JP6763248B2 - 熱転写記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写記録媒体に関する。
近年、サーマルヘッド等を用いる熱転写記録方式が、無騒音であること、装置が比較的安価でかつ小型化できること、保守が容易であること、印字画像が安定であることなどの利点を有することから広く用いられている。
このような熱転写記録方式に用いられる熱転写記録媒体において、転写力の弱い低平滑紙に対する転写性を改良するため、例えば、基材上に、1種以上のワックスを含有する剥離層を設け、更に該剥離層上に熱転写性インク層を積層してなり、前記剥離層中のワックスの1種以上が、平均粒径0.1μm以上0.5μm未満の粒子群Aと、平均粒径0.5μm以上5.0μm以下の粒子群Bとからなる熱転写記録媒体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、基材の一方の面に離型層と、熱溶融性樹脂をバインダの主成分とする着色インク層とが順次設けられ、前記離型層と前記着色インク層との間に、熱溶融性樹脂を主成分とするバインダに微粒子が分散している微粒子含有層が設けられており、微粒子が部分的に前記微粒子含有層の表面より突出し着色インク層中に侵入していて、微粒子含有層の厚さをm(μm)、微粒子の平均粒子径をr(μm)、着色インク層の厚さをn(μm)とする場合、m、r、nの関係が、n>r≧mで表すことができ、更に微粒子含有層中の微粒子の含有量が、10〜40重量%の範囲である熱転写記録媒体が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、低平滑紙であっても優れた転写性を有し、高精細な印字画像が得られる熱転写記録媒体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として本発明の熱転写記録媒体は、支持体と、前記支持体上に設けられた剥離層と、前記剥離層上に設けられた熱溶融性インク層と、前記剥離層と前記熱溶融性インク層との間にバリア層と、を有する熱転写記録媒体であって、
前記熱溶融性インク層が、ワックス及び着色剤を含有し、
前記剥離層が、平均粒子径3.0μm以上8.0μm以下のワックスを含有し、
前記バリア層が、平均粒子径0.10μm以上2.0μm以下のワックスを含有する。
本発明によると、低平滑紙であっても優れた転写性を有し、高精細な印字画像が得られる熱転写記録媒体を提供することができる。
図1は、本発明の熱転写記録媒体の一例を示す概略図である。
(熱転写記録媒体)
本発明の熱転写記録媒体は、支持体と、前記支持体上に設けられた剥離層と、前記剥離層上に設けられた熱溶融性インク層と、前記剥離層と前記熱溶融性インク層との間にバリア層と、を有し、
前記熱溶融性インク層が、ワックス及び着色剤を含有し、
前記剥離層が、平均粒子径3.0μm以上8.0μm以下のワックスを含有し、
前記バリア層が、平均粒子径0.10μm以上2.0μm以下のワックスを含有し、更に必要に応じてその他の層を有する。
本発明の熱転写記録媒体は、前記特許文献1に記載の支持体と熱溶融性インク層との間に剥離層を有する熱転写記録媒体では、前記剥離層に前記熱溶融性インク層を形成する時に熱溶融性インク層用塗布液が前記剥離層にしみ込むことにより、前記剥離層と前記支持体との接着力が上がり、被転写体への転写性が低下してしまう。特に転写力の弱い低平滑紙への転写性が悪くなり、高精細な印字画像が得られないという知見に基づくものである。
また、前記特許文献2に記載の離型層と着色インク層との間に微粒子含有層を有する熱転写記録媒体では、前記微粒子含有層には、熱溶融性インク層用塗布液のバリア機能はなく、前記微粒子含有層を介して熱溶融性インク層用塗布液が前記剥離層にしみ込むことにより、前記特許文献1と同様の問題が生じるという知見に基づくものである。
<支持体>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリサルホンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、セルロースアセテートフィルム等の各種プラスチックフィルムなどが挙げられる。これらの中でも、強度、耐熱性、及び熱伝導性に優れる点で、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
前記支持体の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3μm以上10μm以下が好ましい。
<剥離層>
前記剥離層は、印字の際に、前記支持体と前記熱溶融性インク層との剥離性を向上させる機能を有し、サーマルヘッドで加熱されると熱溶融して低粘度の液体となり、加熱部分と非加熱部分との界面近傍にて、前記熱溶融性インク層の切断を容易にする。
前記剥離層は、ワックスを含有し、バインダ、及び分散剤を含有することが好ましく、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
−ワックス−
前記ワックスとしては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化パラフィンワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、セレシンワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、カスターワックス、牛脂硬化油、ラノリン、木ロウ、ソルビタンステアレート、ソルビタンパルミテート、ステアリルアルコール、ポリアミドワックス、オレイルアミド、ステアリルアミド、ヒドロキシステアリン酸、合成エステルワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルナバワックス、ライスワックス、ポリエチレンワックスが好ましく、カルナバワックスがより好ましい。
