JP2744764B2 - 熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体

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JP2744764B2
JP2744764B2 JP6117057A JP11705794A JP2744764B2 JP 2744764 B2 JP2744764 B2 JP 2744764B2 JP 6117057 A JP6117057 A JP 6117057A JP 11705794 A JP11705794 A JP 11705794A JP 2744764 B2 JP2744764 B2 JP 2744764B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリンタ、ファクシミ
リなどの熱転写記録装置に用いる熱転写記録媒体に関す
る。さらに詳しくは、異なる色のインクドットの重ね合
せによる減法混色により色を発現する領域を含む多色の
カラー画像の形成に好適に用いられる熱転写記録媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、表面の平滑性に劣る紙(以
下、ラフ紙という)にも良好な画像を形成するための熱
転写記録媒体として、基材上に橋かけ転写性の熱溶融性
インク層(ラフ紙の凹部に橋をかけるように凸部にのみ
付着するように転写しうるインク層をいう)を設けたも
のが知られている。橋かけ転写性のインク層は転写時の
凝集力を大きくしかつ被転写紙に対する接着性を高める
ため、樹脂を多く含有する組成とされているが、そうす
ると基材との接着性が高くなるための転写性がわるくな
る。そのため一般に基材とインク層との間に低融点、低
溶融粘度のワックスを主成分とする離型層を設けること
が行なわれている。
【0003】一方、イエロー、マゼンタ、シアンの熱溶
融性インク層の2種以上を被転写紙上に重ね転写し、異
なる色のインクドットを被転写紙上で重ね合わせて、減
法混色により色が発現される領域を含む多色のカラー画
像を形成することが行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記構成の橋かけ転写
性の熱転写記録媒体を用いて多色のカラー画像を形成し
ようとするばあい、被転写紙上に転写されたインクドッ
トの表面側には離型層が存在することになる。このイン
クドットの上に他の色のインクドットを重ね転写しよう
とすると、先に転写されているインクドットの表面の離
型層につぎに転写しようとするインク層が重ねられ、該
インク層から該離型層に熱エネルギーが充分に加えられ
て溶融し、重ねられるインク層と充分に接着する必要が
ある。
【0005】しかしながら、高速印字で重ね転写するば
あい、熱エネルギーをインク層に充分加えることができ
ないため、つぎのインク層が重ね合されても先に転写さ
れているインクドットの表面の離型層は充分に溶融され
ず、しかもこの離型層はワックスを主成分とするもので
あるため、インク層との接着性がわるく、そのためイン
クドットの重ね合せが不良となり、色再現性などが劣り
良好な多色のカラー画像がえられないという問題があっ
た。
【0006】本発明は前記の点に鑑みて、高速印字でも
インクドットの重ね合せが良好に行なわれ、もって色再
現性の良好な多色のカラー画像がえられる熱転写記録媒
体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材上に、ワ
ックスを主成分とする離型層および熱可塑性樹脂を主成
分とする接着層がこの順に設けられ、前記接着層中に、
着色剤と溶融温度が140 ℃以上または140 ℃での溶融粘
度が10000 ポイズ以上の樹脂とからなる着色粒子が含有
されており、前記着色粒子が前記離型層と接着層を併せ
たものの平均厚さよりも大きな平均粒子径を有すること
を特徴とする熱転写記録媒体に関する(請求項1)。
【0008】さらに本発明は、前記接着層の溶融温度が
前記離型層の溶融温度より低い熱転写記録媒体に関する
(請求項2)。
【0009】さらに本発明は、基材上に、前記離型層お
よび接着層がこの順に設けられ、前記接着層上に前記着
色粒子が付着された積層体が、離型層の溶融温度より低
く、接着層の溶融温度よりも高い温度で熱処理され、前
記着色粒子が前記接着層中に没入されてなる熱転写記録
媒体に関する(請求項3)。
【0010】ここで、前記溶融温度とは、融点のあるも
のは融点を意味し、融点のないものは軟化点を意味す
る。
【0011】
【作用および実施例】本発明を図面を参照して説明す
る。
【0012】図1は本発明の熱転写記録媒体の一実施例
