JP6766314B2 - 鏝先の状態判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は部品の半田付けを行う半田付け装置に備えられる鏝先の状態を判定する鏝先の状態判定方法に関するものである。
近年、多くの電子機器が電子部品を実装した電子回路を搭載している。前記電子回路では、配線基板に形成された貫通孔(スルーホール)に前記電子部品の端子やワイヤを挿入し、その先端部分を前記スルーホールの周囲に形成された配線パターン(ランド)に半田付けすることで、電子部品やワイヤの配線基板への実装固定を行っている(特許文献1等参照)。
例えば、特許文献1の発明では、半田接合部分にエアーを吹き付け、そのエアーの圧力を測定して、その測定値に基づいて、半田接合部の接合状態を確認している。また特許文献2の発明では、半田付け後にスルーホールを経由して空気が通過するか否かにより半田付けが完了しているか否かを判定している。
特開平10−62408号公報 特開2004−95989号公報
しかしながら、特許文献1,2の発明では半田付け不良は検知することができるものの、半田付け処理中の半田の状態を検知することはできない。
そこで本発明は、鏝先の状態を常に正確に判定することができる鏝先の状態判定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、半田片が供給される半田孔を有するとともに前記半田孔で前記半田片を加熱溶融する鏝先と、ガスを供給するガス供給源と、前記ガス供給源と前記半田孔とを連通し、前記ガス供給源からのガスを前記半田孔に供給するガス供給部とを有する半田付け装置の鏝先の状態を判定する鏝先の状態判定方法であって、前記ガス供給部を流れるガスの総流量が一定で、前記ガス供給部内を流れるガスの物理量を測定するとともに、測定した物理量と予め備えられた基準値又はテーブルと比較して、鏝先の状態を判定することを特徴とする。
このような構成によってガスの流量を計測することにより半田付けの各工程の状態を判定する。
上記構成において、前記テーブルには、少なくとも前記物理量自体又は前記物理量の時系列の変化を示すテーブルのいずれか一方を含むことが可能である。
上記構成において、前記ガス供給部は、前記ガスを外部に逃がす分岐配管を備えており、前記物理量として前記分岐配管又は又は前記半田孔への供給配管を流れるガスの流量又は圧力を計測するようにしてもよい。このような構成とすることで、鏝先の半田孔の流路抵抗の変動を容易に検知することが可能である。そして、流路抵抗の変動の原因を特定することで、鏝先の状態を判定することが可能である。
上記構成において、前記流量又は圧力の変化に基づいて前記鏝先の状態を判定するようにしてもよい。
上記構成において、前記流量又は圧力が予め決められた値になったことに基づいて、前記鏝先の半田付けを行う対象物への接触、前記半田孔への前記半田片の投入及び前記半田片の前記半田孔での溶融の少なくとも1つが行われていると判定してもよい。
上記構成において、前記半田孔には前記半田片が溶融される溶融領域が設けられており、前記鏝先には、前記半田孔の溶融領域よりも下流側に半田孔と外部とを連通するガスリリース部を備えており、前記流量が所定値になった前後で前記流量の増減方向が逆になったことを検出した後に、溶融した半田片が前記半田孔から流出したことを判定してもよい。前記ガスリリース部からガスが漏れるときと漏れないときとで、前記分岐流量を変動させることができ、鏝先の状態判定の精度を高めることが可能である。
上記構成において、前記鏝先には、前記半田孔又は前記半田孔への供給流路と外部とを連通するリリース孔を有しており、前記物理量として前記ガス供給部を流れるガスの圧力を測定し、前記ガス供給部を流れるガスの圧力の変化に基づいて前記鏝先の状態を判定してもよい。
上記構成において、前記ガス供給部を流れるガスの圧力の増加に基づいて、前記鏝先の半田付けを行う対象物への接触、前記半田孔への前記半田片の投入及び前記半田片の前記半田孔での溶融の少なくとも1つが行われていると判定してもよい。
上記構成において、前記半田孔には前記半田片が溶融される溶融領域が設けられており、前記鏝先には、前記半田孔の溶融領域よりも下流側に半田孔と外部とを連通するガスリリース部を備えており、前記ガス供給部を流れるガスの圧力が増加した後に減少したことを検出したときに溶融した半田片の前記半田孔からの流出を判定してもよい。
上記構成において、所定回数半田付けを行う毎に前記鏝先の前記物理量を記憶し、現在の前記物理量と比較することで、前記鏝先の状態を判定してもよい。
上記構成において、前記半田孔を大気に開放している状態の流量と、計測された流量とを比較して前記鏝先の温度及び前記半田孔を通過するガスの種類の少なくとも一方を判定してもよい。
上記構成において、前記状態判定部は、前記半田孔に前記半田片を投入した後の前記物理量に基づいて、前記半田片の形状及び大きさの少なくとも一方を判定してもよい。
本発明によると、半田付けを行うときに鏝先に供給される、ガスの流量に基づいて鏝先の状態を判定し、半田付け工程中に直ちに鏝先の状態の判定を行うことができる。また外部より観察のできない半田孔内部の状態を常に正確に判定することが可能である。
本発明にかかる半田付け装置の一例の斜視図である。 図1に示す半田付け装置のII−II線で切断した断面図である。 図1に示す半田付け装置に設けられた駆動機構の一部の分解斜視図である。 基準状態における半田付け装置の鏝先の周囲及びガス供給部を示す図である。 鏝先接触状態における半田付け装置の鏝先の周囲及びガス供給部を示す図である。 半田片投入状態における半田付け装置の鏝先の周囲及びガス供給部を示す図である。 半田片溶融状態における半田付け装置の鏝先の周囲及びガス供給部を示す図である。 半田片流出状態における半田付け装置の鏝先の周囲及びガス供給部を示す図である。 鏝先離間状態における半田付け装置の鏝先の周囲及びガス供給部を示す図である。 半田付け装置が半田付けを1回行うときの分岐流量の変化を示す図である。 本実施形態にかかる半田付け装置の変形例に用いられる鏝先の一例を示す断面図である。 本発明にかかる半田付け装置の他の例の鏝先及びガス供給部を示す図である。 鏝先接触状態における鏝先及びガス供給部を示す図である。 半田片投入状態における鏝先及びガス供給部を示す図である。 半田片溶融状態における鏝先及びガス供給部を示す図である 半田片流出状態における鏝先及びガス供給部を示す図である。 半田付け装置が半田付けを1回行うときの分岐流量の変化を示す図である。 発明にかかる半田付け装置のさらに他の例を示す図である。 基準状態における鏝先を示す図である。 鏝先接触状態における鏝先を示す図である。 半田片投入状態における鏝先を示す図である。 半田片溶融状態における鏝先を示す図である。 半田片流出状態における鏝先を示す図である。 鏝先離間状態における鏝先を示す図である。 半田付け装置が半田付けを1回行うときの配管の圧力の変化を示す図である。 本発明にかかる半田付け装置の他の例を示す図である。 鏝先接触状態における鏝先と窒素ガスの流れを示す図である。 半田片投入状態における鏝先と窒素ガスの流れを示す図である。 半田片溶融状態における鏝先と窒素ガスの流れを示す図である。 半田片流出状態における鏝先と窒素ガスの流れを示す図である。 半田付け装置が半田付けを1回行うときの配管の圧力の変化を示す図である。
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明にかかる半田付け装置の一例の斜視図である。図2は図1に示す半田付け装置のII−II線で切断した断面図である。図3は図1に示す半田付け装置に設けられた駆動機構の一部の分解斜視図である。なお、図1では、筐体及び支持部1の一部を切断し、半田付け装置の内部を表示するようにしている。
図1に示すように半田付け装置Aは、上方から糸半田Wを供給し、下部に設けられた鏝先5を利用して、鏝先5の下方に配置される配線基板Bdと、電子部品Epとを半田付けする装置である。図1及び図2に示すように、半田付け装置Aは、支持部1、カッターユニット2、駆動機構3、ヒーターユニット4、鏝先5、半田送り機構6及びガス供給部7を備えている。
支持部1は、立設された平板状の壁体11を備えている。なお、以下の説明では、便宜上、図1に示すように、壁体11に沿う水平方向をX方向、壁体11と垂直な水平方向をY方向、壁体11に沿う鉛直方向をZ方向とする。例えば、図1に示すように、壁体11はZX平面を有している。
半田付け装置Aは、治具Gjに取り付けられた配線基板Bdと、配線基板Bdに配置された電子部品Epの端子Ndとに溶融半田を供給し、接続固定を行う。半田付けを行うとき、治具GjをX方向及びY方向に移動させ配線基板BdのランドLdとの位置決めを行う。また、そして、半田付け装置AはZ方向に移動可能であり、位置決め後Z方向に移動することで、鏝先5の先端をランドLdに接触させることができる。
支持部1は、壁体11と、保持部12と、摺動ガイド13と、ヒーターユニット固定部14とを備える。壁体11は、鉛直方向に立設された平板状の壁体である。壁体11は、半田付け装置Aの支持部材としての役割を果たしている。保持部12は、壁体11のZ方向の下端部より上方にずれた位置に固定されている。保持部12は、駆動機構3の後述するエアシリンダー31を保持する。ヒーターユニット固定部14は、ヒーターユニット4の固定を行う部材であり、壁体11のZ方向の端部(下端部)に設けられている。
摺動ガイド13は、壁体11のZ方向の下端部の近傍に、固定されている。摺動ガイド13は、カッターユニット2の後述するカッター下刃22と共に、壁体11と固定されており、カッターユニット2の後述するカッター上刃21をX方向に摺動可能にガイドする。
