JP2001260542A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体

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JP2001260542A
JP2001260542A JP2000074229A JP2000074229A JP2001260542A JP 2001260542 A JP2001260542 A JP 2001260542A JP 2000074229 A JP2000074229 A JP 2000074229A JP 2000074229 A JP2000074229 A JP 2000074229A JP 2001260542 A JP2001260542 A JP 2001260542A
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resin
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JP2000074229A
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English (en)
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Jiro Wakai
二郎 若井
Koichi Nakamura
公一 中村
Yoshihiro Sawa
良裕 澤
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種色相の顔料の分散性に優れたインキ層を
有し、また色相の異なるインキ層の熱転写時の重ね適性
が良好である、印字物の耐擦過性に優れた熱転写記録媒
体を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の熱転写記録媒体は、基材上に剥
離層と、バインダー樹脂と着色剤を主成分とする着色層
を順次積層し、該着色層にバインダー樹脂として、酸価
が3〜20mgKOH/gであり、かつガラス転移点が
50℃〜110℃の範囲である樹脂を使用することによ
り、バインダー樹脂中に着色剤である顔料が均一に分散
し、印字物の耐擦過性に優れたものとなる。それは、バ
インダー樹脂にカルボキシル基等の官能基を有している
ため、顔料との親和性、分散性に優れたものとなるため
と考えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写された印字
物の耐摩耗性が良好で、かつ多色の表現性に優れ、重ね
印字が良好に行える熱転写記録媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、熱転写記録媒体は、それによって
得られる印字物が耐水性、耐擦過性等の性能が高く評価
され、屋外用途等の多くの用途で使用されるようになっ
た。また、近年プリントする元の信号がデジタル化され
て、デジタルプリントが普及し始め、各種の記録方式が
検討されている。その記録方式の中で、熱転写記録方式
がインクジェット、電子写真等の他の記録方式に比べ、
印字ベタ部の質感が良好であるため、従来行われていた
シルクスクリーン印刷の代替としても注目されるように
なってきている。
【0003】熱転写記録では、イエロー、マゼンタ、シ
アンの各色相の熱転写シートを用いて、被転写体に各色
相の熱転写インキを熱転写し、インキを重ねることで、
フルカラーの色再現を行ったり、屋外に設置する看板や
ポスター等の印字ベタ部の質感を重要視する用途には、
緑や橙色等の様々な色相を有する単色の熱転写インキ層
を有する熱転写シート、いわゆるスポットカラーリボン
を使用することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の耐擦過性に優れ
た印字が得られる熱転写シートとして、特開平4−27
589号公報等で記載されているものが挙げられるが、
各種の用途で使用できる、各種色相の顔料に対応して、
容易にインキ化でき、顔料の分散性に優れたインキ層を
有し、さらに色相の異なるインキ層の熱転写時の重ね適
性が良好であるものは、見出されていない。したがっ
て、本発明は上記の点で鑑みなされたもので、各種色相
の顔料の分散性に優れたインキ層を有し、また色相の異
なるインキ層の熱転写時の重ね適性が良好である、印字
物の耐擦過性に優れた熱転写記録媒体を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、基材上に剥
離層と、バインダー樹脂と着色剤を主成分とする着色層
を順次積層した熱転写記録媒体において、該着色層にバ
インダー樹脂として、酸価が3〜20mgKOH/gで
あり、かつガラス転移点が50℃〜110℃の範囲であ
る樹脂を使用することにより、上記の課題を解決するこ
とができた。また、前記の着色層のバインダー樹脂とし
