JP6762163B2 - 電縫鋼管の溶接工程の溶接監視方法及び溶接監視装置 - Google Patents

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本発明は、電縫鋼管の溶接状態をリアルタイムで検出する監視方法及び監視装置に関するものである。
従来から、高周波抵抗溶接(高周波電縫溶接)を利用して形成された鋼管である電縫鋼管が知られている。また、電縫鋼管の電縫溶接現象は、投入電力(入熱)が高くなるにつれて、冷接、第1種、第2種、過入熱といった溶接現象が発現することが知られている。この中でも第2種現象は広い入熱条件で安定した溶接部品質が得られると考えられていた。
しかし、溶接欠陥に着目した品質と溶接現象の詳細な観察により、第2種は3つの現象に細分類されることが分かった。これらを入熱の低い方から「狭義の第2種」、「遷移領域」、「第2’種」と定義した。狭義の第2種は溶接する鋼材エッジが溶接点に直線的に収束する現象で、溶接点の近傍下流側にアーク発生を伴う特徴がある。第2’種は鋼材エッジの収束点よりも実際の衝合点が下流側に位置する2段収束を伴う現象である。これら両者の現象領域に挟まれた入熱条件に遷移領域があり、直線的な収束と初期の2段収束が不規則に発現するため、溶接欠陥が増加する可能性が高い。
これまでに、第2’種における2段収束=全厚溶融であることを見出し、溶接スリットの長さを測定することで適切な溶接条件に制御する手法(特許文献1、特許文献2参照)、2段収束型第2種溶接現象を自動検出することによる溶融証明、入熱制御を行う技術や溶接点位置とスクイズロールセンター間の距離を測定することで入熱上限を監視する技術(特許文献3等)などを開発し、第2’種現象が発現する入熱状態に制御するためのシステムを構築、導入している。
このように、第2種現象以上の領域を対象とした溶接診断を行ってきたが、電縫鋼管の中でも機械・構造管などのように、第2種領域で発生し始めるスパッタが欠陥の原因となって問題になる品種がある。スパッタは図8のように溶接時の投入電力、即ち入熱が大きくなるにつれて増加する傾向があるため、スパッタを発生させない所謂スパッタレス溶接を実現するには、できる限り入熱の小さい領域で溶接する必要がある。一方、V収束角や造管速度、スクイズロールによるアプセット量などの溶接条件によっては、入熱の小さい領域では冷接或いは未溶着領域も発生する。したがって、新たに低入熱側で操業する品種も対象として「溶融溶接可能な第1種領域」を的確に把握する必要が生じた。
特許第5014837号明細書 国際公開第2011/118560号 特許第5510615号明細書
ところで、第1種の中でも「溶融溶接可能な第1種領域」は、入熱の大きい側の第2種領域、入熱の小さい側の冷接或いは未溶着が発生する第1種領域に挟まれている。従って、冷接等を回避しつつできる限り低入熱で溶接するには、第1種領域の内、「溶融溶接可能な第1種領域」という非常に狭い領域に制御することが求められる。
この制御の指標になり得るものとして、例えば、第2種領域では溶接点下流側に微小なスリット(鋼材エッジの狭い間隙)が発生することが知られている。しかしながら、非常に狭いスリットであるため、その有無を識別することが難しい。更に、冷接領域〜第2種領域では溶接現象に変化がない(溶接点位置やV収束角など)と考えられていたため、「溶融溶接可能な第1種領域」の下限を判別する手段を見出すことは難しかった。つまり今までは、「溶融溶接可能な第1種領域」の上下限を判別する指標がないため、溶接状態を判断することが困難であった。
ところが、研究を重ねることにより、入熱を変化させたときに溶接部を高解像度で撮影すると、僅かに溶接点の絶対位置が変化することが分かった。また、第2種ではスリット内にアーキングが発生することが分かった。これにより溶接点位置を捉えることによって冷接及びスパッタが発生しない「溶融溶接可能な第1種領域」であることを診断することができるようになった。なお、入熱とは溶接部への投入電力(電圧×電流)で、操業に用いる基準値に対する増減を%で表した数値である。
