しかしながら、特許文献1に開示された易開封包材では、2本のノッチが形成される合掌貼り部の端辺を摘み、引き裂く際に合掌貼りシールされている部分が立ち上がる状態になるために、包装袋と合掌貼りシールされている部分を片側の手で押さえて摘み部をさらに前の方向に引き裂く力が必要となる等、容易に引き裂くことができない。
また、前記特許文献1には、センターシールを弱シールにすることにより易開封が可能であると記載され、弱シールを形成するために易開封性樹脂の改良、例えばヒートシール阻害成分のブレンド等による易開封化、あるいは溶液タイプまたはエマルジョンタイプの接着剤を基材フイルムの内面に塗布することにより弱シール部を形成することも記載されている。しかし、阻害成分のブレンド等により弱シール部を形成する場合、ブレンド材の選定あるいはブレンド材の量により、接着シールする際のシール温度あるいはシール時間等により接着強度が非常にばらつく。また、溶液タイプまたはエマルジョンタイプの接着剤を基材フイルムの内面に塗布することにより弱シール部を形成する場合も、接着剤の塗布量あるいは塗布ムラ等により接着シール強度のムラが生じる。
さらに、特許文献1に開示された易開封包材では、引き裂き用切れ目のノッチが形成されている先が僅かの長さで弱シール性を考慮した基材フイルム同士が合掌貼り状態で接着シールされているために接着強度も強く、引き裂きのきっかけをもたらす状態でなく、引き裂き難い。一方、その接着強度を弱めてしまうと、袋体が不用意に開封してしまうおそれが生ずる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、袋体毎のばらつきが少ないほぼ一定の比較的小さな力で容易に開封することができるとともに、不用意に開封してしまうおそれがない袋体、及び、これを用いた袋詰め体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段として、以下の各態様を提示する。第1の態様による袋体は、一方端部側が閉塞されるとともに他方端部側が開口された筒状の胴部を有する袋体であって、前記胴部は、前記一方端部側から前記他方端部側へ延びる第1の縁を持つ第1のシート部分と、前記一方端部側から前記他方端部側へ延びる第2の縁を持つ第2のシート部分とを含み、前記第1のシート部分の前記第1の縁側の領域と、前記第2のシート部分の前記第2の縁側の領域とが、前記第1のシート部分を外側にするとともに前記第2のシート部分を内側にして封筒貼り状に重ね合わされ、前記封筒貼り状に重ね合わされた前記第1及び第2のシート部分の前記領域間が、前記第1のシート部分の前記第1の縁に沿った縁部領域の少なくとも一部を非接着領域として除いた接着領域において、接着され、前記第1のシート部分の前記非接着領域の端縁に、間隔をあけて2つの引き裂き用切り込みが形成され、前記第1及び第2のシート部分の少なくとも一方は、前記2つの引き裂き用切り込み間の前記第1のシート部分の前記非接着領域に対して引き裂き方向に並んだ前記接着領域において、易破壊層を含む2層以上の積層構造を有し、前記2つの引き裂き用切り込み間の前記第1のシート部分の前記非接着領域を摘まんで前記第1及び第2の縁と交差する引き裂き方向に引っ張ることにより、前記易破壊層が破壊されることで、前記引き裂き方向に並んだ前記接着領域において、前記摘まんだ側が残りの側から分離されるように、前記第1及び第2のシート部分の各層間の接着強度及び各層の強度が設定されたものである。
前記積層構造は、前記易破壊層の他に合成樹脂層を含むことが好ましい。また、前記引き裂き用切り込みは、3つ以上でもよく、例えば、当該切り込みとしてVノッチを連続的に多数形成してもよい。
本願明細書において、易破壊層とは、通常の使用状態では隣に積層される層との積層状態を保持することができるが、特に工具等を用いずとも人手により隣の層を引き剥がすよう外力を作用させることで容易に2層に破壊(層間破壊)される層を意味する。その破壊面には粘着性がなくてもよく、その破壊面に粘着性がない易破壊層を非粘着性易破壊層と呼ぶ場合がある。
この第1の態様によれば、前記第1及び第2のシート部分が封筒貼り状にされているので、前記2つの引き裂き用切り込み間の前記第1のシート部分の前記非接着領域を摘まんで前記第1及び第2の縁と交差する引き裂き方向に引っ張ることにより、当該袋体を開封することができる。したがって、前記第1の態様によれば、特許文献1に開示された易開封包材のような合掌貼りシールが施されている袋体と異なり、接着されている部分が立ち上がる状態にならないので、容易に開封することができる。
また、前記第1の態様では、前記第1及び第2のシート部分の少なくとも一方は、前記2つの引き裂き用切り込み間の前記第1のシート部分の前記非接着領域に対して引き裂き方向に並んだ前記接着領域において、易破壊層を含む2層以上の積層構造を有し、前記2つの引き裂き用切り込み間の前記第1のシート部分の前記非接着領域を摘まんで前記第1及び第2の縁と交差する引き裂き方向に引っ張ることにより、前記易破壊層が破壊されることで、前記引き裂き方向に並んだ前記接着領域において、前記摘まんだ側が残りの側から分離されるように、前記第1及び第2のシート部分の各層間の接着強度及び各層の強度が設定されている。したがって、前記第1の態様によれば、開封に際して易破壊層の破壊が巧みに利用され、前記引っ張りによる力が易破壊層に面状ではなく線状に加わることで、易破壊層に破壊力が集中するため、比較的小さい力で易破壊層が破壊する。このため、前記第1の態様によれば、比較的小さな力で開封することができる。一方、開封操作をしない限り、易破壊層には破壊力が集中することはないため、不用意に開封してしまうおそれがない。また、前記第1の態様によれば、開封に際して易破壊層の破壊が巧みに利用されるので、前記第1及び第2のシート部分の各層間の接着強度及び易破壊層以外の層の強度が高くても、比較的小さい力で開封することができる。このため、前記第1の態様によれば、弱シールや弱接着を使用せずに比較的小さい力で開封することができるので、袋体毎のばらつきが少ないほぼ一定の比較的小さな力で開封することができる。また、前記第1の態様によれば、弱シールや弱接着を使用せずに済むので、製造時において、その弱シールや弱接着の強度のばらつきが少なくなるような厳密な管理が不要になることから、当該袋体の製造が容易となる。
