JP6772678B2 - 変速機用吊り具 - Google Patents

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Description

本発明は変速機用吊り具に係り、特に、変速機の姿勢変換を行うのに好適な変速機用吊り具に関する。
変速機の組立中に、変速機の向きを変え、変速機の姿勢変換を行うことがある。従来、こうした変速機の姿勢変換は、作業員の人力により行うのが一般的である。
特開昭62−249891号公報
しかし、変速機は大きな重量を有するため、人力作業はとても大変であり、また安全面でも好ましくない。
そこで本発明は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、変速機の姿勢変換を容易かつ安全に行える変速機用吊り具を提供することにある。
本発明の一の態様によれば、
基部と、
前記基部から下方に延びる一対のアームと、
前記一対のアームにそれぞれ設けられ、変速機の側部に係合可能な係合片と、
前記係合片を前記アームに対し水平の第1回転軸回りに回転可能に支持する第1回転支持部と、
少なくとも一方の前記係合片を、前記第1回転軸回りの少なくとも二箇所の位置にロックする第1ロック機構と、
を備えることを特徴とする変速機用吊り具が提供される。
好ましくは、前記二箇所の位置は、前記第1回転軸回りに90°離間された位置である。
好ましくは、前記第1ロック機構は、
少なくとも一方の前記係合片に設けられ、前記第1回転軸回りに離間された二つの係合穴と、
少なくとも一方の前記アームに設けられ、前記係合穴に挿抜可能な係合ピンとを有する。
好ましくは、前記変速機用吊り具は、
少なくとも一方の前記アームを前記基部に対し水平の第2回転軸回りに回転可能に支持する第2回転支持部と、
少なくとも一方の前記アームを、前記第2回転軸回りの少なくとも一箇所の位置にロックする第2ロック機構と、をさらに備える。
好ましくは、前記一箇所の位置は、少なくとも一方の前記アームに設けられた前記係合片が前記変速機の側部に係合するような位置である。
好ましくは、前記第2ロック機構は、第1サブロック機構および第2サブロック機構を有し、
前記第1サブロック機構は、前記基部に対する所定位置に前記アームをロックするロック位置と、前記基部から前記アームを解放するアンロック位置とに移動可能なカムを有し、
前記第2サブロック機構は、前記基部に沿ってスライド可能なスライダを有し、前記スライダは、前記アームに係合するロック位置と、前記アームから離脱するアンロック位置とに移動可能である。
本発明によれば、変速機の姿勢変換を容易かつ安全に行うことができる。
吊り具の正面図である。 吊り具の右側面図である。 吊り具の左側面図である。 吊り具の一部を示す平面図である。 吊り具の係合片と変速機の凹所を示す概略斜視図である。 右側の第1回転支持部と第1ロック機構を示す縦断正面図である。 変速機の姿勢変換方法を説明するための概略図である。 変速機の姿勢変換方法を説明するための概略図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1〜図4に本実施形態の変速機用吊り具1を示す。図1は正面図、図2は右側面図、図3は左側面図である。図4は吊り具1の一部を示す平面図である。図1および図4に変速機TMを仮想線で示す。
概して述べると、本実施形態の吊り具1は、縦向きの変速機TMを吊り上げて横向きに姿勢変換するための装置である。図1に示すように、変速機TMは支持台S上に縦向きに載置されており、吊り具1はこの変速機TMを吊り上げて、横向きに姿勢変換するよう適用される。
本実施形態において、変速機TMは車両用変速機であり、特にトラック等の大型車両に搭載される予定の手動変速機である。変速機TMは、姿勢変換後、車両動力源としての内燃機関すなわちディーゼルエンジンに組み付けられる。但し変速機、車両および内燃機関の種類、用途等は任意であり、例えば車両は乗用車等の小型車両であってもよいし、エンジンはガソリンエンジンであってもよいし、変速機は自動変速機であってもよい。本実施形態の手動変速機は、車両がオートマチック車の場合、自動化される。
図には組立中の変速機TMが示されている。変速機TMは、変速機中心Cと、前端101と、後端102とを有する。前端101が入力側でエンジン(図示せず)への組付箇所となり、後端102が出力側でドライブシャフト(図示せず)への組付箇所となる。また変速機TMは、図1の紙面厚さ方向手前側の上面部103と、左側部104および右側部105と、図1の紙面厚さ方向奥側の下面部106(図4参照)とを有する。こうした前後左右上下の各方向は車両搭載状態での車両の各方向と一致する。
