JP4448900B2 - 熱転写記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は熱転写プリンターで、耐擦過性、耐スミアー性など各種の印像堅牢性に優れた印像の形成に適する熱転写記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
印像保護のための保護層を設けた熱転写記録媒体が公知である(特開平5−185754号公報)が、様々な印像堅牢性の要求性能を共に満足することは困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の上記問題点を解消し、耐擦過性、耐スミアー性など各種の印像堅牢性が共に優れた印像を形成することができる熱転写記録媒体を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、基材上に、ワックス状物質と平均粒径が0.5〜25μmの範囲にある無機層状化合物の粒子からなる離型層、熱可塑性樹脂と無機層状化合物の粒子を主成分とする保護層、および着色層をこの順に設け、保護層の無機層状化合物の粒子が下記の要件を満足することを特徴とする熱転写記録媒体を提供する。
(1)平均粒径が異なる2種以上の粒子群からなる。
(2)無機層状化合物の粒子全量に対して、平均粒径が0.5μm以上、5μm未満の粒子群を60〜95重量%含み、かつ平均粒径が5μm以上、25μm以下の粒子群を5〜40重量%含む。
(3)粒子群の間の平均粒径の差が5μm以上であり、粒径分布曲線が複数のピーク形状となる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、基材上に無機層状化合物の粒子を含有した印像保護層を有する熱転写記録媒体を用いることにより、各種の印像堅牢性に優れる印像を実現できることを見出した。さらに、離型層にも同手法を適用することによりより一層良好な印像堅牢性を発現できることを見出し、本発明を完成するに至った。以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
本発明の熱転写記録媒体は、基材上に、離型層、保護層および着色層をこの順に設けた構成からなり、前記保護層がバインダー成分としての熱可塑性樹脂と無機層状化合物の粒子を主成分とすることを特徴とする。図1は本発明の熱転写記録媒体の一実施例を示す概略部分断面図である。図1において、1は基材であり、基材1上に離型層2、保護層3、着色層4がこの順に設けられている。保護層3における無機層状化合物はバインダー中でへき開し、元の規則正しい層状の構造は無くなり、図1に示すように、扁平な薄片状粒子となり、この薄片状粒子が一片一片ランダムに塗布面と平行に平面状態で微分散していると考えられる。本発明においては、離型層2にも無機層状化合物の薄片状粒子を含有させるのが好ましい。
【0007】
熱転写記録媒体を用いる印象の形成は各種分野で利用されており、たとえばバーコードなどの形成にも使用されている。バーコードなどの印像の場合、受像体上に形成された印像は、印像表面が多少擦られても損傷せず、非印画部の汚れも発生させないことが望ましい。また、受像体として、ベック平滑度20秒程度のラフ紙を用いた場合、紙重ね時に印像表面が接触する受像体裏面で擦られても損傷しないことが望ましい。そこで、このような印像堅牢性を向上させるため様々な工夫が試みられている。前述の特開平5−185754号公報では、熱可塑性樹脂よりなる無色の保護層を設け、印像堅牢性を高めることが開示されている。
【0008】
本発明は、保護層に無機層状化合物を添加することにより、前記発明の効果をさらに高めたものである。また、本発明においては、離型層にも無機層状化合物を添加することにより、さらに効果が高められることを見出した。
【0009】
本発明における前記保護層3は、本発明の熱転写記録媒体の各層がサ−マルヘッドなどの加熱手段による加熱で受像体に転写されたとき、その印像を摩擦などの機械的な作用から保護する機能を有する。保護層3は無機層状化合物と熱可塑性樹脂を主成分とするものであり、実質的に無色の層である。保護層3には熱可塑性樹脂以外のバインダー成分、たとえばワックス状物質などを配合してもよいが、印像の保護機能の点からは、できるだけ配合量を少なくするのが好ましく、配合しない方がとくに好ましい。
【0010】
前記保護層3の熱可塑性樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂、線状飽和ポリエステル等のポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸2−ナフチル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリロニトリル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、スチレンーブタジエン共重合物、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら熱可塑性樹脂は単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。中でも、比較的硬いものが好ましく、この点からは、数平均分子量が10,000〜500,000で、アルキル基の炭素数が1〜18のアルキルメタクリレート重合体が好ましい。そのなかでも、とくに炭素数1〜4のアルキル基のアルキルメタクリレート重合体が好ましい。アルキル基の例としては、たとえばメチル基、エチル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基などがあげられる。これらアルキルメタクリレートは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0011】
