JP6761239B2 - プロセスチーズ類及びその製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、引用文献1では原料となるチーズ類を加熱乳化後に糖類を添加する必要があるなど、製造適性の面で課題があった。一方、引用文献2の方法では、シュレッド加工等の加工を行った後のチーズに糖類及びカルボキシル基を有する弱酸及び/またはその塩をまぶすという製造工程を経るため、チーズ表面に均一に付着させることが困難であり、結果的に焦げ色にバラつきが生じるものとなる。
特許文献3には、焦げ性の良好なプロセスチーズ類について記載されている。この方法は、トースターで焼成することを前提として、最適な焦げ性を付与するという点で画期的なものであるが、乳化条件によっては、焼成時の焦げ色にムラが生じることがある等、工業製品として大量生産を前提とする場合には、より安定して製造する方法が求められていた。
(1)直径10mm×高さ20mmの円柱状に切り出し、ろ紙上で90℃、120分間保持した際のろ紙上のオイルオフ面積が3〜25cm2であり、糖類を0.1〜5.0重量%含有し、かつ製品中の遊離アミノ酸含量が0.75重量%以上であることを特徴とするプロセスチーズ類。
(2)溶融塩の添加量が0.1〜3.0重量%であることを特徴とする(1)記載のプロセスチーズ類。
(3)原料チーズとして熟度指数が15%以下のグリーンチーズを20重量%以上配合することを特徴とする(1)または(2)記載のプロセスチーズ類。
(4)製品水分が49%以下であり、かつ固形分中脂肪の値が46%以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のプロセスチーズ類。
(5)熟度指数15%以下のグリーンチーズを20重量%以上配合し、かつ製品の固形分中脂肪が46%以下、製品中の遊離アミノ酸含量が0.75重量%以上となるように調製した原料チーズに、溶融塩を0.1〜3.0重量%、糖類を0.1〜5.0重量%配合し、かつ、下記オイルオフ試験による製品のオイルオフ面積が3〜25cm2となるように乳化することを特徴とする、加熱時に焦げ性を有するプロセスチーズ類の製造方法。
(オイルオフ試験)
プロセスチーズ類を直径10mm×高さ20mmの円柱状に切り出し、ろ紙上で90℃、120分間保持した際のろ紙上のオイルオフ面積を測定する。
なお、製品中の固形分中脂肪を調整するために、マリボーチーズ、サムソーチーズ、ラクレットチーズ、モッツァレラ(モザレラ)チーズ、ストリングチーズ、スキムチーズ等の低脂肪タイプのナチュラルチーズを原料チーズの一部として使用することが望ましい。
本発明のプロセスチーズ類においては、原料ナチュラルチーズとして熟度指数15%以下のいわゆるグリーンチーズを20重量%以上含有させることが好ましい。なお、チーズ類の熟度指数は以下の式によって計算した値である。
熟度指数(%)=(可溶性窒素量/全窒素量)×100
いずれの場合も、製品中の遊離アミノ酸含量を0.75重量%以上とすることで、製品を加熱した際に、製品表面の膜形成が促進され、従来品よりもより良好な焦げ性を安定して発現させることが出来る。なお、特許文献1の記載の方法でもアミノ酸を添加してはいるが、特許文献1はさらに還元糖を加えてアミノカルボニル反応を促すものであるのに対し、本発明は、チーズ中の遊離アミノ酸含量を高めることによって、加熱によるチーズ表面の皮膜形成を促進することを目的とするものであることから、特許文献1は本発明とは目的が異なるものである。
なお、遊離アミノ酸含量の測定は、以下の方法で実施した。
(遊離アミノ酸含量測定方法)
