JP6772903B2 - 帯状薄板の接合システム - Google Patents

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Description

本発明は、搬送されている第一薄板と、この第一薄板に追行する第二薄板とを接合する接合システムに関する。
従来、搬送されている帯状の第一薄板の終端面と、追行する帯状の第二薄板の始端面とを突き合わせて接合し、接合部の縁部を搬送方向に沿ってトリミングする、帯状薄板の接合方法が知られている。他の従来技術として、接合を溶接で行う方法が特許文献1に開示されている。
特開2001―138047号公報
しかしながら、上記従来の接合方法では、帯状薄板の切断、突き合わせ、及び貼り合わせを作業者の手作業によって行っている。そのため、作業時間も長い上、作業者の熟練度によって品質が異なっていた。
本発明は上記課題に鑑みて創作されたものであり、その目的は2つの帯状薄板を高速かつ高精度に接合可能な帯状薄板の接合システムを提供することにある。
本発明の帯状薄板の接合システム(13)は、帯状の第一薄板(16)の終端面(161)と、追行する第二薄板(17)の始端面(171)とを突き合わせて接合する。
帯状薄板の接合システムは、第一薄板係止装置(24)、第一薄板切断装置(26)、載置台(28)、第二薄板切断装置(22、23)、第二薄板案内装置(20、21)、テープ設置装置(29)及び接合ユニット(27)を備える。
第一薄板係止装置は、第一薄板を係止可能である。第一薄板切断装置は、第一薄板を切断し終端面を形成可能である。第二薄板切断装置は、第二薄板を切断し始端面を形成可能である。第二薄板案内装置は、始端面が形成された第二薄板を係止可能であり、係止された第二薄板を第一薄板の搬送面と同一面内に移動し、第一薄板の終端面と突き合わせ可能である。載置台は、終端面と始端面が接合した接合面(180)から第一薄板の板面に垂直な方向に離間して設けられ、接合面の近傍部分を載置する。テープ設置装置は、接合面を覆う接合テープ(292)を設置可能である。接合ユニットは、第一薄板の板面に垂直な方向に沿って移動可能であり、第一薄板と第二薄板とに接合テープが投影された部分である接合部(18)を接合テープと載置台との間で押圧可能なパッド(274)、及び接合部の縁部を切断可能なカッタ(272、273)を有する。また、第二薄板案内装置は、第一薄板の板面内で前記搬送方向と垂直な方向に第一薄板と第二薄板との位置合わせが可能な、中央部(207)が凸状の送りローラ(205、206、215、216)を有する。
本発明の帯状薄板の接合システムは、接合ユニットに一体化してパッド及びカッタが設けられているため、接合部への接合テープの貼り付け、及び接合部の縁部の切断を接合ユニットの上下動作一回のみで行える。そのため、繋ぎ合わせ作業の時間短縮が可能となる。
一実施形態に係る帯状薄板の接合システムを含む加工装置の正面図である。 一実施形態に係る帯状薄板の接合システムの正面図である。 一実施形態に係る送りローラの説明図である。 一実施形態に係る接合ユニット、載置台及びテープ設置装置の斜視図である。 一実施形態に係る接合ユニット、載置台及びテープ設置装置の断面図である。 一実施形態に係る接合ユニット、載置台及びテープ設置装置の断面図である。 一実施形態に係るテープ設置装置の断面図である。 一実施形態に係る第一薄板と第二薄板との接合過程を示す平面図である。 一実施形態に係る帯状薄板の接合システムの図8(a)におけるIX−IX線断面図である。 一実施形態に係る帯状薄板の接合システムの図8(a)におけるX−X線断面図である。 一実施形態に係る帯状薄板の接合システムの動作フローチャートである。 一実施形態に係る帯状薄板の接合システムの動作を説明する正面図である。 一実施形態に係る帯状薄板の接合システムの動作を説明する正面図である。 一実施形態に係る帯状薄板の接合システムの動作を説明する正面図である。 一実施形態に係る第二薄板の始端面形成後の平面図である。 一実施形態に係る帯状薄板の接合システムの動作を説明する正面図である。 一実施形態に係る帯状薄板の接合システムの動作を説明する正面図である。 一実施形態に係る第一薄板の終端面形成後の平面図である。 一実施形態に係る帯状薄板の接合システムの動作を説明する正面図である。 一実施形態に係る帯状薄板の接合システムの動作を説明する正面図である。 一実施形態に係る第一薄板と第二薄板との接合面形成後の平面図である。 一実施形態に係る帯状薄板の接合システムの動作を説明する正面図である。
