JP2002030319A - 粒状金属鉄の製法 - Google Patents
粒状金属鉄の製法Info
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Abstract
剤を含む原料を還元溶融して粒状の金属鉄を製造するに
際し、特に、Fe純度が高く且つ粒径が大きくて搬送や
取扱い性に優れた粒状金属鉄を高歩留りで生産性よく製
造することのできる方法を提供すること。 【解決手段】 炭素質還元剤と酸化鉄含有物質を含む原
料を還元溶融炉内で加熱し、該原料中の酸化鉄を固体還
元した後、生成する金属鉄を更に加熱して溶融させると
共に、スラグ成分と分離させながら凝集させて粒状金属
鉄を製造する方法において、前記炭素質還元剤として固
定炭素含有率が73%以上であり、且つ前記原料中の揮
発分量が3.9%以下であるものを使用し、該原料の酸
化鉄含有物質中に含まれる酸化金属成分に対し、炭素質
還元剤の配合量を45%以下に抑える。
Description
とコークス等の炭素質還元剤を含む原料を還元溶融して
粒状の金属鉄を製造するに際し、特に、Fe純度が高く
且つ粒径が大きくて搬送や取扱い性に優れた粒状金属鉄
を高歩留りで生産性よく製造し得る様に改善された方法
に関するものである。
等の炭素質還元剤を含む原料を加熱して固体還元し、引
き続いて加熱溶融させて金属鉄を製造する方法について
は、例えば特開平9−256017号公報や同11−3
35712号公報等に見られる如く既に多くの提案がな
されている。これらの公報には、固体還元により生成す
る還元鉄を加熱し、該還元鉄を浸炭して融点を降下させ
れば溶融が促進され、金属鉄の生産性向上が図られるこ
とも明らかにされている。
により生成した金属鉄が溶融する際に、固体還元工程で
副生するスラグを分離しながら凝集してFe含量の高い
金属鉄が得られる旨の記述は見られるが、該金属鉄を搬
送や取扱いの容易な粒度構成の粒状金属鉄として如何に
歩留りよく製造可能にするか、といった点については必
ずしも十分な検討がなされているとは言えない。また原
料の質や配合によっては、固体還元後の溶融工程で金属
鉄が副生スラグと十分に分離されないで粒状化がうまく
進まず、スラグを抱き込んだものとなったり、或いは極
めて微細な粒状物となってその分離作業が困難となり、
製品として適正粒径範囲のものが歩留りよく得られない
こともある。
は、炭材内装ペレットを加熱還元して還元鉄ペレットを
製造する際に、炭材中に含まれる揮発分含有量を少なく
抑えることにより、加熱還元時における該ペレットの破
壊(バースティング)を防止し、得られる還元鉄の品質
および生産性を安定化させる技術を開示している。しか
しながら該公報に開示された発明は、原料ペレット中の
酸化鉄を溶融させることなく加熱還元して還元鉄を製造
するもので、金属化率自体は高められるものの、得られ
る還元鉄は多量のスラグ成分を抱き込んでおり、Fe純
度自体はかなり低い。しかもこの発明では、未溶融状態
の還元鉄を製造する方法であるから、スラグ成分の排斥
された高Fe純度の粒状金属鉄を得る技術とは異なり、
勿論、目標粒度構成の粒状金属鉄を歩留り良く製造する
といった課題は生じない。
含む原料を加熱還元して還元鉄を製造し、或いは加熱還
元後更に溶融させて粒状の金属鉄を製造する方法は多数
提案されているが、上記公報に開示の方法を含めてこれ
までに知られている粒状金属鉄の製造技術では、製鉄・
製鋼用あるいは合金鋼製造用等の原料としての品質や取
扱い性などを総合的に考慮して、適正粒径範囲の粒状金
属鉄を歩留りよく製造するための具体的な技術として確
立されているとは言い難い。
る炭素質還元剤については、コークスやオイルコークス
の如き加工炭材や無煙炭、瀝青炭の如き固定炭素含有率
の高い良質炭材を使用することが望まれるが、最近では
良質炭の枯渇に伴って褐炭などの如き低品質炭を使用せ
ざるを得ないことも多く、これらの低品位炭を炭素質還
元剤として使用した場合には、最終的に得られる粒状金
属鉄の品質や歩留りが低くなり、特に適正粒度構成の粒
状金属鉄を得ようとすると、予期しない様々な問題が生
じてくる。
情に着目してなされたものであって、その目的は、炭素
質還元剤として良質の炭材を使用した場合はもとより、
低品質の炭材を使用した場合でも、Fe純度が高くて且
つ適正粒度構成の粒状金属鉄を高歩留りで生産性よく製
造することのできる方法を確立することにある。
のできた本発明の製法は、炭素質還元剤と酸化鉄含有物
質を含む原料を還元溶融炉内で加熱し、該原料中の酸化
鉄を固体還元した後、生成する金属鉄を更に加熱して溶
融させると共に、スラグ成分と分離させながら凝集させ
て粒状金属鉄を製造する方法において、固定炭素含有率
の高い炭素質還元剤を使用するところに要旨を有してい
る。
