JP2019033955A - 加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】グリル庫内に大きさの異なる二種の容器の何れを配置しても良好に加熱できる加熱調理器を提供する。【解決手段】コンロは、グリル庫9内に受け台30を出し入れ可能に設置する。受け台30は、土台枠部40の上に、支持枠部50を備える。支持枠部50は、浅型容器及び深型容器80の中から選択される一の調理容器を支持可能である。深型容器80は、浅型容器に比べて底が深く形成されている一方、グリル庫9内に設置されたときの左右方向の幅が、浅型容器の左右方向の幅に比べて狭く形成されている。これにより、燃焼用二次空気は、深型容器80の側面に沿って上側に良好に流れることができる。これにより、浅型容器及び深型容器80の何れの容器が支持された状態でも、上火バーナ27に燃焼用二次空気が十分に供給されるので、加熱調理を良好に行うことができる。【選択図】図9

Description

本発明は、加熱調理器に関する。
従来、容器を用いてグリル庫内で加熱調理ができるコンロが知られている(例えば、特許文献1参照)。このコンロでは、深鍋と浅鍋の2種の容器を夫々使用可能である。
特開2015−19827号公報
上記コンロにおいては、グリル庫内に容器を収納した状態で加熱調理を行うので、燃焼用二次空気の流通が容器により阻害され易い傾向にある。このため、汎用のグリル庫内で使用する容器のサイズを変更すると、燃焼性能が低下することが懸念され、様々な調理に対応するのが難しいという問題点があった。
本発明の目的は、グリル庫内に大きさの異なる二種の容器の何れを配置しても良好に加熱できる加熱調理器を提供することである。
請求項1の加熱調理器は、上面に下方向に火炎を形成する上火バーナ、左右両側面に内側方向に向けて火炎を形成する一対の下火バーナを備えるグリル庫を備え、前記グリル庫内に設置される受け台に容器を支持させた状態で、前記上火バーナ及び前記下火バーナを燃焼させることによって、前記容器内に収納する被調理物の加熱調理が可能なコンロにおいて、前記容器は、互いに排他的に使用される第一容器及び第二容器を含み、前記第二容器は、前記第一容器に比べて底が深く形成されている一方、前記グリル庫内に設置されたときの左右方向の幅が、前記第一容器の左右方向の幅に比べて狭く形成されていることを特徴とする。
請求項2の加熱調理器は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記グリル庫内において、前記受け台に前記第一容器を支持させた状態の前記第一容器の上面高さと、前記受け台に前記第二容器を支持させた状態の前記第二容器の上面高さは、互いに同一であるとよい。
請求項3の加熱調理器は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記グリル庫内において、前記受け台に前記第一容器を支持させた状態の前記第一容器の底面と前記一対の下火バーナの炎孔との高さ方向の離間距離をA1、前記受け台に前記第二容器を支持させた状態の前記第二容器の底面と前記一対の下火バーナの炎孔と高さ方向の離間距離をB1とし、前記受け台に前記第一容器を支持させた状態の前記第一容器の底面の外縁部と前記一対の下火バーナの炎孔との左右方向の離間距離をA2、前記受け台に前記第二容器を支持させた状態の前記第二容器の底面の外縁部と前記一対の下火バーナの炎孔との離間距離をB2とした場合、A1>B12で、且つA21<B2であるとよい。
請求項4の加熱調理器は、請求項1から3の何れかに記載の発明の構成に加え、前記グリル庫の後部には、前記グリル庫からの燃焼排気を外部に排出する為に筒状に設けられたグリル排気部が設けられ、前記受け台は、前記受け台に支持された前記容器の後部から後方に延びるようにして設けられ、前記グリル庫内における前記容器の後方の内部空間を上下に区画して、該内部空間における下側から上側に抜ける空気の流れを阻害する区画板を備えるとよい。
請求項1の加熱調理器によれば、仮に汎用のグリル庫を用いたものにおいて、例えば煮込み調理に適するように底を深くした容器を用いようとした場合、容器の側面により燃焼用二次空気の上方向への流動が阻害され、燃焼不良に陥ることが考えられる。本発明によれば、第一容器よりも底の深い第二容器においては、グリル庫内に設置されたときの左右方向の幅が第一容器に比べて狭くなっているので、燃焼用二次空気が容器の側面に沿って上側に良好に流れることができる。これにより、上火バーナに燃焼用二次空気が十分に供給されるので、加熱調理を良好に行うことができる。
請求項2の加熱調理器によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、グリル庫内において支持されたときの上面高さは、第一容器及び第二容器の何れを用いても同じであるので、上火バーナとの距離を同一に調整できる。これにより、底の深さが異なる容器を用いた場合であっても、上火バーナから受ける熱量を揃えることができる。
請求項3の加熱調理器によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、第一容器よりも底が深い第二容器を用いた場合、第二容器の底面が下火バーナの炎孔に近過ぎてしまい、燃焼空気の上方向への流動の阻害が懸念されるが、本発明においては、第二容器の左右方向の幅を第一容器よりも狭くすると共に、A1>B1、A2<B2の位置関係を保つことによって、第一容器に比べ、第二容器の底面と下火バーナとの炎孔との間を左右方向において離間させることができるので、燃焼空気の上方向への流動を妨げないようにできる。
請求項4の加熱調理器によれば、請求項1から3の何れかに記載の発明の効果に加え、受け台の区画板は、グリル庫内において支持する容器の後部から後方から延びるようにして設けられ、グリル庫の内部空間を、容器の後方の領域で上下に区画する。これにより、上火バーナに供給される燃焼用二次空気が、容器の後方の領域を下側から上側に通過するのを阻害できるので、グリル排気部にそのまま流動してしまうのを防止できる。燃焼用二次空気は、区画板の左右両側を上方に流れるので、上火バーナに対して燃焼用二次空気を良好に供給できる。また、容器の後方の領域が上下に区画されるので、下火バーナ側から供給される燃焼用二次空気を、容器の前方の領域を通過させ易くすることができる。これにより、上火バーナの炎孔部に燃焼用二次空気が十分に供給されるので、上火バーナの燃焼性を向上できる。
