JPH07266727A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体

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JPH07266727A
JPH07266727A JP6065036A JP6503694A JPH07266727A JP H07266727 A JPH07266727 A JP H07266727A JP 6065036 A JP6065036 A JP 6065036A JP 6503694 A JP6503694 A JP 6503694A JP H07266727 A JPH07266727 A JP H07266727A
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JP
Japan
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layer
resin
thickness
coloring layer
pigment
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JP6065036A
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English (en)
Inventor
Takao Arimura
貴男 有村
Tomoaki Yamanaka
知明 山中
Hitomi Kawabata
仁美 川畑
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Fujicopian Co Ltd
Original Assignee
Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Fujicopian Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材の一方の面に、熱溶融性の離型層、保護
樹脂塗膜層、着色層、金属蒸着層および熱溶融性の接着
層がこの順序で設けられた熱転写記録媒体であって、す
ぐれた金属光沢および堅牢性を有する印像を形成しうる
熱転写記録媒体を提供すること。 【構成】 前記着色層の厚さが0.1〜1.0μmで、
着色層中に分散されている顔料の粒径が着色層の厚さ以
下である熱転写記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はサーマルヘッドなどの印
字ヘッドを備えた熱転写プリンターやファクシミリなど
の熱転写記録装置に用いられる熱転写記録媒体に関し、
さらに詳しくは金属光沢を呈する印像(文字、画像な
ど)を形成するための熱転写記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属光沢を呈する印像を形成
するための熱転写記録媒体が知られている。たとえば特
開昭63−30288号公報および特開昭63−494
81号公報には、基材の一方の面に、熱溶融性の離型
層、保護樹脂塗膜層(蒸着アンカー層)、金属蒸着層お
よび熱溶融性の接着層がこの順序で設けられた構成の熱
転写記録媒体が記載されている。これら従来例では、転
写後の印像についてみたばあいに金属蒸着層上に保護樹
脂塗膜層が位置するようにしており、それによって印像
の堅牢性を向上し、金属光沢が消失しないようにしてい
る。さらに、前記従来例では、保護樹脂塗膜層を着色す
ることもあり、それによって金属蒸着層に固有の金属光
沢に限定されない各種色相の金属光沢をうるようにして
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来例では、とくに保護樹脂塗膜層を着色するばあいに、
印像の耐擦性、耐溶剤性などが不充分で堅牢性に劣るも
のであった。
【0004】そこで本発明者らは、保護樹脂塗膜層と金
属蒸着層との間に別途着色層を設け、機能分離すること
によって、前記問題を解決しようと試みた。
【0005】しかしながら、この試みにおいては、転写
性を向上するために着色層および保護樹脂塗膜層の厚さ
を薄くすると、高輝度の金属光沢を呈する印像をうるの
が困難で、また印像の堅牢性も充分でないという問題が
生じた。
【0006】本発明は前記の点に鑑みて、良好な転写性
を確保しながら、高輝度の金属光沢を呈し、かつ堅牢性
