JP6770883B2 - グリル - Google Patents

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Description

本発明は、グリル、特に、加熱庫の前扉が本体に対して前後に摺動開閉するように構成されたグリルに関する。
従来、本体前面に、加熱庫の前面開口部を被閉する前扉が設けられたグリルにおいて、前扉の後面から後方へ向かって延設された枠体を、加熱庫内の側壁下部に設けられた被係合部に前後摺動可能な状態で係合保持させることで、本体前面に対して前扉が前後に摺動開閉するように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
特開平7−222684号公報 特開2002−130696号公報
しかしながら、上記従来のグリルでは、例えば図7に示すように、加熱庫80の側壁801の内面下部、即ち、加熱庫80内に収容される焼き網やグリルプレートなどの調理具9の外側下方に、枠体86を前後摺動可能に係合保持するための係合突起89が設けられており、上記係合突起89にて枠体86の上方への移動を制限している。そのため、調理具9から外側方へ食材の油や焼き汁が漏下した場合に、係合突起89や枠体86、係合突起89と枠体86との間隙に付着残留し易い。また、このように係合突起89やその周辺の間隙に油や焼き汁等の汚れが付着すると、容易に落とし難く、清掃に手間がかかった。特に、加熱庫80の底壁802と係合突起89との間隙は、係合突起89が邪魔になってより清掃し難かった。
また、上記グリル8のように、調理具9の下方の空間にのみバーナ81が配設されたものでは、バーナ81から放出される熱気を加熱庫80内全体へ循環供給させる必要があるため、バーナ81の燃焼出力が大きく設定される。従って、係合突起89やその周辺の間隙に汚れが付着残留していると、バーナ81から放出される熱気によって汚れが熱せられて焦げ付き易く、清掃がより困難になる虞もあった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、加熱庫の前扉が本体前面から前方へ引き出すようにして開くように構成されたグリルにおいて、加熱庫内の清掃性の向上を図ることにある。
本発明は、食材や調理具を収容可能な加熱庫と、加熱庫の前面開口部を被閉する前扉とを備え、前扉の後面に、加熱庫内に挿通され、前扉を支持する扉支持枠が後方へ向かって延設されたグリルであって、扉支持枠の上部に、加熱庫の内側上面部に当接し、扉支持枠の上方への移動を制限する立ち上げ部が設けられ、扉支持枠の下部に、加熱庫の内側下面部に当接し、扉支持枠を支持する脚部が設けられ、立ち上げ部を加熱庫の内側上面部に前後摺動可能な状態で当接させ、且つ、脚部を加熱庫の内側下面部に前後摺動可能な状態で支持させることで、前扉が本体前面に対して前後に摺動開閉するように構成されたものである。
このものでは、扉支持枠に立ち上げ部を設け、上記立ち上げ部を加熱庫の内側上面部に当接させることで扉支持枠の上方への移動を制限しているから、たとえ調理具から外側方へ食材の油や焼き汁が漏下しても、扉支持枠の係合支持部やその周辺の間隙には付着し難い。よって、清掃の手間が省ける。しかも、加熱庫の内側上面部にて扉支持枠の上方への移動を制限するように構成したことで、加熱庫の側壁下部に既述従来のグリルのような係合突起を設ける必要がないから、側壁内面をより清掃し易い簡素な構成にすることが可能である。
好ましくは、上記グリルにおいて、前記立ち上げ部は、扉支持枠の後端部に設けられる。
このものでは、扉支持枠の前後間の中央部に立ち上げ部が設けられたものに比べて、調理中に調理具から外側上方へ飛散する食材の油や焼き汁が立ち上げ部に付着し難いから、清掃の手間が一層省ける。また、立ち上げ部が調理具をセットする際や調理具から食材を取り出す際の邪魔になり難いから、使い勝手も損なわれない。
