JP6772981B2 - 車両のスライドドア構造 - Google Patents
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また、スライドドアに加わる外力が解除されて、前記スライドドアのガイドローラがウエザーストリップの弾性力でガイドレールの内壁面に当接している状態で、嵌合部の特定部位と被嵌合部の特定部位とは付勢手段により押し付けられた状態に保持される。
以下、図1〜図5に基づいて本発明の実施形態1に係る車両のスライドドア構造について説明する。本実施形態に係るスライドドア構造は、スライドドアの上部を支持する構造に関するものである。ここで、図中に示す前後左右、及び上下は、本実施形態に係るスライドドア構造を備える車両の前後左右、及び上下に対応している。
車両ボディ10には、図1に示すように、運転席や助手席等の前部座席に対応するフロントドア開口部11と、後部座席に対応するリヤドア開口部12とが形成されている。車両ボディ10の両ドア開口部11,12の間には、上下方向に延びるセンターピラー13が設けられている。また、両ドア開口部11,12の下縁部には、車両前後方向に延びるロッカー25が形成されており、ロッカー25にセンターピラー13の下端部が接続されている。そして、前記フロントドア開口部11がドアヒンジを中心に回動可能なフロントドア(図示省略)により開閉可能に構成されている。また、リヤドア開口部12がスライドドア23により開閉可能に構成されている。
車両ボディ10には、スライドドア23をスライド方向にガイドするアッパーガイドレール16とロアガイドレール17とセンターガイドレール18とが設けられている。アッパーガイドレール16とロアガイドレール17とはリヤドア開口部12の上下に設けられており、センターガイドレール18はリヤドア開口部12の後側の高さ方向中央位置に設けられている。ロアガイドレール17は、ロッカー25内の所定位置に設けられている。各ガイドレール16,17,18には、スライドドア23の上端部、下端部及び中央部にそれぞれ設けられたガイドローラーユニット19,20,21が各ガイドレール16,17,18に沿って転動可能な状態で連結されている。これにより、スライドドア23は各ガイドレール16,17,18に沿ってスライドが可能になる。
車両ボディ10のルーフ部15の左右両側には、図2に示すように、筒状のルーフサイド部15rが車両前後方向に延びるように形成されている。ルーフサイド部15rの下側には、アッパーガイドレール16を収納するレール用凹部14が形成されており、そのレール用凹部14の下側に前記リヤドア開口部12が形成されている。アッパーガイドレール16は、断面略逆U字形に形成されており、そのアッパーガイドレール16の天井板部がルーフサイド部15rの下面に水平に取付けられている。アッパーガイドレール16は、リヤドア開口部12に沿って車両前後方向に延びており、図3に示すように、前部が車幅方向内側(左側)に湾曲している。そして、図2、図3に示すように、スライドドア23の上部に設けられたガイドローラーユニット19のガイドローラ19rがアッパーガイドレール16に沿って転動可能な状態でそのアッパーガイドレール16に収納されている。
スライドドア23と車両ボディ10間には、全閉位置でスライドドア23の前上部を車両ボディ10の定位置に位置決めする位置決め機構40が設けられている。位置決め機構40は、図3に示すように、スライドドア23のガイドローラーユニット19の前側に固定された位置決めピン41と、車両ボディ10のリヤドア開口部12の壁面12wに固定された筒状部44とから構成されている。そして、スライドドア23が全閉位置近傍から全閉位置までスライドする間に位置決めピン41が筒状部44の貫通穴443に挿入されて、スライドドア23の位置決めが行われる。即ち、位置決め機構40の位置決めピン41と筒状部44との軸心がスライドドア23のスライド方向Sに延びている。このように、位置決め機構40の筒状部44が本発明の嵌合部に相当し、位置決め機構40の位置決めピン41が本発明の被嵌合部に相当する。
スライドドア23が全閉位置近傍から全閉位置までスライドする間に、図3に示すように、スライドドア23はアッパーガイドレール16とガイドローラ19rの働きによりリヤドア開口部12の内側に引き込まれるようになる。さらに、スライドドア23側の位置決めピン41が車両ボディ10側の筒状部44(筒状部本体440)の貫通穴443に挿入される。スライドドア23側の位置決めピン41は、車両ボディ10側の筒状部44の貫通穴443に挿入される際、貫通穴443の付勢部441により右側(外側)から押圧される。これにより、図3等に示すように、位置決めピン41の外周面41rにおける左側の特定部位41sが、筒状部44の貫通穴443の左側に設けられた特定部位443sに押し付けられた状態に保持される。また、スライドドア23はウエザーストリップ32,34の弾性力Wdにより車両ボディ10の外側方向に押圧されているため、図3に示すように、スライドドア23側のガイドローラ19rはアッパーガイドレール16の右側内壁面16wに当接している。