以下、本発明に係る帯状薄板の接合システムについて、図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
本実施形態に係る帯状薄板の接合システムについて図1から図10に基づいて説明する。図1に帯状薄板の接合システム13を使用した生産装置10についての正面図を示す。
生産装置10は、アルミ製の帯状薄板が巻回された第一アンコイラ11及び第二アンコイラ12を備える。第一アンコイラ11及び第二アンコイラ12は制御装置150に接続され、一方のアンコイラの帯状薄板の残量が少なくなると、他方のアンコイラの薄板が送られるように制御される。図1において、現在搬送され、隣接する加工装置14に送られている薄板を第一薄板16とし、第一薄板16に追行する薄板を第二薄板17とする。ここでは、第一薄板16は第一アンコイラ11に巻回されている。
第一アンコイラ11は巻回された薄板の残量を検知する第一検知装置111を備える。第二アンコイラ12は巻回された薄板の残量を検知する第二検知装置121を備える。第一検知装置111及び第二検知装置121は制御装置150に接続されている。生産装置10は、帯状薄板を繋ぐ帯状薄板の接合システム13を備える。生産装置10は、帯状薄板を加工する加工装置14を備える。帯状薄板は様々な形状に加工することが可能である。本実施形態の加工装置14は帯状薄板を熱交換器のフィンに加工する。生産装置10は、加工後の帯状薄板を取り出す取り出し装置15を備える。帯状薄板の接合システム13、加工装置14及び取り出し装置15はそれぞれ制御装置150と接続し、自動制御が可能である。
図2に帯状薄板の接合システム13の拡大正面図を示す。図2においては、第一アンコイラ11から第一薄板16が搬送されている。以下、帯状薄板が流れる方向を搬送方向とする。薄板と同じ面内にあり搬送方向に垂直な方向を奥方向または手前方向(図4参照)とする。奥方向は紙面奥に向かう方向であり、手前方向は紙面の手前側に向かう方向である。重力方向を下方向、その反対方向を上方向とする。
帯状薄板の接合システム13は、「第二薄板案内装置」としての第一案内装置20、「第二薄板案内装置」としての第二案内装置21、「第二薄板切断装置」としての第一切断装置22、「第二薄板切断装置」としての第二切断装置23、第一薄板係止装置24、及び接合装置25を備える。
第一案内装置20は、後述する第一切断装置22よりも搬送方向と反対方向側にある。第一案内装置20は、第一薄板16に追行する第二薄板17の搬送を行う「送りローラ」としての第一ローラ205及び第二ローラ206を備える。第一ローラ205の中央部207及び第二ローラ206の中央部の径は、端部よりも径が大きい。第一ローラ205及び第二ローラ206は、中高形状でありクラウン効果によって第二薄板17を中心方向に自動調心することが可能である。図3(a)に第一ローラ205が回転中心軸Aを中心軸として回転しているとき、第二薄板17が搬送されている状態を示す。図3(b)には、第二薄板17が搬送されている状態を、搬送方向に垂直な面で切断した場合の断面図を示す。第二薄板17の幅中心と、第一ローラ205の中高部の中心位置がずれると、第二薄板17の幅中心と、第一ローラ205の中高部の中心位置とを合わせようとする力fが働く。そのため第一薄板16を第一ローラ205によって搬送するだけで、第二薄板17は自動調心され手前方向については常に位置合わせがされる。図3では第一ローラ205にて第二薄板17が搬送されるものとして説明したが、第二ローラ206で第二薄板17が搬送されても同じようなクラウン効果により自動調心が行われる。
第一案内装置20は、第一クランパ202及び第一クランパステージ203を備える。第一クランパ202は駆動装置により下降したとき、第一クランパステージ203上の第二薄板17を係止可能である。第一案内装置20は、第一案内装置ステージ204を備える。第一案内装置20は、搬送方向に沿って移動可能に第一案内装置ステージ204に設けられている。このとき、第一案内装置20は、第二薄板17を第一クランパ202と、第一クランパステージ203とで係止したまま、移動可能である。第一案内装置ステージ204は、2本のレールを持つエレベータ30に沿って上下移動可能である。
