JP6765350B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エアバッグ装置に関する。
車両における助手席用のエアバッグ装置は、例えば、エアバッグ袋体およびインフレータを保持するリテーナと、リテーナの開口部を閉止する蓋体とを備えており、インストゥルメントパネル内に配置される。助手席用のエアバッグ装置では、衝撃の入力時において、袋体がインストゥルメントパネルを破断して車室内に展開することで、乗員を拘束する(特許文献1を参照)。
特許文献1に記載のエアバッグ装置では、エアバッグケースとインストルメントパネルとが、ボルトおよびナットによって組み付けられる。
特開平10−119687号公報
ところで、従来のエアバッグ装置では、エアバッグ袋体展開時の荷重に耐え、安定してエアバッグ袋体を展開するために、リテーナと蓋体との取付強度を十分に確保することが要求される。
そこで、本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、リテーナと蓋体との取付強度を十分に確保することができ、エアバッグ袋体の展開挙動を安定させることができるエアバッグ装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の請求項1に記載のエアバッグ装置(例えば後述の実施形態のエアバッグ装置11)は、エアバッグ袋体(例えば後述の実施形態のエアバッグ袋体23)と、前記エアバッグ袋体を内部に収容するリテーナ(例えば後述の実施形態のリテーナ21)と、前記リテーナに設けられたリテーナ開口部(例えば後述の実施形態のリテーナ開口部41)を閉止する蓋体(例えば後述の実施形態の蓋体27)とを備え、前記リテーナは、前記蓋体と締結されるリテーナ締結部(例えば後述の実施形態のリテーナ締結部35)を有し、前記蓋体は、前記リテーナ開口部に対応した位置に蓋体開口部(例えば後述の実施形態の蓋体開口部61)を有する蓋体本体(例えば後述の実施形態の蓋体本体51)と、前記リテーナに向かって立設され、前記蓋体開口部を囲むフランジ部(例えば後述の実施形態のフランジ部55)と、を有し、前記フランジ部は、前記リテーナ締結部と対応する位置に蓋体締結部(例えば後述の実施形態の蓋体締結部57)を有し、前記蓋体締結部は、前記蓋体本体から前記リテーナ締結部に向けてU字状に突出して形成され、前記蓋体と前記リテーナとは、前記蓋体締結部の内側に配置された締結具(例えば後述の実施形態の締結具29)により締結されていることを特徴としている。
また、本発明の請求項2に記載のエアバッグ装置は、前記蓋体締結部は樹脂材料により形成されており、前記締結具は、前記蓋体締結部に形成された貫通孔(例えば後述の実施形態の貫通孔83)を通じて前記蓋体締結部と前記リテーナ締結部とを締結した状態で設けられ、前記蓋体締結部には、前記貫通孔を囲むように凹部(例えば後述の実施形態の第一凹部85および第二凹部87)が設けられていることを特徴としている。
また、本発明の請求項3に記載のエアバッグ装置は、前記蓋体締結部の内面(例えば後述の実施形態の内面93)は湾曲して形成され、前記締結具は、前記蓋体締結部の内面に沿うように形成され前記蓋体締結部の内面に当接する当接部(例えば後述の実施形態の当接ブラケット103)と、前記蓋体締結部の前記貫通孔を通じて前記蓋体締結部と前記リテーナ締結部とを締結している締結具本体(例えば後述の実施形態のボルト101およびナット105)と、を備えることを特徴としている。
また、本発明の請求項4に記載のエアバッグ装置は、前記リテーナ締結部には、前記蓋体締結部の前記貫通孔と対応する位置にリテーナ締結孔(例えば後述の実施形態のリテーナ締結孔37)が設けられ、前記締結具は、前記リテーナ締結部の内面(例えば後述の実施形態の内面97)に当接するカラー部(例えば後述の実施形態のカラー部113)を有するボルト(例えば後述の実施形態のボルト101)と、前記ボルトに螺合され、前記リテーナ締結部の外面(例えば後述の実施形態の外面99)に当接するナット(例えば後述の実施形態のナット105)と、を備え、前記リテーナ締結部と前記蓋体締結部とは、前記ボルトと前記ナットとにより前記リテーナ締結部が挟持された状態で締結されていることを特徴としている。