上述した請求項1から4の発明は、任意に組み合わせることができる。例えば請求項1の全部または一部を備えずに他の請求項2から4の少なくともいずれか1つの構成を備えたものとしても良い。但し特に、請求項1の構成を備えて、請求項2から4の少なくともいずれか1つの構成と組み合わせを備えると良い。また請求項1から4の任意の構成要素を抽出し、組み合わせても良い。本願出願人はこれらのような構成についても特許権を取得する意思を有する。
コンロ1の斜視図である。 グリル扉8を手前に引き出した状態のコンロ1の斜視図である。 グリル扉8を手前に引き出した状態(浅型容器70を支持)のコンロ1の斜視図である。 グリル扉8を手前に引き出した状態(深型容器80を支持)のコンロ1の斜視図である。 図1に示すI−I線矢視方向におけるグリル庫9の断面図(浅型容器70を支持)である。 図1に示すII−II線矢視方向におけるグリル庫9の断面図(浅型容器70を支持)である。 図6に示す炎孔29A周囲の部分拡大図である。 図1に示すI−I線矢視方向におけるグリル庫9の断面図(深型容器80を支持)である。 図1に示すII−II線矢視方向におけるグリル庫9の断面図(深型容器80を支持)である。 図9に示す炎孔29A周囲の部分拡大図である。 浅型容器70の斜視図である。 深型容器80の前側から見た斜視図である。 深型容器80の後側から見た斜視図である。 容器本体部81の斜視図である。 蓋部82の上下面を引っくり返した状態の斜視図である。 図14に示すIII−III線矢視方向断面図である。 図16に示すW1領域の拡大図である。 受け台30の斜視図である。 支持枠部50の斜視図である。 浅型容器70を支持した状態の受け台30の斜視図である。 深型容器80を支持した状態の受け台30の斜視図である。 上火バーナ27の上下面を引っくり返した状態の斜視図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。以下に記載されている装置の構造は、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられているものである。以下説明では、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
図1〜図4を参照し、コンロ1の構造を説明する。コンロ1は、ビルトインコンロである。コンロ1は筐体2と天板3を備える。筐体2は上部が開口し、該上部に天板3が設置される。天板3において、右手前には右バーナ4、左手前には左バーナ5、中央奥側には奥バーナ6が設けられる。天板3の後方部には、排気口7が設けられる。排気口7からは、筐体2内に設置されたグリル庫9(図5参照)から流れる燃焼排気が排出される。
コンロ1の前面の略中央には、グリル扉8が設けられる。図2に示すように、グリル扉8は、後述する左右一対のレール機構25(図6参照)により、手前に引き出し可能であって、グリル庫9の前側のグリル開口部9Aを開閉する。グリル扉8の背面側には、受け台30が固定されている。受け台30は、焼き網(図示略)に加え、調理の種類に応じて少なくとも二種類の調理容器の中から選択した一の調理容器を支持できる。調理容器とは、被調理物を内側に収容した状態で、容器ごと加熱することにより、被調理物を加熱調理するものである。本実施形態では、少なくとも浅型容器70(図3参照)と深型容器80(図4参照)を使用できる。浅型容器70は、例えば、焼き魚等の焼き料理等に用いることができる。深型容器80は、例えば、蒸し料理、煮込み料理等の水分の多い調理や、燻製等に用いることができる。なお、受け台30の具体的な構造については後述する。
図1に示すように、グリル扉8の右側の領域には、正面視円形状の2つの操作つまみ11、12が横方向に並んで設けられる。グリル扉8の左側の領域には、操作つまみ11、12と同じ高さ位置に、同一形状の2つの操作つまみ13、14が横方向に並んで設けられる。操作つまみ11は、右バーナ4の点火、消火及び火力調節を行う為に操作される。操作つまみ12は、グリル庫9内に設けられた上火バーナ27(図6参照)、一対の下火バーナ28,29(図6参照)の点火、消火及び火力調節を行う為に操作される。操作つまみ13は、奥バーナ6の点火、消火及び火力調節を行う為に操作される。操作つまみ14は、左バーナ5の点火、消火及び火力調節を行う為に操作される。
図5〜図10を参照し、グリル庫9の内部構造を説明する。図5,図6に示すように、グリル庫9は、略直方体状の筐体である。グリル庫9の底壁上面の左右両側には、一対のレール機構25が固定されている(図6参照)。レール機構25は、夫々、固定レール25Aと、該固定レール25Aに沿ってスライド可能に設けられた可動レール25Bとを備え、グリル庫9の前後方向に伸縮可能である。グリル庫9内において、受け台30は、焼き網、浅型容器70又は深型容器80をグリル庫9内の略中央に支持する(図5,図6,図8,図9参照)。受け台30の前部に設けられた扉連結板39には、グリル扉8の背面側が着脱可能に連結される。これにより、グリル扉8を手前側に引き出すと同時に、受け台30に支持された焼き網、浅型容器70又は深型容器80をグリル庫9外に取り出すことができる。
グリル庫9の上壁部には、上火バーナ27が設けられる。上火バーナ27は、プレート状に薄型化された平面バーナである。上火バーナ27の下面には、多数の炎孔を配列することによって構成された炎孔部274(図22参照)が設けられる。炎孔部274は、下方に向けて多数の火炎を形成する。炎孔部274の形状については後述する。グリル庫9の左側壁部には、下火バーナ28、右側壁部には下火バーナ29が設けられている。下火バーナ28,29は、グリル庫9の内側に対向する内面に、前後方向に並ぶ複数の炎孔28A,29Aを備える(図5,図8参照)。これら炎孔28A,29Aは、グリル庫9の略中央に対して斜め下方に向けて火炎を形成する。これにより、受け台30に支持された焼き網上の被調理物や、浅型容器70又は深型容器80を良好に加熱できる。
図5に示すように、グリル庫9の後部には、グリル排気部20が設けられている。グリル排気部20は、グリル庫9の後部から後方に対して斜め上方に延びる略筒状に形成されている。グリル庫9の奥側には、仕切壁21が設けられている。仕切壁21の左右方向略中央部には、正面視左右方向に長い略長方形状の開口部22が設けられている。グリル排気部20は、開口部22を介して、グリル庫9内と連通している。グリル排気部20の上部には、グリル排気口23が設けられている。グリル排気口23は、天板3の排気口7(図1参照)の直下に配置される。これにより、グリル庫9内の燃焼排気は、仕切壁21の開口部22からグリル排気部20の内側を流れ、グリル排気口23及び排気口7を介して外部に排出される。グリル排気口23の内側には、フレームトラップ201が設置される。フレームトラップ201は、万が一、焼き網上に載置された被調理物の油分等に引火した場合に、グリル排気口23から火炎が出るのを防止する。
