JP3270526B2 - 熱転写シート - Google Patents
熱転写シートInfo
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- JP3270526B2 JP3270526B2 JP19876592A JP19876592A JP3270526B2 JP 3270526 B2 JP3270526 B2 JP 3270526B2 JP 19876592 A JP19876592 A JP 19876592A JP 19876592 A JP19876592 A JP 19876592A JP 3270526 B2 JP3270526 B2 JP 3270526B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写シートに係り、特
に熱溶融性インキ層を備えた熱転写シートと被転写体と
が予め仮接着されている一体型の熱転写シートに関す
る。
に熱溶融性インキ層を備えた熱転写シートと被転写体と
が予め仮接着されている一体型の熱転写シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピューターやワードプロセッ
サーの出力プリントを熱転写方式により行う場合、基材
シートの一方の面に熱溶融性インキ層を設けた熱転写シ
ートが使用されている。
サーの出力プリントを熱転写方式により行う場合、基材
シートの一方の面に熱溶融性インキ層を設けた熱転写シ
ートが使用されている。
【0003】従来の熱転写シートは、基材シートとして
厚さ10〜20μmのコンデンサ紙やパラフィン紙のよ
うな紙類、あるいは厚さ3〜20μmのポリエステルや
セロファンのようなプラスチックフィルムを用い、ワッ
クスに顔料や染料等の着色剤を混合した熱溶融性インキ
層を形成したものである。
厚さ10〜20μmのコンデンサ紙やパラフィン紙のよ
うな紙類、あるいは厚さ3〜20μmのポリエステルや
セロファンのようなプラスチックフィルムを用い、ワッ
クスに顔料や染料等の着色剤を混合した熱溶融性インキ
層を形成したものである。
【0004】このような従来の熱転写シートを用いて被
転写体に印字する場合、熱転写シートを巻いたロールか
ら熱転写シートを供給し、一方で連続あるいは枚葉の被
転写体を熱転写シートの熱溶融性インキ層上に供給し、
両者を重ね合わせた状態で熱転写シートの基材シート側
からサーマルヘッドにより熱を印加し、熱溶融性インキ
層を溶融転写させて所望の画像、文字等を形成してい
る。
転写体に印字する場合、熱転写シートを巻いたロールか
ら熱転写シートを供給し、一方で連続あるいは枚葉の被
転写体を熱転写シートの熱溶融性インキ層上に供給し、
両者を重ね合わせた状態で熱転写シートの基材シート側
からサーマルヘッドにより熱を印加し、熱溶融性インキ
層を溶融転写させて所望の画像、文字等を形成してい
る。
【0005】しかし、このような熱転写シートを、例え
ば従来の感熱発色紙を用いた大型のサーマルプロッター
に転用する場合、サーマルプロッターには被転写体の搬
送機構がないため使用できないという問題があった。特
に、製図分野ではCAD化が進行しており、印字速度、
印字濃度が高く、かつメンテナンスの容易なサーマルプ
ロッターが要望されている。このため、熱転写シートと
被転写体とを予め仮接着し、被転写体の搬送機構を不要
とした一体型の熱転写シートが開発されている。
ば従来の感熱発色紙を用いた大型のサーマルプロッター
に転用する場合、サーマルプロッターには被転写体の搬
送機構がないため使用できないという問題があった。特
に、製図分野ではCAD化が進行しており、印字速度、
印字濃度が高く、かつメンテナンスの容易なサーマルプ
ロッターが要望されている。このため、熱転写シートと
被転写体とを予め仮接着し、被転写体の搬送機構を不要
とした一体型の熱転写シートが開発されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような一体型の熱転写シートに、例えばサーマルプロッ
ターを用いて印字した場合、被転写体に形成された印字
物は、消しゴム等により消去して修正することは不可能
であった。これは、上述のような一体型の熱転写シート
では、熱転写シートと一体化された被転写体に地汚れが
発生するのを防止する目的で、熱転写シートの熱溶融性
インキ層を造膜性の高いものとしているため、熱溶融性
インキが転写して形成された印字、画像は膜強度が高
く、消しゴムでは消去できないためである。
ような一体型の熱転写シートに、例えばサーマルプロッ