摺動ガイド13は、Y方向に対向して対をなす部材である。摺動ガイド13は、一対の壁部131と、抜止部132とを有している。壁部131は、X方向に延びる平板状の部材である。一方の壁部131は、壁体11と接触して配されており、壁体11と反対側の面は、カッター下端22と接触している。また、他方の壁部131は、カッター下刃22の側面と接触している。つまり、一対の壁部131は、カッター下刃22をY方向の両側から挟んでいる。そして、一対の壁部131及びカッター下刃22は、ねじ等の締結具で壁体11に共締めされて、固定される。
抜止部132は、一対の壁部131のそれぞれに設けられている。一対の壁部131は、カッター下刃22のZ方向上面よりもZ方向に延びており、一対の壁部131のZ方向の上端部から、それぞれ、他方に向かって延びている。すなわち、摺動ガイド13は、一対の抜止部132を備えている。そして一対の抜止部132それぞれのY方向の先端は、接触しない、換言すると、摺動ガイド13には上部に開口を有している。カッター上刃21は、カッター下刃22の上面と、抜止部132との間に少なくとも一部は配される。これにより、カッター上刃21は、X方向にガイドされるとともに、Z方向に抜け止めされる。
カッターユニット2は、半田送り機構6によって送られた糸半田Wを所定長さの半田片Whに切断する切断具である。カッターユニット2は、カッター上刃21と、カッター下刃22と、プッシャーピン23とを備えている。
上述のとおり、カッター下刃22は摺動ガイド13とともに壁体11に固定される。カッター下刃22は、下刃孔221と、ガス流入孔222とを備えている。下刃孔221は、カッター下刃22をZ方向に貫通する貫通孔であり、カッター上刃21の後述する上刃孔211を貫通した糸半田Wが挿入される。下刃孔221の上端の辺縁部は切刃状に形成されている。上刃孔211と下刃孔221とを用いて、糸半田Wを所定長さの半田片Whに切断する。切断された半田片Whは、自重によって又はプッシャーピン23に押されて、下刃孔221の内部を下方に落下する。下刃孔221は、ヒーターユニット4の後述する半田供給孔422を介して、鏝先5の後述する半田孔51と連通している。下刃孔221の内部を落下した半田片Whは、半田供給孔422に達した後、半田孔51に落下する。
ガス流入孔222は、カッター下刃22の外側面と下刃孔221とを連通する孔である。また、ガス流入孔222の外側には、ガスを供給するためのガス供給部7が接続される。すなわち、ガス供給部7から供給されるガスは、ガス流入孔222に流入する。そして、ガスは、下刃孔221、半田供給孔422を通過して、半田孔51に到達する。なお、ガスとは、半田を加熱して溶融するときに半田の酸化を抑制するために用いられるものである。すなわち、溶融した半田と酸素との接触を抑制するためのガスである。ガスとしては、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素等を挙げることができる。本実施形態の半田付け装置Aでは、窒素ガスを供給するものとして説明する。
カッター上刃21は、上述したとおり、カッター下刃22のZ方向上面上に配される。カッター上刃21は、摺動ガイド13によって摺動時に摺動方向がX方向になるようガイドされるとともにZ方向に抜け止めされる。すなわち、カッター上刃21は、カッター下刃22のZ方向の上面上をX方向に摺動する。なお、カッター上刃21は、駆動機構3によって摺動される。
カッター上刃21は、上刃孔211と、ピン孔212とを備えている。上刃孔211は、カッター上刃21をZ方向に貫通する貫通孔である、上刃孔211には、半田送り機構6から送られた糸半田Wが挿入される。上刃孔211の下端の辺縁部は切刃状に形成されている。ピン孔212は、カッター上刃21をZ方向に貫通する貫通孔である。ピン孔212には、プッシャーピン23の後述するロッド部231が、摺動可能に挿入される。
プッシャーピン23は、ロッド部231と、ヘッド部232と、バネ233とを有する。ロッド部231は、円柱状の部材であり、ピン孔212に摺動可能に挿入される。また、プッシャーピン23がZ方向下に移動することで、ロッド部23の先端が、ピン孔212から突出する。ヘッド部232はロッド部231の軸方向の上端に連結される。ヘッド部232は、ピン孔212の内径よりも大きい外径を有する円板形状である。ヘッド部232は、ピン孔212に挿入されない。すなわち、ヘッド部232は、ロッド部231のピン孔212内への移動を制限する、いわゆる、ストッパーとしての役割を果たす。
バネ233は、ロッド部231の径方向外側を囲む圧縮コイルばねである。バネ233は、Z方向下端部がカッター上刃21の上面と接触し、Z方向上端部がヘッド部232の下面と接触する。すなわち、バネ233は、カッター上刃21の上面から反力を受け、ヘッド部232をZ方向上に押す。これにより、ヘッド部232と連結されたロッド部231は、Z方向上方に持ち上げられ、ロッド部231の下端が、ピン孔212の下端から突出しないように維持される。なお、ロッド部231のZ方向下端部には、ピン孔212からの抜けを抑制する抜けとめ(不図示)が設けられている。
プッシャーピン23は、カッター上刃21とカッター下刃22で切断されて下刃孔221に残った半田片Whを下方に押す。そして、プッシャーピン23は、ばね233の弾性力によって、常に上方に、すなわち、カッター下刃22と反対側に押し上げられている。つまり、ロッド部231は、ヘッド部232が押されたときに、ピン孔212のZ方向下端部から下に突出する。そして、ヘッド部232は、駆動機構3の後述するカム部材33に押される。
カッター上刃21において、上刃孔211とピン孔212とはX方向に並んで設けられている。カッター上刃21は、X方向に摺動することで、上刃孔211と下刃孔221とが上下に重なる位置、又は、ピン孔212と下刃孔221とが上下に重なる位置に移動する。なお、カッター上刃21は、一方の摺動端部まで摺動したときに上刃孔211と下刃孔221とが重なり、他方の摺動端部まで摺動したときにピン孔212と下刃孔221とが重なるように、摺動してもよい。
そして、上刃孔211と下刃孔221とがZ方向に重なっている状態で、半田送り機構6から糸半田Wが送られると、上刃孔211を通過した糸半田Wが、下刃孔221に挿入される。上述のとおり、上刃孔211の下端の辺縁部が切刃状に形成されているとともに、下刃孔221の上端の辺縁部も切刃状に形成されている。そして、カッター上刃21の下面は、カッター下刃22の上面と接触している。そのため、下刃孔221に糸半田Wが挿入されている状態で、カッター上刃21がX方向に摺動することで、上刃孔211および下刃孔221それぞれの切刃によって糸半田Wが切断される。
カッター上刃21は、カム部材33によってX方向に摺動される。そのため、カッター上刃21及びプッシャーピン23は、カム部材33と同期している。カム部材33は、ピン孔212が下刃孔221とZ方向に重なったときに、ヘッド部232を押す。そのため、カッター上刃21がX方向に摺動するときには、プッシャーピン23のロッド部231の先端は、ピン孔212に収容されている。そのため、カッター上刃21がX方向に摺動するときに、ロッド部231の先端とカッター下刃22の上面とが接触するのを抑制し、ロッド部231の先端及び(又は)カッター下刃22の変形、破損等が抑制される。
カッター上刃21がX方向に摺動することで、下刃孔211とピン孔212とがZ方向に重なる。ピン孔212が下刃孔211と重なっている状態で、ヘッド部232はカム部材33に押される。これにより、プッシャーピン23が、Z方向下に移動する。プッシャーピン23がピン孔212からZ方向下方に突出すると、プッシャーピン23の一部が下刃孔211に挿入される。下刃孔211の入り口に糸半田を切断した後述の半田片が残っている場合、プッシャーピン23の先端が半田片を押して、半田片は落下する。
図1、図2に示すように、駆動機構3は、エアシリンダー31と、ピストンロッド32と、カム部材33と、スライダー部34と、ガイド軸35とを有する。エアシリンダー31は保持部12に保持される。エアシリンダー31は、有底円筒状である。エアシリンダー31の内部には、ピストンロッド32が収容されており、外部から供給される空気の圧力でピストンロッド32を摺動駆動(伸縮)させる。エアシリンダー31とピストンロッド32とが駆動機構3のアクチュエーターを構成している。ピストンロッド32は、エアシリンダー31の内部に配されるとともに、一部が常にエアシリンダー31の軸方向の一方の端部(ここでは、Z方向の下端部)から、突出している。エアシリンダー31は、ピストンロッド32が突出する面がカッターユニット2に向くように、すなわち、Z方向下に向くように、保持部12に保持される。
ピストンロッド32は、保持部12に設けられた貫通孔(不図示)を貫通している。ピストンロッド32は、ガイド軸35と平行に設けられており、ガイド軸35に沿って直線的に往復動する。ピストンロッド32の先端部は、カム部材33に固定されており、ピストンロッド32の伸縮によって、カム部材33がZ方向に摺動する。カム部材33の摺動は、ガイド軸35によってガイドされている。
図2に示すように、ガイド軸35は、下端部がカッター下刃22に設けられた凹穴に嵌合されており、カッター下刃22にねじ351でねじ止め固定されている。また、ガイド軸35の上部は、保持部12に設けられた孔を貫通しており、ピン352によって移動が規制されている。つまり、ガイド軸35はねじ351によってカッター下刃22と、ピン352によって保持部12と固定されている。
なお、本実施形態において、ガイド軸35は、ねじ351及びピン352によって固定されているが、これに限定されるものではなく、例えば、圧入、溶接等の固定方法で固定されるものであってもよい。また、本実施形態において、ガイド軸35として円柱状の部材としているが、これに限定されるものではなく、断面多角形状や楕円等を利用してもよい。
