特徴付けられる実施例1の塩および多形体が、本明細書において提供される。ある実施形態では、実施例1の塩または多形体は、関連する表または下記の図において開示されるように少なくとも5つのスペクトルのピークを有することによって特徴付けられる。ある実施形態では、実施例1の塩または多形体は、上記または下記に開示されるように5〜10のスペクトルのピークを有することによって特徴付けられる。そのようなピークは、それらの2シータシフト(XRPDの場合)によって、ppmでのそれらの化学シフトおよび/または強度および/またはグルーピング(NMRの場合)ならびに吸光度および/または頻度(IRの場合)によって参照されてもよい。
生物学的活性アッセイ
以下は、本明細書において開示される化合物およびその塩の生物学的効能を評価するために使用されてもよいアッセイである。
GLS1酵素活性アッセイ 様々な濃度の阻害剤による精製組換えヒトGACの阻害を、二重共役酵素アッセイを介して判断する。グルタミナーゼ反応によって産生されるグルタミン酸は、グルタミン酸オキシダーゼによって使用され、α−ケトグルタル酸、アンモニア、および過酸化水素が産生され、この過酸化水素は、Amplex UltraRedの存在下においてレゾルフィンを産生するためにホースラディッシュペルオキシダーゼによって続いて使用される。アッセイバッファーは、50mM Hepes(pH7.4)、0.25mM EDTA、および0.1mM Triton X−100からなった。GACは、阻害剤とのインキュベーション(室温で10分間)に先立って、リン酸カリウムとインキュベートした(室温で10分間)。最終的な反応条件は、以下のとおりであった:2nM GAC、50mMリン酸カリウム、100mU/mLグルタミン酸オキシダーゼ(Sigma)、1mMグルタミン(Sigma)、100mU/mLホースラディッシュペルオキシダーゼ(Sigma)、75μM Amplex UltraRed(Life Technologies)、および1%(v/v)DMSO。レゾルフィンの産生は、反応速度モードまたはエンドポイントモード(20分間の)でPerkin Elmer Envision plate reader(励起530nm、放射590nm)でモニターした。IC50値は、4パラメーターロジスティックカーブフィットを使用して計算した。
増殖アッセイ.A549細胞は、加湿インキュベーター(37℃、5% CO2、および周囲O2)を使用し、10%透析ウシ胎児血清を補足したRPMI 1640条件培地(Gibcoカタログ番号11875−093)中でルーチン的に維持した。生存率アッセイに備えて、細胞は、40uLの容量中1000細胞/ウェルの密度で384−well black CulturPlates(Perkin Elmer)に接種した。37℃、5%CO2、および周囲O2での24時間のインキュベーション後、細胞は、0.5%(v/v)の最終DMSO濃度の化合物(10uL)により処置した。次に、マイクロプレートは、72時間インキュベートした(37℃、5%CO2、および周囲O2)。Cell Titer Fluor(Promega)を続いて追加し(10uLの6×試薬)、室温で15分間混合した。次に、プレートは、30分間インキュベートし(37℃、5%CO2、および周囲O2)、蛍光は、続いて、Perkin Elmer Envision plate readerで読み取った。IC50値は、4パラメーターロジスティックカーブフィットを使用して計算した。
実施例1は、GLS1に対するIC50およびA549細胞増殖に対するEC50が<100nMであった。実施例1の塩、溶媒和化合物、および多形体(たとえば実施例2〜11)は、同様の活性を有することが予想される。
他の実施形態
上記に示される詳細な説明は、当業者らが本開示を実施するのを支援するために提供される。しかしながら、本明細書において記載され、主張される開示は、これらの実施形態が開示のいくつかの側面の例説として意図されるので、本明細書において開示される特定の実施形態によって範囲が限定されることはない。任意の等価な実施形態が、本開示の範囲内にあることが意図される。実際に、本明細書において示され、記載されるものに加えて、本発明の発見の精神または範囲から逸脱しない、開示の様々な修飾が、前述の説明から当業者らに明らかになるであろう。そのような修飾もまた、添付の請求項の範囲内にあることが意図される。

Claims (21)

  1. 化合物
    Figure 0006976248
    の塩、DMSO溶媒和物、もしくは多形体の結晶であって、
