JP2002293046A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体

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JP2002293046A JP2001093797A JP2001093797A JP2002293046A JP 2002293046 A JP2002293046 A JP 2002293046A JP 2001093797 A JP2001093797 A JP 2001093797A JP 2001093797 A JP2001093797 A JP 2001093797A JP 2002293046 A JP2002293046 A JP 2002293046A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐擦過性、耐スミアー性など各種の印像堅牢
性に優れた印像を形成することができる熱転写記録媒体
を提供する。 【解決手段】 基材上に、離型層、熱可塑性樹脂と無機
層状化合物を主成分とする保護層、および着色層をこの
順に設けたことを特徴とする熱転写記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写プリンター
で、耐擦過性、耐スミアー性など各種の印像堅牢性に優
れた印像の形成に適する熱転写記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】印像保護のための保護層を設けた熱転写
記録媒体が公知である(特開平5−185754号公
報)が、様々な印像堅牢性の要求性能を共に満足するこ
とは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記問題点を解消し、耐擦過性、耐スミアー性など各種
の印像堅牢性が共に優れた印像を形成することができる
熱転写記録媒体を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明はつぎの
熱転写記録媒体を提供する。 (1)基材上に、離型層、熱可塑性樹脂と無機層状化合
物の粒子を主成分とする保護層、および着色層をこの順
に設けたことを特徴とする熱転写記録媒体。 (2)前記離型層に無機層状化合物の粒子を含有するこ
とを特徴とする(1)項記載の熱転写記録媒体。 (3)前記無機層状化合物の粒子が、平均粒径が異なる
2種以上の粒子群からなることを特徴とする(1)また
は(2)項記載の熱転写記録媒体。 (4)前記平均粒径が異なる2種以上の粒子群が、無機
層状化合物の粒子全量に対して、平均粒径が0.5μm
以上、5μm未満の粒子群を60〜95重量%含み、か
つ平均粒径が5μm以上、25μm以下の粒子群を5〜
40重量%含むことを特徴とする(3)項記載の熱転写
記録媒体。 (5)前記平均粒径が異なる2種以上の粒子群の間の平
均粒径の差が5μm以上であり、粒径分布曲線が複数の
ピーク形状となることを特徴とする(4)項記載の熱転
写記録媒体。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記課題を達成す
べく鋭意検討した結果、基材上に無機層状化合物の粒子
を含有した印像保護層を有する熱転写記録媒体を用いる
ことにより、各種の印像堅牢性に優れる印像を実現でき
ることを見出した。さらに、離型層にも同手法を適用す
ることによりより一層良好な印像堅牢性を発現できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。以下、本発明
を詳細に説明する。
【0006】本発明の熱転写記録媒体は、基材上に、離
型層、保護層および着色層をこの順に設けた構成からな
り、前記保護層がバインダー成分としての熱可塑性樹脂
と無機層状化合物の粒子を主成分とすることを特徴とす
る。図1は本発明の熱転写記録媒体の一実施例を示す概
略部分断面図である。図1において、1は基材であり、
基材1上に離型層2、保護層3、着色層4がこの順に設
けられている。保護層3における無機層状化合物はバイ
ンダー中でへき開し、元の規則正しい層状の構造は無く
なり、図1に示すように、扁平な薄片状粒子となり、こ
の薄片状粒子が一片一片ランダムに塗布面と平行に平面
状態で微分散していると考えられる。本発明において
は、離型層2にも無機層状化合物の薄片状粒子を含有さ
せるのが好ましい。
【0007】熱転写記録媒体を用いる印象の形成は各種
分野で利用されており、たとえばバーコードなどの形成
にも使用されている。バーコードなどの印像の場合、受
像体上に形成された印像は、印像表面が多少擦られても
損傷せず、非印画部の汚れも発生させないことが望まし
い。また、受像体として、ベック平滑度20秒程度のラ
フ紙を用いた場合、紙重ね時に印像表面が接触する受像