第2の態様による袋体は、前記第1の態様において、前記胴部は1枚のシートで構成され、前記第1及び第2のシート部分はそれぞれ前記1枚のシートの一部であるものである。
この第2の態様によれば、前記第1及び第2のシート部分が同じ1枚のシートを構成しているので、容易に製造することができる。もっとも、前記第1の態様では、前記第1のシート部分を構成するシートと前記第2のシート部分を構成するシートとが、別のシートであってもよい。
第3の態様による袋体は、前記第1又は第2の態様において、前記易破壊層が紙であるものである。
この第3の態様は、前記易破壊層の例として紙を挙げたものである。もっとも、前記第1及び第2の態様では、易破壊層の具体的な材料は何ら限定されず、例えば、特許第3477178号公報に開示されているような非粘着性易破壊層(例えば、バインダーとこのバインダーの中に含まれる充填剤及び気泡とを有したもの)を採用してもよいし、ポリエステル合成紙(例えば、東洋紡株式会社製の「クリスパー」と称する商品などの、内部に空洞を含有するポリエステル系二軸延伸フィルム)などを採用してもよい。
第4の態様による袋体は、前記第1乃至第3のいずれかの態様において、前記封筒貼り状に重ね合わされた前記第1及び第2のシート部分の前記接着領域間の接着は、ヒートシールによる接着であるものである。この第4の態様は、前記接着の例を挙げたものである。
第5の態様による袋体は、前記第1乃至第3のいずれかの態様において、前記封筒貼り状に重ね合わされた前記第1及び第2のシート部分の前記接着領域間の接着は、接着剤による接着であるものである。この第5の態様は、前記接着の他の例を挙げたものである。
第6の態様による袋体は、前記第5の態様において、前記第1のシート部分の前記接着領域における前記接着剤の側の層が紙であり、前記第2のシート部分の前記接着領域における前記接着剤の側の層が紙であり、前記第1のシート部分の前記接着領域における前記接着剤の側の前記層及び前記第2のシート部分の前記接着領域における前記接着剤の側の前記層のうちの少なくとも一方が前記易破壊層をなすものである。
この第6の態様によれば、前記第1のシート部分と前記第2のシート部分との間の接着剤による接着が紙同士の接着であるので、その接着を強固に行うことが容易になるとともに、当該接着剤がシート部分の縁から漏れるのを容易に防止することができる。
第7の態様による袋体は、前記第1乃至第6のいずれかの態様において、前記第1のシート部分において、前記2つの引き裂き用切り込みのうちの少なくとも1つの引き裂き用切り込みの延長線上に、引き裂き用ガイドとなるミシン目あるいは連続又は断続した半抜きのラインが形成されたものである。
この第7の態様によれば、前記第1のシート部分に前記ミシン目又は前記半抜きのラインが形成されているので、前記第1のシート部分が直線カット性を有する層を含んでいなくても、易開封性をより向上させることができる。もっとも、前記第1乃至第6の態様では、前記第1のシート部分には前記ミシン目又は前記半抜きのラインが形成されていなくてもよいし、その場合、前記第1のシート部分が直線カット性を有する層を含んでいてもいなくてもよい。
第8の態様による袋体は、前記第1乃至第7のいずれかの態様において、前記第1のシート部分における前記2つの引き裂き用切り込み間の領域及びこれに対して前記引き裂き方向に並んだ領域を除く領域において、前記第1の縁を跨がるように前記第1及び第2のシート部分の外側面に貼り付けられたシートを備えたものである。前記貼り付けられたシートは、例えば、ラベルやシールなどであってもよい。
この第8の態様によれば、前記貼り付けられたシートによって補強されるので、例えば、開封時に、前記2つの引き裂き用切り込み間の前記第1のシート部分の前記非接着領域を摘まんで引っ張る際の力が、前記引き裂き方向に対して斜め等をなす方向に加えられたとしても、破袋し難くなる。
第9の態様による袋体は、一方端部側が閉塞されるとともに他方端部側が開口された筒状の胴部を有する袋体であって、前記胴部は、前記一方端部側から前記他方端部側へ延びる第1の縁を持つ第1のシート部分と、前記一方端部側から前記他方端部側へ延びる第2の縁を持つ第2のシート部分とを含み、前記第1のシート部分の前記第1の縁側の領域と、前記第2のシート部分の前記第2の縁側の領域とが、前記第1のシート部分を外側にするとともに前記第2のシート部分を内側にして封筒貼り状に重ね合わされ、前記封筒貼り状に重ね合わされた前記第1及び第2のシート部分の前記領域間が、当該重ね合わされた領域の全領域又は一部の領域である接着領域において、接着され、前記胴部は、前記胴部の横方向に直線カット性を有する層を有するとともに前記横方向に引き裂き可能である1枚のシートで構成され、前記第1及び第2のシート部分はそれぞれ前記1枚のシートの一部であるものである。
この第9の態様によれば、前記第1及び第2のシート部分が封筒貼り状にされているので、特許文献1に開示された易開封包材のような合掌貼りシールが施されている袋体と異なり、接着されている部分が立ち上がる状態にならないので、容易に開封することができる。
また、前記第9の態様によれば、前記胴部は、前記胴部の横方向に直線カット性を有する層を有するとともに前記横方向に引き裂き可能である1枚のシートで構成されているので、前記胴部の一方の端部側を横方向に引き裂くことで開封することができることから、比較的小さな力で開封することができるとともに、不用意に開封してしまうおそれがない。
第10の態様による袋体は、前記第9の態様において、前記封筒貼り状に重ね合わされた前記第1及び第2のシート部分間の前記接着領域間の接着は、接着剤による接着であり、前記第1のシート部分の前記接着領域における前記接着剤の側の層が紙であり、前記第2のシート部分の前記接着領域における前記接着剤の側の層が紙であるものである。
この第10の態様によれば、前記第1のシート部分と前記第2のシート部分との間の接着剤による接着が紙同士の接着であるので、その接着を強固に行うことが容易になるとともに、当該接着剤がシート部分の縁から漏れるのを容易に防止することができる。
第11の態様による袋体は、前記第1乃至第10のいずれかの態様において、前記袋体が、前記胴部の前記一方端部側を閉塞する角底部を有する角底袋であるものである。