図2、図3に示すように、カム部材33は、矩形状の部材であり、長辺の一部を矩形状に切り欠いた凹部330と、カム部材33に連結し、ガイド軸35が貫通する貫通孔を備えた円筒形状の支持部331とを備えている。凹部330には、スライダー部34が(X方向及びZ方向に)摺動可能に配置される。また、支持部331はガイド軸35と平行する方向に延びる形状を有しており、カム部材33のがたつきを抑制するために設けられている。つまり、カム部材33がある程度厚みを有し、がたつきが発生しにくい構成の場合、円筒形状の部分を省略し、貫通孔だけで支持部331を構成してもよい。
そして、カム部材33は、凹部330の中間部分に設けられて中心軸がガイド軸35と直交する円柱状のピン332と、凹部330と隣接してプッシャーピン23を押すピン押し部333と、支持部331内部に配置された軸受334とを備えている。ピン332は、スライダー部34に設けられた後述するカム溝340に挿入される。また、軸受334は、ガイド軸35に外嵌し、カム部材33ががたつかないように、円滑に摺動させる部材である。
図2、図3に示すように、スライダー部34は、長方形状の板状の部材であり、カッター上刃21と一体的に形成されている。スライダー部34は、板厚方向に貫通するとともに長手方向に延びるカム溝340を備えている。カム溝340は、ガイド軸35と平行に延びる第1溝部341を上側に、同じくガイド軸35と平行に延びる第2溝部342を下側に設けている。そして、第1溝部341と第2溝部342とは、X方向にずれて設けられており、カム溝340は第1溝部341と第2溝部342とを接続する接続溝部343を備えている。
カム溝340には、カム部材33のピン332が挿入されており、カム部材33がガイド軸35に沿って移動することで、ピン332がカム溝340の内面を摺動する。ピン332がカム溝340の接続溝部343に位置するとき、接続溝部343の内面を押す。これにより、スライダー部34及びスライダー部34に一体的に形成されたカッター上刃21がカム部材33の摺動方向(Z方向)と交差する方向(X方向)に移動(カッター下刃22に対して摺動)する。
なお、本実施形態では、カム部材33にピン332、スライド部34にカム溝340を備えた構成を挙げて説明しているが、実際には、カム部材にカム溝、スライド部にピンを備えた構成であってもよい。
本実施形態では、駆動機構3のアクチュエーターとして空気圧を用いるものとしているが、これに限定されるものではなく、空気以外の流体(例えば、作動油)を用いるもの(油圧)であってもよい。また、流体を用いるものに限定されるものではなく、モータやソレノイド等の電力を用いるものであってもよい。本実施形態では、1つのアクチュエーターと、カム及びカム溝を用いて、カッター上刃21の摺動とプッシャーピン23の押下を行っているが、これに限定されない。例えば、カッター上刃21の摺動と、プッシャーピン23の押下とを行うように、アクチュエーターを複数個(2個)備えていてもよい。
図1、図2に示すように、半田送り機構6は、糸半田Wを供給する。半田送り機構6は、一対の送りローラ61と、ガイド管62とを備えている。一対の送りローラ61は、支持壁11に回転可能に取り付けられている。一対の送りローラ61は、糸半田Wの側面を挟んで回転することで、糸半田を下方に送る。なお、一対の送りローラ61は、互いに他方に向かって付勢されており、その付勢力で糸半田Wを挟む。送りローラ61の回転角度(回転数)によって、送り出した糸半田Wの長さが測定(決定)されている。
ガイド管62は、弾性変形可能な管体であり、上端は、送りローラ61の糸半田Wが送り出される部分に近接して配置されている。また、ガイド管62の下端は、カッター上刃21の上刃孔211と連通するように設けられている。なお、ガイド管62の下端はカッター上刃21の摺動に追従して移動するものであり、ガイド管62はカッター上刃21が摺動する範囲で過剰に引っ張られたり、突っ張ったりしない長さ、および、形状を有している。
ヒーターユニット4は、半田片Whを加熱し、溶融させるための加熱装置であり、図2に示すように、壁体22の下端部に設けられたヒーターユニット固定部14に固定されている。ヒーターユニット4は、ヒーター41と、ヒーターブロック42とを備える。ヒーター41は、通電により発熱する。ヒーター41は、ここでは、円筒形状のヒーターブロック42の外周面に巻き回された電熱線を有する。
ヒーターブロック42は円筒形状を有しており、軸方向の端部に鏝先5を取り付けるための断面円形状の凹部421と、凹部421の底部の中心部から反対側に貫通した半田供給孔422とを備えている。ヒーターブロック42は、半田供給孔422と下刃孔221とが連通するように、カッター下刃22に接触して設けられている。ヒーターブロック42をこのように設けることで、半田片Whは、下刃孔221から半田供給孔422に移動する。
鏝先5は、円筒形状の部材であり、中央部分に軸方向に延びる半田孔51を備えている。鏝先5は、ヒーターブロック42の凹部421に挿入され、図示を省略した部材によって抜け止めがなされている。また、鏝先5の半田孔51は、ヒーターブロック42の半田供給孔421と連通しており、半田供給孔421から半田片Whが送られる。
鏝先5は、ヒーター41からの熱が伝達されており、その熱で半田片Whを溶融させる。そのため、鏝先5は、高い熱伝導率を有する材料、例えば、炭化ケイ素、窒化アルミ等のセラミックやタングステン等の金属で形成されている。半田付け装置Aにおいて、鏝先5は円筒形状のものとしているが、これに限定されるものではなく、断面多角形又は楕円形の筒形状のものを用いてもよい。半田付けを行う配線基板Bd及び(又は)電子部品Epの端子Ndの形状に合わせて異なる形状のものを用意するようにしてもよい。
ガス供給部7は、半田付け装置Aの外部に設けられたガス供給源GSから供給されるガスを半田付け装置Aに供給する。ガスとして、上述した、不活性ガスを用いることで半田の酸化を防止することが可能である。図2に示すように、ガス供給部7は、配管70と、第1調整部71と、第1計測部72と、第2調整部73と、第2計測部74とを有する。なお、図2では、便宜上、配管70を線図で示しているが、実際にはガスである窒素ガスが漏れない管体(例えば、樹脂管)である。
配管70はガス供給源GSとを接続し、ガス供給源GSからの窒素ガスをガス流入孔222に流入させる配管である。配管70は、主配管701と、分岐配管702と、流入配管703とを有する。主配管701は、ガス供給源GSから窒素ガスが流入する配管である。主配管701の下流側の分岐部で、流入配管703と分岐配管702とに分岐する。そして、流入配管703は、主配管701の分岐部とガス流入孔222とを連通している。すなわち、主配管701を流れた窒素ガスは、流入配管703を通って、ガス流入孔222に流入する。
一方、分岐配管702は、主配管701を流れるガスの一部を外部に流すための配管である。半田付け装置Aにおいて、ガス流入孔222は、下刃孔221、半田供給孔422及び半田孔51に連通しており、半田孔51は、外部に開口している。例えば、半田付け装置Aを作動させた場合、溶融した半田で半田孔51がせき止められる場合がある。この場合、ガス供給源GSから供給されるガスが流れ出る場所がなくなり、配管を損傷する原因になり得る。そこで、配管70には、分岐配管702を設けて、行き場のなくなった窒素ガスを外部に放出している。また、分岐配管702には、配管70内部での窒素ガスの圧力の上昇を抑制する働きもある。
第1調整部71は、主配管701に設けられている。第1調整部71は、流量制御弁を含む構成であり、主配管701を流れる窒素ガスの流量を調整している。なお、第1調整部71は、主配管701から分岐配管702が分岐する分岐点よりもガス供給源GS側に設けられる。すなわち、第1調整部71は、ガス供給源GSからガス供給部7に供給される全窒素ガスの流量を調整している。
第1計測部72は、主配管701の第1調整部71と分岐点との間に配されて、主配管701を流れる窒素ガスの流量を計測する。すなわち、第1計測部72は、第1調整部71から吐出される窒素ガスの流量を計測している。そして、第1計測部72は、計測した窒素ガスの流量が予め決められた流量となるように、第1調整部71に対して、第1調整部71を制御する制御信号を送信している。すなわち、ガス供給部7は、第1調整部71と第1計測部72を用いて、フィードバック制御を行っており、ガス供給源GSから供給される窒素ガスの流量を一定に制御している。なお、第1計測部72の計測結果に基づいて、作業者が手動で第1調整部71を操作して窒素ガスの流量を調整してもよい。また、なんらかの異常により計測した流量が予め決めた基準値と異なる又は予め設定した範囲から外れる場合には、制御部Contは、異常が発生している旨の警報及び(又は)半田付け装置の運転の停止を行ってもよい。
第2調整部73は、分岐配管702に配されている。第2調整部73は、分岐配管702を流れる窒素ガスの流量を絞る絞り弁を含む。第2調整部73を調整することで、分岐配管702に流れる窒素ガスの流量が調整される。第1調整部71で調整されたガスは、分岐点でガス流入孔222と分岐配管702に分かれて流れる。すなわち、第1調整部71で調整されて主配管701を流れる窒素ガスの流量をQ1、第2調整部73で調整されて分岐配管702を流れる窒素ガスの流量を分岐流量Q2、流入配管703を流れる窒素ガスの流量を供給流量Q3とすると、Q1=Q2+Q3の関係が成り立つ。
ガス供給部7は、半田付け時の半田の酸化を抑制するために窒素ガスを供給するものであるため、分岐配管702よりも流入配管703へより多くの窒素ガスが流れるようにすることが好ましい。そのため、第2調整部73では、しぼり弁で分岐配管702を絞り、流量Q2をなるべく小さくしている。なお、第2調整部73では絞り弁を用いて、絞り量を調整できるようにしているが、例えば、オリフィス等の流路抵抗が固定のものを用いてもよい。第2調整部73は一定の絞り量のものを用いており、流入側の圧力が変動すると流量が変動する。