ここでは第一案内装置20が搬送しクランプするのは第二薄板17として説明したが、第一案内装置20は、第一薄板16を第二薄板17と同様に搬送し、クランプすることが可能である。
第二案内装置21は、後述する第二切断装置23よりも搬送方向と反対方向側にある。第二案内装置21は、第一薄板16に追行する第二薄板17の搬送を行う「送りローラ」としての第三ローラ215及び第四ローラ216を備える。第三ローラ215の中央部及び第四ローラ216の中央部の径は、端部よりも径が大きい。第三ローラ215及び第四ローラ216は、中高形状でありクラウン効果によって第二薄板17を中心方向に自動調心することが可能である。クラウン効果による手前方向についての位置合わせは、第一ローラ205が、第二薄板17を搬送する仕組みと同様である。
第二案内装置21は、第二クランパ212及び第二クランパステージ213を備える。第二クランパ212は駆動装置により下降したとき、第二クランパステージ213上の第二薄板17を係止可能である。第二案内装置21は、第二案内装置ステージ214を備える。第二案内装置21は、搬送方向に沿って移動可能に第二案内装置ステージ214に設けられている。第二案内装置21は、第二薄板17を第二クランパ212と、第二クランパステージ213とで係止したまま、移動可能である。第二案内装置ステージ214は、2本のレールを持つエレベータ30に沿って上下移動可能である。第二案内装置21は第一案内装置20よりも相対的に下側に設けられている。
ここでは第二案内装置21が搬送しクランプするのは第二薄板17として説明したが、第二案内装置21は、第一薄板16を第二薄板17と同様に搬送し、クランプすることが可能である。
第一切断装置22は、後述する載置台28よりも搬送方向と反対方向側にある。第一切断装置22は、搬送方向に対して斜めに第二薄板17を切断し、切断面である始端面171(図8(a)参照)を形成可能な第一カッタ221及び第一カッタステージ222を備える。第一案内装置20が上方向に移動したとき、第一案内装置20の第一クランパステージ203の表面位置と、第一カッタステージ222の表面位置とが同じ高さになるように、第一切断装置22は帯状薄板の接合システム13に係止されて設けられている。
第二切断装置23は、後述する載置台28よりも搬送方向と反対方向側にある。第二切断装置23は、搬送方向に対して斜めに第二薄板17を切断し、始端面171を形成可能な第二カッタ231及び第二カッタステージ232を備える。第二案内装置21が下方向に移動したとき、第二案内装置21の第二クランパステージ213の表面位置と、第二カッタステージ232の表面位置とが同じ高さになるように、第二切断装置23は帯状薄板の接合システム13に係止されて設けられている。
ここで第一アンコイラ11から、薄板が通過する進路を第一進路41とする。第二アンコイラ12から、薄板が通過する進路を第二進路42とする。相対的に第二進路42は第一進路41よりも下側に形成される。第一薄板16または第二薄板17が加工装置14に搬送される進路を搬送進路40とする。
図2の状態では、第一薄板16が第一進路41を通り、搬送進路40を搬送される。搬送進路40と第一進路41との境目は、第一案内装置20を通過したときとする。第二薄板17が第二進路42を通り、搬送進路40を搬送されるときの、搬送進路40と第二進路42との境目は、第二案内装置21を通過したときである。
第一薄板係止装置24は、後述する第一薄板切断装置26よりも搬送方向側にある。第一薄板係止装置24は、第三クランパ241及び第三クランパステージ242を備える。第三クランパ241は駆動装置により下降したとき、第三クランパステージ242上の第一薄板16を係止可能である。第一薄板係止装置24は、帯状薄板の接合システム13に係止されて設けられている。
接合装置25は、第一薄板切断装置26、載置台28、接合ユニット27及びテープ設置装置29を備える。接合装置25は帯状薄板の接合システム13に固定されて設けられたステージ251に、薄板の搬送方向に沿って移動可能に設けられている。
