JP6832144B2 - グリル - Google Patents
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Description
この種のグリルでは、グリルプレートはグリル庫の前方開放部から出し入れ自在となっており、グリル庫の左右下部域に設けられたグリルバーナから放出されるガスを燃焼させることによる発生する燃焼排気により、グリルバーナ上の食材が加熱されて調理される。
グリル庫の前記前方開放部には、グリル扉が開閉自在に設けられている。
そして、前記燃焼排気は、グリル庫内にて食材を加熱した後、グリル庫の後方に設けられた排気口から外部に排出される。
また、油煙は、油脂が250度で加熱されると発生するため、グリル庫内の温度が250度以下に維持されるように制御することも可能であるが、その場合、電磁弁や制御基板等が別途必要となり、器具全体が高価になってしまう。また、火力調節により、食材から発生した油が溜まるグリルプレートの温度を250度以下に設定することも可能であるが、その場合、グリルプレート上に載置した食材の調理性が著しく劣化してしまう不都合がある。
食材が載置されると共に前記前方開放部からグリル庫内に出し入れ自在に収容されるグリルプレートと、
前記前方開放部を開閉可能なグリル扉と、
前記グリル庫の前方外側からグリル庫内に燃焼用空気を取り入れる空気取り入れ口と、
前記グリル庫の中央域又は中央よりも後方域に設けられ、前記グリル庫内の燃焼排気を外部へ排気する排気口とを備えるグリルであって、
前記グリルプレートは、前端部が後端部よりも低く位置する傾斜姿勢でグリル庫内に収容され、
前記グリル扉は前後方向に移動可能に設けられ、
前記グリルプレートを支持する支持枠がグリル扉と共に移動可能に設けられ、
前記グリル扉で前記前方開放部を閉塞させることにより、支持枠及びグリルプレートはグリル庫内に押し込まれると共に、この押し込まれた状態にて、前記グリルプレートの後部に当接して前記グリルプレートを前記傾斜姿勢に保持する傾斜手段が、前記グリル庫内に備えられていることである。
グリル扉で前方開放部を閉塞すると、グリルプレートの前端部はグリル庫内の前記前方域に位置し、グリルプレートの後端部はグリル庫内の前記後方域に位置すると共に、前記前端部が後端部よりも低く位置する傾斜姿勢でグリルプレートはグリル庫内に収容される。
加熱手段で加熱されることにより食材から発生する油脂は、グリルプレート上に滴下された後、傾斜に従って、グリルプレートの前端部へ向かって流れて行き、前端部に集められる。グリルプレートの前端部は、上記したように、グリル庫内の前記前方域に位置し、前記前方域は、フレッシュエアによって冷却されて、低温に保持されるから、グリルプレートの前端部に溜まった油脂は高温になり難い。よって、グリル庫内にて油煙の発生が抑制される。
また、グリル扉の前後方向の移動に伴って、グリルプレートは支持枠と共にグリル庫内に出し入れ可能となり、グリル扉でグリル庫の前方開放部を閉塞すると、グリルプレートは支持枠と共にグリル庫内に押し込まれる。グリル庫内には、グリルプレートの後部に当接する傾斜手段が設けられており、グリルプレートは押し込まれた状態にて、傾斜手段によって前記傾斜姿勢に保持される。
グリルプレートがグリル庫から引き出されたグリルプレート上に載置させる食材は安定的に支持されることから、食材が不用意にずれたり落下したりすることはない。
前記温度検知センサーは、グリルプレートの後部下面に当接することにより、前記傾斜手段として機能するように設定されている。
グリルプレートをグリル庫内に押し込むと、グリルプレートの後部下面が温度検知センサーの頭部に当接し、温度検知センサーによって、グリルプレートの下面の温度が検知可能となると共に、グリルプレートは前記傾斜姿勢に保持される。
このように、グリルプレートを傾斜させる傾斜手段として、温度検知センサーを利用可能としたから、グリルプレートを傾斜させるための部品を別途設ける必要がない。よって、部品点数を増加させたり、組み立てを煩雑にさせる不都合はない。
前記支持枠の後部が、前記隆起部に乗り上げた状態にて前記グリルプレートは前記温度検知センサーよりも上方に位置し、
前記支持枠の後部が前記隆起部を乗り超えた時点で前記支持枠は水平姿勢に復帰すると共に、グリルプレートの後部下面が温度検知センサーの頭部に当接するように設定されている。