ターを用いて印字した場合、被転写体に形成された印字
物は、消しゴム等により消去して修正することは不可能
であった。これは、上述のような一体型の熱転写シート
では、熱転写シートと一体化された被転写体に地汚れが
発生するのを防止する目的で、熱転写シートの熱溶融性
インキ層を造膜性の高いものとしているため、熱溶融性
インキが転写して形成された印字、画像は膜強度が高
く、消しゴムでは消去できないためである。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、被転写体に形成された印字・画像を消し
ゴムにより容易に修正することが可能な一体型の熱転写
シートを提供することを目的とする。
たものであり、被転写体に形成された印字・画像を消し
ゴムにより容易に修正することが可能な一体型の熱転写
シートを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の一体型の熱転写シートは熱溶融性イ
ンキ層を一方の面に備えた基材シートと、前記熱溶融性
インキ層上に接着剤層を介して剥離可能に接着された合
成紙からなる被転写体とを備え、前記熱溶融性インキ層
はメルトインデックス(MI)が2500以上且つ30
00g以下であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を5〜
30重量%の範囲で含有するバインダーと着色剤からな
るような構成とした。
るために、本発明の一体型の熱転写シートは熱溶融性イ
ンキ層を一方の面に備えた基材シートと、前記熱溶融性
インキ層上に接着剤層を介して剥離可能に接着された合
成紙からなる被転写体とを備え、前記熱溶融性インキ層
はメルトインデックス(MI)が2500以上且つ30
00g以下であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を5〜
30重量%の範囲で含有するバインダーと着色剤からな
るような構成とした。
【0009】
【作用】基材シートの一方の面に形成された熱溶融性イ
ンキ層は、メルトインデックス(MI)が1000g以
上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を5〜30重量
%の範囲で含有するバインダーと着色剤からなり、この
熱溶融性インキ層に接着剤層を介して被転写体が剥離可
能に接着されており、熱溶融性インキ層は被転写体の地
汚れが発生しない程度に造膜性が高く、かつ、被転写体
に形成された印字、画像は、尾引きの発生がなく、消し
ゴムにより容易に消去可能である。
ンキ層は、メルトインデックス(MI)が1000g以
上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を5〜30重量
%の範囲で含有するバインダーと着色剤からなり、この
熱溶融性インキ層に接着剤層を介して被転写体が剥離可
能に接着されており、熱溶融性インキ層は被転写体の地
汚れが発生しない程度に造膜性が高く、かつ、被転写体
に形成された印字、画像は、尾引きの発生がなく、消し
ゴムにより容易に消去可能である。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図1は本発明の一体型の熱転写シート
の概略断面図である。図1において、一体型の熱転写シ
ート1は、基材シート3と基材シート3の一方の面に形
成された熱溶融性インキ層4とを有する熱転写シート2
と、この熱転写シート2の熱溶融性インキ層4上に接着
剤層5を介して剥離可能に接着された被転写体6とから
構成される。図示例では、熱転写シート1は共巻き連続
タイプの熱転写シートとなっている。
ながら説明する。図1は本発明の一体型の熱転写シート
の概略断面図である。図1において、一体型の熱転写シ
ート1は、基材シート3と基材シート3の一方の面に形
成された熱溶融性インキ層4とを有する熱転写シート2
と、この熱転写シート2の熱溶融性インキ層4上に接着
剤層5を介して剥離可能に接着された被転写体6とから
構成される。図示例では、熱転写シート1は共巻き連続
タイプの熱転写シートとなっている。
【0011】基材シート3としては、従来の熱転写シー
トに使用されている基材シートをそのまま使用すること
ができ、特に限定されることはない。例えば、ポリエス
テル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、
酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩化ゴム、ア
