JP6844335B2 - ニッケル酸化鉱の製錬方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ニッケル酸化鉱等の酸化鉱石と還元剤との混合物から製造されるペレット及び容器を、還元炉にて高温下で還元加熱することによって製錬し、フェロニッケル等の還元物を得る製錬方法と、それに用いられるペレット及び容器に関する。
リモナイトあるいはサプロライトと呼ばれるニッケル酸化鉱の製錬方法として、熔錬炉を使用して硫黄とともに硫化焙焼してニッケルマットを製造する乾式製錬方法、ロータリーキルンあるいは移動炉床炉を使用して炭素質還元剤を用いて還元し鉄−ニッケル合金(以下、「フェロニッケル」ともいう)を製造する乾式製錬方法、オートクレーブを使用して硫酸でニッケルやコバルトを浸出して得た浸出液に硫化剤を添加して混合硫化物(ミックスサルファイド)を製造する湿式製錬方法等が知られている。
上述した種々の製錬方法の中で、炭素源とともに還元してニッケル酸化鉱を製錬する場合、先ず、その原料鉱石を塊状物化やスラリー化等するための前処理が行われる。具体的に、ニッケル酸化鉱を塊状物化、すなわち粉状や微粒状から塊状にする際には、そのニッケル酸化鉱を、バインダーや還元剤等と混合し、さらに水分調整等を行った後に塊状物製造機に装入して、例えば10mm〜30mm程度の塊状物(ペレット、ブリケット等を指す。以下、単に「ペレット」という)とするのが一般的である。
このペレットには、含有する水分を「飛ばす」ために、ある程度の通気性が必要となる。また、ペレット内で均一に還元が進まないと、得られる還元物の組成が不均一になり、メタルが分散したり偏在したりする等の不都合が生じるため、混合物を均一に混合し、またペレットを還元処理する際には可能な限り均一な温度を維持することが重要となる。
加えて、還元されて生成したフェロニッケルを粗大化させることも非常に重要な技術である。なぜなら、生成したフェロニッケルが、例えば数10μm〜数100μm以下の細かな大きさであった場合、同時に生成したスラグと分離することが困難となり、フェロニッケルとしての回収率(収率)が大きく低下してしまうためである。このことから、還元後のフェロニッケルを粗大化する処理が必要となる。
また、製錬コストを如何に低く抑えることができるかについても重要な技術的事項であり、コンパクトな設備で操業できる連続処理が望まれている。
例えば、特許文献1には、金属酸化物と炭素質還元剤とを含む塊成物を、移動床型還元溶融炉の炉床上に供給して加熱し、金属酸化物を還元溶融させる粒状金属の製造方法において、塊成物同士の距離を0としたときの塊成物の炉床への最大投影面積率に対する、塊成物の炉床への投影面積率の相対値を敷密度としたとき、平均直径が19.5mm以上32mm以下の塊成物を、敷密度が0.5以上0.8以下になるように炉床上に供給して加熱する方法が開示されている。この方法では、塊成物の敷密度と平均直径とを併せて制御することで、粒状金属鉄の生産性を高められることが記載されている。
しかし、特許文献1に開示されている方法は、塊成物の外側で起こる反応を制御するための技術であり、還元反応において最も重要な因子である、塊成物の内部で起きる反応の制御については着目していない。他方で、塊成物の内部で起きる反応を制御することで、反応効率を高め、還元反応をより均一に進めることで、より高品質のメタル(金属、合金)を得ることが求められていた。
また、特許文献1にあるような、特定の直径を有するものを塊成物として用いる方法は、特定の直径を有しないものを取り除く必要があるため、塊成物を作製する際の収率が低いものであった。また、特許文献1にある方法は、塊成物の敷密度を0.5以上0.8以下に調整する必要があり、塊成物を積層させることもできないため、生産性の低い方法であった。これらの理由により、特許文献1にある方法は、製造コストが高いものであった。
このように、酸化鉱石を混合及び還元して金属や合金を製造する技術には、生産性を高め、製造コストを低減させ、メタルの品質を高める点で、多くの課題があった。
特開2011−256414号公報
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、酸化鉱石を含む混合物を還元することによって金属又は合金を製造する方法において、生産性や効率性が高く、ハンドリング性に優れ、且つ高品質のメタルを安価に製造することができる酸化鉱石の製錬方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、酸化鉱石と炭素質還元剤を含んだ混合物が、重心と表面との最小長さが所定以上になるように還元炉に装入することによって、還元反応の効率が高く、組成ばらつきの少ないフェロニッケルを製造できることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、成形された酸化鉱石を還元することによって金属又は合金を製造する