素質還元剤としては、固定炭素含有率が73%(質量%
を意味する、以下同じ)以上、より好ましくは74.5
%以上のもので、前記原料中の揮発分量を3.9%以
下、より好ましくは3.2%以下に抑え、更には、該原
料の酸化鉄含有物質中に含まれる酸化金属成分に対し、
炭素質還元剤の配合量を45%以下、より好ましくは4
4%以下に抑え、また、上記還元溶融炉内で固体還元に
より生成した金属鉄が溶融する際の温度を1400℃以
上、あるいは1460℃以上に制御すれば、粒径の比較
的大きい粒状金属鉄をより高い歩留りで得ることができ
るので好ましい。
としては、それ自体固定炭素量の多い炭材を単独で使用
し得る他、比較的固定炭素量の多い高品質の炭材と固定
炭素量の少ない低品質の炭材を併用し、それらの配合比
率を調整して所定の固定炭素量を確保するようにすれ
ば、低品質の炭材であっても支障なく用いることができ
るので好ましい。また、還元溶融炉内で固体還元により
生成する金属鉄が溶融する前に、原料近傍に粉状炭素質
物質を装入すれば、該粉状炭素質物質が固体還元末期に
おける原料近傍の雰囲気を高還元性に維持することがで
き、生成する金属鉄の再酸化がより確実に防止されると
共に、該炭素質物質が金属鉄への浸炭源となって金属鉄
の溶融、凝集をより低い温度で効率よく進めることがで
き、還元溶融炉の熱劣化の抑制、操業のための熱エネル
ギー低減、更には粒状鉄の生産性向上などに寄与できる
ので好ましい。
は特に制限されないが、生産時に副生するスラグとの分
離効率や、製品としての搬送や取扱いの容易性等を総合
的に考慮して好ましいのは粒径で2〜50mm、より好
ましくは3〜40mmの範囲である。ここで粒状金属鉄
とは、必ずしも真球状であることを意味するものではな
く、楕円状、卵形状、あるいはそれらが若干偏平化した
ものを包含する粒状物を総称するもので、上記好ましい
粒径とは、略真球状のものはその直径を、楕円形や卵型
のものは長径と短径の平均値を、また若干偏平化したも
のについては、長径と短径および最大厚さの総和を3で
除した値を意味しており、本発明によれば、粒径が3〜
40mmの範囲の粒状金属鉄を80%以上、更には90
%以上の歩留りで得ることができる。
S M8812で定める定義および測定法による炭素分
を意味し、揮発分も同規格に定められたもので、CH4
の如き低級炭化水素などの揮発性有機物や、吸着したH
2,CO,CO2,水分等、更には酸化鉄含有物質として
ダスト類を用いた場合はZn,Pbなどが含まれる。
と共に炉外へ排出された前記原料中の炭素質還元剤もし
くは粉状炭素質物質の一部または全部を、前記原料中の
炭素質還元剤として再利用することも、本発明を実施す
る際の好ましい形態として推奨される。
酸化鉄またはその部分還元物などの酸化鉄含有物質(以
下、酸化鉄源または鉄鉱石等ということがある)と、コ
ークスや石炭などの炭素質還元剤(以下、炭材というこ
とがある)を含む原料を還元溶融し、生成する金属鉄を
更に加熱して溶融させると共に、副生するスラグ成分と
分離しながら凝集させて粒状金属鉄を製造する際に、特
に原料中の酸化鉄源に対し還元剤として作用する前記炭
素質還元剤として固定炭素量の高いものを選択して使用
し、更には原料中の揮発分量や、原料中の酸化鉄含有物
質中に含まれる酸化金属成分に対する炭素質還元剤の配
合量などを適正に調整することにより、還元・溶融時に
おける金属鉄の溶融と凝集を促進し、適正粒度構成の粒
状金属鉄が歩留りよく得られる様にしたものである。
鉄源と炭材を含むものであればその形態には特に制限が
なく、それら粉末の均一混合物、あるいはこれらを必要
により適当なバインダーを併用してペレット、ブリケッ
トあるいは小塊状に成形したものであってもよいが、本
発明で意図する比較的粒径の大きい粒状金属鉄をより高
い歩留りで生産性よく得るには、平均粒径に換算して3
〜30mm程度のものを使用することが望ましい。
採用される基本的な製法をより具体的に説明すると共
に、上記各要件を定めた理由を明確にしていく。
自身が開発した移動床型還元溶融炉の一例を示す該略説
明図で、ドーナツ状の回転移動床を有するドーム型構造
のものを示しており、図1は概略見取図、図2は図1に
おけるA−A線断面相当図、図3は、理解の便のため図
1における回転移動床の回転移動方向に展開して示す概
略断面説明図であり、図中1は回転炉床、2は該回転炉
床をカバーする炉体であり、回転炉床1は、図示しない
駆動装置により適当な速度で回転駆動できる様に構成さ
れている。
が設けられており、該燃焼バーナ3の燃焼熱およびその
輻射熱を回転炉床1上の原料に伝えることにより、該原
料の加熱還元が行われる。図示する炉体2は好ましい例
を示したもので、炉体2内部は1枚の仕切壁Kで還元溶
融ゾーンZ1と冷却ゾーンZ2に仕切られており、該炉体