体裏面で擦られても損傷しないことが望ましい。そこ
で、このような印像堅牢性を向上させるため様々な工夫
が試みられている。前述の特開平5−185754号公
報では、熱可塑性樹脂よりなる無色の保護層を設け、印
像堅牢性を高めることが開示されている。
【0008】本発明は、保護層に無機層状化合物を添加
することにより、前記発明の効果をさらに高めたもので
ある。また、本発明においては、離型層にも無機層状化
合物を添加することにより、さらに効果が高められるこ
とを見出した。
【0009】本発明における前記保護層3は、本発明の
熱転写記録媒体の各層がサ−マルヘッドなどの加熱手段
による加熱で受像体に転写されたとき、その印像を摩擦
などの機械的な作用から保護する機能を有する。保護層
3は無機層状化合物と熱可塑性樹脂を主成分とするもの
であり、実質的に無色の層である。保護層3には熱可塑
性樹脂以外のバインダー成分、たとえばワックス状物質
などを配合してもよいが、印像の保護機能の点からは、
できるだけ配合量を少なくするのが好ましく、配合しな
い方がとくに好ましい。
【0010】前記保護層3の熱可塑性樹脂としては、た
とえば、エポキシ樹脂、線状飽和ポリエステル等のポリ
エステル系樹脂、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチ
ル、ポリアクリル酸2−ナフチル、ポリメタクリル酸、
ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポ
リアクリロニトリル等のアクリル系樹脂、ポリスチレ
ン、ポリビニルブチラール、スチレンーブタジエン共重
合物、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。これら熱可塑性樹脂は単独で使用してもよく、ま
た2種以上を併用してもよい。中でも、比較的硬いもの
が好ましく、この点からは、数平均分子量が10,00
0〜500,000で、アルキル基の炭素数が1〜18
のアルキルメタクリレート重合体が好ましい。そのなか
でも、とくに炭素数1〜4のアルキル基のアルキルメタ
クリレート重合体が好ましい。アルキル基の例として
は、たとえばメチル基、エチル基、n-ブチル基、イソ
ブチル基、tert-ブチル基などがあげられる。これらア
ルキルメタクリレートは単独で用いても、2種以上を併
用してもよい。
【0011】前記無機層状化合物としては、タルク、モ
ンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、テニオラ
イト、ゼオライト、リン酸ジルコニウム、チタン酸塩
(K2Ti49)、ニオブ酸塩(K4Nb617)、グラ
ファイト、硫化物(MoS2)、および白雲母、ソーダ
雲母、燐雲母等の天然雲母、さらには、合成スメクタイ
ト、フッ素系、珪素系等の膨張性、非膨張性の合成雲母
等を使用できる。これら無機層状化合物は単独で使用し
てもよく、2種以上を併用してもよい。保護層中におけ
る無機層状化合物の粒子の粒径が小さすぎると、保護機
能が低下し、耐擦過性が低下する傾向があり、一方大き
すぎると、熱転写後の保護層の表面の平滑性が低下し、
光沢感がなくなる傾向がある。この点から、保護層中に
おける無機層状化合物の粒子は平均粒径が0.5〜25
μmの範囲にあるものが好ましい。ここで、無機層状化
合物の粒子の平均粒径はレーザーによる光散乱法により
測定された値をいう。
【0012】本発明においては、前記無機層状化合物の
粒子が、平均粒径が異なる2種以上の粒子群からなるの
が、保護機能の点から好ましい。前記の図1はこの実施
態様の一実施例の概略部分断面図である。図1におい
て、保護層3中に平均粒径が異なる粒子群5、粒子群6
が分散されている。粒子群5は平均粒径が小さな粒子群
であり、粒子群6は平均粒径が大きな粒子である。粒子
群5と粒子群6とは、同一種類の無機層状化合物から得
られるものであってもよく、異なる種類の無機層状化合
物から得られるものであってもよい。後者の場合、粒子
群5、粒子群6はそれぞれ1種の無機層状化合物から得
られるものであってもよく、2種以上の無機層状化合物
からなるものであってもよい。この実施態様において保
護機能がとりわけ良好である理由は定かではないが、図
1に示されるように、大きさの異なる粒子群5、6が混
在した方が、単一の平均粒径の粒子群単独の場合より
も、保護層の平面方向に、緻密に無機層状化合物の扁平
状粒子が並び、遮断・バリアー効果が高められるものと
考えられる。それにより印像を機械的な作用やアルコー
ルなどの薬品による化学的作用から充分に保護すること
ができる。
【0013】前記実施態様においては、前記平均粒径が
異なる2種以上の粒子群が、その全量に対して、平均粒
径が0.5μm以上、5μm未満の粒子群A(粒子群A
は、さらに、この平均粒径の範囲内で平均粒径が異なる
2種以上の粒子群からなっていてもよい)を60〜95