を模式的に示す断面図である。
【0013】図1において、1は基材であり、基材1上
にワックスを主成分とする離型層2および熱可塑性樹脂
を主成分とする接着層3がこの順に設けられており、接
着層3中に着色粒子4が含有されている。
【0014】着色粒子4の平均粒子径Dは離型層2と接
着層3を併せたものの平均厚さLより大きいため、大部
分の着色粒子4はそれらの一部が接着層3から露出して
いる。
【0015】以下において、離型層2および着色粒子4
を含有する接着層3を併せて転写層5というばあいがあ
る。
【0016】図2〜5は本発明の熱転写記録媒体を用い
るカラー画像の形成法を工程順に示す断面図である。
【0017】図2に示されるごとく、熱転写記録媒体の
転写層5(着色粒子4の色がたとえばイエローであると
する)を被転写体であるラフ紙Pと重ね合せ、サーマル
ヘッドT(図2では1個の発熱素子のみを示している)
で基材1側から加熱し、ついで熱転写記録媒体をラフ紙
Pから引き剥すと、図3に示されるごとく、ラフ紙P上
に加熱部の転写層5が橋かけ転写されて、イエローの着
色粒子4を含有するドット(以下、インクドットYとい
う)が形成される。熱転写の際には、加熱部の離型層2
および接着層3が溶融軟化し、しかも着色粒子4の平均
粒子径Dは離型層2と接着層3を併せたものの平均厚さ
Lより大きいため、インクドットYにおいてはイエロー
の着色粒子4の大部分はその1部が離型層2から露出し
ている状態となっている。
【0018】つぎに図4に示されるごとく、熱転写記録
媒体の転写層5(着色粒子4の色がたとえばマゼンタで
あるとする)をインクドットYが形成されているラフ紙
Pと重ね合せ、サーマルヘッドTで基材1側から加熱
し、ついで熱転写記録媒体をラフ紙Pから引き剥すと、
図5に示されるごとく、マゼンタの着色粒子4を含有す
るドット(以下、インクドットMという)がインクドッ
トY上に重ね合されて形成される。
【0019】インクドットY上へのインクドットMの重
ね転写の際には、インクドットMの接着層3が軟化溶融
してインクドットY上に露出しているイエローの着色粒
子4に接着することになるが、インクドットMの接着層
3中の樹脂はインクドットY上のワックス類を主成分と
する離型層2に対するよりも、インクドットY上に露出
している着色粒子4に対する接着性がよいため、インク
ドットMの接着層3とインクドットY上に露出している
イエローの着色粒子4との接着が良好に行なわれ、その
結果インクドットMのインクドットY上への重ね転写が
良好に行なわれることになる。
【0020】なお、インクドットY上へインクドットM
を重ね転写する際、インクドットY上に露出しているイ
エローの着色粒子4の表面は離型層2の材料で薄く覆わ
れているが、このものはインクドットMの接着層3から
与えられる熱で容易に溶融するので、前記重ね転写性を
阻害することはない。
【0021】このように本発明の熱転写記録媒体を用い
て多色のカラー画像を形成するばあいは、従来例のごと
く先に転写されているインクドットの表面の離型層を充
分に溶融するための熱量が必要でなく、しかもインクド
ット同士の接着性が良好である(先に転写しているイン
クドット上に露出している着色粒子とつぎに転写するイ
ンクドットの接着層との接着性が良好である)ため、少
ない印字エネルギーで良好な重ね転写を行なうことがで
き、したがって高速印字で色再現のよい多色のカラー画
像を形成することができる。
【0022】さらに本発明の熱転写記録媒体において
は、接着層の表面に着色粒子が露出しているので、保存
時の耐ブロッキング性が良好である。
【0023】つぎに本発明の熱転写記録媒体を詳細に説
明する。
【0024】本発明における離型層はワックス類を主成
分とするものであり、好ましくはワックス類を80重量%
以上含有するものである。ワックス類としては、たとえ
ば木ロウ、ミツロウ、ラノリン、カルナバワックス、キ
ャンデリラワックス、モンタンワックス、セレシンワッ
クスなどの天然ワックス;パラフィンワックス、マイク
ロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス;酸化ワ
ックス、エステルワックス、低分子量ポリエチレンワッ
クス、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合ワック
ス、フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワック
ス;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸;ステアリルアルコ
ール、ドコサノールなどの高級脂肪族アルコール;高級