この第11の態様は、袋体の例として角底袋を挙げたものである。もっとも、前記第1乃至第10の態様では、袋体の具体的な形態は何ら限定されず、例えば、三方シール袋と同様の形態の袋、平底袋、ガゼット型袋、スタンディングパウチ等でもよい。
第12の態様による袋詰め体は、一方端部側及び他方端部側が閉塞された筒状の胴部を有する袋体の内部に、所望の収容物を収容してなる袋詰め体であって、前記胴部は、前記一方端部側から前記他方端部側へ延びる第1の縁を持つ第1のシート部分と、前記一方端部側から前記他方端部側へ延びる第2の縁を持つ第2のシート部分とを含み、前記第1のシート部分の前記第1の縁側の領域と、前記第2のシート部分の前記第2の縁側の領域とが、前記第1のシート部分を外側にするとともに前記第2のシート部分を内側にして封筒貼り状に重ね合わされ、前記封筒貼り状に重ね合わされた前記第1及び第2のシート部分の前記領域間が、前記第1のシート部分の前記第1の縁に沿った縁部領域の少なくとも一部を非接着領域として除いた接着領域において、接着され、前記第1のシート部分の前記非接着領域の端縁に、間隔をあけて2つの引き裂き用切り込みが形成され、前記第1及び第2のシート部分の少なくとも一方は、前記2つの引き裂き用切り込み間の前記第1のシート部分の前記非接着領域に対して引き裂き方向に並んだ前記接着領域において、易破壊層を含む2層以上の積層構造を有し、前記2つの引き裂き用切り込み間の前記第1のシート部分の前記非接着領域を摘まんで前記第1及び第2の縁と交差する引き裂き方向に引っ張ることにより、前記易破壊層が破壊されることで、前記引き裂き方向に並んだ前記接着領域において、前記摘まんだ側が残りの側から分離されるように、前記第1及び第2のシート部分の各層間の接着強度及び各層の強度が設定されたものである。
前記積層構造は、前記易破壊層の他に合成樹脂層を含むことが好ましい。また、前記引き裂き用切り込みは、3つ以上でもよく、例えば、当該切り込みとしてVノッチを連続的に多数形成してもよい。
なお、収容物は、何ら限定されず、例えば、農薬や食品や薬品などでもよい。また、収容物は、粉体、液体、固体などでもよい。
第13の態様による袋詰め体は、前記第12の態様において、前記胴部は1枚のシートで構成され、前記第1及び第2のシート部分はそれぞれ前記1枚のシートの一部であるものである。
第14の態様による袋詰め体は、前記第12又は第13の態様において、前記易破壊層が紙であるものである。
第15の態様による袋詰め体は、前記第12乃至第14のいずれかの態様において、前記封筒貼り状に重ね合わされた前記第1及び第2のシート部分の前記接着領域間の接着は、ヒートシールによる接着であるものである。
第16の態様による袋詰め体は、前記第12乃至第14のいずれかの態様において、前記封筒貼り状に重ね合わされた前記第1及び第2のシート部分の前記接着領域間の接着は、接着剤による接着であるものである。
第17の態様による袋詰め体は、前記第14の態様において、前記第1のシート部分の前記接着領域における前記接着剤の側の層が紙であり、前記第2のシート部分の前記接着領域における前記接着剤の側の層が紙であり、前記第1のシート部分の前記接着領域における前記接着剤の側の前記層及び前記第2のシート部分の前記接着領域における前記接着剤の側の前記層のうちの少なくとも一方が前記易破壊層をなすものである。
第18の態様による袋詰め体は、前記第12乃至第17のいずれかの態様において、前記第1のシート部分において、前記2つの引き裂き用切り込みのうちの少なくとも1つの引き裂き用切り込みの延長線上に、引き裂き用ガイドとなるミシン目あるいは連続又は断続した半抜きのラインが形成されたものである。
第19の態様による袋詰め体は、前記第12乃至第18のいずれかの態様において、前記第1のシート部分における前記2つの引き裂き用切り込み間の領域及びこれに対して前記引き裂き方向に並んだ領域を除く領域において、前記第1の縁を跨がるように前記第1及び第2のシート部分の外側面に貼り付けられたシートを備えたものである。
第20の態様による袋詰め体は、一方端部側及び他方端部側が閉塞された筒状の胴部を有する袋体の内部に、所望の収容物を収容してなる袋詰め体であって、前記胴部は、前記一方端部側から前記他方端部側へ延びる第1の縁を持つ第1のシート部分と、前記一方端部側から前記他方端部側へ延びる第2の縁を持つ第2のシート部分とを含み、前記第1のシート部分の前記第1の縁側の領域と、前記第2のシート部分の前記第2の縁側の領域とが、前記第1のシート部分を外側にするとともに前記第2のシート部分を内側にして封筒貼り状に重ね合わされ、前記封筒貼り状に重ね合わされた前記第1及び第2のシート部分の前記領域間が、当該重ね合わされた領域の全領域又は一部の領域である接着領域において、接着され、前記胴部は、前記胴部の横方向に直線カット性を有する層を有するとともに前記横方向に引き裂き可能である1枚のシートで構成され、前記第1及び第2のシート部分はそれぞれ前記1枚のシートの一部であるものである。
第21の態様による袋詰め体は、前記第20の態様において、前記封筒貼り状に重ね合わされた前記第1及び第2のシート部分間の前記接着領域間の接着は、接着剤による接着であり、前記第1のシート部分の前記接着領域における前記接着剤の側の層が紙であり、前記第2のシート部分の前記接着領域における前記接着剤の側の層が紙であるものである。
第22の態様による袋詰め体は、前記第12乃至第21のいずれかの態様において、前記袋体が、前記胴部の前記一方端部側を閉塞する角底部を有する角底袋であるものである。
前記第12乃至第22の態様による袋詰め体は、前記第1乃至第11の態様による袋体に対応しており、その袋体内に収容物を収容したものである。
本発明によれば、袋体毎のばらつきが少ないほぼ一定の比較的小さな力で容易に開封することができるとともに、不用意に開封してしまうおそれがない袋体、及び、これを用いた袋詰め体を提供することができる。
以下、本発明による袋体及び袋詰め体について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態による袋体1を示す図である。図2は、図1中のA−A’線に沿った概略断面図である。図3は、図2中のB部を拡大した概略拡大断面図である。