て、アクリル樹脂を用いることが好ましい。前記の着色
層が層全体の固形分総量100質量部に対して、アクリ
ル樹脂を20〜80質量部、熱接着性樹脂を0〜40質
量部、着色剤を20〜70質量部の割合で含有すること
が好ましい。さらに、前記の剥離層がアクリル樹脂を主
成分としていることが好ましい。また、前記の剥離層が
滑剤を0.5〜5質量%含有していることが望ましい。
【0006】本発明の作用は、以下の通りである。本発
明の熱転写記録媒体は、基材上に剥離層と、バインダー
樹脂と着色剤を主成分とする着色層を順次積層し、該着
色層にバインダー樹脂として、酸価が3〜20mgKO
H/gであり、かつガラス転移点が50℃〜110℃の
範囲である樹脂を使用していることにより、バインダー
樹脂中に着色剤である顔料が均一に分散し、印字物の耐
擦過性に優れたものとなる。それは、バインダー樹脂に
カルボキシル基等の官能基を有しているため、顔料との
親和性、分散性に優れたものとなるためと考えられる。
また、熱転写記録媒体から被転写体に転写された印字部
で、最表面に剥離層があり、その剥離層が耐擦過性や色
相の異なるインキ層の熱転写時の重ね適性を向上させる
機能を発揮している。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施の形態を挙げ
て更に詳細に説明する。図1は、本発明である熱転写記
録媒体の一つの実施形態を示す断面図であり、基材1の
一方の面に剥離層2、着色層3を順次設け、基材1の他
方の面に、サーマルヘッドとの融着を防止し、滑り性を
良くするために、背面層5を設けた構成である。さら
に、図2は本発明である熱転写記録媒体の他の実施形態
を示す断面図であり、基材1の一方の面に剥離層2、着
色層3、接着層4を順次設け、基材1の他方の面に背面
層5を設けた構成であり、接着層4を形成したことによ
り、被転写体と着色層との接着性を高めることができ
る。また、重ね適性を鑑みた場合、剥離層と同一の熱接
着性樹脂を含有していることが出力物の定着性に優れ
る。
【0008】(基材)本発明の熱転写記録媒体で用いら
れる基材1としては、従来の熱転写記録媒体に使用され
ているものと同じ基材をそのまま用いることが出来ると
共に、その他のものも使用することが出来、特に制限さ
れない。好ましい基材の具体例としては、例えば、ポリ
エチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピ
レン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、
トリアセチルセルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩化ゴ
ム、アイオノマー等のように比較的耐熱性の良いプラス
チック、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織
布等があり、又、これらを複合した基材であってもよ
い。この基材の厚さは、その強度及び熱伝導性が適切に
なるように材料に応じて適宜変更することが出来るが、
その厚さは、好ましくは、例えば、2〜25μmであ
る。
【0009】(剥離層)本発明では、基材と着色層との
間に剥離層2を形成する。剥離層は基材に隣接して設け
られる層であり、熱印加時に基材と着色層間の剥離性を
良くし、さらに熱印加により被転写体へ着色層とともに
転写して、被転写体の印字部の最表面に位置することに
なる。よって、剥離層はサーマルヘッドによる熱印加で
軟化、溶融して低粘度になるような成分で構成されるの
が望ましく、又加熱部分と非加熱部分の界面近くで層が
容易に切れるように層成分を調整すると良い。重ね適性
を考慮した場合、着色層、接着層と同一の材料を用いる
ことが好ましく、特にアクリル樹脂が好適である。
【0010】剥離層は、ガラス転移点(Tg)が50〜
110℃、かつ平均分子量が2000〜300000の
範囲にあるアクリル樹脂を少なくとも含有することが好
ましい。前記のTgと分子量を有するアクリル樹脂とし
て、具体的にはポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチ
ル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチ
ル、ポリメタクリル酸イソブチル、ポリメタクリル酸グ
リシジル、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリ
ル酸−メタクリル酸メチル共重合体の中から適宜選択す
ることができる。
【0011】Tgが50℃未満のアクリル樹脂では、印
字物の保存時にブロッキング等を発生しやすく、一方で
Tgが110℃より高いと、熱感度の低下により、転写
時に多くのエネルギーを必要とするため、好ましくな
い。また、Tgが50〜110℃の範囲であっても、平
均分子量が2000未満では、印字物の保存時にブロッ