支持枠がグリル庫内に押し込まれて、その後部が隆起部に乗り上げたとき、グリルプレートは温度検知センサーよりも上方へ持ち上げられる。そして、支持枠がさらに押し込まれることにより、支持枠の後部が隆起部を乗り超えて、支持枠が水平姿勢に復帰した時点で、グリルプレートは温度検知センサーの頭部に、その上方から載置されることとなる。このように、グリルプレートはグリル庫内に押し込まれる際に温度検知センサーに前方からぶつかることがないから、温度検知センサーが損傷する不都合はない。
グリルプレートは、食材が載置される矩形底面部を有すると共に、前記矩形底面部の左右方向の中央部が最も低くなるように、前記中央部の両側に位置する各面を、前記中央部に向かって降下する傾斜面部とした。
グリル庫内の加熱手段は、少なくともグリル庫の左右両側下部域に設けられているから、グリルプレートの矩形底面部のうち、前記グリル庫の左右両側下部域に近い両側部が、加熱手段によって集中的に加熱されて高温となり易い。そこで、前記中央部の両側に位置する各面を前記中央部に向かって降下する傾斜面部とすることにより、グリルプレートの矩形底面部に滴下された食材からの油脂は、前記傾斜面部上を前記中央部に向かって流れていくと同時に、グリルプレートの前方へ流れて行くようにした。これにより、食材からの油脂は、グリルプレートの矩形底面部のうち、比較的低温な中央部から前端部にかけて溜まることとなるから、油煙の発生を一層抑制することが出来る。
食材は、複数の凸条部の頂面に架設されて加熱されることにより、食材から滴り落ちる油脂は、凸条部間に滴下されるため、食材に付着することはない。また、複数の凸条部はグリルプレートの矩形底面部の中央部に向かって延設されるように、左右の前記傾斜面部に並設させているから、これら凸条部間に滴下された油脂は前記傾斜面部の傾斜に従って中央部へ流れていき、中央部に集められた状態で、前端部に向かって流れて行く。
また、食材を凸条部に架設させることにより、グリルプレートの矩形底面部への食材のこびりつきや焦げ付きを防止することができる。また、凸条部の稜線は水平に設定されているから、凸条部に架設させた食材が中央部へずれ落ちていくことはない。
食材が載置されると共に前記前方開放部からグリル庫内に出し入れ自在に収容されるグリルプレートと、
前記前方開放部を開閉可能なグリル扉と、
前記グリル庫の前方外側からグリル庫内に燃焼用空気を取り入れる空気取り入れ口と、
前記グリル庫の中央域又は中央よりも後方域に設けられ、前記グリル庫内の燃焼排気を外部へ排気する排気口とを備えるグリルであって、
前記グリルプレートは、前端部が後端部よりも低く位置する傾斜姿勢でグリル庫内に収容され、
前記グリルプレートは、グリル庫から引き出された状態では、水平姿勢に保持されるように設定されていることである。
他方、グリル庫の中央よりも前方域は、高温の燃焼排気が流れることなく、グリル庫の前方外側からグリル庫内に取り入れられるフレッシュエアによって低温に維持されるため、グリル庫の前記前方域に位置するグリルプレートの前端部は高温になり難い。よって、グリルプレートの前端部に溜まった油脂は高温に加熱されることがなく油煙の発生を抑えることが出来る。
また、食材から滴り落ちる焼き汁や油脂分はグリルプレートの前端部に溜まるから、調理後のグリルプレートの清掃が容易となる。
図1は、本発明の実施の形態に係るグリル庫(2)を備えたビルトインコンロ(3)であり、天板(31)の上面に2つのコンロバーナ(32)を有していると共に、本体ケース(30)の前面パネル(33)には、コンロバーナ(32)の点火や消火、火力調整を行うための複数のコンロ用スイッチ(36)や、後述するグリルバーナの点火や消火、火力調整を行うためのグリル用スイッチ(37)が設けられており、これらの間に、グリル扉(21)が位置するように、本体ケース(30)内の中央には、グリル庫(2)が備えられている。
本実施の形態では、グリル庫(2)の奥行き方向を前後方向、幅方向を左右方向、高さ方向を上下方向という。
グリルバーナ(22)は、ステンレス製の二つの樋状体を上下に重ね合わせて構成されてあり、グリル庫(2)の左右の側壁(2b)に向くように炎孔(22a)が形成されている。
これら一対のグリルバーナ(22)の上方及び左右を覆うように、前後方及び下方に開放するバーナカバー(23)が底壁(2c)に固定されている。バーナカバー(23)の前方開放端は、多数の貫通孔(24a)が形成された蓋体(24)で閉塞されている。
そして、グリル庫(2)内に放出されたガスの燃焼排気は、グリル庫(2)の上方に連通するように本体ケース(30)の天板(31)の後部域に設けられている排気口(34)を介して、外部に排出される。