第一薄板切断装置26は、後述する載置台28よりも搬送方向側にある。第一薄板切断装置26は、第一薄板16を搬送方向に対して斜めに切断し、切断面である終端面161(図8(a)参照)を形成可能な第三カッタ261及び第三カッタステージ262を備える。ここで、終端面161と、始端面171とは突き合わせた時に双方の帯状薄板の表面が同一平面上にあり、互いに重ならないように形成される。
載置台28は接合面180(図8(a)参照)の近傍部分の下方向側に位置する。
テープ設置装置29は、接合面180の上方向側に粘着性のある接合テープ292の粘着面を下にして、接合面180を覆うように設置可能である。ここで、第一薄板16と第二薄板17とに接合テープ292が投影された部分を接合部18(図8(b)参照)とし二点鎖線で表す。
接合ユニット27は、接合テープ292よりも上方向側に設けられ、「パッド」としての貼り付けパッド274、「カッタ」としての第一トリミングカッタ272、及び「カッタ」としての第二トリミングカッタ273を有する。
図4に接合ユニット27、載置台28及びテープ設置装置29の斜視図を示す。図5に搬送方向に沿った断面図を、図6に搬送方向に垂直な面の断面図を示す。
接合ユニット27のケーシング271は角筒状であり、内部にテープ押さえ部277が、弾性部材276を介して設けられている。
テープ押さえ部277は、搬送方向に垂直な面で切断した断面形が下向きのU字形である。接合ユニット27が下方向に移動したとき、テープ押さえ部277の下端部は接合テープ292と接触する。
ゴム製の貼り付けパッド274は、第一薄板16の終端面161と、第二薄板17の始端面171とを突き合わせて形成される接合面180を含む接合部18に接合テープ292を貼り付けるものであり、テープ押さえ部277に設けられている。貼り付けパッド274は、接合テープ292に向かい合う中央部278になだらかな凸部を有している。ゆえに、貼り付けパッド274の手前方向に垂直な面で切断した断面形状は、中央部278が膨らんだ形状となっている。テープ押さえ部277と貼り付けパッド274との間には、隙間が存在している。
第一トリミングカッタ272及び第二トリミングカッタ273は、接合部18の搬送方向に沿った縁部のトリミングを行う。第一トリミングカッタ272は、奥方向側に位置する外壁に設けられ、第二トリミングカッタ273は、手前方向側に位置する外壁に設けられている。第一トリミングカッタ272の搬送方向の長さ及び第二トリミングカッタ273の搬送方向の長さはどちらも同じであり長さT1である。長さT1は、接合テープ292の搬送方向の長さT2よりも長い。第一トリミングカッタ272と第二トリミングカッタ273とは手前方向について、接合部18の搬送方向に沿った縁部を切断できるように間隔をあけて設けられている。接合ユニット27は図示しない駆動装置により、上下に移動が可能である。
載置台28は、平坦な上面を有し、奥方向側の壁面に第一トリミングカッタ272に対するダイとしての役割を有する第一ダイ壁面281を有し、手前方向側の壁面に第二トリミングカッタ273に対するダイとしての第二ダイ壁面282を有する。このとき、第一ダイ壁面281は、第一トリミングカッタ272よりも手前方向側にあり、第二ダイ壁面282は、第二トリミングカッタ273よりも奥方向側にある。載置台28は、図示しない駆動装置により上下移動が可能である。
テープ設置装置29の動作を図7に基づいて説明する。図7においては、図が煩雑になることを避けるため、接合ユニット27は図示しないものとした。図7(a)のように、第一テープクランパ293まで接合テープ292を引き出す。このとき、第一テープクランパ293は接合テープ292をクランプしていない。次に、図7(b)のように、第二テープクランパ294は第一テープクランパ293に隣接するまで奥方向に動いたのち、接合テープ292をクランプする。そして図7(c)のように、接合テープ292をクランプしたまま、手前方向に第二テープクランパ294が移動すると、接合テープ292はテープローラ291から引き出される。第二テープクランパ294が元の位置に復帰した後、第一テープクランパ293が接合テープ292をクランプする。このようにして、テープ設置装置29は、接合部18を接合テープ292でたわみなく覆う。接合テープ292は、第一薄板16の終端面161と、第二薄板17の始端面171とを突き合わせた接合面180の形成後に設置しても良いし、あらかじめ接合テープ292を設置しておき、その後接合面180が形成されてもよい。
