JP6981070B2 - 酸化鉱石の製錬方法 - Google Patents
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Description
本発明に係る酸化鉱石の製錬方法は、酸化鉱石を原料として、その酸化鉱石と炭素質還元剤とを混合して混合物とし、得られた混合物を還元炉内で還元処理に付してメタルを含む還元物を製造する方法である。例えば、酸化鉱石として、酸化ニッケルや酸化鉄等を含有するニッケル酸化鉱石を原料とし、そのニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤とを混合して得られる混合物に含まれるニッケルを優先的に還元し、また鉄を部分的に還元することで、鉄とニッケルの合金であるフェロニッケルを製造する方法が挙げられる。
本実施の形態に係るニッケル酸化鉱石の製錬方法は、ニッケル酸化鉱石を炭素質還元剤と混合して混合物とし、その混合物に対して還元処理を施すことによって、還元物としてメタルであるフェロニッケルとスラグとを生成させる方法である。なお、メタルであるフェロニッケルは、還元処理を経て得られたメタルとスラグとを含む混合物から、そのメタルを分離することで回収することができる。
混合処理工程S1は、ニッケル酸化鉱石を含む原料粉末を混合して混合物を得る工程である。具体的には、混合処理工程S1では、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石に、炭素質還元剤を添加して混合し、また任意成分の添加剤として、鉄鉱石、フラックス成分、バインダー等の、例えば粒径が0.1mm〜0.8mm程度の粉末を添加して混合し、混合物を得る。なお、混合処理は、混合機等を用いて行うことができる。
混合物成形工程S2は、混合処理工程S1で得られた混合物を成形する工程である。具体的には、原料粉末を混合して得られた混合物を、ある程度の大きさ以上の塊(塊状化物、以下「ペレット」ともいう)に成形する。したがって、混合物成形工程S2は、ペレット製造工程とも換言することができる。
還元処理工程S3では、混合物成形工程S2を経て成形された混合物を還元炉内に装入して、所定の還元温度で加熱することによって還元処理を施す。この還元処理工程S3における還元処理により、製錬反応(還元反応)が進行して、還元物であるメタルとスラグとが生成する。
分離工程S4では、還元処理工程S3にて生成したメタルとスラグとを分離してメタルを回収する。具体的には、混合物に対する還元加熱処理によって得られた、メタル相(メタル固相)とスラグ相(スラグ固相)とを含む混合物(混在物)からメタル相を分離して回収する。
[混合処理工程]
原料鉱石としてのニッケル酸化鉱石と、鉄鉱石と、フラックス成分である珪砂及び石灰石、バインダー、及び炭素質還元剤(石炭粉、炭素含有量:85重量%、平均粒径:約200μm)を、適量の水を添加しながら混合機を用いて混合して混合物を得た。炭素質還元剤は、原料鉱石であるニッケル酸化鉱石に含まれる酸化ニッケル(NiO)と酸化鉄(Fe2O3)とを過不足なく還元するのに必要な量の合計値を100質量%としたときに20%の割合となる量で含有させた。
次に、得られた混合物を、パン型造粒機を用いて造粒して、φ15.5±1.0mmの大きさに篩った。
次に、用意した混合物試料を還元炉に装入し、下記表4に示すそれぞれの還元温度、還元時間で還元処理を施した。還元炉としては、図2に示したような構成のものであって、炉床及び炉壁が耐火煉瓦により構成されているものを用いた。
還元加熱処理後に取り出した試料について、ニッケルメタル率、メタル中のニッケル含有率を、ICP発光分光分析器(SHIMAZU S−8100型)により分析して算出した。下記表4に、分析結果から算出した値を併せて示す。なお、ニッケルメタル率は(1)式、メタル中ニッケル含有率は(2)式により求めた。
ニッケルメタル率=混合物中のメタル化したNiの量÷(ペレット中の全てNiの量)×100(%) ・・・(1)式
メタル中ニッケル含有率=混合物中のメタル化したNiの量÷(ペレット中のメタル化したNiとFeの合計量)×100(%) ・・・(2)式
11 装入口
12 排出口
13 炉床
14 炉壁
15 ガス導入管
Claims (3)
- ニッケル酸化鉱石と炭素質還元剤とを混合し、得られた混合物を還元炉にて加熱することによって還元処理を施し、フェロニッケルであるメタルと、原材料から還元によって生成したメタル以外の成分の生成によるスラグとを含む還元物を得、前記還元炉にて還元処理を施して得られた固体の還元物を、ガスを用いて該還元炉の外に排出させ回収する酸化鉱石の製錬方法であって、
前記還元炉は、前記混合物を炉内空間に装入する装入口と、還元処理により得られた還元物を炉外に排出させる排出口と、還元炉の側壁には炉内にガスを導入するガス導入管とを備え、前記ガス導入管の炉内側先端部は、炉床上に生成した還元物に向けられて設けられており、所定の速度のガスを炉内に導入することによって、その炉内の還元物を吹き流す(吹き飛ばす)ようにして前記排出口から排出させるように構成されるとともに、少なくとも炉床が耐火煉瓦により構成され、
前記ガスとして、窒素ガス、又は前記還元炉から排出された排気ガスを配管を用いて循環させその排気ガスに窒素ガスを加えた混合ガスを用いる、
酸化鉱石の製錬方法。 - 前記還元処理における還元温度を、1200℃以上1450℃以下とする
請求項1に記載の酸化鉱石の製錬方法。 - 前記還元物の回収時温度を、1350℃以下とする
請求項1又は2に記載の酸化鉱石の製錬方法。
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