キング等を発生しやすく、その分子量が300000を
越えると、熱感度の低下と、箔切れが悪くなり、いわゆ
る「絡み」が発生しやすくなる。
【0012】剥離層には、上記のアクリル樹脂の他に、
熱接着性樹脂を加えることが好ましい。熱接着性樹脂は
50〜200℃において、軟化して接着性を発揮する熱
可塑性樹脂であり、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリエステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体(EVA)、エチレン−アクリル酸エステル(EA
A)等が挙げられる。剥離層は層全体の固形分総量10
0質量部に対して、アクリル樹脂を50〜90質量部、
熱接着性樹脂を10〜50質量部の割合で構成すること
ができる。上記の熱接着性樹脂が50質量部を越える
と、基材との接着性が上がり、転写不良が生じ易くな
る。また、熱接着性樹脂が10質量部より少ないと、基
材に対する接着性の低下から箔落ち、転写時等の絡みを
発生し、好ましくない。
【0013】また、剥離層には、滑剤を層全体の固形分
の対し、0.5〜5質量%添加することが好ましく、耐
擦過性と熱転写時のインキ層の重ね適性を向上させるこ
とができる。その滑剤としては、フッ素系フィラー(テ
フロン(登録商標)パウダー)、ポリエチレンワックス
(ポリエチレンパウダー)、アクリル系フィラー、ポリ
アミド系フィラー等の有機フィラー、動植物、鉱物系の
天然ワックス類等が挙げられる。上記滑剤の添加量が
0.5質量%未満では、印字部の表層の滑り性が不足
し、印字物の耐擦過性が低下しやすい。またその添加剤
が5質量%を越えると、印字の際に転写不良やインキ層
の重ね転写で密着性の低下を招く。
【0014】剥離層の形成は、剥離層形成用塗工液を、
従来公知のグラビアダイレクトコート、グラビアリバー
スコート、ナイフコート、エアコート、ロールコート等
の方法により、乾燥状態で厚さ0.05〜2μm程度を
設けるものである。乾燥塗膜の厚さが、0.05μm未
満の場合、基材と着色層の接着性が向上し、良好な剥離
効果が得られず、また印字物の耐擦過性が劣る。一方、
厚さが2μmを越えた場合、印字時の転写感度が低下す
るため好ましくない。
【0015】(着色層)本発明の熱転写記録媒体のバイ
ンダー樹脂と着色剤を主成分とする着色層3は、着色剤
とバインダーからなり、さらに必要に応じて分散剤、帯
電防止剤など、種々の添加剤を加えたものでよい。上記
の着色剤としては、有機または無機の顔料もしくは染料
のうち、記録材料として良好な特性を有するもの、例え
ば、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変褪
色しないものが好ましい。また、着色剤としては、要求
される色調に応じて、カーボンブラック、有機顔料、無
機顔料、又は各種染料から適当なものを選択して用いる
ことが出来る。
【0016】着色層に用いるバインダー樹脂は、酸価が
3〜20mgKOH/gであり、かつガラス転移点が5
0℃〜110℃の範囲である樹脂を含有する。上記の酸
価及びガラス転移点の条件を満足する樹脂としては、ア
クリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等のカルボシキル
基のような極性基を有する樹脂が挙げられる。上記のア
クリル樹脂としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸
メチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エ
チル、ポリメタクリル酸イソブチル、ポリメタクリル酸
グリシジル、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル、アク
リル酸−メタクリル酸メチル共重合体等の中から、酸や
エステルでカルボキシル基を残存している樹脂で、酸価
が3〜20mgKOH/gであり、かつガラス転移点が
50℃〜110℃の範囲に入るものを選択する。このよ
うな酸価及びガラス転移点の条件である樹脂は、カルボ
キシル基の極性基を適度に有しているため、着色剤とし
て使用する各種顔料との親和性に優れ、顔料分散性が良
好となる。
【0017】また、着色層には上記の酸価及びガラス転
移点の条件を満足する樹脂の他に、熱接着性樹脂を加え
ることが好ましい。熱接着性樹脂は50〜200℃にお
いて、軟化して接着性を発揮する熱可塑性樹脂であり、
例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチ
レン−アクリル酸エステル(EAA)等が挙げられる。
着色層は層全体の固形分総量100質量部に対して、酸
価及びガラス転移点の規定した条件を満足する樹脂を2
0〜80質量部、熱接着性樹脂を0〜40質量部、着色
剤を20〜70質量部の割合で構成することができる。
