JP6760101B2 - 袋織エアバッグ - Google Patents

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Description

本発明は、袋織エアバッグに関する。更に詳しくは、本発明は、1×1平織組織を基本とし、部分的に粗い織組織が導入されるとともに、粗い織組織では糸密度が高められて、緻密化され、十分な気密性を有する袋織エアバッグに関する。
従来、車両用のエアバッグは、膨張し、展開する袋状部と、袋状部からのガス漏れを抑えるため、袋状部の周縁に設けられた閉部とを備える。また、膨張、展開時のガス漏れをより抑えるため、外表面側にはシリコーン樹脂等からなるコーティング層が設けられている。更に、袋状部は、ガス漏れを抑えるため、通常、1×1平織組織により構成されている。この1×1平織組織では、経糸が緯糸毎にクリンプし、極めて緻密な組織となるため、気密性の高いエアバッグとすることができる。一方、組織が緻密であるため、糸密度を高め、気密性をより向上させることは困難である。
また、ガス漏れは、通常、エアバッグの外表面側に施されるシリコーン樹脂等を用いたコーティング層によっても抑えられている。その際、多量のコーティング剤を塗布し、コーティング層を厚くすれば、気密性をより高めることができる。しかし、コーティング剤は、通常、合成樹脂繊維等からなる原糸と比べて単価が高いため、多量のコーティング剤を用いた場合、エアバッグの原価高騰の一因となり、好ましくない。更に、コーティング層を厚くすると、エアバッグが剛直になり、丸めたり、折り畳んだりすることが容易ではなく、収納し難くなるとともに、膨張、展開性能が低下することもある。
車両用のエアバッグとしては各種のエアバッグがある。例えば、カーテンシールドエアバッグ(ロールオーバー対応エアバッグ及び側突対応エアバッグ)が挙げられ、高気密性が要求されるロールオーバー対応エアバッグでは、コーティング剤の塗布量が多い。一方、ロールオーバー対応エアバッグほどの高気密性が要求されない側突対応エアバッグでは、相対的にコーティング剤の塗布量が少ない。いずれにしても、前述のように、コーティング剤は高価であるため、ロールオーバー対応エアバッグではコーティング剤の塗布量を減らし、側突対応エアバッグでは所要個所のみの部分コーティングとすることで、エアバッグの原価低減を図ることが好ましい。
一方、膨張して保護対象への衝撃を緩和する袋織構造のエアバッグであって、袋部と閉部との境界部分における織組織によって、必要に応じた内圧制御をすることができる袋織エアバッグが知られている(例えば、特許文献1参照。)。更に、同様の袋織構造のエアバッグであって、袋部と閉部との境界における目開きを抑えることによって、内圧維持性能を向上させた袋織エアバッグも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2013−216213号公報 特開2016−20137号公報
特許文献1、2に記載されているように、袋織エアバッグにおいて、織構造、特に袋部と閉部との境界部分における織組織によって内圧制御をすることは知られている。また、コーティング剤の塗布量、塗布する個所等により内圧の維持、制御をすることも、通常、想起されることかもしれない。しかし、前述の従来技術、及び特許文献1、2に記載された袋織エアバッグ等のエアバッグでは、緻密な織組織に部分的に粗い織組織を導入し、且つ粗い織組織における糸密度を高めることで織布を緻密化し、コーティング剤の塗布量を減らしても、十分に気密性の高い袋織エアバッグとし得ることについては全く着眼されていない。
本発明は、前述の従来の状況に鑑みてなされたものであり、1×1平織組織を基本組織とし、部分的に粗い織組織を導入し、粗い織組織における糸密度を高くすることにより、単価の高いコーティング剤の塗布量を減らしても、又は部分的に塗布しても、緻密であり、且つ十分な気密性を有する袋織エアバッグを提供することを目的とする。
本発明は、以下のとおりである。
1.膨張展開部となる袋組織と、前記膨張展開部となる袋組織の周縁に隣接して設けられた閉部となる織組織とを備える袋織エアバッグであって、
前記膨張展開部となる袋組織は1×1平織組織を基本組織とし、前記膨張展開部となる一面側の織布と他面側の織布のうちの少なくとも一方の織布に、部分的に前記1×1平織組織より粗い織組織が導入され、且つ前記粗い織組織では糸密度が高められていることを特徴とする袋織エアバッグ。