2の回転方向最上流側には回転炉床1を臨んで原料およ
び副原料装入手段4が配置されると共に、回転方向最下
流側(回転構造であるため、実際には装入手段4の直上
流側にもなる)には排出手段6が設けられている。
重油、微粉炭、廃プラスチックなどを燃料として用いた
バーナ加熱、あるいは炉内に生成する可燃性ガスを有効
利用し酸素や空気を供給してこれを燃焼させるタイプ、
更には蓄熱型バーナを使用することも可能である。また
生成した粒状金属鉄の排出には、スクリューやスクレパ
ーの如き任意の排出装置、あるいはガスの吹付けもしく
は吸引を利用して排出させる方法を採用することも可能
である。
回転炉床1を所定の速度で回転させておき、該回転炉床
1上に、原料を装入装置4から振動フィーダー5などを
用いて適当な厚さとなる様に供給していく。該原料の装
入に当たっては、これを通常は10〜40mm、好まし
くは20〜30mmの範囲となる様に装入し、また原料
として成形体(ペレットやブリケットなど)を使用する
場合は、その粒径に応じて単層もしくは3〜10層、好
ましくは3〜6層に積層して装入し、単位炉床面積当た
りの原料装入量を増大することにより生産性を高めるの
がよい。
層の表面に任意の大きさの凹凸を形成すれば、表面の伝
熱有効面積が拡大され、装入された原料に対する加熱効
率を一層高め得ると共に、下層側の原料に対する加熱効
率も高められるので好ましい。該凹凸の形成は、例えば
炉床幅方向に複数の供給口から装入量を変えて装入する
方法、炉幅方向に延長して設けた凹凸状ホッパーから装
入量を変えて装入する方法、ほぼ水平に装入した後凹凸
を有する表面整形部材でなぞって凹凸を形成する方法な
どを採用すればよい。
ーンZ1を移動する過程で燃焼バーナ3による燃焼熱及
び輻射熱を受け、原料中に含まれる酸化鉄と炭素質還元
剤との反応で生成する一酸化炭素により酸化鉄は還元さ
れ、生成した金属鉄は更に炭素リッチ雰囲気下で加熱さ
れることにより浸炭して溶融し、副生するスラグと分離
しながら凝集して粒状の溶融金属鉄となった後、冷却ゾ
ーンZ2で任意の冷却手段Cで冷却されて固化し、その
下流側に設けられた排出手段6によって順次掻き出され
る。この時、副生したスラグも同時に排出されるが、こ
れらはホッパーHを経た後、任意の分離手段(篩目や磁
選装置など)により粒状金属鉄とスラグの分離が行わ
れ、最終的に鉄分純度が95%程度以上、より好ましく
は98%程度以上でスラグ成分含量の極めて少ない粒状
金属鉄として得ることができる。
還元期)の雰囲気温度が高すぎる場合、具体的には還元
過程のある時期に、雰囲気温度が原料中の脈石成分や未
還元酸化鉄等からなるスラグ組成の融点を超えて高温に
なると、これら低融点のスラグが溶融して移動炉床を構
成する耐火物と反応して溶損させ、平滑な炉床を維持で
きなくなる。また、固体還元期に酸化鉄の還元に必要と
される以上の熱が加わると、原料中の鉄酸化物であるF
eOが還元される前に溶融し、該溶融FeOが炭材中の
炭素(C)と反応する所謂溶融還元(溶融状態で還元が
進行する現象で、固体還元とは異なる)が急速に進行す
る。該溶融還元によっても金属鉄は生成するが、該溶融
還元が起こると、流動性の高いFeO含有スラグが炉床
耐火物を著しく溶損させるので、実用炉としての連続操
業が困難になる。
炭材、或いは更にバインダー等に含まれるスラグ形成成
分の組成などによって変わってくるが、固体還元時の雰
囲気温度が約1400℃を超えると、上記の様な低融点
スラグの滲み出しが起こって炉床耐火物が溶損され、1
500℃を超えると原料鉄鉱石等の銘柄に関わりなく、
好ましくない上記溶融還元反応が進行して炉床耐火物の
溶損が顕著になるので、固体還元期の温度は1500℃
以下、より好ましくは1450℃程度以下に抑えること
が望ましい。なお該固体還元期の温度が低すぎると固体
還元が効率よく進み難くなるので、好ましくは1200
℃以上、更に好ましくは1300℃以上とすることが望
ましい。
好ましくは50〜200℃程度昇温させて1400〜1
500℃に高め、固体還元により生成した金属鉄を溶融
させ、溶融した金属鉄を凝集させる。このとき、溶融金
属鉄は相互に凝集して粗大化していくが、この間、副生
した溶融スラグを排斥しつつ凝集していくので、凝集し
た金属鉄はスラグを殆ど含まないFe純度の高いものと
なり、これを冷却凝固してから粒状金属鉄とスラグを篩
や磁選などにより分離すると、Fe純度の高い粒状金属
鉄を得ることができる。
融は、該金属鉄の融点以上に雰囲気温度を高めることに
よって進行するが、該溶融開始時の金属鉄の近傍にCや
COを存在させておけば、これらによって金属鉄が浸炭
を受けて融点降下を起こし、金属鉄の溶融をより低温且
つ短時間で進めることができるので好ましい。即ちこの