前記無機層状化合物としては、タルク、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、テニオライト、ゼオライト、リン酸ジルコニウム、チタン酸塩(K2Ti4O9)、ニオブ酸塩(K4Nb6O17)、グラファイト、硫化物(MoS2)、および白雲母、ソーダ雲母、燐雲母等の天然雲母、さらには、合成スメクタイト、フッ素系、珪素系等の膨張性、非膨張性の合成雲母等を使用できる。これら無機層状化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。保護層中における無機層状化合物の粒子の粒径が小さすぎると、保護機能が低下し、耐擦過性が低下する傾向があり、一方大きすぎると、熱転写後の保護層の表面の平滑性が低下し、光沢感がなくなる傾向がある。この点から、保護層中における無機層状化合物の粒子は平均粒径が0.5〜25μmの範囲にあるものが好ましい。ここで、無機層状化合物の粒子の平均粒径はレーザーによる光散乱法により測定された値をいう。
【0012】
本発明においては、前記無機層状化合物の粒子が、平均粒径が異なる2種以上の粒子群からなるのが、保護機能の点から好ましい。前記の図1はこの実施態様の一実施例の概略部分断面図である。図1において、保護層3中に平均粒径が異なる粒子群5、粒子群6が分散されている。粒子群5は平均粒径が小さな粒子群であり、粒子群6は平均粒径が大きな粒子である。粒子群5と粒子群6とは、同一種類の無機層状化合物から得られるものであってもよく、異なる種類の無機層状化合物から得られるものであってもよい。後者の場合、粒子群5、粒子群6はそれぞれ1種の無機層状化合物から得られるものであってもよく、2種以上の無機層状化合物からなるものであってもよい。この実施態様において保護機能がとりわけ良好である理由は定かではないが、図1に示されるように、大きさの異なる粒子群5、6が混在した方が、単一の平均粒径の粒子群単独の場合よりも、保護層の平面方向に、緻密に無機層状化合物の扁平状粒子が並び、遮断・バリアー効果が高められるものと考えられる。それにより印像を機械的な作用やアルコールなどの薬品による化学的作用から充分に保護することができる。
【0013】
前記実施態様においては、前記平均粒径が異なる2種以上の粒子群が、その全量に対して、平均粒径が0.5μm以上、5μm未満の粒子群A(粒子群Aは、さらに、この平均粒径の範囲内で平均粒径が異なる2種以上の粒子群からなっていてもよい)を60〜95重量%含み、かつ平均粒径が5μm以上、25μm以下の粒子群B(粒子群Bは、さらに、この平均粒径の範囲内で平均粒径が異なる2種以上の粒子群Bからなっていてもよい)を5〜40重量%含むのがより好ましい(以下、この実施態様を実施態様Xという場合がある)。平均粒径が5μm以上、25μm以下の粒子群Bの割合が40重量%を超えると、熱転写後の保護層の表面が凹凸となり、印字品位を損なうなどの不具合が発生する傾向がある。一方、平均粒径が5μm以上、25μm以下の粒子群Bの割合が5重量%未満となると、保護層中に平均粒径が異なる少なくとも2種の粒子群を含むことによる緻密に無機層状化合物の扁平状粒子が並ぶという効果が得られない傾向がある。この実施態様においては、さらに、前記平均粒径が異なる2種以上の粒子群A、Bの間の平均粒径の差が5μm以上であり、粒径分布曲線が複数のピーク形状となることが好ましい。たとえば、前記平均粒径が0.5μm以上、5μm未満の粒子群Aが粒径分布曲線において単一のピーク形状を示すものであり、前記平均粒径が5μm以上、25μm以下の粒子群Bが粒径分布曲線において単一のピーク形状を示すものである場合、それらの平均粒径の差が5μm以上あるのが好ましい。また、前記平均粒径が5μm以上、25μm以下の粒子群Bがこの平均粒径の範囲内で平均粒径が異なる2種の粒子群B1(粒径分布曲線において単一のピーク形状を示す、平均粒径が小さい)と粒子群B2(粒径分布曲線において単一のピーク形状を示す、平均粒径が大きい)からなっていている場合、粒子群Aと粒子群B1の平均粒径の差が5μm以上であり、粒子群B1と粒子群B2の平均粒径の差が5μm以上であるのが好ましい。
【0014】
保護層3中における無機層状化合物粒子の含有量は、熱可塑性樹脂100重量部に対し1〜150重量部、とくに10〜120重量部の範囲が好ましい。無機層状化合物粒子の含有量が前記範囲未満では、印像保護機能が不充分であり、一方前記範囲を超えると、保護層が脆くなり、保護機能が低下する傾向がある。また、保護機能の点から、保護層3中における無機層状化合物粒子と熱可塑性樹脂の合計含有量は50重量%以上、とくに85重量%以上が好ましい。