本発明は、このような経緯でなされた発明であり、発明の課題は、溶融溶接可能な第一種領域であることを診断可能とすることである。
上記課題を解決するためになされた本発明は次の手段を採用する。先ず、第一の手段は、帯状の金属板を搬送しながらロール群により連続的に円筒状に成形し、前記円筒状の金属板に対してその側方から一対のスクイズロールによりアプセットを加えつつ、V字状に収束する金属板の周方向の両端部への入熱制御を行いながら高周波抵抗又は誘導加熱溶接により加熱溶融させて突き合わせて鋼管を製造する電縫鋼管の溶接工程の溶接監視方法であって、前記金属板がV字型に収束して衝合する溶接部を含む領域の画像を撮影し、前記撮影された画像を取り込み、撮影された画像に基づいて溶接点の絶対位置と溶接点より下流側に発生するアークを捉える画像処理を施し、前記アーク有無と、予め求めた溶接点適正範囲と前記溶接点の位置との比較結果を用いて、異常有無を判別することを特徴とする電縫鋼管の溶接工程の溶接監視方法である。
第一の手段において、金属板がV字型に収束して衝合する溶接部を含む領域を撮影、処理し、溶接点とアークを捉えるに際し、撮影画像から円筒状に成形されつつある金属板のエッジを検出する領域を設定し、輝度変化の大きい箇所をエッジとして検出し、これらの箇所の直線近似を行い、2本の近似直線を算出し、これら近似線の交点を溶接点として検出し、当該溶接点より下流側で、周方向に対し所定の範囲の幅の矩形をアーク検出領域として設定する構成とすることが好ましい。
また、冷接発生有無の判定は、前記近似線の交点を溶接点とした後、当該溶接点が、予め設定した溶接点の最下流限度位置より上流にあるかどうかで判定する構成とすることが好ましい。
また、第二の手段は、帯状の金属板を搬送しながらロール群により連続的に円筒状に成形し、前記円筒状の金属板に対してその側方から一対のスクイズロールによりアプセットを加えつつ、V字状に収束する金属板の周方向の両端部への入熱制御を行いながら高周波抵抗又は誘導加熱溶接により加熱溶融させて突き合わせて鋼管を製造する電縫鋼管の溶接工程の溶接監視装置であって、前記金属板がV字型に収束して衝合する溶接部を含む領域の画像を撮影する画像撮影手段と、前記画像撮影手段により撮影された画像を取り込み、撮影された画像に基づいて溶接点の位置と溶接点より下流側に発生するアークを捉える画像処理手段と、前記アーク有無と、予め求めた溶接点適正範囲と前記溶接点の位置との比較結果を用いて異常有無を判別する判別手段とが備えられていることを特徴とする、電縫鋼管の溶接工程の溶接監視装置である。
第二の手段において、金属板がV字型に収束して衝合する溶接部を含む領域を撮影、処理し、溶接点とアークを捉える手段として、撮影画像から円筒状に成形されつつある金属板のエッジを検出する領域を設定し、輝度変化の大きい箇所をエッジとして検出し、これらの箇所の直線近似を行い、2本の近似直線を算出し、これら近似線の交点を溶接点として検出し、当該溶接点より下流側で、周方向に対し所定の範囲の幅の矩形をアーク検出領域として設定する手段を有する構成とすることが好ましい。
また、冷接発生有無の判定手段として、前記近似線の交点を溶接点とした後、当該溶接点が、予め設定した溶接点の最下流限度位置より上流にあるかどうかを判定する手段を有する構成とすることが好ましい。
第一の手段や第二の手段を用いると、溶融溶接可能な第一種領域であることを診断することが可能となる。
高周波電縫溶接部を監視している状態を示した鳥瞰図である。 画像撮影処理手段と溶接部の位置関係を示した図である。 溶融溶接可能な第1種領域近傍における4種類の入熱条件下における撮影画像である。 基準となる入熱からのずれと、スクイズロールのセンターから溶接点までの距離の計測値との関係を示した図である。 実施形態における画像処理のアルゴリズムを示した図である。 撮影した画像と、近似線、溶接点、アーク検出領域などとの関係を表した図である。 各入熱条件における実施例の判定結果と扁平試験による品質確認の結果を表した図である。 スパッタ発生量と適正入熱量との関係を表した図である。