接合ユニット27の動作について説明する。第一薄板16及び第二薄板17を斜めに切断し、突き合わせて接合面180が形成された状態の平面図を図8(a)に示す。図面が煩雑になるため、接合ユニット27、載置台28、テープ設置装置29は図8においては図示しない。第一薄板16は搬送方向に沿って奥側に第一薄板第一辺部162、手前側に第一薄板第二辺部163及び終端面161を有する。第二薄板17は搬送方向に沿って奥側に第二薄板第一辺部172、手前側に第二薄板第二辺部173部及び始端面171を有する。第一薄板16と第二薄板17とが重なると、重なった部分が帯状薄板2枚分の厚みとなり加工装置の中で詰まる。そのため突き合わせての位置決めの時には、第一薄板16と第二薄板17とが重ならないようにする。ここで、終端面161と始端面171とが重なることなく、かつ隙間ができることもなく突き合わせることは現実には困難であり、終端面161と始端面171との間には図示しない微小間隔の隙間が存在する。
第一薄板第一辺部162と終端面161とが交わる点を第一終端点164、第一薄板第二辺部163と終端面161とが交わる点を第二終端点165とする。第二薄板第一辺部172と始端面171とが交わる点を第一始端点174、第二薄板第二辺部173と始端面171とが交わる点を第二始端点175とする。第一始端点174と、第二終端点165との帯状薄板の手前方向に沿った長さをWとし、第一終端点164と、第二始端点175との搬送方向に沿った長さをDとする。突き合わせに対しての手前方向に沿った誤差である幅ズレWdは、長さWから帯状薄板の幅の長さを減算した量である。ここで、図7で説明したテープ設置装置29の動作により、接合面180の上に接合テープ292が設置され、接合部18が形成された状態を図8(b)に示す。
図9(a)と図10(a)に示すように、図示しない駆動装置によって、接合ユニット27が下方向に移動すると、載置台28と、接合テープ292との間に、接合部18が挟まれる。貼り付けパッド274は中央部が膨らんでいるため、最初に膨らんだ部分の先端が接合テープ292に接触する。その後貼り付けパッド274の膨らみの形状に沿って接合テープ292が接合部18に押しつけられるように貼られていく。そのため接合テープ292と接合部18との間にある空気は中心から外側に逃げるように動く。
接合ユニット27が下方向に移動すると、貼り付けパッド274が接合部18の上から接合テープ292をさらに押さえつけて圧力を加える。その後、テープ押さえ部277の下端部が接合テープ292と接触する。テープ押さえ部277の内側面に接触するまで、貼り付けパッド274は圧力によって弾性変形して膨らみつつ、接合テープ292と帯状薄板との間にある気泡を外部に押し出す。図9(b)に示すように、貼り付けパッド274の下面の搬送方向に沿った長さは、接合テープ292の搬送方向に沿った長さよりも長いので、搬送方向において、接合テープ292の全面を押圧し、気泡を除去する。
また、図10(b)に示すように、手前方向において、貼り付けパッド274の下面とテープ押さえ部277の下面とは隙間がなくなるため、接合テープ292の全面を押圧し気泡を除去可能である。このため、接合テープ292は接合部18と隙間なく密着する。
第一トリミングカッタ272と第一ダイ壁面281とによって、接合部18の搬送方向に沿った縁部のうち奥方向側にある縁部がトリミングされる。第二トリミングカッタ273と第二ダイ壁面282とによって、接合部18の搬送方向に沿った縁部のうち手前方向側にある縁部がトリミングされる。このとき接合テープ292も同時にトリミングされる。第一トリミングカッタ272と第一ダイ壁面281とは隙間がほぼないように設けられているので、トリミングされた接合部18の断面にバリがでない。第二トリミングカッタ273と第二ダイ壁面282についても同様である。
その後図9(c)と図10(c)に示すように、接合ユニット27は上昇し、載置台28は下降する。このようにして、接合テープ292で第一薄板16及び第二薄板17を接合し、さらに接合部18をトリミングするという作業を接合ユニット27の上下動作一回で行う。