好ましくは、上記グリルにおいて、加熱庫の内側上面部に、加熱庫の前方から後方へ向かって、立ち上げ部を前後摺動可能な状態で係合保持する受け溝が延設される。
このものでは、加熱庫の側壁上部に、既述従来のグリルのような係合突起を設ける必要がないから、加熱庫内をより清掃し易い簡素な構成にすることが可能である。また、加熱庫の内側上面部に設けられた受け溝によって扉支持枠の左右方向へのずれが制限されるから、扉支持枠に調理具を載置するように構成されたものであっても、調理具を加熱庫内から安定して引き出すことができる。よって、前扉を開く際に、調理具から食材の油や焼き汁が漏下し難く、清掃に一層手間がかからない。
好ましくは、上記グリルにおいて、調理具との下方対向位置に、加熱庫内の中央側から外側方へ向けて熱気を放出するバーナが設けられる。
このものでは、調理具の下方位置にバーナが設けられているから、調理具から外側方へ油や焼き汁が飛散しても、バーナに付着し難い。よって、清掃に一層手間がかからない。しかも、調理具の下方位置にバーナを設け、調理具の下方から外側方(加熱庫の側壁側)へ向けて放出される熱気により調理具および食材を加熱するように構成したことで、加熱庫の側壁にバーナを設ける必要がないから、側壁内面をより清掃し易い簡素な構成にすることが可能である。また、加熱庫の側壁内面を、汚れが残留し難い簡素な構成としたことで、たとえバーナの燃焼出力を大きく設定しても、側壁内面にて汚れの焦げ付きが生じ難いから、清掃に一層手間がかからない。
ところで、調理具の下方から加熱庫の外側方へ向けて熱気を放出するように構成されたグリルでは、加熱庫の側壁内面に既述従来のグリルのような係合突起が設けられていると、上記熱気が側壁内側に沿って調理具の上方へ円滑に回り込まず、調理具や食材を効率良く加熱できない虞がある。また、係合突起や枠体が上記熱気によって直接的に熱せられて、変色や変形を招く虞もある。しかしながら、本発明に係るグリルでは、加熱庫の側壁内面に既述従来のグリルのような係合突起を設ける必要がなく、側壁内面をより簡素な構成にすることが可能であるから、上記熱気を側壁内側に沿って調理具の上方へ円滑に導き、調理具および食材を効率良く加熱することができる。しかも、このものでは、扉支持枠に設けられた立ち上げ部を加熱庫の内側上面部に当接させることで扉支持枠の上方への移動を制限するように構成されているから、扉支持枠の係合支持部やその周辺が上記熱気によって直接的に熱せられて変色や変形するのも防止できる。
以上のように、本発明によれば、扉支持枠の係合支持部やその周辺の間隙に汚れが付着し難く、また、加熱庫の側壁内面をより清掃し易い簡素な構成にすることが可能であるから、加熱庫内の清掃性が向上する。
図1は、本発明の実施の形態に係るグリルを備えたコンロの概略斜視図である。 図2は、本発明の実施の形態に係るグリルを備えたコンロの側方視概略縦断面図である。 図3は、本発明の実施の形態に係るグリルの前方視概略縦断面図である。 図4は、本発明の実施の形態に係るグリルの扉支持枠およびその周辺構造を示す概略斜視図である。 図5は、本発明の他の実施形態に係るグリルの前方視概略縦断面図である。 図6は、本発明の他の実施形態に係るグリルの扉支持枠およびその周辺構造を示す概略斜視図である。 図7は、従来のグリルの前方視概略縦断面図である。
次に、上記した本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳述する。
図1および図2に示すように、本発明の実施の形態に係るグリル2は、天板101の上面に単数或いは複数のコンロバーナ11を有するガスコンロ1のコンロ本体10に一体的に構成されており、コンロ本体10がグリル2の外郭を構成している。尚、本明細書では、コンロ本体10を前面(以下、「本体前面」という)103側から見たときの奥行き方向を前後方向、幅方向を左右方向、高さ方向を上下方向という。