のよい印像をうることのできる熱転写記録媒体を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決しようとする手段】本発明は、基材の一方
の面に、熱溶融性の離型層、保護樹脂塗膜層、着色層、
金属蒸着層および熱溶融性の接着層がこの順序で設けら
れた熱転写記録媒体であって、着色層の厚さが0.1〜
1.0μmで、着色層中に分散されている顔料の粒径が
着色層の厚さ以下であることを特徴とする熱転写記録媒
体に関する。
【0008】本発明はさらに、前記熱転写媒体におい
て、着色層のバインダーとして、ポリエステル樹脂を主
体とし、さらに該ポリエステル樹脂と相溶性で、顔料に
対して吸着性の良好な、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体樹脂、ロジン系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、
アクリル樹脂、ケトン樹脂およびテルペン樹脂よりなる
群から選ばれる1種または2種以上の熱可塑性樹脂を含
有する熱転写記録媒体に関する。
【0009】
【作用および実施例】本発明者らが前記試みにおける問
題点を究明したところ、着色層中に分散されている顔料
粒子の粒径が着色層の厚さにくらべて大きく、それに起
因して転写された印像の表面が滑らかにならず、乱反射
を起し、そのため高輝度の金属光沢がえられず、また印
像の表面の凹凸が堅牢性にも悪影響を及ぼしていること
が判明した。
【0010】すなわち、前記試みにおいては転写された
印像を高堅牢なものにするために、着色層のバインダー
として樹脂を使用しているが、樹脂はワックスなどのバ
インダーに比べ溶融粘度が高いため、転写性がわるくな
る。そこで転写性をよくするために着色層の厚さを薄く
したが、そのため顔料粒子の粒径が着色層の厚さより大
きくなり、顔料粒子が着色層の表面から突き出て着色層
の表面が凹凸となる。そうすると保護樹脂塗膜層も転写
性を確保するために一般に薄いから、転写時に前記着色
層表面の凹凸が保護樹脂塗膜層の表面に表われるように
なる。その結果転写された印像の表面が凹凸となり、金
属光沢が低下する。さらに保護樹脂塗膜層は薄いからそ
れに凹凸が生じると、少しの擦りにより凸部がけずり取
られ、着色層、さらには金属蒸着層が露出するため、堅
牢性が低下するのである。
【0011】本発明者らは前記の知見に基づいてさらに
研究を重ね、本発明に到達した。
【0012】すなわち、本発明では転写性をよくするた
めに着色層の厚さを0.1〜1.0μmの範囲に規定す
ると共に、着色層中に分散されている顔料粒子の粒径を
着色層の厚さ以下にすることにより、良好な転写性を確
保しつつ、高輝度の金属光沢を有しかつ高堅牢性の印像
をうることに成功した。
【0013】さらに本発明では、着色層のバインダーと
して、好ましくは堅牢性の良好なポリエスステル樹脂を
用い、かつ該ポリエステル樹脂と相溶性で、顔料に対し
て吸着性の良好な塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂
などの熱可塑性樹脂を併用することにより、着色層内で
の顔料粒子の分散性を良好なものとし、金属光沢および
堅牢性のよりすぐれた印像をうることに成功した。
【0014】つぎに本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明の熱転写記録媒体は、図1に示すよ
うに、基材1の一方の面に、熱溶融性の離型層2、保護
樹脂塗膜層3、着色層4、金属蒸着層5および熱溶融性
の接着層6をこの順序で設けたものである。
【0016】基材1としては熱転写記録媒体の支持体と
して一般的に用いられているフィルムやシートがいずれ
も使用でき、たとえばポリエステルフィルム、ポリアミ
ドフィルム、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチ
ックフィルムやコンデンサー紙などの薄い紙類があげら
れる。基材1の厚さは1〜10μm程度が適当である。
【0017】離型層2は、熱転写時にサーマルヘッドな
どからの熱信号により溶融し、加熱部の転写層(保護樹
脂塗膜層3、着色層4、金属蒸着層5および接着層6か
らなる)の基材1からの剥離を容易にする機能を有す
る。離型層はワックス類および/または熱可塑性樹脂
(エラストマーを含む、以下同様)を主成分とするもの
である。
【0018】前記ワックス類としては、たとえば木ロ