図11を参照し、浅型容器70の構造を説明する。浅型容器70は鉄製であり、例えば板金をプレス成型して作製することによって軽量にできる。なお、浅型容器70の表面は、セラミック塗装を施すとよい。浅型容器70は、例えば、焼き魚、焼き鳥、焼き菓子のような焼き調理等に適している。浅型容器70は、平面視前後方向に長い略長方形状に形成され、容器本体部71と蓋部72を備える。
容器本体部71は、底部711、壁部712、フランジ部713、取手部714、取手部715等を備える。底部711は平面視矩形状に形成され、4つの角部は略円弧状に形成されている。底部711は、波型に形成されているので(図5参照)、被調理物中の余分な油を落とすことができる。
壁部712は、底部711の全周から起立する略四角筒状に形成されている。フランジ部713は、壁部712の開口する上端部から外方に略直角に屈曲して略水平に突出し、平面視略矩形枠状に形成されている。取手部714は、フランジ部713のうち右側部から右側方に略水平に突出し、平面視略台形状に形成されている。取手部714には、ハンドル差し込み穴714Aが設けられている。取手部715は、フランジ部713のうち左側部から左側方に略水平に突出し、平面視略台形状に形成されている。取手部715にも、ハンドル差し込み穴715Aが設けられている。ハンドル差し込み穴714A,715Aには、図示外のハンドルを差し込んで、持ち上げることができる。即ち、容器本体部71の左右両サイドに、ハンドル差し込み穴714A,715Aが設けられているので、使用者は、左右どちらからでも蓋部72と共に、容器本体部71を持ち上げることができる。これにより、使用者の利き手や、キッチンでのコンロ1の設置位置に関係なく、浅型容器70を自由に持ち運ぶことができる。
蓋部72は、容器本体部71の上部の開口端の形状に合わせ、平面視前後方向に長い略長方形状に形成され、4つの角部は略円弧状に形成されている。蓋部72は、本体部720、フランジ部721、取手部724、取手部725等を備える。本体部720は、蓋部72の外周部を除く部分であって、該外周部よりも上方に突出する平面視前後方向に長い略長方形状に形成されている。本体部720の上方に突出する部分の周囲を取り囲む傾斜面のうち後ろ側の部分には、3つの排気孔75(図6参照)が横並びに設けられている。フランジ部721は、蓋部72の外周部に形成され、外方且つ略水平に突出している。フランジ部721は、本体部720よりも低い位置に配置される。本体部720とフランジ部721の間には、下方に陥没する溝が形成されている。フランジ部721は、容器本体部71のフランジ部713の上面に載置される。
取手部724は、フランジ部721のうち右側部から右側方に略水平に突出し、平面視略台形状に形成されている。取手部724の右側方に突出する長さは、容器本体部71の取手部714の右側方に突出する長さよりも短い。取手部724には、ハンドル差し込み穴724Aが設けられている。取手部725は、フランジ部721のうち左側部から左側方に略水平に突出し、平面視略台形状に形成されている。取手部725の左側方に突出する長さは、容器本体部71の取手部715の左側方に突出する長さよりも短い。取手部725にも、ハンドル差し込み穴725Aが設けられている。ハンドル差し込み穴724A,725Aには、容器本体部71を持ち上げるときと同じハンドルを差し込んで持ち上げることができる。蓋部72の左右両サイドに、ハンドル差し込み穴724A,725Aが設けられているので、使用者は、容器本体部71と同様に、左右どちらからでも蓋部72を持ち上げることができる。
なお、容器本体部71の上部に、蓋部72を設置した状態では、容器本体部71のフランジ部713の上面に、蓋部72のフランジ部721の下面が密着する。このとき、容器本体部71の取手部714の上面に、蓋部72の取手部724が載置され、容器本体部71の取手部715の上面に、蓋部72の取手部725が載置される。取手部714のハンドル差し込み穴714Aは、取手部724の右端部よりも右方に位置する。取手部715のハンドル差し込み穴715Aは、取手部725の左端部よりも左方に位置する。これにより、容器本体部71の上部に、蓋部72を設置した状態で、容器本体部71の取手部714及び取手部715のハンドル差し込み穴714A,715Aにハンドルを差し込むことによって、浅型容器70全体を持ち運ぶことができる。
図12〜図17を参照し、深型容器80の構造を説明する。図12,図13に示すように、深型容器80は、例えばアルミ製のダイキャストによる鋳物である。深型容器80は、浅型容器70に比べて底が深く形成されている。深型容器80はダイキャストであるので、板金よりも厚みを有する。それ故、浅型容器70の蓋部72に比べて蓋部82が重いことから、容器本体部81に対して、後述する蒸気穴98以外の部分において、密着性を高めることができる。さらに、深型容器80は、浅型容器70に比べて厚みがあることから、熱容量が高く、例えば煮物のようにコトコト煮込むような調理に最適である。また、深型容器80に収納される被調理物をじんわり加熱することができるので、燻製等にも適している。深型容器80は、平面視前後方向に長い略長方形状に形成されている。深型容器80の後ろ側上部の左右方向略中央部には、蒸気穴98(図13参照)が設けられている。蒸気穴98は、容器内に発生した蒸気を外部に逃がす為のものである。なお、蒸気穴98の具体的形状については後述する。
深型容器80は、容器本体部81と蓋部82を備える。図14に示すように、容器本体部81は、底部83、壁部84、取手部86、取手部87等を備える。底部83は平面視略矩形状に形成され、4つの角部は略円弧状に形成されている。壁部84は、底部83の全周からやや外側に傾斜して起立する略四角筒状に形成されている。壁部84の高さは、浅型容器70の壁部712よりも高い。壁部84の開口する上部の端面には、受け面85が形成されている。受け面85は、略水平に延びる面である。取手部86は、受け面85のうち右側部の略中央部から右側方に略水平に突出する平面視略山なり状に形成されている。取手部87も、受け面85のうち左側部の略中央部から左側方に略水平に突出する平面視略山なり状に形成されている。