また、本発明の請求項5に記載のエアバッグ装置は、前記蓋体締結部には、前記締結具を係止する係止部(例えば後述の実施形態の係止部95)が設けられていることを特徴としている。
本発明の請求項1に記載のエアバッグ装置では、蓋体締結部は、蓋体本体からリテーナ締結部に向けてU字状に突出して形成されているので、例えば平板状の蓋体締結部の場合と比較して負荷を分散または/および剛性を高くすることができる。これにより、リテーナと蓋体との取付強度を十分に確保することができるので、エアバッグ袋体が展開する際に蓋体が押圧されても、圧力をリテーナ締結部と蓋体締結部とで受け止めることができるとともに、蓋体の形状安定性を確保することができる。よって、請求項1に記載のエアバッグ装置によれば、リテーナと蓋体との取付強度を十分に確保することができ、エアバッグ袋体の展開挙動を安定させることができる。
本発明の請求項2に記載のエアバッグ装置では、蓋体締結部が樹脂材料で形成され、蓋体締結部の貫通孔を囲むように凹部を設けた。これにより、蓋体締結部の肉厚を略同一とすることができるので、蓋体締結部の樹脂成型時において蓋体締結部全体が略均等に固化し、いわゆるヒケの発生が抑制される。したがって、蓋体締結部の歪みが抑制されるので、蓋体締結部をリテーナ締結部に安定して取り付けることが可能になる。よって、請求項2に記載のエアバッグ装置によれば、リテーナと蓋体との取付強度を十分に確保することができ、エアバッグ袋体の展開挙動を安定させることができる。
本発明の請求項3に記載のエアバッグ装置では、締結具は、蓋体締結部の内面に沿うように形成され蓋体締結部の内面に当接する当接部と、蓋体締結部の貫通孔を通じて蓋体締結部とリテーナ締結部とを締結している締結具本体と、を備えた。これにより、エアバッグ袋体が展開する際に蓋体が押圧されても、蓋体締結部の内面において締結具による押圧力(せん断応力)が集中するのが防止される。よって、請求項3に記載のエアバッグ装置によれば、蓋体締結部にせん断応力が集中するのを防止できるので、リテーナと蓋体との取付強度を十分に確保することができ、エアバッグ袋体の展開挙動を安定させることができる。
また、締結具は、蓋体締結部の内面に沿うように形成され蓋体締結部の内面に当接する当接部を備えているので、リテーナと蓋体との組み付け作業において、例えば締結具本体がボルトおよびナットである場合、ボルトおよびナットの締結時に締結具が回転するのを防止し、締結トルク(すなわち軸力)を確実に付与することができる。よって、請求項3に記載のエアバッグ装置によれば、リテーナと蓋体との組み付け作業における作業性を向上させることができる。
本発明の請求項4に記載のエアバッグ装置では、締結具は、リテーナ締結部の内面に当接するカラー部を有するボルトと、ボルトに螺合され、リテーナ締結部の外面に当接するナットと、を備え、リテーナ締結部と蓋体締結部とは、ボルトとナットとによりリテーナ締結部が挟持された状態で締結されるようにした。これにより、例えばリテーナ締結部をボルトおよびナットで挟持するとともに、締結トルク(すなわち軸力)を確実に付与することができる。特に、リテーナ締結部が金属材料で形成されている場合には、リテーナ締結部の内面にカラー部が当接することで、ボルトとナットとによりリテーナ締結部を強固に固定することができる。よって、請求項4に記載のエアバッグ装置によれば、リテーナと蓋体との取付強度を十分に確保することができ、エアバッグ袋体の展開挙動を安定させることができる。
本発明の請求項5に記載のエアバッグ装置では、蓋体締結部には、締結具を係止する係止部が設けられているので、リテーナと蓋体との組み付け作業において、締結具を蓋体締結部に仮留めしておくことが可能になる。これにより、リテーナと蓋体との組み付け作業において、例えば蓋体の運搬時等に蓋体から締結具が脱落するのを防止することができる。よって、請求項5に記載のエアバッグ装置によれば、リテーナと蓋体との組み付け作業における作業性を向上させることができる。
