JP5842967B1 - ペレットの製造方法、鉄−ニッケル合金の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ニッケル酸化鉱をペレット化して製錬し、鉄−ニッケル合金であるフェロニッケルを製造するにあたり、製錬反応を効果的に進行させて、得られるフェロニッケル中のNi含有率を高め、しかも、製錬反応後に得られるフェロニッケルが小粒なものになることを抑制できるペレットの製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係るペレットの製造方法は、鉄−ニッケル合金を製造するために用いられ、少なくとも、ニッケル酸化鉱と、炭素質還元剤と、酸化鉄とを混合し、得られた混合物を塊状化することで製造されるペレットの製造方法であって、ニッケル酸化鉱と炭素質還元剤と酸化鉄の混合比率が異なる、少なくとも2種類の混合物を生成する工程S11と、得られた2種類以上の混合物のうちの酸化鉄の含有割合が最も大きい混合物が最外層となるように、その2種類以上の混合物を用いて層構造を有する塊状物であるペレットを形成する工程S12とを有する。【選択図】図3
Description
本発明は、ペレットの製造方法に関するものであり、より詳しくは、ニッケル酸化鉱の製錬工程にて処理する際のペレットの製造方法、並びにそれを用いた鉄−ニッケル合金の製造方法に関する。
リモナイトあるいはサプロライトと呼ばれるニッケル酸化鉱の製錬方法として、熔錬炉を使用してニッケルマットを製造する乾式製錬方法、ロータリーキルンあるいは移動炉床炉を使用してフェロニッケルを製造する乾式製錬方法、オートクレーブを使用してミックスサルファイドを製造する湿式製錬方法等が知られている。
ニッケル酸化鉱を製錬工程に装入するにあたっては、その原料鉱石をペレット化、スラリー化等するための前処理が行われる。具体的に、ニッケル酸化鉱をペレット化、すなわちペレットを製造する際には、そのニッケル酸化鉱以外の成分、例えばバインダーや還元剤と混合し、さらに水分調整等を行った後に塊状物製造機に装入して、例えば10〜30mm程度の塊状物(ペレット、ブリケット等を指す。以下、単に「ペレット」という)とするのが一般的である。
フェロニッケルは、鉄(Fe)とニッケル(Ni)の合金であり、主にステンレスの原料とされるが、ステンレス製造においては、そのフェロニッケルの組成として少なくとも2重量%以上のNiを含むことが重要であり、Ni含有率が高いほうが有利となる。
このことは、ステンレスを製造するにあたって、Ni含有率の高いフェロニッケルを用いることにより、少ない添加量でステンレス中のNi含有率を向上させることができるからである。また、商業取引上、フェロニッケル中のFe分には値段がつかない場合が多く、Ni成分が少ないとフェロニッケル製錬がコスト的に不利になってしまうからである。
例えば、特許文献1には、移動炉床炉を利用してフェロニッケルを製造する際の前処理方法として、酸化ニッケル及び酸化鉄を含有する原料と、炭素質還元剤とを混合して混合物となす混合工程において、混合物の余剰炭素量を調整する技術が開示されている。
上述したようにペレットを製造するにあたっては、[1]Ni含有率をなるべく高くすること、また、[2]製錬反応が効果的に進行すること、という2つの条件を満たすように、ニッケル酸化鉱以外の成分を調整してペレット化し、そのペレットを用いて鉄−ニッケル合金であるフェロニッケルを製造することで、フェロニッケル中のNi含有率を例えば4重量%程度以上とすることが可能となる。しかしながら、製錬反応が終了した時点で、得られるフェロニッケル粒のサイズが小さくなる。
このように得られるフェロニッケル粒のサイズが小さくなると、フェロニッケルは直径10mm〜30mm程度のペレットの大きさよりも遥かに小さく、数mm程度に分裂してしまうため、製錬炉から回収する際の取り扱いが困難となり、回収率が低下するという問題がある。また、同時に得られるスラグも直径数mm程度の粒に分裂してしまうため、取り扱いが困難となる。
つまり、上記[1]、[2]の条件と共に、[3]得られるフェロニッケル粒のサイズが小さくなることを抑制するという条件も含めたすべての条件を満足することが好ましいが、従来の技術においては、特に[3]の条件を満たすことができなかった。
また、ペレットを製造するにあたって、酸化鉄の含有量を増加させ、ペレット中のNi+Fe品位を35重量%程度以上に調整して混合することによって、ペレット1粒に対してフェロニッケル1粒として得られるため、回収は容易となるものの、フェロニッケル中のNi含有率は1.7重量%程度となり2重量%を下回ってしまう。すなわち、上記[1]〜[3]の条件のうち、[2]及び[3]の条件は満足するものの、[1]の条件を満足することができないというものであった。