酸化鉱石の製錬方法であって、少なくとも前記酸化鉱石と炭素質還元剤とを混合する混合処理工程と、得られる混合物を成形する混合物成形工程と、成形された前記混合物を還元炉にて所定の還元温度で加熱する還元工程と、を有し、前記還元工程では、前記混合物の重心から表面への最短の長さが10.0mm以上になるように、成形された前記混合物を前記還元炉に装入して前記加熱を行う酸化鉱石の製錬方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記混合物成形工程では、前記混合物を、重心から表面への最短の長さが10mm以上のペレットに成形する、酸化鉱石の製錬方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第1の発明において、前記混合物成形工程では、前記混合物を、該混合物の重心から表面への最短の長さが10mm以上となるように容器に充填する、酸化鉱石の製錬方法である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記還元工程における還元温度は、1250℃以上1450℃以下である、酸化鉱石の製錬方法である。
(5)本発明の第5の発明は、第1乃至第4のいずれかの発明において、前記還元工程を行った後の混合物から、スラグを分離して金属又は合金を得る分離工程をさらに有する、酸化鉱石の製錬方法である。
(6)本発明の第6の発明は、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記酸化鉱石がニッケル酸化鉱である、酸化鉱石の製錬方法である。
(7)本発明の第7の発明は、第6の発明において、前記合金としてフェロニッケルを得る、酸化鉱石の製錬方法である。
(8)本発明の第8の発明は、酸化鉱石と炭素質還元剤とを含有するペレットであって、重心から表面への最短の長さが10.0mm以上であり、還元炉に装入されて還元加熱処理が施される、ペレットである。
(9)本発明の第9の発明は、酸化鉱石と炭素質還元剤とを含有する混合物が収容された容器であって、前記混合物が、該混合物の重心から表面への最短の長さが10.0mm以上となるように収容されており、還元炉に装入されて前記混合物に対する還元加熱処理が施される、容器である。
本発明によれば、酸化鉱石を含む混合物を還元することによって金属又は合金を製造する方法において、生産性や効率性が高く、ハンドリング性に優れ、且つ高品質のフェロニッケルを安価に製造することができる酸化鉱石の製錬方法を提供することができる。
酸化鉱石の製錬方法の流れの一例を示す工程図である。 混合物成形工程における処理の流れの一例を示す処理フロー図である。 塊状物の例を示す斜視図及び側面断面図である。 容器の例を示す斜視図及び側面断面図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。また、本明細書において、「X〜Y」(X、Yは任意の数値)との表記は、「X以上Y以下」の意味である。
≪酸化鉱石の製錬方法≫
本実施の形態に係る酸化鉱石の製錬方法は、原料鉱石である酸化鉱石を含んだ原料の混合物を成形し、その成形物を製錬炉(還元炉)に装入して還元処理を施すことによって、メタルとスラグとを生成させるものである。より具体的には、少なくともニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤との混合物を成形して、ペレットや容器に収容された混合物を形成し、混合物の重心から表面への最短の長さが10mm以上になるように成形した混合物を製錬炉(還元炉)に装入して、還元処理を施すものである。
ここで、「ペレット」とは、酸化鉱石と、炭素質還元剤との混合物から製造される塊状の成形体(ペレット、ブリケット等)を意味し、単に混合物とも称する場合もある。そして、該ペレットの形状は限定されず、立方体、直方体、円柱又は球の形状であってよい。
還元処理の対象となる、成形して得られる混合物としては、重心から表面への最短の長さが10mm以上のペレットを用いることができ、あるいは、その混合物の重心から表面への最短の長さが10mm以上となるように混合物を容器に充填したものを用いることができる。
以下では、原料鉱石である酸化鉱石であるニッケル酸化鉱に含まれるニッケル(酸化ニッケル)と鉄(酸化鉄)を還元することで、鉄−ニッケル合金のメタル(還元メタル)を生成させ、さらに、そのメタルを分離することによってフェロニッケルを製造する製錬方法を例に挙げて説明する。
具体的に、本実施の形態に係る酸化鉱石の製錬方法は、図1に示すように、前記酸化鉱石を含む原料を混合する混合処理工程S1と、得られる混合物を所定の形状に成形する混合物成形工程S2と、成形された混合物を還元炉にて所定の還元温度で加熱する還元工程S3と、還元工程S3にて生成したメタルとスラグとを分離してメタルを回収する分離工程S4とを有する。
<1.混合処理工程>