前記ワックスの平均粒子径は、3.0μm以上8.0μm以下であり、4.0μm以上6.0μm以下が好ましい。前記平均粒子径が、3.0μm以上8.0μm以下であると、熱感度が向上し、高精細な印字画像が得られ、低平滑紙への転写性を向上させることができる。
前記平均粒子径は、例えば、熱転写記録媒体の剥離層の断面より観察されるワックスの粒形態から求めることができる。前記断面観察は、常法により試料を作製し透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定することができる。前記TEM観察でのワックスの粒子径測定値と剥離層を形成するために用いる剥離層用塗布液のワックスの粒子径測定値とは実質的に一致するので、剥離層用塗布液のワックスの粒径分布によって、剥離層形成後のワックスの粒径分布を設定することができる。なお、前記剥離層用塗布液中のワックスの体積平均粒子径は、例えば、レーザー拡散方式による株式会社堀場製作所製LA−960などにより測定することができる。
−バインダ−
前記バインダとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、部分ケン化エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−メタクリル酸ナトリウム共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン、ポリアクリル酸、イソブチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ブチルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、支持体への接着性、及び転写性に優れる点から、スチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。
−分散剤−
前記剥離層が、水系エマルション又は水分散塗布液により形成される場合には、ワックスを小粒径化する必要があるため、分散剤を添加することが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも、分散性の観点から、ノニオン界面活性剤が好ましい。
前記ノニオン界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド等の脂肪酸系;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテルや、アルキルグルコシド等の高級アルコール系;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシエチレンジアルキルエステル類;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、分散性の点から、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキエチレン(POE)脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテルが好ましく、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテルがより好ましい。
前記ノニオン界面活性剤の前記剥離層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記剥離層中のワックス100質量部に対して、2質量部以上10質量部以下が好ましく、3質量部以上6質量部以下がより好ましい。前記含有量が2質量部以上であると、前記ワックスを水系エマルション又は水分散液化する際の小粒径を実現できる。また、前記含有量が10質量部以下であると、低平滑紙への転写性が良好となり、画像耐摩擦性が向上する。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分散助剤、溶剤、などが挙げられる。
前記剥離層は、前記ワックス、前記バインダ、前記分散剤、及び必要に応じて前記その他の成分を含む剥離層用塗布液を前記支持体上に、グラビアコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター等の塗布方法により塗布し、乾燥させることにより、形成することができる。
前記剥離層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5μm以上3.0μm以下が好ましく、0.8μm以上1.5μm以下がより好ましい。前記平均厚みが、0.5μm以上3.0μm以下であると、低平滑紙への転写性が向上し、十分な接着強度が得られる。
<バリア層>
前記バリア層は、熱溶融性インク層を形成時に熱溶融性インク層用塗布液が剥離層中にしみ込むことを防ぐ機能を有している。また、熱溶融性インク層用塗布液の剥離層へのしみ込みを防止することにより、前記支持体と前記剥離層との接着力の増加、熱感度の低下、及び低平滑紙への転写性の低下を防止することができる。
前記バリア層は、ワックスを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−ワックス−