溶融を速やかに進めるには、固体還元を終えた原料内に
上記浸炭に十分な量の炭素を残存させておくことが好ま
しく、この残留炭素量は、原料中の鉄鉱石等と炭材の配
合割合によって調整すればよい。そして本発明者らが実
験により確認したところによると、固体還元期における
最終還元率がほぼ100%に達した状態、即ち金属化率
が100%に達した状態で、該固体還元物中の残留炭素
量(即ち余剰炭素量)が1.5%以上となる様に当初の
炭材配合量を確保しておけば、固体還元により生成した
金属鉄を速やかに浸炭させて低融点化させることがで
き、1300〜1500℃の温度域で速やかに溶融させ
得ることを確認している。
温度は1537℃であり、この温度よりも高温に加熱し
てやれば金属鉄を溶融させることができるが、実用炉に
おいては炉床耐火物にかかる熱負荷を軽減するため操業
温度はできるだけ低温に抑えることが望ましく、また副
生するスラグの融点を考慮すると、操業温度は1500
℃程度以下に抑えることが望ましい。
態を保ちつつ、該原料中に含まれる酸化鉄の部分的な溶
融を引き起こすことなく還元を効率よく進めるには、炉
内温度を1200〜1500℃、より好ましくは120
0〜1400℃の範囲に保って固体還元を行ない、引き
続いて炉内温度を1400〜1500℃に高めて、一部
残された酸化鉄を還元すると共に生成した金属鉄を溶融
させて凝集させる2段加熱方式を採用することが望まし
く、こうした条件設定により粒状の金属鉄を安定して歩
留りよく製造することができ、通常は10分から13分
程度で酸化鉄の固体還元と溶融および凝集を完了させる
ことができる。
造する際に、本発明では酸化鉄含有物質中の酸化金属成
分に対し還元剤として作用する上記炭素質還元剤とし
て、固定炭素含有率の高いものを使用し、更には揮発分
量の少ないものを使用し、あるいは該炭素質還元剤の酸
化鉄含有物質中に含まれる酸化金属成分に対する使用比
率を特定することにより、粒状金属鉄としての歩留まり
を高めるところに特徴を有しているので、以下それらの
点について詳述する。
ータを元に、本発明で定める前記各要件が製品としての
粒状金属鉄の歩留りに与える影響を整理して示したグラ
フである。尚これらの図では、製品としての搬送や取扱
い性に適した粒度構成を確保するための一応の基準とし
て、粒径が3.35mm以上に成長した粒状金属鉄の歩
留り(回収率:質量%)で評価した。尚ここでは、酸化
鉄含有物質として鉄鉱石を使用しているので、これに含
まれる酸化金属成分は酸化鉄分である。
材中の固定炭素量が粒状金属鉄の歩留りに与える影響を
整理して示したグラフであり、図4は固体還元を受けた
金属鉄が溶融を開始する時の温度を1400℃に設定し
た場合、図5は同温度を1460℃に設定した場合の結
果をそれぞれ示している。これらの図からも明らかな様
に、粒状金属鉄としての歩留りは溶融開始時の温度によ
ってかなり変わり、溶融開始温度を1400℃に設定し
た場合は、炭材中の固定炭素量が74%の前後で歩留り
は急激に立ち上がり、固定炭素量が74.5%以上の炭
材を使用すれば、目標粒度構成の粒状金属鉄の歩留りで
約80%以上を確保することができ、該固定炭素量が約
75%以上になると、90%以上の高歩留りを確保でき
る。これに対し溶融開始温度を1460℃に設定した場
合は、図5に示す如く炭材中の固定炭素量が72%の前
後から歩留りは急激に立ち上がり、固定炭素量が約73
%以上の炭材を使用すれば、目標粒度構成の粒状金属鉄
の歩留りで約80%以上を確保することができ、該固定
炭素量が約73.5%以上になると、90%以上の高歩
留りを確保できることが分かる。これらの結果からも明
らかな様に、固定炭素量が73%以上の炭材を使用した
場合は、溶融開始時の温度を1460℃程度以上に設定
することにより好適粒子径の金属鉄を80%以上の高歩
留りで製造することができ、固定炭素量が74.5%レ
ベル以上の良質炭材を使用する場合は、溶融開始温度を
1400℃程度まで低くしても十分な歩留りを確保し得
ることが分かる。
上、あるいは74.5%レベル以上である場合は、当該
炭材を単独で使用すればよい。また固定炭素量が73%
未満である低品位炭であっても、固定炭素含有率の高い
高品位炭と併用することでトータルとして上記の好適固
定炭素量を確保すれば、支障なく使用することができ、
その結果、単独では使用し難い低品位炭であっても有効
利用することが可能となる。
金属鉄の歩留りに与える影響を整理して示したグラフで
あり、図6は固体還元を受けた金属鉄が溶融を開始する
時の温度を1400℃に設定した場合、図7は同温度を
1460℃に設定した場合の結果をそれぞれ示してい
る。これらの図からも明らかな様に、この場合も粒状金
属鉄としての歩留りは溶融開始時の温度によってかなり
変わり、溶融開始温度を1400℃に設定した場合は、