重量%含み、かつ平均粒径が5μm以上、25μm以下
の粒子群B(粒子群Bは、さらに、この平均粒径の範囲
内で平均粒径が異なる2種以上の粒子群Bからなってい
てもよい)を5〜40重量%含むのがより好ましい(以
下、この実施態様を実施態様Xという場合がある)。平
均粒径が5μm以上、25μm以下の粒子群Bの割合が
40重量%を超えると、熱転写後の保護層の表面が凹凸
となり、印字品位を損なうなどの不具合が発生する傾向
がある。一方、平均粒径が5μm以上、25μm以下の
粒子群Bの割合が5重量%未満となると、保護層中に平
均粒径が異なる少なくとも2種の粒子群を含むことによ
る緻密に無機層状化合物の扁平状粒子が並ぶという効果
が得られない傾向がある。この実施態様においては、さ
らに、前記平均粒径が異なる2種以上の粒子群A、Bの
間の平均粒径の差が5μm以上であり、粒径分布曲線が
複数のピーク形状となることが好ましい。たとえば、前
記平均粒径が0.5μm以上、5μm未満の粒子群Aが
粒径分布曲線において単一のピーク形状を示すものであ
り、前記平均粒径が5μm以上、25μm以下の粒子群
Bが粒径分布曲線において単一のピーク形状を示すもの
である場合、それらの平均粒径の差が5μm以上あるの
が好ましい。また、前記平均粒径が5μm以上、25μ
m以下の粒子群Bがこの平均粒径の範囲内で平均粒径が
異なる2種の粒子群B1(粒径分布曲線において単一の
ピーク形状を示す、平均粒径が小さい)と粒子群B2
(粒径分布曲線において単一のピーク形状を示す、平均
粒径が大きい)からなっていている場合、粒子群Aと粒
子群B1の平均粒径の差が5μm以上であり、粒子群B
1と粒子群B2の平均粒径の差が5μm以上であるのが
好ましい。
【0014】保護層3中における無機層状化合物粒子の
含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し1〜150
重量部、とくに10〜120重量部の範囲が好ましい。
無機層状化合物粒子の含有量が前記範囲未満では、印像
保護機能が不充分であり、一方前記範囲を超えると、保
護層が脆くなり、保護機能が低下する傾向がある。ま
た、保護機能の点から、保護層3中における無機層状化
合物粒子と熱可塑性樹脂の合計含有量は50重量%以
上、とくに85重量%以上が好ましい。
【0015】保護層3の塗布量(固形分換算、以下同
様)は、0.1〜3.0g/m2が好ましく、さらに好
ましくは0.3〜1.5g/m2、とくに好ましくは
0.3〜1.0g/m2である。保護層の塗布量が前記
範囲未満では保護機能が不充分であり、一方前記範囲を
超えると熱転写時の印像の再現性および鮮明性が不充分
となる傾向がある。
【0016】前記保護層3は、たとえば前記熱可塑性樹
脂を適当な溶剤、たとえばメチルエチルケトン、テトラ
ヒドロフラン、トルエンなどに溶解し、これに無機層状
化合物粒子を分散させた後、バーコーターなどの適宜な
塗布手段で離型層上に塗布、乾燥することによって形成
することができる。
【0017】本発明における離型層2は基材1と保護層
3との間に設けられる。離型層2は印字の際に基材から
保護層3、着色層4を離脱しやすくするもので、バイン
ダーの主成分としてワックス状物質を用いるのが好まし
い。この離型層にも無機層状化合物粒子を添加すること
により、前述の保護機能をさらに高めることができる。
【0018】前記ワックス状物質としては、カルナバワ
ックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、パ
ラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸
化ワックス、エステルワックス、ポリエチレンワック
ス、α−オレフィンワックス、高級脂肪酸、高級脂肪族
アルコールなどの1種または2種以上が使用できる。こ
れらワックス状物質としては融点が40〜120℃のも
のが熱転写感度の点から好ましい。
【0019】離型層2には、保護層3と同様に無機層状
化合物粒子を添加するのが好ましい。使用できる無機層
状化合物の種類、平均粒径などは保護層3の場合と同様
でよい。
【0020】無機層状化合物粒子を保護層3と離型層2
に共に添加する場合、つぎの態様がある。 (1)保護層3に添加する無機層状化合物粒子が、単一
の平均粒径の粒子群(粒径分布曲線において、単一のピ
ーク形状を示すもの、以下同様)からなり、離型層2に
添加する無機層状化合物粒子が、単一の平均粒径の粒子
群からなる。 (2)保護層3に添加する無機層状化合物粒子が、平均
粒径が異なる2種以上の粒子群からなり(実施態様Xが
より好ましい)、離型層2に添加する無機層状化合物粒
子が、単一の平均粒径の粒子群からなる。 (3)保護層3に添加する無機層状化合物粒子が、単一
の平均粒径の粒子群からなり、離型層2に添加する無機
層状化合物粒子が、平均粒径が異なる2種以上の粒子群