前記ワックスとしては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化パラフィンワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、セレシンワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、カスターワックス、牛脂硬化油、ラノリン、木ロウ、ソルビタンステアレート、ソルビタンパルミテート、ステアリルアルコール、ポリアミドワックス、オレイルアミド、ステアリルアミド、ヒドロキシステアリン酸、合成エステルワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記剥離層中に含まれるワックスと同様な材料である場合には、なじみが良くなり塗工性も良くなる点から、カルナバワックス、ライスワックス、ポリエチレンワックスが好ましく、カルナバワックスがより好ましい。
前記バリア層におけるワックスの平均粒子径は、0.10μm以上2.0μm以下である。前記平均粒子径が、0.10μm以上2.0μm以下であると、低平滑紙への転写性が向上し、良好な熱感度が得られる。
前記バリア層におけるワックスの平均粒子径は、前記剥離層と同様の方法により測定することができる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分散剤、有機脂肪酸、長鎖アルコール、有機塩基、バインダ、溶剤などが挙げられる。
前記分散剤は、バリア層用塗布液を水系エマルション又は水分散塗布液とする場合には、前記ワックスを小粒径化するために添加される。
前記分散剤としては、前記剥離層と同様の分散剤を用いることができる。
前記有機脂肪酸、前記長鎖アルコール、前記有機塩基、及び前記バインダとしては、後述する熱溶融性インク層と同様なものを用いることができる。
前記バリア層は、前記ワックス、及び必要に応じて前記その他の成分を含むバリア層用塗布液を前記剥離層上にグラビアコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター等の塗布方法により、塗布し、乾燥させることにより、形成することができる。
前記バリア層の平均厚みは、0.2μm以上1.0μm以下が好ましく、0.2μm以上0.6μm以下がより好ましい。前記平均厚みが、0.2μm以上1.0μm以下であると、良好なバリア機能が得られ、低平滑紙への転写性が向上し、熱感度が向上する。
<熱溶融性インク層>
前記熱溶融性インク層は、ワックス、及び着色剤を含有し、有機脂肪酸及び長鎖アルコールを含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−ワックス−
前記ワックスとしては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化パラフィンワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、モンタンワックス、セレシンワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、カスターワックス、牛脂硬化油、ラノリン、木ロウ、ソルビタンステアレート、ソルビタンパルミテート、ステアリルアルコール、ポリアミドワックス、オレイルアミド、ステアリルアミド、ヒドロキシステアリン酸、合成エステルワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルナバワックスが好ましい。
前記カルナバワックスは針入度1以下の硬質ワックスであるため、前記熱溶融性インク層の耐摩擦性が向上する。また、前記カルナバワックスの融点が80℃と低いので、感度特性に優れる。更に、前記カルナバワックスは熱特性がシャープであり、溶融粘度が低いため、印字特性にも優れるという利点がある。
前記ワックスは、有機脂肪酸、及び長鎖アルコールの少なくともいずれかと共に、水系エマルションの形態で含有することが好ましい。この場合、サーマルヘッドで加熱された際、エマルションを形成していた各粒子の境界で優先的に切断されて剥離し、被転写体表面に移行するため、被転写体への印字のエッジ部分が非常にシャープになる。また、水系であるので、環境への負荷が小さいという利点がある。
前記ワックスの水系エマルションの形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記有機脂肪酸と前記有機塩基とを液中に添加して生成した塩を乳化剤とすることにより、前記ワックスを乳化することができる。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、アゾ系染顔料、フタロシアニン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、キノフタロン、アニリンブラック、酸化チタン、亜鉛華、酸化クロムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。
−有機脂肪酸−
前記有機脂肪酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モンタン酸、オレイン酸、ベヘン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機脂肪酸の酸価は、90mgKOH/g以上200mgKOH/g以下が好ましく、140mgKOH/g以上200mgKOH/g以下がより好ましい。
前記酸価が、90mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であると、アルカリと反応してアニオン系乳化剤となり、感度及び耐スミア性に悪影響を及ぼすことなく、前記ワックスを乳化することができる。