混合処理工程S1は、ニッケル酸化鉱を含む原料粉末を混合して混合物を得る工程である。具体的には、この混合処理工程S1では、原料鉱石であるニッケル酸化鉱に、炭素質還元剤を添加して混合し、また任意成分の添加剤として、鉄鉱石、フラックス成分、バインダー等の、例えば粒径が0.2mm〜0.8mm程度の粉末を混合して混合物を得る。ここで、ニッケル酸化鉱を含む原料粉末の混合は、混合機等を用いて行うことができる。
原料鉱石であるニッケル酸化鉱としては、特に限定されないが、リモナイト鉱、サプロライト鉱等を用いることができる。なお、このニッケル酸化鉱は、構成成分として、酸化ニッケル(NiO)と酸化鉄(Fe)とを含有する。
本実施の形態においては、原料鉱石に対して特定量の炭素質還元剤を混合して混合物を得る。炭素質還元剤としては、特に限定されないが、例えば、石炭粉、コークス粉等が挙げられる。なお、この炭素質還元剤は、上述した原料鉱石であるニッケル酸化鉱の粒度や粒度分布と同等のものであることが好ましい。粒度や粒度分布が同等であることにより、均一に混合し易くなり、還元反応も均一に生じることになるため好ましい。
炭素質還元剤の混合量、すなわち成形後にペレット内や容器内の混合物に含まれることになる炭素質還元剤の量としては、ニッケル酸化鉱を構成する酸化ニッケルと酸化鉄とを過不足なく還元するのに必要な炭素質還元剤の量を100%としたとき、50.0%以下の割合とすることが好ましく、40.0%以下とすることがより好ましい。なお、酸化ニッケルと酸化鉄とを過不足なく還元するのに必要な炭素質還元剤の量とは、ペレット内や容器内に含まれる酸化ニッケルの全量をニッケルメタルに還元するのに必要な化学当量と、ペレット内や容器内に含まれる酸化鉄を鉄メタルに還元するのに必要な化学当量との合計値(以下、「化学当量の合計値」ともいう)と言い換えることができる。
このように、混合物に含まれる炭素質還元剤の量(炭素質還元剤の混合量)を、化学当量の合計値を100%としたときに50.0%以下の割合とすることで、還元反応を効率的に進行させることができる。
なお、炭素質還元剤の混合量の下限値としては、特に限定されないが、化学当量の合計値を100%としたときに、10.0%以上の割合とすることが好ましく、15.0%以上の割合とすることがより好ましい。このように、炭素質還元剤の混合量を10.0%以上にすることで、ニッケル品位の高い鉄−ニッケル合金を製造し易くすることができる。
ニッケル酸化鉱と炭素質還元剤のほか、任意成分として添加する添加剤である鉄鉱石としては、特に限定されないが、例えば、鉄品位が50%程度以上の鉄鉱石、ニッケル酸化鉱の湿式製錬により得られるヘマタイト等を用いることができる。
また、バインダーとしては、例えば、ベントナイト、多糖類、樹脂、水ガラス、脱水ケーキ等を挙げることができる。また、フラックス成分としては、例えば、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、二酸化珪素等を挙げることができる。
下記表1に、混合処理工程S1にて混合する、一部の原料粉末の組成(重量%)の一例を示す。なお、原料粉末の組成としてはこれに限定されない。
Figure 0006844335
原料粉末を混合して混合物を得る際、混合性を高めるために原料粉末を混練してもよい。これにより、混合物にせん断力が加えられ、炭素還元剤や原料粉末等の凝集が解けてより均一に混合できるとともに、各々の粒子の密着性が上がるため、均一な還元処理を行い易くすることができる。
<2.混合物成形工程>
混合物成形工程S2は、混合処理工程S1にて得られた原料粉末の混合物を成形し、必要に応じて乾燥させてペレット等の成形物を得る工程である。図2は、混合物成形工程S2における処理の流れを示す処理フロー図である。
図2に示すように、混合物成形工程S2は、酸化鉱石を含む原料の混合物を塊状物に成形する塊状化処理工程S21と、得られた塊状物を乾燥する乾燥処理工程S22とを有する。あるいは、酸化鉱石を含む原料の混合物を所定の還元用の容器に充填する容器充填工程S26と、得られた塊状物を乾燥する乾燥処理工程S22とを有する。
(1)塊状化処理工程
塊状化処理工程S21は、混合処理工程S1にて得られた、酸化鉱石を含む原料の混合物を、所定の形状及び大きさの塊状物に成形する工程である。
図3は、塊状物の形状の一例を示す(a)斜視図及び(b)側面図である。塊状化処理工程S21では、混合物を成形した塊状物1の重心から表面への最短長さhが、10mm以上になるように成形(塊状化)することが好ましく、18mm以上になるように成形(塊状化)することがより好ましい。塊状物1の重心から表面までの最短長さhを10mm以上に長くすることで、還元反応が均一に起きやすくなるため、高品質のフェロニッケルを製造し易くすることができる。また、塊状物1が大型化することで、1回の還元処理における処理量を多くして生産性を高められ、また、形状の自由度が高められることでハンドリング性が高められるため、還元炉への装入及び取出しを容易に行うことができる。このように還元反応が均一に起きやすくなる理由としては、この最短長さhを長くすることで、塊状物1の表面付近において還元炉の雰囲気の影響を受ける混合物の割合が減少することが挙げられる。