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、ニッケル酸化鉱をペレット化して製錬し、鉄−ニッケル合金であるフェロニッケルを製造するにあたり、製錬反応を効果的に進行させて、得られるフェロニッケル中のNi含有率を高め、しかも、製錬反応後に得られるフェロニッケルが小粒なものになることを抑制することができるペレットの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、原料粉末により酸化鉄の含有比率の異なる2種類以上の混合物を生成し、その2種類以上の混合物を用いて、酸化鉄の含有比率の最も大きい混合物が最外層を構成するように、層構造を有する塊状物であるペレットを形成する方法を見出した。このようにして形成したペレットを用いて還元加熱することによれば、製錬反応が効果的に進行し、得られるフェロニッケル中のNi含有率が高まり、しかも、製錬反応後に得られるフェロニッケルの分裂を抑制できることが分かり、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明は、鉄−ニッケル合金を製造するために用いられ、少なくとも、ニッケル酸化鉱と、炭素質還元剤と、酸化鉄とを混合し、得られた混合物を塊状化することで製造されるペレットの製造方法であって、前記ニッケル酸化鉱と前記炭素質還元剤と前記酸化鉄の混合比率が異なる、少なくとも2種類の混合物を生成する混合処理工程と、前記混合処理工程にて得られた2種類以上の混合物のうちの前記酸化鉄の含有割合が最も大きい混合物が最外層となるように、該2種類以上の混合物を用いて層構造を有する塊状物であるペレットを形成するペレット形成工程とを有することを特徴とするペレットの製造方法である。
(2)また本発明は、上記(1)に係る発明において、前記混合処理工程では、2種類の混合物を生成し、前記ペレット形成工程では、前記2種類の混合物を用いて2層構造のペレットを形成することを特徴とするペレットの製造方法である。
(3)また本発明は、上記(1)又は(2)に係る発明において、前記混合処理工程にて生成される混合物のうち前記酸化鉄の含有割合が最も小さい混合物は、該酸化鉄を含まないことを特徴とするペレットの製造方法である。
(4)また本発明は、上記(1)乃至(3)の何れかに係る発明において、前記混合処理工程にて生成される混合物のうち前記酸化鉄の含有割合が最も大きな混合物は、前記ニッケル酸化鉱と前記炭素質還元剤とを含まないことを特徴とするペレットの製造方法である。
(5)本発明は、ニッケル酸化鉱から鉄−ニッケル合金を製造する鉄−ニッケル合金の製造方法であって、前記ニッケル酸化鉱からペレットを製造するペレット製造工程と、得られたペレットを所定の還元温度で加熱する還元工程とを有し、前記ペレット製造工程は、前記ニッケル酸化鉱と前記炭素質還元剤と前記酸化鉄の混合比率が異なる、少なくとも2種類の混合物を生成する混合処理工程と、前記混合処理工程にて得られた2種類以上の混合物のうちの前記酸化鉄の含有割合が最も大きい混合物が最外層となるように、該2種類以上の混合物を用いて層構造を有する塊状物であるペレットを形成するペレット形成工程とを有することを特徴とする鉄−ニッケル合金の製造方法である。
本発明によれば、ニッケル酸化鉱のペレットを用いて鉄−ニッケル合金であるフェロニッケルを製造するにあたり、製錬反応を効果的に進行させて、得られるフェロニッケル中のNi含有率を高め、しかも、製錬反応後に得られるフェロニッケルが小粒なものになることを抑制することができる。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
≪1.ニッケル酸化鉱の製錬方法≫
先ず、原料鉱石であるニッケル酸化鉱の製錬方法について説明する。以下では、原料鉱石であるニッケル酸化鉱をペレット化し、そのペレットを還元処理することでメタル(鉄−ニッケル合金(以下、鉄−ニッケル合金を「フェロニッケル」ともいう)とスラグとを生成させ、そのメタルとスラグとを分離することによってフェロニッケルを製造する製錬方法(フェロニッケルの製造方法)を例に挙げて説明する。
先ず、原料鉱石であるニッケル酸化鉱の製錬方法について説明する。以下では、原料鉱石であるニッケル酸化鉱をペレット化し、そのペレットを還元処理することでメタル(鉄−ニッケル合金(以下、鉄−ニッケル合金を「フェロニッケル」ともいう)とスラグとを生成させ、そのメタルとスラグとを分離することによってフェロニッケルを製造する製錬方法(フェロニッケルの製造方法)を例に挙げて説明する。
