JPH0871638A - 電縫管の入熱制御方法 - Google Patents

電縫管の入熱制御方法

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JPH0871638A
JPH0871638A JP20962994A JP20962994A JPH0871638A JP H0871638 A JPH0871638 A JP H0871638A JP 20962994 A JP20962994 A JP 20962994A JP 20962994 A JP20962994 A JP 20962994A JP H0871638 A JPH0871638 A JP H0871638A
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welding point
welding
heat input
electric resistance
resistance welded
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JP20962994A
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Inventor
Akira Kurimoto
亮 栗本
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ミル非定常時において、適確な入熱制御を行う
ことにより、優れた溶接品質のもつ成品を得る。 【構成】電縫管の溶接点近傍領域を睨んで設置したカメ
ラ11によりその領域をオンラインで撮像し、得られる
画像の輝度レベルを2値化処理して溶接点位置を検知す
るとともに、この現溶接点位置と予め設定した基準溶接
点位置との偏差に基づいて、この偏差がゼロになるよう
に、前記溶接機の入熱電圧の制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間における電縫管溶
接の入熱制御方法に係り、特に、ミル非定常時におい
て、溶接品質が安定した電縫溶接を行うための入熱制御
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電縫管を熱間製造するには、母材(スケ
ルプ)を成形ロールで連続的に管状に成形し、その相対
向する両エッジ部を誘導加熱等を利用して突き合わせ溶
接する。この際、その両エッジ部は溶接点に収束するい
わゆるV角を形成する。
【0003】かかる製造過程において、両エッジ部の温
度がその溶接点温度(シーム温度)より高温になると、
溶接点のストリップ搬送方向への変化量と上記V角が大
きくなり、溶接が十分効率的に行えなくなる。逆に溶接
点温度がその母材温度よりも高温になると、上記エッジ
突き合わせ部に波打ちが生じ溶接点の周方向への変動が
激しくなり、製品の剛性が低下してしまう。また、通板
されてくる母材の蛇行によって溶接点の周方向への変化
が大きくなり、その結果、エッジ突き合わせ部での肉厚
差が発生する等の問題が生じる。
【0004】これらの問題が生じることなく、より良い
製品品質を得るためには、上記母材温度と溶接点温度と
が、ある一定範囲内に入っている必要がある。このため
に、少なくとも溶接点位置、およびV角の挙動、ならび
に母材の状況をオンラインで測定監視することが望まし
い。
【0005】これらの状況を測定監視しながら、誘導コ
イルの入熱量を制御することにより、溶接品質に優れた
電縫管を得ることが可能である。
【0006】電縫管を製造する際における入熱制御方法
として、従来、代表的には次記のものが開示されてい
る。すなわち、先行例1としての特開昭52−69842 号公
報においては、母材の厚さおよび移送速度を検出し、溶
接安定時におけるその厚さおよび移送速度の検出値を基
準値として記憶する。そして、この厚さ信号と溶接中の
厚さ検出信号との差、およびこの基準移送速度信号と溶
接中の速度検出信号との比の平方根に従って、母材に高
周波電流を印加する電流印加装置の出力を調整する入熱
制御方法が開示されている。さらに、その制御精度を高
めるために、溶接点より下流に、放射温度計を設けて、