イオノマー等のプラスチック、コンデンサー紙、パラフ
ィン紙等の紙類、不織布等が挙げられ、また、これらの
複合体であってもよい。
トに使用されている基材シートをそのまま使用すること
ができ、特に限定されることはない。例えば、ポリエス
テル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、
酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
スチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩化ゴム、ア
イオノマー等のプラスチック、コンデンサー紙、パラフ
ィン紙等の紙類、不織布等が挙げられ、また、これらの
複合体であってもよい。
【0012】このような基材シート3の厚さは、その強
度、熱伝導性が適切になるように材料に応じて適宜決定
することができ、例えば、2〜25μm程度とすること
ができる。
度、熱伝導性が適切になるように材料に応じて適宜決定
することができ、例えば、2〜25μm程度とすること
ができる。
【0013】熱溶融性インキ層4は、バインダーと着色
剤からなり、更に必要に応じて種々の添加剤を加えたも
のであってよい。バインダーとしては、メルトインデッ
クス(MI)が1000g以上であるエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体を5〜30重量%の範囲で含有するバイン
ダーを使用する。ここで、MIは、2160gの荷重を
ピストン上に加えた時、190℃の溶融体が特定のオリ
フィスを通して10分間に押し出される重量で示され
る。MIが1000g未満であると熱溶融性インキ層4
の造膜性が高くなり過ぎ、消しゴムにより容易に消去で
きなくなる。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体の含
有量が上記範囲を下回ると熱溶融性インキ層4の造膜性
が不充分となり、被転写体6の地汚れが生じ、上記の範
囲を越えると、印字・画像の膜強度が大きくなりすぎ消
しゴムにより消去できないことになる。また、上記のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニルの含有量は1
0〜30重量%であることが好ましい。このようなバイ
ンダーを使用することにより、熱溶融性インキ層4は従
来の熱溶融性インキ層に比べて結晶性が抑えられ、被転
写体6に地汚れが発生しない程度に造膜性が高く、か
つ、被転写体6に形成された印字、画像の尾引き発生が
なく、消しゴムにより容易に消去可能となる。
剤からなり、更に必要に応じて種々の添加剤を加えたも
のであってよい。バインダーとしては、メルトインデッ
クス(MI)が1000g以上であるエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体を5〜30重量%の範囲で含有するバイン
ダーを使用する。ここで、MIは、2160gの荷重を
ピストン上に加えた時、190℃の溶融体が特定のオリ
フィスを通して10分間に押し出される重量で示され
る。MIが1000g未満であると熱溶融性インキ層4
の造膜性が高くなり過ぎ、消しゴムにより容易に消去で
きなくなる。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体の含
有量が上記範囲を下回ると熱溶融性インキ層4の造膜性
が不充分となり、被転写体6の地汚れが生じ、上記の範
囲を越えると、印字・画像の膜強度が大きくなりすぎ消
しゴムにより消去できないことになる。また、上記のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニルの含有量は1
0〜30重量%であることが好ましい。このようなバイ
ンダーを使用することにより、熱溶融性インキ層4は従
来の熱溶融性インキ層に比べて結晶性が抑えられ、被転
写体6に地汚れが発生しない程度に造膜性が高く、か
つ、被転写体6に形成された印字、画像の尾引き発生が
なく、消しゴムにより容易に消去可能となる。
【0014】上記のエチレン−酢酸ビニル共重合体以外
のバインダー成分としては、ワックス、あるいはワック
スと、乾性油、樹脂、鉱油、セルロース、ゴム等の誘導
体等の混合物が用いられる。
のバインダー成分としては、ワックス、あるいはワック
スと、乾性油、樹脂、鉱油、セルロース、ゴム等の誘導
体等の混合物が用いられる。
【0015】使用できるワックスの具体例としては、マ
イクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラ
フィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、各
種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、
イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリ
ラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワックス、
部分変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等挙
げられる。これらの中では、側鎖を有し低結晶性のパラ
フィンワックスであるマイクロクリスタリンワックスが
好ましい。このようなワックスは、バインダーに10〜
70重量%の範囲で含有されることが好ましい。
イクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラ
フィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、各
種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、
イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリ
ラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワックス、
部分変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等挙
げられる。これらの中では、側鎖を有し低結晶性のパラ
フィンワックスであるマイクロクリスタリンワックスが
好ましい。このようなワックスは、バインダーに10〜
70重量%の範囲で含有されることが好ましい。
【0016】また、バインダー中には可塑剤を添加して
もよい。可塑剤を添加することにより、消しゴムに含有
される可塑剤との相溶性を利用して、印字・画像の消去
をより容易にすることができる。使用する可塑剤として
は、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)(DOP)、セ
バシン酸ジ(2−エチルヘキシル)(DOS)、フタル
酸ジブチル(DBP)等の公知の可塑剤を挙げることが
できる。このような可塑剤は、バインダーに5〜20重
量%の範囲で含有されることが好ましい。
もよい。可塑剤を添加することにより、消しゴムに含有
される可塑剤との相溶性を利用して、印字・画像の消去
をより容易にすることができる。使用する可塑剤として
は、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)(DOP)、セ
バシン酸ジ(2−エチルヘキシル)(DOS)、フタル
酸ジブチル(DBP)等の公知の可塑剤を挙げることが
できる。このような可塑剤は、バインダーに5〜20重
量%の範囲で含有されることが好ましい。
【0017】さらに、上記のワックス中に比較的低融点
の熱可塑性樹脂を混合して、被転写体に対する熱溶融性
インキの接着性を向上させてもよい。このような熱可塑
性樹脂は、ワックス100重量部当たり10〜100重
量部の割合で使用することが好ましい。
の熱可塑性樹脂を混合して、被転写体に対する熱溶融性
インキの接着性を向上させてもよい。このような熱可塑
性樹脂は、ワックス100重量部当たり10〜100重
量部の割合で使用することが好ましい。
【0018】着色剤は、黒色単色印字用にはカーボンブ
ラックが好ましく、カラーの多色印字用にはシアン、マ
ゼンタ、イエロー等の有彩色顔料を使用する。これらの
顔料の使用量は、一般に熱溶融性インキ層4中で5〜7
0重量%を占める割合が好ましい。
ラックが好ましく、カラーの多色印字用にはシアン、マ
ゼンタ、イエロー等の有彩色顔料を使用する。これらの
顔料の使用量は、一般に熱溶融性インキ層4中で5〜7
0重量%を占める割合が好ましい。
【0019】基材シート3上に熱溶融性インキ層4を形
成する方法としては、ホットメルトコート、ホットラッ
カーコート等が挙げられる。その他の方法として、上記
のバインダーを水性媒体(アルコール等を含有していて
もよい)中に乳化または分散させたエマルジョンイン
キ、あるいは顔料の水性分散体を混合したエマルジョン
インキを基材シート上に塗工し、エマルジョン粒子が形
状を保持しえる温度で乾燥して形成する方法がある。こ