脂肪酸モノグリセリド、ショ糖の脂肪酸エステル、ソル
ビタンの脂肪酸エステルなどのエステル類;オレイルア
ミドなどのアミド類およびビスアミド類などの1種もし
くは2種以上が使用できる。基材からの剥離性などの点
からは、パラフィンワックス、エステルワックス、マイ
クロクリスタリンワックスなどが好ましい。基材および
接着層との接着性を調節するために、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体
などの熱可塑性樹脂を少量配合してもよい。
【0025】離型層の溶融温度は65〜90℃が好ましい。
離型層の溶融温度が前記範囲より低いと熱転写記録媒体
の保存安定性が低下する傾向にあり、一方前記範囲より
高いと離型性が劣る傾向にある。
【0026】離型層の厚さは0.5 〜1.5 μmが好まし
い。離型層の厚さが前記範囲より小さいと離型性が劣る
傾向にあり、一方前記範囲より大きいと転写感度が劣る
傾向にある。
【0027】離型層は前記ワックス類および必要に応じ
て使用する樹脂の溶剤溶液、溶剤分散液または水性エマ
ルジョンを基材上に塗布、乾燥することによって形成で
きる。ホットメルトコーティング法で形成することもで
きる。
【0028】本発明における着色粒子を含有する接着層
は、前記離型層上に接着層を形成し、そのうえに着色粒
子を溶解しない溶剤中に着色粒子を分散した塗工液を塗
布、乾燥して着色粒子を接着層の表面に付着させ、つい
で離型層の溶融温度より低く、かつ接着層の溶融温度よ
り高い温度で熱処理して着色粒子を接着層中に沈み込ま
せることによって形成することができる。
【0029】前記接着層は溶融粘度の高い橋かけ転写性
の層であり、熱可塑性樹脂を主成分とする、好ましくは
熱可塑性樹脂を50重量%以上含有するものである。
【0030】前記熱可塑性樹脂(エラストマーを含む)
としては、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エステル共重合などのエチレン系共
重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポ
キシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、塩
化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ビニルアルコール
系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹
脂、ロジン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、天然ゴム、スチ
レン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレン
ゴムなどの1種または2種以上が使用できる。
【0031】接着層は溶融温度が45〜75℃、溶融粘度が
10〜3000ポイズ/140 ℃であるのが好ましい。溶融温度
が前記範囲未満では熱転写記録媒体の保存安定性が劣る
傾向にあり、一方前記範囲を超えると転写感度が劣る傾
向にある。溶融粘度が前記範囲未満では橋かけ転写性が
劣る傾向にあり、一方前記範囲を超えると転写感度が劣
る傾向にある。
【0032】さらに接着層はその溶融温度が離型層の溶
融温度より低いことが必要である。前述の接着層に着色
粒子を沈み込ませるための熱処理時に離型層も溶融して
接着層と混ざり合うと、離型層の機能が失われるため、
この条件が必要となる。離型層の機能を損なわずに着色
粒子の接着層中への沈み込みを良好に行なうため、接着
層の溶融温度が離型層の溶融温度より10℃以上低いのが
好ましい。
【0033】接着層の厚さ(着色粒子を含有しない状態
での厚さをいう、以下同様)は0.5〜3.0 μmが好まし
い。接着層の厚さが前記範囲未満では、橋かけ転写性が
劣り、また着色粒子の保持性能が劣る傾向にある。接着
層の厚さが前記範囲を超えると、転写感度が劣り、また
用いる着色粒子の粒径を大きくしなければならず、精細
な画像がえられにくくなる。
【0034】接着層は、前記樹脂の溶剤溶液、溶剤分散
液またはエマルジョンを離型層上に塗布、乾燥すること
により形成できる。
【0035】前記着色粒子は着色剤と樹脂とからなるも
のである。
【0036】着色剤としては各種の顔料や染料が用いら
れる。カラー画像形成用の着色剤としては一般にイエロ
ー、マゼンタ、シアンの着色剤が用いられるが、これら
着色剤としては透明性のものが好ましく用いられる。ブ
ラックの着色剤は透明性でなくてもよい。
【0037】イエローの透明性着色剤としては、たとえ
ばナフトールエローS、ハンザエロー5G、ハンザエロ