揮発分量が約3.2%を越えると歩留りは急激に低下
し、揮発分量が3.2%以下であれば80%以上の歩留
りを得ることができ、揮発分量が約2.9%以下であれ
ば90%レベル以上の高い歩留りを確保できる。これに
対し溶融開始温度を1460℃に設定した場合は、図7
に示す如く該揮発分量が3.9%レベルを超えると歩留
りは著しく低くなるが、3.9%程度以下であれば80
%以上の歩留りを得ることができ、揮発分量を3.7%
レベル以下に抑えれば、90%レベル以上の高歩留りを
確保できることが分かる。これらの結果からも明らかな
様に、上記揮発分量が3.8%レベルである場合は、溶
融開始時の温度を1460℃程度以上に設定することに
より好適粒子径の金属鉄を80%以上の高歩留りで製造
することができ、揮発分量が3.2%レベル以下である
場合は、溶融開始温度を1400℃程度まで低くしても
十分な歩留りを確保し得ることが分かる。
化鉄含有物質(鉄鉱石)中の酸化金属成分(酸化鉄分:
T.Fe)に対する炭材量が粒状金属鉄の歩留りに与え
る影響を整理して示したグラフであり、図8は固体還元
を受けた金属鉄が溶融を開始する時の温度を1460℃
に設定した場合、図9は同温度を1400℃に設定した
場合の結果をそれぞれ示している。これらの図からも明
らかな様に、この場合も粒状金属鉄としての歩留りは溶
融開始時の温度によってかなり変わり、溶融開始温度を
1400℃に設定した場合は、上記炭材量が略44.2
%以上になると歩留りは急激に低下し、該炭材量を44
%以下とすれば80%以上の歩留りを得ることができ、
該炭材量を43.6%程度以下に抑えれば90%レベル
以上の高い歩留りを確保できる。これに対し溶融開始温
度を1460℃に設定した場合は、図8に現われる如く
該炭材量が45%レベルを超えると歩留りは著しく低く
なるが、45%程度以下に抑えれば80%以上の歩留り
を得ることができ、更に炭材量を44.8%レベル以下
に抑えれば、90%レベル以上の高歩留りを確保できる
ことが分かる。これらの結果からも明らかな様に、上記
炭材量が45%レベルである場合は、溶融開始時の温度
を1460℃程度以上に設定することにより好適粒子径
の金属鉄を80%以上の高歩留りで製造することがで
き、該炭材量が44%レベル以下である場合は、溶融開
始温度を1400℃程度まで低くしても十分な歩留りを
確保し得ることが分かる。
融炉では、原料の加熱にバーナー加熱を採用することが
多い。この場合、固体還元期には、炉内に装入された原
料中の酸化鉄源と炭材との反応により大量のCOガスが
発生するので、原料近傍は自から放出する上記COガス
のシールド効果によって十分な還元性雰囲気に保たれ
る。
けては、上記COガスの発生量が急速に減少するため自
己シールド作用が低下し、バーナ加熱によって生じる燃
焼排ガス(CO2やH2O等の酸化性ガス)の影響を受け
易くなり、折角還元された金属鉄が再酸化を受け易くな
る。また、固体還元の終了後は、原料中の残留炭素によ
る還元鉄の浸炭による融点降下によって微小金属鉄の溶
融と凝集が進行するが、この段階でも前記自己シールド
作用は乏しいので、金属鉄は再酸化を受け易い。
つ固体還元後の溶融・凝集を効率よく進めるには、溶融
領域の雰囲気ガス組成を適切に制御することが望まし
い。そのための好ましい手段としては、前述した通り原
料を炉床上に装入するに先立って、炉床上に粉状炭素質
物質を装入し、あるいは原料が成形体である場合のその
表面に予め炭素質粉を付着させておく方法が挙げられ
る。即ち、この様に炉床面に粉状炭素質物質を装入して
おき、あるいは表面に炭素質物質を付着させておくと、
これらが固体還元完了後、溶融開始期に、バーナ燃焼に
より生成した酸化性ガス(CO2やH2O)と直ちに反応
してこれらのガスをCOやH2などの還元性ガスに変え
るので、固体還元により生成した金属鉄の近傍を高還元
性雰囲気に保つことができ、金属鉄の再酸化を可及的に
防止できる。しかもこれらの粉状炭素質物質は、生成し
た金属鉄に対して浸炭源となり、金属鉄の浸炭・溶融に
要する時間を更に短縮して粒状化を促進する作用も発揮
するので好ましい。
せるには、炉床上に予め装入される上記粉状炭素質物質
として、粒径が3mm以下、より好ましくは2mm以
下、特に好ましくは0.3〜1.5mmの範囲の微細化
物を使用し、これを、好ましくは2〜7mm程度、より
好ましくは3〜6mm程度の厚さに装入しておくのがよ
く、また原料を成形して使用する時にその表面に付着さ
せておく場合は、その付着量を該成形体に対して1〜1
0質量%、より好ましくは3〜7質量%の範囲に設定す
ることが望ましい。但し該粉状炭素質物質は、その効果
が最も期待される溶融開始時期の前に上方から降りかけ
る様に装入することも可能である。
副生するスラグを排斥しつつ凝集したもので、スラグ成