れらのようにして形成される熱溶融性インキ層4の厚さ
は、0.5〜20μm程度が好ましい。
成する方法としては、ホットメルトコート、ホットラッ
カーコート等が挙げられる。その他の方法として、上記
のバインダーを水性媒体(アルコール等を含有していて
もよい)中に乳化または分散させたエマルジョンイン
キ、あるいは顔料の水性分散体を混合したエマルジョン
インキを基材シート上に塗工し、エマルジョン粒子が形
状を保持しえる温度で乾燥して形成する方法がある。こ
れらのようにして形成される熱溶融性インキ層4の厚さ
は、0.5〜20μm程度が好ましい。
【0020】また、予め基材シート3の表面にワックス
からなる透明層(ワックス層)を形成しておき、この透
明層上に熱溶融性インキ層4を形成することにより、転
写画像が上記の透明層からなる表面層を有するようにし
てもよい。このような透明層も、上述のようなワックス
のエマルジョンから形成し、同様にエマルジョン粒子が
形状を保持した状態とすることが好ましい。このような
透明層の厚さは、0.2〜5μm程度が好ましい。
からなる透明層(ワックス層)を形成しておき、この透
明層上に熱溶融性インキ層4を形成することにより、転
写画像が上記の透明層からなる表面層を有するようにし
てもよい。このような透明層も、上述のようなワックス
のエマルジョンから形成し、同様にエマルジョン粒子が
形状を保持した状態とすることが好ましい。このような
透明層の厚さは、0.2〜5μm程度が好ましい。
【0021】接着剤層5は、上記の基材シート3の熱溶
融性インキ層4と被転写体6とを仮接着するものであ
り、従来公知のいずれの接着剤を用いて形成してもよい
が、特にガラス転移温度の低い粘着性樹脂とワックスと
からなる接着剤が好ましい。ガラス転移温度の低い粘着
性樹脂としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系等
の粘着性樹脂が挙げられ、ガラス転移温度は−90℃〜
−50℃の範囲にあることが好ましい。また、このよう
な粘着性樹脂の形態としては、溶剤溶液型、水溶液型、
ホットメルト型、水性または油性エマルジョン型があ
る。このなかでは、特にアクリル系の水性エマルジョン
型が好ましい。また、上記のガラス転移温度の低い粘着
性樹脂とともに用いられるワックスとしては、上述の熱
溶融性インキ層4の形成に使用するワックスを挙げるこ
とができる。そして、粘着性樹脂とワックスとの重量比
は、1:0.5〜1:4の範囲であることが好ましい。
融性インキ層4と被転写体6とを仮接着するものであ
り、従来公知のいずれの接着剤を用いて形成してもよい
が、特にガラス転移温度の低い粘着性樹脂とワックスと
からなる接着剤が好ましい。ガラス転移温度の低い粘着
性樹脂としては、ゴム系、アクリル系、シリコーン系等
の粘着性樹脂が挙げられ、ガラス転移温度は−90℃〜
−50℃の範囲にあることが好ましい。また、このよう
な粘着性樹脂の形態としては、溶剤溶液型、水溶液型、
ホットメルト型、水性または油性エマルジョン型があ
る。このなかでは、特にアクリル系の水性エマルジョン
型が好ましい。また、上記のガラス転移温度の低い粘着
性樹脂とともに用いられるワックスとしては、上述の熱
溶融性インキ層4の形成に使用するワックスを挙げるこ
とができる。そして、粘着性樹脂とワックスとの重量比
は、1:0.5〜1:4の範囲であることが好ましい。
【0022】また、接着剤層5の粘着性を調整するため
に、ガラス転移温度の高い樹脂エマルジョンを用いても
よい。このような樹脂エマルジョンとしては、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル
共重合体、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂、特にア
クリルエマルジョンが好適である。このような樹脂は、
上記の粘着性樹脂よりも高いガラス転移温度(例えば6
0℃以上)を有するものが好ましく、熱硬化した樹脂で
あってもよい。
に、ガラス転移温度の高い樹脂エマルジョンを用いても
よい。このような樹脂エマルジョンとしては、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル
共重合体、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブテン、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、アクリル樹脂等の熱可塑性樹脂、特にア