本実施の形態に係るニッケル酸化鉱の製錬方法は、ニッケル酸化鉱のペレットを用い、そのペレットを製錬炉(還元炉)に装入して還元加熱することによって製錬する方法である。具体的に、このニッケル酸化鉱の製錬方法は、図1の工程図に示すように、ニッケル酸化鉱からペレットを製造するペレット製造工程S1と、得られたペレットを還元炉にて所定の還元温度で加熱する還元工程S2と、還元工程S2にて生成したメタルとスラグとを分離してメタルを回収する分離工程S3とを有する。
<1−1.ペレット製造工程>
ペレット製造工程S1では、原料鉱石であるニッケル酸化鉱からペレットを製造する。図2は、ペレット製造工程S1における処理の流れを示す処理フロー図である。この図2に示すように、ペレット製造工程S1は、ニッケル酸化鉱を含む原料を混合する混合処理工程S11と、得られた混合物を用いて塊状物であるペレットを形成(造粒)するペレット形成工程S12と、得られたペレットを乾燥する乾燥処理工程S13とを有する。
ペレット製造工程S1では、原料鉱石であるニッケル酸化鉱からペレットを製造する。図2は、ペレット製造工程S1における処理の流れを示す処理フロー図である。この図2に示すように、ペレット製造工程S1は、ニッケル酸化鉱を含む原料を混合する混合処理工程S11と、得られた混合物を用いて塊状物であるペレットを形成(造粒)するペレット形成工程S12と、得られたペレットを乾燥する乾燥処理工程S13とを有する。
(1)混合処理工程
混合処理工程S11は、ニッケル酸化鉱を含む原料粉末を混合して混合物を得る工程である。具体的には、この混合処理工程S11では、少なくとも、原料鉱石であるニッケル酸化鉱と、炭素質還元剤と、酸化鉄とを混合して混合物を得る。なお、その他、必要に応じて、フラックス成分、バインダー等を添加して混合することができる。これらの原料の粒径としては、特に限定されないが、例えば0.2mm〜0.8mm程度の粒径の原料粉末を混合して混合物を得る。
混合処理工程S11は、ニッケル酸化鉱を含む原料粉末を混合して混合物を得る工程である。具体的には、この混合処理工程S11では、少なくとも、原料鉱石であるニッケル酸化鉱と、炭素質還元剤と、酸化鉄とを混合して混合物を得る。なお、その他、必要に応じて、フラックス成分、バインダー等を添加して混合することができる。これらの原料の粒径としては、特に限定されないが、例えば0.2mm〜0.8mm程度の粒径の原料粉末を混合して混合物を得る。
ニッケル酸化鉱としては、特に限定されないが、リモナイト鉱、サプロライト鉱等を用いることができる。
また、炭素質還元剤としては、例えば、粉炭、粉コークス等が挙げられる。この炭素質還元剤は、上述のニッケル酸化鉱の粒度と同等のものであることが好ましい。
また、酸化鉄としては、例えば鉄品位が50%程度以上の鉄鉱石、ニッケル酸化鉱の湿式製錬により得られるヘマタイト等を用いることができる。
その他、バインダーとしては、例えば、ベントナイト、多糖類、樹脂、水ガラス、脱水ケーキ等を挙げることができる。また、フラックス成分としては、例えば、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、二酸化珪素等を挙げることができる。
ここで、詳しくは後述するが、本実施の形態では、この混合処理工程S11において、ニッケル酸化鉱と、炭素質還元剤と、酸化鉄の混合比率が異なる少なくとも2種類の混合物を生成する。このようにして原料粉末の混合比率が異なる複数の混合物を生成することによって、酸化鉄の含有割合の異なる複数の混合物を生成することを特徴としている。そして、得られた2種類以上の混合物を用いて、次のペレット形成工程S12において酸化鉄の含有割合が異なる層構造を有するペレットを形成する。
なお、図2に示すフロー図では、この混合処理工程S11において、ニッケル酸化鉱と、炭素質還元剤と、酸化鉄の混合比率が異なる2種類の混合物(混合物(a)、混合物(b))の生成する場合を例に挙げて示しているが、混合物の数としては2種類に限られるものではない。
(2)ペレット形成工程
ペレット形成工程S12は、混合処理工程S11にて得られた原料粉末の混合物を塊状物であるペレットに形成(造粒)する工程である。具体的には、混合処理工程S11にて得られた混合物に、塊状化に必要な水分を添加して、例えば塊状物製造装置(転動造粒機、圧縮成形機、押出成形機等)等を使用し、あるいは人の手によりペレットを形成する。