トリミング後の接合部18の平面図を図8(c)に示す。第一薄板16と、第二薄板17との接合部18の搬送方向に沿った縁部が切り取られている。これにより、第一薄板16は、第一薄板第三辺部166と第一薄板第四辺部167とを有するようになる。第二薄板17は、第二薄板第三辺部176と第二薄板第四辺部177を有する。第一トリミングカッタ272と第二トリミングカッタ273との搬送方向に沿った長さは、接合テープ292の搬送方向に沿った長さよりも長くなるように設けられているため、搬送方向に沿って接合部18の縁部を切りとった長さであるトリミング長T1は、第一トリミングカッタ272及び第二トリミングカッタ273の搬送方向に沿った長さT1となる。手前方向に沿ったトリミング長Twが接合部18の強度を保てる程度に小さく、かつ幅ズレWdよりも長くなるように第一トリミングカッタ272及び第二トリミングカッタ273は設けられる。
次に、帯状薄板の接合システム13を使用した自動繋ぎ動作について図11から図22に基づいて説明する。図11に自動繋ぎ動作のフローチャートを示す。図12に自動繋ぎ動作前の状態を示す。このとき、第一アンコイラ11から第一薄板16が搬送している。
ステップS1の第二薄板引き出し工程について説明する。
作業者により、第二アンコイラ12から第二薄板17が第二案内装置21の第三ローラ215または第四ローラ216を通して、引き出される。
ステップS2の第二薄板位置あわせ工程について説明する。
この工程は制御装置150により自動で行われる。第二案内装置21内にて手前方向についての位置あわせが行われる。この位置あわせは、第二案内装置21が備える第三ローラ215または第四ローラ216にて第二薄板17を搬送させると、上述のクラウン効果によって第二薄板17は第三ローラ215または第四ローラ216の中心方向に寄る。そのため作業者によって第二薄板17を位置あわせする動作等をしなくてもよい。その後、第二案内装置21の第二クランパ212と、第二クランパステージ213とで第二薄板17を係止する。この状態を図13に示す。
ステップS3の第二薄板切断工程について説明する。
この工程は制御装置150により自動で行われる。第二薄板17を係止したまま第二案内装置21は搬送方向に沿って移動し、第二薄板17を第二切断装置23に導入する。第二切断装置23にて、第二カッタ231と第二カッタステージ232とにより、第二薄板17は切断され始端面171が形成される。第二薄板17に始端面171が形成された状態を図14に示す。始端面171形成後の残片178は廃棄される。第二薄板17が第二カッタステージ232上にある平面図を図15に示す。このとき始端面171の形成位置についての搬送方向における位置合わせは、第二切断装置23が所定距離移動することで行われる。
その後、第二薄板17を係止したまま第二案内装置21は搬送方向に沿って移動して、原位置に復帰する。この状態を図16に示す。
この後、第一アンコイラ11に巻回されている第一薄板16の量が設定された量よりも少なくなると、第一検知装置111により、自動繋ぎ開始信号が発信されて、自動繋ぎ動作が開始する。
ステップS4の第一薄板切断工程について説明する。
この工程は制御装置150により自動で行われる。第一薄板16の搬送を停止する。第一案内装置20が搬送方向と反対方向に移動し、エレベータ30上に位置する。第一薄板係止装置24の第三クランパ241と第三クランパステージ242とで第一薄板16を係止する。第一案内装置20の第一ローラ205または第二ローラ206が第一薄板16を搬送させていたため、クラウン効果によって第一薄板16は第一ローラ205または第二ローラ206の中心方向に寄っている。そのため第一薄板16は自動的に手前方向についての位置合わせがなされている。
その後、接合装置25が搬送方向と反対方向に移動し、第一薄板切断装置26の第三カッタ261と第三カッタステージ262とにより、第一薄板16を切断し終端面161を形成する。このとき搬送方向と反対方向への接合装置25の移動距離は、第一薄板切断装置26と載置台28との間の搬送方向に沿った距離と同一である。ここで、二つに切断された第一薄板16のうち、第一アンコイラ11に近い方を余剰部168とする。このときの帯状薄板の接合システム13の状態を図17に示す。また、第一薄板16が第三カッタステージ262上にある平面図を図18に示す。
ステップS5の接合面形成工程について説明する。