クリルエマルジョンが好適である。このような樹脂は、
上記の粘着性樹脂よりも高いガラス転移温度(例えば6
0℃以上)を有するものが好ましく、熱硬化した樹脂で
あってもよい。
【0023】以上のような成分からなる接着剤層5は、
被転写体6の表面に設けてもよいが、この場合には被転
写体(印字物)に粘着性が残るため、熱転写シート2の
熱溶融性インキ層4の表面に設けることが好ましい。こ
の場合、粘着性樹脂を水性エマルジョンとして使用する
ので、熱溶融性インキ層4を損なうことなく接着剤層5
を形成することができる。尚、エマルジョンの塗工方法
や乾燥方法は特に限定されない。
被転写体6の表面に設けてもよいが、この場合には被転
写体(印字物)に粘着性が残るため、熱転写シート2の
熱溶融性インキ層4の表面に設けることが好ましい。こ
の場合、粘着性樹脂を水性エマルジョンとして使用する
ので、熱溶融性インキ層4を損なうことなく接着剤層5
を形成することができる。尚、エマルジョンの塗工方法
や乾燥方法は特に限定されない。
【0024】このような接着剤層5の厚さは、0.1〜
10μm(固形分塗工量として0.1〜1.5g/
m2 )の範囲が好ましい。被転写体6は、上質紙のよう
に転写された熱溶融性インキの浸透性が高い材質以外で
あれば特に限定はない。具体的には、例えばポリエステ
ル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢
酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、
ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオ
ノマー等のプラスチック、コンデンサー紙、パラフィン
紙、樹脂含浸紙、硫酸紙、コート紙、合成紙等を挙げる
ことができる。
10μm(固形分塗工量として0.1〜1.5g/
m2 )の範囲が好ましい。被転写体6は、上質紙のよう
に転写された熱溶融性インキの浸透性が高い材質以外で
あれば特に限定はない。具体的には、例えばポリエステ
ル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢
酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、
ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオ
ノマー等のプラスチック、コンデンサー紙、パラフィン
紙、樹脂含浸紙、硫酸紙、コート紙、合成紙等を挙げる
ことができる。
【0025】また、本発明の一体型の熱転写シートは、
共巻きの連続体ではなく枚葉型であってもよい。尚、熱
転写シート2を構成する基材シート3は、熱溶融性イン
キ層4が形成される面と反対の面にスリップ層が形成さ
れていてもよい。
共巻きの連続体ではなく枚葉型であってもよい。尚、熱
転写シート2を構成する基材シート3は、熱溶融性イン
キ層4が形成される面と反対の面にスリップ層が形成さ
れていてもよい。
【0026】次に、実験例を示して本発明を更に詳細に
説明する。 (実験例)裏面にスリップ層が設けられている厚さ6μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)
製ルミラー)の表面に、マイクロクリスタリンワックス
の40%含水イソプロピルアルコールエマルジョンを固
形分で2g/m2 の割合で塗布し、70〜80℃で乾燥
して透明なワックス層を形成した。
説明する。 (実験例)裏面にスリップ層が設けられている厚さ6μ
mのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)
製ルミラー)の表面に、マイクロクリスタリンワックス
の40%含水イソプロピルアルコールエマルジョンを固
形分で2g/m2 の割合で塗布し、70〜80℃で乾燥
して透明なワックス層を形成した。
【0027】次に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(E
VA)、可塑剤(DOS)、マイクロクリスタリンワッ
クス(MW)、カーボンブラックを表1に示される固形
分組成で含有する16種の熱溶融性インキ(エマルジョ
ン)を用いて、バーコーターにより塗布し(塗布量=2
g/m2 (乾燥時))、70℃のオーブン中で1分間乾
燥して熱溶融性インキ層を形成した。また、表1には、
EVA中の酢酸ビニル(VA)含有量(重量%)、およ
びEVAのメルトインデックス(MI)も示した。
VA)、可塑剤(DOS)、マイクロクリスタリンワッ