このように実際の変速機TMの左右と、図1の表示上での左右とは逆となる。ここでは理解容易のため、図1の表示に合わせて、「左側部104および右側部105」を「右側部104’および左側部105’」と言い換えるものとする。この図1の表示上の左右は吊り具1の左右と一致する。以下、図1の上下左右を上下左右とし、図1の紙面厚さ方向手前側を前、奥側を後として説明を進める。
変速機TMは、前端101を下とし、変速機中心Cを上下方向に沿った縦の状態として支持台S上に載置されている。変速機TMは変速機ハウジング107を有し、変速機ハウジング107の内部には周知のようにインプットシャフト、アウトプットシャフト、カウンタシャフト等のシャフト類、ギア類、シンクロ機構、変速機構等が収容されている。変速機中心Cと同軸にインプットシャフトおよびアウトプットシャフトが配置されている。
変速機TMは依然組立段階にある。変速機TMを縦向きにしているのは、縦向きのシャフト類にギア類等を上から順次組み付けて組み立て易くするためである。この縦向きの組立作業が完了すると、変速機TMを横向きにして、横向きの方が組み付け易い部品を組み付ける。全ての組立作業が完了すると、変速機TMは横向きの状態で試験用テストベンチ、あるいはエンジンに組み付けられる。図示される配置において、吊り具1の左右中心および前後中心は変速機中心Cに一致している。
以下、吊り具1について説明する。吊り具1は概して、基部2と、基部2から下方に延びる左右一対のアーム3,4と、一対のアーム3,4にそれぞれ設けられ、変速機TMの左右の側部105’,104’にそれぞれ係合可能な左右の係合片5,6と、係合片5,6を左右のアーム3,4に対しそれぞれ水平の第1回転軸O1回りに回転可能に支持する左右の第1回転支持部7,8と、右側係合片6を、第1回転軸O1回りの少なくとも二箇所の位置にロックする第1ロック機構9とを備える。
また吊り具1は、左側アーム3を基部2に対し水平の第2回転軸O2回りに回転可能に支持する第2回転支持部10と、左側アーム3を、第2回転軸O2回りの少なくとも一箇所の位置にロックする第2ロック機構11とをさらに備える。
基部2は、左右に延びる上端アーム15を有し、上端アーム15は、図2及び図3にも示すように、互いに固定された同一形状かつ正面視L字形状の前側アーム16と後側アーム17とを有する。前側アーム16および後側アーム17はそれぞれ、左右に延びる水平部18と、水平部18の左端から下方に延びる垂直部19とを一体的に有する。これら前側アーム16および後側アーム17の間に左右のアーム3,4が配置される。水平部18の左右中心部にはアイボルト20が取り付けられている。図示しないが、このアイボルト20にワイヤーが係止され、ホイストまたはクレーンによりワイヤーが巻き上げられることで吊り具1が上昇される。
右側アーム4の上端部は、前側アーム16および後側アーム17における水平部18,18の右端部の間に固定されている。右側アーム4はその上端部から下方に延びている。右側アーム4の下端部に、右側係合片6と右側第1回転支持部8が設けられている。
左側アーム3の上端部は、前側アーム16および後側アーム17における水平部18,18の左端部の間にて、第2回転軸O2を規定する回転シャフト21により、回転可能に支持されている。すなわち本実施形態では、基部2に取り付けられた回転シャフト21により第2回転支持部10が形成されている。第2回転軸O2および回転シャフト21は前後方向に延びている。
左側アーム3も正面視L字形状に形成され、上端部から右方に延びる水平部22と、上端部から下方に延びる垂直部23とを一体的に有する。通常、左側アーム3が閉位置に位置するとき、水平部22は基部2の水平部18に重なっていて正面から見えない。しかし、左側アーム3が回転して開位置に位置すると、仮想線で示すようにそれが見えるようになる。他方、垂直部23は基部2の垂直部19よりも長く下方まで延びている。左側アーム3の下端部に、左側係合片5と左側第1回転支持部7が設けられている。
図5(A)にも概略的に示すように、右側係合片6は、概ね横長立方体形状のブロック状の部材であり、図5(B)に示すような変速機TMの右側部104’の既存の凹所110に嵌め入れられることによって、右側部104’に係合するようになっている。凹所110は、変速機ハウジング107に一体形成された上下前後の壁108a,108b,108c,108dと底壁108e(いずれも透明で示す)によって画成される。この凹所110の形状に適合するように右側係合片6の形状が設定されている。凹所110内には、変速機ハウジング107に一体形成された複数(本実施形態では二つ)の冷却フィン109が突出して設けられている。これに対応して、右側係合片6にも、冷却フィン109を受け入れる複数(本実施形態では二つ)の受け溝24が設けられている。