この工程は制御装置150により自動で行われる。接合装置25が搬送方向に移動し原位置に復帰する。第一案内装置20は余剰部168をクランプしたまま、エレベータ30によって上方に移動する。第二薄板17の搬送面と第一薄板16の搬送面とが同一面内になるように、下方向に位置していた第二案内装置21が第二薄板17をクランプしたまま上方に移動する。このときの帯状薄板の接合システム13の状態を図19に示す。そして、載置台28の上で第一薄板16の終端面161と第二薄板17の始端面171とが接合面180を形成するように、第二案内装置21が搬送方向に所定距離だけ移動する。このときの帯状薄板の接合システム13の状態を図20に示す。図21に載置台に第一薄板16の終端面161と第二薄板17の始端面171とが突き合った接合面180の近傍部分が載置している状態を示す。
ステップS6の貼り付け及びトリミング工程について説明する。
この工程は制御装置150により自動で行われる。図5と図6とに示したように、テープ設置装置29が接合テープ292をたわみなく接合面180を覆って設置されている。ここでは、あらかじめ設置された接合テープ292の下に接合面180が形成されるものとした。図9から図10に示したように、接合ユニット27によって第一薄板16と第二薄板17とを接合テープ292により接合し、接合部18の搬送方向に沿った縁部のトリミングも行われる。トリミング終了後は図8(c)のように、第一薄板16と第二薄板17とが接合される。
ステップS7の搬送開始工程について説明する。
この工程は制御装置150により自動で行われる。第二クランパ212及び第二クランパステージ213による第二薄板17のクランプを緩める。第三クランパ241及び第三クランパステージ242による第一薄板16のクランプを緩める。こうして帯状薄板の搬送が可能となる。第二アンコイラ12から送られる薄板が新たな第一薄板16となる。この状態を図22に示す。
ステップS8の余剰部廃棄工程について説明する。
作業者は、余剰部168を廃棄する。
以上、搬送されている第一薄板16が第一アンコイラ11から搬送されている薄板の場合の帯状薄板の接合システム13の自動繋ぎ動作を説明した。
この後、作業者は第一アンコイラ11から追行する薄板として第二薄板17を引き出し、第一案内装置20にセットする。そしてステップS1からS3と同様に、第二薄板17の手前方向についての位置あわせをしたのち、切断により始端面171を形成する。
そして、搬送されている薄板が設定量よりも少なくなると第二検知装置121により自動繋ぎ開始信号が発信されて、自動繋ぎ動作が開始する。
本実施形態の帯状薄板の接合システム13により帯状薄板接合することの効果について述べる。
(a)接合ユニット27は、貼り付けパッド274、第一トリミングカッタ272及び第二トリミングカッタ273を有する。そのため接合部18に接合テープ292を押圧することと、接合部18の縁部のトリミングとを接合ユニット27の下降動作一回で行えるので作業時間を短縮し高速化できる。
(b)制御装置150により繋ぎ合わせ動作を自動化できるので、作業時間を短縮し高速化できる。
(c)搬送方向の位置あわせを第一案内装置20及び第二案内装置21の予め決定された機械的な移動距離によって行うことができる。そのため位置精度が高精度であるし、作業者によって精度が変化しない。繋ぎ合わせの精度が良いため帯状薄板同士が2枚重なり厚みが増して詰まることを防げる。帯状薄板同士が離れすぎて、接合強度が弱まり搬送中に接合テープ292が切断されることを防げる。
(d)手前方向についての位置あわせを第一ローラ205、第二ローラ206、第三ローラ215及び第四ローラ216のクラウン効果により行うことができる。そのため位置精度が高精度であるし、作業者によって精度が変化しない。また、幅ずれを少なくできるためローラのガイド等に引っかかり詰まることも防げる。
(e)貼り付けパッド274は、搬送方向に沿った面で切断した断面形状で見ると中央部278が膨らんだ形状であり、接合テープ292を接合部18に貼り付ける際に中心部から外側に空気を追い出すことができる。そのため気泡を巻き込むことがなく、厚みが増えないので詰まりにくい。
(f)第一トリミングカッタ272及び第二トリミングカッタ273の搬送方向に沿った長さは接合テープ292の長さよりも長いため接合部18の搬送方向に沿った縁部を確実にカットできる。そのため接合テープ292の切り残しが詰まることを防げる。