なお、グリルプレート(1)の前端部は、連結部材(26)から突設された前台座部(42)に載置されている(図4参照)。
このグリルプレート(1)では、フランジ部(12)のうち、矩形状底面部(10)の両短辺に平行に位置する前後のフランジ部の端縁中央部に、所定幅の切欠部(13)がそれぞれ形成されている。切欠部(13)は、後台座部(41)の中央の起立片(43)がちょうど嵌まり込み可能な大きさに設定されており、グリルプレート(1)は、起立片(43)の両側の後台座部(41)に、切欠部(13)の両側のフランジ部(12)が載置された状態に支持される。
グリル庫(2)から引き出された状態では、グリルプレート(1)は、連結部材(26)の前台座部(42)と、支持枠(4)の後辺に設けた後台座部(41)との間に架設された状態で、水平に位置するように設定されている。
また、2つの脚部(40)の下端は、傾斜面(51)及びこれに続く隆起部(50)に共に乗り上げるように、その突出位置は設定されていると共に、隆起部(50)に乗り上げたとき、脚部(40)の下端間に温度検知センサー(5)が位置するように設定されている。そして、脚部(40)の下端から脚部(40)間に位置する支持棒(44)までの高さは、温度検知センサー(5)の突出高さよりも高く設定されている。
このとき、支持棒(44)の脚部(40)の下端がバーナカバー(23)の天板(23a)上を摺動しながら、グリルプレート(1)は後方へ水平に移動していく。
脚部(40)の下端が傾斜面(51)を上昇することにより、それに伴って、支持枠(4)は、グリルプレート(1)と共に後部が前部に比べて高くなる姿勢に傾斜させられる。
これにより、グリルプレート(1)の矩形底面部(10)に載置させた食材からの油脂は、図4の矢印に示すように、矩形底面部(10)上を前方に向かって流れて行き、矩形底面部(10)の前方端に貯留される。
図5は、矩形底面部(10)に、さんまを2匹載置して加熱調理したときの、矩形底面部(10)の各域の温度変化を示しており、前方中央域(10a)の温度が最も低く、加熱時間が11分を過ぎても、油脂から油煙が発生する250度に到達することはない。前方側方域(10b)は、前方中央域(10a)よりも高温となるが、ほぼ250度で維持される。これに対し、後方中央域(10c)では6分で、後方側方域(10d)では4分15秒で250度に達し、11分を経過する頃には、250度を超えてしまう。
このように、グリルプレート(1)の矩形底面部(10)において、前方中央域(10a)及び前方側方域(10b)における温度は、後方中央域(10c)及び後方側方域(10d)における温度よりも低く、油煙が発生する250度に到達し難いから、グリルプレート(1)を前方に向かって降下するように傾斜させることにより、グリルプレート(1)の前端部に貯留させた脂からの油煙の発生は抑制させることが出来る。
この実施の形態のグリルプレート(110)は、食材載置面となる矩形底面部(100)の前後方向に平行な中心線(100a)を含む所定幅の中央部(14)の両側方に位置する各面を、中央部(14)に向かって降下する傾斜面(15)とすると共に、各傾斜面(15)に、左右方向に平行な複数の凸条部(16)が、中心線(100a)に対して、隙間を介して左右対称に位置すると共に、前後方向に等間隔に並設させている。これにより、矩形底面部(100)の上面には、凸条部(16)とその間の谷部(17)からなる凹凸による波型が前後方向に形成される態様となる。
なお、各凸条部(16)の頂部は、上方に凸の断面円弧状に形成されており、各凸条部(14)の稜線は、左右方向に水平に維持されている。
中央部(14)の下面後方域が対応するグリル庫(2)の底壁には、上記した実施の形態と同様に、温度検知センサー(5)が突出しているものとし、グリルプレート(110)の矩形底面部(100)の中央部(14)の後端部が、上記温度検知センサー(5)の頭部に乗り上げた状態で収容されることにより、矩形底面部(100)は、前端部に向かって降下するように傾斜姿勢でセットされる。
この実施の形態のグリルプレート(110)では、食材からの油脂は、矩形底面部(100)のうち、比較的低温な中央部(14)から前端部(18)にかけて溜まることとなり、グリルバーナによって下方から集中的に加熱されて高温になり易いグリルプレート(110)の左右両側部には貯留されることはない。前端部(18)に貯留された油脂は、グリル庫(2)の前方外側から取り入れられるフレッシュエアによって、250度以上に加熱されることはないため、油煙の発生を一層抑制することが出来る。