前記有機脂肪酸の融点は、70℃以上90℃以下であることが好ましい。前記融点が、前記好ましい数値範囲であると、前記ワックスの融点と近いため、感度特性が良好となる。
前記有機脂肪酸の前記熱溶融性インク層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ワックス100質量部に対して、1質量部以上6質量部以下が好ましい。
前記含有量が、前記ワックス100質量部に対して、1質量部以上6質量部以下であると、前記ワックスを効率よくエマルション化でき、前記ワックスのブルーミングの発生を抑制することができる。
−長鎖アルコール−
前記長鎖アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、脂肪族アルコールが好ましい。
前記長鎖は、直鎖のみからなるものであってもよいし、分岐鎖を有するものであってもよい。
前記長鎖アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記一般式(1)及び下記一般式(2)の少なくともいずれかで表されるものが好ましい。
Figure 0006763248
ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数28以上38以下のアルキル基を表す。
Figure 0006763248
ただし、前記一般式(2)中、Rは、炭素数28以上38以下のアルキル基を表す。
前記Rのアルキル基の炭素数が、28未満又は38を超えると、ブルーミング抑制効果が得られないことがある。
ここで、前記ワックスは、水系エマルション形成時に、一度完全溶融されるが、冷却後も過冷却性を有することにより、時間経過に伴い、前記熱溶融性インク層表面にブルーミングすることがある。このことにより、前記熱転写記録媒体をロール状に保管すると、バック層表面を汚すという問題があった。前記一般式(1)及び前記一般式(2)中、前記Rにおける炭素数が、28以上38以下である前記長鎖アルコールを用いると、前記ワックスのブルーミングを抑制することができる点で、有利である。
前記一般式(1)で表される長鎖アルコール及び前記一般式(2)で表される長鎖アルコールの融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、70℃以上90℃以下が好ましい。
前記融点が、前記数値範囲内であると、前記ワックスの融点と近いため、感度特性が良好となる。
前記一般式(1)で表される長鎖アルコール及び前記一般式(2)で表される長鎖アルコールの少なくともいずれかの前記熱溶融性インク層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ワックス100質量部に対して、6質量部以上12質量部以下が好ましい。
前記含有量が、6質量部以上12質量部以下であると、ブルーミング抑制効果が得られ、感度特性が良好となる。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機塩基、分散剤、バインダ、分散助剤、溶剤などが挙げられる。
−−有機塩基−−
前記有機塩基は、前記ワックスを乳化する際に、前記有機脂肪酸と共に使用することが好ましい。
前記有機塩基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、乾燥後に揮発しやすい点から、モルホリンが好ましい。
前記有機塩基の前記熱溶融性インク層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ワックス100質量部に対して、0.5質量部以上5質量部以下が好ましい。
−−分散剤−−
前記分散剤を添加すると、前記ワックスの水系エマルションを小粒径化することができ、前記熱溶融性インク層の凝集力が向上し、地汚れを防止することができる。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ノニオン界面活性剤が好ましく、ポリオキシエチレン(POE)オレイルエーテルがより好ましい。
前記分散剤の前記熱溶融性インク層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ワックス100質量部に対して、2質量部以上7質量部以下が好ましい。
−−バインダ−−
前記バインダとしては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリレート共重合体、ウレタン樹脂、セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、石油樹脂、ロジン樹脂、又はこれらの誘導体、ポリアミド樹脂などが挙げられる。
前記バインダとしては、耐摩擦性、耐薬品性などに優れた品質を有するものが好ましいが、従来の熱転写プリンタによって印加される熱量では不足する場合もあり、感度を阻害しない程度の添加が好ましい。
前記熱溶融性インク層は、前記ワックス、前記着色剤、前記有機脂肪酸、及び前記長鎖アルコール、及び更に必要に応じて前記その他の成分を含む熱溶融性インク層用塗布液を前記バリア層上にグラビアコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター等の塗布方法により、塗布し、乾燥させることにより、形成することができる。
前記熱溶融性インク層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1μm以上3μm以下が好ましい。
<その他の層>