上記の酸価及びガラス転移点の規定した条件を満足する
樹脂が、20〜80質量部に入っていないと、顔料分散
性、被転写体への接着性のバランスが崩れてくる。ま
た、着色剤の含有割合が上記の範囲に入らないと、印字
部の着色濃度が足らなかったり、被転写体との接着性が
低下したり、好ましくない。
【0018】着色層の形成は、上記のような着色剤成分
とバインダー樹脂成分と、さらに、これに必要に応じて
水、有機溶剤等の溶媒成分を配合調整した着色層形成用
塗工液を、従来公知のグラビアダイレクトコート、グラ
ビアリバースコート、ナイフコート、エアコート、ロー
ルコート等の方法により、乾燥状態で厚さ0.05〜5
μm、好ましくは0.2〜1.5μmを設けるものであ
る。乾燥塗膜の厚さが、0.05μm未満の場合、成膜
性の問題で均一なインキ層が得られず、印字物の擦過性
低下の原因になる。また、厚さが5μmを越えた場合、
印字転写の際に、高エネルギーが必要となり、特殊な熱
転写プリンターでしか印字できなかったり、または、印
字の感度不足となる。
【0019】(接着層)本発明の熱転写記録媒体は、着
色層の上に接着層4を形成し、被転写体と転写される着
色層との接着性を向上させることができる。接着層は、
剥離層に含有される熱接着性樹脂と同一の材料を使用す
ると、出力物の定着性に優れる。この接着層は、サーマ
ルヘッド等の加熱により、軟化して接着性を発揮する熱
可塑性樹脂を主体とし、得られる熱転写シートをロール
状に巻き取った時にブロッキングを防止するために、ワ
ックス類、高級脂肪酸のアミド、エステル及び塩、フッ
素樹脂や無機物質の粉末のようにブロッキング防止剤を
添加することができる。熱可塑性樹脂として、例えば、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−
アクリル酸エステル共重合体(EEA)、ポリエステル
樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、
ポリブデン、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、塩化ビニ
リデン樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラー
ル、アセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリ酢酸
ビニル、ポリイソブチレン、エチルセルロースまたはポ
リアセタールなどが挙げられ、特に従来感熱接着剤とし
て使用されている比較的低軟化点、例えば、50〜15
0℃の軟化点を有するものが好ましい。
【0020】接着層の形成は、上記の熱可塑性樹脂と添
加剤をホットメルトコートまたは適当な有機溶剤または
水に溶解または分散した接着層形成用塗工液を、従来公
知のホットメルトコート、ホットラッカーコート、グラ
ビアダイレクトコート、グラビアリバースコート、ナイ
フコート、エアコート、ロールコート等の方法により、
乾燥状態で厚さ0.05〜5μmを設けるものである。
乾燥塗膜の厚さが、0.05μm未満の場合、被転写体
及び着色層との接着性が劣り、印字の際に転写不良とな
る。また、厚さが5μmを越えた場合、印字時の転写感
度が低下し、満足のいく印字品質が得られない。
【0021】(背面層)また本発明の熱転写記録媒体に
は必要に応じて基材の裏面に背面層5を設けても良い。
背面層はサーマルヘッドによる熱印加時に基材を高温か
ら保護する為の層であり、言い換えれば、サーマルヘッ
ドの粘着を防止し、且つ、滑り性を良くするための層
で、耐熱性の高い熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のほか、
紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂も使用可能であ
る。なお、背面層形成に好適な樹脂はフッ素樹脂、シリ
コーン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フエノー
ル樹脂、メラミン樹脂等であり、これらの樹脂を薄膜状
で使用すれば良い。
【0022】又、背面層の設置によって基材の耐熱性を
著しく向上させることが出来る為、該層の設置によって
従来は不適とされていた材料を基材にすることも可能に
なる。この背面層は、上記のバインダー樹脂に滑り剤、
界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加したも
のを、好適に使用し、形成される。背面層を形成する手
段は、上記のごとき、バインダー樹脂に滑り剤、界面活
性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加した材料を、
適当な溶剤中に溶解または分散させて、塗工液を調製
し、この塗工液をグラビアコーター、ロールコーター、
ワイヤーバーなどの慣用の塗工手段により、塗工し、乾
燥するものである。