溶接後の溶接部からの放射エネルギーを検出し、その偏
差に基づいて入熱量に対して補正を加えるものである。
【0007】また、先行例2としての特開平4−75787
号公報記載のものは、予め実験で溶接素材の標準厚み毎
に任意の溶接速度に対する所要溶接電力量の関係を求
め、基本となる「溶接速度−溶接設定電圧」の関係曲線
を作成してコンピューターに記憶させるとともに、溶接
速度を検出し、検出された溶接速度に基づいて、この関
係曲線から所要溶接電圧を求め、次いで、求められた所
要溶接電圧に基づいて間接的に溶接電力を変更して実際
の溶接操作を行い、得られた溶接部の検査結果から、手
動介入にて溶接電圧を補正して、新たな「溶接速度−溶
接設定電圧」の関係曲線を得て、さらに、そのようにし
て得られた新たな「溶接速度−溶接設定電圧」の関係曲
線に基づいて溶接を続けるというものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年におけ
る電縫管製造工程では、多品種中少量生産への移行の傾
向が大きく、したがって、成品サイズ変わりごとのミル
非定常時における溶接品質の安定化が重要な課題となっ
ている。このために、溶接点におけるシーム温度をフィ
ードバックした入熱制御を行うことが知られているが、
ミル非定常時においては、シーム温度は著しく不安定で
あるために、その期間はオペレータによる手動介入に頼
らざるを得ない。
【0009】前記の先行例1においては、母材の厚さ変
動および移送速度変動に着目し、これらを検出して、同
公報の(4)式に基づいて入熱制御を行うものであり、
一つの有効な手段ではある。しかし、これは、インピー
ダーの温度がほぼ一定の温度に安定するまでは、従来ど
おり手動にて入熱を調整し、溶接が安定した時点で、そ
の板厚および移送速度を基準値として保持し、以後の変
動に対応するものであり(同公報3頁右上欄2行〜14
行)、したがって、ミル非定常時において、適用できる
ものではない。
【0010】また、先行例2も、ミル非定常時に対応し
たものではない。すなわち、手動介入の補助手段を提供
するに留まるものである。
【0011】したがって、本発明の課題は、電縫管を製
造する際、特にミル非定常時において、適確な入熱制御
を行うことにより、優れた溶接品質のもつ成品を得るこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、誘導加熱コイルによる溶接機を用いて電
縫管を製造するに際して、その電縫管の溶接点近傍領域
を睨んで設置したカメラにより前記領域をオンラインで
撮像し、得られる画像の輝度レベルを2値化処理して溶
接点位置を検知するとともに、この現溶接点位置と予め
設定した基準溶接点位置との偏差に基づいて、この偏差
がゼロになるように、前記溶接機の入熱電圧の制御を行
うことを特徴とするものである。
【0013】この場合、ライン速度の急変時には、その
速度変更による補正項を、前記入熱電圧の制御出力に対
して加えるのが望ましい。
【0014】他方で、板厚変更時には、前記制御系によ
ることなく、前ロット板厚に対する現ロット板厚の比の
平方根に応じて入熱電圧を補正することができる。
【0015】
【作用】周知のように、ミル立ち上げ直後、あるい母材
板厚変更時においては、オペレータがライン速度、加熱
炉焚き量を調整するが、この調整段階では、溶接条件を
左右する、ライン速度、母材温度が不安定であり、ミル
の非定常時となる。その後、ライン速度、母材温度とも
にほぼ一定で溶接条件が一定であるミル定常時に移行す
る。本発明は、ミルの非定常時、定常時の双方において
の入熱制御を対象とするが、ミル非定常時における制御
に用いる時に特にその効果が顕著にあらわれる。
【0016】本出願人は、先に、先行例3として挙げる
特開平5−77062号において、熱間電縫管溶接部の
監視方法を開示した。同発明を用いれば、適確に溶接点
を検知できることを知見している。
【0017】その後、本発明者は、ミルの非定常時また
は非定常期間においては、先行例3に従って検知した現
溶接点位置と予め設定した基準溶接点位置との偏差に基
づいて、この偏差がゼロになるように、前記溶接機の入