【0015】
保護層3の塗布量(固形分換算、以下同様)は、0.1〜3.0g/m2が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.5g/m2、とくに好ましくは0.3〜1.0g/m2である。保護層の塗布量が前記範囲未満では保護機能が不充分であり、一方前記範囲を超えると熱転写時の印像の再現性および鮮明性が不充分となる傾向がある。
【0016】
前記保護層3は、たとえば前記熱可塑性樹脂を適当な溶剤、たとえばメチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、トルエンなどに溶解し、これに無機層状化合物粒子を分散させた後、バーコーターなどの適宜な塗布手段で離型層上に塗布、乾燥することによって形成することができる。
【0017】
本発明における離型層2は基材1と保護層3との間に設けられる。離型層2は印字の際に基材から保護層3、着色層4を離脱しやすくするもので、バインダーの主成分としてワックス状物質を用いるのが好ましい。この離型層にも無機層状化合物粒子を添加することにより、前述の保護機能をさらに高めることができる。
【0018】
前記ワックス状物質としては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックス、エステルワックス、ポリエチレンワックス、α−オレフィンワックス、高級脂肪酸、高級脂肪族アルコールなどの1種または2種以上が使用できる。これらワックス状物質としては融点が40〜120℃のものが熱転写感度の点から好ましい。
【0019】
離型層2には、保護層3と同様に無機層状化合物粒子を添加するのが好ましい。使用できる無機層状化合物の種類、平均粒径などは保護層3の場合と同様でよい。
【0020】
無機層状化合物粒子を保護層3と離型層2に共に添加する場合、つぎの態様がある。
(2)保護層3に添加する無機層状化合物粒子が、平均粒径が異なる2種以上の粒子群からなり(実施態様Xがより好ましい)、離型層2に添加する無機層状化合物粒子が、単一の平均粒径の粒子群からなる。
(4)保護層3に添加する無機層状化合物粒子が、平均粒径が異なる2種以上の粒子群からなり(実施態様Xがより好ましい)、離型層2に添加する無機層状化合物粒子が、平均粒径が異なる2種以上の粒子群からなる(実施態様Xがより好ましい)。
【0021】
保護機能の点からは、態様(2)、態様(4)が好ましく、特に態様(4)が好ましい。
【0022】
離型層2中における無機層状化合物粒子の含有量は、ワックス状物質100重量部に対し3〜95重量部、とくに10〜90重量部の範囲が好ましい。無機層状化合物粒子の含有量が前記範囲未満では、印像保護機能が不充分であり、一方前記範囲を超えると、離型層が脆くなり、保護機能が低下する傾向がある。
【0023】
離型層2は、前記ワックス状物質の溶剤溶液、前記ワックス状物質の溶剤分散液、前記ワックス状物質の水性エマルジョン、または前記ワックス状物質の溶剤溶液に非溶剤もしくは貧溶剤を加えるなどして得られるワックス状物質の微細結晶の分散液などに、必要に応じて無機層状化合物粒子を分散し、バーコーターなどの適宜の塗布手段を用いて基材上に塗布、乾燥するか、あるいはワックス状物質または無機層状化合物をワックス状物質に分散させた混合物をホットメルトコ−ティングにより塗布することによって形成することができる。離型層の塗布量は0.01〜3.0g/m2程度が好ましい。
【0024】
本発明における着色層4は、ビヒクル中に着色剤が分散されたものであって、前記保護層3の上に設けられる。ビヒクルとしては、熱可塑性樹脂を主成分とするものが好ましく、必要に応じて粘着付与剤樹脂やワックス状物質を加えてもよい。
【0025】
前記熱可塑性樹脂としては、たとえばエチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂などの1種または2種以上が使用できる。なお、これら熱可塑性樹脂としては融点ないし軟化点が20〜120℃(DSCによる測定値、以下同様)、とくに50〜120℃のものが熱転写感度、保存性の点から好ましい。前記粘着付与剤樹脂の好ましい例としては、ロジン類、ロジン変性樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、クマロン-インデン重合体系樹脂などがあげられ、その他キシレン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン- 無水マレイン酸系樹脂、ケトン樹脂なども使用できる。前記ワックス状物質を使用する場合は、前記離型層に用いられるワックス状物質がいずれも使用可能である。
【0026】
前記着色剤としては、従来から熱転写インクの着色剤として知られている無機、有機の各種顔料や染料、あるいは磁性粉体、金属粉末、蛍光性の顔料や染料などが適宜使用できる。着色剤の使用量は着色層全量の約5〜70重量%、とくに15〜35重量%程度が好ましい。さらに、着色層に良好な熱伝導性および転写性を付与させるために、体質顔料を少量、たとえば着色層全量の10重量%以下の割合で含有せしめてもよい。