2.前記粗い織組織が2×1平織組織、2×2平織組織及び3×3平織組織のうちの少なくとも1種である前記1.に記載の袋織エアバッグ。
3.前記膨張展開部となる袋組織と前記閉部となる織組織との境界部における前記膨張展開部となる袋組織が1×1平織組織のみからなる前記1.又は2.に記載の袋織エアバッグ。
4.前記基本組織と前記粗い織組織との合計を100%とした場合に、前記粗い織組織は15〜30%である前記1.乃至3.のうちのいずれか1項に記載の袋織エアバッグ。
5.前記粗い織組織が導入されていない場合と比べて、外表面側に塗布されるコーティング剤が最大で30質量%減量されている前記1.乃至4.のうちのいずれか1項に記載の袋織エアバッグ。
本発明の袋織エアバッグでは、膨張展開部となる袋組織が、1×1平織組織を基本組織とし、部分的に粗い織組織が導入され、且つ粗い織組織では追加の原糸を打ち込むことで糸密度が高められている。
そのため、膨張展開部となる袋組織の全てが1×1平織組織であるときと比べて高密度化することができ、コーティング剤の塗布量を減らしても、緻密であり、且つ十分な気密性を有する袋織エアバッグとすることができる。また、糸密度を高めることにより、織布の強度も向上することが考えられる。従って、ファーサイドエアバッグ、ニーエアバッグ、サイドエアバッグ等の高い耐圧性能が要求されるカーテンシールドエアバッグ以外の各種のエアバッグにも同様の構成を適用することができる。
更に、粗い織組織は2×1袋組織、2×2袋組織及び3×3組織のうちの少なくとも1種とすることができる。
この場合、粗い織組織に打ち込んで糸密度を高めるために追加される原糸の本数により、容易に所定の気密性を有する袋織エアバッグとすることができ、同時にコーティング剤も所定の気密性を有する袋織エアバッグとするための所要の塗布量とすることができる。
また、膨張展開部となる袋組織と閉部となる織組織との境界部における膨張展開部となる袋組織は1×1平織組織のみからなることが好ましい。
膨張展開部と閉部との境界部における閉部はガス圧によって目開きすることがあり、特にインフレータから供給されるガスが直接吹き付ける部位では目開きの可能性が高くなる。そのため、境界部における膨張展開部となる袋組織を緻密な1×1平織組織のみとすれば、閉部における目開きを十分に抑えることができる。
更に、基本組織と粗い織組織との合計を100%とした場合に、粗い織組織が15〜30%であれば、粗い織組織の糸密度を十分に高めることができ、袋組織の全てが1×1平織組織であるときと比べて、より緻密な組織とすることができ、コーティング剤の塗布量を減らすこともできる。
また、粗い織組織が導入されていない場合と比べて、外表面側に塗布されるコーティング剤を最大で30質量%減量させることができる。
そのため、原糸と比べて単価の高いコーティング剤の減量によるエアバッグの原価低減を図ることができる。
カーテンシールドエアバッグの一例の模式的な平面図である。 (a)は膨張展開部の上布の1×1平織組織、(b)は膨張展開部の下布の1×1平織組織、(c)は上布と下布とを合わせ、上布の側からみた織組織図である。 1×1平織組織からなる基本組織に、部分的に2×1平織組織からなる粗い組織を導入した膨張展開部の一方の織布及び/又は他方の織布の組織図である。 1×1平織組織からなる基本組織に、部分的に2×1平織組織からなる粗い組織が導入された膨張展開部と、閉部とを備える袋織エアバッグの一部の模式的な平面図である。
以下、本発明を、図も参照しながら詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本実施形態の袋織エアバッグ100は、膨張展開部1となる袋組織と、膨張展開部1となる袋組織の周縁に隣接して設けられた閉部2となる織組織とを備える。また、膨張展開部1となる袋組織は1×1平織組織Bを基本組織とし(図2参照)、膨張展開部1となる一面側の織布と他面側の織布のうちの少なくとも一方の織布に、部分的に1×1平織組織Bより粗い織組織Aが導入され、且つ粗い織組織Aでは、追加の原糸を打ち込むことで糸密度が高められている。