このように、変速機TMの既存の凹所110を利用して右側係合片6を係合させるようにしたので、変速機TMに別途係合箇所を設ける場合に比べて、製造コストを低減できる。
次に、図6を参照して右側係合片6と右側第1回転支持部8を説明する。なお図において右側係合片6は凹所110内に嵌め入れられた状態を示す。
右側係合片6は、その右側面に固定された取付板25と、取付板25の右側面に固定された回転ベース26とを有する。右側係合片6は図示しない複数のボルトにより取付板25に着脱可能に固定され、変速機TMの種類に応じて交換可能となっている。他方、右側アーム4の下端部には、軸受ケース27が固定して設けられている。軸受ケース27内には複数(本実施形態では二つ)の軸受28が配置されている。本実施形態の軸受28は円錐ころ軸受からなるが、軸受の種類は任意である。回転ベース26と軸受ケース27は側面視で同一外径の円形の部材とされる(図3参照)。
右側係合片6、取付板25および回転ベース26には軸穴29が形成され、この軸穴29に、第1回転軸O1を規定し頭部30を有する回転軸33が左側からスライド可能に挿入される。回転ベース26から突出された回転軸33の部分は、二つの軸受28にも挿通された後、軸受ケース27の右側に突出される。この突出部に形成された雄ネジ31に、緩み止め機能を有するロックナット32が締め付けられ、全体が一体に組み付けられる。こうして、右側係合片6、取付板25および回転ベース26は、軸受ケース27ひいては右側アーム4の下端部に対し、第1回転軸O1回りに回転可能となる。
ロックナット32を適度に強く締め付けることで、スラスト力を増大し、右側係合片6の回転に対し摩擦ブレーキ力を与えることができる。これにより右側係合片6の回転中、すなわち変速機TMの姿勢変換中、変速機TMが勢いよく回転することを抑制し、作業性および安全性を高められる。
以上の構成は、左側係合片5と左側第1回転支持部7においても、左右対称である点を除き実質的に同様であるので、それらについては説明を省略する。
次に、図1、図2および図6を参照して第1ロック機構9を説明する。第1ロック機構9は、回転ベース26に設けられたベースピン穴35と、軸受ケース27に設けられたケースピン穴36と、これらベースピン穴35およびケースピン穴36に右側からスライド挿入されるロックピン37と、軸受ケース27の右側に突出されたロックピン37の頭部37Aに回転可能に接続されたレバー38と、レバー38をロック方向に押圧するスプリング39とを備える。図は、変速機TMを縦向きの状態でロックする第1ロック位置にあるときの第1ロック機構9を示す。ベースピン穴35およびロックピン37は特許請求の範囲にいう係合穴および係合ピンに相当する。
回転ベース26および軸受ケース27の上端部に、ベースピン穴35およびケースピン穴36が第1回転軸O1と平行にかつ互いに同軸に配置される。これらにロックピン37が挿入されることで、右側アーム4に対する右側係合片6の回転が規制される。ロックピン37の頭部37Aには縦の長穴40が形成され、これに、レバー38の下端部に固設されたピン41がスライド可能に挿入されている。
図1に示すように、右側アーム4にはブラケット42を介してピン43が取り付けられ、このピン43が、レバー38の中間部に設けられたピン穴(図示せず)に相対回転自在に挿通される。これによりレバー38はピン43の周りを回転可能である。ピン43より上方のレバー38の部分が右側に折曲されて外側に迫り出すあるいは開くよう形成されている。この部分と右側アーム4の間に、レバー38を外側に押し出すよう、スプリング39が圧縮状態で配置されている。
図2に示すように、回転ベース26には、前記ベースピン穴35とは別のベースピン穴45が設けられている。前者のベースピン穴35は変速機TMを縦向きの状態でロックするためのもの、後者のベースピン穴45は変速機TMを横向きの状態でロックするためのものである。以下、前者のベースピン穴35を「縦向き用ベースピン穴35」、後者のベースピン穴45を「横向き用ベースピン穴45」という。縦向き用ベースピン穴35と横向き用ベースピン穴45は、第1回転軸O1回りに90°離間されている。
図1、図2および図6に示す第1(縦向き)ロック位置にあるとき、ロックピン37は縦向き用ベースピン穴35に挿入され、右側係合片6は横長の状態で、第1ロック位置にロックされている。このとき、スプリング39がレバー38を外側に押し出すよう付勢し、これに伴ってレバー38をピン43を中心とした図1の時計回りに付勢する。よってレバー38にピン接続されたロックピン37は、図6の左側に付勢され、縦向き用ベースピン穴35に挿入されるよう押し込まれる。