試料5gに蒸留水20mlを加えて粉砕後、16%スルホサリチル酸溶液5ml及び蒸留水10mlを加えて十分攪拌した後に、3000rpmで10分間遠心分離を行い、タンパク質と脂肪を除き、さらに蒸留水で3倍希釈して分析サンプルとした。このサンプルをL-8500型高速アミノ酸分析計(日立製作所)を用いて分析し、アミノ酸クロマトグラフ法によって遊離アミノ酸量を求めた。
実施例1と同様の方法で、グルタミン酸量のみを最終製品中の遊離アミノ酸含量が0.5%(比較例品1)、0.7%(比較例品2)となるように添加したプロセスチーズ類を製造した。得られたプロセスチーズ類についてオイルオフ量を測定したところ、それぞれ24.1cm2(比較例品1)、24.8cm2(比較例品2)であった。なお、糖類含量はいずれも2.5%であった。
原料チーズとして、ゴーダチーズ10kg、チェダーチーズ10kg、熟度指数10%のグリーンチーズ10kgを粉砕、混合した。混合したチーズ30kgをケトル型乳化機に投入し、クエン酸ナトリウム90g、リン酸ナトリウム660g、ホエイ粉300gを添加し、また、グルタミン酸を最終製品中の遊離アミノ酸含量が0.5%(比較例品3)、0.8%(比較例品4)となるように添加した。その後、最終の水分含量が48%となるように水を添加し、80rpmで撹拌しながら、80℃になるまで加熱した。加熱後にスライス形状に充填し、急冷してプロセスチーズ類を得た。得られたプロセスチーズ類についてオイルオフ量を測定したところ、比較例品3、比較例品4のいずれもオイルオフは生じなかった。また糖類含量はいずれも2.5%であった。
実施例品1〜3、比較例品1〜4のプロセスチーズ類について、以下の方法で皮膜形成及び焦げ性を評価した。評価は、10cm四方のプロセスチーズ類をアルミホイルに載置し、1000Wのトースターで3分間加熱するという条件で実施した。皮膜形成の評価は、トースターの加熱時にチーズ表面の面積の70%以上が膨らんだものを◎、40%以上80%未満が膨らんだものを○、20%以上40%未満膨らんだものを△、20%未満のものを×として評価した。焦げ性の評価は焦げていないものを×、焦げ色のついたものを○、さらに、チーズ全体にきれいな焦げ色を呈したものを◎、過剰に焦げたものを△とする4段階で行った。結果を表1に示す。
また、各プロセスチーズ類1,000枚を上記の方法で加熱した際に、焦げ色がつかなかったものの割合(焦げ不良率)を併せて表1に記載した。
[試験例2]
Claims (5)
- 直径10mm×高さ20mmの円柱状に切り出し、ろ紙上で90℃、120分間保持した際のろ紙上のオイルオフ面積が3〜25cm2であり、糖類を0.1〜5.0重量%含有し、かつ製品中の遊離アミノ酸含量が0.75重量%以上であることを特徴とするプロセスチーズ類。
- 溶融塩の添加量が0.1〜3.0重量%であることを特徴とする請求項1記載のプロセスチーズ類。
- 原料チーズとして熟度指数が15%以下のグリーンチーズを20重量%以上配合することを特徴とする請求項1または2記載のプロセスチーズ類。
- 製品水分が49%以下であり、かつ固形分中脂肪の値が46%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプロセスチーズ類。
- 熟度指数15%以下のグリーンチーズを20重量%以上配合し、かつ製品の固形分中脂肪が46%以下、製品中の遊離アミノ酸含量が0.75重量%以上となるように調製した原料チーズに、溶融塩を0.1〜3.0重量%、糖類を製品中に0.1〜5.0重量%含有するように配合し、かつ、下記オイルオフ試験による製品のオイルオフ面積が3〜25cm2となるように乳化することを特徴とする、加熱時に焦げ性を有するプロセスチーズ類の製造方法。
(オイルオフ試験)
プロセスチーズ類を直径10mm×高さ20mmの円柱状に切り出し、ろ紙上で90℃、120分間保持した際のろ紙上のオイルオフ面積を測定する。
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