本実施形態のエアバッグ装置を備える車両の車室内を示す斜視図である。 エアバッグ装置の斜視図である。 エアバッグ装置の分解斜視図である。 エアバッグ装置の蓋体を裏側から視た平面図である。 エアバッグ装置の蓋体を裏側から視た斜視図である。 図5のA部の拡大図である。 エアバッグ装置の蓋体締結部とリテーナ締結部の締結構造を示す断面図である。 エアバッグ装置の締結具の分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、以下の説明において、各図中の矢印LHは車両左方を示し、矢印FRは車両前方を示し、矢印UPは車両上方を示す。また、以下の説明における前後左右上下の向きは、特に記載が無ければ車両における前後左右上下と同一とする。
図1は、本実施形態のエアバッグ装置を備える車両の車室内を示す斜視図である。
図1に示すように、車両1の左側に運転席3が配置され、車両1の右側に助手席5が配置されている。本実施形態のエアバッグ装置11は、助手席5用のエアバッグ装置11である。エアバッグ装置11は、インストルメントパネル13の内側で助手席5と対応する位置に設けられている。エアバッグ装置11は、インストルメントパネル13内で車体に取り付けられている。
図2は、エアバッグ装置の斜視図である。
図3は、エアバッグ装置の分解斜視図である。
図2および図3に示すようにエアバッグ装置11は、リテーナ21と、エアバッグ袋体23と、インフレータ25と、蓋体27と、締結具29とを備える。
図3に示すようにリテーナ21は、箱状に形成されている。リテーナ21は、内部にエアバッグ袋体23を収容する部材である。リテーナ21は、例えば金属材料を用いてプレス加工等により形成されている。リテーナ21は、リテーナ本体31と、取付部33と、複数のリテーナ締結部35とを備える。
リテーナ本体31は、箱状に形成されている。リテーナ本体31には、上方に開口するリテーナ開口部41が形成されている。
取付部33は、エアバッグ装置11を車体に取り付ける部分であって、リテーナ本体31の側面に設けられている。
複数のリテーナ締結部35は、リテーナ本体31の外周側に設けられている。具体的に複数のリテーナ締結部35は、リテーナ本体31の上縁部43(リテーナ開口部41の周縁部)に周方向に離間して設けられている。各リテーナ締結部35は、上縁部43から外側に向かって張り出す平板状に形成されている。各リテーナ締結部35には、リテーナ締結孔37が設けられている。リテーナ締結孔37は、後述する締結具29のボルト101が挿通可能に形成されている。
エアバッグ袋体23は、インストルメントパネル13(図1参照)と乗員との間で展開可能に形成されている。エアバッグ袋体23は、リテーナ本体31の内部に折り畳まれた状態で収容されている。
インフレータ25は、リテーナ本体31の底部(エアバッグ袋体23が展開する方向とは反対側の部分)に取り付けられており、リテーナ本体31の底部を貫通している。インフレータ25は、車両1の衝突を検知する不図示の衝突検知センサに接続されている。インフレータ25は、衝突検知センサが車両1の衝突を検知したときにガスを発生してエアバッグ袋体23内に供給し、エアバッグ袋体23を展開させる。
図2および図3に示すように示すように、蓋体27は例えば樹脂材料により形成されており、リテーナ開口部41を閉止している。蓋体27は、エアバッグ袋体23の展開時において、エアバッグ袋体23に押圧されることにより開口するように構成されている。蓋体27は、蓋体本体51と、一対の開閉部53,53と、フランジ部55と、複数の蓋体締結部57とを備える。
図4は、蓋体を裏側から視た平面図である。
図4に示すように、蓋体本体51は、矩形の枠状に形成されている。蓋体本体51の中央部分には、蓋体開口部61が形成されている。