からなる(実施態様Xがより好ましい)。 (4)保護層3に添加する無機層状化合物粒子が、平均
粒径が異なる2種以上の粒子群からなり(実施態様Xが
より好ましい)、離型層2に添加する無機層状化合物粒
子が、平均粒径が異なる2種以上の粒子群からなる(実
施態様Xがより好ましい)。
【0021】保護機能の点からは、態様(2)、態様
(4)が好ましく、特に態様(4)が好ましい。
【0022】離型層2中における無機層状化合物粒子の
含有量は、ワックス状物質100重量部に対し3〜95
重量部、とくに10〜90重量部の範囲が好ましい。無
機層状化合物粒子の含有量が前記範囲未満では、印像保
護機能が不充分であり、一方前記範囲を超えると、離型
層が脆くなり、保護機能が低下する傾向がある。
【0023】離型層2は、前記ワックス状物質の溶剤溶
液、前記ワックス状物質の溶剤分散液、前記ワックス状
物質の水性エマルジョン、または前記ワックス状物質の
溶剤溶液に非溶剤もしくは貧溶剤を加えるなどして得ら
れるワックス状物質の微細結晶の分散液などに、必要に
応じて無機層状化合物粒子を分散し、バーコーターなど
の適宜の塗布手段を用いて基材上に塗布、乾燥するか、
あるいはワックス状物質または無機層状化合物をワック
ス状物質に分散させた混合物をホットメルトコ−ティン
グにより塗布することによって形成することができる。
離型層の塗布量は0.01〜3.0g/m2程度が好ま
しい。
【0024】本発明における着色層4は、ビヒクル中に
着色剤が分散されたものであって、前記保護層3の上に
設けられる。ビヒクルとしては、熱可塑性樹脂を主成分
とするものが好ましく、必要に応じて粘着付与剤樹脂や
ワックス状物質を加えてもよい。
【0025】前記熱可塑性樹脂としては、たとえばエチ
レン-酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂などの1種ま
たは2種以上が使用できる。なお、これら熱可塑性樹脂
としては融点ないし軟化点が20〜120℃(DSCに
よる測定値、以下同様)、とくに50〜120℃のもの
が熱転写感度、保存性の点から好ましい。前記粘着付与
剤樹脂の好ましい例としては、ロジン類、ロジン変性樹
脂、テルペン樹脂、石油樹脂、クマロン-インデン重合
体系樹脂などがあげられ、その他キシレン樹脂、フェノ
ール系樹脂、スチレン- 無水マレイン酸系樹脂、ケトン
樹脂なども使用できる。前記ワックス状物質を使用する
場合は、前記離型層に用いられるワックス状物質がいず
れも使用可能である。
【0026】前記着色剤としては、従来から熱転写イン
クの着色剤として知られている無機、有機の各種顔料や
染料、あるいは磁性粉体、金属粉末、蛍光性の顔料や染
料などが適宜使用できる。着色剤の使用量は着色層全量
の約5〜70重量%、とくに15〜35重量%程度が好
ましい。さらに、着色層に良好な熱伝導性および転写性
を付与させるために、体質顔料を少量、たとえば着色層
全量の10重量%以下の割合で含有せしめてもよい。
【0027】着色層4は、ビヒクル材料と着色剤とを溶
剤に溶解または懸濁し、バーコーターまたはグラビアコ
ーターなどの適宜な塗布手段によって塗布、乾燥するこ
とによって形成できる。着色層4の塗布量は通常0.2
〜4.0g/m2程度が好ましい。
【0028】本発明の熱転写記録媒体の基材1として
は、膜厚2.5〜6μm程度のポリエステルフィルムな
どのプラスチックフィルムが特に好ましく用いられる
が、これに限定されるものではなく、各種材質のフィル
ム状物が使用できる。基材の裏面にはスティック防止層
を設けるのが好ましい。
【0029】本発明の熱転写記録媒体を基材の側からサ
−マルヘッドなどの選択的加熱手段によって加熱する
と、加熱部位の各層が溶融ないし軟化して受像体上に転
写される。転写された印像においては、受像体の側か
ら、着色層、保護層、離型層の順となる。したがって、
着色層は、保護層の硬い熱可塑性樹脂と無機層状化合物
の扁平状粒子、さらに好ましくは離型層のワックスと無
機層状化合物の扁平状粒子によって保護されるので、転
写された印像は高い耐スミアー性、耐擦過性を有する。
【0030】
【実施例】以下に、実施例をあげて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0031】実施例1〜5および比較例1〜3 厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
を基材として、その上に表1に示す組成の離型層塗工液
をバーコーターにて塗布量(固形分換算)0.3g/m
2で塗布、乾燥して離型層を形成し、その上に表1に示
す保護層塗工液をバーコーターにて塗布量(固形分換
算)0.5g/m2で塗布、乾燥して保護層を形成し、
さらにその上に下記組成の着色層塗工液(実施例1〜5
および比較例1〜3で共通)をバーコーターにて塗布量