ウ、ミツロウ、ラノリン、カルナバワックス、キャンデ
リラワックス、モンタンワックス、セレシンワックスな
どの天然ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリ
スタリンワックスなどの石油系ワックス;酸化ワック
ス、エステルワックス、低分子量ポリエチレンワック
ス、フィッシャートロプシュワックス、α−オレフィン
−無水マレイン酸共重合ワックスなどの合成ワックス;
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸;ステアリルアルコー
ル、ドコサノールなどの高級脂肪族アルコール;高級脂
肪酸モノグリセリド、ショ糖の脂肪酸エステル、ソルビ
タンの脂肪酸エステルなどのエステル類;オレイルアミ
ドなどのアミド類およびビスアミド類などの1種もしく
は2種以上が使用できる。
【0019】前記熱可塑性樹脂としては、たとえばポリ
エステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸三元共
重合体、ポリビニルブチラール、α−オレフィン−無水
マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体、低分子量スチレン樹脂、エチレン−ス
チレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、石油
樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、ポリプロピレン
系樹脂、アイオノマー樹脂などの1種または2種以上が
使用できる。
【0020】離型層の厚さは約0.2〜1.0μmとす
るのが好ましい。
【0021】保護樹脂塗膜層3は、主に転写後の印像を
保護する機能を有するものであり、熱可塑性樹脂(エラ
ストマーを含む、以下同様)を主体とする透明性の層で
ある。
【0022】前記熱可塑性樹脂としては、ポリエステル
樹脂、ポリウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹
脂、スチレン−ブタジエン共重合体、石油樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、アイオマー樹脂などの1種または2種以
上が使用できる。これらの樹脂を溶剤に溶解し、離型層
上に塗布、乾燥して保護樹脂塗膜層を形成する。保護樹
脂塗膜層の厚さは保護機能を有する限り転写性の点から
薄い方がよく、約0.1〜0.8μm、なかんづく約
0.3〜0.6μmとするのが好ましい。
【0023】着色層4は各種色相の金属光沢をうるため
に設けるものであり、バインダー樹脂(エラストマーを
含む、以下同様)と顔料を主要成分とするものである。
着色層のバインダー樹脂は金属蒸着層と保護樹脂塗膜層
の両方に対し密着性の高いことが必要である。このよう
なバインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン樹脂、石油樹
脂、ロジン系樹脂、テルペン樹脂などの熱可塑性樹脂の
1種または2種以上が好ましく使用できる。ここで前記
ポリエステル樹脂は、酸とジオールとの重縮合でえられ
る非結晶性の線状飽和ポリエステル樹脂であり、酸成分
としてフタル酸、無水フタル酸、セバシン酸、アゼライ
ン酸などの飽和二塩基酸、ダイマー酸などの1種または
2種以上が使用でき、ジオール成分としてはエチレング
リコール、プロピレングリコール、デカンジオール、ド
デカンジオール、ヘキサデカンジオール、ビスフェノー
ル化合物およびそのエチレンオキサイドまたはプロピレ
ンオキサイド付加物などの1種または2種以上が使用で
きる。前記離型層および保護樹脂塗膜層に用いるポリエ
ステル樹脂も同様なものである。
【0024】顔料としては有機顔料、無機顔料のいずれ
も使用できる。色相の調整のために染料を併用してもよ
い。顔料の着色層中での含有量は約5〜40重量%が適
当である。
【0025】前記顔料としては、たとえばイエロー顔
料、マゼンタ顔料、シアン顔料およびそれらの1種また
は2種以上の混合顔料が適宜使用できる。これら着色顔
料は透明性のものが好ましい。
【0026】前記イエロー顔料としては、たとえばジス
アゾイエローHR、ナフトールイエローS、ハンザイエ
ロー5G、ハンザイエロー3G、ハンザイエローG、ハ
ンザイエローGR、ハンザイエローA、ハンザイエロー
RN、ハンザイエローR、ベンジジンイエロー、ベンジ