蓋体開口部61に対応した位置には、一対の開閉部53,53が設けられている。一対の開閉部53,53は、平板状に形成されている。一対の開閉部53,53の一端側は、蓋体開口部61の周縁部の対向部分に回動可能に結合されている。一対の開閉部53,53の他端側は、互いに所定の間隔を開けた状態で離間している。これにより一対の開閉部53,53は、蓋体開口部61を開閉可能に閉止している。
図5は、蓋体27を裏側から視た斜視図である。
図5に示すように、フランジ部55は、蓋体本体51(蓋体27)の裏面63において蓋体開口部61を囲むように設けられている。フランジ部55は、環状に形成されている。フランジ部55は、蓋体本体51の裏面63からリテーナ21に向かって立設されている(図3参照)。フランジ部55の高さは、車内側から車外側へ向けて低くなるように形成されている。これにより蓋体本体51は、車内側から車外側へ向けて斜めに下がるように配置されている。
フランジ部55は、複数のリテーナ締結部35(図3参照)と対応する位置に、複数の蓋体締結部57を有している。
具体的に、複数の蓋体締結部57は、蓋体本体51の裏面63側であって、フランジ部55の外側に設けられている。複数の蓋体締結部57は、フランジ部55の外側でフランジ部55の周方向に離間して設けられている。フランジ部55の車両前後方向における両側部65,65の外側には、それぞれ複数(本実施形態では3つ)の蓋体締結部57が離間して配置されている。フランジ部55の車両左右方向における両側部67,67の外側の中間部分には、それぞれ1つの蓋体締結部57が配置されている。複数の蓋体締結部57は、フランジ部55および蓋体本体51の裏面63に結合されている。
複数の蓋体締結部57は、それぞれ蓋体本体51の裏面63からリテーナ締結部35側に向けてU字状に突出して形成されている。複数の蓋体締結部57は、それぞれ頂部71と、一対の脚部73,73とを備える。
一対の脚部73,73は、平板状に形成されており、フランジ部55の周方向に離間して互いに対向するように配置されている。一対の脚部73,73の上端は、蓋体本体51の裏面63に結合されている。一対の脚部73,73は、蓋体本体51の裏面63から下方に延出している。一対の脚部73,73の一側は、フランジ部55の外周面77に結合されている。一対の脚部73,73と蓋体本体51の裏面63との間には、リブ69が設けられている。
頂部71は、平板状に形成されている。頂部71は、一対の脚部73,73の下端およびフランジ部55の下端に結合されている。
図6は、図5のA部の拡大図である。
図6に示すように蓋体締結部57の頂部71の外面81には、リテーナ締結孔37(図3参照)と対応する位置に貫通孔83が設けられている。貫通孔83は、正面視で円形状に形成されている。貫通孔83は、後述する締結具29のボルト101が挿通可能に形成されている。貫通孔83の孔径は、リテーナ締結孔37の孔径よりも大きく設定されている。
蓋体締結部57の頂部71の外面81には、複数の第一凹部85が設けられている。複数の第一凹部85は、貫通孔83の周囲において貫通孔83を囲むように設けられている。隣り合うそれぞれの第一凹部85,85間の肉厚、および貫通孔83と複数の第一凹部85との間の肉厚は、略同一となっている。
蓋体締結部57の頂部71の外面81には、複数の第二凹部87が設けられている。複数の第二凹部87は、貫通孔83の周囲において貫通孔83を囲むように、複数の第一凹部85の外側に設けられている。隣り合う第二凹部87と第一凹部85との間の肉厚、および隣り合う第二凹部87,87間の肉厚は、貫通孔83と複数の第一凹部85との間の肉厚と略同一となっている。
蓋体締結部57に第一凹部85および第二凹部87を設けることにより、蓋体締結部57の樹脂成型時において、蓋体締結部57全体が略均等に固化できる。したがって、蓋体締結部57において、成形収縮によって生じる凹み(いわゆるヒケ)が抑制される。
図7は、エアバッグ装置の蓋体締結部とリテーナ締結部の締結構造を示す断面図である。
図7に示すように、蓋体締結部57の頂部71の外面81には、リテーナ締結部35が当接している。この状態で蓋体締結部57とリテーナ締結部35とは、締結具29により締結されている。