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オーバー層、バック層などが挙げられる。
−オーバー層−
前記熱転写記録媒体は、地汚れの防止性付与のため、前記熱溶融性インク層上にオーバー層を設けてもよい。ただし、前記オーバー層を設ける場合には、全体のインク面の厚みが増えることになるため、サーマルヘッドによって効率的に前記熱溶融性インク層に熱が印加されるのを阻害しない範囲が好ましい。
前記オーバー層は、ワックスを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記ワックスとしては、前記前記熱溶融性インク層と同様のワックスを用いることができ、耐摩擦性及び感度の点から、カルナバワックスが好ましい。
前記その他の成分としては、バインダ、分散剤、溶剤などが挙げられる。
前記オーバー層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5μm以上1.5μm以下が好ましい。
−バック層−
前記バック層は、前記支持体の前記熱溶融性インク層が形成されている面とは反対側の面に設けることが好ましい。前記反対面には、転写時に、サーマルヘッド等で画像に合わせて熱が直接印加されため、前記バック層には、高熱への耐性、サーマルヘッド等との摩擦への耐性を有することが好ましい。
前記バック層は、バインダを含有し、更に必要に応じて粒子、滑剤を含有する。
前記バインダとしては、例えば、シリコーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ニトロセルロースなどが挙げられる。
前記粒子としては、例えば、タルク、シリカ、オルガノポリシロキサンなどが挙げられる。
前記バック層の平均厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01μm以上1.0μm以下が好ましい。
ここで、図1は、本発明の熱転写記録媒体の一例を示す概略図である。この図1の熱転写記録媒体10は、支持体1と、前記支持体1上に設けられた剥離層2と、前記剥離層2上に設けられた熱溶融性インク層4と、前記剥離層2と前記熱溶融性インク層4との間にバリア層3と、を有している。また、支持体1の熱溶融性インク層4を設けていない側の面にバック層5を有している。なお、図示を省略しているが、熱溶融性インク層4上にオーバー層を設けることもできる。
<熱転写方法>
本発明の熱転写記録媒体の熱転写方法は、被転写体に、本発明の熱転写記録媒体の熱溶融性インク層を熱転写する方法である。
前記被転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリスチレンフィルム等のフィルム;合成紙、耐洗紙、軽量コート紙、キャストコート紙、アート紙等の紙;ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、厚紙等の厚みがあるカード;ナイロン、ポリエステル、綿、不織布に代表される布帛;前記フィルムを積層したもの、前記フィルムにマット処理、コロナ処理、金属蒸着等の表面処理を施したものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記熱転写は、加熱手段により行われることが好ましい。
前記加熱手段としては、例えば、シリアルサーマルヘッド、ライン型サーマルヘッドなどが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<バリア層及び剥離層における熱溶融性材料(ワックス)の平均粒子径>
前記平均粒子径は、熱転写記録媒体のバリア層及び剥離層の断面より観察される熱溶融性材料(ワックス)の粒形態から求めた。前記断面観察は、常法により試料を作製し、透過型電子顕微鏡(TEM、JEM−210、日本電子株式会社製))により、断面TEM写真を撮影し、5個の熱溶融性材料(ワックス)を測定し、その平均値を熱溶融性材料(ワックス)の平均粒子径とした。
<バリア層及び剥離層の平均厚み>
透過型電子顕微鏡(TEM、JEM−210、日本電子株式会社製)により3箇所のバリア層及び剥離層の厚みを測定し、その平均値をバリア層及び剥離層の平均厚みとした。
(実施例1)
<熱転写記録媒体の作製>
−熱溶融性インク層用塗布液の調製−
カルナバワックスパウダー(加藤洋行株式会社製)100質量部、モンタン酸(酸価132mgKOH/g、融点80℃)2質量部、及び前記一般式(1)で表される長鎖アルコール(Rは炭素数28〜38のアルキル基、融点75℃)9質量部を、120℃で溶解した後、攪拌下にモルホリン5質量部を投入した。
次に、90℃の熱水を固形分30質量%になる量滴下し、水中油型のエマルションを形成した後、冷却して固形分30質量%のカルナバワックスの水系エマルションを得た。
得られた水系エマルションの体積平均粒子径を、レーザー回折散乱式粒子径分布測定装置(「LA−960」、株式会社堀場製作所製)を用いて測定したところ、0.4μmであった。
次に、前記カルナバワックスの水系エマルション(固形分30質量%)80質量部と、カーボンブラック(#44、三菱化学株式会社製)の固形分30質量%の水分散体20質量部とを混合し、熱溶融性インク層用塗布液を得た。
−剥離層用塗布液の調製−
カルナバワックスパウダー(加藤洋行株式会社製)50質量部、ポリエチレンワックス(ハイワックス、三井化学株式会社製)50質量部、及びPOEアルキルエーテル(ET−189、第一工業製薬株式会社製)5質量部に、水及びイソプロピルアルコール(IPA)を固形分40質量%になるまで混合して分散させた。