熱電圧の制御を行うのが有効であることを知見し、実際
に、この制御方法によると、溶接品質が安定することを
確認した。
【0018】また、ミル定常時においても、従来行われ
ていたシーム温度をフィードバックする制御方法より
も、本発明に係る制御方法は優れている。すなわち、従
来のシーム温度一定のためのフィードバック制御におい
て、シーム温度は溶接点のライン方向の動きを間接的に
その溶接点下流の温度で測定するものであり、測定セン
サーの性能制約との関係もあって、動きの早い微小な変
化を捕らえることができなかった。これに対して、本発
明に係る制御においては、溶接点位置を直接見ること
で、不安定で動きの早い変化をも捕らえることができる
ため、その分精度よい制御が可能となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により、具体的に説明
する。本発明においては、溶接点位置を検知する。この
溶接点位置の検知には、たとえば、前記の先行例3をそ
のまま用いることができる。そこで、まず、この先行例
3の説明を進めながら、本発明を説明する。
【0020】すなわち、図1および図2に示すように、
電縫管の溶接点近傍を睨んで設置したカメラ4により、
電縫管溶接点付近および母材エッジ部をオンラインで撮
像し、得られる画像信号の輝度レベルを2値化処理し
て、少なくとも溶接点位置および母材エッジを検知する
とともに、その際に、面積をもった溶接点近傍領域S1
と、この領域より上流側の管の送りラインと直交する母
材エッジ部検出ライン領域S2 とを区分して設定し、前
記溶接点近傍領域S1 および母材エッジ部検出ライン領
域S2 ごと2値化レベルを設定し、溶接点近傍領域S1
の2値化処理後の高輝度範囲の中心点または高輝度度数
の最高密集点を溶接点とし、母材エッジ部検出ライン領
域S2 の2値化処理後の各高輝度点を両母材エッジとす
るものである。
【0021】かかる方法によれば、溶接点近傍領域S1
および母材エッジ部検出ライン領域S2 ごと2値化レベ
ルを設定したので、溶接点付近と母材エッジ部とに同一
の2値化レベルを設ける場合よりも、測定精度の向上を
図ることができる。
【0022】しかも、画像信号により得られた溶接点近
傍領域の2値化処理後の高輝度範囲の中心点または高輝
度度数の最高密集点を溶接点としている。これに対し
て、高輝度レベル検出域が複数から1つに変わった点を
溶接点とする場合には、図8に示すように、溶接点に、
たまたま水蒸気や水滴がある場合には、その影響域内で
溶接点を検出できない。また、2値化処理による高輝度
点をそのまま、溶接点とする場合には、水蒸気や水滴の
影響により、その周囲部分P1 、P2 、P3 を溶接点と
判断してしまう。これに対して、2値化処理後の高輝度
範囲の中心点または高輝度度数の最高密集点を溶接点と
すると、水蒸気や水滴の影響を受けることなく、また受
けたとしても最小限にその影響を防止して、的中精度の
高い検出を行うことができる。
【0023】また、管の流れ方向に走査した各走査ライ
ン上において、高輝度レベル点のカウント数が2から1
に変わる点の流れ方向の座標位置を溶接点とする場合に
は、管の流れ方向位置のみしか判断できず、V角の測定
精度の低下の原因となる。これに対して、実施例では、
溶接点近傍領域の2値化処理後の高輝度範囲の中心点ま
たは高輝度度数の最高密集点を溶接点とするので、管の
流れ方向と共に管の周方向の両者を、すなわちX,Yの
両座標位置をもって溶接点を決定するので、後述のよう
に、各エッジ部点および溶接点の各X,Yの両座標位置
を決めることにより、V角の算出を精度よく行うことが
できる。したがって、カメラ設置精度に影響されずに高
精度で測定可能となる。
【0024】図1および図2は電縫管の製造設備の要部
の概要図であり、母材である金属ストリップ1は矢印方
向に搬送されるとともに順次丸に成形され、誘導加熱コ
イル2により相対向するエッジ部が誘導加熱された後、
スクイズロール3により突き合わされて溶接され、電縫
管1’となる。
【0025】4はカメラ装置であり、ラインの下方から
突き合わせ領域を睨んでいる。このカメラ装置4内の構
造は、図3に示すように、対象のストリップ1または電