塊状物1の重心から表面への最短長さhについて特定の上限値はなく、実際の操業で還元炉に装入でき、且つ還元時に十分加熱する熱が伝わる程度の大きさとすればよい。
成形後の塊状物1の形状は、重心から表面への最短長さhが所定範囲内にある限り特に限定されないが、例えば立方体、直方体、円柱又は球の形状に成形することができる。混合物を立方体、直方体、円柱又は球の形状に成形することで、混合物の成形が容易になるため、成形にかかるコストを抑えることができる。また、成形する形状が複雑でないため、成形不良のペレットの発生を低減することができる。
ここで、混合物を成形した塊状物1の厚さとしては、17mm以上となるように成形(塊状化)することが好ましく、21mm以上となるように成形(塊状化)することがより好ましい。塊状物1の厚さを大きくすることで、より多くのフェロニッケルメタルが下部に沈降するため、より大きなフェロニッケルを製造し易くすることができる。また、塊状物1の体積に対する表面積の割合が減ることで、塊状物1の表面と内部における還元速度の差をさらに低減できるため、より高品質のフェロニッケルを製造し易くすることができる。
塊状化処理工程S21では、必要に応じて塊状化に必要な水分を混合物に添加した上で、例えば塊状物製造装置(圧縮成形機、押出成形機等)等を使用して混合物を塊状物に成形することができる。また、混合物をブリケット状に成形してもよく、特に球状の塊状物を成形する場合には、パン型等の造粒機を使用してもよい。
塊状物製造装置としては、特に限定されないが、高圧、高せん断力で混合物を混練して成形できるものであることが好ましく、特に、二軸スクリュータイプの混練機(二軸混練機)を備えたものであることが好ましい。高圧、高せん断で混合物を混練することにより、原料粉の混合物の凝集を解くことができ、また効果的に混練することができるうえ、得られる塊状物の強度を高めることができる。また、二軸混練機を備えたものを用いることにより、高圧、高せん断で混練できるだけでなく、連続的に高い生産性を保ちながら塊状物を製造することができ、特に好ましい。
(2)容器充填工程
一方、容器充填工程S26は、混合処理工程S1で得られた混合物を、所定の還元用の容器に充填する工程である。具体的には、得られた混合物を押出機等の装置を使用して容器に供給することによって充填していく。ここで、混合物を容器に充填するにあたっては、混合物に対して乾燥処理を施した後で容器充填工程S26を行い、乾燥後の混合物を容器に充填してもよい。
図4は、容器の形状の一例を示す(a)斜視図及び(b)側面図である。容器充填工程S26で混合物21を充填する容器2は、図4(b)に示されるように、混合物21を保持する空洞部分を有する。そして、この空洞部分には、混合物21の重心から表面への最短長さh’が10mm以上、好ましくは18mm以上となるように、混合物21を容器に充填する。容器2に充填される混合物21の重心から表面までの最短長さh’を長くすることで、還元反応が均一に起きやすくなるため、高品質のフェロニッケルを製造し易くすることができる。また、充填される混合物21の量が多くなることで、1回の還元処理における処理量を多くして生産性を高められ、また、形状の自由度が高められることでハンドリング性が高められるため、還元炉への装入及び取出しを容易に行うことができる。このように還元反応が均一に起きやすくなる理由としては、この最短長さh’を長くすることで、容器2や雰囲気に面する表面付近において、還元炉の雰囲気や容器2の影響を受ける混合物21の割合が減少することが挙げられる。
容器2に充填する混合物21の重心から表面への最短長さh’について特定の上限値はなく、実際の操業で還元炉に装入でき、且つ還元時に加熱する熱が十分伝わる程度の大きさとすればよい。
容器2の空洞部分の形状は、重心から表面への最短長さh’が所定以上となるように混合物21を保持できれば、特に限定されない。
容器2の空洞部分の形状の例としては、容器の開口を含む平面と、内壁面とによって、立方体、直方体又は円柱の形状が構成されるものを挙げることができる。特に、図4(a),(b)に示すように、容器2として、開口25を含む平面と内壁面22とによって、円柱の形状が構成されるものを用いることもできる。
また、容器2の器本体23の材質は、特に限定されないが、器本体23に収容された混合物21に対して還元処理時に悪影響をもたらさず、その還元反応を効率的に進行させることができる材質からなるものを用いることが好ましい。具体的には、黒鉛製のるつぼ、セラミックや金属からなるもの等を用いることができる。