ペレット形成工程S12は、混合処理工程S11にて得られた原料粉末の混合物を塊状物であるペレットに形成(造粒)する工程である。具体的には、混合処理工程S11にて得られた混合物に、塊状化に必要な水分を添加して、例えば塊状物製造装置(転動造粒機、圧縮成形機、押出成形機等)等を使用し、あるいは人の手によりペレットを形成する。
ペレットの形状としては、特に限定されないが、例えば球状とすることができる。また、ペレット状にする塊状物の大きさとしては、特に限定されないが、例えば、後述する乾燥処理、予熱処理を経て、還元工程における製錬炉等に装入されるペレットの大きさ(球状のペレットの場合には直径)で10mm〜30mm程度となるようにする。
本実施の形態においては、上述した混合処理工程S11にて、原料粉末の混合比率が異なる2種類以上の混合物を生成(例えば、図2のフロー図に示す、混合物(a)及び混合物(b)を生成)し、ペレット形成工程S12では、その得られた2種類以上の混合物を用いて酸化鉄の含有割合が異なる層構造を有するペレットを形成する。より具体的に、ペレット形成工程S12では、酸化鉄の含有割合が大きい混合物が最外層を構成するように、その2種類以上の混合物を用いてペレットを形成することを特徴としている。
このようにして、酸化鉄の含有割合が大きい層を最外層に有する層構造のペレットを形成し、これを用いて次工程(還元工程S2)にて還元加熱処理を施して製錬することで、効果的に製錬反応を進行させて得られるメタル成分であるフェロニッケル中のNi含有率を高めることができ、またそのフェロニッケルが小粒に分裂してしまうことを抑制することができる。なお、詳しくは後述する。
(3)乾燥処理工程
乾燥処理工程S13は、ペレット形成工程S12にて得られた塊状物であるペレットを乾燥処理する工程である。形成されたペレット(塊状物)は、その水分が例えば50重量%程度と過剰に含まれており、べたべたした状態となっている。したがって、そのペレットの取り扱いを容易にするために、乾燥処理工程S13では、例えばペレットの固形分が70重量%程度で、水分が30重量%程度となるように乾燥処理を施すようにする。
乾燥処理工程S13は、ペレット形成工程S12にて得られた塊状物であるペレットを乾燥処理する工程である。形成されたペレット(塊状物)は、その水分が例えば50重量%程度と過剰に含まれており、べたべたした状態となっている。したがって、そのペレットの取り扱いを容易にするために、乾燥処理工程S13では、例えばペレットの固形分が70重量%程度で、水分が30重量%程度となるように乾燥処理を施すようにする。
より具体的に、乾燥処理工程S13におけるペレットに対する乾燥処理としては、特に限定されないが、例えば300℃〜400℃の熱風をペレットに対して吹き付けて乾燥させる。なお、この乾燥処理時におけるペレットの温度は100℃未満である。
ペレット製造工程S1では、上述したように原料鉱石であるニッケル酸化鉱を含む原料粉末の混合物をペレット状に造粒(塊状化)し、それを乾燥させることによってペレットを製造する。得られるペレットの大きさは、10mm〜30mm程度であり、形状を維持できる強度、例えば1mの高さから落下させた場合でも崩壊するペレットの割合が1%以下程度となる強度を有するペレットが製造される。このようなペレットは、次工程の還元工程S2に装入する際の落下等の衝撃に耐えることが可能であってそのペレットの形状を維持することができ、またペレットとペレットとの間に適切な隙間が形成されるので、製錬工程における製錬反応が適切に進行するようになる。
なお、このペレット製造工程S1においては、上述した乾燥処理工程S13にて乾燥処理を施した塊状物であるペレットを所定の温度に予熱処理する予熱処理工程を設けるようにしてもよい。このように、乾燥処理後の塊状物に対して予熱処理を施してペレットを製造することによって、還元工程S2にてペレットを例えば1400℃程度の高い温度で還元加熱する際にも、ヒートショックによるペレットの割れ(破壊、崩壊)をより効果的に抑制することができる。例えば、製錬炉に装入した全ペレットのうちの崩壊するペレットの割合を5%未満と僅かな割合とすることができ、95%以上のペレットで形状を維持することができる。
