JP4391841B2 - 還元鉄成型体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、還元成型体製造方法に関し、例えば還元直後の高い金属化率を維持すると共に、その後の保管時、搬送時等の再酸化を防止する機能を有する還元鉄成型体として適用することができる。
還元金属成型体とは、鉱石等の酸化金属と石炭等の還元剤とを混合して所定形状の成型体とした後、還元炉内で高温に加熱して、酸化金属を還元して得られる成型体である。成型体の形状としては、転動式造粒法による球状ペレット、圧縮式造粒法によるブリケット又は押出式造粒法による円柱状ペレットのいずれでもよい。
従来の還元金属成型体の製造方法を還元鉄ペレットを例として説明する。まず、鉄源である鉄鉱石の粉末と、還元剤である石炭の粉末と、結合剤とをミキサーにより十分混合する。次に、この混合粉末を造粒し易いように水と共に造粒機に投入してグリーンボール(生ペレット)と呼ばれる球状の成型体へと造粒した後、乾燥機に投入して乾燥する。さらに、乾燥したグリーンボールを回転床炉式の還元炉に投入し、バーナ加熱された約1300℃の高温度雰囲気に約10分間維持して、鉄鉱石中の酸化鉄を石炭の作用により還元して還元鉄とし、還元鉄ペレットを製造する。
このようにして製造した還元鉄ペレットは、溶解炉に投入後、ここで溶銑とスラグ分とに分離されて、純度の高い鉄分として取り出され、利用される。
上述する方法で製造された還元金属ペレットは、このままでは、保管、搬送時に大気中の酸素により容易に酸化(再酸化)されてしまう。この再酸化された還元金属ペレットを溶融すると、溶湯表面には大量の酸化金属を含有するスラグが生成して、得られる金属の歩留まりが悪くなったり、溶解炉に追加投入される還元剤の濃度が還元金属中の酸化金属やスラグ中の酸化金属の還元により不安定になったりする問題が生じる。
これらの問題に対しては、還元終了後の還元金属ペレットの表面に有機質膜性物質やCO2生成物質を含む被膜を形成して再酸化を防止する技術(例えば、下記特許文献1を参照。)や、炭化水素系物質と界面活性剤とからなる被膜を形成して再酸化を防止する技術が提案されている(例えば、下記特許文献2を参照。)。
特開平8−260172号公報 特開2002−363625号公報
しかしながら、上述する再酸化防止技術は、還元終了後に低温にまで冷却された還元金属ペレットに対して行われる被膜処理によるものであり、主として長期保存時における再酸化を防止するのに有効な技術である。これは、還元終了直後の高温状態の還元金属ペレットに対して同処理を施しても、被膜が熱により消失してしまうからである。
しかしながら、還元金属ペレットは、還元終了直後の高温状態から常温にまで冷却される間に、最も再酸化されやすい。したがって、この高温状態においても還元金属ペレットを外部雰囲気(酸素)から遮断する必要がある。
また、鉄鉱石や鉄鋼ダスト等の酸化金属中には、還元された後に比較的低温で蒸発する酸化亜鉛及び酸化鉛等の不純金属酸化物も含まれている。目的とする金属を還元するのと同時にこの不純金属を蒸発させることができれば、より目的金属の含有率を高めた還元金属ペレットを製造することができる。このため、還元炉に投入する前から、例えば、グリーンボールの表面を耐熱性材料で予め被覆しておく等の対策は、好ましくない。これは、被覆された耐熱性材料が、不純金属の蒸発を妨害してしまうからである。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、還元炉内の還元温度時における高い金属化率を維持すると共に、例えば保管時、搬送時等の再酸化をも防止する機能を有する還元成型体製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明に係る還元成型体の製造方法は、
酸化鉄還元剤である固定炭素を含有する炭素質物質、不純金属酸化物である酸化亜鉛又は酸化鉛とを含有する成型体の表面に粉体状の被膜形成物質である、酸化ケイ素と酸化カルシウムと酸化アルミニウムとを含有し、かつその融点が1100〜1300℃である化合物を付着させた記成型体を、800〜1100℃に加熱して、前記不純金属酸化物を前記還元剤により不純金属に還元すると共に当該不純金属を蒸発させた後、