ー3G、ハンザエローG、ハンザエローGR、ハンザエ
ローA、ハンザエローRN、ハンザエローR、ベンジジ
ンエロー、ベンジジンエローG、ベンジジンエローG
R、パーマネントエローNCG、キノリンエローレーキ
などの有機顔料やオーラミンなどの染料の1種または2
種以上が使用できる。
【0038】マゼンタの透明性着色剤としては、たとえ
ばパーマネントレッド4R、ブリリアントファストスカ
ーレット、ブリリアントカーミンBS、パーマネントカ
ーミンFB、リソールレッド、パーマネントレッドF5
R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレッ
ト3B、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、ア
リザリンレーキなどの有機顔料やローダミンなどの染料
の1種または2種以上が使用できる。
【0039】シアンの透明性着色剤としては、たとえば
ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシニアニンブル
ー、フタロシニアニンブルー、フアストスカイブルーな
どの有機顔料やビクトリアブルーなどの染料の1種また
は2種以上が使用できる。
【0040】ここで、前記透明性顔料とは、透明な樹脂
中に分散させたとき、透明に着色された着色粒子を与え
る顔料をいう。
【0041】ブラックの着色剤としては、たとえばカー
ボンブラックなどの無機顔料、アニリンブラックなどの
有機顔料や、ニグロシンなどの染料の1種または2種以
上が使用できる。
【0042】着色粒子に用いる樹脂としては、熱可塑性
樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも用いることができ、両者
を併用してもよい。
【0043】なお、熱転写時に着色粒子が軟化溶融し、
粒子の形態が消失すると、その作用効果が奏されないか
ら、着色粒子に用いる樹脂は熱転写時に容易に軟化溶融
しないものが好ましく、この点から溶融温度が140 ℃以
上または140 ℃での溶融粘度が10000 ポイズ以上のもの
が好ましい。
【0044】前記熱可塑性樹脂としては、たとえばポリ
アミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、
石油系樹脂、ロジン系樹脂、スチレン系樹脂、セルロー
ス系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、酢酸ビニル系樹
脂、エチレン系樹脂などの1種または2種以上が使用で
きる。
【0045】前記熱硬化性樹脂としては、たとえばエポ
キシ樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹
脂、アセトンホルムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂など
の1種または2種以上が使用できる。
【0046】着色粒子の樹脂と接着層の樹脂とは相互に
親和性があるものを使用するのが好ましい。
【0047】着色剤と樹脂の配合比は重量比で1:4〜
3:2の範囲が好ましい。着色剤の割合が前記範囲より
少ないと画像濃度が不充分となり、一方前記範囲より多
いと着色粒子と接着層の接着性が劣る傾向にある。
【0048】着色粒子は、前記着色剤と樹脂を加熱溶融
させて、三本ロール、ニーダーなどで混練し、冷却後粉
砕機で粉砕することにより製造することができる。必要
により球状化処理を施す。
【0049】着色粒子の形状は、球形でも不定形でよ
く、あるいはそれらの混合物であってもよいが、転写後
インクドットの表面に露出しやすい点からは球状のもの
が好ましい。
【0050】着色粒子の平均粒子径Dは離型層と接着層
を併せたものの平均厚さLより大きい必要があり、それ
によって熱転写によって形成されたインクドットの表面
に大部分の着色粒子が露出することになり、それにより
そのうえに重ね転写されるインクドットとの接着性が良
好になる。ここで、前記平均厚さLに占める接着層の平
均厚さは着色粒子が含有されていない状態での平均厚さ
をいう。前記の観点から、着色粒子の平均粒子径Dは前
記平均厚さLの1.2 倍以上であるのが好ましい。一方着
色粒子の平均粒子径Dが大きすぎると、画質が粗くなる
から、平均粒子径Dは10μm以下が好ましい。
【0051】着色粒子はこれを溶解しない溶剤に分散
し、必要によりアトライターなどで所望の粒子径になる
まで粉砕してえられた塗工液を接着層上に塗布し、乾燥
して着色粒子を接着層の表面に付着し、ついで前記熱処
理を施して着色粒子を接着層中に沈み込ませて、本発明
の熱転写記録媒体をうる。着色粒子の塗布量は0.5 〜2.