縫管1’からの光を、フード5で囲まれた耐熱ガラス6
を介して取り込み、次いでミラー7で反射させ、レンズ
8を通過させた後、プリズム9により方向を変化させた
後、2種類のフィルター(たとえばグリーンフィルター
とND2フィルター)10を透過させ、この光をCCD
カメラ11により撮像する構成としてある。この場合、
たとえば、CCDカメラ11の前面に、円形のND2フ
ィルターを設け、さらにその前方に半割りのグリーンフ
ィルターを設けて、両者を透過した光を溶接部の検出
用、ND2フィルターのみを透過した光を母材エッジ部
の検出用として用いることができる。
【0026】CCDカメラ11に入った光は、図4にブ
ロック図で示すように、カメラモニター12にカメラ1
1が捉えた画像を表示するとともに、同時にその画像信
号が画像処理ボード13aを有する溶接点監視装置13
に入力される。この溶接点監視装置13内では2値化処
理等の画像処理がなされ、溶接点位置、V角、エッジラ
インなどが演算処理される。その結果は、モニター14
にて、カメラ11からの原画像と画像処理後の溶接点位
置、V角、エッジラインを重ねて表示するようにしてあ
り、画像処理の検証用として用いられる。
【0027】CRT表示装置15では、溶接点監視装置
13の設定および動作監視のために設けられ、溶接点監
視装置13での画像処理信号、特に現溶接点位置と、C
RT表示装置15により設定された基準溶接点位置との
偏差の信号は溶接点制御装置16に与えられ、溶接点を
基準位置へ安定させるように、溶接機設定電圧を演算
し、その結果を溶接機制御装置18に出力する。その際
に、溶接点制御装置16での溶接機電圧の設定および動
作監視のためにCRT表示装置17が設けられている。
溶接機制御装置18では、溶接点制御装置16からの設
定電圧信号を受けて誘導加熱コイル2に対して、電圧を
かけ、その電圧で誘導加熱コイル2はストリップを誘導
加熱し、突き合わせ溶接を行う。
【0028】次に画像処理の手順について説明する。 (1)初期値の設定 (A)2値化領域の設定 処理の高速化のため、図2に示すように、面積をもった
溶接点近傍領域S1 と、V角算出のために、この領域S
1 より上流側の管の送りラインと直交する母材エッジ部
検出ライン近傍領域S2 とに区分して設定する。 (B)2値化レベルの設定 溶接点近傍領域S1 の取り込み画像の最高輝度の算出
後、その輝度の何%以下を低輝度の黒レベル(0)と
し、残りを高輝度の白レベル(1)とするかを、予め設
定する。同様に母材エッジ検出ラインの2値化レベルも
設定する。この処理によって、原画像の明るさにとらわ
れず、常に最も明るい領域近傍(溶接点付近)を監視す
ることが可能となる。
【0029】(C)X,Y軸方向位置基準の設定 溶接点のあるべき基準位置と、溶接点位置が変化しても
製品品質に影響を与えない範囲を設定する。これは、そ
の領域外に溶接点が移動したときに、警報またはCRT
への異常表示を行うためのものである。なお、X軸は母
材の流れ方向、Y軸は鋼管の周方向とする。
【0030】(2)溶接点の監視 (A)原画像取り込み 前述の2値化領域の設定にしたがって、溶接点近傍領域
1 と母材エッジ部検出ライン近傍領域S2 とに区分し
て設定しているので、CCDカメラ11に画像を取り込
む際に、溶接点近傍領域S1 については、輝度が高いの
でグリーンフィルターとND2フィルターとの両フィル
ター10を介して入射させ、母材エッジ部検出ライン近
傍領域S2 については、輝度が低いのでND2フィルタ
ーのみを介して入射させる。かかるフィルター10を介
して入射された画像信号は、適当な階調、例えば、25
6階調に分解されて、汎用画像処理ボード(メモリ)1
3aに取り込まれる。
【0031】(B)最高輝度算出 各領域S1 およびS2 内の最高輝度を算出する。
【0032】(C)2値化処理 メモリに取り込まれた画像の予め設定した各領域S1
よびS2 内を、予め設定した2値化レベルに基づいて2
値化する。これにより、図5に示すような2値化後の画
像が得られる。
【0033】(D)X・Y軸方向のヒストグラム算出 溶接点近傍領域S1 内の2値化処理後に、白レベル