分を殆ど含んでおらずFe純度の非常に高いものであ
り、この粒状金属鉄は電気炉や転炉の如き既存の製鋼設
備へ送り鉄源として使用されるが、これらを製鋼原料と
して使用するには、硫黄[S]の含有量をできるだけ低
減することが望ましい。そこで、前記金属鉄の製造工程
で、鉄鉱石や炭材中に含まれるS成分を可及的に除去し
て低[S]の粒状金属鉄を得るべく研究を行なったとこ
ろ、原料調製段階で鉄鉱石や炭材と共に適量のCaO源
(生石灰の他、消石灰や炭酸カルシウムなどを含む)を
積極的に配合し、鉄鉱石等に含まれる脈石成分などのス
ラグ形成成分も加味した原料中に含まれる全スラグ形成
成分の塩基度(即ちCaO/SiO2比)が0.6〜
1.8、より好ましくは0.9〜1.5の範囲となる様
に成分調整してやれば、最終的に得られる粒状金属鉄中
のS含有量を0.10%以下、更には0.05%程度以
下にまで低減し得ることを確認している。
に用いられる石炭には通常0.2〜1.0%程度のSが
含まれており、これら[S]の大部分は金属鉄中に取り
込まれる。一方、CaO源の積極添加による塩基度調整
を行なわない場合、鉄鉱石の銘柄などによってかなりの
違いはあるものの、原料中に含まれるスラグ形成成分か
ら算出される塩基度は大抵の場合0.3以下であり、こ
の様な低塩基度のスラグでは、固体還元あるいはその後
の溶融・凝集過程で粒状金属鉄へのSの混入(加硫)が
避けられず、原料中に含まれる全[S]のうち概略85
%程度が粒状金属鉄中に取り込まれる。その結果とし
て、粒状金属鉄の[S]量は0.1〜0.2%の非常に
高い値となり、粒状金属鉄としての品質を損なう。
O源の積極添加によりスラグ形成成分の組成を塩基度が
0.6〜1.8の範囲となる様に調整してやれば、固体
還元および浸炭・溶融・凝集の際に副生するスラグ中に
上記[S]が固定され、その結果として粒状金属鉄の
[S]量を例えば0.050〜0.080%レベルまで
大幅に低減できる。該低S化の機構は、原料中に含まれ
る[S]がCaOと反応し(CaO+S=CaS)、C
aSとして固定されるためと考えている。
酸化鉄源と炭材を含む均一混合物やこれらを必要により
少量のバインダー(ベントナイトやデンプンなど)を併
用して適当なサイズの粒状に凝集させたもの、あるいは
ペレット、ブリケットなどの成形体として使用できる。
成形体とする場合は、たとえばパン型造粒機、ディスク
型造粒機、ドラム型造粒機などを用いる通常の成形法を
採用すればよい。
他、ミルスケールなどを含む広い概念であり、例えば高
炉ダストや電炉ダスト、製鋼ダストなどを含むものであ
っても勿論構わない。更に、鉄鉱石の産地によっては酸
化鉄以外にNi,Cr,Mnの如き他の金属の酸化物が
含まれることもあるが、それら他の金属酸化物成分を含
むものであっても勿論構わない。また炭素質還元剤の種
類も特に制限がなく、最も一般的な石炭粉やコークス粉
以外に木炭粉などを使用することも可能である。必要に
より配合することのあるバインダーとしては、ベントナ
イトやデンプンなどが例示されるが、勿論これらに制限
される理由はない。更に原料混合物中に、スラグ形成成
分の塩基度調整用として適量のCaO源(生石灰、消石
灰、炭酸カルシウムなど)を含有させれば、これらが脱
硫剤として作用し、原料混合物中に含まれるSをCaS
としてスラグ側に固定し、S含有率の低い粒状金属鉄を
得ることができるので好ましい。
点調整用として、原料中に含まれるスラグ形成性成分の
組成に応じて石灰石や消石灰、炭酸カルシウムの如きカ
ルシウム源やシリカ、アルミナなどを適量加えることも
有効である。
が採用される訳ではなく、例えばホッパーや振動フィー
ダー、ドラムフィーダーなどによって切出し、ガイド用
の樋やパイプ、傾斜板を用いて供給する方法などを採用
すればよい。
の表面に縦方向及び/又は横に任意の形状の山部と谷部
を形成して凹凸状とし、表面積を拡大することによって
上方からのバーナ加熱や輻射熱による加熱効率高めるこ
とは、原料全体の加熱効率が高められると共に、下層側
原料層に対する伝熱効率も高められるので好ましい。該
凹凸の好ましい形状や大きさ、ピッチ等は、積層厚さに
よっても変わってくるので一律に規定することはできな
いが、好ましくは高さ(山頂部と谷底部との間隔)で5
〜30mm、より好ましくは10〜30mmの範囲であ
り、好ましいピッチ(隣り合った山頂部間の幅)は10
〜100mm、より好ましくは10〜70mmの範囲で
あることを確認している。該凹凸の形成法にも格別の制
限はなく、例えば炉床幅方向に複数の供給口から装入量
を変えて装入する方法、炉幅方向に延長して設けた凹凸
状ホッパーから装入厚さを変えて装入する方法、ほぼ水
平に装入した後凹凸を有する表面整形部材でなぞって凹
凸を形成する方法等を任意に選択して適用できる。