クス(MW)、カーボンブラックを表1に示される固形
分組成で含有する16種の熱溶融性インキ(エマルジョ
ン)を用いて、バーコーターにより塗布し(塗布量=2
g/m2 (乾燥時))、70℃のオーブン中で1分間乾
燥して熱溶融性インキ層を形成した。また、表1には、
EVA中の酢酸ビニル(VA)含有量(重量%)、およ
びEVAのメルトインデックス(MI)も示した。
【0028】
【表1】 尚、上記の表1に示された各EVA、可塑剤、マイクロ
クリスタリンワックスおよびカーボンブラックは、以下
のものを使用した。
クリスタリンワックスおよびカーボンブラックは、以下
のものを使用した。
【0029】(EVA) MI=100 :住友化学工業(株)製 DB−10 MI=800 :日本ユニカー(株)製 MB850 MI=1200:日本ユニカー(株)製 MB010 MI=2500:日本ユニカー(株)製 MB080 MI=3000:アライドケミカル(株)製 PE40
0 (可塑剤) 大八化学工業所(株)製 (マイクロクリスタリンワックス) 日本石油(株)製 155度マイクロワックス (カーボンブラック) 三菱化成(株)製 #25B 次に、上記の熱溶融性インキ層上に下記の組成の接着剤
層塗工液をバーコーターにより塗布した(塗布量=0.
5g/m2 (乾燥時))。
0 (可塑剤) 大八化学工業所(株)製 (マイクロクリスタリンワックス) 日本石油(株)製 155度マイクロワックス (カーボンブラック) 三菱化成(株)製 #25B 次に、上記の熱溶融性インキ層上に下記の組成の接着剤
層塗工液をバーコーターにより塗布した(塗布量=0.
5g/m2 (乾燥時))。
【0030】 (接着剤層用塗工液の組成) ・アクリル系粘着粒子水系エマルジョン(固形分40%) (綜研化学(株)製 SKダインN−51L) … 10重量部 ・アクリル系樹脂粒子水系ディスパージョン(固形分20%) (綜研化学(株)製 SKダインME−1000) … 15重量部 ・カルナバワックス水系ディスパージョン(固形分40%) (コニシ(株)製 WE−95) … 15重量部 ・水 … 10重量部 ・イソプパノール … 30重量部 次に、接着剤層上に被転写体としてトレーシングペーパ
(王子油化(株)製ユポ TPG グレード)をニップ
温度40℃、ニップ圧3kg/cm2 で貼り合わせて、一体
型の熱転写シート(試料1〜16)を得た。
(王子油化(株)製ユポ TPG グレード)をニップ
温度40℃、ニップ圧3kg/cm2 で貼り合わせて、一体
型の熱転写シート(試料1〜16)を得た。
【0031】次に、400dpi.のサーマルヘッドを装着
したサーマルプロッターを用いて上記の一体型の熱転写
シートに作図して画像を形成した。この画像の消しゴム
による消去適性、画像品質、およびトレーシングペーパ
の地汚れの程度を下記の基準で評価した。結果を表2に
示した。
したサーマルプロッターを用いて上記の一体型の熱転写
シートに作図して画像を形成した。この画像の消しゴム
による消去適性、画像品質、およびトレーシングペーパ
の地汚れの程度を下記の基準で評価した。結果を表2に
示した。
【0032】(消しゴムによる消去適性)消しゴムとし
て汎用消しゴム(トンボ鉛筆(株)製 MONO)、マルチ
リスイレーサ(輸入元 トンボ鉛筆(株))を用い、3
00g/cm2 の荷重で30回往復した後の消去程度を観
察した。
て汎用消しゴム(トンボ鉛筆(株)製 MONO)、マルチ
リスイレーサ(輸入元 トンボ鉛筆(株))を用い、3
00g/cm2 の荷重で30回往復した後の消去程度を観
察した。
【0033】(画像品質)400dpi.のサーマルヘッド
を装着したサーマルプロッターを用い、2dot lineの再
現性および安定性を光学顕微鏡を用いて100倍で観察
した。
を装着したサーマルプロッターを用い、2dot lineの再
現性および安定性を光学顕微鏡を用いて100倍で観察
した。
【0034】(地汚れ)一体型熱転写シートのリボン
(熱転写シート)剥離後の被転写体の表面状態を光学顕
微鏡を用いて100倍で観察した。
(熱転写シート)剥離後の被転写体の表面状態を光学顕
微鏡を用いて100倍で観察した。
【0035】
【表2】 表2に示されるように、本発明である一体型の熱転写シ
ート(試料1〜8)は、消しゴムによる消去適性および
画像品質がともに良好であり、かつトレーシングペーパ
に地汚れの発生は見られなかった。
ート(試料1〜8)は、消しゴムによる消去適性および
画像品質がともに良好であり、かつトレーシングペーパ
に地汚れの発生は見られなかった。
【0036】しかし、試料9,11,13,14は消し