グリル2は、焼き網やグリルプレート、加熱容器などの調理具3を収容可能な略矩形箱状の加熱庫20と、調理具3に載置又は収容される食材を加熱するグリルバーナ21とを備えている。尚、上記グリル2では、調理具3として、焼き網やグリルプレート、蓋付きの加熱容器(例えば、ダッチオーブン鍋)、蓋なしの加熱容器などを使用することができるが、本実施の形態では、グリルプレートを使用する場合の構成を中心に説明する。
加熱庫20は、本体前面103からコンロ本体10の内部後方へ向かって延設されており、食材や調理具3の出し入れ口となる加熱庫20の前面開口部200は、本体前面103に開設されている。
前面開口部200は、前方から前扉(以下、「グリル扉」という)22により被閉されている。本体前面103におけるグリル扉22の左右位置には、コンロバーナ11の点火および消火を行うための単数或いは複数のコンロ点消火操作子13と、グリルバーナ21の点火および消火を行うためのグリル点消火操作子23とが配設されている。
図示しないが、コンロ本体10の内部には、コンロ点消火操作子13の点火操作や消火操作に連動して開閉するコンロバーナ11用のバルブユニット、グリル点消火操作子23の点火操作や消火操作に連動して開閉するグリルバーナ21用のバルブユニット、ガス供給元管から上記各バルブユニットへガスを導くガス配管等が組み込まれている。
コンロ本体10内における加熱庫20の後方には、グリルバーナ21から加熱庫20内に放出されたガスの燃焼排気(熱気)や食材から発生した油煙、臭気成分等を、天板101に開設された排気口14へ導く排気筒24が配設されている。排気筒24は、加熱庫20の後壁204の上端部に開設された排気筒入口240から後上方へ向かって略L字状に延設されており、上端の排気筒出口241を排気口14に下方から臨ませている。
グリル扉22の後面を構成する扉後板220には、グリル扉22を支持する扉支持枠(以下、「スライド枠」という)25が連設されている。スライド枠25は、グリル扉22が閉じられた状態において、グリル扉22の後面側から後方へ向かって略水平に後壁204の前面近傍位置まで延設されている。
スライド枠25の前後端の上部にはそれぞれ、左右方向に長い略平板状の板枠250が設けられており、板枠250の上面に、調理具(ここでは、グリルプレート)3が取り外し可能な状態で載置される。
スライド枠25の後端上部には、加熱庫20の内側上面部(後述する集熱板27の下面)に当接し、スライド枠25の上方への移動を制限する立ち上げ部26が設けられている。また、スライド枠25の後端下部には、加熱庫20の内側下面部(後述するカバー板28の上面)に当接し、スライド枠25の下方への移動を制限する脚部255が設けられている。
図2および図3に示すように、加熱庫20の内側上部は、加熱庫20の上壁201と、上壁201を下方から覆う集熱板27とからなる二重構造をなしている。集熱板27は、両側端部が加熱庫20の左右の側壁205に支持固定されており、上壁201との間に、排気筒入口240を通じて排気筒24に繋がる排気通路20Cを画成している。
集熱板27は、加熱庫20の左右方向の中央、即ち、縦中心線上に配設される下向きに凸の前方視略逆台形状の膨出部51と、側壁205から膨出部51の外側端縁へ向かって斜め上方に延出する傾斜部52とからなる正面視略M字状に形成されている。
膨出部51および傾斜部52は、何れも集熱板27の前端から後端に亘って形成されている。従って、加熱庫20内の側壁205に沿って上昇する熱気は、上記傾斜部52の下面に沿って膨出部51の周辺に導かれ、さらに膨出部51の下面に沿って下方、即ち、調理具3側へ導かれる。これにより、調理具3および調理具3に載置又は収容された食材は、加熱庫20内を外側から上方を回って中央下方へ流れる熱気(対流熱)によって上方から加熱される。
傾斜部52の外側端部の下面、即ち、加熱庫20の内側上面部を構成する集熱板27の両側端部の下面にはそれぞれ、立ち上げ部26を前後摺動可能な状態で係合保持する受け溝として、上方に凹没する上ガイド溝270が形成されている。上ガイド溝270は、集熱板27の前端から後端に亘って直線状に形成されている。