前記成型体を1100℃以上に加熱して、前記酸化鉄を前記還元剤により還元すると共に記被膜形成物質を溶融させて前記成型体の表面を前記被膜形成物質で被覆し、
前記成型体を冷却して得る
ことを特徴とする還元成型体の製造方法である。
還元終了時において既に被膜形成物質により溶融・被覆することにより、例えば保管時、搬送時等の再酸化を防止するだけでなく、還元温度時における再酸化を防止して、還元炉内の還元温度時における高い金属化率を維持した還元成型体を製造する。
還元鉄成型体を製造する場合に、鉄鉱石に含まれる酸化亜鉛等の不純金属酸化物は約800℃以上で還元が始まり、還元された亜鉛金属は蒸発する。したがって、亜鉛等の不純金属の蒸発を阻害しない被膜形成物質としては、融点は1100℃以上が好ましい。一方、融点が高すぎても還元工程の温度において溶融しなくなってしまうので、より好ましくは融点1200〜1300℃である。
本発明に係る還元成型体の製造方法によれば、酸化鉄還元剤である固定炭素を含有する炭素質物質、不純金属酸化物である酸化亜鉛又は酸化鉛とを含有する成型体の表面に粉体状の被膜形成物質である、酸化ケイ素と酸化カルシウムと酸化アルミニウムとを含有し、かつその融点が1100〜1300℃である化合物を付着させた記成型体を、800〜1100℃に加熱して、前記不純金属酸化物を前記還元剤により不純金属に還元すると共に当該不純金属を蒸発させた後、前記成型体を1100℃以上に加熱して、前記酸化鉄を前記還元剤により還元すると共に記被膜形成物質を溶融させて前記成型体の表面を前記被膜形成物質で被覆し、前記成型体を冷却して得ることとしたので、還元工程終了直後の高温状態にある還元成型体に被膜形成物質により溶融・被覆することにより、例えば保管時、搬送時等の再酸化を防止するだけでなく、最も再酸化のおそれがある高温状態からの冷却過程における酸化を防止して、還元炉内の還元温度時における高い金属化率を維持した還元成型体を製造することができる。
不純金属の蒸発を妨げないで、より目的金属の含有率を高めた還元鉄成型体を製造することができる。効果的に酸化鉄を還元することができる。還元鉄成型体の製造に最適な被膜形成物質とすることができる。
<第1の実施形態>
図1は、成型体をペレットとした場合の、第1の実施形態にかかる還元鉄ペレットの製造方法を実施する還元鉄ペレットの製造装置(ロータリーハース式)の概略構成図である。同図に基づいて、還元鉄ペレットの製造装置10による製造工程を簡単に説明する。
同図に示すように、まず、ペレットの原材料となる鉄鉱石の粉末(鉄原料)と石炭の粉末(還元剤)と石灰石の粉末とがそれぞれホッパ11,12,13から供給され、ホッパ14から供給された結合剤と共にミキサー15で混合される。次に、混合粉末がペレタイザー16にて直径10〜20mmのグリーンボール(生ペレット)GBに造粒され、乾燥機17に投入され、後述する還元炉19からの排気ガスにより乾燥される。
そして、乾燥したグリーンボールGBはコンベヤ18により還元炉19に供給される。ここで、コンベヤ18には、グリーンボールGBの表面に粉体状の被膜形成物質をまぶして付着させる付着装置(付着手段)が設けられている。被膜形成物質が付着され、還元炉19に供給されたグリーンボールGBは、還元炉19内を移動するときに高温ガスの輻射熱により炉内部で高温に加熱され、石炭により鉄鉱石中の酸化鉄が還元されることで還元鉄ペレットが生成される。
環状の炉床が1回転する工程でグリーンボールGBの還元工程が終了するように、炉内の温度や回転速度が設定されており、還元工程が終了してできた還元鉄ペレットはペレット排出用スクリュー28により還元炉19内から排出され、容器20に収容される。
還元鉄の製造装置10における還元炉19の作用については、図1に示すように、還元炉19では、駆動装置により炉床が所定速度で矢印T方向に回転しており、複数のバーナ26により還元炉19内部が加熱されて高温度雰囲気になっている一方、この還元炉19内部のガスは矢印G方向に流れて排気ダクト27から排出されている。