のサイズによっては特に炉床上に積層装入したときに積
層荷重で潰れることがあるので、好ましくは平均粒径が
1〜10mm程度、より好ましくは3〜7mm程度の成
形体を使用することが望ましい。この様な比較的小径の
成形体であれば、積層装入しても積層圧で潰れる可能性
は少なく、また熱伝達が速いこともあって、初期の加熱
で速やかに乾燥されるので未乾燥状態のままで炉床上に
供給することも可能となる。また、装入時の衝撃や積層
荷重による破損をより確実に防止するため、該成形体の
少なくとも表層側を予め乾燥してから装入することも好
ましい実施形態として推奨される。
に粉状炭素質物質を敷いてから原料を装入し、あるいは
成形体を使用する場合は、該成形体の表面に炭素質物質
を付着させてから炉床上に装入する方法を採用すれば、
例えばイ )上記炭素質物質が固体還元時における原料近傍の雰囲
気ガスの還元度を高めて固体還元をより効率よく進行さ
せる、ロ )該炭素質物質が固体還元を終えた金属鉄に浸炭してそ
の融点を降下させ、溶融・凝集を促進させる、ハ )該炭素質物質が炉床表面への溶融金属鉄の付着を抑え
て粒状化を促進する、ニ )原料を層状に積層して装入したときに起こりがちな下
層側の還元不足が該炭素質物質によって補われ、全体の
固体還元率を高める、ホ )該下層側の還元不足によって生じがちなFeOに作用
してこれを速やかに還元するので、炉床耐火物を著しく
溶損させるFeO含有溶融スラグの生成も抑えられ、炉
床寿命の延長が図られる、ヘ )原料を成形体として使用する際に、その表面に炭素質
物質をまぶす様に付着させておけば、相互の付着や装入
用ホッパーなどへの付着も防止されるので、該原料成形
体を未乾燥状態で装入することも可能となる。
炭粉、コークス粉、木炭粉などが任意に選択して使用さ
れる。なお炉床上面に敷く炭素質物質として上記作用を
より有効に発揮させるための好ましい粒径は、平均粒径
で2mm以下、より好ましくは1.5mm以下のもので
ある。また、原料成形体の表面に炭素質物質を付着させ
る場合は、平均粒径が0.3mm程度以下のものを表面
にまぶす様に付着させる方法、炭素質物質を水などの分
散媒に分散させてスプレー付着させる方法などを採用す
ればよい。
炭素物質や原料中の炭素質還元剤(炉内へ装入されると
きに粉として入ってくるもの、炉内で原料ペレットが粉
化したときに発生するもの等)が排出されることがある
が、これらは炭素質還元剤として再使用することができ
る。これらは一度炉内で高温に曝されて揮発分が除去さ
れているので、良質の原料となる。
用効果を具体的に説明するが、本発明はもとより下記実
施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣
旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可
能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含ま
れる。
し、図1〜3に示した様な回転炉床型還元溶融炉を用い
て下記の条件で粒状金属鉄の製造実験を行なった。
0.5%,SiO2;1.4%、平均粒径;50μm [炭素質還元剤] 炭材(1):固定炭素量;71.6%、揮発分量;19.
6%、平均粒径;30μm 炭材(2):固定炭素量;77.0%、揮発分量;9.4
% 平均粒径;30μm
を下記表1に示す質量比率で配合し、均一に混合した
後、パン型造粒装置を用いて粒径が16〜19mmの粒
状原料を調製した。
溶融炉に厚さが約20mmとなる様に装入し、バーナ加
熱により原料装入から1100℃までを4分で急速昇温
させ、約1350℃で固体還元を行なった後、溶融開始
部の温度が約1400℃または約1460℃となる様に
温度調整を行ない、溶融・凝集した金属鉄を冷却部(炉
床下部に設けた水冷ジャケットを利用)で冷却して粒状
金属鉄を得る。原料を装入してから粒状金属鉄を炉外へ
取り出すまでの時間は約10〜12分とする。炉外へ取
り出した粒状金属鉄は、同時に排出される副生スラグの
凝集物と磁選装置により分離して粒状鉄のみとした後、
更に篩目が3.35mmの篩を用いて粗粒物と微粒物に
分離し、粒径が3.35mm以上の粗粒物の歩留りを求
めた。
含量等を含めた緒元および歩留りを表1に一括して示
す。また表1の結果を元にして、「炭材中の固定炭素量
が粒状金属鉄の歩留りに与える影響」を表2,3および
図4,5に、「原料中の揮発分量が粒状金属鉄の歩留り
に与える影響」を表4,5および図6,7に、「鉄鉱石
中の酸化鉄分(T.Fe)に対する炭材量が粒状金属鉄
の歩留りに与える影響」を表6,7および図8,9にそ
れぞれ示す。
析で先に説明した通りであるが、要するに、 固定炭素量が73%以上の炭材を使用した場合は、溶