集熱板27の後端は、後壁204における排気筒入口240の下縁部に沿って当接しており、調理具3が収容される空間(以下、「調理具収容部」という)20Eと排気筒入口240とを分離している。また、膨出部51の前後方向の中央よりも前寄りの位置、および、後寄りの位置にはそれぞれ、調理具収容部20Eと排気通路20Cとを連通する複数の熱気導出孔53が開設されている。従って、グリルバーナ21から放出され、調理具収容部20Eへ導かれる熱気や調理具3の食材から発生する油煙、臭気成分は、熱気導出孔53を通じて排気通路20Cに導出され、さらに排気通路20Cを通って排気筒入口240へ導かれ、排気筒24から排気筒出口241を通じてコンロ本体10の外部に排出される。また、集熱板27の前寄りの位置に設けられた熱気導出孔53を通じて排気通路20Cへ導出された熱気中の熱は、排気通路20Cを流れる間に集熱板27によって回収され、調理具3側へ向けて輻射される。これにより、調理具3の食材は、集熱板27からの輻射熱によって上方から加熱される。
グリルバーナ21は、二つの樋状体を上下に重ね合わせて形成された直管状のバーナであり、調理具3との下方対向位置における加熱庫20の縦中心線を挟んで左右対称位置にそれぞれ配設され、加熱庫20の後壁204から前方へ向かって略水平に延出している。
炎孔210は、グリルバーナ21の外側端面に沿って設けられており(図3参照)、グリルバーナ21に供給されたガスを加熱庫20内の中央側から外側方(側壁205側)へ略水平に噴出させるように構成されている。尚、図示しないが、各グリルバーナ21の炎孔210の近傍にはそれぞれ、点火プラグが配設されており、グリル点消火操作子23の点火操作に連動して上記各点火プラグから特定の炎孔210の周辺で火花放電させ、炎孔210から噴出されるガスを着火させる。
底壁202の内面上部における左右方向の略中央位置には、下方に開放する前方視略コ字状のカバー板28が加熱庫20の前面開口部200から後壁204に亘って前後方向に延設されている。グリルバーナ21は、カバー板28の内側の空間(以下、「バーナ収容部」という)20Aに配設される。
カバー板28の上板(以下、「カバー上板」という)61は、略平板状に形成されており、加熱庫20内に、調理具収容部20Eとバーナ収容部20Aとを上下に分離画成している。
カバー上板61の上面部における左右方向の略中央位置、即ち、加熱庫20の内側下面部を構成するカバー上板61の左右間の略中央部の上面には、脚部255を前後摺動可能な状態で支持する受け溝として、下方に凹没する下ガイド溝280が形成されている。下ガイド溝280は、カバー上板61の前端から後端に亘って直線状に形成されている。
カバー板28の側板(以下、「カバー側板」という)62には、グリルバーナ21の炎孔210に対向してガス導出口63が開設されている。カバー側板62と加熱庫20の側壁205との間には、調理具収容部20Eに繋がる空間(以下、「熱気連絡通路」という)20Fが画成されており(図3参照)、バーナ収容部20Aにてグリルバーナ21から外向きに放出された熱気は、ガス導出口63を通って熱気連絡通路20Fに導出され、調理具3の外側を側壁205に沿って上昇する。その結果、調理具3が側方から加熱される。これにより、調理具3に載置又は収容された食材は、調理具33からの伝導熱によって加熱される。
底壁202における左右方向の略中央位置、即ち、カバー板28で上方から覆われた領域の略中央部には、グリルバーナ21の燃焼用の二次空気をバーナ収容部20Aに取り込むための空気取込口206が複数開設されており、グリルバーナ21が点火された際のドラフト作用によって、加熱庫20の外部空気が燃焼用の二次空気として空気取込口206からバーナ収容部20Aに導入される。
図2から図4に示すように、スライド枠25は、金属製の丸線材によって前方視略U字状に折曲形成された後枠部251と、金属製の丸線材によって側方視略逆L字状に折曲形成された二本の側枠部252とで本体枠が構成されており、側枠部252の前端(下向き折曲部)25Aが扉後板220に連結固定され、片持ち梁状に支持されている。