次に、作業者がスプリング39の付勢力に逆らって、図1に仮想線で示す如く、レバー38を内側に倒すと、これに伴ってレバー38がピン43を中心として図1の反時計回りに回転する。これによりロックピン37は、図6の右側に移動し、図6に仮想線で示す如く縦向き用ベースピン穴35から引き抜かれる。これによりロックが解除され、右側係合片6は右側アーム4に対して回転可能となる。
後にも述べるが、変速機TMの横向きへの姿勢変換に伴って、右側係合片6が図2の時計回りに回転されると、90°回転した時点でロックピン37と横向き用ベースピン穴45との位置が一致し、スプリング39の付勢作用により、ロックピン37が横向き用ベースピン穴45に自動的に挿入される。これにより右側係合片6は縦長の状態となる第2ロック位置にロックされる。このように第1ロック機構9は、右側係合片6を、第1回転軸O1回りの二箇所の位置、すなわち第1ロック位置と第2ロック位置にロックするよう構成されている。
右側係合片6の回転中、レバー38を解放してもよく、こうすると回転中にロックピン37が回転ベース26に押し当たり、回転ベース26に引き摺り抵抗ないしブレーキ力を与えることができる。これは、変速機TMの回転に抵抗を与え、変速機TMの姿勢変換を容易かつ安全に行うのに有利である。
次に、図1および図3を参照して第2ロック機構11を説明する。第2ロック機構11は、左側アーム3に設けられた左側係合片5が図1に実線で示す如く変速機TMの左側部105’に係合するような一箇所の位置、すなわち閉位置に、左側アーム3をロックするよう構成されている。第2ロック機構11のロックが解除されたとき、左側アーム3は第2回転軸O2回りに自由に回転可能であり、仮想線で示すような開位置に移動可能である。
第2ロック機構11は、第1サブロック機構51と第2サブロック機構52を有し、左側アーム3をロックするとき所謂ダブルロックを実行するようになっている。図1の実線は、第1サブロック機構51がロック位置にあり、第2サブロック機構52がアンロック位置にあるときの状態を示す。
前述したように、基部2の前側アーム16および後側アーム17の垂直部19,19の間に、左側アーム3が回転可能ないしスイング可能に、かつ重なった状態もしくは整列した状態で配置されている。垂直部19,19には略U字状のブラケット53が垂直部19,19を前後から挟むように、かつ左側に突出して設けられている。ブラケット53の前後の先端部に、前後に延びるカム支持軸54が掛け渡して設けられる。カム支持軸54はその中間部にて略円形の偏心カム55を回転自在に支持する。偏心カム55の前後位置は左側アーム3の前後位置に合わされている。偏心カム55には、これを回転操作するためのハンドル56が設けられている。ハンドル56の先端には球形の把持用ノブ57が設けられている。
図1に実線で示すロック位置にあるとき、ハンドル56は下向きとされ、偏心カム55は、左側アーム3の左側面に接触し、左側アーム3を垂直部19,19と重なる位置にロックする。これにより左側アーム3の回転が規制される。このとき、垂直部19,19間にあるブラケット53の右側面部に左側アーム3が押し付けられる。
他方、図1に仮想線で示すアンロック位置にあるとき、ハンドル56は上向きとされ、偏心カム55は、ロック位置から略180°回転されて、左側アーム3の左側面から離間される。こうなると左側アーム3のロックが解除され、左側アーム3は、偏心カム55に当たる位置までフリーに回転できるようになる。
このように第1サブロック機構51は、左側アーム3を基部2に対する所定位置、すなわち垂直部19,19と重なりまたは整列する位置にロックするロック位置と、左側アーム3のロックを解除するアンロック位置とに移動可能なカム、すなわち偏心カム55を有する。
図1および図3に示すように、第2サブロック機構52はより簡素な構成を有し、基部2に沿ってスライド可能なスライダ61を有する。スライダ61は、基部2の前側アーム16および後側アーム17の水平部18,18に嵌合された四角管の如く構成され、水平部18,18に沿ってスライド可能である。
スライダ61は、ロック位置にあるとき、図1の位置より左側に移動され、前側アーム16および後側アーム17の水平部18,18と、これら水平部18,18に重なった左側アーム3の水平部22とに同時に嵌合される。そして基部2に対する左側アーム3の相対回転を規制する。
他方、スライダ61は、アンロック位置にあるとき、図1の位置に位置され、左側アーム3の水平部22から離脱される。そして基部2に対する左側アーム3の相対回転を許容する。