第2計測部74は、分岐部と第2調整部73の間に配されて、分岐部で分岐したガスの流量(すなわち、流量Q2)を計測する。第2計測部74は、制御部Contに接続されており、流量Q2は、制御部Contに送信される。制御部Contは、流量Q2に基づいて、鏝先の状態を判定する。すなわち、制御部Contは、鏝先の状態を判定する状態判定部としての役割を果たす。また、制御部Contは、判定した鏝先の状態に基づいて、半田付け装置Aの制御を行ってもよい。半田付け装置Aの制御としては、例えば、半田付け装置Aの基板Bdへの接近離間、糸半田Wの切断、鏝先5の加熱等を含む。
次に、分岐配管702の流量に基づいて鏝先の状態を判定する判定方法について説明する。なお、ガス供給部7において、ガス流入孔222に流入した窒素ガスは、すべて、鏝先5の半田孔51に流入するものとする。例えば、ガス流入孔222は、下刃孔221と連通しており、下刃孔221は、カッター下刃22をZ方向上下に貫通している。窒素ガスが供給されている状態において、窒素ガスは、下刃案221のZ方向上端から抜けないように、密閉されるものとする。
なお、主配管701を流れる窒素ガスは、ガス供給源GSからのガスを第1調整部71で調整することで流量が調整される。主配管701を流れる窒素ガスの流量は、ガス供給部7に供給される窒素ガスの全流量でもある。すなわち、ガス供給部7に流れる窒素ガスの全流量はQ1である。
第1調整部71に備えられている流量制御弁は、配管内部の圧力にかかわらず、窒素ガスを設定した流量で流し続ける。すなわち、ガス供給部7は、全流量Q1を一定とする流量制御が行われている。そして、第2調整部73には、絞り弁が採用されている。第2調整部73では、分岐配管702の流路面積を絞っているだけであり、配管上流の圧力が上昇すると流量は変動する。すなわち、分岐流量Q2は、圧力によって変動する。
半田付け装置Aにおいて、例えば、半田片Whが半田孔51に供給された場合、半田孔51の軸と直交する断面の一部を半田片Whが占める。そのため、半田孔51の窒素ガスが流れる部分の流路面積が小さくなり、窒素ガスが流れにくくなる、すなわち、流路抵抗が大きくなる。そして、半田孔51の流路抵抗が大きくなると、供給流量Q3が減少する。つまり、鏝先の状態が変化することで、供給流量Q3は変動する。制御部Contは、供給流量Q3、或いは、供給流量Q3の変化に基づいて、鏝先の状態を判定する。例えば、制御部Contは、供給流量Q3の変化とその変化の原因とを関連付けた情報を予め記憶している。制御部Contは、算出した供給流量Q3の変化に基づいて、その原因、すなわち、鏝先の状況を判定する。
全流量Q1を一定に制御しているため、供給流量Q3と分岐流量Q2とは、一対一で変化する。実際には、制御部Contは、分岐流量Q2に基づいて、鏝先の状態を判定している。例えば、供給流量Q3が減少すれば、主配管701の全流量Q1が略一定であるので、分岐流量Q2が増加する。
以下に、鏝先の各状態における分岐流量Q2について、図面を参照して説明する。図4〜図9は、半田付け装置の動作又は鏝先の状態を示す図である。また、図10は、半田付け装置で半田付け作業を1回行うときの分岐流量の変化を示す図である。本実施形態では、基板Bdがスルーホール基板であり、スルーホールThに挿入された端子Ndを半田付けするものとして説明する。
本実施形態では、鏝先の状態として、(a)基準状態、(b)鏝先接触状態、(c)半田片投入状態、(d)半田片溶融状態、(e)半田片流出状態、(f)鏝先離間状態の6個の状態を挙げて説明する。半田付け装置Aでは、1回の半田付け時に、(a)〜(f)の各状態に順に変化する。
(a)基準状態
図4は基準状態における半田付け装置の鏝先の周囲及びガス供給部を示す図である。図4に示すように、半田付装置Aでは、半田付けを行う前段階(例えば、鏝先5をプレヒートする、半田付けを行う基板Bdを変更する等)において、鏝先5は、基板Bdから離している。本実施形態では、鏝先5が基板Bdから離れている状態を基準状態とする。すなわち、半田孔51は、Z方向下端の開口が大気に解放されている。また、本実施形態では、半田付け装置Aが基準状態のときに、ヒーターユニット4を駆動して鏝先5を加熱する。基準状態において、ガス供給源GSから窒素ガスの供給が開始されると、ガス供給部7に窒素ガスが供給される。上述のとおりガス供給部7は、第1調整部71で窒素ガスを全流量Q1に調整している。
図4に示すように、半田付け装置Aが基準状態において、鏝先5の半田孔51の下端部は、外部に開口している。半田孔51の流路抵抗は低い。一方、分岐配管702は、第2調整部73によって、流路が絞られているので流路抵抗が高い。そのため、主配管701を流れる窒素ガスの流量Q1(全流量Q1)の多くは供給配管703に供給流量Q3aとして流れる。制御部Contは、第2計測部73からの流量を取得しており、基準状態において、分岐配管702には、分岐流量Q2aが流れる。分岐流量Q2aは、供給流量Q3aに比べて少ない。
(b)鏝先接触状態
図5は、鏝先接触状態における半田付け装置の鏝先の周囲及びガス供給部を示す図である。半田付け装置Aでは、基準状態の後に半田付けを行うため、鏝先5を基板BdのランドLdに接触させる。半田付け装置Aでは、鏝先5をランドLdに接触させることで、ランドLdを半田付けに適切な温度に昇温させる(プレヒート)。
そして、鏝先5をランドLdに接触させることで、鏝先5の半田孔51がランドLdによって塞がれる。基板BdはスルーホールThに貫通させた端子Ndを半田付けするものであり、図5に示すように、電子部品の端子NdのZ方向の上端部が半田孔51に挿入される。また、半田孔51を通過した窒素ガスは、端子Ndが挿入されたスルーホールThから外部に流出する。
端子Ndが挿入されたスルーホールThの窒素ガスが抜ける部分が窒素ガスの流路であり、その流路面積は、半田孔51の軸と直交する面で切断した断面積よりも小さい。鏝先接触状態のとき、半田孔51の先端側に、流路抵抗が形成される、すなわち、供給配管703の流路抵抗が、基準状態よりも大きくなる。これにより、供給流量Q3bは基準状態のときよりも少なくなる。結果として、分岐配管702に基準状態よりも多くの窒素ガスが流入する。このとき、分岐配管702には、分岐流量Q2bが流れる。分岐流量Q2bは、分岐流量Q2aよりも大きい。
(c)半田片投入状態
図6は、半田片投入状態における半田付け装置の鏝先の周囲及びガス供給部を示す図である。半田付け装置Aでは、鏝先5をランドLdに接触させて、プレヒートを行い、ランドLdを適切な温度に昇温した後に、半田片Whを半田孔51に投入する。なお、ランドLdのプレヒートの制御は、温度センサーでランドLdの温度を直接検出し、その温度で制御してもよいし、鏝先5とランドLdの接触時間で制御してもよい。
そして、プレヒートが終了したタイミングで、半田片Whを半田孔51に投入する。なお、半田片Whはカッター上刃21とカッター下刃22で糸半田Wを切断して形成する。自重又はプッシャーピン23で押されることで、半田片Whは落下し、下刃孔221、半田供給孔422を通過して、半田孔51に投入される。半田片Whは、半田孔51に挿入されている端子Ndに接触して、半田孔51の内部で停止する。このように、半田片Whが半田孔51の途中で停止することで、半田孔51の窒素ガスが通過する流路面積は、小さくなる。これにより、半田片投入状態のときには、鏝先接触状態のときに比べて、供給配管703の流路抵抗が大きくなる。半田片投入状態のときの供給流量Q3cは、鏝先接触状態に比べて少なくなる。
結果として、分岐配管702に鏝先接触状態よりも多くの窒素ガスが流入する。このとき、分岐配管702には、分岐流量Q2cが流れる。分岐流量Q2cは、分岐流量Q2bよりも大きい。
(d)半田片溶融状態
図7は、半田片溶融状態における半田付け装置の鏝先の周囲及びガス供給部を示す図である。半田付け装置Aでは、鏝先5はヒーターユニット4によって加熱されており、半田孔51に投入された半田片Whは、鏝先5によって加熱され溶融される。溶融した半田片Whは粘度の高い液体である。そして、半田孔51は、溶融した半田片によって塞がれる。これにより、半田孔51から窒素ガスが外部に漏れない又は漏れにくくなる。
すなわち、半田片Whが溶融することで、供給配管703の窒素ガスの流量、すなわち、供給流量Q3dは半田片投入状態に比べて少なくなる。結果として、分岐配管702には、半田片投入状態よりも多くの窒素ガスが流入する。このとき、分岐配管702には、分岐流量Q2dの窒素ガスが流れる。分岐流量Q2dは、分岐流量Q2cよりも大きい。
(e)半田片流出状態
図8は、半田片流出状態における半田付け装置の鏝先の周囲及びガス供給部を示す図である。溶融した半田片Whが流出すると、溶融した半田片WhはスルーホールThを塞ぐ。そして、鏝先5は、ランドLdと接触している。これにより、半田孔51に流入した窒素ガスは、半田孔51から外部に漏れない又は漏れにくい。すなわち、半田片流出状態では、供給配管703の窒素ガスの流量、すなわち、供給流量Q3eは、半田片溶融状態と同程度に少ない。結果として、分岐配管702には、半田片溶融状態と同じか略同じ量の窒素ガスが流入する。このとき、分岐配管702には、分岐流量Q2eが流れる。分岐流量Q2eは、分岐流量Q2dと同じか略同じである。なお、鏝先5は、常にヒーターユニット4によって加熱されているため、溶融した半田片Whは、すべて鏝先5の外部、すなわち、ランドLdと電子部品Epの端子Ndとに流出する。
(f)鏝先離間状態
図9は、鏝先離間状態における半田付け装置の鏝先の周囲及びガス供給部を示す図である。半田付け装置Aでは、ランドLdと電子部品Epの端子Ndとの半田付けが終了すると、鏝先5をランドLdから離間させる。半田片流出状態において、溶融した半田片Whは全量又は略全量が半田孔51の外部に流出している。そのため、半田孔51は、半田付け前の状態、すなわち、基準状態と同じ状態に戻る。鏝先をランドLdから離間させたとき、分岐配管702に分岐流量Q2fが流れているとすると、分岐流量Q2fは、分岐流量Q2eよりも少なく、分岐流量Q2aと同じか略同じである。