以下では、発明の実施形態について説明する。図1、図2は、高周波電縫溶接部を監視している状態を示しており、図1はその鳥瞰図、図2は側面図である。また図1、図2は画像撮影手段12により電縫溶接部の上方から撮影することを示す。高周波電縫溶接を行うには、溶接に先立って、帯状の金属板22を搬送しながら図示しないロール群により、連続的に略円筒状に成形する。この略円筒状の金属板22に対して、その側方から一対のスクイズロール23によってアプセットを加えつつ、V字状に収束する金属板22の周方向の両端部への入熱制御を行いながら、高周波接触抵抗溶接又は高周波誘導抵抗溶接により加熱溶融させて突き合わせて鋼管を製造する。この鋼管の製造方法は、電縫溶接を用いた鋼管の製造方法としては、一般的なものである。
このような電縫溶接を用いた鋼管の製造方法において使用される本実施形態の溶接監視装置1は、金属板22がV字型に収束して衝合する溶接部42を含む領域の画像を撮影する画像撮影手段12を備えている。こうした画像撮影手段12により撮影された画像を取り込み、時系列で撮影された画像に基づいて溶接点の位置と溶接点より下流側に発生するアークを捉える画像処理手段14を備えている。また、アークの有無と、予め求めた溶接点適正範囲と前記溶接点の位置を比較して異常の有無を判別する判別手段16を備えている。このような溶接監視装置1を使用すれば、溶融溶接可能な第一種領域であることが診断可能となる。
これは、帯状の金属板22を搬送しながらロール群により連続的に円筒状に成形し、前記円筒状の金属板22に対してその側方から一対のスクイズロール23によりアプセットを加えつつ、V字状に収束する金属板22の周方向の両端部への入熱制御を行いながら高周波抵抗又は誘導加熱溶接により加熱溶融させて突き合わせて鋼管を製造する電縫鋼管の溶接工程の溶接監視方法において、前記金属板22がV字型に収束して衝合する溶接部42を含む領域の画像を撮影し、前記撮影された画像を取り込み、時系列で撮影された画像に基づいて溶接点の絶対位置と溶接点より下流側に発生するアークを捉える画像処理を施し、前記アークの有無と、予め求めた溶接点適正範囲と前記溶接点の位置との比較結果により、異常の有無を判別することができるからである。
なお、画像撮影手段12は、図1及び図2に示されている事項から理解されるように、金属板22がV字状に収束する溶接部42よりも上方に配置され、溶接部42を含む領域を撮影している。
本実施形態においては、円筒状に曲げられた金属板22の内部にインピーダ32が配置され、当該鋼板の周囲にワークコイル34が配置されている。このワークコイル34に対して高周波電源36から高周波電力が供給される形態の、高周波誘導抵抗溶接である。電縫溶接の形態としては、このような形態に限ることは無く、円筒状に曲げられた金属板22と接触させたコンタクトチップに対して高周波電力を供給する形態などの高周波接触抵抗溶接とすることも可能である。
次に、画像撮影手段12により撮影した画像を示しながら、具体的に説明する。図3は入熱を操業で用いる基準入熱−10%〜+4%まで振った時に、溶接部42上方から分解能0.03μm、フレームレート40fpsで撮影した画像の代表例である。基準入熱としては操業上、造管開始前に入熱を変化させて溶接品質を調査し、正常な品質が得られる領域の平均或いは中心にあたる入熱を用いることができる。この基準入熱は、すでに保管しているデータを用いて造管前に予め決めておく、或いは製品の造管前に数段階入熱を振って溶接し、断面検鏡や扁平試験などで溶接品質を確認して決めればよい。尚、図3に示す例では上記領域の中心に当たる入熱を用いた。この画像例から、適正入熱−10%〜+4%の変化によって、僅か約7.4mmではあるが、溶接点の位置が移動することが観察された。入熱と溶接点の位置とのデータを更に取得し、まとめたものを図4に示す。図4はそれぞれの入熱条件におけるスクイズロール23のセンターから溶接点までの距離(溶接点位置)をプロットしたグラフである。なお、スクイズロール23は図3の画像の左端外にもイメージを示している。図4に示されている事項から、適正な入熱か否かの指標として溶接点の位置を利用できることが分かる。より具体的には、予め溶接点の適正範囲を定めておくことで、当該範囲と溶接点の位置を比較すれば、適正な入熱か否かの指標となることが分かる。