(固形分換算)1.0g/m2で塗布、乾燥して着色層
を形成して、熱転写記録媒体を製造した。
【0032】 着色層塗工液 成分 重量部 アクリル樹脂 13.0 酢酸ビニル樹脂 1.0 フェノキシ樹脂 1.0 カーボンブラック 3.0 分散剤 0.5 メチルエチルケトン 78.5 蒸留水 3.0
【0033】
【表1】
【0034】実施例1〜5および比較例1〜3で得られ
た各熱転写記録媒体について性能評価をおこなった。評
価項目、評価方法は下記のとおりである。評価結果を表
2に示す。
【0035】(1)転写性(感度) 前記熱転写記録媒体を用い、バーコードプリンター(東
京電気(株)製B−30)にて、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムをベースとした白色受像体に印字し、スキ
ャナーで読取り可能な印像が得られるときの印加エネル
ギーから転写性(感度)を評価した。 ○ 20mJ/mm2未満で印字可能である。 △ 20mJ/mm2以上、25mJ/mm2未満で印
字可能である。 × 25mJ/mm2以上で印字可能である。
【0036】(2)耐スミアー性(耐地汚れ性) 前記(1)と同じ条件(印字可能な印加エネルギー)で
受像体上に得られたバーコード印像について、耐擦性試
験機(安田精機(株)製ラブテスター)を用い、印像面
を24500Paの圧力下にダンボールを150往復さ
せたときの受像体の地部分(白地部分)の汚れ状態から
耐スミアー性を評価した。 ◎ 白地部分に汚れが全くみられない。 ○ 白地部分に汚れがややみられる。 △ 白地部分に○レベルよりは汚れがみられる。 × 白地部分の汚れが明らかである。
【0037】(3)耐擦過性 前記(1)と同じ条件(印字可能な印加エネルギー)で
受像体上に得られたバーコード印像について、耐擦性試
験機(安田精機(株)製ラブテスター)を用い、印像面
を24500Paの圧力下に砂けしゴムを15往復させ
たときのけずれ状態を評価した。 ◎ 印像にけずれが全くみられない。 ○ 印像にけずれがややみられる。 △ 印像に○レベルよりはけずれがみられる。 × 印像のけずれが明らかである。
【0038】
【表2】
【0039】表2から、本発明の熱転写記録媒体は優れ
た転写感度を有し、かつこれを用いて得られた印像は、
優れた耐スミアー性、耐擦過性を有していることがわか
る。
【0040】
【発明の効果】本発明の熱転写記録媒体は優れた転写感
度を有し、かつ優れた耐スミアー性、耐擦過性を有する
印像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写記録媒体の一実施例を示す概略
部分断面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 離型層 3 保護層 4 着色層 5、6 無機層状化合物粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻田 由紀子 大阪府大阪市西淀川区御幣島五丁目4番14 号 フジコピアン株式会社技術センター内 Fターム(参考) 2H111 AA08 AA10 AA26 BA03 BA07 BA09 BA35 BA78

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、離型層、熱可塑性樹脂と無機
    層状化合物の粒子を主成分とする保護層、および着色層
    をこの順に設けたことを特徴とする熱転写記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記離型層に無機層状化合物の粒子を含
    有することを特徴とする請求項1記載の熱転写記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 前記無機層状化合物の粒子が、平均粒径
    が異なる2種以上の粒子群からなることを特徴とする請
    求項1または2記載の熱転写記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記平均粒径が異なる2種以上の粒子群
    が、無機層状化合物の粒子全量に対して、平均粒径が
    0.5μm以上、5μm未満の粒子群を60〜95重量
    %含み、かつ平均粒径が5μm以上、25μm以下の粒
    子群を5〜40重量%含むことを特徴とする請求項3記
    載の熱転写記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記平均粒径が異なる2種以上の粒子群
    の間の平均粒径の差が5μm以上であり、粒径分布曲線
    が複数のピーク形状となることを特徴とする請求項4記
    載の熱転写記録媒体。
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