膨張展開部1となる袋組織は1×1平織組織Bを基本組織としており、この1×1平織組織では、経糸は織り込まれる緯糸毎にクリンプして緻密な組織となるため、気密性の高い織布とすることができる。一方、緻密な組織であるため、追加の原糸を織り込むことによって糸密度を高めることは困難であり、より緻密で気密性の高い織布とすることは容易ではない。また、通常の1×1平織組織では、より多くの緯糸を打ち込み、糸密度を高くしようとすると、経糸と緯糸とが織り合って布になるポイントであるクロスフェルが筬側へと移動し、製織不能となってしまい、より緻密な織布とすることができなくなる。
そこで、本実施形態の袋織エアバッグ100では、膨張展開部1となる一面側の織布と他面側の織布のうちの少なくとも一方の織布に、部分的に1×1平織組織Bより粗い織組織Aが導入される。更に、この粗い織組織Aでは、1×1平織組織Bでは打ち込むことができなかった追加の原糸が打ち込まれ、糸密度が高められて組織が緻密になる。これにより、全面が1×1平織組織Bにより構成された織布と比べても緻密性が高く、十分な気密性を有する織布とすることができ、外表面側に塗布するコーティング剤を減らすこともできる。
1×1平織組織Bより粗い織組織Aは、特に限定されず、平織、綾織、繻子織等が挙げられるが、部分的に導入する際の製織が容易な平織であることが好ましい。また、この平織組織としては、2×1平織組織、2×2平織組織、3×3平織組織等が挙げられる。これらの粗い織組織Aは1種のみでもよく、2種以上を併用してもよいが、通常、1種のみでよく、特に2種以上を併用する必要はない。即ち、粗い織組織Aでは、クリンプが減少するため、追加の原糸が打ち込まれ、糸密度が高められるが、所望の糸密度の織布を効率よく製織するためには、粗い織組織Aは1種のみでよく、特に多種の粗い織組織Aを併用する必要はない。
更に、袋織エアバッグ100では、膨張展開時、膨張展開部1と閉部2との境界部C(図4参照)において、ガス圧によって閉部2が目開きすることがある。この目開きによるガスの漏洩を抑えるため、膨張展開部1となる袋組織と閉部2となる織組織との境界部Cにおける膨張展開部1となる側の袋組織が1×1平織組織のみからなることが好ましい(図4の符号1aの帯状部参照)。1×1平織組織は、前述のように、緻密で強度も大きいため、境界部Cにおける膨張展開部1となる側の袋組織を1×1平織組織のみとすれば、ガス圧による閉部2の目開きを十分に抑えることができる。
また、粗い織組織Aは、膨張展開部1となる織布の緻密性、所要の気密性などを勘案し、基本組織である1×1平織組織への導入割合を設定することが好ましい。導入割合が過少であると、追加の原糸を打ち込んだとしても織布全体を1×1平織組織としたときに比べて気密性を向上させることができない。一方、過多であると、効率よく製織することが容易ではなく、織布の強度が低下することもある。粗い織組織Aの導入割合は、基本組織と粗い織組織Aとの合計を100%とした場合に、15〜30%とすることができ、20〜25%とすることが好ましい(導入割合が20%である図3参照)。粗い織組織Aの導入割合が15〜30%であれば、緻密であり、気密性の高い袋織エアバッグ100とすることができる。
袋織エアバッグ100では、その全外表面側に、シリコーン樹脂等を含有するコーティング剤が塗布されてコーティング層が形成される。本実施形態の袋織エアバッグ100では、基本組織である1×1平織組織に粗い織組織Aが導入され、粗い織組織Aでは糸密度が高められている。そのため、織布そのものが緻密となり、気密性が向上する。従って、コーティング剤の塗布量を減量することができる。どの程度減量することができるかは、粗い織組織Aの組織、並びにその導入割合及び追加で打ち込まれる原糸の本数等にもよるが、少なくとも10質量%以上、最多で30質量%減量することができる。このように単価の高いコーティング剤を減量することで、袋織エアバッグ100の原価低減が可能となる。
1×1平織組織Bより粗い織組織Aは、膨張展開部1となる一面側の織布と他面側の織布のうちの少なくとも一方の織布に導入されればよいが、一面側の織布及び他面側の織布に導入されることが好ましい。また、織布に部分的に導入される粗い織組織Aは、織布の平面方向に均等に配置されるように導入されていてもよく、偏在するように導入されていてもよい。この粗い織組織Aの配置は袋織エアバッグの種類にもよるが、通常、織布の平面方向に均等に配置されるように導入されていることが好ましい。