溶接部42の断面を検鏡して溶接線(ボンド)の有無と対比させたところ、基準入熱−2%以下ではボンドが消失することが確認され、正常に溶接できる下限入熱が−2%超であることが分かった。一般的にボンドが消失すると溶接部42の強度が著しく低下することが知られており、図4右側の写真例に示されるボンド(白い線)のあることが正常な溶接部品質の指標の一つになっている。一方上限については、基準入熱+4%超でスパッタの発生と相関のあるアークが発生する現象が確認できた。アークは図3の+4%の画像例に示すように溶接点の下流側に高輝度発光する部位が現れる現象であり、アークに伴ってスパッタが発生すると考えられる。以上のことから、基準入熱−2%超〜+4%未満に制御することが好ましいことが分かる。
図4には造管速度を変化させた場合の溶接点の位置もプロットしているが、造管速度によらず、入熱が増加するほどスクイズロール23のセンターからの距離が遠くなる(上流側に移動する)ことが明確になった。これに基づき、高入熱上限の判定ではスパッタの発生と相関のあるアークを検出し、低入熱下限では溶接点の絶対位置に閾値を設け、溶融溶接可能な第1種条件であることを判定可能となる画像処理法及び判定法が構築できた。
画像処理及び制御法は図5に示すフローを用いて以下に説明する。先ず、画像の撮影を行う(S001)。撮影画像から両鋼材のエッジを検出する領域を設定し、急激な輝度変化をする箇所をエッジ(図6の中の+印)として検出する。図5に示すフローでは、カラーカメラを用いて撮影した画像から赤色成分を抽出する(S002)。このとき、鋼材からの輻射輝度が最も高い赤色成分を処理に用いることが好ましいが、十分な輝度レベルで撮影できれば緑色或いは青色成分でも同様の処理が可能となる。またモノクロカメラを用いる場合は、色成分の抽出は不要である。
このような抽出によって得られた点の直線近似を行い、2本の近似直線を算出する(S003)。カラーカメラを用いて撮影する場合は、撮影画像から赤色成分を抽出した後、同様の処理にて近似直線を求める。このステップにより図6に示したような二本の直線が得られる。
次に、これらの両近似線の交点を溶接点として検出する(S004)。なお、予め冷間で画像分解能とスクイズロール23のセンターと画像との相対位置を測定しておくことで、画像内の座標(画素単位)を実位置に焼き直すことができる。
上記2本の近似直線の角の2等分線を算出する(S005)。次に、アーク検出領域を設定する(S006)。このエリアは、例えば溶接点より下流側で、画像左端まで管円周方向(画像の上下方向)に、好ましくは±3mm幅の矩形とし、ほぼ飽和した領域が存在するかどうかを検出する。アークは溶鋼の輻射に比べて著しく輝度が高いことから、アーク検出領域内で例えば画像の輝度レベルが0〜255レベルのうち、閾値200レベル以上の部位が存在するかどうかで判断できる。このような基準を基にアーク検出領域内で2値化処理を行う(S007)。
このときノイズを検出しないようにアークとして検出した領域の最小面積及びアスペクト(縦/横)比の上限を設定して一次判別することができる(S008)。この際、上限に至らなかった場合に「アークなし」と判別させることができる(S014)。また、一次判別の後、1秒間にアークを検出した頻度を測定する(S009)ことで、1種/2種の判別をすることができる(S010、S015)。