【0027】
着色層4は、ビヒクル材料と着色剤とを溶剤に溶解または懸濁し、バーコーターまたはグラビアコーターなどの適宜な塗布手段によって塗布、乾燥することによって形成できる。着色層4の塗布量は通常0.2〜4.0g/m2程度が好ましい。
【0028】
本発明の熱転写記録媒体の基材1としては、膜厚2.5〜6μm程度のポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムが特に好ましく用いられるが、これに限定されるものではなく、各種材質のフィルム状物が使用できる。基材の裏面にはスティック防止層を設けるのが好ましい。
【0029】
本発明の熱転写記録媒体を基材の側からサ−マルヘッドなどの選択的加熱手段によって加熱すると、加熱部位の各層が溶融ないし軟化して受像体上に転写される。転写された印像においては、受像体の側から、着色層、保護層、離型層の順となる。したがって、着色層は、保護層の硬い熱可塑性樹脂と無機層状化合物の扁平状粒子、さらに好ましくは離型層のワックスと無機層状化合物の扁平状粒子によって保護されるので、転写された印像は高い耐スミアー性、耐擦過性を有する。
【0030】
【実施例】
以下に、実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
参考例1〜3、実施例4〜5および比較例1〜3
厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを基材として、その上に表1に示す組成の離型層塗工液をバーコーターにて塗布量(固形分換算)0.3g/m2で塗布、乾燥して離型層を形成し、その上に表1に示す保護層塗工液をバーコーターにて塗布量(固形分換算)0.5g/m2で塗布、乾燥して保護層を形成し、さらにその上に下記組成の着色層塗工液(参考例1〜3、実施例4〜5および比較例1〜3で共通)をバーコーターにて塗布量(固形分換算)1.0g/m2で塗布、乾燥して着色層を形成して、熱転写記録媒体を製造した。
【0032】
【0033】
【表1】
表 1
【0034】
参考例1〜3、実施例4〜5および比較例1〜3で得られた各熱転写記録媒体について性能評価をおこなった。評価項目、評価方法は下記のとおりである。評価結果を表2に示す。
【0035】
(1)転写性(感度)
前記熱転写記録媒体を用い、バーコードプリンター(東京電気(株)製B−30)にて、ポリエチレンテレフタレートフィルムをベースとした白色受像体に印字し、スキャナーで読取り可能な印像が得られるときの印加エネルギーから転写性(感度)を評価した。
○ 20mJ/mm2未満で印字可能である。
△ 20mJ/mm2以上、25mJ/mm2未満で印字可能である。
× 25mJ/mm2以上で印字可能である。
【0036】
(2)耐スミアー性(耐地汚れ性)
前記(1)と同じ条件(印字可能な印加エネルギー)で受像体上に得られたバーコード印像について、耐擦性試験機(安田精機(株)製ラブテスター)を用い、印像面を24500Paの圧力下にダンボールを150往復させたときの受像体の地部分(白地部分)の汚れ状態から耐スミアー性を評価した。
◎ 白地部分に汚れが全くみられない。
○ 白地部分に汚れがややみられる。
△ 白地部分に○レベルよりは汚れがみられる。
× 白地部分の汚れが明らかである。
【0037】
(3)耐擦過性
前記(1)と同じ条件(印字可能な印加エネルギー)で受像体上に得られたバーコード印像について、耐擦性試験機(安田精機(株)製ラブテスター)を用い、印像面を24500Paの圧力下に砂けしゴムを15往復させたときのけずれ状態を評価した。
◎ 印像にけずれが全くみられない。
○ 印像にけずれがややみられる。
△ 印像に○レベルよりはけずれがみられる。
× 印像のけずれが明らかである。
【0038】
【表2】
表2
【0039】
表2から、本発明の熱転写記録媒体は優れた転写感度を有し、かつこれを用いて得られた印像は、優れた耐スミアー性、耐擦過性を有していることがわかる。
【0040】
【発明の効果】
本発明の熱転写記録媒体は優れた転写感度を有し、かつ優れた耐スミアー性、耐擦過性を有する印像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写記録媒体の一実施例を示す概略部分断面図である。
【符号の説明】
1 基材
2 離型層
3 保護層
4 着色層
5、6 無機層状化合物粒子
Claims (1)
- 基材上に、ワックス状物質と平均粒径が0.5〜25μmの範囲にある無機層状化合物の粒子からなる離型層、熱可塑性樹脂と無機層状化合物の粒子を主成分とする保護層、および着色層をこの順に設け、保護層の無機層状化合物の粒子が下記の要件を満足することを特徴とする熱転写記録媒体。
(1)平均粒径が異なる2種以上の粒子群からなる。
(2)無機層状化合物の粒子全量に対して、平均粒径が0.5μm以上、5μm未満の粒子群を60〜95重量%含み、かつ平均粒径が5μm以上、25μm以下の粒子群を5〜40重量%含む。
(3)粒子群の間の平均粒径の差が5μm以上であり、粒径分布曲線が複数のピーク形状となる。
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