粗い織組織Aは、袋織エアバッグ100の膨張、展開及びその後の収縮がエアバッグの平面方向において均等になされるようにという観点で、上述のように、織布の平面方向に均等に配置されるように導入されることが好ましい。例えば、図4のように、粗い織組織Aは、閉部2に対して斜め方向に等間隔の複数本の帯状の形態に導入することができる。また、粗い織組織Aは、膨張展開部1の平面方向の形状及び膨張展開部1と閉部2との相対的な位置関係(例えば、図1のカーテンシールドエアバッグ100参照)によって、所要の膨張、展開及び収縮の性能が発現されるように配設することが好ましい。
更に、1×1平織組織Bに導入される粗い織組織Aにおいて追加して打ち込まれる原糸は緯糸でもよく、経糸でもよい。また、追加して打ち込まれる原糸の本数は、粗い織組織Aの組織、及び織機の性能等により、上限があるが、この本数は、例えば、粗い織組織Aの導入割合が、基本組織と粗い織組織との合計を100%とした場合に、20〜25%である場合、緯方向の糸密度が5〜15%、特に7〜13%程度高められる本数とすることができる。
本実施形態の袋織エアバッグ100では、膨張展開部1(図1、4参照)は袋組織からなり、車両が衝突したとき、インフレータからのガス導入口3から供給されるガスが内部に流入することにより、膨張し、展開して、乗員の頭部、顔面、胸部等に加わる衝撃が緩和される。膨張展開部1は袋組織からなり、1×1平織組織を基本組織とする。
一方、閉部2(図1、4参照)は、膨張展開部1の周縁に隣接して設けられ、膨張展開部1が膨張し、展開して所定の立体形状となるように、膨張展開部1に流入したガスの漏洩を抑えるための通気度の低い帯状部である。閉部2の織物組織は、流入したガスの漏洩を十分に抑えることができる限り、特に限定されない。この閉部2の織物組織は特に限定されず、例えば、平織組織、斜子組織、斜文組織、朱子組織、袋織組織等の各種の組織とすることができる。
また、閉部2は、袋織エアバッグ100(図1、4参照)の周縁からのガス漏れが抑えられる限り、1種の織組織のみからなっていてもよいが、ガス漏れをより十分に抑えるため、異なる織物組織(例えば、平織組織など)又は同じ織物組織であっても織組織(2×2組織など)が異なる閉部2が幅方向に連設されていてもよい。この場合、織物組織及び/又は織組織の異なる閉部2の各々の連設される順序は特に限定されないが、閉部2と膨張展開部1との境界部に反転袋織組織からなる反転袋織部を設けてもよい。
更に、閉部2の幅方向には、2以上の反転袋織部が隣接して設けられていてもよく、2以上の反転袋織部が平織部等を介して設けられていてもよい。2以上の反転袋織部が隣接して設けられている場合、隣接する各々の反転袋織部は、一方の下布が他方の上布を構成する経糸及び緯糸によって形成され、一方の上布が他方の下布を構成する経糸及び緯糸によって形成される。また、閉部2は、一重織りの平織部等のみにより形成されていてもよい。
本実施形態の袋織エアバッグ100の製造には、合成樹脂からなるフィラメントが使用される。このフィラメントとしては、マルチフィラメントとモノフィラメントとがあるが、通常、マルチフィラメントが用いられる。フィラメントの材質は特に限定されず、各種の合成樹脂からなるフィラメントを用いることができる。この合成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。合成樹脂としては、特にポリエステル系樹脂及びポリアミド系樹脂が好ましく、ポリエステル系樹脂がより好ましい。
マルチフィラメント等の合成樹脂フィラメントの繊度は特に限定されず、袋織エアバッグ100の種類、及び平面形状、寸法等により、適宜の繊度のマルチフィラメント等を用いることが好ましい。繊度は300〜700デシテックス、特に350〜650デシテックスとすることができる。マルチフィラメント等の繊度が400〜700デシテックスであれば、ガスの噴出方向に位置することになる閉部2及びこの閉部2に近接する部位及び他の位置の閉部2、並びに膨張展開部1からのガス漏れを十分に抑えることができる。更に、収納のために丸めたり、折り畳んだりすることが容易な袋織エアバッグ100とすることができるため好ましい。
また、マルチフィラメントの場合、このマルチフィラメントを構成するフィラメント数は特に限定されず、その繊度等によって設定することができるが、36〜300本、特に72〜200本であることが好ましい。