図12,図15に示すように、蓋部82は、容器本体部81の上部の開口端の形状に合わせ、平面視前後方向に長い略長方形状に形成され、右端部91、左端部92、前端部93、後端部94を備える。蓋部82の4つの角部は、略円弧状に形成されている。蓋部82の上面の略中央部には、断面略T字状のツマミ部96が下面側からネジ99(図16参照)で締結されている。さらに、蓋部82の上面には、ツマミ部96を取り囲むようにして、平面視前後方向に長い略矩形状の3本のリブ101が形成されている。これにより、蓋部82の上面に装飾が施され、格調高いイメージを形成できる。
図15に示すように、蓋部82の下面の外周縁部には、底面視前後方向に長い略長方形状の当て面95が設けられている。当て面95は、略水平に延びる面であって、容器本体部81の受け面85上に載置される(図16参照)。さらに、当て面95の内周縁部には、垂下壁97が当て面95に対して垂直な方向に突出して設けられる。垂下壁97は、蓋部82の当て面95が容器本体部81の受け面85に載置された状態で、容器本体部81の壁部84の内側で、且つ受け面85よりも下方に垂下して形成されている(図16参照)。
蓋部82の後端部94の長手方向中央部には、蒸気穴98が設けられている。蒸気穴98は、当て面95と垂下壁97の夫々の一部を後方に向けて凹状に切り欠いたようにして形成されている。図17に示すように、蓋部82が容器本体部81に載置された状態で、蒸気穴98は、受け面85の幅方向に平行な前後方向に延びるように形成されている。これにより、蒸気穴98を目立たなくさせることができるので、深型容器80の美観を損なわない。深型容器80は、蓋部82の後端部94に蒸気穴98を備えているので、例えば、深型容器80で蒸し料理等を行うような場合、蒸気穴98から上火バーナ27の炎孔部274が配置されていない後方(図22参照)に向けて、容器内の蒸気を逃がすことができる。この深型容器80では、蓋部82の外周縁部に形成された当て面95を、容器本体部81の受け面85に接触させ、さらに蓋部の外周縁部よりも内側に設けられた垂下壁97が、容器本体部81の壁部84の内側に位置する。これにより、深型容器80は、容器本体部81の内側を蓋部82で密閉しつつ蒸気を蒸気穴98から良好に逃がすことができる。
また、後端部94において、蒸気穴98に対応する部分は、平面視略U字状に切り欠いたように形成されており、その下面には、ガイド面981が形成されている。ガイド面981は略水平に延びる面であって、当て面95よりも上方に位置し、且つ当て面95よりも幅(前後方向の長さ)が短い。それ故、蓋部82が容器本体部81に載置された状態では、ガイド面981の後端部(図17における右端部)は、受け面85の上方であって、容器本体部81の受け面85の後端部よりも前方(図17における左方)に位置している。このような位置関係を有する深型容器80を上方から見た場合、蒸気穴98を通して容器本体部81の壁部84の受け面85が視覚に入る。これにより、容器本体部81の内部空間が見えないので、蒸気穴98によって美観を損なうのを防止できる。また、このような構成にしたことで、容器本体部81の内側から上方向に開放される箇所が無いので、蒸気穴98を通して、容器本体部81の内部の水分が外部に漏れ出すのを防止できる。
また、容器本体部81の内側において、蒸気は蒸気穴98に向けて上昇するが、蒸気穴98は上方向に開放していないので、蓋部82のガイド面981に最初に当たってから後方且つ略水平に向きを変えつつ、受け面85に沿って外方に流出される(図17中のV1,V2の流れを参照)。これにより、深型容器80内の蒸気を、蒸気穴98から良好に逃がすことができる。
図18〜図21を参照し、受け台30の構造を説明する。図18に示すように、受け台30は、下から上に向かって順に、受けフレーム35によって支持される土台枠部40、及び支持枠部50を備える。受けフレーム35は、グリル扉8の前後方向の移動に伴い、グリル庫9に対して引き出し可能に収納される。土台枠部40は、受けフレーム35の上部に着脱可能に設置され、受皿10(図5,図6参照、図18では図示略)及び図示しない焼き網を支持する。焼き網を取り外し、上記の浅型容器70又は深型容器80を使用するとき、土台枠部40の上部に支持枠部50が設置される。支持枠部50は、使用する浅型容器70又は深型容器80を支持する。なお、受皿10は、例えば焼き網を使用する際には、焼き網から落下する被調理物の油等を受けることができる。一方、浅型容器70又は深型容器80を使用する際には、浅型容器70又は深型容器80から落下する水滴や、こぼれ落ちた煮汁等を受けることができる。
受けフレーム35は、平面視前後方向にやや長い略矩形枠状に形成されている。受けフレーム35は、矩形枠状部36、前側受け板37、後側受け板38、扉連結板39等を備える。
前側受け板37は、平面視略U字状に形成され、開口する内側を後方に向けた状態で、矩形枠状部36の前側部の内側を閉塞するように略水平に固定されている。前側受け板37の上面の左右両側には、一対の窪み部371(図18では一方のみ図示)が設けられている。一対の窪み部371には、土台枠部40の後述する一対の前側脚部45(図18では一方のみ図示)が上方から係合する。後側受け板38は、平面視略U字状に形成され、開口する内側を前方に向けた状態で、矩形枠状部36の後側部の内側を閉塞するように略水平に固定されている。後側受け板38の上面の左右両側には、一対の窪み部381,382が設けられている。窪み部381,382には、土台枠部40の後述する一対の後側脚部47,48が上方から係合する。
扉連結板39は、矩形枠状部36の前端部の左右方向略中央部に固定されている。扉連結板39は、矩形枠状部36の前端部から垂直上方に立設され、正面視左右方向に長い略矩形状に形成されている。扉連結板39には、グリル扉8の背面側が着脱可能に連結される。
土台枠部40は、受けフレーム35よりも小さく、平面視前後方向にやや長い略矩形枠状に金属棒を屈曲させて形成されている。土台枠部40は、前側支持部42と後側支持部43等を備える。前側支持部42は、土台枠部40の前側部に設けられ、正面視略中央に向かって階段状に高くなる略凸状に形成されている。前側支持部42の左右両側の下部には、下方に向かって側面視略U字状に屈曲する一対の前側脚部45が設けられている。後側支持部43は、土台枠部40の後側部に設けられ、前側支持部42と同様に、背面視略中央に向かって階段状に高くなる略凸状に形成されている。後側支持部43の左右両側の下部には、下方に向かって側面視略U字状に屈曲する一対の後側脚部47,48が設けられている。一対の前側脚部45は受けフレーム35の前側受け板37に設けられた一対の窪み部371に上方から係合する。後側脚部47,48は、受けフレーム35の後側受け板38に設けられた一対の窪み部381,382に上方から係合する。これにより、土台枠部40は、受けフレーム35上に位置決めした状態で支持される。
