JP6780285B2 - ペレットの製造方法、及びニッケル酸化鉱石の製錬方法 - Google Patents
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Description
本実施の形態に係るニッケル酸化鉱石の製錬方法は、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石のペレットを用い、そのペレットを製錬炉(還元炉)に装入して還元処理を施すことによって、メタルとスラグとを生成させるものである。
ペレット製造工程S1では、原料鉱石であるニッケル酸化鉱からペレットを製造する。図2は、ペレット製造工程S1における処理の流れを示す処理フロー図である。この図2に示すように、ペレット製造工程S1は、ニッケル酸化鉱石を含む原料を混合する混合処理工程S11と、得られた混合物を塊状物に形成(造粒)する塊状化処理工程S12と、塊状物の表面に金属酸化物を付着させる金属酸化物付着工程S13と、表面に金属酸化物が付着した塊状物を乾燥させる乾燥処理工程S14とを有する。
混合処理工程S11は、ニッケル酸化鉱石を含む原料粉末を混合して混合物を得る工程である。具体的には、この混合処理工程S11では、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石と共に、炭素質還元剤を添加して混合し、また任意成分の添加剤として、鉄鉱石、フラックス成分、バインダー等の、例えば粒径が0.2mm〜0.8mm程度の粉末を混合して混合物を得る。
塊状化処理工程S12は、混合処理工程S11にて得られた原料粉末の混合物を塊状物に形成(造粒)する工程である。具体的には、混合処理工程S12にて得られた混合物に、塊状化に必要な水分を添加して、例えば塊状物製造装置(転動造粒機、圧縮成形機、押出成形機等)等を使用し、あるいは試験レベルの量であれば人の手によってペレット状の塊に形成する。
金属酸化物付着工程S13は、塊状化処理工程S12で得られた塊状物の表面に金属酸化物を付着させる工程である。ここで、金属酸化物としては、特に限定されないが、酸化ニッケル、酸化鉄から選ばれる1種以上であることが好ましい。
乾燥処理工程S14は、金属酸化物付着工程S13にて金属酸化物をその表面に付着させて得られた塊状物を乾燥処理する工程である。上述したように、ペレット状の塊となった塊状物は、過剰な水分が含まれていることから、乾燥処理工程S14では、例えば塊状物の固形分が70重量%程度で、水分が30重量%程度となるように乾燥処理を施すようにしてもよい。
ペレット製造工程S1においては、上述した乾燥処理工程S14にて乾燥処理を施した塊状物であるペレットを、所定の温度に加熱する加熱処理工程を設けてもよい。この加熱処理は、次工程の還元工程S2における所定の還元温度での加熱に先立つ加熱処理であり、「予熱処理」ということもできる。以下では、この工程を予熱処理工程ともいう。
還元工程S2では、ペレット製造工程S1で得られたペレットを所定の還元温度に還元加熱する。この還元工程S2におけるペレットの還元加熱処理により、製錬反応(還元反応)が進行して、メタルとスラグとが生成する。
分離工程S3では、還元工程S2にて生成したメタルとスラグとを分離してメタルを回収する。具体的には、ペレットに対する還元加熱処理によって得られた、メタル相(メタル固相)とスラグ相(スラグ固相)とを含む混合物からメタル相を分離して回収する。
原料鉱石としてのニッケル酸化鉱石と、鉄鉱石と、フラックス成分である珪砂及び石灰石、バインダー、及び炭素質還元剤(石炭粉、炭素含有量:85重量%、平均粒径:約200μm)とを混合して混合物を得た。炭素質還元剤は、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石に含まれる酸化ニッケルと酸化鉄(Fe2O3)とを過不足なく還元するのに必要な量を100%としたときに、試料に応じて17%〜41%の割合となる量で含有させた。
製造したペレットを還元炉の炉床に装入して、還元加熱処理を施した。このとき、試料によって、予め還元炉の炉床に、灰(主成分はSiO2であり、その他の成分としてAl2O3、MgO等の酸化物を少量含有する。「炉床炭素質還元剤」ともいう。)を敷き詰め、その上にペレット試料を5個置いた。なお、表面に金属酸化物を付着させたペレットにおいて、その金属酸化物の量が多く、ペレット表面に付着させられなかった分については、炉床にペレットを載置させた後に上方からふりかけるようにして再度付着させた。
ニッケルメタル率=
ペレット中のメタル化したNi量÷(ペレット中の全てのNi量)×100(%)
メタル中のニッケル含有率=
ペレット中のメタル化したNi量÷(ペレット中のメタルしたNiとFeの合計量)
×100(%)
Claims (8)
- ニッケル酸化鉱石からペレットを製造するペレットの製造方法であって、
少なくとも前記ニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤とを混合して塊状物とし、
得られた塊状物の表面に酸化ニッケルからなる金属酸化物を付着させてペレットとする
ペレットの製造方法。 - 前記ニッケル酸化鉱石を原料とする前記ペレットにおいて、
前記ペレットに含まれるニッケル及び鉄の合計量を100質量%としたとき、前記金属酸化物に含まれる金属量が0.03質量%以上8.0質量%以下の割合となるように、該金属酸化物を付着させる
請求項1に記載のペレットの製造方法。 - 前記ニッケル酸化鉱石を原料とする前記ペレットにおいて、
前記ニッケル酸化鉱石に含まれる酸化ニッケルと酸化鉄とを過不足なく還元するのに必要な炭素質還元剤の量を100%としたとき、前記塊状物を構成して前記ペレットの内部に存在する炭素質還元剤の量を12.0%以上35.0%以下の割合とする
請求項1又は2に記載のペレットの製造方法。 - 前記ペレットに含まれるニッケル及び鉄の合計量を100質量%としたとき、前記金属酸化物に含まれる金属量が0.1質量%以上2.0質量%以下の割合となるように、該金属酸化物を付着させる
請求項3に記載のペレットの製造方法。 - 前記金属酸化物を表面に付着させて得られたペレットを、350℃〜600℃の温度に加熱する加熱処理を施す
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のペレットの製造方法。 - ニッケル酸化鉱石からペレットを形成し、該ペレットを還元することによってフェロニッケルを製造するニッケル酸化鉱石の製錬方法であって、
前記ニッケル酸化鉱石からペレットを製造するペレット製造工程と、
得られたペレットを還元炉にて所定の還元温度で加熱する還元工程と、を有し、
前記ペレット製造工程では、少なくとも前記ニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤とを混合して塊状物とし、得られた塊状物の表面に酸化ニッケルからなる金属酸化物を付着させてペレットとする
ニッケル酸化鉱石の製錬方法。 - 前記還元工程では、前記ペレットを還元炉に装入するにあたり、予め該還元炉の炉床に炭素質還元剤を敷き詰めて、該炭素質還元剤上に該ペレットを載置した状態で還元する
請求項6に記載のニッケル酸化鉱の製錬方法。 - 前記還元工程では、前記還元炉として移動炉床炉を用い、該移動炉床炉に前記ペレットを装入して還元加熱する
請求項6又は7に記載のニッケル酸化鉱石の製錬方法。
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