具体的に、予熱処理においては、乾燥処理後のペレットを350℃〜600℃の温度に予熱処理する。また、好ましくは400℃〜550℃の温度に予熱処理する。このように、350℃〜600℃、好ましくは400℃〜550℃の温度に予熱処理することによって、ペレットを構成するニッケル酸化鉱に含まれる結晶水を減少させることができ、約1400℃の製錬炉に装入して急激に温度を上昇させた場合であっても、その結晶水の離脱によるペレットの崩壊を抑制することができる。また、このような予熱処理を施すことによって、ペレットを構成するニッケル酸化鉱、炭素質還元剤、酸化鉄、バインダー、及びフラックス成分等の粒子の熱膨張が2段階となってゆっくりと進むようになり、これにより、粒子の膨張差に起因するペレットの崩壊を抑制することができる。なお、予熱処理の処理時間としては、特に限定されずニッケル酸化鉱を含む塊状物の大きさに応じて適宜調整すればよいが、得られるペレットの大きさが10mm〜30mm程度となる通常の大きさの塊状物であれば、10分〜60分程度の処理時間とすることができる。
<1−2.還元工程>
還元工程S2では、ペレット製造工程S1で得られたペレットを所定の還元温度に加熱する。この還元工程S2におけるペレットの還元加熱処理により、製錬反応が進行して、メタルとスラグとが生成する。
還元工程S2では、ペレット製造工程S1で得られたペレットを所定の還元温度に加熱する。この還元工程S2におけるペレットの還元加熱処理により、製錬反応が進行して、メタルとスラグとが生成する。
具体的に、還元工程S2における還元加熱処理は、製錬炉(還元炉)等を用いて行われ、ニッケル酸化鉱を含むペレットを、例えば1400℃程度の温度に加熱した製錬炉に装入することによって還元加熱する。この還元工程S2における還元加熱処理では、例えば1分程度のわずかな時間で、先ず還元反応の進みやすいペレットの表面近傍においてペレット中のニッケル酸化物及び鉄酸化物が還元されメタル化して鉄−ニッケル合金(フェロニッケル)となり、殻(シェル)を形成する。一方で、殻の中では、その殻の形成に伴ってペレット中のスラグ成分が徐々に熔融して液相のスラグが生成する。これにより、1個のペレット中では、フェロニッケルメタル(以下、単に「メタル」という)と、フェロニッケルスラグ(以下、単に「スラグ」という)とが分かれて生成する。
そして、還元工程S2における還元加熱処理の処理時間をさらに10分程度まで延ばすことにより、ペレット中に含まれる還元反応に関与しない余剰の炭素質還元剤の炭素成分が鉄−ニッケル合金に取り込まれ、融点を低下させる。その結果、鉄−ニッケル合金は熔融して液相となる。
上述したように、ペレット中のスラグは熔融して液相となっているが、既に分離して生成したメタルとスラグとは混ざり合うことがなく、その後の冷却によってメタル固相とスラグ固相との別相として混在する混合物となる。この混合物の体積は、装入するペレットと比較すると、50%〜60%程度の体積に収縮している。
上述した製錬反応が最も理想的に進行した場合、装入したペレット1個に対して、メタル固相1個とスラグ固相1個とを混在させた1個の混合物として得られ、「だるま状」の形状の固体となる。ここで、「だるま状」とは、メタル固相とスラグ固相とが接合した形状である。このような「だるま状」の形状を有する混合物である場合、その混合物は粒子のサイズとしては最大となるので、製錬炉から回収する際に、回収の手間が少なく、メタル回収率の低下を抑制することができる。
なお、上述した余剰の炭素質還元剤としては、ペレット製造工程S1にてペレット中に混合されたものだけでなく、例えばこの還元工程S2にて使用する製錬炉の炉床にコークス等を敷き詰めることによって準備してもよい。
本実施の形態に係るニッケル酸化鉱の製錬方法においては、上述したように、ペレット製造工程S1において、原料粉末である、ニッケル酸化鉱と、炭素質還元剤と、酸化鉄の混合比率が異なる少なくとも2種類の混合物を生成し、その2種類以上の混合物を用いて、酸化鉄の含有割合が最も大きい混合物が最外層となるように層構造を有する塊状物であるペレットを製造するようにしている。したがって、このようなペレットを製錬炉に装入して還元加熱することにより、効果的に製錬反応を進行させることができ、得られるメタル成分であるフェロニッケル中のNi含有率を高めることができる。また、そのフェロニッケルが小粒に分裂することも抑制することができ、取り扱いが容易な大きさのフェロニッケルを得ることができる。
<1−3.分離工程>
分離工程S3では、還元工程S2にて生成したメタルとスラグとを分離してメタルを回収する。具体的には、ペレットに対する還元加熱処理によって得られた、メタル相(メタル固相)とスラグ相(炭素質還元剤を含むスラグ固相)とを含む混合物からメタル相を分離して回収する。
分離工程S3では、還元工程S2にて生成したメタルとスラグとを分離してメタルを回収する。具体的には、ペレットに対する還元加熱処理によって得られた、メタル相(メタル固相)とスラグ相(炭素質還元剤を含むスラグ固相)とを含む混合物からメタル相を分離して回収する。