本実施の形態による袋体1は、一方端部側(図1中の下部側)が閉塞されるとともに他方端部側(図1中の上部側)が開口された筒状の胴部を有している。本実施の形態では、図2に示すように、前記胴部は1枚のシート2で筒状に構成されている。本実施の形態では、シート2は、図1中の上下方向(図2中の紙面に直交する方向)に延びた第1の縁2aを有する第1のシート部分2Aと、図1中の上下方向(図2中の紙面に直交する方向)に延びた第2の縁2bを有する第2のシート部分2Bとを含んでいる。このように、本実施の形態では、第1及び第2のシート部分2A,2Bはそれぞれ1枚のシート2の一部である。
図2に示すように、第1のシート部分2Aの第1の縁2a側の領域と、第2のシート部分2Bの第2の縁2b側の領域とが、第1のシート部分2Aを外側にするとともに第2のシート部分2Bを内側にして封筒貼り状に重ね合わされている。そして、前記封筒貼り状に重ね合わされた第1及び第2のシート部分2A,2Bの前記領域間が、第1のシート部分2Aの第1の縁2aに沿った縁部領域の少なくとも一部を非接着領域R1として除いた接着領域R2において、接着されている。本実施の形態では、非接着領域R1は、第1の縁2aに沿った縁部領域の全体とされているが、当該縁部領域の一部としてもよい。理解を容易にするため、図1では、第1のシート部分2Aの接着領域R2にはハッチングを付し、また、図1及び図3では、第1のシート部分2Aの非接着領域R1は第2のシート部分2Bから若干めくり上がった状態で示している。本実施の形態では、第1及び第2のシート部分2A,2B間が接着領域R2で接着されることで、シート2が筒状の胴部を構成している。
図1に示すように、第1のシート部分2Aの非接着領域R1の端縁に、間隔をあけて2つの引き裂き用切り込み4が形成されている。この間隔は、例えば指で摘まめる程度の間隔に設定される。本実施の形態では、引き裂き用切り込み4として、Iノッチが形成されているが、これに限らず、Vノッチ、Uノッチ、亀の子ノッチ(ホームベース形の五角形(先端が三角形状)の切り込み)などでもよい。本実施の形態では、引き裂き用切り込み4は2つ形成されているが、引き裂き用切り込みは、3つ以上形成してもよく、例えば、Vノッチを連続的に多数形成してもよい。
本実施の形態では、図1中のシート2の下辺に沿った領域R3においてシート2の対面する箇所間が接着されることで、前記胴部の下側が閉塞されている。本実施の形態による袋体1は、例えば、袋の製造業者等により製造され収容物の製造業者等へ供給され、収容物の製造業者等において、前記胴部の上部の開口部3から所望の収容物を前記胴部内に入れた後に、図1中の上辺に沿った領域R4においてシート2の対面する箇所間が接着されることで、上部の開口部3が閉塞されて、本発明の一実施の形態による袋詰め体が完成する。なお、本実施の形態では、領域R3におけるシート2の対面する箇所間の接着は、シート2の後述するLLDPE層11同士のヒートシールによる接着によって実現されている。同様に、領域R4におけるシート2の対面する箇所間の接着も、シート2の後述するLLDPE層11同士のヒートシールによる接着によって実現される。なお、収容物は、何ら限定されず、例えば、農薬や食品や薬品などでもよいし、粉体、液体、固体などでもよい。
本実施の形態では、第1及び第2のシート部分2A,2Bの少なくとも一方は、前記2つの引き裂き用切り込み4間の第1のシート部分2Aの非接着領域R1に対して引き裂き方向(図1乃至図3中の左方向)に並んだ接着領域R2において、易破壊層14を含む2層以上の積層構造を有している。本実施の形態では、具体的には、第1及び第2のシート部分2A,2Bを含む1枚のシート2は、図3に示すように、袋体1の内側から順に積層された、ヒートシール性及び易裂性を有する層としての直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)層11、図1乃至図3中の左右方向に直線カット性が付与された層としての横一軸高密度ポリエチレン(HDPE)層12、バリア性を有するバリア層としてのアルミニウム(Al)層13と、易破壊層14としての紙と、ヒートシール性を有する層としての低密度ポリエチレン(LDPE)層15と、非ヒートシール性の層としてのポリエステル(PET)層16とからなるラミネートフィルムである。ただし、本実施の形態では、接着領域R2において第1及び第2のシート部分2A,2B間のヒートシールによる接着を実現するために、第2のシート部分2Bにおける接着領域R2では、PE層15はPET層16で覆われていない。接着領域R2において、第1のシート部分2AのLLDPE層11と第2のシート部分2BのLDPE層15との間がヒートシールにより接着されている。なお、PET層16に易裂性を付与するべく、PET層16として公知の微多孔処理が施されたPET層を用いてもよい。また、シート2の各層の構成は、収容物に応じて要求される特性(例えば、ガスバリア性の要否、防水性の要否、自立性の要否など)に従って適宜変更してもよいことは、言うまでもない。
易開封性をより向上させるためには、本実施の形態のように、第1のシート部分2Aは、直線カット性を有する層を含んでいることが好ましいが、本発明では、必ずしも直線カット性を有する層を含んでいる必要はない。その場合、必要に応じて、例えば、外側の層にのみミシン目又は切れ目等の引き裂き用ガイドを、引き裂き用切り込み4の延長線上に形成しておいてもよい。
なお、易破壊層14は、紙に限らず、例えば、特許第3477178号公報に開示されているような非粘着性易破壊層(例えば、バインダーとこのバインダーの中に含まれる充填剤及び気泡とを有したもの)を採用してもよいし、ポリエステル合成紙(例えば、東洋紡株式会社製の「クリスパー」と称する商品などの、内部に空洞を含有するポリエステル系二軸延伸フィルム)などを採用してもよい。
そして、2つの引き裂き用切り込み4間の第1のシート部分2Aの非接着領域R1を摘まんで第1及び第2の縁2a,2bと交差する引き裂き方向(図1乃至図3中の左方向)に引っ張ることにより、易破壊層14が破壊されることで、前記引き裂き方向に並んだ接着領域R2において、図4乃至図6に示すように、前記摘まんだ側が残りの側から分離されるように、第1及び第2のシート部分2A,2Bの各層11〜16間の接着強度及び各層11〜16の強度が設定されている。