0 g/m2 が好ましい。
【0052】本発明において、多色のカラー画像を形成
するための熱転写記録媒体の一つの態様としては、単一
の基材上に離型層および接着層を順次設け、該接着層に
イエローの着色粒子を含有する領域、マゼンタの着色粒
子を含有する領域、シアンの着色粒子を含有する領域、
さらに要すればブラックの着色粒子を含有する領域を設
けたものがあげられる。
【0053】図6は前記態様の熱転写記録媒体の一例を
示す平面図である。図6においては、基材上に、イエロ
ーの着色粒子を含有する一定の大きさの領域10Y、マゼ
ンタの着色粒子を含有する一定の大きさの領域10Mおよ
びシアンの着色粒子を含有する一定の大きさの領域10C
がそれらの一定順序の並びを1つの繰返し単位Uとして
基材の長手方向に繰返し並べて配列されている。繰返し
単位Uにおける3色の領域の並べ方の順序は3色の重ね
転写の順序にしたがって適宜選択できる。繰返し単位U
にはブラックの着色粒子を含有する一定の大きさの領域
を加えてもよい。
【0054】他の態様としては、イエローの着色粒子、
マゼンタの着色粒子、シアンの着色粒子、さらに要すれ
ばブラックの着色粒子をそれぞれ別の基材上に設けた接
着層に含有せしめた構成の3種または4種の熱転写記録
媒体の組合せがあげられる。
【0055】前記基材としては、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、
ポリアリレートフィルムなどのポリエステルフィルム、
ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、アラ
ミドフィルム、その他この種のインクリボンの基材用フ
ィルムとして一般に使用されている各種のプラスチック
フィルムが使用できる。またコンデンサーペーパーのよ
うな高密度の薄い紙を使用してもよい。基材の厚さは熱
伝導を良好にする点から、1〜10μm、とくに1〜6μ
m程度が好ましい。サーマルヘッドを備えた熱転写プリ
ンタで使用する記録媒体のばあいは、基材の背面(サー
マルヘッドに摺接する側の面)にスティック防止層を設
けるのが好ましい。スティック防止層としては、たとえ
ばシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ニトロセルロース樹
脂、あるいはこれらによって変性された、たとえばシリ
コーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂
など各種の耐熱性樹脂、あるいはこれら耐熱性樹脂に滑
剤を混合したものなどからなるものがあげられる。
【0056】本発明の熱転写記録媒体を用いる多色のカ
ラー画像の形成は、熱転写プリンタで多色のカラー画像
の分解色信号、すなわちイエロー信号、マゼンタ信号、
シアン信号にしたがって、イエローインクドット、マゼ
ンタインクドット、シアンインクドットをそれぞれ順次
重ね転写して被転写体上にイエローの分解画像、マゼン
タの分解画像、シアンの分解画像を形成することによっ
て行なうことができる。イエローインクドット、マゼン
タインクドット、シアンインクドットの転写順序は任意
に選択できる。通常の多色カラー画像のばあいは3色の
色信号にしたがって3色の分解画像が形成されるが、2
色の色信号しかないばあいは対応する2色の分解画像が
形成される。
【0057】かくして、(1)イエロー、マゼンタおよ
びシアンのうちの少なくとも2種の減法混色により色が
発現される領域、または(2)前記(1)の領域と、イ
エロー、マゼンタおよびシアンのうちの少なくとも1種
からなる単色の領域との組合せからなる領域を含む多色
のカラー画像がえられる。ここで、イエローインクドッ
トとマゼンタインクドットの重ね合せ部分ではレッド色
が、イエローインクドットとシアンインクドットの重ね
合せ部分ではグリーン色が、マゼンタインクドットとシ
アンインクドットの重ね合せ部分ではブルー色が、イエ
ローインクドットとマゼンタインクドットとシアンイン
クドットの重ね合せ部分ではブラック色が呈せられる。
【0058】前記においてはブラック色をイエローイン
クドットとマゼンタインクドットとシアンインクドット
の重ね合せでえているが、3色のインクドットを使用せ
ずに、ブラックインクドットのみでブラック色をうるよ
うにしてもよい。
【0059】前記においては主に本発明の熱転写記録媒
体を用いてラフ紙上に多色のカラー画像を形成するばあ
いについて説明したが、本発明の熱転写記録媒体は表面
の平滑性がよい被転写体に多色のカラー画像を形成する
のにも好適に使用できるものであり、また単色の画像を
形成するのにも使用できるものである。
【0060】また本発明の熱転写記録媒体を使用する熱
転写プリンタとしては、サーマルヘッドを使用するもの
の他に、レーザー光や赤外線を利用するもの、通電方式
のものなど各種のものが使用できる。
【0061】つぎに実施例をあげて本発明をより詳細に
説明する。
【0062】実施例1 片面にシリコーン系樹脂からなる厚さ0.1 μmのスティ
ック防止層を設けた、厚さが3.5 μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルムを基材として用いた。