容器2への混合物21の充填は、上述したように、押出機等を用いて混合物21を容器2の器本体23に供給することによって行うことができる。充填に際しては、容器2に隙間や空間ができないように、高い充填率で混合物21を充填することが好ましい。また、充填した後に、プレス等を行って混合物21を押し固めるようにすることが好ましい。このように混合物21を押し固めて器本体23に詰め込むことによって、容器2における混合物21の充填率を高めることができ、また、充填具合が均一化することで品質のばらつきの小さいフェロニッケルをより効率的に製造することができる。
また、容器2の空洞部分には、混合物21の厚さ(高さ)が17mm以上、好ましくは21mm以上となるように、混合物21を充填することが好ましい。混合物21の厚さを大きくすることで、より多くのフェロニッケルメタルが下部に沈降するため、より大きなフェロニッケルを製造し易くすることができる。また、混合物21の体積に対する表面積の割合が減ることで、混合物21の表面と内部における還元速度の差をさらに低減できるため、より高品質のフェロニッケルを製造し易くすることができる。
容器充填工程S26にて容器2に充填された混合物21は、容器2に充填された状態で、後述する還元処理が施される。このように、混合物21を容器2に充填し、その状態で還元処理(還元工程S3における処理)を施すようにすることで、容器2に充填した混合物21の表面に近い部分、すなわち容器2の内壁面22や、蓋24に近い部分にメタルシェルが形成され、その後、メタルシェルの内部にメタルが生成していくことになる。その結果、メタルシェル内では、より多量のフェロニッケルメタルが下部に沈降して生成されるため、その後の分離工程S4において磁選等の処理によりメタルを分離回収し易くすることができ、それにより高い回収率でフェロニッケルを回収することができる。
このとき、図4(a),(b)に示すように、混合物21が充填された器本体23に蓋24をした状態の容器2を、還元炉に装入して還元処理を施すことが好ましい。このように、蓋24をされた容器2に対して還元加熱処理を施すことで、より効率的に還元反応が進行するようになり、ニッケルのメタル化を促進させることができる。なお、蓋24の材質は、器本体23と同じ材質を用いることが好ましい。
(3)乾燥処理工程
乾燥処理工程S22は、塊状化処理工程S21にて得られた塊状物や、容器に充填する前の混合物、容器に充填された後の混合物を乾燥処理する工程である。ここで、塊状化処理により得られた塊状物は、その水分が例えば50重量%程度と過剰に含まれている。そのため、過剰の水分を含む塊状物を急激に還元温度まで昇温すると、水分が一気に気化し膨張して、塊状物や、混合物を保持する容器を破壊することがある。
したがって、得られた混合物や塊状物に対して乾燥処理を施し、例えば混合物や塊状物における固形分が70重量%程度で、水分が30重量%程度となるようにすることで、次工程の還元工程S3における還元加熱処理において、塊状物からなるペレットや、混合物を保持する容器が崩壊することを防ぐことができ、それにより還元炉からの取り出しが困難になることを防ぐことができる。また、塊状物や混合物は、過剰な水分によりべたべたした状態となっていることが多いため、これに乾燥処理を施すことで、取り扱いを容易にすることができる。
具体的に、乾燥処理工程S22における、塊状物や混合物に対する乾燥処理としては、特に限定されないが、例えば300℃〜400℃の熱風を塊状物や混合物に対して吹き付けて乾燥させる。
ここで、特に体積の大きな塊状物や混合物を乾燥させる場合、乾燥前や乾燥後の塊状物や混合物に、ひびや割れが入っていてもよい。塊状物や混合物の体積が大きい場合には、還元時に塊状物や混合物が溶融して収縮するため、ひびや割れが生じることが多い。しかしながら、塊状物や混合物の体積が大きい場合には、ひびや割れによって生じる表面積の増加等の影響は僅かであるため、大きな問題は生じ難い。そのため、還元前の塊状物や混合物にひびや割れがあってもよい。
なお、還元炉でのペレットの取り扱い時や還元加熱処理時に、ペレットや容器に破壊が生じない態様となっていれば、乾燥処理工程S22における乾燥処理を省略してもよい。
下記表2に、乾燥処理後の塊状物からなるペレットや、乾燥処理後の混合物における、固形分中組成(重量部)の一例を示す。なお、ペレットや混合物の組成としては、これに限定されるものではない。
Figure 0006844335
<3.還元工程>
還元工程S3では、混合物成形工程S2で得られたペレットや、混合物を充填した容器を還元炉に装入して、所定の還元温度に還元加熱する。このようにして、ペレットを構成する混合物や、容器に充填された混合物に対して加熱処理することにより、製錬反応(還元反応)が進行して、メタルとスラグとが生成する。
本実施の形態においては、重心から表面への最短の長さが10mm以上になるように成形されたペレットや、混合物の重心から表面への最短の長さが10mm以上となるように混合物を充填した容器に対して還元加熱処理を行う。このように所定の長さ以上となった混合物に対して還元加熱処理を行うことで、より大きなフェロニッケルを製造し易くすることができる。また、その混合物の体積に対する表面積の割合が減ることで、混合物の表面と内部における還元速度の差を低減できるため、組成の均一性が非常に高く、高品質のフェロニッケルを製造し易くすることができる。