図4は、図1に示す袋体1の開封後の様子を示す図である。袋体1の開封は、実際には、内部に収容物が収容され上部の開口部3が閉塞されて袋詰め体となった状態において、収容物の使用者等により行われる。しかしながら、図面表記の便宜上、図4では、袋体1の上部の開口部3が開口したままの状態で開封した状態の袋体1を示している。図5は、図1に示す袋体1の開封過程を示す概略拡大断面図であり、図3に対応している。図6は、図1に示す袋体1の、図5に示す状態よりも開封が進行した状態を示す概略拡大断面図であり、図3及び図5に対応している。
収容者の使用者等が袋詰め体となった袋体1を開封する場合には、2つの引き裂き用切り込み4間の第1のシート部分2Aの非接着領域R1を指で摘まんで第1及び第2の縁2a,2bと交差する引き裂き方向(図1乃至図3中の左方向)に引っ張ると、まず、引き裂き用切り込み4を延長させるように第1のシート部分2Aの非接着領域R1が引き裂かれていき、やがて、2つの引き裂き用切り込み4間の第1のシート部分2Aの非接着領域R1の図3中の左端縁付近で、第2のシート部分2BのLDPE層15が破断した後に、易破壊層14が破壊されていく(図5)。当該非接着領域R1を図1乃至図3及び図5中の左方向へ更に引っ張ると、易破壊層14の破壊が更に進行し、2つの引き裂き用切り込み4間の第1のシート部分2Aの非接着領域R1に対して引き裂き方向(図1乃至図3中の左方向)に並んだ接着領域R2において、前記摘まんだ側が残りの側から分離され、更に、引き裂き用切り込み4を延長させるように第1のシート部分2Aが帯状に引き裂かれていく(図6)。当該非接着領域R1を図1乃至図3及び図5中の左方向へ更に引っ張ると、第1のシート部分2Aが更に帯状に引き裂かれていき、袋体1が開封される(図4)。
なお、本実施の形態では、接着領域R2は、袋体1の図1中の左右方向の中央ではなく、右辺(胴部の右側端縁2R)寄りに配置されているので、袋体1の前面側を帯状に引き裂くだけで、大きく開封することができる。
本実施の形態によれば、第1及び第2のシート部分2A,2Bが封筒貼り状にされているので、前述したように、2つの引き裂き用切り込み4間の第1のシート部分2Aの非接着領域R1を摘まんで第1及び第2の縁2a,2bと交差する引き裂き方向(図1乃至図3中の左方向)に引っ張ることにより、当該袋体1を開封することができる。したがって、本実施の形態によれば、特許文献1に開示された易開封包材のような合掌貼りシールが施されている袋体と異なり、接着されている部分が立ち上がる状態にならないので、容易に開封することができる。
また、本実施の形態では、第1及び第2のシート部分2A,2Bの少なくとも一方は、2つの引き裂き用切り込み4間の第1のシート部分2Aの非接着領域R1に対して引き裂き方向(図1乃至図3中の左方向)に並んだ接着領域R2において、易破壊層14を含む2層以上の積層構造を有し、2つの引き裂き用切り込み4間の第1のシート部分2Aの非接着領域R1を摘まんで第1及び第2の縁2a,2bと交差する引き裂き方向(図1乃至図3中の左方向)に引っ張ることにより、易破壊層14が破壊されることで、前記引き裂き方向(図1乃至図3中の左方向)に並んだ接着領域R2において、前記摘まんだ側が残りの側から分離されるように、第1及び第2のシート部分2A,2Bの各層11〜16間の接着強度及び各層11〜16の強度が設定されている。したがって、本実施の形態によれば、開封に際して易破壊層14の破壊が巧みに利用され、前記引っ張りによる力が易破壊層14に面状ではなく線状に加わることで、易破壊層14に破壊力が集中するため、比較的小さい力で易破壊層14が破壊する。このため、本実施の形態によれば、比較的小さな力で開封することができる。一方、開封操作をしない限り、易破壊層14には破壊力が集中することはないため、不用意に開封してしまうおそれがない。また、本実施の形態によれば、開封に際して易破壊層14の破壊が巧みに利用されるので、第1及び第2のシート部分2A,2Bの各層11〜16間の接着強度及び易破壊層14以外の層11〜13,15,16の強度が高くても、比較的小さい力で開封することができる。このため、本実施の形態によれば、弱シールや弱接着を使用せずに比較的小さい力で開封することができるので、袋体1毎のばらつきが少ないほぼ一定の比較的小さな力で開封することができる。また、本実施の形態によれば、弱シールや弱接着を使用せずに済むので、製造時において、その弱シールや弱接着の強度のばらつきが少なくなるような厳密な管理が不要になることから、当該袋体1の製造が容易となる。
さらに、本実施の形態によれば、第1及び第2のシート部分2A,2Bが同じ1枚のシート2を構成しているので、容易に製造することができる。
なお、本実施の形態では、第1のシート部分2Aの第1の縁2aが胴部の右側端縁2Rと重ならずに、右側端縁2Rから所定間隔だけ内側に配置されている。このため、2つの引き裂き用切り込み4間の第1のシート部分2Aの非接着領域R1を摘まむ際に、指が袋体1の表面をガイド代わりとして誘導されて非接着領域R1の内側に滑り込み、非接着領域R1が摘まみ易くなる。もっとも、本発明では、第1のシート部分2Aの第1の縁2aが胴部の右側端縁2Rと重なっていてもよい。この点は、後述する各実施の形態についても同様である。
また、本実施の形態では、前述したように、前記引き裂き方向が図1乃至図3中の左方向になるように(すなわち、2つの引き裂き用切り込み4間の第1のシート部分2Aの非接着領域R1を摘まんで図1乃至図3中の左方向に引っ張ることにより袋体1を開封するように)構成されているが、図1乃至図3中の左右が対称となるように構成し、前記引き裂き方向が図1乃至図3中の右方向になるように構成してもよい。この点は、後述する各実施の形態についても同様である。
[第2の実施の形態]
図7は、本発明の第2の実施の形態による袋体を示す概略拡大断面図であり、図3に対応している。図8は、図7に示す袋体の開封過程を示す概略拡大断面図であり、図5に対応している。図9は、図7に示す袋体の、図8に示す状態よりも開封が進行した状態を示す概略拡大断面図であり、図6に対応している。図7乃至図9において、図1乃至図6中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態による袋体が前記第1の実施の形態による袋体1と異なる所は、第1及び第2のシート部分2A,2Bを含む1枚のシート2の積層構造と、各部の接着としてヒートシールによる接着に代えて接着剤による接着が採用されている点のみである。