このようにスライダ61は、左側アーム3の水平部22に係合するロック位置と、左側アーム3の水平部22から離脱するアンロック位置とに移動可能である。
ここで図1および図4に示すように、左右の係合片5,6が変速機TMに係合したとき、第1回転軸O1は、変速機TMの重心Gに近接した位置に配置される。言い換えれば、第1回転軸O1ができるだけ重心Gに接近するよう、変速機TMの係合位置が設定されている。これにより、係合片5,6の回転ロックが解除されて変速機TMが自由に回転できるようになっても、変速機TMが重力で回転してしまうのを抑制し、変速機TMの姿勢を保持できる。これも、変速機TMの姿勢変換を容易かつ安全に行うのに有利である。
次に、図7および図8を参照して、本実施形態の吊り具1を用いた変速機TMの姿勢変換方法を説明する。
先ず図7(A)に示すように、変速機TMを縦向きに置いた状態で、ホイストまたはクレーン(ホイスト等という)を操作することにより、吊り具1を変速機TMの上方に位置させる。このとき、第1ロック機構9は縦向き用第1ロック位置に位置され、第2ロック機構11の第1サブロック機構51はロック位置に位置され、第2サブロック機構52はアンロック位置に位置されている。
次に図7(B)に示すように、ホイスト等を操作して吊り具1を下降させる。そして左側アーム3を左側に回転させた状態、すなわち開いた状態にして、まず右側係合片6を変速機TMに係合させる。次いで左側アーム3を右側に回転、すなわち閉じた状態にしつつ、左側係合片5を変速機TMに係合させる。
次いで図7(C)に示すように、第1サブロック機構51のハンドル56を下向きに回転させて偏心カム55による左側アーム3の回転ロックを行う。次いで、第2サブロック機構52のスライダ61を左側のロック位置に移動し、これによっても左側アーム3の回転ロックを行う。このように左側アーム3の回転が二重にロックされるので、左右の係合片5,6の変速機TMへの係合状態を確実に維持でき、不意にロックが外れて変速機TMが脱落するのを確実に防止できる。
その後、図7(D)に示すように、ホイスト等を操作して吊り具1を変速機TMと一緒に上昇させる。
次に、変速機TMの横向きへの姿勢変換を行う。このとき先ず作業者は、図8(A)に示すように、レバー38を内側に押し倒し、ロックピン37の縦向き用ベースピン穴35への係合を解除する。こうすると右側係合片6の回転ロックが解除され、左右の係合片5,6ひいては変速機TMは、第1回転軸O1回りに自由に回転できるようになる。
係合解除と同時に変速機TMを少しだけ回転させてやれば、ロックピン37が再び縦向き用ベースピン穴35に挿入されることがないので、作業者はレバー38を解放した状態に放置できる。よって作業者はその後の変速機TMの回転作業に集中でき、作業性および安全性を高められる。
次いで図8(B)に示すように、作業者は、変速機TMを手で持って図8の時計回りに変速機TMを90°回転させる。これにより変速機TMは、上面部103が上、下面部106が下となる横向きに姿勢変換される。前述したように、回転中、ロックナット32により摩擦ブレーキ力を与え、かつ回転ベース26にロックピン37からの引き摺り抵抗を与えることができる。これによって変速機TMの回転に適度な抵抗を与え、変速機TMが勢いよく回転するのを抑制し、作業性および安全性を高められる。
横向きへの姿勢変換が終了すると、前述したように、横向き用ベースピン穴45の位置がロックピン37の位置に一致し、スプリング39の付勢作用により、ロックピン37が横向き用ベースピン穴45に自動的に挿入される。これにより変速機TMは横向き状態で自動的にロックされる。レバー38への何等の操作無しに自動的にロックを行えるので、容易性および安全性を高められる。ロックピン37が自動的に挿入されると、図8(C)に示すように、レバー38も元の開いた位置に自動的に復帰移動する。
このように本実施形態の吊り具1によれば、第1ロック機構9を設けたので、変速機TMの縦向きから横向きへの姿勢変換を容易かつ安全に行うことができる。勿論、必要であれば、上記と逆の手順を実行することにより、変速機TMの横向きから縦向きへの姿勢変換をも容易かつ安全に行うことができる。
また本実施形態の吊り具1によれば、第2ロック機構11を設けたので、左側アーム3を閉じた状態にロックし、左右の係合片5,6を係合した状態に確実に維持できる。よって係合が外れて変速機TMが脱落するのを未然に防止し、安全性を高められる。
特に、第2ロック機構11を、第1サブロック機構51と第2サブロック機構52を有するものとしたので、二重ロックを行うことができ、不意にロックが外れて変速機TMが脱落するのを確実に防止できる。そして安全性をより一層向上することができる。