    前記塩は、構造式I:
    Figure 0006976248
    (式中、Rが、Cl、Br、I、HSO 、SO 2−、NO 、CHSO 、PhSO 、4−MePhSO 、ナフタレンSO から選択され、
    nが、1〜2の整数であり、
    Yが、任意のDMSO溶媒和物である)
    を有する
    塩、DMSO溶媒和物、もしくは多形体の結晶。
  2. nが、1である、請求項1に記載の塩、DMSO溶媒和物、もしくは多形体の結晶。
  3. Yがない、請求項1に記載の塩、DMSO溶媒和物、もしくは多形体の結晶。
  4. が、Cl、HSO 、CHSO 、4−MePhSO から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の塩、DMSO溶媒和物、もしくは多形体の結晶。
  5. が、CHSO である、請求項1から4のいずれか一項に記載の塩、DMSO溶媒和物、もしくは多形体の結晶。
  6. メシル酸塩は、約9.2、約10.8、約13.8、約16.7、約17.3、約18.4、約18.7、約19.9、約20.6、約21.4、約22.1、約22.3、約22.6、約22.9、約24.1、および約32.1度 2シータから選択される1つ以上のx線粉末回折ピークを有することによって特徴付けられる、請求項5に記載の塩、DMSO溶媒和物、もしくは多形体の結晶。
  7. が、Clである、請求項1から4のいずれか一項に記載の塩、DMSO溶媒和物、もしくは多形体の結晶。
  8. 塩化物塩は、約4.6、約9.26、約11.0、約12.6、約13.2、約13.8、約16.5、約19.0、約20.8、約22.0、約22.4、約22.7、約24.2、約25.0、および約33.4度 2シータから選択される1つ以上のx線粉末回折ピークを有することによって特徴付けられる、請求項7に記載の塩、DMSO溶媒和物、もしくは多形体の結晶。
  9. が、4−MePhSO である、請求項1から4のいずれか一項に記載の塩、DMSO溶媒和物、もしくは多形体の結晶。
  10. トシル酸塩は、約4.5、約9.0、約10.3、約10.5、約10.7、約11.1、約11.7、約13.6、約14.3、約17.1、約17.3、約17.6、約18.5、約18.9、約19.0、約19.2、約19.8、約20.1、約20.4、約20.8、約21.4、約21.8、約22.4、約22.6、約23.4、約24.3、約25.1、約26.0、約26.3、約27.2、約27.4、および約28.2度 2シータから選択される1つ以上のx線粉末回折ピークを有することによって特徴付けられる、請求項9に記載の塩、DMSO溶媒和物、もしくは多形体の結晶。
  11. が、HSO である、請求項1から4のいずれか一項に記載の塩、DMSO溶媒和物、もしくは多形体の結晶。
  12. 固体の化合物
    Figure 0006976248
    の多形体の結晶。
  13. 約4.0、約8.0、約11.6、約11.9、約14.9、約15.9、約17.6、約19.9、約20.2、約22.4、約23.7、および約23.9度 2シータから選択される1つ以上のx線粉末回折ピークを有する多形体Dである、請求項12に記載の固体の化合物の多形体の結晶。
  14. 前記多形体Dは、2つ、3つ、または5つ以上のx線粉末回折ピークを有することによって特徴付けられる、請求項13に記載の固体の化合物の多形体の結晶。
  15. 前記多形体Dは、5つ以上のx線粉末回折ピークを有することによって特徴付けられる、請求項13または14に記載の固体の化合物の多形体の結晶。
  16. 前記多形体Dが、無水物である、請求項13または14に記載の固体の化合物の多形体の結晶。
  17. 前記多形体Dが、DSCにおいて197℃±1℃で発生する吸熱ピークを示す、請求項13または14に記載の固体の化合物の多形体の結晶。
  18. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の塩、DMSO溶媒和物、または多形体の結晶および薬学的に許容され得るキャリヤ、補助剤、またはビヒクルを含む組成物。
  19. GLS1が媒介する障害の治療において使用するための、請求項18に記載の組成物。
  20. 前記GLS1が媒介する障害が、癌である、請求項19に記載の組成物。
  21. 別の治療剤と組み合わせて使用するための、請求項19に記載の組成物。
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