JP6772525B2 - ペレットの製造方法、及びニッケル酸化鉱石の製錬方法 - Google Patents
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Description
本実施の形態に係るニッケル酸化鉱石の製錬方法は、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石のペレットを用い、そのペレットを製錬炉(還元炉)に装入して還元処理を施すことによって、メタルとスラグとを生成させるものである。
ペレット製造工程S1では、原料鉱石であるニッケル酸化鉱からペレットを製造する。図2は、ペレット製造工程S1における処理の流れを示す処理フロー図である。この図2に示すように、ペレット製造工程S1は、ニッケル酸化鉱石を含む原料を混合する混合処理工程S11と、得られた混合物を塊状物に形成(造粒)する塊状化処理工程S12と、得られた塊状物を乾燥する乾燥処理工程S13とを有する。
混合処理工程S11は、ニッケル酸化鉱石を含む原料粉末を混合して混合物を得る工程である。具体的には、この混合処理工程S11では、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石と共に、炭素質還元剤を添加して混合し、また任意成分の添加剤として、鉄鉱石、フラックス成分、バインダー等の、例えば粒径が0.2mm〜0.8mm程度の粉末を混合して混合物を得る。
塊状化処理工程S12は、混合処理工程S11にて得られた原料粉末の混合物を塊状物に形成(造粒)する工程である。
成形工程S31は、混合処理工程S11にて得られた、原料粉末の混合物(少なくとも、ニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤とを混合して得られた混合物)を成形する工程である。具体的に、成形工程S31では、混合物を、棒状又は円柱状に成形する。
切断工程S32は、成形して得られた棒状又は円柱状の混合物(成形物)を切断する工程である。具体的に、切断工程S32では、棒状又は円柱状の成形物を、平板状又は円盤状に切断する。ここで、平板状又は円盤状との形状を、「ディスク状」とも表現する。
アスペクト比=D/H ・・・(1)式
乾燥処理工程S13は、塊状化処理工程S12にて得られたディスク状の塊状物を乾燥処理する工程である。ここで、塊状化処理により得られた塊状物は、その水分が例えば50重量%程度と過剰に含まれている。そのため、過剰の水分を含むペレットを急激に還元温度まで昇温すると、水分が一気に気化し、膨張してペレットが破壊することがある。
ペレット製造工程S1においては、上述した乾燥処理工程S13にて乾燥処理を施した塊状物であるペレットを、所定の温度に加熱する加熱処理工程を設けてもよい。この加熱処理は、次工程の還元工程S2における所定の還元温度での加熱に先立つ加熱処理であり、「予熱処理」ということもできる。以下では、この工程を予熱処理工程ともいう。
還元工程S2では、ペレット製造工程S1で得られたディスク状のペレットを所定の還元温度に還元加熱する。この還元工程S2におけるペレットの還元加熱処理により、製錬反応(還元反応)が進行して、メタルとスラグとが生成する。
分離工程S3では、還元工程S2にて生成したメタルとスラグとを分離してメタルを回収する。具体的には、ペレットに対する還元加熱処理によって得られた、メタル相(メタル固相)とスラグ相(スラグ固相)とを含む混合物からメタル相を分離して回収する。
原料鉱石としてのニッケル酸化鉱石と、鉄鉱石と、フラックス成分である珪砂及び石灰石、バインダー、及び炭素質還元剤(石炭粉、炭素含有量:85重量%、平均粒径:約200μm)を混合して混合物を得た。炭素質還元剤は、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石に含まれる酸化ニッケルと酸化鉄(Fe2O3)とを過不足なく還元するのに必要な量を100%としたときに、20%の割合となる量で含有させた。
造粒後のペレット収率(%)=ディスク状塊状物重量÷投入試料重量×100
・・・(2)式
造粒後のペレット収率(%)=分級後の球状塊状物重量÷投入試料重量×100
・・・(3)式
製造したペレットを還元炉に装入して、還元加熱処理を施した。具体的には、予め、還元炉の炉床に、灰(主成分はSiO2であり、その他の成分としてAl2O3、MgO等の酸化物を少量含有する)を敷き詰め、その上にペレット試料を1000個置いた。なお、No.1〜No.9のディスク状のペレットについては、その円状面(円板面)を下にして、円状面と炉床面とが平行となるように安定させて載置した。
ニッケルメタル率=
ペレット中のメタル化したNi量÷(ペレット中の全てのNi量)×100(%)
メタル中のニッケル含有率=
ペレット中のメタル化したNi量÷(ペレット中のメタルしたNiとFeの合計量)
×100(%)
D ディスク状ペレットの円状の面の直径
H ディスク状ペレットの高さ
Claims (4)
- ニッケル酸化鉱石からペレットを形成し、該ペレットを還元することによってフェロニッケルを製造するニッケル酸化鉱石の製錬方法であって、
前記ニッケル酸化鉱石からペレットを製造するペレット製造工程と、
得られたペレットを還元炉にて所定の還元温度で加熱する還元工程と、を有し、
前記ペレット製造工程では、少なくとも前記ニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤とを混合し、混合物を棒状又は円柱状に成形し、成形して得られた混合物を切断することによって、平板状又は円盤状であり、直径(D)が5mm〜30mmで、アスペクト比が0.5以上1.5以下のペレットとし、
前記還元工程では、ペレットの表面に、ペレット中の酸化ニッケル及び酸化鉄をメタル化してシェルを形成するとともに、ペレット中のスラグ成分を液相のスラグ化して、1個のペレット中でフェロニッケルメタルと酸化物からなるスラグとを分けて生成させる
ニッケル酸化鉱石の製錬方法。 - 前記還元工程では、前記還元炉として移動炉床炉を用い、該移動炉床炉に前記平板状又は円盤状のペレットを装入して還元加熱する
請求項1に記載のニッケル酸化鉱石の製錬方法。 - 前記ペレット製造工程では、前記ニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤とを混合し、得られた混合物を成形し、成形して得られた混合物を切断する処理を連続的に行う
請求項1又は2に記載のニッケル酸化鉱石の製錬方法。 - 前記ペレット製造工程では、さらに、前記平板状又は円盤状のペレットを、350℃〜600℃の温度に加熱する加熱処理を施す
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のニッケル酸化鉱石の製錬方法。
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