(1)となった画素数を、x1〜xm、y1〜ynについて、図
6に示すように、それぞれの度数をとる。
【0034】(E)x方向有効領域の決定 x軸ヒストグラム(度数)の適当な値以上、例えば最大
値の2分の1以上の領域を有効領域とする。
【0035】(F) y方向有効領域の決定 y軸ヒストグラム(度数)の適当な値以上、例えば最大
値の2分の1以上の領域を有効領域とする。
【0036】(G)溶接点位置とズレ量算出 x、y軸それぞれの有効領域の中心を溶接点位置として
求め、基準位置からのズレ量をx、y方向それぞれ算出
する。
【0037】(H)母材エッジの検出 母材エッジ検出ラインの2値化処理結果から母材エッジ
を同定する。この場合、2値化処理結果から直ちに高輝
度点を検出することもできるが、水滴などのノイズの要
因を排除するために、次記の処理を行った後に高輝度点
を母材エッジとすることが望ましい。すなわち、図9に
示すように、CCDカメラを一列の検出ラインとすると
き、たとえば符号Sの輝度分布を示すとき、あるしきい
値をもって2値化すると、たとえばTtの信号を得るこ
とができる。このままで、白レベルのx方向幅が大きい
信号の中心側の位置を母材エッジとすることもできる
が、水滴の付着などのノイズにより符号Tfのような信
号となることもある。したがって、真に母材のエッジか
否かを判断する際に、信頼性に欠ける。そこで、Ttの
信号白レベルを示す信号数が、複数、たとえば10回続
いたとき、その最後の点をエッジEl、さらに再び白レ
ベルを示す信号数が、たとえば10回続いたとき、その
最後の点をエッジErとすると、ノイズの発生はエッジ
の近傍に多いことの拝啓の下で、信頼性の高いエッジ検
出を行うことができる。
【0038】(I)V角の算出と母材蛇行量の推定 図7に示すように、溶接点座標を(XA,YA)、一方の母
材エッジ座標を(XB,YB)、もう一方の母材エッジ座標
を(XB,YC)とすれば、V角θ(=θ1 +θ2)は、 θ=tan -1{(YB −YA )/(XB −XA )}−tan
-1{(YA −YC )/(XB −XA )} として誤差なく求まる。
【0039】また、母材蛇行量Dは次の式から求めるこ
とができる。 D=α×(溶接点のY座標の基準位置からのズレ) (ここで、αは蛇行量と基準位置からのズレ量との相関
関係を示す係数) 上記実施例では、予め溶接部2値化領域を設定すること
としているが、一般に溶接点は最も高温であり、最も輝
度の高い点である点に着目し、取り込んだ画像全域から
最高輝度の点を検出し、その点の周囲において2値化領
域を自動的に設定する態様でもよい。
【0040】<入熱制御の例>適正入熱量とした場合の
基準溶接点位置を予めCRT表示装置15から溶接点監
視装置13に対して設定しておき、たとえば上記のよう
にして画像処理により求められた現溶接点位置と、基準
溶接点位置との偏差がゼロになるように、前記溶接機の
入熱電圧の制御を行う。
【0041】この場合、制御性を高めるために、PI制
御系、より好ましくはPID制御系をもって制御するの
が好ましい。たとえばPID制御を用いて、前記偏差と
過去の設定電圧に基づいて次記(1)式により、前回の
制御出力周期に対して、今回の入熱設定電圧を求める。
【0042】 E=E1 +KP ( Δx−Δx1 )+KI Δx +KD (Δx−2Δx1 +Δx2 ) …………(1) E ;今回設定電圧(KV) E1 ;前回設定電圧(KV) Δx ;今回溶接点位置偏差(mm) Δx1 ;前回溶接点位置偏差(mm) Δx2 ;前々回溶接点位置偏差(mm) KP ,KI ,KD ;PID制御定数 <ライン速度急変時>ミルスタート直後のライン速度急
変時は、上記の溶接機設定電圧に対して、速度変化によ
る補正を行う。以下、速度変化による補正後の溶接機設
定電圧E* の求め方の例について説明する。
【0043】母材に与える入熱量を表す指標としてヒー
ト係数がある。このヒート係数とは、単位体積あたりに
与える入熱量のことであり、次の(2)式によって表さ
れる。
【0044】
【数1】
【0045】ライン速度が急変した(V1 →V)場合で
あっても単位体積あたりに与えるべき入熱量は同じであ
る。したがってヒート係数も一定であるため次の(3)