焼き網を使用する場合、土台枠部40の前側支持部42の一段低くなった左右両側の段部と、後側支持部43の一段低くなった左右両側の段部に対し、焼き網の前端部と後端部を上方から係合させればよい。これにより、受けフレーム35の上方に焼き網が支持される。一方、浅型容器70又は深型容器80を使用する場合、土台枠部40の前側支持部42の一段低くなった左右両側の段部と、後側支持部43の一段低くなった左右両側の段部に対し、後述する支持枠部50の前側部と後述する区画板52を上方から係合させればよい。これにより、受けフレーム35の上方に支持枠部50が支持され、該支持枠部50に対し、浅型容器70又は深型容器80を支持させることができる。
図19〜図21を参照し、支持枠部50の構造を説明する。図19に示すように、支持枠部50は、本体枠51と区画板52を備える。本体枠51は、支持枠部50の前側に設けられている。本体枠51は、平面視略矩形枠状に金属棒を屈曲して形成され、浅型容器70及び深型容器80の何れも支持できる。本体枠51は、4つの底面受け部53〜56、右側フランジ支持部57、左側フランジ支持部58、右側凹み部59、左側凹み部60、右側突出部61、左側突出部62、前側規制部63、後側規制部64等を備える。
4つの底面受け部53〜56は、本体枠51の4つの角部に設けられ、深型容器80を支持する際に、深型容器80の底部83を下方から受ける部分である。底面受け部53は、本体枠51の右前方角部に設けられ、本体枠51の内側に向かって平面視略L状に屈曲して形成されている。底面受け部54は、本体枠51の右後方角部に設けられ、本体枠51の内側に向かって、底面受け部53の形状とは前後対称で、平面視略L状に屈曲して形成されている。底面受け部55は、本体枠51の左前方角部に設けられ、本体枠51の内側に向かって、底面受け部53の形状とは左右対称で、平面視略L状に屈曲して形成されている。底面受け部56は、本体枠51の左後方角部に設けられ、本体枠51の内側に向かって、底面受け部54の形状とは左右対称で、平面視略L状に屈曲して形成されている。即ち、底面受け部53〜56は、本体枠51の内側に向かって何れも略L字状に屈曲して形成されており、深型容器80の底部83を、底面受け部53〜56上に載置できるようになっている。
右側フランジ支持部57と左側フランジ支持部58は、浅型容器70を支持する際に、浅型容器70のフランジ部713の左右両側部分に対して下方から係止することによって、浅型容器70を吊り下げて支持する部分である。右側フランジ支持部57は、本体枠51の右側部に設けられている。右側フランジ支持部57は、底面受け部53と54の夫々の右方向に延びる端部から上方に立ち上がるようにして設けられ、その前後方向に延びる上部には、前後方向に隙間を空けて離間する一対の水平部571と572が設けられている。右側フランジ支持部57の底面受け部53と54から上方に立ち上がる高さは、浅型容器70の壁部712の高さよりも高くなるように調整されている。そして、水平部571と572は、浅型容器70のフランジ部713と同じ高さになっている。底面受け部53と右側フランジ支持部57との連結部分には、円弧状テーパ部65が設けられている。底面受け部54と右側フランジ支持部57との連結部分には、円弧状テーパ部66が設けられている。円弧状テーパ部65,66は、底面受け部53,54から右側方が凸となるように円弧状に湾曲しながら上方に延びるようにして形成されている。
左側フランジ支持部58は、本体枠51の左側部に設けられている。左側フランジ支持部58は、底面受け部55と56の夫々の左方向に延びる端部から上方に立ち上がるようにして設けられ、その前後方向に延びる上部には、前後方向に隙間を空けて離間する一対の水平部581,582が設けられている。左側フランジ支持部58の底面受け部55と56から上方に立ち上がる高さは、浅型容器70の壁部712の高さよりも高く、且つ右側フランジ支持部57の高さと同一となるように調整されている。そして、水平部581と582は、浅型容器70のフランジ部713と同じ高さになっている。底面受け部55と左側フランジ支持部58との連結部分には、円弧状テーパ部67が設けられている。底面受け部56と左側フランジ支持部58との連結部分には、円弧状テーパ部68が設けられている。円弧状テーパ部67,68は、底面受け部55,56から左側方が凸となるように円弧状に湾曲しながら上方に延びるようにして形成されている。
右側凹み部59は、右側フランジ支持部57における水平部571と572の間であって、支持枠部50に浅型容器70を支持させたときに、浅型容器70の右側の取手部714に対応する位置に設けられている(図20参照)。右側凹み部59は、取手部714に対応する領域において、取手部714よりも下方に凹むようにして屈曲されている。左側凹み部60は、左側フランジ支持部58における水平部581と582の間であって、支持枠部50に浅型容器70を支持させたときに、浅型容器70の左側の取手部715に対応する位置に設けられている。左側凹み部60は、取手部715に対応する領域において、取手部715よりも下方に凹むようにして屈曲されている。
右側突出部61は、右側フランジ支持部57における水平部571の後端部と右側凹み部59の前端部との間に設けられ、水平部571よりも上方に略矩形状に突出して形成されている。右側突出部61において、後方に対向し且つ上下方向に延びる直線部分には、規制部611が設けられている。規制部611は、浅型容器70を支持させたときに、浅型容器70の右側の取手部714の前端部に当接することによって、浅型容器70の前方向の位置を規制する(図20参照)。左側突出部62は、左側フランジ支持部58における水平部581の後端部と左側凹み部60の前端部との間に設けられ、水平部581よりも上方に略矩形状に突出して形成されている。左側突出部62において、後方に対向し且つ上下方向に延びる直線部分には、規制部621が設けられている。規制部621は、浅型容器70を支持させたときに、浅型容器70の左側の取手部715の前端部に当接することによって、右側突出部61の規制部611と共に、浅型容器70の前方向の位置を規制する(図20参照)。