本実施の形態では、第1及び第2のシート部分2A,2Bを含む1枚のシート2は、図7に示すように、当該袋体の内側から順に積層された易破壊層14としての紙と、低密度ポリエチレン(LDPE)層21とからなるラミネートフィルムである。本実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様に、易破壊層14は紙に限らない。なお、本実施の形態においても、必要に応じて、シート2において、直線カット性を有する層を積層してもよい。
本実施の形態では、領域R3(図1参照)におけるシート2の対面する箇所間の接着は、シート2の易破壊層14同士を接着剤(図示せず)で接着することによって実現されている。同様に、本実施の形態では、領域R4(図1参照)におけるシート2の対面する箇所間の接着も、シート2の易破壊層14同士を接着剤(図示せず)で接着することによって実現される。
また、本実施の形態では、接着領域R2において、第1のシート部分2Aの易破壊層14と第2のシート部分2BのLDPE層21との間が接着剤31により接着されている。
本実施の形態では、2つの引き裂き用切り込み4間の第1のシート部分2Aの非接着領域R1を摘まんで第1及び第2の縁2a,2bと交差する引き裂き方向(図1、図2及び図7中の左方向)に引っ張ることにより、易破壊層14が破壊されることで、前記引き裂き方向に並んだ接着領域R2において、図8及び図9に示すように、前記摘まんだ側が残りの側から分離されるように、第1及び第2のシート部分2A,2Bの各層14,21間の接着強度、各層14,21の強度及び接着剤31の接着強度が設定されている。
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。なお、本実施の形態では、接着剤31として、弱接着の接着剤ではなく、通常の強接着の接着剤を使用することができる。なお、接着剤31の材料は限定されるものではない。
なお、本実施の形態では、前述したように、シート2として易破壊層14及びLDPE層21からなるラミネートフィルムが用いられているが、本発明では、これに限らない。シート2の各層の構成は、収容物に応じて要求される特性(例えば、ガスバリア性の要否、防水性の要否、自立性の要否など)に従って適宜変更してもよいことは、言うまでもない。例えば、本実施の形態のようにシート2を領域R2において接着剤31で接着する場合、シート2として、易破壊層14を含むものであれば、任意の押出しラミネートフィルムを用いてよいし、層同士を接着剤で接着した任意のドライラミネートフィルムを用いてもよい。具体的には、例えば、前記LDPE層21に代えて、PET層、ナイロン層又はポリプロピレン層などを用いてもよい。また、シート2として用いるラミネートフィルムにおいて、例えば、層同士の貼り合わせに当該層の間に介在する接着剤を用いてもよいし、層同士の貼り合わせに当該層の間に介在するLDPE層等を用いてもよい。
また、本発明では、本実施の形態を変形して、シート2における易破壊層14及びLDPE層21の順序を、図7に示す順序と逆にしてもよい。この場合、図8に示すのと同様の状態や図9に示すのと同様の状態では、第1のシート部分2Aにおける易破壊層14が破壊されるのではなく、第2のシート部分2Bにおける易破壊層14が破壊されることになる。この場合にも、前記LDPE層21に代えて、PET層、ナイロン層又はポリプロピレン層などを用いてもよい。
[第3の実施の形態]
図10は、本発明の第3の実施の形態による袋体41を示す図であり、図1に対応している。図10において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態による袋体41が前記第1の実施の形態による袋体1と異なる所は、前記第1の実施の形態による袋体1では1枚のシート2からなる筒状の胴部が襠部分を有していないのに対し、本実施の形態による袋体41では、1枚のシート2からなる筒状の胴部が襠部分2C,2Dを有しており、ガゼット型の袋体として構成されている点のみである。
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。なお、本発明では、前記第1の実施の形態を変形して前記第2の実施の形態を得たのと同様の変形を、本実施の形態に対して適用してもよい。
[第4の実施の形態]
図11は、本発明の第4の実施の形態による袋体51を示す概略正面図である。図12は、図11に示す袋体51の概略分解斜視図である。図11及び図12において、図10及び図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。図11において、図10中の領域R4に相当する領域の図示は省略している。
本実施の形態による袋体51も、前記第3の実施の形態による袋体41と同様に、ガゼット型の袋体として構成されている。本実施の形態による袋体51が前記第3の実施の形態による袋体41と異なる所は、前記第3の実施の形態による袋体41では胴部が1枚のシート2で構成されているのに対し、本実施の形態による袋体51では、図12に示すように、胴部が、シート部分2A及びシート部分2Bからなる前面部と、襠部分2Cと、襠部分2Dと、背面部2Eとに分けられて別のシートで構成され、これらが両サイドの領域R5,R6でヒートシールされることによって構成されている点のみである。
本実施の形態によっても、前記第3の実施の形態と同様の利点が得られる。なお、本発明では、前記第1の実施の形態を変形して前記第2の実施の形態を得たのと同様の変形を、本実施の形態に対して適用してもよい。
[第5の実施の形態]