後枠部251は、扉後板220と略平行に、左右の側枠部252の後端25B相互間に亘って連設されており、その左右間の上部に、調理具3の後部側を支持する板枠250が連結固定されている。一方、調理具3の前部側を支持する板枠250は、扉後板220の上縁に沿って一体形成されている。
脚部255は、後枠部251の左右間の略中央下部にて下向きに単数又は複数突出形成されており、上記脚部255の下端がカバー板28の上面の下ガイド溝280に上方から当接し、前後摺動可能な状態で支持される。このように脚部255の下端がカバー板28の上面に当接することで、板枠250の上部に載置される調理具3とカバー上板61の上面との間に、所定の間隙20Bが画成される。また、スライド枠25の後端側がカバー板28の上面にて支持されることで、調理具3や食材の荷重が基端側(側枠部252の前端25A)に集中的に加わらず、カバー板28に分散される。よって、側枠部252の前端25Aや扉後板220との連結部に変形や破損が生じ難い。
後枠部251の左右両端の立ち上げ部26は、側枠部252の後端25Bの上部にて略垂直上向きに起立形成されている。また、立ち上げ部26の上端部(以下、「立ち上げ部上端」という)265は、略水平後向きに延出形成されており、上記立ち上げ部上端265が集熱板27の側端部下面の上ガイド溝270に沿って下方から嵌挿され、前後摺動可能な状態で保持される。
立ち上げ部上端265は、脚部255より後方へ延在しており、カバー板28に対する脚部255の当接位置より後方位置にて集熱板27の上ガイド溝270に当接する。これにより、スライド枠25が前下がりに傾倒するのが制限される。よって、グリル扉22を開閉する際に、グリル扉22が自重や調理具3、食材の荷重によって必要以上に下方へ傾倒しない。
上記グリル2によれば、スライド枠25に設けられた立ち上げ部26を加熱庫20の内側上面部(集熱板27の下面)に当接させることで、スライド枠25の上方への移動を制限するように構成されているから、たとえ調理具3から外側方へ食材の油や焼き汁が漏下しても、スライド枠25の係合支持部やその周辺の間隙には付着し難い。よってその分、清掃の手間が省け、加熱庫20内の清掃性が向上する。
しかも、加熱庫20の内側上面部にてスライド枠25の上方への移動を制限するように構成したことで、加熱庫20の側壁205の内面下部に既述従来のグリルのような係合突起を設ける必要がないから、側壁205の内面をより清掃し易い簡素な構成にすることが可能である。よって、加熱庫20内の清掃性が一層向上する。
また、スライド枠25の後端上部に立ち上げ部26を設けたことで、スライド枠25の前後間の中央部に立ち上げ部26が設けられたものに比べて、調理中に調理具3から外側上方へ飛散する食材の油や焼き汁が立ち上げ部26に付着し難いから、清掃の手間が一層省ける。よって、加熱庫20内の清掃性が一層向上する。また、スライド枠25に対して調理具3を着脱する際や、スライド枠25に載置された調理具3から食材を取り出す際に、立ち上げ部26が邪魔になり難いから、使い勝手も損なわれない。
さらに、このものでは、加熱庫20の側壁205の内面上部に既述従来のグリルのような係合突起を設ける必要がないから、加熱庫20内をより清掃し易い簡素な構成にすることが可能である。また、加熱庫20の内側上面部に設けられた上ガイド溝270によってスライド枠25の左右方向へのずれが制限され、調理具3を加熱庫20内から安定して引き出すことができるから、グリル扉22を開く際に、調理具3から食材の油や焼き汁が漏下し難い。よってその分、清掃に一層手間がかからず、加熱庫20内の清掃性が一層向上する。