また、上記実施の形態では、グリルプレート(1)(110)を傾斜させるための手段として、温度検知センサー(5)を利用したが、グリル庫内に突起物を突設させてその上にグリルプレート(1)(110)のが後方部が乗り上げる構成としても良い。
また、上記グリルプレート(1)はアルミニウム製としたが、鉄、銅などの他の金属やセラミック製、陶器製のものでも使用可能である。
また、上記グリル扉(21)は、前後へ引き出す形式のものを採用したが、回転式であっても良い。
さらに、本発明のグリルバーナに代えて、電気ヒーターなど他の加熱手段を備えたグリル庫でも使用できる。
(10)・・・・・・・矩形底面部
(11)・・・・・・・周壁部
(2) ・・・・・・・グリル庫
(20)・・・・・・・前方開放部
(21)・・・・・・・グリル扉
(21a) ・・・・・・空気取り入れ口
(22)・・・・・・・グリルバーナ(加熱手段)
(34)・・・・・・・排気口
Claims (7)
- 前方開放部を有し且つ加熱手段が設けられているグリル庫と、
食材が載置されると共に前記前方開放部からグリル庫内に出し入れ自在に収容されるグリルプレートと、
前記前方開放部を開閉可能なグリル扉と、
前記グリル庫の前方外側からグリル庫内に燃焼用空気を取り入れる空気取り入れ口と、
前記グリル庫の中央域又は中央よりも後方域に設けられ、前記グリル庫内の燃焼排気を外部へ排気する排気口とを備えるグリルであって、
前記グリルプレートは、前端部が後端部よりも低く位置する傾斜姿勢でグリル庫内に収容され、
前記グリル扉は前後方向に移動可能に設けられ、
前記グリルプレートを支持する支持枠がグリル扉と共に移動可能に設けられ、
前記グリル扉で前記前方開放部を閉塞させることにより、支持枠及びグリルプレートはグリル庫内に押し込まれると共に、この押し込まれた状態にて、前記グリルプレートの後部に当接して前記グリルプレートを前記傾斜姿勢に保持する傾斜手段が、前記グリル庫内に備えられているグリル。 - 請求項1に記載のグリルにおいて、
前記グリルプレートは、グリル庫から引き出された状態では、水平姿勢に保持されるように設定されているグリル。 - 請求項1又は2に記載のグリルにおいて、
グリルプレートの温度を検知する温度検知センサーがグリル庫内に配設されており、
前記温度検知センサーは、グリルプレートの後部下面に当接することにより、前記傾斜手段として機能するように設定されているグリル。 - 請求項3に記載のグリルにおいて、
前記支持枠がグリルプレートと共にグリル庫内に押込まれるとき、前記支持枠の後部が乗り上げる隆起部が前記グリル庫内に備えられ、
前記支持枠の後部が、前記隆起部に乗り上げた状態にて前記グリルプレートは前記温度検知センサーよりも上方に位置し、
前記支持枠の後部が前記隆起部を乗り超えた時点で前記支持枠は水平姿勢に復帰すると共に、グリルプレートの後部下面が温度検知センサーの頭部に当接するように設定されているグリル。 - 請求項1から4のいずれかに記載のグリルにおいて、
前記加熱手段は、少なくともグリル庫内の両側下部域に沿って延設されており、
グリルプレートは、食材が載置される矩形底面部を有すると共に、前記矩形底面部の左右方向の中央部が最も低くなるように、前記中央部の両側に位置する各面を、前記中央部に向かって降下する傾斜面部としたグリル。 - 請求項5に記載のグリルにおいて、
前記グリルプレートの矩形底面部のうち前記傾斜面部に、前記中央部に向かって延設され且つ水平な稜線を有する凸条部が複数並設されているグリル。 - 前方開放部を有し且つ加熱手段が設けられているグリル庫と、
食材が載置されると共に前記前方開放部からグリル庫内に出し入れ自在に収容されるグリルプレートと、
前記前方開放部を開閉可能なグリル扉と、
前記グリル庫の前方外側からグリル庫内に燃焼用空気を取り入れる空気取り入れ口と、
前記グリル庫の中央域又は中央よりも後方域に設けられ、前記グリル庫内の燃焼排気を外部へ排気する排気口とを備えるグリルであって、
前記グリルプレートは、前端部が後端部よりも低く位置する傾斜姿勢でグリル庫内に収容され、
前記グリルプレートは、グリル庫から引き出された状態では、水平姿勢に保持されるように設定されているグリル。
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