得られた水系エマルションの体積平均粒子径を、レーザー回折散乱式粒子径分布測定装置(「LA−960」、株式会社堀場製作所製)を用いて測定したところ、4.5μmであった。
次いで、前記カルナバワックスとポリエチレンの分散液(固形分40質量%)90質量部と、スチレン−ブタジエン共重合体エマルション(SBラテックス0548、JSR株式会社製、固形分50質量%)10質量部とを混合し、剥離層用塗布液を得た。
−バリア層用塗布液の調製−
カルナバワックスパウダー(加藤洋行株式会社製)100質量部、モンタン酸(酸価132mgKOH/g、融点80℃)2質量部、及び前記一般式(1)で表される長鎖アルコール(Rは炭素数28〜38のアルキル基、融点75℃)9質量部を、120℃で溶解した後、攪拌下にモルホリン5質量部を投入した。次いで、90℃の熱水を固形分30質量%になる量滴下し、水中油型エマルションを形成した後、分散させた。分散後、冷却して固形分30質量%のカルナバワックスの水系エマルションとしてバリア層用塗布液を得た。
得られた水系エマルションの体積平均粒子径を、レーザー回折散乱式粒子径分布測定装置(「LA−960」、株式会社堀場製作所製)を用いて測定したところ、1.5μmであった。
−バック層用塗布液の調製−
シリコーンゴム(SD7226、東レダウコーニング株式会社製)16.8質量部、塩化白金酸触媒0.2質量部、及びトルエン83質量部を混合し、バック層用塗布液を得た。
次に、支持体としての平均厚み4.5μmのポリエステルフィルムの片面に、前記バック層用塗布液を塗布し、80℃で10秒間乾燥して、平均厚み0.02μmのバック層を形成した。
次に、前記ポリエステルフィルムにおける前記バック層が形成された面とは反対側の面に、前記剥離層用塗布液を塗布し、70℃で15秒間乾燥して、平均厚み1.0μmの剥離層を形成した。
次に、前記剥離層上に、前記バリア層用塗布液を塗布し、70℃で10秒間乾燥して、平均厚み0.5μmのバリア層を形成した。
次に、前記バリア層上に、前記熱溶融性インク層用塗布液を塗布し、70℃で10秒間乾燥して、平均厚み1.7μmの熱溶融性インク層を形成した。以上により、熱転写記録媒体を作製した。
なお、断面TEM観察による剥離層の熱溶融性材料であるワックスの平均粒子径は4.5μm、バリア層の熱溶融性材料であるワックスの平均粒子径は1.5μmであった。以下の実施例及び比較例において、熱溶融性材料(ワックス)の平均粒子径は、すべて断面TEM観察により測定した値である。
(実施例2)
実施例1において、バリア層用塗布液の調製の際の分散時間を変えることにより、バリア層におけるワックスの平均粒子径を1.5μmから0.1μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(実施例3)
実施例1において、剥離層用塗布液の調製の際の分散時間を変えることにより、剥離層におけるワックスの平均粒子径を4.5μmから3.0μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(実施例4)
実施例1において、剥離層用塗布液の調製の際の分散時間を変えることにより、剥離層におけるワックスの平均粒子径を4.5μmから4.0μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(実施例5)
実施例1において、剥離層用塗布液の調製の際の分散時間を変えることにより、剥離層におけるワックスの平均粒子径を4.5μmから6.0μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(実施例6)
実施例1において、剥離層用塗布液の調製の際の分散時間を変えることにより、剥離層におけるワックスの平均粒子径を4.5μmから8.0μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(実施例7)
実施例1において、バリア層用塗布液の調製の際の分散時間を変えることにより、バリア層におけるワックスの平均粒子径を1.5μmから2.0μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(実施例8)
実施例1において、バリア層用塗布液のカルナバワックスを、ポリエチレンワックス(ハイワックス、三井化学株式会社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(実施例9)
実施例1において、バリア層用塗布液のカルナバワックスを、ライスワックスパウダー(ボーソー油脂株式会社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(実施例10)
実施例1において、バリア層用塗布液のカルナバワックスを、カルナバワックスとポリエチレンワックスを1:1(質量比)で混合したワックスに代えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(実施例11)
実施例1において、バリア層の平均厚みを0.5μmから0.2μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(実施例12)
実施例1において、バリア層の平均厚みを0.5μmから1.0μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(実施例13)
実施例1において、剥離用塗布液の調製に際して、POEアルキルエーテル(ET−189、第一工業製薬株式会社製)5質量部から2質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(実施例14)