還元工程S3における還元加熱処理は、還元炉等を用いて行われる。具体的には、ニッケル酸化鉱を含む混合物を、例えば1250〜1450℃の還元温度、より具体的には1300〜1400℃程度の還元温度に加熱した還元炉に装入することによって還元加熱する。なお、本実施の形態における「還元温度」は、炉内において温度が最も高くなる部分の温度を意味する。例えば、移動炉床炉の場合、幅方向(炉床移動方向に対して直角に交わる方向であり、ペレットや容器が置かれる面内にある方向)において実質的に中心になる箇所における温度である。特に、ロータリーハース炉等の回転炉床炉の場合であれば、幅方向(回転炉床の中心軸からの径方向であり、ペレットや容器が置かれる面内にある方向)における中心付近の温度である。
還元工程S3における還元加熱処理では、例えば1分程度のわずかな時間で、先ず還元反応の進みやすい、ペレットや混合物の表面近傍において、酸化ニッケル及び酸化鉄が還元されメタル化して、鉄−ニッケル合金(フェロニッケル)となり、シェル(以下、「殻」ともいう)を形成する。一方で、殻の中では、その殻の形成に伴って混合物中のスラグ成分が徐々に熔融して液相のスラグが生成する。これにより、1個のペレットや容器の中で、フェロニッケル等の合金や金属からなるメタル(以下、単に「メタル」という)と、酸化物からなるスラグ(以下、単に「スラグ」という)とが分かれて生成する。
そして、還元工程S3における還元加熱処理の処理時間が10分程度経過すると、還元反応に関与しない余剰の炭素質還元剤の炭素成分が、鉄−ニッケル合金に取り込まれて融点を低下させる。その結果、鉄−ニッケル合金は溶解して液相となる。
還元炉において還元加熱処理を行う時間は、還元炉の温度に応じて設定されるが、10分以上であることが好ましく、15分以上であることがより好ましい。他方で、還元加熱処理を行う時間の上限は、製造コストの上昇を抑える観点から、50分以下としてもよく、40分以下としてもよい。
本実施の形態においては、還元反応が理想的に進行した場合、還元加熱処理を行った後の混合物、すなわち、ペレットや容器に充填された混合物は、大きな塊のメタルとスラグとの混成物になる。このとき、大きな塊のメタルが形成されることで、還元炉から回収する際における回収の手間を低減させることができ、また、メタル回収率の低下を抑えることができる。
上述したように、還元加熱処理によって、ペレットや容器の内部に形成されるスラグは熔融して液相となっているが、既に分離して生成したメタルとスラグとは混ざり合うことがなく、その後の冷却によってメタル固相とスラグ固相との別相として混在する混在物となる。この混在物の体積は、装入する混合物と比較すると、50%〜60%程度の体積に収縮している。
ここで、特にペレットを還元炉に装入する場合、還元工程S3において、予めその還元炉の炉床に炭素質還元剤(以下、「炉床炭素質還元剤」ともいう)を敷き詰めて、その敷き詰められた炉床炭素質還元剤の上にペレット、又は混合物を充填した容器を載置してもよい。また、ペレット、又は混合物を充填せいた容器を炉床炭素質還元剤上に載置した後、炭素質還元剤を用いて覆い隠す状態にすることもできる。このように、炉床に炭素質還元剤が敷き詰められた還元炉にペレット等を装入し、又は、装入したペレット等をさらに覆い隠すように炭素質還元剤で包囲させた状態で還元加熱処理を施すことで、ペレットや容器の崩壊を抑制しながら、製錬反応をより速く進行させることができる。
また、特にペレットを還元炉に装入する態様では、重心からの長さを10mm以上としたペレットを2段以上重ねて装入することで、ペレット積層体を形成してもよい。ペレットを2段以上で積層することで、ペレットを還元炉に設置する際のハンドリング性を高めながら、一度の還元加熱処理によって還元処理されるペレットの量を増加させることができる。また、より大きなメタルを生成させることができる。
還元加熱処理に用いる還元炉としては、特に限定されないが、移動炉床炉を用いることが好ましい。還元炉として移動炉床炉を使用することにより、連続的に還元反応が進行し、一つの設備で反応を完結させることができ、各工程における処理を別々の炉を用いて行うよりも処理温度の制御を的確に行うことができる。さらに、各処理間でのヒートロスを低減して、より効率的な操業が可能となる。つまり、別々の炉を使用した反応を行った場合、ペレットや容器を、炉と炉との間を移動させる際に、温度が低下してヒートロスが生じ、また反応雰囲気に変化を生じさせてしまうため、炉に再装入したときに即座に反応が進まない。これに対して、移動炉床炉を使用して一つの設備で各処理を行うことで、ヒートロスが低減されるとともに炉内雰囲気も的確に制御できるため、反応をより効果的に進行させることができる。これらのことにより、より効果的に、ニッケル品位が高い鉄−ニッケル合金を得ることができる。