これらの閾値は、例えば、1種/2種の境界でアーク発生頻度を測定しつつ、溶接後に扁平試験によって溶接品質を評価(欠陥による割れが発生するかどうかを確認)することで、決定することができる。なお、図5に示す例においては、2種溶接現象が生じていると判断すると、入熱異常であることを出力している(S011)。
一方、冷接発生有無の判定は、上記ステップ(S004)で算出した溶接点の位置が予め設定した最下流限度位置より上流にあるかどうかに基づいて行うことができる(S012)。図5に示す例においては、溶接点の位置が最下流限度位置を超えていれば、溶融溶接可能な第1種現象と判定する(S013)。逆に溶接点の位置が最下流限度位置を超えていなければ、冷接が発生していると判断する(S016)。図5に示す例の場合、冷接が生じていると判断すると、入熱異常であることを出力している(S017)。
尚、最下流限度位置は、品種毎に入熱を変化させて、予め図4のようなデータを収集し、溶接部42の断面検鏡、つまり溶接線が消失する入熱下限とその時の画像上の溶接点位置を設定する。図4の例では基準入熱−2%のときのスクイズロール23センターからの距離21.8mmが最下流限度位置になる。
本実施形態では、前記金属板22がV字型に収束して衝合する溶接部42を含む領域を撮影、処理し、溶接点とアークを捉える手段として、撮影画像から円筒状に成形されつつある金属板22のエッジを検出する領域を設定し、輝度変化の大きい箇所をエッジとして検出し、これらの箇所の直線近似を行い、2本の近似直線を算出し、これら近似線の交点を溶接点として検出し、当該溶接点より下流側で、周方向に対し所定の範囲の幅の矩形をアーク検出領域として設定する手段を有するため、適切に溶接点とアークをとらえることが可能となる。
これは、前記金属板22がV字型に収束して衝合する溶接部42を含む領域を撮影、処理し、溶接点とアークを捉えるに際し、撮影画像から円筒状に成形されつつある金属板22のエッジを検出する領域を設定し、輝度変化の大きい箇所をエッジとして検出し、これらの箇所の直線近似を行い、2本の近似直線を算出し、これら近似線の交点を溶接点として検出し、当該溶接点より下流側で、周方向に対し所定の範囲の幅の矩形をアーク検出領域として設定することができるからである。
また、冷接発生有無の判定手段として、前記近似線の交点を溶接点とした後、当該溶接点が、予め設定した溶接点の最下流限度位置より上流にあるかどうかを判定する手段を有するため、適切に冷接発生の有無を判定することができる。
これは、冷接発生有無の判定は、前記近似線の交点を溶接点とした後、当該溶接点が、予め設定した溶接点の最下流限度位置より上流にあるかどうかで判定することができるからである。
以上のように、本発明によれば、狭い領域である溶融溶接可能な第1種領域に入熱を制御できるようになり、スパッタ発生がなく且つ冷接のない溶接が実現できる。また本判定結果に基づいて、適した入熱範囲外で溶接した部位を特定でき、マーキングやトラッキングと組み合わせることで高度な品質管理が実現できる。より具体的には、溶接直後にマーキング(インク方式)する或いはコイル先頭からの測長をしながら不良位置をプロコンに送信することで、精整工程で不良部を特定し、除去することもでき、高度な品質管理が実現できる。
次に実施例について、説明する。実際の製造ラインに撮影光学系を設置し、連続的に撮影と画像処理を行いながら溶接状態を判定した。対象としたパイプはφ100mm×5mmtの実管、撮像に用いたカメラは40フレーム/秒、露光時間は1/10000秒とした。造管後に先頭から扁平試験し、割れが発生した位置を実測した。入熱を変化させ、溶接後に扁平試験を行って判定結果と品質とを比較した(図7)。その結果、両者が非常によい一致をしていることが分かり、本発明の効果が実証された。なお、適正入熱+4%においては、アークが発生している状態としていない状態が繰り返されていたため、双方の画像を図7に示している。
本発明は、以上の実施例には限定されることは無く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適応可能なことは勿論のことである。例えば、いくつかのステップは省くことや他のステップに置き換えることも可能である。また、可能な範囲で各ステップの順番を入れ替えることも可能である。