前側規制部63は、本体枠51の前側部に設けられ、前側に略矩形状に突出するように平面視略U字状に形成されている。また、側面から見ると、前側規制部63は、底面受け部53,55の夫々の前端部から上方に立ち上がり、且つ前方に屈曲する側面視略L字状に形成されている。前側規制部63は、土台枠部40の前側支持部42の一段低くなった左右両側の段部に対して上方から係合することで、本体枠51の前側部が土台枠部40の前側支持部42に支持される(図18参照)。前側規制部63における底面受け部53,55の夫々から垂直上方に立ち上がる部分で且つ後方に対向する部分には、一対の規制部631が設けられている。
後側規制部64は、本体枠51の後側部に設けられ、底面受け部54,56の夫々の後端部から上方に立ち上がり、上部において左右方向に略水平に延びる背面視逆U字状に形成されている。後側規制部64の上部には、ガード部641が設けられている。ガード部641は、金属棒を平面視略U字状に屈曲して形成され、開口する側を前方に向けて後側規制部64の上部に固定されている。ガード部641には、浅型容器70又は深型容器80を支持させるときに、各容器の背面を当接させるとよい。これにより、浅型容器70又は深型容器80の後方向の位置を規制できる。
区画板52は、平面視略矩形状の金属板であって、後側規制部64に固定され、ガード部641から後方に向かって略水平に延びる。区画板52の前端部は、ガード部641の形状に合わせて略円弧状に湾曲している。区画板52の後端部は、左右両側が後方に突出して形成され、その突出する両側部分を、土台枠部40の前側支持部42の一段低くなった左右両側の段部に対して上方から係合させることで、区画板52の後端部が支持される。区画板52は、グリル庫9の内部空間を、支持枠部50の後方の領域で上下に区画する。
図19と図20を参照し、受け台30における浅型容器70の支持方法とその構造を説明する。先ず、受け台30の支持枠部50の内側に対し、浅型容器70を上方から挿入する。そして、支持枠部50の右側フランジ支持部57(具体的には、水平部571,572)と、左側フランジ支持部58(具体的には、水平部581,582)に対し、浅型容器70のフランジ部713の左右両側部分を上方から係止させる。浅型容器70の壁部712よりも、右側フランジ支持部57及び左側フランジ支持部58の夫々の高さの方が高いので、浅型容器70は、右側フランジ支持部57及び左側フランジ支持部58によって吊り下げられた状態となる(図5,図6参照)。それ故、浅型容器70の底部711の下面と、支持枠部50の底面受け部53〜56との間には、隙間が形成される。このとき、浅型容器70の壁部712の後面は、支持枠部50の後側規制部64のガード部641に接触させるとよい。これにより、支持枠部50における浅型容器70の前後方向の位置が決まる。さらに、右側フランジ支持部57及び左側フランジ支持部58は、浅型容器70の壁部172の左右の両側面に接触するので、支持枠部50における浅型容器70の左右方向の位置も決まる。
さらに、吊り下げられた状態の浅型容器70において、右側の取手部714に対応する領域には、右側凹み部59が配置され、左側の取手部715に対応する領域には、左側凹み部60が配置される。これにより、取手部714,715が右側フランジ支持部57及び左側フランジ支持部58に干渉しない。また、取手部714と右側凹み部59の間、取手部715と左側凹み部60の間には、隙間が夫々形成されているので、取手部714,715をしっかりつかんだ状態で、浅型容器70のフランジ部713を、右側フランジ支持部57及び左側フランジ支持部58に容易に係止させることができる。また、その隙間に手を入れて、取手部714,715をつかんで持ち上げることができる。
さらに、取手部714の前方には、右側突出部61の規制部611が配置され、取手部715の前方には、左側突出部62の規制部621が配置される。これにより、浅型容器70が前方に移動しようとしても、取手部714,715が規制部611,621に接触するので、浅型容器70の前後方向の位置ずれを防止できる。仮に、使用者が誤って浅型容器70を支持枠部50の前側に寄せた位置に支持させようとした場合、浅型容器70の取手部714,715が、右側突出部61及び左側突出部62に乗り上げるので、使用者は誤装着に気付くことができる。これにより、支持枠部50に対する浅型容器70の誤装着を未然に防止できる。このようにして、受け台30は、浅型容器70を支持枠部50に正確に位置決めした状態で、安定して支持できる。
図19と図21を参照し、受け台30における深型容器80の支持方法とその構造を説明する。先ず、受け台30の支持枠部50の内側に対し、深型容器80を上方から挿入する。ここで、深型容器80の左右方向の幅は、浅型容器70の左右方向の幅に比べて短いので、深型容器80は、右側フランジ支持部57と左側フランジ支持部58の間に挿入する。このとき、右側フランジ支持部57及び左側フランジ支持部58は、底面受け部53〜56に深型容器80を設置するときの目安として機能するので、受け台30に対して、深型容器80の左右方向の位置決めを容易にできる。そして、深型容器80の底部83の下面は、支持枠部50の底面受け部53〜56の夫々の上面に載置される(図8,図9参照)。
ここで、上記の通り、底面受け部53と右側フランジ支持部57との間は、円弧状テーパ部65で繋がれ、底面受け部54と右側フランジ支持部57との間は、円弧状テーパ部66で繋がれ、底面受け部55と左側フランジ支持部58との間は、円弧状テーパ部67で繋がれ、底面受け部56と左側フランジ支持部58との間は、円弧状テーパ部68で繋がれている。これにより、仮に、深型容器80が底面受け部53〜56に対して左右どちらかにずれて置かれたとしても、深型容器80の底部83は、円弧状テーパ部65〜68によって、左右方向中央部に向かって滑り落ちる。つまり、深型容器80の底部83は、円弧状テーパ部65〜68によって、左右方向中央部に自動的にガイドされる。これにより、深型容器80は、右側フランジ支持部57と左側フランジ支持部58の間の中央部に、自動的に配置される。
なお、深型容器80の右側の取手部86に対応する領域には、右側凹み部59及び右側突出部61が配置され、左側の取手部87に対応する領域には、左側凹み部60及び左側突出部62が配置される。さらに、深型容器80の壁部84の左右の両側面及び取手部86,87と、右側フランジ支持部57と左側フランジ支持部58との間には、隙間が形成されている。これにより、深型容器80の取手部86,87は、右側フランジ支持部57及び左側フランジ支持部58と干渉しない。
さらに、深型容器80の壁部84の後面は、支持枠部50の後側規制部64のガード部641に接触させるとよい。このとき、深型容器80の壁部84の前側には、支持枠部50の前側規制部63に設けられた一対の規制部631が配置される。これにより、深型容器80が前方に移動しようとしても、深型容器80の壁部84が一対の規制部631に接触するので、深型容器80の前後方向の位置ずれを防止できる。このようにして、受け台30は、深型容器80を支持枠部50に正確に位置決めした状態で、安定して支持できる。