排気ダクト27から排出された排気ガスは水スプレー式の一次冷却器21で冷却されてから熱交換器22に送られ、ここで送風ファン23により送られた空気と熱交換を行ってから、水スプレー式の二次冷却器24で再び冷却される。なお、熱交換器22で加熱された空気は還元炉19に送られ、燃料と共に炉内に供給される。一方、二次冷却器24で冷却された排気ガスは、ファン25により乾燥機17に送られ、前述したように、グリーンボールGBの乾燥用ガスとなる。なお、グリーンボールGBの乾燥用ガス源として熱風発生炉等を用いてもかまわない。
図2は、成型体をペレットとした場合の、本実施形態にかかる還元鉄ペレットの製造工程をグリーンボールGBの還元処理による変化と共に説明した図である。同図(a)には、還元炉19に供給されるグリーンボールGB(成型体1)を示してある。同図に示すように、成型体1は主として金属酸化物である酸化鉄(Fe23)と還元剤である炭素(C)と不純金属酸化物である酸化亜鉛(ZnO)との混合成型体である。また、その表面には粉体状の被膜形成物質である、主として酸化ケイ素(SiO2)と酸化カルシウム(CaO)と酸化アルミニウム(Al23)とを含有する化合物2がまぶされ付着している。
成型体1の粒径は、12mmである。この粒径については、5mm〜15mmが適当であり、これ以外の粒径ではハンドリングや還元効率が問題となる。また、粉体状の被膜形成物質2の粒径は、約20μmである。粒径が10μmより小さいと成型体1の表面に緻密に付着しすぎ、後述する不純金属の蒸発が阻害されるおそれがある。
また、被膜形成物質2中の酸化ケイ素(SiO2)と酸化カルシウム(CaO)と酸化アルミニウム(Al23)の含有割合としては、酸化ケイ素が34重量%、酸化カルシウムが32重量%、酸化アルミニウムが2重量%である。
含有割合としては、好ましくは酸化ケイ素が20重量%〜40重量%、酸化カルシウムが20重量%〜40重量%、酸化アルミニウムが1重量%〜20重量%であり、この含有割合とした被膜形成物質2の融点は1050℃〜1400℃となる。より好ましい含有割合としては、酸化ケイ素が30重量%〜40重量%、酸化カルシウムが30重量%〜40重量%、酸化アルミニウムが1重量%〜5重量%であり、この含有割合とした被膜形成物質2の融点は1050℃〜1250℃となる。化合物2の融点は各成分の含有割合によって変化するため、化合物2が後述する適当な融点となる組成が適当な含有割合となる。
図2(a)に示すグリーンボールGBは、還元炉19に供給されて800〜1100℃に加熱される。このとき、同図(b)に示すように、グリーンボールGBに含有される不純金属酸化物である酸化亜鉛は、還元剤である炭素により還元されて金属亜鉛(不純金属)となった後、亜鉛の沸点907℃以上の炉内温度により蒸発し、排気ガスとして還元炉19の外部に排気される。また、他の低沸点金属も蒸発して排気される。この結果、最終的に得られる還元鉄ペレット内の還元鉄含有率を高めることができる。なお、グリーンボールGB中に含有される低沸点の不純金属としては、亜鉛の他に、鉛等が挙げられる。
ここで、成型体1の表面に付着している被膜形成物質2は、上述する構成成分の調整により、その融点が1100℃以上となっている。したがって、亜鉛等の不純金属が蒸発する温度(約910℃)では、被膜形成物質2は溶融して被膜となることはなく、亜鉛等の蒸発が阻害されることがない。
さらに、還元炉19内を移動していきながら1100℃以上に加熱されたグリーンボールGBは、同図(c)に示すように、酸化鉄が炭素により還元され還元鉄となる。一方、被膜形成物質2は、炉内温度が融点を超えているため溶融し、成型体1の表面において被膜3となる。このように被膜3が形成された成型体1は外部からの酸素の浸入がないため、その後、同図(d)に示すように、冷却されていく工程においても再酸化されることはない。このようにして製造された還元鉄ペレット4は、ペレット排出用スクリュー28により還元炉19内から排出され、容器20に収容される。
なお、還元炉19内で溶融した被膜形成物質2は、還元鉄ペレット4同士を密着させてしまうので、還元炉19の排出部分に振動フィーダーなどの密着した還元鉄ペレット4の集合体を解砕する手段を設けると、後工程におけるハンドリングを向上させることができる。
図2(a)〜(d)に示す一連の工程は、グリーンボールGBが還元炉19内を移動していく間に行われる。したがって、各工程が適切に行われるように、還元炉19内の温度や炉床の移動速度、各バーナ26の出力等を調整する。