【0063】この基材の他面に、下記処方の離型層用塗
工液を塗布、乾燥して厚さ1μm、融点75℃の離型層を
形成した。
【0064】 成 分 重量部 パラフィンワックス(融点75℃) 9 エチレン−酢酸ビニル共重合体 1 (軟化点60℃) トルエン 90 前記離型層上に、下記接着層用塗工液を塗布、乾燥して
厚さ2μm、軟化点50℃、溶融粘度2000ポイズ/140 ℃
の接着層を形成した。
【0065】 成 分 重量部 エチレン−酢酸ビニル共重合体 8 (軟化点60℃) ロジン(軟化点100 ℃) 2 トルエン 90 表1に示される各色の顔料とアクリル樹脂(分子量2000
0 、軟化点150 ℃)を加熱ロールで混練し、冷却後粉砕
機で粉砕して、イエロー、マゼンタ、シアンの着色粒子
を製造した。
【0066】
【表1】
【0067】えられた各色の着色粒子10重量部とイソプ
ロピルアルコール90重量部をアトライターに仕込み、着
色粒子の平均粒子径が5μmになるまで粉砕して、各色
の着色粒子の塗工液を調製した。
【0068】前記接着層上にこれら着色粒子の塗工液を
図6に示される色の配列になるように塗布量2g/m2
(固形分換算)で塗布、乾燥したのち、70℃のギヤオー
ブン中に30分間放置し、各着色粒子を接着層中に沈み込
ませ、熱転写記録媒体をえた。
【0069】比較例1 実施例1と同じ基材上に実施例1と同様にして離型層を
形成し、その上に表2に示される処方の各色の着色イン
ク塗工液を図6に示される色の配列になるように塗布、
乾燥して厚さ3μmの各色の着色インク層を形成して、
熱転写記録媒体をえた。
【0070】
【表2】
【0071】前記各熱転写記録媒体を用い、熱転写プリ
ンタ(日本電気(株)製、PCPR150 V)で下記の印
字条件で被転写紙(ゼロックス4042、ベック平滑度38
秒)上に、2ドットとばしの市松パターンで各色のイン
クドットを転写し、さらにその上に異なる色のインクド
ットを重ね転写して、つぎの項目について評価した。結
果を表3に示す。
【0072】印字エネルギー:18mJ/mm2 印字スピード:100 cps (1)1回目の転写性 被転写紙上に転写されたインクドットを目視で観察し
て、つぎの基準で評価した。
【0073】3…転写されるべきドットの90%以上(ド
ット個数のパーセント表示、以下同様)が転写される。 2…転写されるべきドットの50%以上90%未満が転写さ
れる。 1…転写されるべきドットの50%未満が転写される。
【0074】(2)重ね転写性 インクドット同士の重ね合せ状態を目視で観察して、つ
ぎの基準で評価した。
【0075】3…インクドット同士が90%以上重なって
いる。 2…インクドット同士が50%以上90%未満重なってい
る。 1…インクドット同士が50%未満重なっている。
【0076】
【表3】
【0077】
【発明の効果】本発明の熱転写記録媒体によるときは、
ラフ紙にも高速印字で色再現性の良好な多色のカラー画
像がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写記録媒体の一実施例を示す断面
図である。
【図2】本発明の熱転写記録媒体を用いてラフ紙上に転
写する工程を示す断面図である。
【図3】本発明の熱転写記録媒体を用いてラフ紙上に転
写されたインクドットを示す断面図である。
【図4】本発明の熱転写記録媒体を用いて先に転写され
ているインクドットの上に重ね転写する工程を示す断面
図である。
【図5】本発明の熱転写記録媒体を用いて先に転写され
ているインクドットの上に重ね転写されたインクドット
を示す断面図である。
【図6】本発明の熱転写記録媒体における各色の配列の
一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 離型層 3 接着層 4 着色粒子 Y イエローインクドット M マゼンタインクドット P ラフ紙 T サーマルヘッド

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、ワックスを主成分とする離型
    層および熱可塑性樹脂を主成分とする接着層がこの順に
    設けられ、前記接着層中に、着色剤と溶融温度が140 ℃
    以上または140 ℃での溶融粘度が10000 ポイズ以上の樹
    脂とからなる着色粒子が含有されており、前記着色粒子
    が前記離型層と接着層を併せたものの平均厚さよりも大
    きな平均粒子径を有することを特徴とする熱転写記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 前記接着層の溶融温度が前記離型層の溶
    融温度より低い請求項1記載の熱転写記録媒体。
  3. 【請求項3】 基材上に、前記離型層および接着層がこ
    の順に設けられ、前記接着層上に前記着色粒子が付着さ
    れた積層体が、離型層の溶融温度より低く、接着層の溶
    融温度よりも高い温度で熱処理され、前記着色粒子が前
    記接着層中に没入されてなる請求項2記載の熱転写記録
    媒体。
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