上述のとおり、分岐流量Q2a〜Q2d(Q2e)は、各状態によって異なる値になる。制御部Contは、予め分岐流量Q2a〜Q2d(Q2e)の基準となる値をデータベースとして記憶しておき、第2測定部73から取得した分岐流量Q2のデータと比較することで、現在の鏝先の状態を判定することができる。
また、(d)半田片溶融状態の分岐流量Q2dと(e)半田片流出状態の分岐流量Q2eとがほぼ同じであることから、分岐流量Q2から状態の判定が困難な場合もある。そこで、制御部Contは、分岐流量Q2の時間変化も考慮して、鏝先の状態を検出してもよい。例えば、第2計測部74が分岐流量Q2dを検出してから所定時間経過したことによって、制御部Contは、鏝先5が(d)半田片溶融状態から(e)半田片流出状態に変化したと判断してもよい。
半田付け装置Aでは、鏝先の状態が(a)基準状態、(b)鏝先接触状態、(c)半田片投入状態、(d)半田片溶融状態、(e)半田片流出状態、(f)鏝先離間状態の順に変化する。そして、各状態での分岐流量Q2は、図10に示すグラフに示すとおりになる。図10は、半田付け装置Aが半田付けを1回行うときの分岐流量Q2の変化を示している。図10では、縦軸が分岐流量Q2、横軸が時間である。なお、図10に示す流量値Q2a、Q2b、Q2c、Q2d、Q2e及びQ2fは、基準値である。
図10に示すように、第1領域Ar1は、鏝先が(a)基準状態のときである。第1領域Ar1において、分岐流量Q2aとなっている。図10における、第2領域Ar2は、鏝先が(b)鏝先接触状態である。鏝先が(a)基準状態から(b)鏝先接触状態に変わると分岐流量Q2aが分岐流量Q2bに変化する。分岐流量Q2は、鏝先5のランドLdへの接触によって変化するため分岐流量Q2aから分岐流量Q2bには、急激に変化する。すなわち、図10において、第1領域Ar1から第2領域Ar2への変化は急峻である。
また、図10における、第3領域Ar3は、鏝先が(c)半田片投入状態である。半田孔51に半田片Whが投入されると、分岐流量Q2bが分岐流量Q2cに変化する。半田孔51への半田片Whの投入よって流路面積が急に変化するため、分岐流量Q2bから分岐流量Q2cへは急激に変化する。すなわち、図10において、第2領域Ar2から第3領域Ar3への変化は急峻である。
図10における、第4領域Ar4は、鏝先が(d)半田片溶融状態のときである。半田孔51に半田片Whが溶融されると、分岐流量Q2cが分岐流量Q2dに変化する。半田孔51における半田片Whの溶融によって流路面積が変化する。半田片の溶融は、まず、フラックスが溶融した後に、半田が溶融する。フラックスはゆっくり溶融し、半田は急激に溶融する。分岐流量Q2cから分岐流量Q2dへは、最初ゆっくり変化し、一定の変化ののち急激に変化する。すなわち、図10において、第3領域Ar3から第4領域Ar4への変化は最初ゆっくりで、その後急激に変化する。
また、上述のとおり、(d)半田片溶融状態の分岐流量Q2dと、(e)半田片流出状態の分岐流量Q2eとは、同じまたはほぼ同じである。そのため、一定時間、分岐流量Q2dから変化しない。
以上のとおり、鏝先の分岐配管702の窒素ガスの流量である分岐流量Q2は、その値だけでなく、状態が変化するときの分岐流量Q2の変化の割合(急激に変化する又はゆっくり変化する)にも特徴を有する。
半田付けの工程が正常に行われているかの判定は、次のように行われる。まず、予め半田付け状態における分岐流量の基準値の範囲を設定する。そして、各半田付け状態における基準値の範囲と計測された分岐流量との比較によって判定を行う。例えば、(c)半田投入状態における判定について説明する。まず、(c)半田投入状態であるAr3の時間帯において基準値の上限値Qx1、下限値Qy1を設定する。上限値Qx1、下限値Qy1は、それぞれ、Qx1=Q2c+x1及びQy1=Q2c−y1(x1、y1は正の数)で表される値である。そして、半田付け工程においてAr3の時間帯に計測された分岐流量Q2が上限値Qx1から下限値Qy1の間の範囲から逸脱したとき、制御部Contは、半田付け工程に異常があったとして警報あるいは運転の停止を行ってもよい。なお、x1、y1の一方が0であってもよい。
また、前述のx1やy1よりも小さな値であるx2やy2を用いて、第2上限値Qx2=Q2c+x2及び第2下限値値y2=Q2c−y2を設定し、Ar3の時間帯に計測された分岐流量Q2が第2上限値Qx2から第2下限値Qy2の範囲外に逸脱した場合に、制御部Contは、作業者に注意を報知することもできる。なお、x2、y2の一方が0であってもよい。以上の説明では、第1上限値及び下限値を用いて警報或いは運転の停止を行う1段階のもの又は第2上限値及び下限値をさらに用いて注意、基準値を用いて警報或いは運転の停止を行う2段階のものを挙げているが、これらは一例であり、さらに多くの基準値を用いて、注意或いは警報を2段階以上で行ってもよい。また、(c)半田投入状態以外の状態のときにも同様に基準値の範囲が設けられており、基準値の範囲と測定された分岐流量とを比較することで、半田付けの工程が正常に行われているか判定する。
また、時間と流量に関係なく、半田が溶融もしくは流出すれば分岐流量Q2は最大値まで増加する。制御部Contは、分岐流量のピーク値(ここでは、分岐流量Q2d)付近の値を検出したときに、半田の溶融が行われたと判定することもできる。
さらに、鏝先の以上のような状態の変化の外、鏝先に異物の付着や混入など何らかの異常が発生したことも判定することが可能である。例えば、第2計測部74から制御部Contに対して送られる分岐流量Q2が、分岐流量Q2aから分岐流量Q2bにゆっくり変化したとする。図10に示すように、通常では、(a)基準状態から(b)鏝先接触状態へは、分岐流量Q2は急激に変化する。そうすると、通常とは異なって現在の分岐流量Q2がゆっくり変化しているため、鏝先が(a)基準状態から(b)鏝先接触状態に変化しているのではなく、異物の付着や混入等など何らかの異常が発生していると判定することが可能となる。なお、半田付け装置が何らかの異常と判定した場合には、制御部Contは、異常があった旨の警報及び(又は)運転の停止を行ってもよい。
このような異常判定をも行うためには、制御部Contは、予め、図10に示すような、半田付け1回における分岐流量の時間変化を示すテーブルを記憶しておき、第2測定部74からの分岐流量のデータを時系列に並べて、挙動及び値を比較することで鏝先の状態を判定するようにする。このような判定方法を用いることで、鏝先の状態をより正確に判定することができる。
なお、制御部Contは、第1計測部72が計測した主配管701を流れる窒素ガスの全流量(計測全流量とする)を取得してもよい。そして、制御部Contは、計測全流量が予め決められた全流量と異なる場合において、その差が一定範囲内の場合には、全流量Q1を計測全流量に補正するとともに、各状態を判定するときの分岐流量(ここでは、Q2a、Q2b、Q2c、Q2d等)を計測全流量に基づいて補正し、その補正値を用いて各状態の判定を行ってもよい。さらには、計測全流量と予め想定している全流量との差が、一定範囲を超える場合には、制御部Contは、状態の判定を中止するとともに、異常が発生している旨の警報及び(又は)運転の停止を行ってもよい。
(第1変形例)
上述した実施形態では、半田片Whの太さ及び長さが一定である場合で説明している。しかしながら、糸半田Wの送りには、ばらつきが生じる場合がある。また、半田付けを行う面積が大きい等によって、半田片Whの形、大きさを意図的に変更する場合もある。このような場合、制御部Contは、(b)鏝先接触状態の分岐流量Q2bから分岐流量Q2が変動したときの変動の大きさ、変動の挙動に基づいて、投入された半田片Whの形状、大きさ等を判定してもよい。なお、異なる大きさ、形状の半田片を投入する可能性がある場合、制御部Contは、各大きさ、形状の半田片Whごとに、各状態における分岐流量の基準値及び(又は)その時間変化を示すテーブルをデータベースとして備えていることが好ましい。
(第2変形例)
本実施形態にかかる半田付け装置の変形例について図面を参照して説明する。図11は、本実施形態にかかる半田付け装置の変形例に用いられる鏝先の一例を示す断面図である。図11に示すように、第3変形例の半田付け装置に用いられる鏝先5aは、半田孔51aの内部に、半田片Whが端子Ndと接触する前に、半田片Whを停止させる半田片停止部511が設けられている。
図11に示すように、半田片停止部511は、Z方向下方に向かって内径が減少するテーパ形状となっている。半田片停止部511に半田片が到達すると、半田片511によって、半田孔51aの隙間が小さくなる。これにより、(c)半田投入状態のときの供給配管703の流路抵抗が大きくなる。これにより、第3変形例において、(c)半田片投入状態のときの分岐流量が大きくなる。そして、(b)鏝先接触状態と、(c)半田片投入状態のそれぞれのときの分岐流量の差が大きくなるため、制御部Contは、(b)鏝先接触状態と、(c)半田片投入状態とを判別しやすい。また、半田片Whが、半田片停止部511に到達する前に、半田孔51aの内部で停止する場合がある。この場合、半田片による流路抵抗が、半田片Whが半田片停止部511に到達しているときに比べて小さくなる。このことを利用することで、制御部Contは、半田片Whが半田片停止部511に到達したこと、すなわち、半田片Whを確実に投入できたことを判定することができる。
本実施形態では、半田付け装置Aが半田付けを行うときにとり得る状態として、(a)基準状態、(b)鏝先接触状態、(c)半田片投入状態、(d)半田片溶融状態、(e)半田片流出状態、(f)鏝先離間状態の6つの状態を挙げているが、これ以外の状態を判定するようにしてもよい。
(第3変形例)