本実施形態によれば、還元工程終了直後の高温状態にある還元鉄ペレットに対して、被膜形成物質による被膜処理を施すことができるため、最も再酸化のおそれがある高温状態からの冷却過程における酸化を防止し、生成した還元鉄ペレットの鉄含有率を高い状態で維持することができる。更に、被膜形成物質は、低沸点の不純金属の蒸発時には溶融しないように組成調整されているため、不純金属の蒸発を阻害することがなく、生成した還元鉄ペレットの鉄含有率を向上させることができる。
<第2の実施形態>
図3は、成型体をペレットとした場合の、第2の実施形態にかかる還元鉄ペレットの製造工程をグリーンボールGBの還元処理による変化と共に説明した図である。本実施形態の特徴を第1の実施形態との比較で説明すると、本実施形態では、成型体への被膜形成物質の付着工程を還元炉内に供給する前に行うのではなく、還元炉内の移動の途中段階で行うこととしている。また、これに伴って、被膜形成物質の物性(融点)についても第1の実施形態と異なっている。
本実施形態を実施する還元鉄ペレットの製造装置を図1を用いて説明すると、基本的には図1に示す製造装置と同様であるが、コンベヤ18には付着装置(付着手段)は設けられていなく、環状の還元炉19の回転方向の途中箇所に、還元炉19内のグリーンボールGBに被膜形成物質をまぶして付着させる付着装置が設けられている。これ以外は、第1の実施形態にかかる製造装置と構成は同じである。
図3(a)には、還元炉に供給されるグリーンボールGB(成型体1)を示してある。同図に示すように、成型体1は主として金属酸化物である酸化鉄(Fe23)と還元剤である炭素(C)と不純金属酸化物である酸化亜鉛(ZnO)との混合成型体である。本実施形態では、還元炉に供給される際には、成型体1に対して被膜形成物質が付着処理されていない。
図3(a)に示すグリーンボールGBは、還元炉に供給されて800〜1100℃に加熱される。このとき、同図(b)に示すように、グリーンボールGBに含有される不純金属酸化物である酸化亜鉛は、還元剤である炭素により還元されて金属亜鉛(不純金属)となった後、亜鉛の沸点907℃以上の炉内温度により蒸発し、排気ガスとして還元炉外部に排気される。また、他の低沸点金属も蒸発して排気される。この結果、最終的に得られる還元鉄ペレット内の還元鉄含有率を高めることができる。
この不純金属がほぼ完全に蒸発する条件は、不純金属の含有量、還元炉内の温度及び加熱時間により決まる。したがって、あらかじめグリーンボールGBに含まれる不純金属の含有量をサンプリング測定しておき、還元炉内の温度及び加熱時間を決定すると共に、還元炉の炉床の回転速度を調整することで、グリーンボールGBが還元炉内で所定の位置に回転移動してきたときには、不純金属の蒸発が既に終了しているように調整することができる。
本実施形態では、還元炉における、この不純金属の蒸発が終了していると計算される位置に、被膜形成物質の付着装置を設けている。このようにして設けられた付着装置により、図3(c)に示すように、成型体1の表面に粉体状の被膜形成物質である、主として酸化ケイ素(SiO2)と酸化カルシウム(CaO)と酸化アルミニウム(Al23)とを含有する化合物2をまぶして付着させる。
本実施形態における付着装置の一例としては、還元炉内を移動するグリーンボールGBに対して、付着装置から被膜形成物質が供給されると共に、付着装置が設置される近傍の還元炉の炉床が振動するようになっている装置構成が挙げられる。炉床の振動により、グリーンボールGBの表面に均一に被膜形成物質をまぶすことができる。
被膜形成物質2が付着された後、還元炉内を回転移動していきながら1100℃以上に加熱されたグリーンボールGBは、図3(d)に示すように、酸化鉄が炭素により還元され還元鉄となる。一方、被膜形成物質2は、炉内温度が融点を超えているため溶融し、成型体1の表面において被膜3となる。このように被膜3が形成された成型体1は外部からの酸素の浸入がないため、その後、同図(e)に示すように、冷却されていく工程においても再酸化されることはない。このようにして製造された還元鉄ペレット4は、ペレット排出用スクリューにより還元炉内から排出され、容器に収容される。