(g)載置台28の奥方向側の壁面は、第一トリミングカッタ272に対応したダイの役割を持つ第一ダイ壁面281である。手前方向側の壁面は、第二トリミングカッタ273に対応したダイの役割を持つ第二ダイ壁面282である。そのため接合部18の搬送方向に沿った縁部をバリが少なくカットでき、バリの厚みにより詰まることを防げる。
(h)貼り付けパッド274が押圧で変形するとき、テープ押さえ部277の内側面に接触するまで膨らむ。そのため接合テープ292と接合部18との間にある気泡を外部に確実に押し出すことができる。
(i)第一案内装置20と第二案内装置21とを交互に使用し、第一薄板16が搬送しているときに、第二薄板17の位置合わせと切断による始端面171の形成を行う。いわゆる外段取りを行うことができ作業時間を短縮し高速化できる。
(他の実施形態)
(ア)本実施形態においては、接合テープは接合部の上を覆うように配置されているが、これに代えて接合テープが接合部の下にあってもよい。
(イ)本実施形態においては、接合ユニットが帯状薄板の上にあるが、これに代えて、接合ユニットが下にあってもよい。この場合、載置台が帯状薄板の上にある。
(ウ)本実施形態においては、熱交換器のフィンに使用する帯状薄板を接合するが、これに代えて、チューブや線材等でも、本発明の帯状薄板の接合システムを適用可能である。
(エ)本実施形態においては、第一案内装置と第二案内装置とは上下方向に配置されているが、これに代えて、手前側と奥側とに配置されていても本発明は適用可能である。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
10 生産装置
11 第一アンコイラ、 111 第一検知装置
12 第二アンコイラ、 121 第二検知装置
13 帯状薄板の接合システム
16 第一薄板、 161 終端面
17 第二薄板、 171 始端面
18 接合部 180 接合面
20 第一案内装置(第二薄板案内装置)、21 第二案内装置(第二薄板案内装置)
205 第一ローラ(送りローラ)、 206 第二ローラ(送りローラ)
215 第三ローラ(送りローラ)、 216 第四ローラ(送りローラ)
22 第一切断装置(第二薄板切断装置)、23 第二切断装置(第二薄板切断装置)
24 第一薄板係止装置
25 接合装置
26 第一薄板切断装置
27 接合ユニット
272 第一トリミングカッタ(カッタ)
273 第二トリミングカッタ(カッタ)
274 貼り付けパッド(パッド)
28 載置台
29 テープ設置装置
150 制御装置

Claims (1)

  1. 搬送可能な帯状の第一薄板(16)、及び前記第一薄板に追行して搬送可能な帯状の第二薄板(17)について、前記第一薄板の終端面(161)と前記第二薄板の始端面(171)とを突き合わせて接合する帯状薄板の接合システム(13)であって、
    前記第一薄板を係止可能な第一薄板係止装置(24)と、
    前記第一薄板を切断することで前記終端面を形成可能な第一薄板切断装置(26)と、
    前記第二薄板を切断することで前記始端面を形成可能な第二薄板切断装置(22、23)と、
    前記始端面が形成された前記第二薄板を係止し、係止された前記第二薄板を前記第一薄板の搬送面と同一面内に移動し、前記始端面を前記終端面に突き合わせ可能な第二薄板案内装置(20、21)と、
    前記終端面と前記始端面とが接合した接合面(180)から前記第一薄板の板面に垂直な方向に離間して設けられ、前記第一薄板及び前記第二薄板のうち前記接合面の近傍部分を載置する載置台(28)と、
    前記接合面を覆う接合テープ(292)を設置可能なテープ設置装置(29)と、
    前記第一薄板と前記第二薄板とに前記接合テープが投影された部分である接合部(18)を前記接合テープと前記載置台との間で押圧可能なパッド(274)、及び前記接合部の縁部を切断可能なカッタ(272、273)を有し、前記第一薄板の板面に垂直な方向に移動可能な接合ユニット(27)と、
    を備え
    前記第二薄板案内装置は、前記第一薄板の板面内で前記搬送方向と垂直な方向に前記第一薄板と前記第二薄板との位置合わせが可能な、中央部(207)が凸状の送りローラ(205、206、215、216)を有する、帯状薄板の接合システム。
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