蓋体締結部57の内面93(リテーナ締結部35とは反対側に位置する面)は、側方から見てU字状に湾曲して形成されている。蓋体締結部57の内面93であって、一対の脚部73,73に対応した位置には、一対の係止部95,95が設けられている。一対の係止部95,95は、一対の脚部73,73の内面93において対向する位置に形成されている。一対の係止部95,95は、一対の脚部73,73の内面93から突出しており、断面が三角形状に形成されている。一対の係止部95,95は、後述の締結具29における当接ブラケット103の両端に係合している。
図8は、締結具の分解斜視図である。
図8に示すように、締結具29は、ボルト101(請求項の「締結具本体」に相当。)と、当接ブラケット103(請求項の「当接部」に相当。)と、ナット105(請求項の「締結具本体」に相当。)とを備える。当接ブラケット103は、いわゆるワッシャ―として機能しており、締結具29の座面を確保している。
ボルト101は、頭部111と、カラー部113と、ボルト本体部115とを備える。頭部111は、円板状に形成されている。カラー部113は、円柱状に形成されている。カラー部113は、頭部111の下面117に設けられている。ボルト本体部115は、カラー部113の下面119から下方(リテーナ締結部35側の方向)に向けて延出して形成されている。ボルト本体部115は、円柱状に形成されており、外周面には所定のピッチでねじ切り加工が施されている。ボルト101は、頭部111とカラー部113とボルト本体部115とがそれぞれ同軸となるように形成されている。
当接ブラケット103は、金属材料により板状に形成されている。当接ブラケット103は、蓋体締結部57の内面93に沿うように、U字状に湾曲して形成されている。当接ブラケット103の中央部分には、当接ブラケット貫通孔121が設けられている。当接ブラケット103は、ボルト101のカラー部113に対して例えば圧入や溶接等により組付けられており、当接ブラケット貫通孔121をボルト101が挿通している。
図7に示すように、ボルト101は、当接ブラケット103が組付けられた状態で、蓋体締結部57の内面93側から蓋体締結部57の貫通孔83およびリテーナ締結孔37を挿通して配置されている。リテーナ締結孔37の孔径は、蓋体締結部57の貫通孔83の孔径よりも小さくなるように設定されている。ボルト101のカラー部113は、蓋体締結部57の貫通孔83内に位置するとともに、端面がリテーナ締結部35の内面97に当接している。ボルト101のボルト本体部115は、リテーナ締結孔37を貫通してリテーナ締結部35の外面99側に配置されている。
当接ブラケット103は、ボルト101に組付けられた状態で、主面が蓋体締結部57の内面93に当接している。当接ブラケット103の両端は、一対の係止部95,95に係合している。これにより、当接ブラケット103は、蓋体締結部57の内面93に係止された状態で蓋体締結部57の内側に配置されている。
図7および図8に示すように、ナット105は、円環状に形成されており、内面がねじ切り加工されたネジ孔123となっている。図7に示すように、ナット105は、ボルト101のボルト本体部115に螺合された状態で、リテーナ締結部35の外面99に当接している。これにより、リテーナ締結部35と蓋体締結部57とは、ボルト101とナット105とによりリテーナ締結部35が挟持された状態で締結されている。
続いて、本実施形態のエアバッグ装置11の展開時の動作を説明する。なお、各構成の符号については、図1から図8を参照されたい。
衝突検知センサが車両1に対する所定以上の衝撃の入力を検知すると、インフレータ25からエアバッグ袋体23内にガスが供給される。これにより、エアバッグ袋体23は、リテーナ21の内部から外部に向かって展開し、蓋体27の開閉部53,53を押圧する。開閉部53,53は、エアバッグ袋体23からの押圧力により開方向に回動し、蓋体開口部61を開放する。エアバッグ袋体23は、開放された蓋体開口部61を通じて、蓋体27の外部に展開し、インストルメントパネル13を押圧する。これによりインストルメントパネル13は開裂して、エアバッグ袋体23が車室内に展開される。