移動炉床炉としては、特に限定されず、回転炉床炉や、ローラーハースキルン等を用いることができる。このうち回転炉床炉としては、例えば、円形状であって複数の処理領域に区分けされた回転炉床炉(ロータリーハース炉)を用いることができる。この回転炉床炉では、所定の方向に回転しながら、各領域においてそれぞれの処理を行う。このとき、各領域を通過する際の時間(移動時間、回転時間)を制御することで、それぞれの領域での処理温度を調整することができ、回転炉床が1回転する毎に混合物が製錬処理される。
<4.分離工程>
分離工程S4では、還元工程S3にて生成したメタルとスラグとを分離してメタルを回収する。具体的には、容器に収容された混合物や、ペレットに対する還元加熱処理によって得られた、メタル相(メタル固相)とスラグ相(スラグ固相)とを含む混在物から、メタル相を分離して回収する。
固体として得られたメタル相とスラグ相との混在物からメタル相とスラグ相とを分離する方法としては、例えば、篩い分けによる不要物の除去に加えて、比重による分離や、磁力による分離等の方法を利用することができる。
また、得られたメタル相とスラグ相は、濡れ性が悪いことから容易に分離することができ、上述した還元工程S3によって得られる大きな混在物に対して、例えば、所定の落差を設けて落下させ、あるいは篩い分けの際に所定の振動を与える等の衝撃を付与することで、その混在物から、メタル相とスラグ相とを容易に分離することができる。
特に、本実施の形態では、還元工程S3において、所定以上の厚さに成形した酸化鉱石の混合物に対して還元加熱処理を施すことにより、還元して得られたメタルが容器やペレットの中を沈降することで、より大きなフェロニッケルメタルが生成される。そのため、製造効率の面でのロスを抑制しながらも、磁選等の処理によって簡易にフェロニッケルメタルを分離することができ、しかも高い回収率でメタルを回収することができる。
このようにしてメタル相とスラグ相とを分離することによって、メタル相を回収する。
以下、本発明の実施例を示してより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[原料粉末の混合]
原料鉱石としてのニッケル酸化鉱と、鉄鉱石と、フラックス成分である珪砂及び石灰石、バインダー、及び炭素質還元剤(石炭粉、炭素含有量:85重量%、平均粒径:約180μm)を、適量の水を添加しながら混合機を用いて混合して混合物を得た。炭素質還元剤は、原料鉱石であるニッケル酸化鉱に含まれる酸化ニッケルと酸化鉄(Fe)とを過不足なく還元するのに必要な量を100%としたときに、27.0%の割合となる量で含有させた。
[混合物の成形]
次に、得られた混合物から24個の試料を取り分け、表4に示す形状に成形した。このうち、実施例1〜5、11〜15、比較例1、2の試料については、パン型造粒機を用いて、混合物を所定の直径の球状のペレットに成形した。また、実施例6〜10、16〜20、比較例3、4については、圧縮成形機を用いて、混合物を直方体又は立方体の形状のペレットに成形した。
次に、実施例1〜20と比較例1〜4の試料の各々に対して、固形分が70重量%程度、水分が30重量%程度となるように、300℃〜400℃の熱風を吹き付けて乾燥処理を施した。下記表3に、乾燥処理後の混合物(ペレット)の固形分組成(炭素を除く)を示す。
Figure 0006844335
[混合物に対する還元加熱処理]
乾燥処理後の、混合物が成形されたペレットと、混合物が充填された容器を、実質的に酸素を含まない窒素雰囲気にした還元炉に各々装入した。なお、還元炉への装入時の温度条件は、500±20℃とした。
次に、表4に示す温度及び時間で、混合物(ペレット)に対して還元加熱処理を施した。還元処理後は、窒素雰囲気中で速やかに室温まで冷却して大気中へ取り出した。
ここで、ペレットの還元炉への装入は、予め、還元炉の炉床に、灰(主成分はSiOであり、その他の成分としてAl、MgO等の酸化物を少量含有する)を敷き詰め、その上にペレットを載置することで行った。
本実施例では、重心から表面への最短長さが10mm以上のペレットを還元炉に装入した処理を実施例1〜実施例20とし、重心から表面への最短長さが10mm未満の混合物を還元炉に装入した処理を比較例1〜比較例4とした。
還元加熱処理を施した各試料について、還元後の混合物を樹脂に埋め込み、金属顕微鏡で表面に析出したメタルの観察を行い、メタルの平均粒径を測定した。ここで、平均粒径は、各試料に析出しているメタル粒子の任意の100個についての、断面の最大長さの平均値とした。
また、還元加熱処理後の各試料について、ニッケルメタル化率、メタル中ニッケル含有率を、ICP発光分光分析器(SHIMAZU S−8100型)により分析して算出した。
ニッケルメタル化率、メタル中のニッケル含有率は、以下の式により算出した。