固体として得られたメタル相とスラグ相との混合物からメタル相とスラグ相とを分離する方法としては、例えば、篩い分けによる不要物の除去に加えて、比重による分離や、磁力による分離、クラッシャーによる粗砕等の方法を利用することができる。また、得られたメタル相とスラグ相は、濡れ性が悪いことから容易に分離することができ、上述した「だるま状」の混合物に対して、例えば、所定の落差を設けて落下させる、或いは篩い分けの際に所定の振動を与える等の衝撃を与えることで、その「だるま状」の混合物からメタル相とスラグ相とを容易に分離することができる。
このようにしてメタル相とスラグ相とを分離することによって、メタル相(フェロニッケル)を回収する。
≪2.ペレット製造工程におけるペレットの形成≫
次に、ニッケル酸化鉱の製錬方法におけるペレット製造工程S1についてより詳細に説明する。上述したように、ペレット製造工程S1は、ニッケル酸化鉱を含む原料を混合する混合処理工程S11と、得られた混合物を用いて塊状物であるペレットを形成するペレット形成工程S12と、得られたペレットを乾燥する乾燥処理工程S13とを有する。
次に、ニッケル酸化鉱の製錬方法におけるペレット製造工程S1についてより詳細に説明する。上述したように、ペレット製造工程S1は、ニッケル酸化鉱を含む原料を混合する混合処理工程S11と、得られた混合物を用いて塊状物であるペレットを形成するペレット形成工程S12と、得られたペレットを乾燥する乾燥処理工程S13とを有する。
そして、本実施の形態においては、少なくとも、ニッケル酸化鉱と、炭素質還元剤と、酸化鉄とを混合し、得られた混合物を塊状化することでペレットを製造するにあたって、ニッケル酸化鉱と、炭素質還元剤と、酸化鉄の混合比率が異なる、少なくとも2種類の混合物を生成し、得られた2種類以上の混合物のうちの酸化鉄の含有割合(酸化鉄比率)が最も大きい混合物が最外層となるように、その2種類以上の混合物を用いて層構造を有する塊状物であるペレットを形成することを特徴としている。
具体的には、図3に一例を示すフロー図にあるように、先ず、混合処理工程S11において、原料粉末である、ニッケル酸化鉱と、炭素質還元剤と、酸化鉄の混合比率を変えることで、酸化鉄の含有比率の異なる2種類の混合物(混合物(a)、混合物(b))を生成する。なお、ここでは、酸化鉄の含有比率の関係としては、混合物(a)<混合物(b)とする。次に、ペレット形成工程S12において、得られた2種類の混合物のうち、酸化鉄比率の小さい混合物(a)に水等を添加して例えば球状の塊状物(塊状物(A))とし、続いて、その球状の塊状物(A)に対してその外側(周囲)を覆わせるように酸化鉄比率の大きい混合物(b)を付着させる。これにより、酸化鉄比率の比較的小さい混合物(a)からなる内層と、酸化鉄比率の比較的大きい混合物(b)からなる外層(最外層)とを有する層構造からなる塊状物(X)(ペレット)を形成する。なお、得られた2層構造のペレットを乾燥することで(乾燥処理工程S13)、還元工程S2に用いるペレットとなる。
このように、原料粉末の混合比率が異なる混合物を生成して酸化鉄の含有割合の異なる2種類以上の混合物を生成し、それら2種類以上の混合物を用いて酸化鉄の混合割合が最も大きい混合物が最外層を構成するように、その酸化鉄の含有割合が異なる層構造を有するペレットとすることが重要となる。このようにして形成された、酸化鉄の混合割合が大きい層を最外層に有する層構造のペレットを用いて還元加熱処理を施して製錬することによって、効果的に製錬反応を進行させ、得られるメタル成分であるフェロニッケル中のNi含有率を高めることができ、またそのフェロニッケルが小粒に分裂してしまうことを抑制することができる。
ここで、使用する酸化鉄としては、例えば、Fe品位が50%程度以上の鉄鉱石、ニッケル酸化鉱の湿式製錬により得られるヘマタイト等を用いることができる。
また、層構造のペレットとしては、その最外層が酸化鉄の混合割合が大きい層であればよく、ペレットの内層(内部)から外層(表面)に行くに従って酸化鉄の混合比率が順次層状に大きくなるものでなくてもよい。
例えば、ペレットの構成の例としては、ペレットの内層(第1層)を、ニッケル酸化鉱と炭素質還元剤との混合物からなる塊状物の層とし、ペレットの外層(第2層、最外層)を酸化鉄のみからなる層とする2層構造のペレットとすることができる。また、ペレットの内層(第1層)をニッケル酸化鉱(Fe2O3を含有する)と炭素質還元剤との混合物からなる塊状物の層とし、ペレットの中間層(第2層)を炭素質還元剤(酸化鉄を含有しない)のみからなる層とし、ペレットの外層(第3層、最外層)を酸化鉄のみからなる層とする3層構造のペレットとしてもよい。なお、上述した3層構造のペレットの場合、最外層である第3層は、酸化鉄のみからなる層であり、酸化鉄の混合割合が最も大きい層となっている。