図13は、本発明の第5の実施の形態による袋体61の、開口部3を中程度開口した状態を示す概略斜視図である。図14は、図13に示す袋体61の巻き折りの途中状態を示す概略斜視図である。図15は、図13に示す袋体61内に収容物(図示せず)が収容され開口部3が閉塞されて袋詰め体となった状態を示す概略斜視図である。図13乃至図15において、図10中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態による袋体61が前記第3の実施の形態による袋体41と異なる所は、基本的に、前記第3の実施の形態による袋体41では、角底部を有しておらずに、領域R3においてシート2の対面する箇所間が接着されることで、胴部の下側が閉塞されているのに対し、本実施の形態による袋体61では、胴部の下側を閉塞する角底部2Fが設けられ、角底袋として構成されている点のみである。角底部2Fは、胴部を構成するのと同じ1枚のシート2の下側部分が公知のように折り畳まれ、かつ、その所定箇所がヒートシールや接着剤により接着されることで構成されているが、その詳細な図示は省略している。
本実施の形態では、袋体61内に収容物が収容された後に、例えば、開口部3が閉じるように襠部分2C,2Dを折り重ねて扁平にされた開口部3側の部分が、想像線L1,L2で2回折りで巻き折りされることによって、巻き折り部2Gが形成される。図面には示していないが、この巻き折り部2Gがその巻き折り状態を保持するように所定箇所間が接着剤により接着されている。開口部3の閉塞状態がより完全になるように、図10に示す袋体41と同様に上辺に沿った領域(領域R4に相当)において対面する箇所間をヒートシールした後に、巻き折りして巻き折り部2Gを形成してもよい。あるいは、巻き折り部2Gを形成せずに、図10に示す袋体41と同様に上辺に沿った領域(領域R4に相当)において対面する箇所間をヒートシールすることによって、開口部3を閉塞してもよい。
本実施の形態によっても、前記第3の実施の形態と同様の利点が得られる。なお、本発明では、前記第1の実施の形態を変形して前記第2の実施の形態を得たのと同様の変形を、本実施の形態に対して適用してもよい。
[第6の実施の形態]
図16は、本発明の第6の実施の形態による袋体を示す概略拡大断面図であり、図3に対応している。図16において、図1乃至図6中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態による袋体が前記第1の実施の形態による袋体1と異なる所は、第1及び第2のシート部分2A,2Bを含む1枚のシート2の積層構造と、各部の接着としてヒートシールによる接着に代えて接着剤による接着が採用されている点のみである。
本実施の形態では、第1及び第2のシート部分2A,2Bを含む1枚のシート2は、図16に示すように、当該袋体の内側から順に積層された易破壊層をなす紙71と、低密度ポリエチレン(LDPE)層72と、図16中の左右方向に直線カット性が付与された層としての横一軸高密度ポリエチレン(HDPE)層73と、低密度ポリエチレン(LDPE)層74と、易破壊層をなす紙75とからなるラミネートフィルムである。このラミネートフィルムは、例えば、紙71とHDPE層73との間に溶融したPE層72を流し込むとともに、HDPE層73と紙75との間に溶融したPE層74を流し込む押出しラミネートにより製造することができる。紙71及び紙75は同一の紙間強度を有していてもよいし、互いに異なる紙間強度を有していてもよい。
本実施の形態では、領域R3(図1参照)におけるシート2の対面する箇所間の接着は、シート2の紙71同士を接着剤(図示せず)で接着することによって実現されている。同様に、本実施の形態では、領域R4(図1参照)におけるシート2の対面する箇所間の接着も、シート2の紙71同士を接着剤(図示せず)で接着することによって実現される。
また、本実施の形態では、接着領域R2において、第1のシート部分2Aの紙71と第2のシート部分2Bの紙75との間が接着剤76により接着されている。
本実施の形態では、2つの引き裂き用切り込み4間の第1のシート部分2Aの非接着領域R1を摘まんで第1及び第2の縁2a,2bと交差する引き裂き方向(図1、図2及び図16中の左方向)に引っ張ることにより、紙71又は紙75が破壊されることで、前記引き裂き方向に並んだ接着領域R2において、前記摘まんだ側が残りの側から分離されるように、第1及び第2のシート部分2A,2Bの各層71〜75間の接着強度、各層71〜75の強度及び接着剤76の接着強度が設定されている。
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。また、本実施の形態によれば、第1のシート部分2Aと第2のシート部分2Bとの間の接着剤76による接着が紙71,75同士の接着であるので、その接着を強固に行うことが容易になるとともに、当該接着剤76がシート部分2A,2Bの縁から漏れるのを容易に防止することができる。
なお、本実施の形態では、接着剤76として、弱接着の接着剤ではなく、通常の強接着の接着剤を使用することができる。なお、接着剤76の材料は限定されるものではない。
[第7の実施の形態]
図17は、本発明の第7の実施の形態による袋体81を示す図であり、図1に対応している。図17において、図1中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態による袋体81が前記第1の実施の形態による袋体1と異なる所は、第1及び第2のシート部分2A,2Bを含む1枚のシート2において、直線カット性が付与された層としてのHDPE層12が取り除かれ、シート2が、袋体1の内側から順に積層された、LLDPE層11と、Al層13と、易破壊層14としての紙と、LDPE層15と、PET層16とからなるラミネートフィルムである点(図3も参照)と、第1のシート部分2Aにおいて、2つの引き裂き用切り込み4のうちの少なくとも1つの引き裂き用切り込み4の延長線上に、引き裂き用ガイドとなるミシン目82が形成されている点のみである。
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。また、本実施の形態によれば、第1のシート部分2Aにミシン目82が形成されているので、第1のシート部分2Aが直線カット性を有する層としてのHDPE層12を含んでいないにも拘わらず、易開封性をより向上させることができる。
なお、引き裂き用ガイドとして、ミシン目82に代えて、連続又は断続した半抜きのラインが形成してもよい。このようなラインやミシン目82は、例えば、レーザ加工により薄肉化又はカットすることで実現してもよいし、刃による打ち抜き加工又は半抜き加工で実現してもよい。