また、このものでは、調理具3との下方対向位置にグリルバーナ21が設けられおり、調理具3から外側方へ油や焼き汁が飛散しても、グリルバーナ21に付着し難いから、清掃に一層手間がかからない。よって、加熱庫20内の清掃性が一層向上する。しかも、調理具3の下方に設けられたグリルバーナ21から外側方(側壁205側)へ向けて放出される熱気により調理具3および食材を加熱するように構成したことで、側壁205にバーナを設ける必要もないから、側壁205の内面をより清掃し易い簡素な構成にすることが可能である。よって、加熱庫20内の清掃性がより一層向上する。また、上記のように側壁205の内面を、汚れが残留し難い簡素な構成としたことで、たとえグリルバーナ21の燃焼出力を大きく設定しても、側壁205の内面にて汚れの焦げ付きが生じ難いから、清掃に一層手間がかからない。よって、加熱庫20内の清掃性がより一層向上する。
また、上記グリル2のように調理具3の下方から外向きに熱気を放出するように構成されたものでは、側壁205の内面に既述従来のグリルのような係合突起が設けられていると、グリルバーナ21から放出された熱気が側壁205の内側に沿って調理具収容部20Eへ円滑に回り込まず、調理具3や食材を効率良く加熱できない虞があるし、係合突起やスライド枠25が上記熱気によって直接的に熱せられ、変色や変形を招く虞もある。しかしながら、上記実施の形態に係るグリル2では、側壁205の内面に既述従来のような係合突起を設ける必要がなく、側壁205の内面をより簡素な構成とすることが可能であるから、上記熱気を側壁205の内側に沿って調理具収容部20Eへ円滑に導き、調理具3および食材を効率良く加熱することができる。よって、調理性能も向上する。しかも、スライド枠25の後端上部に立設された立ち上げ部26を加熱庫20の内側上面部に当接させ、スライド枠25の上方への移動を制限するように構成したことで、スライド枠25の係合支持部やその周辺が上記熱気によって直接的に熱せられ難いから、上記変色や変形の問題も生じ難い。
また、このものでは、グリルバーナ21を上方から覆うように、加熱庫20の底壁202の上部に、調理具収容部20Eとバーナ収容部20Aとを上下に分離画成するカバー板28が設けられており、グリル扉22を開いて調理具3を前面開口部200からコンロ本体10の前方へ引き出す際に、調理具3から後方へ食材の油や焼き汁が漏下しても、カバー板28によってそれら油や焼き汁がグリルバーナ21に付着するのを防止できるから、清掃に一層手間がかからない。しかも、カバー上板61は、比較的面積の広い略平板状に形成されているから、カバー上板61の上面に油や焼き汁が付着しても、容易に清掃できる。よって、加熱庫20内の清掃性がより一層向上する。
尚、上記実施の形態では、スライド枠25の左右の側枠部252が、板枠250の下面に沿って延設されたものを説明したが、図5および図6に示すように、左右の側枠部252が、板枠250から下方へ離間した位置、具体的には、グリル扉22が閉じられた状態のときに熱気連絡通路20Fの底部に挿通され、底壁202の上面に沿って当接するように構成されたものとしてもよい。このものでは、グリル扉22を開閉する際に、スライド枠25の上部に載置された調理具3が必要以上に左右へ傾かないから、食材の油や焼き汁が調理具3から漏下するのをより確実に防止できる。また、側枠部252は、熱気連絡通路20Fにおける底壁202の上面に当接する高さ、即ち、グリルバーナ21の炎孔210より下方となる高さに配設されるため、グリルバーナ21から熱気連絡通路20Fへ略水平外向きに放出される熱気が直接的に噴き付けられることもない。また、このものでは、後枠部251に設けられた脚部(曲凸部)255に代えて、左右の側枠部252を脚部とすることも可能である。このような構成とすれば、スライド枠25を凹凸の少ないより簡素な構成にすることができるから、スライド枠25に汚れが残留し難い。よって、清掃性が一層向上する。
また、上記実施の形態では、加熱庫20の内側上面部に集熱板27が設けられ、集熱板27の下面にてスライド枠25の立ち上げ部26を前後摺動可能な状態で係合保持させるように構成されたものを説明したが、加熱庫20の内側上面部に集熱板27が設けられていないものでは、加熱庫20の上壁201の下面に上ガイド溝270を設け、上記上ガイド溝270にスライド枠25の立ち上げ部26を前後摺動可能な状態で係合保持させるように構成することで、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