上述する説明では、被膜形成物質2の構成成分および組成割合を第1の実施形態と同様にして、同じ融点を有する被膜形成物質として説明したが、第2の実施形態の有利な効果のひとつとして、被膜形成物質2の融点、構成成分(素材)、組成割合に自由度を持たせることができるという効果がある。
第1の実施形態では被膜形成物質の融点を調整することによって被膜を形成するタイミングをコントロールしていたのに対して、第2の実施形態では還元炉における付着装置の設置位置により被膜形成のタイミングをコントロールすることができる。すなわち、被膜3が形成されることが好ましくない不純金属の蒸発段階と、被膜3の形成が必要な還元鉄の再酸化段階とを還元炉の炉床移動位置により規定し、これらの規定位置の間に付着装置を設置すればよい。
この結果、例えば、被膜形成物質が不純金属の沸点以下の温度を融点とする物質であっても、用いることができるようになる。ただし、付着装置からは被膜形成物質がグリーンボールGBに対してまぶされるように供給する必要があるため、あまりに融点が低すぎると、均一に被膜処理ができない場合もある。
<第3の実施形態>
図5は、成型体をペレットとした場合の、第3の実施形態にかかる還元鉄ペレットの製造方法を実施する還元鉄ペレットの製造装置(サーキュラーグレート式)の概略内部透視図であり、図4は、環状の還元炉の断面構造を平面的に展開した図である。
第1及び第2の実施形態に係る還元鉄ペレット製造装置では、図1に示すように、還元炉19内を加熱する手段として還元炉19内に設けた複数のバーナ26を用い、バーナ26による輻射加熱を利用して、還元炉19内のグリーンボールGBを加熱していた。このため、還元炉内に供給するグリーンボールGBについては、炉床上に単層又は2層程度までしか積み重ねることができず、還元鉄ペレットの生産性を向上させるためには炉床面積、すなわち製造装置を大きくする必要があった。
これに対して、第3の実施形態に係る還元鉄ペレットの製造装置は、図4、5に示すように、炉床に相当する部材としてグリーンボールGBが落下しない程度の目を有する網状のグレート31を採用し、還元炉19’の上面をフード30で覆うと共に、グレート31の下方に設けた燃焼空気供給口33から燃焼空気32を供給するようにしている。
本実施形態に係る製造装置では、バーナによる輻射加熱によらず、燃焼空気32がグリーンボールGBの隙間を抜けてグリーンボールGBを加熱するようにしている。したがって、炉床であるグレート31上にグリーンボールGBを複数段積み重ねて還元工程を行うことができる。
なお、グリーンボールGBを加熱して排気される排気ガス34は、フード30に設けられた複数の排出穴から排出されるようになっている。また、図1に示すように、還元炉19内において排気ガスを一方向に流動させ、排気ダクトから排気するようにしても良い。
本実施形態は、第1及び第2の実施形態における加熱手段を変形した実施形態であり、被膜形成物質及びグリーンペレットGBに被膜形成物質を付着させるタイミングとしては、第1及び第2の実施形態と同様に行うことができる。
なお、還元炉の途中に付着装置を設置して実施(第2の実施形態を参照)する場合には、第3の実施形態ではグリーンボールGBが複数段に積み重ねられているため、グレート31の振動をより強力にする等の方法により、すべてのグリーンボールGBに均一に被膜形成物質を付着させる工夫が必要となる。
また、還元工程終了後の還元鉄ペレット同士が密着してできた集合体は、第1及び第2の実施形態のときよりも粗大なものとなるため、集合体を解砕する手段をより強力なものとする必要がある場合がある。
更に、本実施形態で採用するサーキュラーグレート式の還元炉では、グリーンボールGBを複数段積み重ねて還元することができるという利点に対して、複数段積み重ねられたグリーンボールGBの積層方向において順次還元が進行するため、還元工程が終了したグリーンボールGBから再酸化されてしまうという問題があった。
すなわち、積層されたグリーンボールGBのうちグレート31に近い層のグリーンボールGBは早期に還元工程が終了する一方、上層に積み重ねられたグリーンボールGBは下層の還元が終了した後に還元工程が開始されるため、上層のグリーンボールGBまで完全に還元しようとすると下層のグリーンボールGBが再酸化されてしまうという問題がある。これに対して本実施形態では、第1及び第2の実施形態で示すように高温状態における再酸化が起こらないように被膜形成物質により被膜処理がされるため、サーキュラーグレート式の問題点を解決すると共に、利点である生産性の向上を維持することができる。