ジンイエローG、ベンジジンイエローGR、パーマネン
トイエローNCG、キノリンイエローレーキなどの1種
または2種以上が用いられる。
【0027】前記マゼンタ顔料としては、たとえばキナ
クリドンレッド、パーマネントカーミンF5B、パーマ
ネントレッド4R、ブリリアントファストスカーレッ
ト、ブリリアントカーミンBS、パーマネントカーミン
FB、リソールレッド、パーマネントレッドF5R、ブ
リリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3
B、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザ
リンレーキなどの1種または2種以上が用いられる。
【0028】前記シアン顔料としては、たとえばビクト
リアブルーレーキ、無金属フタロシニアニンブルー、フ
タロシニアニンブルー、フアストスカイブルーなどの1
種または2種以上が用いられる。
【0029】前記バインダー樹脂を適宜の溶剤に溶解
し、これに顔料を分散したのち、保護樹脂塗膜層上に塗
布、乾燥して着色層を形成する。
【0030】着色層の厚さは0.1〜1.0μm、なか
んづく0.3〜0.8μmとするのが好ましい。着色層
の厚さが前記範囲未満であると、着色層の色が薄くて所
望の色相がえられない。一方前記範囲を超えると、転写
性がわるくなり、鮮明な金属光沢色印像がえられなくな
る。
【0031】顔料の粒径(着色層中に分散された状態で
の顔料の粒径をいう、以下同様)は着色層の厚さより小
さくする必要がある。顔料の粒径が着色層の厚さより大
きいと、着色層の表面が凹凸になり、それに起因してえ
られる印像の表面に凹凸が生じ、高輝度の金属光沢がえ
られないとともに、堅牢度も低下する。
【0032】着色層のバインダー樹脂としては、金属蒸
着層と保護樹脂塗膜層の両方に対する密着性がすぐれ、
かつ印像の堅牢性を高める点からは、とくにポリエステ
ル樹脂が好ましい。
【0033】ところで、一般に顔料はポリエステル樹脂
への分散性がわるい。そのためポリエステル樹脂に顔料
を分散させると、顔料がその一次粒子の形態にまで分散
されず、二次粒子(凝集体)の形態のものが存在するこ
とになる。二次粒子の径は通常大きく、着色層の厚さ
(0.1〜1.0μm)より大きなものが多いから、着
色層の表面が凹凸になり、高輝度の金属光沢がえられ
ず、堅牢性も低下する。
【0034】そこで、バインダー樹脂としてポリエステ
ル樹脂を使用するばあいは、該ポリエステル樹脂との相
溶性がよく、顔料に対して吸着性のある樹脂(以下、分
散性向上樹脂という)を併用して顔料の分散性をよくす
るのが好ましい。このような分散性向上樹脂としては、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ロジン系樹脂(ロ
ジン、水添ロジン、不均化ロジン、ロジンエステルなど
のロジン誘導体、ロジン変性マレイン酸樹脂などのロジ
ン変性樹脂などを含む)、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、
アクリル樹脂、ケトン樹脂、テルペン樹脂の1種または
2種以上が使用できる。
【0035】分散性向上樹脂は顔料100重量部に対し
て20〜1000重量部、好ましくは50〜500重量
部使用するのが好ましい。分散性向上樹脂の使用量が前
記範囲より少ないと分散性向上効果が充分でない。一方
前記範囲より多くなると、ポリエステル樹脂の割合が少
なくなるので、印像の堅牢性が低下する。
【0036】分散性向上樹脂を使用するばあい、単に分
散性向上樹脂をポリエステル樹脂と一緒に使用してもよ
いが、顔料を予め分散性向上樹脂で表面処理して顔料粒
子の表面に分散性向上樹脂の皮膜を形成した状態で使用
するのが好ましい。このように表面処理した顔料を使用
することにより顔料の分散性がより向上される。
【0037】分散性向上樹脂を前者の態様で使用するば
あい、着色層用塗工液は、分散性向上樹脂をポリエステ
ル樹脂と共に溶剤に溶解し、これに顔料を添加、分散す
ることによって調製する。後者の態様で使用するばあい
は、予め分散性向上樹脂で顔料を表面処理したものをポ
リエステル樹脂の溶剤溶液に添加、分散することによっ
て調製する。このばあい溶剤としては、通常分散性向上
樹脂を溶解する溶剤を使用し、えられた塗工液中では顔
料表面の分散性向上樹脂の皮膜が実質的に溶解除去され
ている状態とするのが好ましい。
【0038】金属蒸着層5の金属としては、アミルニウ