また、上記実施の形態では、加熱庫20の内側下面部にカバー板28が設けられ、カバー板28の上面にてスライド枠25の脚部255を前後摺動可能な状態で支持するように構成されたものを説明したが、加熱庫20の内側下面部にカバー板28が設けられていないものでは、加熱庫20の底壁202の上面に下ガイド溝280を設け、スライド枠25の脚部255、又は、図5および図6に示したように側枠部252を脚部とする場合は側枠部252を、上記下ガイド溝280に前後摺動可能な状態で係合保持させることで、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
また、上記実施の形態では、二つの直管状のグリルバーナ21を加熱庫20の縦中心線を挟んで左右対称位置にそれぞれ配したものを説明したが、上方視略U字状に形成された一つのバーナであって、その左右両側の直管部を上記グリルバーナ21と同様、加熱庫20の縦中心線を挟んで左右対称位置にそれぞれ配したものとしてもよいし、一つの直管状のバーナを調理具3の下面側中央に配し、上記バーナから調理具3の左右の外側方へ向けて熱気を放出するように構成されたものとしてもよい。
本発明は、加熱庫20の側壁205にバーナを配し、上記バーナから調理具3の下方へ向けて放出した熱気によって調理具および調理具の食材を加熱するように構成されたグリルにも適用できるし、加熱庫20の側壁205および上壁201にそれぞれバーナを配し、側壁205に設けられた下火バーナから放出した熱気によって調理具3を下方から加熱する一方、上壁201に設けられた上火バーナから放出した熱気により調理具3や食材を上方から加熱するように構成されたグリルにも適用できる。
また、本発明は、キッチンのテーブルに載置して使用されるテーブルコンロや、キッチンのカウンタトップに開設されたコンロ取付孔に落とし込み状態で装着されるビルトインコンロの他、天板101の上面にコンロバーナ11を有しないグリル装置にも適用できる。
1 ガスコンロ
10 コンロ本体
103 本体前面
2 グリル
20 加熱庫
200 前面開口部
21 グリルバーナ(バーナ)
22 グリル扉(前扉)
25 スライド枠(扉支持枠)
255 脚部
26 立ち上げ部
27 集熱板(内側上面部)
28 カバー板(内側下面部)
3 調理具

Claims (4)

  1. 食材や調理具を収容可能な加熱庫と、加熱庫の前面開口部を被閉する前扉とを備え、前扉の後面に、加熱庫内に挿通され、前扉を支持する扉支持枠が後方へ向かって延設されたグリルであって、
    扉支持枠の上部に、加熱庫の内側上面部に当接し、扉支持枠の上方への移動を制限する立ち上げ部が設けられ、
    扉支持枠の下部に、加熱庫の内側下面部に当接し、扉支持枠を支持する脚部が設けられ、
    立ち上げ部を加熱庫の内側上面部に前後摺動可能な状態で当接させ、且つ、脚部を加熱庫の内側下面部に前後摺動可能な状態で支持させることで、前扉が本体前面に対して前後に摺動開閉するように構成された、グリル。
  2. 請求項1に記載のグリルにおいて、
    前記立ち上げ部は、扉支持枠の後端部に設けられた、グリル。
  3. 請求項1または2に記載のグリルにおいて、
    加熱庫の内側上面部に、加熱庫の前方から後方へ向かって、立ち上げ部を前後摺動可能な状態で係合保持する受け溝が延設された、グリル。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のグリルにおいて、
    調理具との下方対向位置に、加熱庫内の中央側から外側方へ向けて熱気を放出するバーナが設けられた、グリル。
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