上述の実施形態では、鏝先5が半田を溶融できる高温の状態にある場合で説明している。しかしながら、ヒーター41の故障等によって鏝先5が半田を溶融するために設定された正常温度範囲内から外れる場合もあり得る。鏝先5を通過する窒素ガスは、鏝先5の温度によって、膨張する程度や粘度が異なるため、流路抵抗も増減し、その結果、窒素ガスの流量も変化する。例えば、鏝先5の温度が低下すると窒素ガスの体積は減少し、粘度も低くなるので半田孔51における窒素ガスの流量は増加する。このことを利用して、制御部Contは、半田孔51を大気に開放している状態、すなわち、鏝先5が(a)基準状態のときの分岐流量Q2aを記憶しておき、記憶している分岐流量Q2aと計測した分岐流量Q2とに基づいて、鏝先5の温度を判定することが可能である。
また、供給されるガスの種類が、窒素と空気或いは酸素との混合ガスのように変化した場合も、流路抵抗が変化するため、分岐流量Q2に差異が生じる。このことを利用して、制御部Contは、半田孔51を大気に開放している状態、すなわち、鏝先5が(a)基準状態のときの分岐流量Q2aを記憶しておき、記憶している分岐流量Q2aと計測した分岐流量Q2とに基づいて、供給されているガスが窒素ガス(供給されるべきガス)であるか否か判定できる。これにより、制御部Contは、例えば、ガス配管接続の誤りを検出することが可能である。
以上示した本実施形態では、分岐流路702に流量計測を行う第2計測部74を設けて分岐流路の流量の変化に基づいて鏝先5の状態を判定するようにしたが、供給流路703に第2計測部74を設けて供給流路703を流れる窒素ガスの流量(供給流量)を直接計測し、供給流量の流量変化に基づいて鏝先5の状態の判定を行ってもよい。この場合各状態における流量の変化は、上述した分岐流量と逆方向の挙動を示す。すなわち、供給流量と時間との関係は、図10に示すテーブルとは上下逆転した挙動を示す。供給流量は、(a)基準状態のときに最大流量となり、(d)半田片溶融状態のときに最小流量となる。
第1変形例、第2変形例及び第3変形例の動作は、例えば、一定の周期ごとに行うものとすることができる。一定の周期とは、例えば、時間で管理してもよいし、半田付け回数で管理してもよい。また、半田付け装置Aの電源投入直後及び工程終了時に行うようにしてもよい。また、ランダムなタイミングで行うようにしてもよい。
(第2実施形態)
本実施形態にかかる半田付け装置の他の例について図面を参照して説明する。図12は、本発明にかかる半田付け装置の他の例の鏝先及びガス供給部を示す図である。なお、図12に示す半田付け装置Bでは、鏝先5bに半田孔51と外周面とを貫通するガスリリース部52を備えている。それ以外は、第1実施形態の半田付け装置Aと同じ構成を有している。そのため、実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。
図12に示すように、半田付けを行うとき、鏝先5の半田孔51には、電子部品Epの端子Ndが挿入される。そして、カッターユニット2で糸半田Wから切断された半田片Whは、端子Ndと接触した状態で、鏝先5に加熱されて溶融する。このとき、半田孔51の半田片Whが溶融する部分を溶融領域510とすると、ガスリリース部52は、半田孔51の溶融領域510と鏝先5のZ方向下端との間の部分と外周面とを連通している。
なお、本実施形態において、ガスリリース部52は、鏝先5の外周面と半田孔51とを連通する貫通孔形状のものとしているが、これに限定されるものではない。例えば、半田孔51の溶融領域510と鏝先5のZ方向下端との間に半田孔51と鏝先5の外周面とを連通するように形成された切欠き形状であってもよい。また、上述の貫通孔、スリット以外にも、ガスリリース部52として、(b)鏝先接触状態及び(e)半田片流出状態のときに半田孔51の窒素ガスを鏝先5の外部に流出させることができる形状を広く採用することができる。
このような半田付け装置Bを用いたときの、制御部Contによる鏝先の状態の判定について、図面を参照して説明する。図13は、鏝先接触状態における鏝先及びガス供給部を示す図である。図14は、半田片投入状態における鏝先及びガス供給部を示す図である。図15は、半田片溶融状態における鏝先及びガス供給部を示す図である。図16は、半田片流出状態における鏝先及びガス供給部を示す図である。
半田付け装置Bにおいて、1回の半田付けにおける鏝先の取り得る状態は、第1実施形態と同じ、つまり、(a)基準状態、(b)鏝先接触状態、(c)半田片投入状態、(d)半田片溶融状態、(e)半田片流出状態、(f)鏝先離間状態である。そして、(a)基準状態、(f)鏝先離間状態に関しては、第1実施形態の半田付け装置Aと実質的に同じである。なお、(b)鏝先接触状態、(c)半田片投入状態、(e)半田片流出状態、の各状態において、分岐配管702を流れる窒素ガスの流量は、第1実施形態のときよりも少なくなる。そのため、分岐流量Q2を分岐流量Q22として説明する。例えば、(b)鏝先接触状態のとき、分岐配管702を流れる窒素ガスの流量を分岐流量Q22bとする。各状態でも同様に、(c)半田片投入状態及び(e)半田片流出状態のそれぞれの分岐流量を、分岐流量Q22c、Q22eとする。
第2実施形態と第1実施形態との相違点は、(d)半田片溶融状態及び(e)半田片流出状態のそれぞれの分岐流量Q2d及びQ22eの変化にある。(d)半田片溶融状態(図15)では第1実施形態と同様に溶融した半田片Whによって半田孔51が塞がれるため、分岐流量Q2dは第1実施形態のときと同等の大きさとなる。次の工程の(e)半田片流出状態(図16)ではスルーホールThを塞ぐ一方でガスリリース部52より窒素ガスが流出するので、供給配管703の流量Q3eが増加し、分岐配管702の流量Q22eが減少する。第1実施形態では(d)半田溶融状態から(e)半田片流出状態への状態変化時の分岐流量の変化が小さい(或いはほとんどない)のに対し第2実施形態では前述の状態変化時の流量変化が大きくなり、状態変化の判定を容易に行うことができる。
また、(b)鏝先接触状態のときスルーホールThとガスリリース部52とから窒素ガスが流れるため、第1実施形態と比較して分岐配管702の流量Q22bは小さくなる。そして、(d)半田溶融状態のとき半田孔51が塞がれるため、第1実施形態と同一の分岐流量Q2dになる。このため、(b)鏝先接触状態での分岐流量Q22bと(d)半田溶融状態での分岐流量Q2dとの差が、第1実施形態の(b)鏝先接触状態での分岐流量Q2bと(d)半田溶融状態での分岐流量Q2dとの差よりも大きい。これにより、(c)半田片投入状態と(d)半田片溶融状態の判別を容易に行うことができる。
なお、ガスリリース部52の大きさを変更することにより(b)鏝先接触状態と(e)半田片流出状態におけるそれぞれの分岐流量Q22bとQ2eの流量値を変更することができる。また、ガスリリース部52を設けることにより、溶融した半田がスルーホールTh内に流入した後、半田孔51内の圧力が低下するので、スルーホールTh内の溶融半田を押し出すことを防止できる。
そして、各状態での分岐流量Q2は、図17に示すグラフに示すとおりになる。図17は、半田付け装置が半田付けを1回行うときの分岐流量の変化を示している。図17では、縦軸が分岐流量Q2、横軸が時間である。なお、以下の説明では、図10と異なる挙動を示す部分についてのみ説明するものとする。
図17に示すように、ガスリリース部52を備えた鏝先5bを用いることで、(d)半田孔溶融状態を示す第4領域Ar4(分岐流量Q2d)の後に、分岐流量Q22eの(e)半田片流出状態を示す第5領域Ar5が現れる。
このように、鏝先5bにガスリリース部52を設けることで、(d)半田孔溶融状態における分岐配管702での窒素ガスの流量である分岐流量Q2dと、(e)半田片流出状態おける分岐配管702での窒素ガスの流量である分岐流量Q22eとを異なる値とすることができる。これにより、制御部Contは、(e)半田片流出状態、すなわち、電子部品Epの端子NdとランドLdとを半田付けが完了したことをより正確に検知することができる。
なお、本実施形態においても、制御部Contは、各状態における分岐流量をデータベースとして記憶して、第2測定部74からの分岐流量のデータと比較することで鏝先の状態を判定してもよい。また、図17に示すような、分岐流量の時間変化を示すテーブルを記憶しておき、第2測定部74からの分岐流量のデータを時系列に並べて、挙動及び値を比較することで、鏝先の状態を判定してもよい。
本実施形態においても、制御部Contは、第1実施形態の「第1変形例」と同様の操作が可能である。また、第1実施形態の「第2変形例」に示すような、半田片停止部を備えた鏝先を用いることで、第1実施形態の「第2変形例」と同様の操作が可能である。
(第3実施形態)
本発明にかかる半田付け装置のさらに他の例について図面を参照して説明する。図18は、本発明にかかる半田付け装置のさらに他の例を示す図である。図18に示す半田付け装置Cでは、鏝先5cとガス供給部7cが異なる以外、半田付け装置Aと実質上同じ構成を有している。そのため、半田付け装置Cにおいて、半田付け装置Bと実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。
図18に示すように半田付け装置Cの鏝先5cは、半田孔51の投入された半田片Whが溶融する溶融領域510よりも上方、すなわち、窒素ガスが流れる方向において上流側と、外周面とを連通するリリース孔53を備えている。リリース孔53は、半田孔51の窒素ガスと共に半田片の溶融時に気化したフラックスを逃がす孔である。リリース孔53の内径は、半田孔51の内径よりも小さい。すなわち、リリース孔53は、半田孔51に比べて流路抵抗が大きい。
また、図18に示すようにガス供給部7cは、ガス供給源GSとガス流入孔222とをつなぐ配管70cに第1調整部71、第1測定部72及び第2測定部75が設けられている。なお、ガス供給部7cにおいて、ガス供給部7と同じ部分についても、同じ符号を付すとともに詳細な説明は省略する。
第2測定部75は、配管70cの第1測定部72とガス流入孔222との間に設けられている。そして、第2測定部75は、配管70cの内部の窒素ガスの圧力を測定する圧力計を含む構成となっている。第2測定部75は、配管70c内部の圧力を測定し、その測定結果を制御部Contに送信する。制御部Contは、配管70cの圧力及び(又は)圧力の変化に基づいて、鏝先の状態を判定する。