図5〜図7を参照し、グリル庫9内における浅型容器70の位置を説明する。グリル庫9内において、受け台30に支持された浅型容器70は、グリル庫9内の左右方向略中央部に配置される。浅型容器70の蓋部72の上面と上火バーナ27の炎孔部274(図222参照)との高さ方向の離間距離はP1である(図6参照)。P1は、浅型容器70が上火バーナ27からの熱量を適切に受けることができる距離である。本実施形態では、蓋部72の上面と上火バーナ27の炎孔部274との高さ方向の離間距離がP1となるように、右側フランジ支持部57及び左側フランジ支持部58の高さを調節するとよい。さらに、P1の離間距離を確保することによって、浅型容器70の左右両側面に沿って上側に流れる燃焼用二次空気を、蓋部72の上方に十分に流入させることができる。これにより、上火バーナ27の炎孔部274に燃焼用二次空気を十分に供給できるので、上火バーナ27の燃焼性能を向上できる。そして、底の浅い浅型容器70を支持枠部50で支持する場合でも、上火バーナ27に対して離間距離P1を保持できるので、上火バーナ27から伝わる熱量が不足しない。よって、浅型容器70を良好に加熱できる。
また、浅型容器70の容器本体部71は底が浅いことから、底部711は、下火バーナ28,29の炎孔28A,29Aよりも上方に位置する。それ故、炎孔28A,29A周辺においては、十分な空間が確保されている。これにより、下火バーナ28,29の炎孔28A,29Aにも、燃焼用二次空気が十分に供給されるので、下火バーナ28,29の燃焼性能も向上できる。なお、図7に示すように、浅型容器70の底部711の下面と下火バーナ29の炎孔29A(具体的には、炎孔29Aの中心位置)との高さ方向の離間距離をP2、浅型容器70の底部711の外縁部と下火バーナ29の炎孔29Aとの左右方向の離間距離をP3とする。底部711の外縁部とは、壁部712に接続するテーパ部分の中間部とする。
図8〜図10を参照し、グリル庫9内における深型容器80の位置を説明する。グリル庫9内において、受け台30に支持された深型容器80は、グリル庫9内の左右方向略中央部に配置される。深型容器80の蓋部82の上面と上火バーナ27の炎孔部274との高さ方向の離間距離はQ1である(図9参照)。Q1は、浅型容器70を支持したときの離間距離P1と略同一である。つまり、グリル庫9内において支持されたときの上面高さは、浅型容器70及び深型容器80の何れを用いても同じであるので、上火バーナ27の炎孔部274との距離を同一に揃えることができる。これにより、底の深さが異なる浅型容器70及び深型容器80の何れを用いた場合であっても、上火バーナ27から受ける熱量を揃えることができる。さらに、浅型容器70の上面高さと、深型容器80の上面高さを合わせることで、浅型容器70及び深型容器80の何れを使用する場合においても、上火バーナ27によって良好に加熱できる。
ところで、深型容器80の容器本体部81は、浅型容器70の容器本体部71よりも底が深いことから、深型容器80の底部83の高さ位置は、浅型容器70の底部711の高さ位置よりも下がる。即ち、図10に示すように、深型容器80の底部83の下面と下火バーナ29の炎孔29Aとの高さ方向の離間距離をQ2とすると、Q2<P2の関係となる。炎孔28A側においても同様の関係である。仮に、深型容器を、浅型容器70の底を深くしただけの容器とした場合、深型容器の底面が下火バーナ28,29の炎孔28A,29Aに近過ぎてしまい、燃焼用二次空気の上方向への流動が阻害され、燃焼不良に陥ることが考えられる。これに対し、本実施形態の深型容器80は、グリル庫9内に設置されたときの左右方向の幅が、浅型容器70の左右方向の幅に比べて狭く形成されている。即ち、深型容器80の底部83の外縁部(壁部84に接続するテーパ部分の中間部)と下火バーナ29の炎孔29A(具体的には、炎孔29Aの中心位置)との左右方向の離間距離をQ3とすると、Q3>P3の関係となっている。炎孔28A側においても同様の関係である。これにより、燃焼用二次空気は、深型容器80の両側面に沿って上側に良好に流れることができる。これにより、上火バーナ27の炎孔部274に燃焼用二次空気が十分に供給されるので、上火バーナ27の燃焼性能を向上できる。
図8,図17を参照し、グリル庫9内に支持された深型容器80の蒸気穴98と、グリル排気部20との相互の位置関係を説明する。深型容器80は、受け台30の支持枠部50に支持された状態で、グリル庫9内の奥側に蒸気穴98を向けた状態で収納される。この状態では、蒸気穴98の後方に、仕切壁21の開口部22が対向して位置する。それ故、蒸気穴98から流出する蒸気を、開口部22を介してグリル排気部20に向けて良好に導くことができる。さらに、蒸気穴98を通過する蒸気は、上記の通り、受け面85に沿って後方且つ略水平に排出されるので、(図17参照)、そのまま開口部22に良好に導くことができる。
図22を参照し、グリル庫9内に支持された深型容器80の蒸気穴98と、上火バーナ27の炎孔部274との相互の位置関係を説明する。上火バーナ27は、プレート状に形成された所謂平面バーナである。上火バーナ27は、本体部271とガス流入部272を備える。本体部271は、平面視前後方向にやや長い略矩形状に形成され、その外周縁部を除く中央部には、上方に一段高くなった平面視略矩形状のガス流路形成部273が設けられている。ガス流路形成部273の下面には、底面視略U字型の炎孔部274が設けられている。炎孔部274は、多数の炎孔を配列することによって形成されている。炎孔部274は、U字の開口する内側をグリル庫9の後方に向けた状態で、ガス流路形成部273の下面に設けられている。
グリル庫9内を平面視で見た場合、深型容器80の蒸気穴98は、上火バーナ27の炎孔部274の内側に配置される。このような位置関係により、蒸気穴98から仕切壁21の開口部22までの間には、炎孔部274が配置されていない。これにより、蒸気穴98から排出される蒸気は、炎孔部274上を通過することなく、開口部22を介してグリル排気部20に流入できる(図22のV3が示す蒸気の流れ参照)。これにより、蒸気穴98から排出される蒸気の流れによって、炎孔部274に形成される火炎が消えてしまうのを防止できる。