1 溶接監視装置
12 画像撮影手段
14 画像処理手段
16 判別手段
22 金属板
23 スクイズロール
42 溶接部

Claims (6)

  1. 帯状の金属板を搬送しながらロール群により連続的に円筒状に成形し、前記円筒状の金属板に対してその側方から一対のスクイズロールによりアプセットを加えつつ、V字状に収束する金属板の周方向の両端部への入熱制御を行いながら高周波抵抗又は誘導加熱溶接により加熱溶融させて突き合わせて鋼管を製造する電縫鋼管の溶接工程の溶接監視方法であって、
    前記金属板がV字型に収束して衝合する溶接部を含む領域の画像を撮影し、
    前記撮影された画像を取り込み、撮影された画像に基づいて溶接点の絶対位置と溶接点より下流側に発生するアークを捉える画像処理を施し、
    前記アーク有無と、予め求めた溶接点適正範囲と前記溶接点の位置との比較結果を用いて、
    冷接及びスパッタが発生しない「溶融溶接可能な第1種領域」であることを診断することを特徴とする電縫鋼管の溶接工程の溶接監視方法。
  2. 前記金属板がV字型に収束して衝合する溶接部を含む領域を撮影、処理し、溶接点とアークを捉えるに際し、
    撮影画像から円筒状に成形されつつある金属板のエッジを検出する領域を設定し、輝度変化の大きい箇所をエッジとして検出し、これらの箇所の直線近似を行い、2本の近似直線を算出し、これら近似線の交点を溶接点として検出し、
    当該溶接点より下流側で、周方向に対し所定の範囲の幅の矩形をアーク検出領域として設定することを特徴とする、請求項1に記載の電縫鋼管の溶接工程の溶接監視方法。
  3. 冷接発生有無の判定は、前記近似線の交点を溶接点とした後、当該溶接点が、予め設定した溶接点の最下流限度位置より上流にあるかどうかで判定することを特徴とする請求項2に記載の電縫鋼管の溶接工程の溶接監視方法。
  4. 帯状の金属板を搬送しながらロール群により連続的に円筒状に成形し、前記円筒状の金属板に対してその側方から一対のスクイズロールによりアプセットを加えつつ、V字状に収束する金属板の周方向の両端部への入熱制御を行いながら高周波抵抗又は誘導加熱溶接により加熱溶融させて突き合わせて鋼管を製造する電縫鋼管の溶接工程の溶接監視装置であって、
    前記金属板がV字型に収束して衝合する溶接部を含む領域の画像を撮影する画像撮影手段と、
    前記画像撮影手段により撮影された画像を取り込み、撮影された画像に基づいて溶接点の位置と溶接点より下流側に発生するアークを捉える画像処理手段と、
    前記アーク有無と、予め求めた溶接点適正範囲と前記溶接点の位置との比較結果を用いて異常有無を判別する判別手段と
    が備えられており、
    冷接及びスパッタが発生しない「溶融溶接可能な第1種領域」であることを診断することを特徴とする、電縫鋼管の溶接工程の溶接監視装置。
  5. 前記金属板がV字型に収束して衝合する溶接部を含む領域を撮影、処理し、溶接点とアークを捉える手段として、
    撮影画像から円筒状に成形されつつある金属板のエッジを検出する領域を設定し、輝度変化の大きい箇所をエッジとして検出し、これらの箇所の直線近似を行い、2本の近似直線を算出し、これら近似線の交点を溶接点として検出し、
    当該溶接点より下流側で、周方向に対し所定の範囲の幅の矩形をアーク検出領域として設定する手段を有することを特徴とする、請求項4に記載の電縫鋼管の溶接工程の溶接監視装置。
  6. 冷接発生有無の判定手段として、前記近似線の交点を溶接点とした後、当該溶接点が、予め設定した溶接点の最下流限度位置より上流にあるかどうかを判定する手段を有することを特徴とする請求項5に記載の電縫鋼管の溶接工程の溶接監視装置。
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