ム、亜鉛、錫、ニッケル、クロム、チタン、銅、銀、
金、白金などの単体、混合物、合金などが使用できる
が、通常アルミニウムが好ましく用いられる。金属蒸着
層は真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法などの物理蒸着法や化学蒸着法により形成でき
る。
【0039】金属蒸着層の厚さは、高輝度の金属光沢を
うる点から、10〜100nm、なかんづく20〜40
nmの範囲が好ましい。
【0040】接着剤層6の接着剤としては、ワックス系
および樹脂系(エラストマーを含む、以下同様)のいず
れも使用でき、これらは併用してもよい。ワックス系の
ものとしては、カルナバワックス、キャンデリラワック
スなどの天然系ワックス、パラフィンワックスなどの石
油系ワックス、ポリエチレンワックスなどの合成ワック
スなどの1種または2種以上を主成分とするものがあげ
られる。樹脂系のものとしては、ポリエステル樹脂、ポ
リアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共
重合体、石油樹脂、ロジン系樹脂、テルペン樹脂などの
1種または2種以上を主成分とするものがあげられる。
【0041】接着層には接着層の切れを向上し、あるい
は耐ブロッキング性を付与するために、シリカ、タル
ク、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、アルミナ、
クレー、炭酸マグネシウム、カーボンブラック、酸化
錫、酸化チタンなどの微粒子を配合してもよい。
【0042】転写性を良くしたいばあいは、一般にワッ
クス系接着剤が用いられる。受像体が樹脂のフィルムや
シートのばあいは、該樹脂との密着性のよい接着剤を用
いるのが好ましい。たとえば、受像体がポリエチレンテ
レフタレートフィルムであるばあい、接着剤としてポリ
エステル樹脂を用いると、印像の定着性がよい。
【0043】接着層の厚さは約0.2〜0.8μmの範
囲が好ましい。
【0044】本発明において、良好な転写性をうるため
に、転写層全体の厚さ(ここでは、保護樹脂塗膜層、着
色層、金属蒸着層および接着層の合計厚さをいう)を
0.8〜2.2μmとするのが好ましい。
【0045】つぎに実施例をあげて本発明を説明する。
【0046】実施例1〜2および比較例1〜2 厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを基
材として、その上に下記に示す処方の塗工液を塗布、乾
燥して厚さ0.6μmの離型層を形成した。
【0047】 成 分 重量部 ダイヤカルナ30B(三菱化成(株)製 0.5 α−オレフィン−無水マレイン酸共重合ワックス) ハイワックス110P(三井石油化学工業(株) 2.8 製ポリエチレンワックス) エバフレックス#410(三井・デュポンケミカル 2.7 (株)製 エチレン−酢酸ビニル共重合体) イソプロピルアルコール 47.0 トルエン 47.0 前記離型層上に下記処方の塗工液を塗布、乾燥して厚さ
0.6μmの保護樹脂塗膜層を形成した。
【0048】 成 分 重量部 エリーテルUE3380 7.0 (ユニチカ(株)製 ポリエステル樹脂) トルエン 46.5 メチルエチルケトン 46.5 前記保護樹脂塗膜層上に、表1に示す処方の塗工液を塗
布、乾燥して、厚さが0.6μmの着色層を形成した。
【0049】前記着色層上に真空蒸着法により厚さ30
nmのアルミニウム蒸着層を設けた。
【0050】前記アルミニウム蒸着層上に下記に示す処
方の塗工液を塗布、乾燥して厚さが0.6μmの接着層
を形成した。
【0051】 成 分 重量部 エリーテルUE3380 6.3 ファインシールT−32 0.7 (徳山曹達(株)製 シリカ粉末) トルエン 46.5 メチルエチルケトン 46.5 えられた各熱転写記録媒体について、下記の項目につい
て評価を行なった。結果を表1に示す。
【0052】(1)金属光沢 テーププリンタ(カシオ計算機(株)製KL−100
0)を用い、印字エネルギー濃度3(該テーププリンタ
における印字エネルギーの設定値)でポリエステルフィ
ルムに印字し、目視にて金属光沢を評価した。 ○・・・高輝度の金属光沢がある。 ×・・・金属光沢がない。
【0053】(2)耐擦性 前記(1)と同じ条件で印像を形成し、耐擦性試験機
(安田精機(株)製ラブテスター)を用い、該印像上を
圧力250g/cm2 でプラスチック消しゴムを50回