本実施形態に係るスライドドア構造によると、付勢部441(付勢手段)の働きで位置決め機構40の筒状部44(嵌合部)の貫通穴443の特定部位443sと位置決めピン41(被嵌合部)の外周面41rの特定部位41sとが互いに押し付けられた状態に保持されている。このため、スライドドア23が外力によりウエザーストリップ32,34の弾性力Wdに抗して車両ボディ10の内側方向に変位しようとしても、位置決め機構40の筒状部44と位置決めピン41との働きで、スライドドア23が車両ボディ10の内側方向に変位することがない。また、スライドドア23に加わる外力が解除されて、スライドドア23がウエザーストリップ32,34の弾性力Wdで車両ボディ10の外側方向に押圧されても、付勢部441の働きで位置決め機構40の筒状部44の貫通穴443の特定部位443sと位置決めピン41の外周面41rの特定部位41sとが互いに押し付けられた状態に保持されている。このため、スライドドア23が車両ボディ10の外側方向に変位することがない。このように、スライドドア23に対して外力が加わり、あるいはその外力が解除されても、スライドドア23が車両ボディ10の内外方向に振動し難くなる。このため、、スライドドア23の振動に起因する位置決め機構40、及びアッパーガイドレール16、ガイドローラ19r間の打音等を抑制できる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、位置決め機構40の筒状部44の貫通穴443内に付勢部441(付勢手段)を設ける例を示した。しかし、筒状部44の筒状部本体440とブラケット部45との間に付勢部を設け、筒状部44の貫通穴443の特定部位443sと位置決めピン41の外周面の特定部位41sとを押し付けた状態に保持することも可能である。また、本実施形態では、スライドドア23側に位置決め機構40の位置決めピン41を固定し、車両ボディ10側に筒状部44を固定する例を示した。しかし、スライドドア23側に位置決め機構40の筒状部44を固定し、車両ボディ10側に位置決めピン41を固定する構成でも可能である。
12・・・リヤドア開口部(ドア開口部)
16・・・アッパーガイドレール
16w・・右側内壁面(内壁面)
19r・・ガイドローラ
19・・・ガイドローラーユニット
23・・・スライドドア
32・・・主ウエザーストリップ
34・・・上部ウエザーストリップ
40・・・位置決め機構
41・・・位置決めピン(被嵌合部)
41r・・外周面
41s・・特定部位
44・・・筒状部(嵌合部)
441・・付勢部(付勢手段)
443・・貫通穴(穴)
443s・特定部位
Wd・・・弾性力
S・・・・スライド方向
Claims (4)
- 車両ボディのドア開口部の縁部に設けられたガイドレールに沿って転動するガイドローラを備え、前記ドア開口部を開閉するスライドドアと、前記ドア開口部の周縁に設けられ、前記スライドドアと前記車両ボディ間をシールするウエザーストリップと、前記スライドドアが閉じられる際、前記スライドドアのスライド方向から嵌合し、前記スライドドアの一部を車両ボディの定位置に位置決めする位置決め機構とを備える車両のスライドドア構造であって、
前記位置決め機構は、前記車両ボディ、あるいは前記スライドドアのいずれか一方に設けられた嵌合部と、前記車両ボディ、あるいは前記スライドドアのいずれか他方に設けられ、前記嵌合部と嵌合する被嵌合部とを備え、前記スライドドアが外力で前記ウエザーストリップの弾性力に抗して前記車両ボディの内側方向に変位する際、前記嵌合部の特定部位と前記被嵌合部の特定部位とが当接する構成であり、
前記位置決め機構には、前記嵌合部の特定部位と前記被嵌合部の特定部位とを互いに押し付けた状態に保持する付勢手段が設けられており、
前記スライドドアのガイドローラは、前記ウエザーストリップの弾性力を受けて前記車両ボディのガイドレールの内壁面に当接しており、
前記付勢手段は、前記ウエザーストリップの弾性力に抗する方向に付勢されて、前記嵌合部の特定部位と前記被嵌合部の特定部位とを互いに押し付けた状態に保持できる構成であり、
前記ガイドレールは、そのガイドレールの端部で前記スライドドアを全閉位置近傍と全閉位置間でガイドする構成で、前記車両ボディのドア開口部の縁部には、前記特定部位が前記ガイドレールの端部の内壁面に沿うように位置決めされた状態で、前記車両ボディ側の嵌合部、あるいは被嵌合部が固定されている車両のスライドドア構造。 - 請求項1に記載された車両のスライドドア構造であって、
前記位置決め機構の嵌合部は、軸方向に延びる穴を備える筒状部であり、前記位置決め機構の前記被嵌合部は、前記筒状部の穴に挿入される位置決めピンであり、
前記位置決めピンと前記筒状部との軸心が前記スライドドアのスライド方向に延びている車両のスライドドア構造。 - 請求項2に記載された車両のスライドドア構造であって、
前記付勢手段により前記筒状部の穴の特定部位と前記位置決めピンの外周面の特定部位とが押し付けられた状態に保持される車両のスライドドア構造。 - 請求項3に記載された車両のスライドドア構造であって、
前記付勢手段は、板バネ状の部材で、前記筒状部の穴の特定部位と中心を挟んで反対側の位置に形成されており、
前記筒状部の穴に挿入された前記位置決めピンの外周面が前記付勢手段に押圧され、その外周面と中心を挟んで反対側にある前記位置決めピンの特定部位が前記筒状部の穴の特定部位に押し付けられる構成である車両のスライドドア構造。
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