更に、膨張展開部1となる袋組織の糸密度も特に限定されず、フィラメントの繊度、並びにマルチフィラメントであるときは、マルチフィラメントを構成するフィラメントの繊度及びフィラメント数等によって設定することができる。この糸密度は、膨張展開部1となる袋組織の基本組織である1×1平織組織、及び粗い織組織Aに追加して原糸が打ち込まれた組織のいずれにおいても、経方向、緯方向ともに、40〜80本/inch、特に45〜75本/inchとすることができる。
また、袋織エアバッグ100全体としてのガス漏れをより抑えるため、前述のように、膨張展開部1及び閉部2の各々の外表面にコーティング層が設けられる。コーティング層を設ける方法は、特に限定されないが、例えば、膨張展開部1及び閉部2に用いられる織布の、袋織エアバッグ100となったときに外表面となる側に、樹脂等を含有する溶液又は分散液を吹き付け、媒体を除去するため加熱する方法等が挙げられる。
樹脂等としては、各種の樹脂及びゴムを用いることができる。樹脂等としては、例えば、シリコーン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂等の各種の樹脂、及びシリコーン系ゴム、クロロプレン系ゴム、及びクロロスルフォン化ポリエチレン系ゴム等の各種のゴムが挙げられる。また、これらの樹脂等は、原糸の材質によって選択することが好ましく、経糸、緯糸に強固に密着する樹脂等が好ましい。例えば、ポリエステル糸、ポリアミド糸であるときは、樹脂等はポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂等であることが好ましい。
尚、前述の記載は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態を挙げて説明したが、本発明の記述及び図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく、説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料及び実施形態を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、寧ろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
本発明は、車両用の袋織エアバッグの技術分野において利用することができる。特に、織布の1×1平織組織からなる基本組織に粗い織組織を導入し、この粗い織組織における糸密度を高めることで、より緻密であり、十分な気密性を有し、また、外表面に設けられるコーティング層を薄くすることができるため、収納し易く、且つ容易に膨張展開する袋織エアバッグの技術分野において好適に利用することができる。
100;袋織エアバッグ、1;膨張展開部、1a;膨張展開部と閉部との境界部における膨張展開部側の基本組織(1×1平織組織)、2;閉部、3;インフレータからのガス導入口、A;導入された粗い織組織、B;基本組織(1×1平織組織)、C;膨張展開部と閉部との境界部。

Claims (5)

  1. 膨張展開部となる袋組織と、前記膨張展開部となる袋組織の周縁に隣接して設けられた閉部となる織組織とを備える袋織エアバッグであって、
    前記膨張展開部となる袋組織は1×1平織組織を基本組織とし、前記膨張展開部となる一面側の織布と他面側の織布のうちの少なくとも一方の織布に、部分的に前記1×1平織組織より粗い織組織が導入され、且つ前記粗い織組織では糸密度が高められていることを特徴とする袋織エアバッグ。
  2. 前記粗い織組織が2×1平織組織、2×2平織組織及び3×3平織組織のうちの少なくとも1種である請求項1に記載の袋織エアバッグ。
  3. 前記膨張展開部となる袋組織と前記閉部となる織組織との境界部における前記膨張展開部となる袋組織が1×1平織組織のみからなる請求項1又は2に記載の袋織エアバッグ。
  4. 前記基本組織と前記粗い織組織との合計を100%とした場合に、前記粗い織組織は15〜30%である請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の袋織エアバッグ。
  5. 前記粗い織組織が導入されていない場合と比べて、外表面側に塗布されるコーティング剤が最大で30質量%減量されている請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の袋織エアバッグ。
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