往復させ、印像の変化を評価した。 ○・・・印像にまったく変化がない。 △・・・印像がうすくなる。
【0054】(3)耐アルコール性 前記(1)と同じ条件で印像を形成し、クロックメータ
(米国アトラス社製)を用い、該印像上を圧力500g
/cm2 で、アルコールで湿らせた布を50回往復さ
せ、印像の変化を評価した。 ○・・・印像がまったく劣化しない。 △・・・印像がうすくなる。 ×・・・印像がうすくなり、ややけずれが認められる。
【0055】
【表1】
【0056】*1:C.I.ピグメントイエロー83の
5重量部を、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂3重量部とエ
ポキシ樹脂2重量部との混合物で表面処理したもの(山
陽色素(株)製) *2:C.I.ピグメントレッド238の35重量部
を、塩化ビニル樹脂35重量部とエポキシ樹脂30重量
部との混合物で表面処理したもの(山陽色素(株)製) *3:C.I.ピグメントイエロー83の1重量部を、
ロジン変性マレイン酸樹脂3重量部で表面処理したもの
(山陽色素(株)製) *4:C.I.ピグメントバイオレット19の4重量部
を、ロジン変性マレイン酸樹脂5重量部で表面処理した
もの *5:えられた着色層塗工液中の顔料について、レーザ
ー回折式粒度分布測定器を使用して測定した値 表1の結果から、本発明の熱転写記録媒体(実施例1お
よび2)を使用してえられた印像は、優れた金属光沢と
堅牢性(耐擦性、耐アルコール性)をバランスよく有し
ているが、顔料粒子径が着色層の厚さより大きいばあい
(比較例1および2)は、金属光沢および堅牢性のいず
れもが劣ることがわかる。
【0057】
【発明の効果】請求項1記載の発明において、着色層中
に分散されている顔料粒子の粒径を着色層の厚さ以下に
することによって、すぐれた金属光沢と堅牢性を有する
印像をうることができる。
【0058】請求項2記載の発明においては、着色層の
バインダーとしてポリエステル樹脂を用い、これに特定
の分散性向上樹脂を併用することによって、金属光沢お
よび堅牢性が一層向上された印像をうることができる。
【0059】つぎに本発明の好ましい態様を示す。
【0060】(1)請求項2記載の発明において、顔料
として予め分散性向上樹脂で表面処理されているものを
使用することを特徴とする熱転写記録媒体。顔料の分散
性がより向上される。
【0061】(2)請求項1もしくは2、または前記
(1)項記載の発明において、保護樹脂塗膜層の厚さが
0.1〜0.8μm、接着層の厚さが0.2〜0.8μ
mである熱転写記録媒体。転写性がよく、金属光沢およ
び堅牢性のすぐれた印像がえられる。
【0062】(3)請求項1もしくは2、または前記
(1)項記載の発明において、保護樹脂層の厚さが0.
3〜0.6μm、着色層の厚さが0.3〜0.8μm、
接着層の厚さが0.2〜0.8μmである熱転写記録媒
体。転写性がよく、金属光沢および堅牢性のすぐれた印
像がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写記録媒体の一実施例を示す部分
断面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 離型層 3 保護樹脂塗膜層 4 着色層 5 金属蒸着層 6 接着層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の一方の面に、熱溶融性の離型層、
    保護樹脂塗膜層、着色層、金属蒸着層および熱溶融性の
    接着層がこの順序で設けられた熱転写記録媒体であっ
    て、着色層の厚さが0.1〜1.0μmで、着色層中に
    分散されている顔料の粒径が着色層の厚さ以下であるこ
    とを特徴とする熱転写記録媒体。
  2. 【請求項2】 着色層のバインダーとして、ポリエステ
    ル樹脂を主体とし、さらに該ポリエステル樹脂と相溶性
    で、顔料に対して吸着性の良好な、塩化ビニル−酢酸ビ
    ニル共重合体樹脂、ロジン系樹脂、フェノール樹脂、エ
    ポキシ樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニ
    ル樹脂、アクリル樹脂、ケトン樹脂およびテルペン樹脂
    よりなる群から選ばれる1種または2種以上の熱可塑性
    樹脂を含有する請求項1記載の熱転写記録媒体。
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