実施例1において、剥離用塗布液の調製に際して、POEアルキルエーテル(ET−189、第一工業製薬株式会社製)5質量部から10質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(実施例15)
実施例1において、剥離用塗布液の調製に際して、POEアルキルエーテル(ET−189、第一工業製薬株式会社製)からPOEフェニルエーテル(EA−177、第一工業製薬株式会社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(実施例16)
実施例1において、剥離層の平均厚みを1.0μmから0.5μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(実施例17)
実施例1において、剥離層の平均厚みを1.0μmから3.0μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(比較例1)
実施例1において、バリア層を設けない以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(比較例2)
実施例1において、バリア層用塗布液の調製の際の分散時間を変えることにより、バリア層におけるワックスの平均粒子径を1.5μmから0.05μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(比較例3)
実施例1において、バリア層用塗布液の調製の際の分散時間を変えることにより、バリア層におけるワックスの平均粒子径を1.5μmから3.0μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(比較例4)
実施例1において、剥離層用塗布液の調製の際の分散時間を変えることにより、剥離層におけるワックスの平均粒子径を4.5μmから2.0μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(比較例5)
実施例1において、剥離層用塗布液の調製の際の分散時間を変えることにより、剥離層におけるワックスの平均粒子径を4.5μmから9.0μmに変えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(比較例6)
実施例1において、バリア層のカルナバワックスを、ポリビニルアルコール(PVA、K−05、デンカ株式会社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(比較例7)
実施例1において、バリア層のカルナバワックスを、エチレンビニルアルコール(EVA、S400HQ、住友ケムテックス株式会社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
(比較例8)
実施例1において、剥離層のカルナバワックス及びポリエチレンワックスを、エチレンビニルアルコール(EVA、S400HQ、住友ケムテックス株式会社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、熱転写記録媒体を作製した。
以下の表1、表2−1、及び表2−2に、実施例及び比較例のバリア層及び剥離層の材料、平均粒子径、及び平均厚みをまとめて記載した。
Figure 0006763248
Figure 0006763248
Figure 0006763248
次に、作製した各熱転写記録媒体について、以下のようにして、諸特性を評価した。結果を表3に示した。なお、受容紙のベック平滑度は、王研式平滑度試験機(熊谷理機株式会社製)を用いて測定した値である。
<低平滑紙の転写性(印字品質)>
ベック平滑度が400秒間の受容紙(Nマット55、王子タック株式会社製)に、下記条件で印字した画像のバーコード部のANSI グレード値[バーコードの読取り率(エラーの出ない率)を0、1、2、3、4の5段階で表示したもの]をバーコード検証器(Truecheck、ムナゾヲ社製)により測定し、下記基準で評価した。
[印字条件]
・印字プリンタ:Zebra105SL(ゼブラテクノロジー社製)
・印字スピード:100mm/sec
・印加エネルギー:24mJ/mm
[評価基準]
○:ANSI グレード値3.0以上
△:ANSI グレード値1.5以上3.0未満
×:ANSI グレード値1.5未満
<高平滑紙の転写性(印字品質)>
ベック平滑度が7,000秒間の受容紙(K8、OSP社製)に、下記条件で印字した画像のバーコード部のANSI グレード値[バーコードの読取り率(エラーの出ない率)を0、1、2、3、4の5段階で表示したもの]を、バーコード検証器(Truecheck、ムナゾヲ社製)により測定し、下記基準で評価した。
[印字条件]
・印字プリンタ:Zebra105SL(ゼブラテクノロジー社製)
・印字スピード:100mm/sec
・印加エネルギー:24mJ/mm
[評価基準]
○:ANSI グレード値3.0以上
△:ANSI グレード値1.5以上3.0未満
×:ANSI グレード値1.5未満
<熱感度>
ベック平滑度が2,000秒間の受容紙(C6、OSP社製)に、下記条件で印字した画像のバーコード部のANSI グレード値[バーコードの読取り率(エラーの出ない率)を0、1、2、3、4の5段階で表示したもの]が2.5以上になるときの印加エネルギー、を下記基準で評価した。
[印字条件]
・印字プリンタ:Zebra105SL(ゼブラテクノロジー社製)
・印字スピード:100mm/sec
[評価基準]
○:印加エネルギーが20mJ/mm未満
△:印加エネルギーが20mJ/mm以上22mJ/mm未満
×:印加エネルギーが22mJ/mm以上