以上、本発明の実施形態を詳細に述べたが、本発明は他の実施形態も可能である。
(1)例えば、上記実施形態では凸状の係合片5,6を凹状の凹所110に係合させたが、これら凹凸関係は逆であっても良い。また凹凸嵌合以外の方法で係合を行ってもよい。
(2)第1回転支持部7,8において、アーム側から突出する軸を、係合片側に設けた軸受に挿入して、係合片を回転可能に支持しても良い。
(3)第1ロック機構9に関し、上記実施形態では90°離間した二箇所の位置に係合片5,6をロックし、変速機TMを90°異なる二つの向きでロックするようにした。しかしながら、これらロック箇所の数、離間角度等は任意に設定できる。例えばロック箇所の数を3以上に増やし、より多くの向きで変速機TMをロックできるようにしてもよい。また、例えば180°離間した二つのロック箇所を設け、変速機TMを左右反転もしくは上下反転した向きでロックできるようにしてもよい。
(4)上記実施形態では、右側のみに第1ロック機構9を設けて簡素化を図ったが、第1ロック機構9を左側のみ、あるいは左右両側に設けてもよい。
(5)上記実施形態では、左側のみに第2回転支持部10と第2ロック機構11を設けて簡素化を図ったが、第2回転支持部10と第2ロック機構11を右側のみ、あるいは左右両側に設けてもよい。
(6)上記実施形態では、第2ロック機構11をダブルロック式としたが、シングルロック式としてもよい。
(7)第1サブロック機構51に関し、上記実施形態では左側アーム3を閉位置のみでロックしたが、開位置でもロックできるようにしてもよい。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 吊り具
2 基部
3,4 アーム
5,6 係合片
7,8 第1回転支持部
9 第1ロック機構
10 第2回転支持部
11 第2ロック機構
35,45 ベースピン穴
37 ロックピン
51 第1サブロック機構
52 第2サブロック機構
55 偏心カム
61 スライダ
104,105(104’,105’) 側部
TM 変速機
O1 第1回転軸
O2 第2回転軸

Claims (6)

  1. 基部と、
    前記基部から下方に延びる一対のアームと、
    前記一対のアームにそれぞれ設けられ、変速機の側部に係合可能な係合片と、
    水平の第1回転軸回りに、前記係合片を前記アームに対し回転可能に支持する第1回転支持部と、
    少なくとも一方の前記係合片を、前記第1回転軸回りの少なくとも二箇所の位置にロックする第1ロック機構と、
    を備えることを特徴とする変速機用吊り具。
  2. 前記二箇所の位置は、前記第1回転軸回りに90°離間された位置である
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機用吊り具。
  3. 前記第1ロック機構は、
    少なくとも一方の前記係合片に設けられ、前記第1回転軸回りに離間された二つの係合穴と、
    少なくとも一方の前記アームに設けられ、前記係合穴に挿抜可能な係合ピンとを有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の変速機用吊り具。
  4. 少なくとも一方の前記アームを前記基部に対し水平の第2回転軸回りに回転可能に支持する第2回転支持部と、
    少なくとも一方の前記アームを、前記第2回転軸回りの少なくとも一箇所の位置にロックする第2ロック機構と、をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の変速機用吊り具。
  5. 前記一箇所の位置は、少なくとも一方の前記アームに設けられた前記係合片が前記変速機の側部に係合するような位置である
    ことを特徴とする請求項4に記載の変速機用吊り具。
  6. 前記第2ロック機構は、第1サブロック機構および第2サブロック機構を有し、
    前記第1サブロック機構は、前記基部に対する所定位置に前記アームをロックするロック位置と、前記基部から前記アームを解放するアンロック位置とに移動可能なカムを有し、
    前記第2サブロック機構は、前記基部に沿ってスライド可能なスライダを有し、前記スライダは、前記アームに係合するロック位置と、前記アームから離脱するアンロック位置とに移動可能である
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の変速機用吊り具。
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