以下に、制御部Contによる鏝先の状態の判定について図面を参照して説明する。なお、本実施形態において、半田付け装置Cが1回の半田付けを行うときの鏝先の取り得る状態は、第1実施形態と同じである。すなわち、(a)基準状態、(b)鏝先接触状態、(c)半田片投入状態、(d)半田片溶融状態、(e)半田片流出状態、(f)鏝先離間状態である。
以下に、鏝先の各状態における配管70c内部の窒素ガスの圧力P1について、図面を参照して説明する。図19〜図24は、上述の各状態における鏝先を示す図である。また、図25は、半田付け装置で半田付け作業を1回行うときの圧力の変化を示す図である。本実施形態では、基板Bdがスルーホール基板であり、スルーホールThに挿入された端子Ndを半田付けするものとして説明する。
半田付け装置Cでは、1回の半田付け時に、(a)〜(f)の各状態に順に変化する。なお、各状態における窒素ガスの挙動等については、第1実施形態と同じである部分の詳細は省略する。窒素ガスの流出を矢印Gaで示す。
(a)基準状態
図19は基準状態における鏝先を示す図である。図19に示すように、(a)基準状態では、半田孔51は、Z方向下端の開口が大気に解放されている。そのため、ガス供給部7cから半田孔51に窒素ガスが供給されても、配管70c内の圧力は、一定である。(a)基準状態における配管70cの圧力P1を圧力P1aとする。(a)基準状態において、鏝先5cは、半田孔51の下端が大気解放されているため、リリース孔53から外部に流れる窒素ガスは少量である。
(b)鏝先接触状態
図20は、鏝先接触状態における鏝先を示す図である。鏝先5cをランドLdに接触させることで、鏝先5cの半田孔51がランドLdによって塞がれる。そして、半田孔51の窒素ガスは、リリース孔53と端子Ndが挿入されたスルーホールThから外部に流出する。
半田孔51の下端からの窒素ガスの流出は、端子Ndが挿入されたスルーホールThの部分のみとなり、配管70cの流路抵抗は、(a)基準状態よりも高くなり、(b)鏝先接触状態における配管70cの窒素ガスの圧力P1bは、(a)基準状態よりも高くなる。
(c)半田片投入状態
図21は、半田片投入状態における鏝先を示す図である。(c)半田片投入状態において、半田孔51に半田片Whが投入されると、半田片Whは、半田孔51に挿入されている端子Ndに接触して、半田孔51の内部で停止し、半田孔51の窒素ガスが通過する流路面積が小さくなる。これにより、(c)半田片投入状態のときには、(b)鏝先接触状態のときに比べて、配管70cの流路抵抗が大きくなる。
結果として、(c)半田片投入状態における配管70cの圧力P1cは、(b)鏝先接触状態の圧力P1bよりも高くなる。
(d)半田片溶融状態
図22は、半田片溶融状態における鏝先を示す図である。(d)半田片溶融状態 において、半田片Whは、鏝先5によって加熱され、半田孔51のZ方向下端部は溶融した半田片Whによって塞がれる。(d)半田片溶融状態のときには、(c)半田片投入状態のときに比べて、配管70cの流路抵抗が大きくなる。
結果として、配管70cの窒素ガスの圧力は、(c)半田片投入状態よりも高くなる。(d)半田片溶融状態における配管70cの圧力P1dは、圧力P1cよりも高くなる。
(e)半田片流出状態
図23は、半田片流出状態における鏝先を示す図である。(e)半田片流出状態において、半田孔51のZ方向下端部は、ランドLd及びスルーホールThを塞いだ溶融した半田によって塞がれる。(e)半田片流出状態のときと(d)半田片溶融状態とで配管70cの流路抵抗は等しい又は略等しい。
結果として、配管70cの窒素ガスの圧力は、(d)半田片投入状態とほぼ同じである。(e)半田片流出状態における配管70cの圧力P1eは、圧力P1dと同じ又はほぼ同じである。
(f)鏝先離間状態
図24は、鏝先離間状態における鏝先を示す図である。半田付け装置Cでは、ランドLdと電子部品Epの端子Ndとの半田付けが終了すると、鏝先5をランドLdから離間させる。半田孔51のZ方向下端は、大気解放される。すなわち、(f)鏝先離間状態は(a)基準状態と同じ状態に戻る。(f)鏝先離間状態の配管70cの圧力P1fは、圧力P1aと同じとなる。
上述のとおり、配管70cの圧力P1a〜P1d(P1e)は、各状態によって異なる値になる。制御部Contは、予め圧力P1a〜P1d(P1e)の基準となる値をデータベースとして記憶しておき、第2測定部75から取得した配管70cの圧力P1のデータと比較することで、現在の鏝先の状態を判定することができる。
また、(d)半田片溶融状態の配管70cの圧力P1dと(e)半田片流出状態の配管70の圧力P1eとがほぼ同じであることから、配管70cの圧力から状態の判定が困難な場合もある。そこで、制御部Contは、配管70cの圧力P1の時間変化も考慮して、鏝先の状態を検出してもよい。
半田付け装置Cでは、鏝先の状態が(a)基準状態、(b)鏝先接触状態、(c)半田片投入状態、(d)半田片溶融状態、(e)半田片流出状態、(f)鏝先離間状態の順に変化する。そして、各状態での配管70cの圧力P1は、図25に示すグラフに示すとおりになる。図25は、半田付け装置Cが半田付けを1回行うときの配管70の圧力の変化を示している。図25では、縦軸が圧力P1、横軸が時間である。
図25に示すように、第1領域Ar1は、鏝先が(a)基準状態のときであり、第1領域Ar1において、配管の圧力が圧力P1aとなっている。第2領域Ar2は、鏝先が(b)鏝先接触状態であり、鏝先が(a)基準状態から(b)鏝先接触状態に変わると鏝先5のランドLdへの接触によって圧力P1aから圧力P1bに急激に変化する。すなわち、第1領域Ar1から第2領域Ar2への変化は急峻である。
また、第3領域Ar3は、鏝先が(c)半田片投入状態を示しており、半田孔51への半田片Whの投入よって半田孔51の流路の一部が塞がれて流路抵抗が急に増加するため、圧力P1bから圧力P1cへは急激に変化する。すなわち、図25において、第2領域Ar2から第3領域Ar3への変化は急峻である。
第4領域Ar4は、鏝先が(d)半田片溶融状態を示しており、半田孔51は半田片Whの溶融によって塞がれるので、その流路抵抗は増加する。半田片の溶融は、まず、フラックスが比較的ゆっくり溶融し、その後半田は急激に溶融する。圧力P1cから圧力P1dへは、最初ゆっくり高くなり、一定の変化ののち急激に高くなる。すなわち、図25において、第3領域Ar3から第4領域Ar4への変化は最初ゆっくりで、その後急激に高くなる。
また、上述のとおり、(d)半田片溶融状態の圧力P1dと、(e)半田片流出状態の圧力P1eとは、同じまたはほぼ同じであり、一定時間、圧力P1dから変化が小さい。
以上のとおり、配管70cの圧力P1は、その値だけでなく、状態が変化するときの圧力P1の変化の割合(急激に変化する又はゆっくり変化する)にも特徴を有する。
制御部Contは、図25に示すような、1回の半田付けを行うときの配管の圧力の時間変化を示すテーブルを記憶しておき、第2測定部75からの配管70cの圧力のデータを時系列に並べて、挙動及び値を比較することで、鏝先の状態を判定してもよい。このような、判定方法を用いることで、鏝先の状態をより正確に判定することができる。
なお、本実施形態において、半田孔51が塞がれたとき、リリース孔53を介して、半田孔51に溜まった窒素ガスを排出している。しかしながら、これに限定されない。例えば、ガス供給部7cの配管70cに、内部のガスを外部に逃がすリリース孔を設けてもよい。さらには、配管70cを分岐させ、分岐した配管を窒素ガスを逃がすための配管としてもよい。
本実施形態においても、制御部Contは、分岐流量を配管の圧力に読み替えることで、第1実施形態の「第1変形例」、「第2変形例」と同様の操作が可能である。また、第1実施形態の「第3変形例」に示すような、半田片停止部を備えた鏝先を用いることで、第1実施形態の「第3変形例」と同様の操作が可能である。
(第4実施形態)
本実施形態にかかる半田付け装置の他の例について図面を参照して説明する。図26は、本発明にかかる半田付け装置の他の例を示す図である。なお、図26に示す半田付け装置Dでは、鏝先5dに半田孔51と外周面とを貫通するガスリリース部52を備えている。それ以外は、第3実施形態の半田付け装置Cと同じ構成を有している。また、ガスリリース部52は、第2実施形態の鏝先5bと同じ構成を有している。そのため、鏝先5dにおいて鏝先5及び鏝先5cと実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。
このような半田付け装置Dを用いたときの、制御部Contによる鏝先の状態の判定について、図面を参照して説明する。図27は、鏝先接触状態における鏝先と窒素ガスの流れを示す図である。図28は、半田片投入状態における鏝先と窒素ガスの流れを示す図である。図29は、半田片溶融状態における鏝先と窒素ガスの流れを示す図である。図30は、半田片流出状態における鏝先と窒素ガスの流れを示す図である。
半田付け装置Dにおいて、1回の半田付けにおける鏝先の取り得る状態は、第1実施形態と同じ、つまり、(a)基準状態、(b)鏝先接触状態、(c)半田片投入状態、(d)半田片溶融状態、(e)半田片流出状態、(f)鏝先離間状態である。そして、(a)基準状態、(f)鏝先離間状態に関しては、第3実施形態の半田付け装置Cと実質的に同じである。また、鏝先5dは、ガスリリース部52を設けており、ガスリリース部52dからガスが流出可能な状態のとき、すなわち、(b)鏝先接触状態、(c)半田片投入状態、(e)半田片流出状態、の各状態において、配管70cを流れる窒素ガスの圧力は、第3実施形態のときよりも少なくなる。そのため、配管70cの圧力を圧力P11として説明する。例えば、(b)基準状態のとき、配管70cの圧力を圧力P11bとする。他の状態のときも同様に、圧力P11c、P11eとする。