【0023】
【実施例】次に実施例及び比較例をあげて、本発明を更
に具体的に説明する。尚、文中、部は固形分質量基準で
ある。 (実施例1)基材として4.5μm厚のポリエチレンテ
レフタレートフィルムを用いた。この基材から順に、下
記組成の塗工液で剥離層を0.3g/m2、着色層を
1.0g/m2の固形分塗工量として塗布し、本発明の
実施例1の熱転写記録媒体を作製した。但し、上記基材
の他方の面に、下記組成の背面層用塗工液を固形分塗布
量が0.3g/m2になるように塗布、乾燥して、背面
層を形成しておく。
【0024】 [剥離層用塗工液] アクリル樹脂(Tg105℃、分子量45000) 60部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(Tg58℃、重合度110) 30部 ポリエチレンワックス 4部 以上を配合して有機溶剤に溶かしたものを剥離層用塗工
液とした。
【0025】 [着色層用塗工液] アクリル樹脂(Tg105℃、分子量45000、酸価10.5) 45部 ポリエステル樹脂(Tg60℃、分子量10000) 25部 顔料 30部 以上を配合して有機溶剤に溶かしたものを着色層用塗工
液とした。
【0026】 [背面層用塗工液] スチレンアクリロニトリル共重合体樹脂 11部 線状飽和ポリエステル樹脂 0.3部 ジンクステアリルホスフェート 6部 メラミン樹脂粉末 3部 メチルエチルケトン 80部
【0027】(実施例2)剥離層と着色層の塗工液を各
々下記組成にした他は、実施例1と同様にして、実施例
2の熱転写記録媒体を作製した。 [剥離層用塗工液] アクリル樹脂(Tg105℃、分子量100000) 60部 ポリエステル樹脂(Tg60℃、分子量10000) 10部 ポリエチレンワックス 3部 以上を配合して有機溶剤に溶かしたものを剥離層用塗工
液とした。
【0028】 [着色層用塗工液] アクリル樹脂(Tg75℃、分子量30000、酸価3.5) 35部 ポリエステル樹脂(Tg65℃、分子量15000) 35部 顔料 30部 以上を配合して有機溶剤に溶かしたものを着色層用塗工
液とした。
【0029】(実施例3)着色層の塗工液を各々下記組
成にした他は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転
写記録媒体を作製した。 [着色層用塗工液] アクリル樹脂(Tg75℃、分子量30000、酸価3.5) 35部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(Tg53℃、重合度230) 35部 顔料 30部 以上を配合して有機溶剤に溶かしたものを着色層用塗工
液とした。
【0030】(実施例4)実施例1で使用した背面層付
きの基材と同様のものを用意し、基材の背面層と反対側
に、順に、下記組成の塗工液で剥離層を0.6g/
2、着色層を1.0g/m2、接着層を0.3g/m2
の固形分塗工量として塗布し、本発明の実施例4の熱転
写記録媒体を作製した。
【0031】 [剥離層用塗工液] アクリル樹脂(Tg105℃、分子量45000) 60部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(Tg58℃、重合度110) 30部 ポリエチレンワックス 4部 以上を配合して有機溶剤に溶かしたものを剥離層用塗工
液とした。
【0032】 [着色層用塗工液] アクリル樹脂(Tg80℃、分子量65000、酸価18.5) 70部 顔料 30部 以上を配合して有機溶剤に溶かしたものを着色層用塗工
液とした。
【0033】 [接着層用塗工液] ポリエステル樹脂(Tg65℃、分子量15000) 100部 を有機溶剤に溶かしたものを接着層用塗工液とした。
【0034】(比較例1)実施例1の熱転写記録媒体に
おいて、着色層の塗工液を下記組成にした他は、実施例
1と同様にして、比較例1の熱転写記録媒体を作製し
た。 [着色層用塗工液] 塩素化ポリプロピレン樹脂 70部 顔料 30部 以上を配合して有機溶剤に溶かしたものを着色層用塗工
液とした。
【0035】(比較例2)実施例1の熱転写記録媒体に
おいて、剥離層の塗工液を下記組成にした他は、実施例
1と同様にして、比較例2の熱転写記録媒体を作製し
た。 [剥離層用塗工液] アクリル樹脂(Tg105℃、分子量45000) 60部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(Tg58℃、重合度110) 20部 ポリエチレンワックス 20部 以上を配合して有機溶剤に溶かしたものを剥離層用塗工
液とした。
【0036】得られた実施例1〜4及び比較例1、2の
熱転写記録媒体について、以下の方法で、インキ分散
性、印字性、重ね転写適性及び耐擦過性の評価を行っ
た。 (インキ分散性)着色層用塗工液(インキ)を製造時
に、顔料の分散が均一に出来なかったり、経時変化によ
り、顔料が沈降したり、増粘等の問題が発生するかを調