このようにして形成されたペレットは、その最も外側(最外層)が酸化鉄比率の大きな混合物で形成されているため、還元加熱する還元工程の最初の段階において、そのペレットの最も外側にメタル殻が効率的に形成されるようになる。ここで形成されるメタル殻のNi品位としては2重量%未満であり、例えば1.7%程度である。なお、メタル殻がより効率的に形成するために必要なFe品位としては、35重量%以上であることが好ましく、40重量%以上であることがより好ましい。
そして、昇温が進んで製錬反応が進行するに従って、そのメタル殻の内部では炭素質還元剤により強還元雰囲気となり、固体メタルが生成し、またメタルとなった成分を除いた残りの成分に基づいてスラグが生成する。ここで得られるメタルは、Ni品位2重量%以上であり、例えば3.7%程度である。
さらに、昇温が進んで1400℃程度に達したところで、メタル殻の内部に形成されたスラグが熔融するとともに、メタルも炭素質還元剤からの浸炭により熔融する。
そして、最後に、その浸炭がメタル殻にも及び、メタル殻が熔融して内部の熔融したメタルと一体となる。すなわち、メタルとスラグとが2相に分離するようになる。ここで得られたメタルのNi品位は2重量%以上となる。
以上のように、本実施の形態においては、酸化鉄の混合割合が大きい層を最外層に有する層構造のペレットとし、これを用いて還元加熱処理を施して製錬する。このようにして得られたペレットを用いて鉄−ニッケル合金であるフェロニッケルを製造することにより、[1]得られるフェロニッケル中のNi含有率を2重量%以上とすることができ、[2]製錬反応を効果的に進行させ、しかも、[3]製錬反応後に得られるフェロニッケルが小粒に分裂することを抑制することができる。
ここで、原料粉末を混合して混合物を形成する混合処理工程S11では、ニッケル酸化鉱と、炭素質還元剤と、酸化鉄の混合比率の異なる混合物の数としては、2種類の混合物を形成することが好ましい。すなわち、酸化鉄の含有割合の異なる2種類の混合物を用いて、ペレットの外側の層をメタル殻を形成し得る酸化鉄の混合割合の最も大きい組成とし、内側の層を少なくともニッケル酸化鉱及び炭素質還元剤を含む層とした2層ペレットとすることで、最も簡単な構成により上述した[1]〜[3]の効果を得ることができる。
混合処理工程S11にて得られる、酸化鉄比率の最も小さい混合物としては、酸化鉄を含まないものであることが好ましい。ペレットの内側の層は、少なくとも、ニッケル酸化鉱と、炭素質還元剤とを含む層であることから、そのペレットの内側の層をなす混合物としては、最も簡単な構成である酸化鉄を含まない混合物であることが好ましい。
また、混合処理工程S11にて得られる、酸化鉄比率の最も大きな混合物としては、ニッケル酸化鉱と、炭素質還元剤とを含まないものであることが好ましい。本実施の形態においては、ペレットの外側の層を、製錬反応により効果的にメタル殻を形成し得る組成とすることが重要となり、そのペレットの外側の層をなす混合物としては、最も簡単な構成となるように、ニッケル酸化鉱と炭素質還元剤とを含まないものであることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
原料鉱石としてのニッケル酸化鉱と、フラックスとしての硅砂及び石灰石と、炭素質還元剤としての石炭とを混合して混合物(a)を得た。下記表3に、ニッケル酸化鉱と、炭素質還元剤の成分組成を示す。
原料鉱石としてのニッケル酸化鉱と、フラックスとしての硅砂及び石灰石と、炭素質還元剤としての石炭とを混合して混合物(a)を得た。下記表3に、ニッケル酸化鉱と、炭素質還元剤の成分組成を示す。
次に、得られた混合物(a)に水を添加しながら手で捏ねて、13mm〜17mm程度の大きさの球状の塊状物を形成した。そして、形成した球状の塊状物に対して、スラリー状の混合物(b)をその塊状物の外側(周囲)を覆うように付着させ、17mm〜25mm程度の塊状物(ペレット)とした。
形成したペレットを、温度105℃で2時間保持して予備加熱し、さらに170℃で2時間保持して乾燥させた。その後、乾燥させたペレットを、400℃の炉内で30分保持してか焼(予備加熱)することによって結晶水を除去した。
アルミナるつぼの内部に炭素質還元剤を敷き詰め、か焼した直後(か焼温度を保持した状態)のペレットをその上に載せ、還元温度1400℃の炉内にるつぼを装入して、30分保持して還元処理を行った。