図5,図8を参照し、グリル庫9内における区画板52の作用とその効果を説明する。一般的に、グリル庫9内においては、調理容器の様な大きな物が配置されると、上火バーナ27への燃焼用二次空気の流通が調理容器により阻害され易い傾向にある。仮に、グリル庫9内において支持された調理容器の後部と、仕切壁21の前面との間の隙間に何も無ければ、浅型容器70又は深型容器80の下方から上火バーナ27に供給される燃焼用二次空気は、支持枠部50の本体枠51の後方の領域を積極的に通過してしまい、そのまま仕切壁21の開口部22を介してグリル排気部20に流れてしまう。この場合、調理容器の前方や側方(後方以外)の領域を通過して上火バーナ27の燃焼に用いられる燃焼用二次空気が、調理容器が無い場合に比べて相対的に少なくなってしまうので、上火バーナ27の炎孔部274に燃焼用二次空気が十分には供給されず、燃焼性能を低下させる可能性がある。これに対し、本実施形態では、受け台30が浅型容器70及び深型容器80の何れを支持している場合でも、浅型容器70又は深型容器80の後方の領域は、区画板52で上下に区画されている。これにより、浅型容器70又は深型容器80の下方から上火バーナ27に供給される燃焼用二次空気が、支持枠部50の本体枠51の後方の領域を通過して、仕切壁21の開口部22を介して、グリル排気部20内にそのまま流動してしまうのを防止できる。よって、燃焼用二次空気は、調理容器の上側に回り込んで、上火バーナ27の炎孔部274に対して良好に供給される。
以上説明したように、本実施形態のコンロ1は、グリル庫9内に受け台30を出し入れ可能に設置する。受け台30は、土台枠部40の上に、支持枠部50を備える。支持枠部50は、浅型容器70及び深型容器80の中から選択される一の調理容器を支持可能である。深型容器80は、浅型容器70に比べて底が深く形成されている一方、グリル庫9内に設置されたときの左右方向の幅が、浅型容器70の左右方向の幅に比べて狭く形成されている。これにより、燃焼用二次空気は、深型容器80の側面に沿って上側に良好に流れることができる。これにより、浅型容器70及び深型容器80の何れの容器が支持された状態でも、上火バーナ27に燃焼用二次空気が十分に供給されるので、加熱調理を良好に行うことができる。
上記説明において、浅型容器70は本発明の「第一容器」の一例、深型容器80は本発明の「第二容器」の一例である。離間距離P2は本発明の「A1」の一例、離間距離P3は本発明の「A2」の一例、離間距離P3は本発明の「B1」の一例、離間距離Q3は本発明の「B2」の一例である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上記実施形態は、ビルトインタイプのコンロ1を例示したが、テーブルコンロであってもよい。また、コンロ1はグリル庫9を内蔵するものであるが、グリル庫9のみで構成される加熱調理器であってもよい。
受け台30は、浅型容器70及び深型容器80の中から選択される一の調理容器を支持可能なものであるが、浅型容器70及び深型容器80に加えて、別の調理容器も支持可能としてもよい。また、受け台30は、レール機構の無いグリル庫内に対して引き出し可能に設けてもよい。受けフレーム35の形状は上記実施形態に限定されず、グリル庫に対して前後方向に引き出し可能にする機構に合わせて適宜変更すればよい。
受け台30は、土台枠部40及び支持枠部50について、金属棒を屈曲させて枠状に夫々形成しているが、枠を形成する素材は金属棒に限らず、例えば板材を用いて形成してもよい。
支持枠部50の右側フランジ支持部57及び左側フランジ支持部58には、右側突出部61及び左側突出部62を設け、浅型容器70の取手部714及び取手部715に接触させることによって、浅型容器70の前方への位置ずれを防止しているが、右側突出部61及び左側突出部62の代わりに、浅型容器70に対して前方から当接可能な形状の部位を支持枠部50に設けてもよい。
浅型容器70及び深型容器80の材質は、上記実施形態に限定されない。浅型容器70及び深型容器80の製造方法は、上記実施形態に限定されない。
深型容器80の蒸気穴98は、蓋部82の後端部94に一つ設けているが、複数設けてもよい。
1 コンロ
9 グリル庫
30 受け台
50 支持枠部
70 浅型容器
80 深型容器
83 底部

Claims (4)

  1. 上面に下方向に火炎を形成する上火バーナ、左右両側面に内側方向に向けて火炎を形成する一対の下火バーナを備えるグリル庫を備え、前記グリル庫内に設置される受け台に容器を支持させた状態で、前記上火バーナ及び前記下火バーナを燃焼させることによって、前記容器内に収納する被調理物の加熱調理が可能なコンロにおいて、
    前記容器は、互いに排他的に使用される第一容器及び第二容器を含み、
    前記第二容器は、前記第一容器に比べて底が深く形成されている一方、前記グリル庫内に設置されたときの左右方向の幅が、前記第一容器の左右方向の幅に比べて狭く形成されていること
    を特徴とする加熱調理器。
  2. 前記グリル庫内において、前記受け台に前記第一容器を支持させた状態の前記第一容器の上面高さと、前記受け台に前記第二容器を支持させた状態の前記第二容器の上面高さは、互いに同一であること
    を特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 前記グリル庫内において、
    前記受け台に前記第一容器を支持させた状態の前記第一容器の底面と前記一対の下火バーナの炎孔との高さ方向の離間距離をA1、前記受け台に前記第二容器を支持させた状態の前記第二容器の底面と前記一対の下火バーナの炎孔と高さ方向の離間距離をB1とし、
    前記受け台に前記第一容器を支持させた状態の前記第一容器の底面の外縁部と前記一対の下火バーナの炎孔との左右方向の離間距離をA2、前記受け台に前記第二容器を支持させた状態の前記第二容器の底面の外縁部と前記一対の下火バーナの炎孔との離間距離をB2とした場合、
    A1>B1で、且つA2<B2であること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の加熱調理器。
  4. 前記グリル庫の後部には、前記グリル庫からの燃焼排気を外部に排出する為に筒状に設けられたグリル排気部が設けられ、
    前記受け台は、
    前記受け台に支持された前記容器の後部から後方に延びるようにして設けられ、前記グリル庫内における前記容器の後方の内部空間を上下に区画して、該内部空間における下側から上側に抜ける空気の流れを阻害する区画板を備えたこと
    を特徴とする請求項1から3の何れかに記載の加熱調理器。
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