ニッケルメタル化率=
混合物中のメタル化したNi量÷(混合物中の全てのNi量)×100(%)
メタル中のニッケル含有率=
混合物中のメタル化したNi量÷(混合物中のメタルしたNiとFeの合計量)
×100(%)
また、還元加熱処理後の各試料について、湿式処理による粉砕後、磁力選別によってメタルを回収した。そして、還元炉に装入した混合物におけるニッケル酸化鉱の含有量と、ニッケル酸化鉱におけるニッケル含有率と、そして回収されたニッケル量から、ニッケルメタル回収率を算出した。
ニッケルメタル回収率は、以下の式により算出した。
ニッケルメタル回収率=
回収されたNi量÷(装入した酸化鉱石の量×酸化鉱石中のNi含有率)
×100(%)
下記表4に、それぞれの試料における、ニッケルメタルの平均粒径、ニッケルメタル化率、メタル中のニッケル含有率、ニッケルメタル回収率を示す。
Figure 0006844335
表4の結果に示されるように、混合物の重心から表面への最短長さが10.0mm以上になるように混合物を還元炉に装入して還元処理を行うことで、ニッケルメタル化率は97.0%以上と高く、メタル中のニッケル含有量も19.0%以上と高い、高品位のフェロニッケルを製造することができることが分かった(実施例1〜実施例20)。これらの実施例では、混合物からのメタル回収率も91.0%以上と高いことが分かった。また、メタルの平均粒径に関しては、混合物の重心から表面への最短の長さが大きいほど、粒子が成長して大きくなることが分かった。
このように、高品位のフェロニッケルを製造することができた理由としては、混合物の重心から表面への最短の長さを所定の長さ以上に大きくすることで、還元炉に装入される混合物が大きくなってより多くのメタルが生成するようになり、混合物の中でメタルが凝集し易くなって大きなメタル粒子が得られたことが考えられる。その結果、メタル回収率についても、高い値が得られるようになったと考えられる。
これに対して、比較例1〜比較例4の結果に示されるように、混合物の重心から表面への最短の長さが10.0mm以上になるように混合物を還元炉に装入して還元処理を行った場合、ニッケルメタル化率は高くても90.1%であり、メタル中ニッケル含有量は高くても16.0%であり、またメタル回収率は高くても83.8%であり、いずれも実施例と比較して低い値であった。
1 塊状物
h 塊状物の重心から表面への最短長さ
2 容器
21 混合物
22 内壁面
23 器本体
24 蓋
25 開口
h’ 混合物の重心から表面への最短長さ

Claims (7)

  1. ニッケル酸化鉱を含む混合物の成形物を還元することによってフェロニッケルを製造するニッケル酸化鉱の製錬方法であって、
    少なくとも前記ニッケル酸化鉱と炭素質還元剤とを混合する混合処理工程と、
    得られる混合物を成形する混合物成形工程と、
    成形された前記混合物を還元炉にて所定の還元温度で加熱する還元工程と、を有し、
    前記還元工程では、前記混合物の重心から表面への最短の長さが10.5mm以上になるように成形された該混合物を前記還元炉に装入して前記加熱を行う
    ニッケル酸化鉱の製錬方法。
  2. 前記混合物成形工程では、前記混合物を、重心から表面への最短の長さが10.5mm以上のペレットに成形する
    請求項1に記載のニッケル酸化鉱の製錬方法。
  3. 前記混合物成形工程では、前記混合物を、該混合物の重心から表面への最短の長さが10.5mm以上となるように容器に充填する
    請求項1に記載のニッケル酸化鉱の製錬方法。
  4. 前記還元工程では、前記混合物の重心から表面への最短の長さが18mm以上になるように成形された該混合物を前記還元炉に装入して前記加熱を行う
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のニッケル酸化鉱の製錬方法。
  5. 前記還元工程では、前記混合物の表面に、混合物中の酸化ニッケル及び酸化鉄をメタル化してシェルを形成するとともに、混合物中のスラグ成分から液相のスラグを生成して、混合物中に、フェロニッケルメタルと酸化物からなるスラグとを分けて生成させる
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載のニッケル酸化鉱の製錬方法。
  6. 前記還元工程における還元温度は、1250℃以上1450℃以下である
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載のニッケル酸化鉱の製錬方法。
  7. 前記還元工程を行った後の混合物から、スラグを分離してフェロニッケルを得る分離工程をさらに有する
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載のニッケル酸化鉱の製錬方法。
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