Figure 0006763248
表3の結果から、実施例1〜17の熱転写記録媒体は、比較例1〜8の熱転写記録媒体に比べて、低平滑紙及び高平滑紙(特に低平滑紙)への転写性に優れ、高精細な印字画像が得られることがわかった。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 支持体と、前記支持体上に設けられた剥離層と、前記剥離層上に設けられた熱溶融性インク層と、前記剥離層と前記熱溶融性インク層との間にバリア層と、を有する熱転写記録媒体であって、
前記熱溶融性インク層が、ワックス及び着色剤を含有し、
前記剥離層が、平均粒子径3.0μm以上8.0μm以下のワックスを含有し、
前記バリア層が、平均粒子径0.10μm以上2.0μm以下のワックスを含有することを特徴とする熱転写記録媒体である。
<2> 前記剥離層が、平均粒子径4.0μm以上6.0μm以下のワックスを含有する前記<1>に記載の熱転写記録媒体である。
<3> 前記バリア層のワックスが、カルナバワックスを含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の熱転写記録媒体である。
<4> 前記バリア層の平均厚みが、0.2μm以上1.0μm以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載の熱転写記録媒体である。
<5> 前記剥離層のワックスが、カルナバワックスを含有する前記<1>から<4>のいずれかに記載の熱転写記録媒体である。
<6> 前記剥離層がノニオン界面活性剤を含有し、前記ノニオン界面活性剤の含有量が、前記剥離層中のワックス100質量部に対して、2質量部以上10質量部以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載の熱転写記録媒体である。
<7> 前記ノニオン界面活性剤が、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテルである前記<6>に記載の熱転写記録媒体である。
<8> 前記剥離層の平均厚みが、0.5μm以上3.0μm以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載の熱転写記録媒体である。
<9> 前記熱溶融性インク層の平均厚みが、1μm以上3μm以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載の熱転写記録媒体である。
<10> 前記支持体の前記熱溶融性インク層が形成されている面とは反対側の面にバック層を有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の熱転写記録媒体である。
<11> 前記熱溶融性インク層のワックスが、カルナバワックスを含有する前記<1>から<10>のいずれかに記載の熱転写記録媒体である。
<12> 前記熱溶融性インク層が、更に、有機脂肪酸及び長鎖アルコールを含有する前記<1>から<11>のいずれかに記載の熱転写記録媒体である。
<13> 前記長鎖アルコールが、下記一般式(1)及び下記一般式(2)の少なくともいずれかで表される化合物である前記<12>に記載の熱転写記録媒体である。
Figure 0006763248
ただし、前記一般式(1)中、Rは、炭素数28以上38以下のアルキル基を表す。
Figure 0006763248
ただし、前記一般式(2)中、Rは、炭素数28以上38以下のアルキル基を表す。
前記<1>から<13>のいずれかに記載の熱転写記録媒体によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
1 支持体
2 剥離層
3 バリア層
4 熱溶融性インク層
5 バック層
10 熱転写記録媒体
特開2001−71652号公報 特許第3725929号公報

Claims (8)

  1. 支持体と、前記支持体上に設けられた剥離層と、前記剥離層上に設けられた熱溶融性インク層と、前記剥離層と前記熱溶融性インク層との間にバリア層と、を有する熱転写記録媒体であって、
    前記熱溶融性インク層が、ワックス及び着色剤を含有し、
    前記剥離層が、平均粒子径3.0μm以上8.0μm以下のワックスを含有し、
    前記バリア層が、平均粒子径0.10μm以上2.0μm以下のワックスを含有することを特徴とする熱転写記録媒体。
  2. 前記剥離層が、平均粒子径4.0μm以上6.0μm以下のワックスを含有する請求項1に記載の熱転写記録媒体。
  3. 前記バリア層のワックスが、カルナバワックスを含有する請求項1から2のいずれかに記載の熱転写記録媒体。
  4. 前記バリア層の平均厚みが、0.2μm以上1.0μm以下である請求項1から3のいずれかに記載の熱転写記録媒体。
  5. 前記剥離層のワックスが、カルナバワックスを含有する請求項1から4のいずれかに記載の熱転写記録媒体。
  6. 前記剥離層がノニオン界面活性剤を含有し、前記ノニオン界面活性剤の含有量が、前記剥離層中のワックス100質量部に対して、2質量部以上10質量部以下である請求項1から5のいずれかに記載の熱転写記録媒体。
  7. 前記ノニオン界面活性剤が、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテルである請求項6に記載の熱転写記録媒体。
  8. 前記剥離層の平均厚みが、0.5μm以上3.0μm以下である請求項1から7のいずれかに記載の熱転写記録媒体。
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