融開始時の温度を1460℃程度以上に設定することに
より好適粒子径の金属鉄を80%以上の高歩留りで製造
することができ、固定炭素量が74.5%レベル以上の
良質炭材を使用すれば、溶融開始温度を1400℃程度
まで低くしても十分な歩留りを確保することができ、 原料中の揮発分量が3.9%レベルである場合は、溶
融開始時の温度を1460℃程度以上に設定することに
より好適粒子径の金属鉄を80%以上の高歩留りで製造
することができ、揮発分量が3.2%レベル以下である
場合は、溶融開始温度を1400℃程度まで低くしても
十分な歩留りを得ることができ、 鉄鉱中の酸化鉄分(T.Fe)に対する炭材量が45
%レベルである場合は、溶融開始時の温度を1460℃
程度以上に設定することにより好適粒子径の金属鉄を8
0%以上の高歩留りで製造することができ、該炭材量が
44%レベル以下である場合は、溶融開始温度を140
0℃程度まで低くしても十分な歩留りを確保できること
を確認できる。
化鉄源と炭素質還元剤を含む原料を加熱還元して粒状金
属鉄を製造する際に、該原料として固定炭素量や揮発分
量の特定された炭材を使用し、あるいは更に、酸化鉄源
に対する炭材の配合量を適正に調整することにより、商
品としての搬送や取扱いに適した粒度構成の粒状金属鉄
を高歩留りで生産性よく製造し得ることになった。
明図である。
面説明図である。
の、炭材中の固定炭素量が粒状金属鉄の歩留りに与える
影響を示すグラフである。
の、炭材中の固定炭素量が粒状金属鉄の歩留りに与える
影響を示すグラフである。
の、原料中の揮発分量が粒状金属鉄の歩留りに与える影
響を示すグラフである。
の、原料中の揮発分量が粒状金属鉄の歩留りに与える影
響を示すグラフである。
における、原料の鉄鉱石中のT.Fe量に対する炭材量
が粒状金属鉄の歩留りに与える影響を示すグラフであ
る。
における、原料の鉄鉱石中のT.Fe量に対する炭材量
が粒状金属鉄の歩留りに与える影響を示すグラフであ
る。
Claims (15)
- 【請求項1】 炭素質還元剤と酸化鉄含有物質とを含む
原料を還元溶融炉内で加熱し、該原料中の酸化鉄を固体
還元した後、生成する金属鉄を更に加熱して溶融させる
と共に、スラグ成分と分離させながら凝集させて粒状金
属鉄を製造する方法において、固定炭素含有率の高い炭
素質還元剤を使用することを特徴とする粒状金属鉄の製
法。 - 【請求項2】 前記炭素質還元剤の固定炭素含有率が7
3%(質量%を意味する、以下同じ)以上である請求項
1に記載の製法。 - 【請求項3】 前記炭素質還元剤の固定炭素含有率が7
4.5%以上である請求項2に記載の製法。 - 【請求項4】 前記原料中の揮発分量が3.9%以下で
ある請求項1〜3のいずれかに記載の製法。 - 【請求項5】 前記原料中の揮発分量が3.2%以下で
ある請求項4に記載の製法。 - 【請求項6】 前記原料の酸化鉄含有物質中に含まれる
酸化金属成分に対し、炭素質還元剤の配合量を45%以
下に抑える請求項1〜5のいずれかに記載の製法。 - 【請求項7】 前記原料の酸化鉄含有物質中に含まれる
酸化金属成分に対し、炭素質還元剤の配合量を44%以
下に抑える請求項6に記載の製法。 - 【請求項8】 前記還元溶融炉において、固体還元によ
り生成した金属鉄が溶融する際の温度を1460℃以上
とする請求項2,4,6のいずれかに記載の製法。 - 【請求項9】 前記還元溶融炉において、固体還元によ
り生成した金属鉄が溶融する際の温度を1400℃以上
とする請求項3,5,7のいずれかに記載の製法。 - 【請求項10】 前記炭素質還元剤として、固定炭素量
の多い炭材と固定炭素量の少ない炭材を併用し、それら
の配合比率を調整することにより所定の固定炭素含有率
を得る請求項1〜9のいずれかに記載の製法。 - 【請求項11】 還元溶融炉内で固体還元により生成す
る金属鉄が溶融する前に、原料近傍に粉状炭素質物質を
装入する請求項1〜10のいずれかに記載の製法。 - 【請求項12】 粒径が3〜40mmの範囲の粒状金属
鉄を80%以上の歩留りで得る請求項1〜11のいずれ
かに記載の製法。 - 【請求項13】 粒径が3〜40mmの範囲の粒状金属
鉄を90%以上の歩留りで得る請求項1〜11のいずれ
かに記載の製法。 - 【請求項14】 前記原料中にスラグ融点調整剤を配合
し、還元溶融工程で生成するスラグの融点を1400℃
以下に調整する請求項1〜13のいずれかに記載の製
法。 - 【請求項15】 前記還元溶融炉から前記粒状金属鉄と
共に炉外へ排出される前記原料中の炭素質還元剤もしく
は粉状炭素質物質の一部または全部を、前記原料中の炭
素質還元剤として再利用する請求項1〜14のいずれか
に記載の製法。
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