本実施形態のエアバッグ装置11では、蓋体締結部57は、蓋体本体51からリテーナ締結部35に向けてU字状に突出して形成されているので、例えば平板状の蓋体締結部の場合と比較して負荷を分散または/および剛性を高くすることができる。これにより、リテーナ21と蓋体27との取付強度を十分に確保することができるので、エアバッグ袋体23が展開する際に蓋体27が押圧されても、圧力をリテーナ締結部35と蓋体締結部57とで受け止めることができるとともに、蓋体27の形状安定性を確保することができる。よって、本実施形態のエアバッグ装置11によれば、リテーナ21と蓋体27との取付強度を十分に確保することができ、エアバッグ袋体23の展開挙動を安定させることができる。
また、本実施形態のエアバッグ装置11では、蓋体締結部57が樹脂材料で形成され、蓋体締結部57の貫通孔83を囲むように第一凹部85を設けた。これにより、蓋体締結部57の肉厚を略同一とすることができるので、蓋体締結部57の樹脂成型時において蓋体締結部57全体が略均等に固化し、いわゆるヒケの発生が抑制される。したがって、蓋体締結部57の歪みが抑制されるので、蓋体締結部57をリテーナ締結部35に安定して取り付けることが可能になる。よって、本実施形態のエアバッグ装置11によれば、リテーナ21と蓋体27との取付強度を十分に確保することができ、エアバッグ袋体23の展開挙動を安定させることができる。
また、本実施形態のエアバッグ装置11では、締結具29は、蓋体締結部57の内面93に沿うように形成され蓋体締結部57の内面93に当接する当接ブラケット103と、当接ブラケット103に結合され、蓋体締結部57の貫通孔83を通じて蓋体締結部57とリテーナ締結部35とを締結しているボルト101およびナット105と、を備えた。これにより、エアバッグ袋体23が展開する際に蓋体27が押圧されても、蓋体締結部57の内面93において締結具29による押圧力(せん断応力)が集中するのが防止される。よって、本実施形態のエアバッグ装置11によれば、蓋体締結部57にせん断応力が集中するのを防止できるので、リテーナ21と蓋体27との取付強度を十分に確保することができ、エアバッグ袋体23の展開挙動を安定させることができる。
また、締結具29は、蓋体締結部57の内面93に沿うように形成され蓋体締結部57の内面93に当接する当接ブラケット103を備えているので、リテーナ21と蓋体27との組み付け作業において、例えば締結具本体であるボルト101およびナット105の締結時に締結具29が回転するのを防止し、締結トルク(すなわち軸力)を確実に付与することができる。よって、本実施形態のエアバッグ装置11によれば、リテーナ21と蓋体27との組み付け作業における作業性を向上させることができる。
また、本実施形態のエアバッグ装置11では、締結具29は、リテーナ締結部35の内面97に当接するカラー部113を有するボルト101と、ボルト101に螺合され、リテーナ締結部35の外面99に当接するナット105と、を備え、リテーナ締結部35と蓋体締結部57とは、ボルト101とナット105とによりリテーナ締結部35が挟持された状態で締結されるようにした。これにより、例えばリテーナ締結部35をボルト101およびナット105で挟持するとともに、締結トルク(すなわち軸力)を確実に付与することができる。特に、本実施形態においてはリテーナ締結部35が金属材料で形成されているので、リテーナ締結部35の内面97にカラー部113が当接することで、ボルト101とナット105とによりリテーナ締結部35を強固に固定することができる。よって、本実施形態のエアバッグ装置11によれば、リテーナ21と蓋体27との取付強度を十分に確保することができ、エアバッグ袋体23の展開挙動を安定させることができる。
また、本実施形態のエアバッグ装置11では、蓋体締結部57には、締結具29を係止する係止部95が設けられているので、リテーナ21と蓋体27との組み付け作業において、締結具29を蓋体締結部57に仮留めしておくことが可能になる。これにより、リテーナ21と蓋体27との組み付け作業において、例えば蓋体27の運搬時等に蓋体27から締結具29が脱落するのを防止することができる。よって、本実施形態のエアバッグ装置11によれば、リテーナ21と蓋体27との組み付け作業における作業性を向上させることができる。