なお、本実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様に、シート2においてHDPE層12を設けておいてもよい。
[第8の実施の形態]
図18は、本発明の第8の実施の形態による袋体91を示す図であり、図1及び図17に対応している。図1及び図17では上部の開口部3がやや開いた状態で示しているが、図18では、上部の開口部3が開いていない状態で示している。図19は、図18中のD−D’線に沿った概略断面図である。図面には示していないが、図18中のC−C’線に沿った概略断面図は図2と同様となる。
図18及び図19において、図1、図2及び図17中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態による袋体91が前記第7の実施の形態による袋体1と異なる所は、第1のシート部分2Aにおける2つの引き裂き用切り込み4間の領域及びこれに対して前記引き裂き方向に並んだ領域を除く領域において、第1の縁2aを跨がるように第1及び第2のシート部分2A,2Bの外側面に貼り付けられたシート92が、追加されている点である。シート92は、接着剤(図示せず)で接着してもよいし、ヒートシール可能であればヒートシールにより接着してもよい。シート92の材質は何ら限定されず、また、シート92は1層のみで構成してもよいし2層以上で構成してもよい。理解を容易にするため、図18及び図19では、シート92にドットパターンを付している。シート92は、例えば、ラベルやシールなどであってもよい。なお、本実施の形態では、シート92が接着領域R2からその図18中の左側の領域にまで延在するように第1のシート部分2Aに貼り付けられているが、必ずしもこれに限らない。また、本実施の形態では、シート92の図18中の上辺が下側のミシン目82の近くに配置されているが、必ずしもこれに限らない。
本実施の形態によっても、前記第7の実施の形態と同様の利点が得られる。また、本実施の形態によれば、貼り付けられたシート92によって補強されるので、誤開封等による破袋を防止することができる。この点について、前記第7の実施の形態による袋体81と比較して以下に説明する。
前記第7の実施の形態による袋体81では、開封時に、2つの引き裂き用切り込み4間の第1のシート部分2Aの非接着領域R1を摘まんで引っ張る際の力が、前記引き裂き方向(図18中の左方向)に対して斜めをなす図18中の斜め左下方向に加えられると、本来は図4に示すのと同様に引き裂かれて開封されるべきであるのに対し、接着領域R2において下側のミシン目82付近からそれよりも下側へも易破壊層14の破壊が進行し、当該袋体81が破袋してしまうおそれがある。また、前記第7の実施の形態による袋体81では、図4と同様に開封が適切に行われたとしても、その開封により開口となったミシン目82間に指を差し入れてその部分が下側に引っ張られてしまうと、接着領域R2において下側のミシン目82付近からそれよりも下側へも易破壊層14の破壊が進行し、当該袋体81が破袋してしまうおそれがある。
これに対し、本実施の形態による袋体91では、貼り付けられたシート92によって補強されるので、そのような破袋が生じ難くなる。
本実施の形態は前記第7の実施の形態においてシート92を貼り付けた例であるが、本発明では、前記第1乃至第6の実施の形態においてシート92と同様のシートを貼り付けてもよい。
[第9の実施の形態]
図20は、本発明の第9の実施の形態による袋体101内に収容物(図示せず)が収容され開口部が閉塞されて袋詰め体となった状態を示す概略斜視図であり、図15に対応している。図20において、図15中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
本実施の形態による袋体101が前記第5の実施の形態による袋体61と異なる所は、第1のシート部分2Aの非接着領域R1の端縁に、引き裂き用切り込み4が形成されていない点である。本実施の形態では、第1のシート部分2Aと第2のシート部分2Bとの間が非接着領域R1において接着されていないが、領域R1においても第1のシート部分2Aと第2のシート部分2Bとの間を接着し、第1のシート部分2Aと第2のシート部分2Bとの重なり領域の全領域において両者の間を接着してもよい。第1のシート部分2Aと第2のシート部分2Bとの間の接着は、接着剤による接着でもよいし、ヒートシール可能であればヒートシールによる接着でもよい。
本実施の形態では、袋体101の胴部は、前記胴部の横方向に直線カット性を有する層を有するとともに前記横方向に引き裂き可能である1枚のシートで構成され、前記第1及び第2のシート部分はそれぞれ前記1枚のシートの一部である。具体的には、このシートの構成は、例えば、前述した図3に示す構成でもよいし、図16に示す構成でもよいし、一方側から順に積層された紙、接着剤層、横一軸高密度ポリエチレン(HDPE)層、接着剤層及び紙からなるドライラミネートフィルムでもよいし、必要に応じてアルミ箔又はバリア性を有したフィルムを含んでいてもよい。
本実施の形態によれば、前記胴部は、前記胴部の横方向に直線カット性を有する層を有するとともに前記横方向に引き裂き可能である1枚のシートで構成されているので、例えば、図20中の箇所R100付近の表裏を左手指で摘まむとともに箇所R101付近の表裏を右手指で摘まんで点P100からラインL100に沿って引き裂くことで、ラインL100から上側の部分を切り取ることによって、開封することができる。したがって、本実施の形態によれば、比較的小さな力で開封することができるとともに、不用意に開封してしまうおそれがない。
また、本実施の形態によれば、前記第1及び第2のシート部分が封筒貼り状にされているので、特許文献1に開示された易開封包材のような合掌貼りシールが施されている袋体と異なり、接着されている部分が立ち上がる状態にならないので、容易に開封することができる。
以上、本発明の各実施の形態及びその変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、本発明は、スタンディングパウチ等の他の形態の袋体にも適用することができる。なお、本発明では、前述した各実施の形態及びその変形例の各事項は、適宜組み合わせることができる。