グリーンボールGBは還元反応が進むことにより、その粒径が縮小する傾向にある。これは、当初含有されていた水分や還元剤等が蒸発・消費されていくからである。そこで、グレート31を構成する網目の大きさを当初のグリーンボールGBは通過しないが、還元工程終了後のグリーンボールGB(還元鉄ペレット)は通過するような大きさとしておくことにより、還元工程終了と同時に自動的に還元鉄ペレットを取り出すことができると共に、還元工程終了後も長時間にわたり燃焼空気に曝されることによる不具合をより防止することができる。
<第1〜第3の実施形態に係る実施結果>
上述する実施形態について、得られる還元鉄ペレットの金属化率(Degree of Metallization)を測定した。実験方法としては、グリーンボールとして下記組成を有するペレットを原料とし、被膜形成物質として酸化防止剤の一種である陶芸用釉薬(シリカ、カルシア、アルミナを主成分とするガラス系酸化防止剤)を使用し、還元炉内の加熱条件として1200℃、還元炉一周10分とした。
使用したペレットは、平均粒径67μm(75%粒径が200μm)のケベック鉄鉱石(Fe2360%、ZnO5%、残りSiO2,Al23等)が80%、平均粒径20μm(80%粒径が54μm)のピナクル石炭が19.5%、バインダーとしてベントナイトが0.33%の組成を有する。これに1%の水分を添加し、ペレタイザーで粒径12mmのグリーンボールとした。陶芸用釉薬の成分組成については各実施形態において説明したとおりである。
上述するようにして作製したグリーンボールに陶芸用釉薬を付着させた場合と、付着させない場合について、還元工程後の金属化率を比較した。この結果、陶芸用釉薬で処理しない場合には金属化率64%であったが、陶芸用釉薬を付着させた場合には金属化率84%となり、金属化率が向上することが分かった。
<他の実施形態>
上述する実施形態では、還元金属成型体として還元鉄成型体に適用した例を示したが、これに限られず、クロムにも適用することができる。
第1の実施形態にかかる還元鉄ペレットの製造方法を実施する還元鉄ペレットの製造装置の概略構成図である。 第1の実施形態にかかる還元鉄ペレットの製造工程をグリーンボールGBの還元処理による変化と共に説明した図である。 第2の実施形態にかかる還元鉄ペレットの製造工程をグリーンボールGBの還元処理による変化と共に説明した図である。 第3の実施形態にかかる還元鉄ペレットの製造方法を実施する還元鉄ペレットの製造装置に関し、環状の還元炉の断面構造を平面的に展開した図である。 第3の実施形態にかかる還元鉄ペレットの製造方法を実施する還元鉄ペレットの製造装置の概略内部透視図である。
符号の説明
1 成型体(グリーンボール)
2 SiO2・CaO・Al2O3化合物(被膜形成物質)
3 被膜
4 還元鉄ペレット
10 還元鉄ペレットの製造装置
11〜14 ホッパ
15 ミキサー
16 ペレタイザー
17 乾燥機
18 コンベヤ(付着装置つき)
19 還元炉
20 容器
21 一次冷却器
22 熱交換器
23 送風ファン
24 二次冷却器
25 ファン
26 バーナ
27 排気ダクト
28 ペレット排出用スクリュー
30 フード
31 グレート
32 燃焼空気
33 燃焼空気供給口
34 排気ガス

Claims (1)

  1. 酸化鉄還元剤である固定炭素を含有する炭素質物質、不純金属酸化物である酸化亜鉛又は酸化鉛とを含有する成型体の表面に粉体状の被膜形成物質である、酸化ケイ素と酸化カルシウムと酸化アルミニウムとを含有し、かつその融点が1100〜1300℃である化合物を付着させた記成型体を、800〜1100℃に加熱して、前記不純金属酸化物を前記還元剤により不純金属に還元すると共に当該不純金属を蒸発させた後、
    前記成型体を1100℃以上に加熱して、前記酸化鉄を前記還元剤により還元すると共に記被膜形成物質を溶融させて前記成型体の表面を前記被膜形成物質で被覆し、
    前記成型体を冷却して得る
    ことを特徴とする還元成型体の製造方法。
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