ゴムによる消去適性は高いものの、画像品質が悪く、ト
レーシングペーパの地汚れも見られた。また、試料1
0,12,15,16は消しゴムによる消去適性が低
く、本発明の効果を発現するものではなかった。
ゴムによる消去適性は高いものの、画像品質が悪く、ト
レーシングペーパの地汚れも見られた。また、試料1
0,12,15,16は消しゴムによる消去適性が低
く、本発明の効果を発現するものではなかった。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば熱
溶融性インキ層は被転写体の地汚れが発生しない程度に
造膜性が高く、かつ、被転写体に形成された印字、画像
は、尾引きの発生がなく、消しゴムにより容易に消去可
能であるという効果が奏される。
溶融性インキ層は被転写体の地汚れが発生しない程度に
造膜性が高く、かつ、被転写体に形成された印字、画像
は、尾引きの発生がなく、消しゴムにより容易に消去可
能であるという効果が奏される。
【図1】本発明の一体型の熱転写シートの概略断面図で
ある。
ある。
1…一体型の熱転写シート 2…熱転写シート 3…基材シート 4…熱溶融インキ層 5…接着剤層 6…被転写体
Claims (3)
- 【請求項1】熱溶融性インキ層を一方の面に備えた基材
シートと、前記熱溶融性インキ層上に接着剤層を介して
剥離可能に接着された合成紙からなる被転写体とを備
え、前記熱溶融性インキ層はメルトインデックス(M
I)が2500以上且つ3000g以下であるエチレン
−酢酸ビニル共重合体を5〜30重量%の範囲で含有す
るバインダーと着色剤からなることを特徴とする一体型
の熱転写シート。 - 【請求項2】前記熱溶融性インキ層は可塑剤を含有する
ことを特徴とする請求項1記載の一体型の熱転写シー
ト。 - 【請求項3】前記熱溶融性インキ層はマイクロクリスタ
リンワックスを含有することを特徴とする請求項1また
は2記載の一体型の熱転写シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19876592A JP3270526B2 (ja) | 1992-07-24 | 1992-07-24 | 熱転写シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19876592A JP3270526B2 (ja) | 1992-07-24 | 1992-07-24 | 熱転写シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0640167A JPH0640167A (ja) | 1994-02-15 |
JP3270526B2 true JP3270526B2 (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=16396572
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19876592A Expired - Fee Related JP3270526B2 (ja) | 1992-07-24 | 1992-07-24 | 熱転写シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3270526B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3641317B2 (ja) * | 1996-04-30 | 2005-04-20 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート用インキ組成物及び熱転写シート |
JP2001301337A (ja) * | 2000-04-26 | 2001-10-31 | Ricoh Co Ltd | 熱転写記録媒体 |
JP2002192877A (ja) * | 2000-12-26 | 2002-07-10 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | キャップオフ性能に優れたマーキングペン |
-
1992
- 1992-07-24 JP JP19876592A patent/JP3270526B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0640167A (ja) | 1994-02-15 |
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