図26に示すように、ガスリリース部52は、半田孔51の溶融領域510と鏝先5dのZ方向下端との間の部分と外周面とを連通している。
図27に示す(b)鏝先接触状態のとき、半田孔51内の窒素ガスは、スルーホールThから外部に流出するとともに、リリース孔53及びガスリリース部52からも外部に流出する。そのため、配管70cの圧力P11は、ガスリリース部52から流出するので、ガスリリース部52が無いとき(第3実施形態)よりも低くなる。すなわち、配管70cは圧力P11b(<P1b)となる。また、図28に示す(c)半田片投入状態のときも同様に、半田片Whによって流路抵抗は増える。一方で、配管70cの圧力P11は、ガスリリース部52から窒素ガスが流出するので、ガスリリース部52が無いとき(第3実施形態)よりも低くなる。(c)半田片投入状態のときの配管70の圧力P11cは、(b)鏝先接触状態の配管70cの圧力P11bよりも高い。
図29に示す(d)半田片溶融状態のとき、半田孔51の溶融領域510は、溶融した半田片Whで塞がれる。そのため、ガスリリース部52は、窒素ガスの流れ方向において、溶融領域510よりも下流側であるため、(d)半田片溶融状態のとき、ガスリリース部52から窒素ガスは流出しない。そのため、(d)半田片溶融状態のときの配管70cの圧力P1dは第3実施形態とほぼ等しい。
図30に示す(e)半田片流出状態のとき、半田孔51のZ方向下端は、ランドLdによって塞がれる。また、溶融した半田片WhがランドLdのスルーホールThを塞いでいるため、窒素ガスは、スルーホールThから流出しない。一方で、半田片Whは、半田孔51から外部に流出しているため、半田孔51には半田片Whが存在しない。そのため、半田孔51の窒素ガスは、ガスリリース部52から外部に流出する。つまり、配管70の圧力P11は、ガスリリース部52から流出するので、ガスリリース部52が無いとき(第1実施形態)よりも低くなる。すなわち、(e)半田片流出状態のときの配管70cの圧力は、圧力P11e(<P1e)である。
(e)半田片流出状態のとき、半田孔51の窒素ガスがガスリリース部52から流出しているため、圧力P11eは、(d)半田片溶融状態のときの圧力P1dに比べて低い。
以上のとおり、鏝先5bにガスリリース部52を設けることで、(d)半田孔溶融状態のときの配管70の圧力P1dと、(e)半田片流出状態のときの配管70cの圧力P11eとを異なる値とすることができる。
そして、各状態での圧力P1(P11)は、図31に示すグラフに示すとおりになる。図31は、半田付け装置が半田付けを1回行うときの配管の圧力の変化を示している。図31では、縦軸が配管の圧力P1、横軸が時間である。なお、以下の説明では、図25と異なる挙動を示す部分についてのみ説明するものとする。
図31に示すように、ガスリリース部52を備えた鏝先5dを用いることで、(d)半田孔溶融状態を示す第4領域Ar4(配管70cの圧力P1d)の後に、分配管70cの圧力P11eの(e)半田片流出状態を示す第5領域Ar5が現れる。
このように、鏝先5dにガスリリース部52を設けることで、(d)半田孔溶融状態における配管70cの圧力P1dと、(e)半田片流出状態おける配管70cの圧力P11eとを異なる値とすることができる。これにより、制御部Contは、(e)半田片流出状態、すなわち、電子部品Epの端子NdとランドLdとを半田付けが完了したことをより正確に検知することができる。
なお、本実施形態においても、制御部Contは、各状態における配管の圧力をデータベースとして記憶して、第2測定部75からの配管70cの圧力のデータと比較することで鏝先の状態を判定してもよい。また、図31に示すような、配管70cの圧力の時間変化を示すテーブルを記憶しておき、第2測定部75からの圧力のデータを時系列に並べて、挙動及び値を比較することで、鏝先の状態を判定してもよい。
また、時間と流量値の関係(図10または図17)または時間と圧力の関係(図25または図31)のそれぞれの計測値を記憶しておき品質管理のデータベースを作成し、経時的な変化や雰囲気温度などの相関を統計処理によって算出することができる。
さらに、複数の半田付け箇所が存在する場合には、半田付け箇所によって各状態における流体の変化値が異なる場合があるので、各半田付け箇所毎に上記データベースを作成し、半田付け場所毎に異なった閾値を用いて判定を行うことも可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。
A 半田付け装置
1 支持部材
11 壁体
12 保持部
13 摺動ガイド
14 ヒーターユニット固定部
15 アクチュエーター保持部
16 ばね保持部
2 カッターユニット
21 カッター上刃
211 上刃孔
212 ピン孔
22 カッター下刃
221 下刃孔
222 ガス流入孔
23 プッシャーピン
231 ロッド部
232 ヘッド部
233 ばね
3 駆動機構
31 エアシリンダー
32 ピストンロッド
33 カム部材
330 凹部
331 支持部
332 ピン
333 ピン押し部
334 軸受
34 スライダー部
340 カム溝
341 第1溝部
342 第2溝部
343 接続溝部
35 ガイド軸
4 ヒーターユニット
41 ヒーター
42 ヒーターブロック
421 凹部
422 半田供給孔
5 鏝先
51 半田孔
52 ガスリリース部
53 リリース孔
6 半田送り機構
61 送りローラ
62 ガイド管
7 ガス供給部
70 配管
701 主配管
702 分岐配管
703 供給配管
71 第1調整部
72 第1計測部
73 第2調整部
74 第2計測部
75 第2計測部
W 半田
Bd 配線基板
Ep 電子部品
Ld ランド
Th スルーホール
Nd 端子

Claims (13)

  1. 半田片が供給される半田孔を有するとともに前記半田孔で前記半田片を加熱溶融する鏝先と、
    ガスを供給するガス供給源と、
    前記ガス供給源と前記半田孔とを連通し、前記ガス供給源からのガスを前記半田孔に供給するガス供給部とを有する半田付け装置の鏝先の状態を判定する鏝先の状態判定方法であって、
    前記ガス供給部を流れるガスの総流量が一定で、
    前記ガス供給部内を流れるガスの物理量を測定するとともに、測定した物理量と予め備えられた基準値又はテーブルと比較して、鏝先の状態を判定することを特徴とする鏝先の状態判定方法。
  2. 前記テーブルには、少なくとも前記物理量自体又は前記物理量の時系列の変化を示すテーブルのいずれか一方を含む請求項1に記載の鏝先の状態判定方法。
  3. 前記ガス供給部は、前記ガスを外部に逃がす分岐配管を備えており、前記物理量として前記分岐配管又は前記半田孔への供給配管を流れるガスの流量又は圧力を計測している請求項1又は2に記載の鏝先の状態判定方法。
  4. 前記流量又は圧力の変化に基づいて前記鏝先の状態を判定している請求項3に記載の鏝先の状態判定方法。
  5. 前記流量又は圧力が予め決められた値になったことに基づいて、前記鏝先の半田付けを行う対象物への接触、前記半田孔への前記半田片の投入及び前記半田片の前記半田孔での溶融の少なくとも1つが行われていると判定する請求項3又は請求項4に記載の鏝先の状態判定方法。
  6. 前記半田孔には前記半田片が溶融される溶融領域が設けられており、前記鏝先には、前記半田孔の溶融領域よりも下流側に半田孔と外部とを連通するガスリリース部を備えており、
    前記流量が所定値になった前後で前記流量の増減方向が逆になったことを検出した後に、溶融した半田片が前記半田孔から流出したことを判定する請求項3から請求項5のいずれかに記載の鏝先の状態判定方法。
  7. 前記鏝先には、前記半田孔又は前記半田孔への供給流路と外部とを連通するリリース孔を有しており、
    前記物理量として前記ガス供給部を流れるガスの圧力を測定し、前記ガス供給部を流れるガスの圧力の変化に基づいて前記鏝先の状態を判定している請求項1又は請求項2に記載の鏝先の状態判定方法。
  8. 前記ガス供給部を流れるガスの圧力の増加に基づいて、前記鏝先の半田付けを行う対象物への接触、前記半田孔への前記半田片の投入及び前記半田片の前記半田孔での溶融の少なくとも1つが行われていると判定する請求項7に記載の鏝先の状態判定方法。
  9. 前記半田孔には前記半田片が溶融される溶融領域が設けられており、前記鏝先には、前記半田孔の溶融領域よりも下流側に半田孔と外部とを連通するガスリリース部を備えており、
    前記ガス供給部を流れるガスの圧力が増加した後に減少したことを検出したときに溶融した半田片の前記半田孔からの流出を判定する請求項7又は請求項8に記載の鏝先の状態判定方法。
  10. 所定回数半田付けを行う毎に前記鏝先の前記物理量を記憶し、現在の前記物理量と比較することで、前記鏝先の状態を判定する請求項1から請求項9のいずれかに記載の鏝先の状態判定方法。
  11. 前記半田孔を大気に開放している状態の流量と、計測された流量とを比較して前記鏝先の温度及び前記半田孔を通過するガスの種類の少なくとも一方を判定する請求項1から請求項10のいずれかに記載の鏝先の状態判定方法。
  12. 前記状態判定部は、前記半田孔に前記半田片を投入した後の前記物理量に基づいて、前記半田片の形状及び大きさの少なくとも一方を判定する請求項1から請求項12のいずれかに記載の鏝先の状態判定方法。
  13. 半田片が供給される半田孔を有するとともに前記半田孔で前記半田片を加熱溶融する鏝先と、
    ガスを供給するガス供給源と前記半田孔とを連通し、前記ガス供給源からのガスを前記半田孔に供給するガス供給部と、
    前記ガス供給部で供給されるガスの物理量を測定する測定部と、
    前記測定部で測定された前記ガスの物理量に基づいて、前記鏝先の状態を判定する状態判定部とを有し、
    前記状態判定部が、請求項1〜請求項12のいずれかに記載の方法で、前記鏝先の状態を判定することを特徴とする半田付け装置。
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