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
本実施形態では、助手席5用のエアバッグ装置11に本発明を適用した場合について説明したが、助手席5以外の他のエアバッグ装置に本発明を適用してもよい。
また、蓋体締結部57に第一凹部85および第二凹部87を設けたが、第一凹部85および第二凹部87の形状や個数等は実施形態に限定されない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
11 エアバッグ装置
21 リテーナ
23 エアバッグ袋体
27 蓋体
29 締結具
35 リテーナ締結部
37 リテーナ締結孔
41 リテーナ開口部
55 フランジ部
57 蓋体締結部
61 蓋体開口部
83 貫通孔
85 第一凹部(凹部)
87 第二凹部(凹部)
93 蓋体締結部の内面
95 係止部
97 リテーナ締結部の内面
99 リテーナ締結部の外面
101 ボルト(締結具本体)
103 当接ブラケット(当接部)
105 ナット(締結具本体)
113 カラー部

Claims (5)

  1. エアバッグ袋体と、前記エアバッグ袋体を内部に収容するリテーナと、前記リテーナに設けられたリテーナ開口部を閉止する蓋体とを備え、
    前記リテーナは、前記蓋体と締結されるリテーナ締結部を有し、
    前記蓋体は、
    前記リテーナ開口部に対応した位置に蓋体開口部を有する蓋体本体と、
    前記リテーナに向かって立設され、前記蓋体開口部を囲むフランジ部と、
    を有し、
    前記フランジ部は、前記リテーナ締結部と対応する位置に蓋体締結部を有し、
    前記蓋体締結部は、前記蓋体本体から前記リテーナ締結部に向けてU字状に突出して形成され、
    前記蓋体と前記リテーナとは、前記蓋体締結部の内側に配置された締結具により締結されていることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記蓋体締結部は樹脂材料により形成されており、
    前記締結具は、前記蓋体締結部に形成された貫通孔を通じて前記蓋体締結部と前記リテーナ締結部とを締結した状態で設けられ、
    前記蓋体締結部には、前記貫通孔を囲むように凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記蓋体締結部の内面は湾曲して形成され、
    前記締結具は、
    前記蓋体締結部の内面に沿うように形成され前記蓋体締結部の内面に当接する当接部と、
    前記蓋体締結部の前記貫通孔を通じて前記蓋体締結部と前記リテーナ締結部とを締結している締結具本体と、
    を備えることを特徴とする請求項2に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記リテーナ締結部には、前記蓋体締結部の前記貫通孔と対応する位置にリテーナ締結孔が設けられ、
    前記締結具は、
    前記リテーナ締結部の内面に当接するカラー部を有するボルトと、
    前記ボルトに螺合され、前記リテーナ締結部の外面に当接するナットと、
    を備え、
    前記リテーナ締結部と前記蓋体締結部とは、前記ボルトと前記ナットとにより前記リテーナ締結部が挟持された状態で締結されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のエアバッグ装置。
  5. 前記蓋体締結部には、前記締結具を係止する係止部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエアバッグ装置。
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