式が成り立つ。
【0046】
【数2】
【0047】今、板厚は一定とし、またインピーダンス
が一定であるとすれば、溶接機電流Iは溶接機設定電圧
Eに比例するため、次の(4)式、(5)式、(6)式
が成り立つ。
【0048】t1 =t ………(4) I1 =k’E1 ………(5) I=k’E ………(6) これら(4)式、(5)式、および(6)式を(3)式
に代入すると、次に示す(7)式が得られる。
【0049】
【数3】
【0050】したがって、ライン速度急変による溶接機
設定電圧変化量ΔEは、次の(8)式によって表され
る。
【0051】
【数4】
【0052】よって、補正後の溶接機設定電圧E* は、
次の(9)式で表される。
【0053】
【数5】
【0054】ただし、速度変化量が所定のしきい値以下
である場合には、この補正は行う必要はない。
【0055】<標準板厚変更時>標準板厚の変更時に
は、現溶接点位置と基準溶接点位置との偏差により基づ
くことなく(フィードバック制御系によることなく)、
その板厚変更量に合わせて、好ましくはたとえば次記
(10)式によって、溶接機設定電圧を設定して、電圧
を一気に変化させる。
【0056】
【数6】
【0057】なお、ライン速度については、たとえば溶
接点より前の適宜の位置において設けた母材に対して接
触回転するメジャリングロールからの信号に基づいて検
出することができる。板厚についても同様に板厚検出器
を設けて検出できるが、母材の板厚については、プロセ
スコンピューターによって既知であるから、それからの
信号に基づくこともできる。
【0058】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、電縫管
を製造する際、特にミル非定常時において、適確な入熱
制御を行うことにより、優れた溶接品質のもつ成品を得
ることができる。
【0059】ちなみに、本発明によると、溶接不良の減
少によって、歩留りが0.2%向上し、スパーク多発に
よる停機頻度の減少が顕著にみられ、本発明方法が有効
であることが判った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る溶接点監視状態の正面図である。
【図2】その底面図である。
【図3】カメラの配置状況断面図である。
【図4】本発明における入熱制御系のブロック図であ
る。
【図5】ウインドウ内の原画像を示す図である。
【図6】2値化後の画像およびヒストグラムの説明図で
ある。
【図7】V角の算出用の説明図である。
【図8】水滴などによる溶接点近傍の状態の説明図であ
る。
【図9】エッジの検出および同定態様の説明図である。
【符号の説明】
1…ストリップ、1’…電縫管、2…誘導加熱コイル、
3…スクイズロール、4…カメラ装置、8…レンズ、1
0…光学フィルター、11…CCDカメラ、13…溶接
点監視装置、16…溶接点制御装置、18…溶接機制御
装置、S1 …溶接点近傍領域、S2 …母材エッジ部検出
ライン近傍領域、

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘導加熱コイルによる溶接機を用いて電縫
    管を製造するに際して、その電縫管の溶接点近傍領域を
    睨んで設置したカメラにより前記領域をオンラインで撮
    像し、得られる画像の輝度レベルを2値化処理して溶接
    点位置を検知するとともに、 この現溶接点位置と予め設定した基準溶接点位置との偏
    差に基づいて、この偏差がゼロになるように、前記溶接
    機の入熱電圧の制御を行うことを特徴とする電縫管の入
    熱制御方法。
  2. 【請求項2】ライン速度の急変時には、その速度変更に
    よる補正項を、前記入熱電圧の制御出力に対して加える
    請求項1記載の電縫管の入熱制御方法。
  3. 【請求項3】板厚変更時には、前記制御系によることな
    く、前ロット板厚に対する現ロット板厚の比の平方根に
    応じて入熱電圧を補正する請求項1記載の電縫管の入熱
    制御方法。
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