還元処理を行った結果、崩壊したペレットの割合は0%であり、いずれもだるま状の、スラグ固相とメタル固相とが付着した状態となり、効果的に製錬反応が進行した。そして、メタル(フェロニッケル)相のみを分離して回収した結果、フェロニッケルは小粒に分裂することなく、得られたメタル中のNi品位は2.1%でありNi含有率の高いフェロニッケルが得られた。
このように、実施例1では、効果的に製錬反応を進行させることができ、得られるフェロニッケル中のNi含有率を2重量%以上の高い割合とすることができ、しかも、製錬反応後に得られるフェロニッケルが小粒に分裂することを抑制することができた。
[比較例1]
原料鉱石としてのニッケル酸化鉱と、フラックスとしての硅砂及び石灰石と、炭素質還元剤としての石炭とを混合して混合物(a)を得たのち、水を添加しながら手で捏ねて13mm〜17mm程度の球状の塊状物(ペレット)を形成した。そして、そのペレットを、温度105℃で2時間保持して予備加熱し、さらに170℃で2時間保持して乾燥させた。その後。乾燥させたペレットを、400℃の炉内で30分保持してか焼(予備加熱)することによって結晶水を除去した。
原料鉱石としてのニッケル酸化鉱と、フラックスとしての硅砂及び石灰石と、炭素質還元剤としての石炭とを混合して混合物(a)を得たのち、水を添加しながら手で捏ねて13mm〜17mm程度の球状の塊状物(ペレット)を形成した。そして、そのペレットを、温度105℃で2時間保持して予備加熱し、さらに170℃で2時間保持して乾燥させた。その後。乾燥させたペレットを、400℃の炉内で30分保持してか焼(予備加熱)することによって結晶水を除去した。
アルミナるつぼの内部に炭素質還元剤を敷き詰め、か焼した直後(か焼温度を保持した状態)のペレットをその上に載せ、還元温度1400℃の炉内にるつぼを装入して、30分保持して還元処理を行った。
還元処理を行った結果、崩壊したペレットの割合は0%であった。しかしながら、得られたメタル(フェロニッケル粒)は、直径1〜3mmの非常に細かい小粒の形状に分裂してしまった。なお、得られたメタル中のNi品位は3.7重量%であった。
このように、比較例1では、製錬反応を進行させることができ、得られるフェロニッケル中のNi含有率を2重量%以上の高い割合とすることができたものの、製錬反応後に得られるフェロニッケルが小粒に分裂してしまい、取り扱いが非常に困難であった。
Claims (5)
- 鉄−ニッケル合金を製造するために用いられ、ニッケル酸化鉱と、炭素質還元剤と、酸化鉄とから選ばれる1種以上を混合し、得られた混合物を塊状化することで製造されるペレットの製造方法であって、
前記ニッケル酸化鉱と前記炭素質還元剤と前記酸化鉄の混合比率が異なる、少なくとも2種類の混合物を生成する混合処理工程と、
前記混合処理工程にて得られた2種類以上の混合物のうちの前記酸化鉄の含有割合が最も大きい混合物が最外層となるように、該2種類以上の混合物を用いて層構造を有する塊状物であるペレットを形成するペレット形成工程と
を有することを特徴とするペレットの製造方法。 - 前記混合処理工程では、2種類の混合物を生成し、
前記ペレット形成工程では、前記2種類の混合物を用いて2層構造のペレットを形成することを特徴とする請求項1に記載のペレットの製造方法。 - 前記混合処理工程にて生成される混合物のうち前記酸化鉄の含有割合が最も小さい混合物は、該酸化鉄を含まないことを特徴とする請求項1又は2に記載のペレットの製造方法。
- 前記混合処理工程にて生成される混合物のうち前記酸化鉄の含有割合が最も大きな混合物は、前記ニッケル酸化鉱と前記炭素質還元剤とを含まないことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のペレットの製造方法。
- ニッケル酸化鉱から鉄−ニッケル合金を製造する鉄−ニッケル合金の製造方法であって、
前記ニッケル酸化鉱からペレットを製造するペレット製造工程と、
得られたペレットを所定の還元温度で加熱する還元工程とを有し、
前記ペレット製造工程は、
前記ニッケル酸化鉱と、炭素質還元剤と、酸化鉄とから選ばれる1種以上を混合して、該ニッケル酸化鉱と該炭素質還元剤と該酸化鉄の混合比率が異なる、少なくとも2種類の混合物を生成する混合処理工程と、
前記混合処理工程にて得られた2種類以上の混合物のうちの前記酸化鉄の含有割合が最も大きい混合物が最外層となるように、該2種類以上の混合物を用いて層構造を有する塊状物であるペレットを形成するペレット形成工程と
を有することを特徴とする鉄−ニッケル合金の製造方法。
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