べた。評価は以下の通りである。 ○;問題なく、良好である。 ×;顔料分散が不均一であったり、経時変化で顔料沈
降、増粘等の問題が発生した。
【0037】(印字性)以下に示す印字条件により、得
られた印字物において、転写画像の鮮明性及びドット形
成の状態を目視で観察し、さらに顕微鏡により観察し
て、画像のエッジの鮮明性、ドット形成の状態等を調べ
た。 サーマルヘッド:部分グレース薄膜ヘッドタイプ 印加エネルギー:0.7mJ/dot 印字速度:40msec/line 被転写体:白PET 印字パターン:テストパターン
【0038】評価は以下の通りである。 ○;画像エッジの鮮明性、ドット形成状態等、印字性で
問題がなく、良好である。 ×;印字でからみが発生したり、印字感度不足でドット
形成の状態が悪い。
【0039】(重ね転写適性)上記の印字条件の転写画
像上に、同様の条件で印字パターンの位置を少しずらし
て重ねて転写を行い、転写状態を目視にて調べた。評価
は以下の通りである。 ○;重ね転写が良好な状態である。 ×;重ね転写で転写不良が発生している。
【0040】(耐擦過性)スガ試験機社製学振式擦過性
試験機を用いて、以下の条件にて転写物の耐擦過性の評
価を行った。 転写物の擦過接触面の材料;布地(かなきん3号) 荷重;300g 回数;200回往復 擦られた転写画像部を目視にて観察する。
【0041】評価は以下の通りである。 ○;転写画像に影響が見られない。 ×;転写画像が擦り取られ、判別不可能となった。
【0042】(評価結果)上記の実施例および比較例の
評価結果を、下記の表1に示す。
【表1】
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明の熱転写記録媒体
は、基材上に剥離層と、バインダー樹脂と着色剤を主成
分とする着色層を順次積層し、該着色層にバインダー樹
脂として、酸価が3〜20mgKOH/gであり、かつ
ガラス転移点が50℃〜110℃の範囲である樹脂を使
用していることにより、バインダー樹脂中に着色剤であ
る顔料が均一に分散し、印字物の耐擦過性に優れたもの
となる。それは、バインダー樹脂にカルボキシル基等の
官能基を有しているため、顔料との親和性、分散性に優
れたものとなるためと考えられる。また、熱転写記録媒
体から被転写体に転写された印字部で、最表面に剥離層
があり、その剥離層が耐擦過性や色相の異なるインキ層
の熱転写時の重ね適性を向上させる機能を発揮してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である熱転写記録媒体の一つの実施形態
を示す断面図である。
【図2】本発明である熱転写記録媒体の他の実施形態を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 剥離層 3 着色層 4 接着層 5 背面層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤 良裕 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 2H111 AA10 AA26 BA03 BA07 BA33 BA38 BA53 BA55 BA61 BA64 BA71 BA78

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に剥離層と、バインダー樹脂と着
    色剤を主成分とする着色層を順次積層した熱転写記録媒
    体において、該着色層にバインダー樹脂として、酸価が
    3〜20mgKOH/gであり、かつガラス転移点が5
    0℃〜110℃の範囲である樹脂を使用していることを
    特徴とする熱転写記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記の着色層のバインダー樹脂がアクリ
    ル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載する熱転
    写記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記の着色層が層全体の固形分総量10
    0質量部に対して、アクリル樹脂を20〜80質量部、
    熱接着性樹脂を0〜40質量部、着色剤を20〜70質
    量部の割合で含有することを特徴とする請求項1に記載
    する熱転写記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記の剥離層がアクリル樹脂を主成分と
    していることを特徴とする請求項1に記載する熱転写記
    録媒体。
  5. 【請求項5】 前記の剥離層が滑剤を0.5〜5質量%
    含有していることを特徴とする請求項1に記載する熱転
    写記録媒体。
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